JP6557954B2 - 非水電解質蓄電素子 - Google Patents
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Description
従来より、非水電解液二次電池としては、リチウムコバルト複合酸化物等の正極と、炭素の負極と、非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる非水電解液とを有するリチウムイオン二次電池が多く使用されている。
一方、正極に導電性高分子、炭素質材料等の材料を用い、非水電解液中のアニオンが正極へ挿入乃至脱離し、非水電解液中のリチウムイオンが炭素質材料からなる負極へ挿入乃至脱離して充放電が行われる非水電解液二次電池(以下、このタイプの電池を「デュアルカーボン電池」と称することがある)が存在する(特許文献1の特開2005−251472号公報参照)。
前記デュアルカーボン電池においては、下記反応式に示すように、非水電解液中から正極に、例えば、PF6 −等のアニオンが挿入され、非水電解液中から負極にLi+が挿入されることにより充電が行われ、正極からPF6 −等のアニオン、負極からLi+が非水電解液へ脱離することにより放電が行われる。
容量を確保するため高濃度のリチウム塩を加えた電解液を使用すると蓄電素子の充放電の繰り返しに伴う電池容量の低下が大きいという課題がある。
またカーボンは公知の正極用無機活物質に比較して密度が低いため、一定の体積に多くの重量の活物質を仕込むことが困難であるため、体積エネルギー密度もリチウムイオン電池と比較して向上させることが難しい。
即ち、特許文献2の特許第5052145号公報には、製造後の初回の充電時に、リチウムイオン二次電池の使用電圧(3.0〜4.2V)以上の電圧で電池構造体を充電することによって、リチウム化合物から発生した有害アニオンを正極の炭素材料の層間に捕捉することが開示されている。
特許文献3の特開2012−15086号公報には、リチウムの可逆的な挿入及び離脱が可能な正極活性物質(酸化リチウムとLiCoO2,LiMn2O4,LiNiO2のようなCo,Mn,Ni等の遷移金属酸化物との複合酸化物からなる正極活性物質、及び、高密度タップ密度が0.5〜1.5g/cc)、かつ高比表面積(10〜100m2/g)の結晶質炭素材料(結晶性炭素材料を酸及び酸化剤で酸化処理した後、結晶性炭素材料の層間距離d002が0.34〜0.80nmになるように酸及び酸化剤を結晶性炭素材料から抜き出すことにより、結晶性炭素材料の密度の急激な減少を避け単位体積当りのアニオン吸収量減少を防止したもの)からなるキャパシタ反応炭素材、を用いた正極が開示されている。
特許文献4の特開2002−260634号公報には、正極活物質と導電材と結着樹脂とを含む正極合材から形成された正極と、負極と、リチウム塩を有機溶媒に溶解した非水電解液とを備えてなり、電池のインピーダンス法による電気二重層容量Cdiと電池の反応抵抗Rctとの並列回路と、これと直列接続し、電流を流すと同時に電池に発生するオーム抵抗Rohmとからなる等価回路で時定数が表されるリチウム二次電池であって、前記正極合材にさらに活性炭を含ませることにより、前記電気二重層容量Cdiを電池放電容量あたり3F/Ah以上と大きくし、等価回路中での前記オーム抵抗Rohmの影響を緩和して、短時間における入出力を平均化すること、が記載されている。
非特許文献2のJournal of The Electrochemical Society,213th ECS meeting Abstract#114には、電極の重量エネルギー密度の向上を示唆する検討が示されており、非特許文献3の第49回電池討論会(2008)講演予稿集1B21には、リチウムとマンガンとの複合酸化物と、炭素材料とからなるコンポジット(LiMn2O4対炭素材料の重量比=4対1)は、4.5V以上のピークの減少が少なく、種々のL複合酸化物−炭素からなるコンポジットの中で、電池の高容量化のために使用できる可能性が最も高いことが開示されている。
(2)「Liイオンおよびその対アニオンを保持する部材がセパレータであり、電解液を含むともに、前記電解液は直鎖状カーボネートと環状カーボネートを主成分とする前記(1)に記載の非水電解質蓄電素子。」
(3)「前記電解液は直鎖状カーボネートを85%より多く、環状カーボネートを15%以下とする前記(1)または(2)に記載の非水電解質蓄電素子。」
(4)「前記負極が、少なくとも炭素材料および/あるいは遷移金属カルコゲン化合物を有することを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の非水電解質蓄電素子。」
(5)「前記電解質成分の濃度が2.5mol/L以上5mol/L以下であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の蓄電素子。」
(6)「前記Liを吸蔵、放出できる負極が炭素材料であることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の非水電解質蓄電素子。」
(7)「ハロゲン原子を含むアニオンを結合可能な部位を有する化合物を含有する非水電解液、を有することを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の非水電解質蓄電素子。」
(8)「前記ハロゲン原子を含むアニオンを化学的に結合可能な化合物としてトリス(テトラフルオロフェニルボレート)および/またはトリス(ヘキサフルオロイソプロピリボレート)を含むことを特徴とする前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の非水電解質蓄電素子。」
