JP2017050131A - 非水電解液蓄電素子及びその充放電方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電のサイクル特性が向上したアニオンインターカレーション型の非水電解液蓄電素子の提供。【解決手段】アニオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な正極活物質を含有する正極材層を含む正極と、カチオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な負極活物質を含有する負極材層を含む負極と、前記正極と前記負極との間にセパレータと、電解質塩を含む非水電解液と、を有する非水電解液蓄電素子であって、前記非水電解液蓄電素子を、25℃で0.2mA/cm2の定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cm2の定電流で放電終止電圧1.7Vまで放電し、更に1.0Vまで追加放電して1.0V以下の電圧状態で60秒間以上放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った後の500サイクル充放電後の容量維持率が61%以上である非水電解液蓄電素子である。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液蓄電素子及びその充放電方法に関する。
近年、携帯機器の小型化、高性能化に伴い高いエネルギー密度を持つ非水電解液蓄電素子の特性が向上し、普及している。また、電動車両への応用展開を目指して非水電解液蓄電素子の高負荷放電性能の向上や、重量エネルギー密度向上の試みが進められている。
このような非水電解液蓄電素子としては、リチウムコバルト複合酸化物等の正極と、炭素の負極と、非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる非水電解液とを有するリチウムイオン非水電解液蓄電素子が多く使用されている。
また、正極に導電性ポリマー、炭素質材料等の材料を用い、非水電解液中のアニオンが正極へ挿入乃至脱離し、非水電解液中のリチウムイオンが炭素質材料からなる負極へ挿入乃至脱離して充放電が行われる非水電解液蓄電素子(以下、このタイプの蓄電素子を「デュアルカーボン蓄電素子」と称することがある。)が存在する(例えば、特許文献1参照)。
前記デュアルカーボン蓄電素子の放電容量は、正極のアニオン吸蔵量、正極のアニオン放出可能量、負極のカチオン吸蔵量、負極のカチオン放出可能量、非水電解液中のアニオン量、及びカチオン量で決まる。このため、前記デュアルカーボン蓄電素子において放電容量を増加させるためには正極活物質及び負極活物質のほか、リチウム塩を含む非水電解液の量も増やす必要がある(例えば、非特許文献1参照)。
このように非水電解液から正極にアニオンが蓄積され、非水電解液から負極にカチオンが蓄積されることにより充電が行われ、正極からアニオン、負極からカチオンが非水電解液へ放出することにより放電が行われる非水電解液蓄電素子においてはアニオンとカチオンの非水電解液中での拡散が重要になる。特に大きな分子であるアニオンが正極材層に吸蔵されたまま放出されず、正極材層又は正極活物質中に留まることで、充放電サイクル性能が低下するという問題がある。
本発明は、充放電のサイクル特性が向上したアニオンインターカレーション型の非水電解液蓄電素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の非水電解液蓄電素子は、アニオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な正極活物質を含有する正極材層を含む正極と、
カチオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な負極活物質を含有する負極材層を含む負極と、
前記正極と前記負極との間にセパレータと、
電解質塩を含む非水電解液と、を有する非水電解液蓄電素子であって、
前記非水電解液蓄電素子を、25℃で0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で放電終止電圧1.7Vまで放電し、更に1.0Vまで追加放電して1.0V以下の電圧状態で60秒間以上放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った後の500サイクル充放電後の容量維持率が61%以上である。
本発明によると、充放電のサイクル特性が向上したアニオンインターカレーション型の非水電解液蓄電素子を提供することができる。
図1は、本発明の非水電解液蓄電素子の一例を示す概略図である。 図2は、非水電解液蓄電素子パックの一例を示す模式図である。 図3は、図2の非水電解液蓄電素子パックの充放電方法の一例を示すフローチャートである。
(非水電解液蓄電素子)
本発明の非水電解液蓄電素子は、正極と、負極と、セパレータと、非水電解液とを有してなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記非水電解液蓄電素子を、25℃で0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で放電終止電圧1.7Vまで放電した後に1.0Vまで追加放電して1.0V以下の電圧状態で60秒間以上放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った後の500サイクル充放電後の容量維持率が61%以上であり、65%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
この場合、1.0Vまで追加放電して1.0V〜0Vの電圧状態で60秒間以上6時間以下放置することが好ましく、1.0Vまで追加放電して1.0V〜0Vの電圧状態で60秒間以上1時間以下放置することがより好ましい。