本発明の非水電解液蓄電素子は、正極と、負極と、非水電解質とを有してなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記非水電解液蓄電素子としては、例えば、非水電解液二次電池、非水電解液キャパシタ、などが挙げられる。
前記正極は、正極活物質を含んでおり、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極集電体上に正極活物質を有する正極材を備えた正極、などが挙げられる。
前記正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状、などが挙げられる。
前記正極材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極活物質を少なくとも含み、更に必要に応じて導電剤、バインダ、増粘剤、などを含んでなる。
前記正極は、正極活物質として少なくとも充電時4.5V以上でアニオンを吸蔵する炭素と充電時Liを放出する物質を含んでいる。炭素材料としては例えば、コークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物、などが挙げられる。これらの中でも、人造黒鉛、天然黒鉛が特に好ましく、X線回折で計測される面間隔(d002)で0.335−0.385nmとなる、グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボンが使用できる。これらの材料は複合化していてもかまわない。
充電時Liを放出する物質としては、Li原子を含有する公知のLiイオン電池用正極である遷移金属カルコゲン化合物や、オリビン型材料などのポニアニオン化合物を使用できる。具体例としては、バナジウム、チタン、クロム、銅、モリブデン、ニオブ、鉄、ニッケル、コバルトおよびマンガンなどの金属の酸化物、硫化物、セレン化物、およびテルル化物、LiMPO4であらわされるオリビン型化合物(MはMn、 Fe、CoまたはNiなど)
前記バインダとしては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記導電剤としては、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の材質としては、導電性材料で形成されたものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅、チタン、タンタル、などが挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、アルミニウムが特に好ましい。
前記正極集電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の大きさとしては、非水電解質蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極は、前記正極活物質に、必要に応じて前記バインダ、前記増粘剤、前記導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とした正極材を、前記正極集電体上に塗布し、乾燥することで製造することができる。前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系溶媒、有機系溶媒、などが挙げられる。前記水系溶媒としては、例えば、水、アルコール、などが挙げられる。前記有機系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエン、などが挙げられる。
なお、前記正極活物質をそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極とすることもできる。
前記負極は、負極活物質を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、負極集電体上に負極活物質を有する負極材を備えた負極、などが挙げられる。
前記負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状、などが挙げられる。
前記負極材としては、負極活物質を少なくとも含み、更に必要に応じてバインダ、導電剤、などを含んでなる。
前記負極活物質としては、少なくとも非水系で機能する物質であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はそれを吸蔵、放出可能な金属酸化物;アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属と合金化可能な金属と該金属を含む合金、複合合金化合物;高比表面積の炭素質材料等のイオンの物理吸着による非反応性電極、などが挙げられる。これらの中でも、エネルギー密度の点ではリチウム及びリチウムイオンの少なくともいずれかを吸蔵乃至放出可能な物質が好ましく、サイクル特性の面では非反応性電極がより好ましい。
前記負極活物質としては、具体的には、炭素質材料、酸化アンチモン錫、一酸化珪素等のリチウムを吸蔵、放出可能な金属酸化物、アルミニウム、錫、珪素、亜鉛等のリチウムと合金化可能な金属又は金属合金、リチウムと合金化可能な金属と該金属を含む合金とリチウムとの複合合金化合物、チッ化コバルトリチウム等のチッ化金属リチウム、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、安全性とコストの点から、炭素質材料が特に好ましい。
前記炭素質材料としては、例えば、コークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物、などが挙げられる。これらの中でも、人造黒鉛、天然黒鉛が特に好ましい。
前記バインダとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、カルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましく、繰り返し充放電回数が他のバインダに比べて向上する点から前記CMCが特に好ましい。
前記導電剤としては、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記負極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の材質としては、導電性材料で形成されたものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅、などが挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、銅が特に好ましい。
前記負極集電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の大きさとしては、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極は、前記負極活物質に、必要に応じて前記バインダ、前記導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とした負極材を、前記負極集電体上に塗布し、乾燥することで製造することができる。前記溶媒としては、前記正極の作製方法と同様の溶媒を用いることができる。
また、前記負極活物質に前記バインダ、前記導電剤等を加えたものをそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたり、蒸着、スパッタ、メッキ等の手法で前記負極集電体上に前記負極活物質の薄膜を形成することもできる。
Liイオンおよびその対アニオンを保持する部材とは固体電解質や非水電解液をふくんだセパレータが使用できる、
前記非水電解液は、少なくとも非水溶媒、ハロゲン原子を含む電解質塩、を含有する電解液である。
前記非水溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非プロトン性有機溶媒が好適である。
前記非プロトン性有機溶媒としては、鎖状カーボネート、環状カーボネート等のカーボネート系有機溶媒が用いられ、溶媒の粘度が低い点から鎖状カーボネートが好ましい。
前記鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(EMC)、メチルプロピオネート(MP)、などが挙げられる。これらの中でも、ジメチルカーボネート(DMC)が好ましい。
前記鎖状カーボネートの含有量は、目的に応じて適宜選択することができるが、前記非水溶媒に対して85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。前記鎖状カーボネートの含有量が、85質量%未満であると、残りの溶媒の誘電率が高い環状物質(環状カーボネートや環状エステル等)である場合には、誘電率が高い環状物質の量が増えるため、3mol/L以上の高濃度の非水電解液を作製したときに粘度が高くなりすぎ、非水電解液の電極へのしみ込みや、イオン拡散の点で不具合を生じることがある。
前記鎖状カーボネートとしてジメチルカーボネート(DMC)と前記環状カーボネートとしてエチレンカーボネート(EC)を組み合わせた混合溶媒を用いる場合には、ジメチルカーボネート(DMC)とエチレンカーボネート(EC)の混合割合は、質量比(DMC:EC)が、85:15〜99:1が好ましく、90:10〜99:1がより好ましい。
充放電効率を向上させるためには、フッ素化環状カーボネートを使用することが好ましい。添加量は0.1−10%が好ましい。フッ素化環状カーボネートの含有割合が10%よりも含有量が高いと溶媒の粘度が高くなってしまう。また、フッ素化環状カーボネートの含有割合が0.1%よりも少ないと充放電効率向上の効果が得にくい。
前記フッ素化環状カーボネートとしては4−フルオロエチレンカーボネート(FEC)、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,5ジフルオロカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネートなどが挙げられる。
前記鎖状エステルとしては、例えば、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル(酢酸メチル(MA)、酢酸エチル等)、ギ酸アルキルエステル(ギ酸メチル(MF)、ギ酸エチル等)、などが挙げられる。
前記環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン、などが挙げられる。
前記鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジメトシキエタン(DME)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、などが挙げられる。