前記500サイクル充放電後の容量維持率が61%以上であると、アニオンインターカレーション型の非水電解液蓄電素子において充放電サイクル性能を向上させることができる。
前記500サイクル充放電後の容量維持率は、25℃で0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で放電終止電圧1.7Vまで放電し、更に1.0V以下まで追加放電して1.0V以下の電圧状態で60秒間以上放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行い、下記数式により、500サイクル充放電後の容量維持率を求めることができる。
<数式1>
500サイクル充放電後の容量維持率(%)=(500サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
前記1サイクル目の放電容量及び前記500サイクル目の放電容量は、例えば、25℃で0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で放電終止電圧1.7Vまで放電することにより求めることができる。
ここで、本発明の非水電解液蓄電素子においては、上記特徴を満たしていれば、正極、負極、非水電解液、セパレータ、及びその他の構成要素については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。以下、これらの構成要素について詳細に説明する。
<正極>
前記正極は、正極活物質を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極集電体上に正極活物質を有する正極材層を備えた正極、などが挙げられる。
前記正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状、などが挙げられる。
−正極材層−
前記正極材層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極活物質を少なくとも含み、更に必要に応じて導電助剤、バインダ、増粘剤などを含んでなる。
−−正極活物質−−
前記正極活物質としては、アニオンを可逆的に挿入乃至脱離可能な物質であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素質材料、導電性ポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、エネルギー密度が高い点から炭素質材料が特に好ましい。
前記導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレンなどが挙げられる。
前記炭素質材料としては、例えば、コークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、易黒鉛化カーボン、難黒鉛化カーボン、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物などが挙げられる。これらの中でも、人造グラファイト、天然グラファイトが特に好ましい。
−バインダ−
前記バインダとしては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−増粘剤−
前記増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼインなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−導電剤−
前記導電剤としては、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<正極集電体>>
前記正極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の材質としては、導電性材料で形成されたものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅、チタン、タンタルなどが挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、アルミニウムが特に好ましい。
前記正極集電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の大きさとしては、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−正極の作製方法−
前記正極は、前記正極活物質に、必要に応じて前記バインダ、前記増粘剤、前記導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とした正極材組成物を、前記正極集電体上に塗布し、乾燥することにより正極材層を形成することができる。前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系溶媒、有機系溶媒などが挙げられる。
前記水系溶媒としては、例えば、水、アルコールなどが挙げられる。
前記有機系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエンなどが挙げられる。
なお、前記正極活物質をそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたりすることもできる。
<負極>
前記負極は、負極活物質を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、負極集電体上に負極活物質を含有する負極材層を備えた負極などが挙げられる。
前記負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状などが挙げられる。
<<負極材層>>
前記負極材層としては、負極活物質を少なくとも含み、更に必要に応じてバインダ、導電剤などを含んでなる。