前記電解質塩としては、ハロゲン原子を含み、非水溶媒に溶解し、高いイオン伝導度を示すものであれば特に制限はなく、下記のカチオンと、下記のアニオンとを組み合わせたものなどが使用可能である。
前記アニオンとしては、例えば、Cl−、Br−、I−、ClO4 −、BF4 −、PF6 −、SbF6 −、AsF6 −、CF3SO3 ―、(CF3SO2)2N−、(C2F5SO2)2N−、などが挙げられる。
前記リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、ホウ弗化リチウム(LiBF4)、六弗化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(LiN(C2F5SO2)2)、リチウムビスファーフルオロエチルスルホニルイミド(LiN(CF2F5SO2)2)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素電極中へのアニオンの吸蔵量の大きさの観点から、LiPF6が特に好ましい。
ハロゲン原子を含むアニオンを結合可能な部位を有する化合物としては、ハロゲン原子を含むアニオンと結合可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フッ素原子を含むアニオンを化学的に結合可能な化合物が好ましい。
前記ハロゲン原子を含むアニオンを結合可能な部位を有する化合物(以下、「アニオンレセプター」と称することもある。)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クラウンエーテル系化合物、アザエーテル系化合物、シクロデキストリン等の包接化合物、フッ化アルキルホウ素系化合物、フッ化フェニルホウ素、などが挙げられる。これらの中でも、比較的小さいアニオン(例えばPF6イオンの分解により生じるフッ素イオン)に配位能力のある化合物が好ましい。本発明においては、より小さい元素であるハロゲン原子を含むアニオン(特にフッ素原子を含むアニオン)の補足を目的とするので比較的小さいアニオンに配位能力のある化合物が好ましい。大きいアニオンを補足できるアニオンレセプターはアニオンであるPF6 −等も補足することが可能なため、電池内のアニオン輸送効率を下げてしまうので好ましくない。
前記ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などが挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
これらの中でも、前記一般式(2)において、R4、R5及びR6は同一であることが好ましく、炭素数2〜3のアルキル基がより好ましく、炭素数2〜3のアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものが更に好ましく、炭素数2〜3のアルキル基の水素原子がすべてフッ素原子で置換されたものが、中心元素であるホウ素の電子密度を下げる点から特に好ましい。
前記セパレータは、正極と負極の短絡を防ぐために正極と負極の間に設けられる。
前記セパレータの材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記セパレータの材質としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトフロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、などが挙げられる。
前記セパレータの形状としては、例えば、シート状、などが挙げられる。
前記セパレータの大きさとしては、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記セパレータの構造は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、外装缶、電極取り出し線、などが挙げられる。
本発明の非水電解液蓄電素子は、前記正極、前記負極、及び前記非水電解液と、必要に応じて用いられるセパレータとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。更に、必要に応じて外装缶等の他の構成部材を用いることも可能である。前記非水電解液蓄電素子を組み立てる方法としては、特に制限はなく、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
本発明の非水電解液蓄電素子の形状については、特に制限はなく、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。前記形状としては、例えば、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ、などが挙げられる。
本発明の非水電解液蓄電素子の用途としては、特に制限はなく、各種用途に用いることができ、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ、などが挙げられる。
なお、この実施例は、本発明の「非水電解液蓄電素子」を「非水電解液二次電池」として使用する例である。
電極膜となるスラリーを作製する。このスラリーは、基本組成液に活物質を加えてなる。
増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)3質量%水溶液を12.5gに、純水5gを加えて混練し、更に20%アセチレンブラック水分散液(御国色素株式会社製)を7.5g加えて混練する。