−負極活物質−
前記負極活物質としては、カチオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な物質であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属又はそれを吸蔵乃至放出可能な金属酸化物;アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属と合金化可能な金属と該金属を含む合金、複合合金化合物;高比表面積の炭素質材料等のイオンの物理吸着による非反応性電極などが挙げられる。これらの中でも、エネルギー密度の点ではリチウム及びリチウムイオンの少なくともいずれかを可逆的に蓄積乃至放出可能な物質が好ましく、サイクル特性の面では非反応性電極がより好ましい。
前記負極活物質としては、具体的には、炭素質材料、チタン酸リチウム、酸化アンチモン錫、一酸化珪素等のリチウムを吸蔵乃至放出可能な金属酸化物、アルミニウム、錫、珪素、亜鉛等のリチウムと合金化可能な金属又は金属合金、リチウムと合金化可能な金属と該金属を含む合金とリチウムとの複合合金化合物、チッ化コバルトリチウム等のチッ化金属リチウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、安全性とコストの点から、炭素質材料、チタン酸リチウムが好ましい。
前記炭素質材料としては、例えば、コークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物、非晶質カーボンなどが挙げられる。これらの中でも、人造グラファイト、天然グラファイト、非晶質カーボンが特に好ましい。
前記チタン酸リチウムとしてはLiTi12、又はLiTi12の一部の元素を置換した類似化合物がより好ましい。
本発明においては、正負極間の電圧を1.0V以下に下げることから、負極集電体の腐食を防止するために負極活物質としてはLiTi12、及びLiTi12の一部の元素を置換した類似化合物のいずれかが特に好ましい。
−バインダ−
前記バインダとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、繰り返し充放電回数が他のバインダに比べて向上する点から、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)が好ましい。
−導電剤−
前記導電剤としては、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<負極集電体>>
前記負極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の材質としては、導電性材料で形成されたものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅などが挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、アルミニウムが好ましく、アルミニウムがより好ましい。
前記負極集電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の大きさとしては、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−負極の作製方法−
前記負極は、前記負極活物質に、必要に応じて前記バインダ、前記導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とした負極材組成物を、前記負極集電体上に塗布し、乾燥することにより負極材層を形成することができる。前記溶媒としては、前記正極の作製方法と同様の溶媒を用いることができる。
また、前記負極活物質に前記バインダ、前記導電剤等を加えたものをそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたり、蒸着、スパッタ、メッキ等の手法で前記負極集電体上に前記負極活物質の薄膜を形成することもできる。
<非水電解液>
前記非水電解液は、非水溶媒、及び電解質塩を含有する電解液である。
<<非水溶媒>>
前記非水溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非プロトン性有機溶媒が好ましい。
前記非プロトン性有機溶媒としては、鎖状カーボネートと、環状カーボネート等のカーボネート系有機溶媒が用いられ、低粘度な溶媒が好ましい。
前記鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(EMC)、メチルプロピオネート(MP)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、ジメチルカーボネート(DMC)が好ましい。
前記環状カーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)が好ましく、プロピレンカーボネート(PC)がより好ましい。
前記非プロトン性有機溶媒は、電解質塩の溶解性、イオン移動度、及びサイクル特性向上の点から、前記環状カーボネートと前記鎖状カーボネートとの混合溶媒が好ましい。前記環状カーボネートと前記鎖状カーボネートとの体積比は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積比が1:1であることが好ましく、ジメチルカーボネートとプロピレンカーボネートとの体積比が1:1の混合溶媒がより好ましい。
前記非水溶媒としては、必要に応じて、環状エステル、鎖状エステル等のエステル系有機溶媒、環状エーテル、鎖状エーテル等のエーテル系有機溶媒などを用いることができる。
前記環状エステルとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどが挙げられる。