増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)3質量%水溶液を19gに、純水5gを加えて混練し、更に20%アセチレンブラック水分散液(御国色素株式会社製)の3.75gを加えて混練した。
正極活物質BとしてLiMn2O4(宝泉株式会社)を用意した
正極活物質CとしてLiFePO4(宝泉株式会社)を用意した
前記基本組成液Iの4gに、正極活物質Aとしての炭素を2g加えて混練し、更に正極活物質BとしてLiMn2O4を2gと純水を加えて混連し、正極材層組成物(スラリー)を作製した。前記正極材組成物をアルミニウム箔に塗工して120℃で4時間真空乾燥させ、正極材層を形成した。これを直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極を作製した。このとき、直径16mmのアルミニウム(Al)箔に塗工された正極材層中の正極活物質の総質量は10mg、正極材層の厚みは49μm(0.0049cm)で体積0.00985cm3あった。
前記基本組成液Iの8gに、正極活物質Aとしての炭素を4g加えて混練し、更に正極活物質CとしてLiFePO4を4gと純水を加えて混連し、正極材層組成物(スラリー)を作製した。前記正極材組成物をアルミニウム箔に塗工して120℃で4時間真空乾燥させ、正極材層を形成した。これを直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極を作製した。このとき、直径16mmのアルミニウム(Al)箔に塗工された正極材層中の正極活物質の質量は10mg、正極材層の厚みは59μm(0.0059cm)で体積0.01186cm3あった。
前記基本組成液Iの4gに、正極活物質BとしてLiMn2O4を4gと純水を加えて混連し、正極材層組成物(スラリー)を作製した。前記正極材組成物をアルミニウム箔に塗工して120℃で4時間真空乾燥させ、正極材層を形成した。これを直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極を作製した。このとき、直径16mmのアルミニウム(Al)箔に塗工された正極材層中の正極活物質の総質量は10mgで、正極材層の平均厚みは58μm(0.0058cm)で体積0.01166cm3あった。
前記基本組成液Iの4gに、正極活物質BとしてLiFePO4を4gと純水を加えて混連し、正極材層組成物(スラリー)を作製した。前記正極材組成物をアルミニウム箔に塗工して120℃で4時間真空乾燥させ、正極材層を形成した。これを直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極を作製した。このとき、直径16mmのアルミニウム(Al)箔に塗工された正極材層中の正極活物質の総質量は10mgで、正極材層の平均厚みは60μm(0.006cmで体積0.01206cm3あった。
前記基本組成液II及び正極活物質Aとして炭素粉末を用いた。即ち、この炭素粉末と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)3質量%水溶液を19gに、20%アセチレンブラック水分散液(御国色素株式会社製)を3.75gを加えて混練し、更に純水5gを加えて混練し、正極材層組成物(スラリー)を作製した。前記正極材組成物をアルミニウム箔に塗工して120℃で4時間真空乾燥させ、正極材層を形成した。これを直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極を作製した。このとき、直径16mmのアルミニウム(Al)箔に塗工された正極材層中の炭素粉末(黒鉛)の質量は10mg、正極材層の平均厚みは70μm(で体積0.01407cm3あった。
リチウム(本庄金属株式会社製、厚み200μm)を直径16mmに打ち抜いた。
負極活物質として炭素粉末(日立化成工業株式会社製、MAGD)を用いた。
この炭素粉末10g、及び20%アセチレンブラック水分散液(御国色素株式会社製)2.5gに水を加えて混練し、更に増粘材としてカルボキシルメチルセルロース(CMC)2質量%水溶液を10g加えて混練し、負極材層組成物(スラリー)を作製した。前記負極材層組成物をCu箔に塗工して120℃で4時間真空乾燥させ、負極材層を形成した。これを直径16mmの丸型に打ち抜き加工して負極Aとした。このとき、直径16mmのCu箔に塗工された負極材層中の炭素粉末(黒鉛)の質量は20mg、負極材層の平均厚みは130μmであった。
ジメチルカーボネート(DMC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)を重量比98:2で混合した溶液に2.0mol/LのLiPF6を溶解させた電解液を用意した。
ジメチルカーボネート(DMC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)、トリス(ぺンタフルオロフェニル)ボラン(TPFPB)を重量比97:2:1で混合した溶液に2.0mol/LのLiPF6を溶解させた電解液を用意した。
セパレータとして実験用ろ紙(ADVANTEC社製、GA−100 GLASS FIBER FILTER)を用意した。
−非水電解液二次電池の作製−
コイン型蓄電素子作製用の缶(2032型、宝泉株式会社製)に正極I、負極I、前記セパレータ、前記電解液Iをいれ、缶をかしめ装置(宝泉株式会社)でかしめて、非水電解液蓄電素子を作製した。