前記鎖状エステルとしては、例えば、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル(例えば、酢酸メチル(MA)、酢酸エチル等)、ギ酸アルキルエステル(例えば、ギ酸メチル(MF)、ギ酸エチル等)などが挙げられる。
前記環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソランなどが挙げられる。
前記鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジメトシキエタン(DME)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテルなどが挙げられる。
<<電解質塩>>
前記電解質塩としては、ハロゲン原子を含み、非水溶媒に溶解し、高いイオン伝導度を示すものであれば特に制限はなく、下記のカチオンと、下記のアニオンとを組み合わせたものなどが使用可能である。
前記カチオンとしては、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、スピロ系4級アンモニウムイオンなどが挙げられる。
前記アニオンとしては、例えば、Cl、Br、I、ClO 、BF 、PF 、SbF 、CFSO 、(CFSO、(CSOなどが挙げられる。
前記ハロゲン原子を含む電解質塩の中でも、非水電解液蓄電素子の容量を向上させる点から、リチウム塩が特に好ましい。
前記リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、塩化リチウム(LiCl)、ホウ弗化リチウム(LiBF)、六弗化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(LiN(CSO)、リチウムビスファーフルオロエチルスルホニルイミド(LiN(CFSO)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素電極中へのアニオンの吸蔵量の大きさの点から、LiPFが特に好ましい。
前記電解質塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非水電解液蓄電素子の容量と出力の両立の点から、1.5mol/L以上4mol/L以下が好ましく、1.5mol/L以上3mol/L以下がより好ましく、1.5mol/L以上2.5mol/L以下が更に好ましい。
<セパレータ>
前記セパレータは、前記正極と前記負極との短絡を防ぐために前記正極と前記負極の間に設けられる。
前記セパレータの材質、形状、大きさ、及び構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記セパレータの材質としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトフロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、非水電解液保持の点から、気孔率が50%以上のものが好ましい。
前記セパレータの形状としては、微多孔(マイクロポア)を有する薄膜タイプよりも、不織布タイプの方が、気孔率が高い点から好ましい。
前記セパレータの平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以上100μm以下が好ましい。前記平均厚みが、20μm以上であると、電解液の保持量が適正であり、100μm以下であると、エネルギー密度が良好に維持できる。
前記セパレータの形状としては、例えば、シート状、などが挙げられる。
前記セパレータの大きさとしては、非水電解液蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記セパレータの構造は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、外装缶、電極取り出し線などが挙げられる。
<非水電解液蓄電素子の製造方法>
本発明の非水電解液蓄電素子は、前記正極、前記負極、及び前記非水電解液と、前記セパレータを、適切な形状に組み立てることにより製造することができる。更に必要に応じて外装缶等の他の構成部材を用いることも可能である。前記非水電解液蓄電素子を組み立てる方法としては、特に制限はなく、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
ここで、図1は、本発明の非水電解液蓄電素子の一例を示す概略図である。この非水電解液蓄電素子110は、外装缶104内に、アニオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な正極活物質を含む正極101と、負極活物質を含む負極102と、正極101と負極102の間にセパレータ103とを収容してなり、これら正極101、負極102、及びセパレータ103は、非水溶媒に電解質塩を溶解してなる非水電解液(不図示)に浸っている。なお、105は負極引き出し線、106は正極引き出し線である。
本発明の非水電解液蓄電素子の形状については、特に制限はなく、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。前記形状としては、例えば、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプなどが挙げられる。
(非水電解液蓄電素子の充放電方法)
本発明の非水電解液蓄電素子の充放電方法は、アニオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な正極活物質を含有する正極材層を含む正極と、
カチオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な負極活物質を含有する負極材層を含む負極と、
前記正極と前記負極との間にセパレータと、
電解質塩を含む非水電解液と、を有する非水電解液蓄電素子に対して、