この蓄電素子に室温(25℃)において0.5mA/cm2の定電流で充電終止電圧5.2Vまで充電した。1回目の充電の後、0.5mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電して初期充放電を行った。そして、初期充放電後の蓄電素子について、0.5mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、0.1mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電した。正極物物質重量のあたり比容量は105mAh/g、正極材体積あたりの比容量は107mAh/cm3であった。続けて0.5mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、0.5mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電した。正極物物質重量あたりの比容量は100mAh/g、正極材体積あたりの比容量は102mAh/cm3であった。0.1mA/cm2での放電比容量に対する0.5mA/cm2での放電比容量の割合は95%であった。
なお、充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。
−非水電解液二次電池の作製−
コイン型蓄電素子作製用の缶(2032型、宝泉株式会社製)に正極II、負極I、前記セパレータ、前記電解液Iをいれ、缶をかしめ装置(宝泉株式会社)でかしめて、非水電解液蓄電素子を作製した。
この蓄電素子に室温(25℃)において0.5mA/cm2の定電流で充電終止電圧5.2Vまで充電した。1回目の充電の後、0.5mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電して初期充放電を行った。そして、初期充放電後の蓄電素子について、0.5mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、0.1mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電した。正極物物質重量あたりの比容量は115mAh/g、正極材体積あたりの比容量は97mAh/cm3であった。続けて0.5mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、0.5mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電した。正極物物質重量あたりの比容量は105mAh/g、正極材体積あたりの比容量は89mAh/cm3であった。0.1mA/cm2での放電比容量に対する0.5mA/cm2での放電比容量の割合は91%であった。
なお、充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。
コイン型蓄電素子作製用の缶(2032型、宝泉株式会社製)に正極III(LiMn2O4)、負極I、前記セパレータ、前記電解液Iをいれ、缶をかしめ装置(宝泉株式会社)でかしめて、非水電解液蓄電素子を作製した。
この蓄電素子に室温(25℃)において0.5mA/cm2の定電流で充電終止電圧4.3Vまで充電した。1回目の充電の後、0.5mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電して初期充放電を行った。そして、初期充放電後の蓄電素子について、0.5mA/cm2の定電流で4.3Vまで定電流充電を行い、次に、0.1mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電した。正極物物質重量あたりの比容量は110mAh/g、正極材体積あたりの比容量は94mAh/cm3であった。続けて0.5mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、0.5mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電した。正極物物質重量あたりの比容量は98mAh/g、正極材体積あたりの比容量は84mAh/cm3であった。0.1mA/cm2での放電比容量に対する0.5mA/cm2での放電比容量の割合は89%であった。
なお、充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。
実施例1の方が電流特性に優れていることがわかる。
コイン型蓄電素子作製用の缶(2032型、宝泉株式会社製)に正極IV(LiFePO4)、負極I、前記セパレータ、前記電解液Iをいれ、缶をかしめ装置(宝泉株式会社)でかしめて、非水電解液蓄電素子を作製した。
この蓄電素子に室温(25℃)において0.5mA/cm2の定電流で充電終止電圧4.3Vまで充電した。1回目の充電の後、0.5mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電して初期充放電を行った。そして、初期充放電後の蓄電素子について、0.5mA/cm2の定電流で4.3Vまで定電流充電を行い、次に、0.1mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電した。正極物物質重量あたりの比容量は132mAh/g、正極材体積あたりの比容量は109mAh/cm3であった。続けて0.5mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、0.5mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電した。正極物物質重量あたりの比容量は108mAh/g、正極材体積あたりの比容量は90mAh/cm3であった。0.1mA/cm2での放電比容量に対する0.5mA/cm2での放電比容量の割合は82%であった。
なお、充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。
実施例2の方が電流特性に優れていることがわかる。
コイン型蓄電素子作製用の缶(2032型、宝泉株式会社製)に正極V(炭素)、負極I、前記セパレータ、前記電解液Iをいれ、缶をかしめ装置(宝泉株式会社)でかしめて、非水電解液蓄電素子を作製した。
この蓄電素子に室温(25℃)において0.5mA/cm2の定電流で充電終止電圧5.2Vまで充電した。1回目の充電の後、0.5mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電して初期充放電を行った。そして、初期充放電後の蓄電素子について、0.5mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、0.1mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電した。正極物物質重量あたりの比容量は91mAh/g、正極材体積あたりの比容量は65mAh/cm3であった。続けて0.5mA/cm2の定電流で5.2Vまで定電流充電を行い、次に、0.5mA/cm2の定電流で2.5Vまで放電した。正極物物質重量あたりの比容量は90mAh/g、正極材体積あたりの比容量は64mAh/cm3であった。0.1mA/cm2での放電比容量に対する0.5mA/cm2での放電比容量の割合は98%であった。
なお、充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。
正極Iの正極材層を20mgとした電極を用意した。
コイン缶中に上記正極、負極II、セパレータ、非水電解液II(TPFPBなし)を入れ、非水電解液蓄電素子を組み立てた。
別の蓄電素子として正極Iの正極材層を20mgとした電極を用意し、コイン缶中に上記正極、負極II、セパレータ、非水電解液I(TPFPBあり)を入れ、非水電解液蓄電素子を組み立てた。
この蓄電素子に室温(25℃)において1mA/cm2の定電流で充電終止電圧5.2Vまで充電し、1mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電するサイクルを繰り返した。図は各サイクルの放電容量をプロットした図である。TPFEPB添加することによりサイクル特性が向上した。これは5.2Vでの充電で発生するフッ素成分をTPFPBが有効に補足して負極でのLiFの堆積を防いでいると予測される。
コイン缶中に参考例1の正極、負極II、セパレータ、非水電解液(表7に記載)を入れ、非水電解液蓄電素子を組み立てた。
得られた非水電解液蓄電素子に室温(25℃)において1mA/cm2の定電流で充電終止電圧5.2Vまで充電した。1回目の充電の後、1mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電して初期充放電を行った。初回の放電容量を表1に示す。環状カーボネートであるエチレンカーボネートの割合が増えるにつれて初回放電容量は少なくなった。
Claims (9)
- 少なくとも充電時4.5V以上でアニオンを吸蔵する炭素と充電時Liを放出する物質を含む正極と、少なくとも充電時Liイオンを吸蔵する負極と、Liイオンおよびその対アニオンを保持する部材と、2mol/L以上の電解質成分を含み、かつ鎖状カーボネートおよびフッ素化環状カーボネートを含有する電解液と、を備え、
前記鎖状カーボネートを85質量%以上含み、前記フッ素化環状カーボネートを15質量%以下含む非水電解質蓄電素子。 - 直鎖状カーボネートおよびフッ素化環状カーボネートを含有する電解液と、を備え、
前記直鎖状カーボネートを85質量%以上含み、前記フッ素化環状カーボネートを15質量%以下含む請求項1に記載の非水電解質蓄電素子。 - 前記鎖状カーボネートがジメチルカーボネート(DMC)であり、前記フッ素化環状カーボネートが4−フルオロエチレンカーボネート(FEC)である請求項1に記載の非水電解質蓄電素子。
- Liイオンおよびその対アニオンを保持する部材が、セパレータである請求項1乃至3のいずれかに記載の非水電解質蓄電素子。
- 前記負極が、少なくとも炭素材料および/あるいは遷移金属カルコゲン化合物を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の非水電解質蓄電素子。
- 前記電解質成分の濃度が2.5mol/L以上5mol/L以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の蓄電素子。
- 前記Liを吸蔵、放出できる負極が炭素材料であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の非水電解質蓄電素子。
- ハロゲン原子を含むアニオンを結合可能な部位を有する化合物を含有する非水電解液、を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の非水電解質蓄電素子。
- 前記ハロゲン原子を含むアニオンを化学的に結合可能な化合物としてトリス(テトラフルオロフェニル)ボランおよび/またはトリス(ヘキサフルオロイソプロピル)ボランを含むことを特徴とする請求項8に記載の非水電解質蓄電素子。
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