放電終止後、放電終止電圧より小さい電圧で、60秒間以上6時間以下保持してから、充電を開始する。
なお、放電終止電圧よりも低い電圧で一定時間保持する場合に、複数の設定電圧を設定できるようにしておいてもよい。
非水電解液の電解質塩濃度が充放電によって変化するアニオンインターカレーション型の非水電解液蓄電素子において、充放電のサイクル特性を向上させるには電極層に残存したイオンを非水電解液中に放出する必要があり、特に、正極材層中に残存したアニオンを強制的に全て放出するためには、放電終止後、放電終止電圧より小さい電圧で、所定の時間放置してから、充電を開始することが重要である。
この場合、放電終止後、放電終止電圧より小さい電圧で、60秒間以上1時間以下保持してから、充電を開始することが好ましい。
前記放電終止電圧より小さい電圧が、1.0V以下であることが好ましく、1.0V〜0Vがより好ましい。これにより、正極中に残存したアニオンを強制的に総て放出することができる。
ここで、図2は、非水電解液蓄電素子パックの一例を示す模式図である。この非水電解液蓄電素子パック1は、非水電解液蓄電素子30と充電制御部11を有する充電装置10が一体となったものである。なお、図2中50は負荷、40は発電部(電源)、12は劣化状態検出部をそれぞれ表す。
前記充電装置10は、時間計測部13と、電圧監視部14と、電流監視部15とを有している。
時間計測部13、電圧監視部14、及び電流監視部15により、充電放電時における蓄電素子の電圧、蓄電素子の電流、及び充電時間を検知する。得られた電圧、電流、及び充電時間から、容量維持率算出部16により容量維持率を算出する。なお、17は算出した容量維持率を記憶する記憶部17である。
前記容量維持率が、例えば、70%以下となった場合には、充電制御部11は、充電を行う前に、放電終止電圧より小さい電圧で一定時間保持する動作を行う。
図3は、図2に示す非水電解液蓄電素子パックの充放電方法の一例を示すフローチャートである。
まず、前回の充電において容量維持率が所定値(70%以下)まで減少した場合には、蓄電素子の電圧を1.0V以下で60秒間以上(好ましくは、1.0V〜0Vで60秒間以上6時間以下)保持してから、充電を開始する。
次に、充電装置の時間計測部、電圧計測部、及び電流監視部により蓄電素子の電圧、蓄電素子の電流、及び充電時間を検知して、これらの値から容量維持率算出部により容量維持率を算出する。算出された容量維持率は記憶部17に記憶される。
一方、前回の充電において容量維持率が所定値(70%以下)まで減少しなかった場合には、充電を開始し、充電装置により蓄電素子の電圧、蓄電素子の電流、及び充電時間を検知して、これらの値から容量維持率を算出する。
<用途>
本発明の非水電解液蓄電素子としては、例えば、非水電解液二次電池、非水電解液キャパシタ、などが挙げられる。
前記非水電解液蓄電素子の用途としては、特に制限はなく、各種用途に用いることができ、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラなどが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(正極の製造例1)
−正極の作製−
黒鉛粉末(KS6、ティムカル株式会社製)、及び導電剤としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状、電気化学工業株式会社製)に水を加えて混錬し、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース2質量%水溶液(1270、株式会社ダイセル製)を加えて混練し、更にバインダとしてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)(日本ゼオン株式会社製)を加えて、正極材層組成物(スラリー)を作製した。正極材層組成物の固形分の質量比で、黒鉛粉末:導電剤:増粘剤:バインダ=93:5:1:1とした。
前記正極材組成物をアルミニウム箔に塗工して150℃で12時間真空乾燥させ、正極材層を形成した。これを直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極を作製した。このとき、直径16mmのアルミニウム(Al)箔に塗工された正極材層中の炭素粉末(黒鉛)の単位面積当たりの質量は3mg/cmであった。
前記作製した正極を、プレス機(テスター産業株式会社製)を用いて圧縮し、正極材層の体積密度が1.3g/cmとなる正極を作製した。
(負極の製造例1)
−負極の作製−
負極活物質としてチタン酸リチウム(石原産業株式会社製、LT106)、及び導電剤としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状、電気化学工業株式会社製)に水を加えて混錬し、更に増粘剤としてカルボキシメチルセルロース2質量%水溶液(1270、株式会社ダイセル製)を加えて混練し、更にバインダとしてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)(日本ゼオン株式会社製)を加えて、負極材層組成物を作製した。負極材層組成物の固形分の質量比は、チタン酸リチウム:導電剤:増粘剤:バインダ=93:5:1:1とした。
前記負極材層組成物をアルミニウム(Al)箔に塗工して150℃で12時間真空乾燥させ、負極材層を形成した。これを直径16mmの丸型に打ち抜き加工して負極を作製した。このとき、直径16mmのAl箔に塗工された負極材層中のチタン酸リチウム粉末の単位面積当たりの質量は3mg/cmであった。
前記作製した負極を、プレス機(テスター産業株式会社製)を用いて圧縮し、負極材層の体積密度が1.8g/cmとなる負極を作製した。
(非水電解液蓄電素子の製造例1)
コイン型蓄電素子作製用の缶(2032型、宝泉株式会社製)に前記正極、前記セパレータ、前記負極、及び前記非水電解液を入れ、コイン缶をかしめ装置(宝泉株式会社)でかしめて、非水電解液蓄電素子を作製した。
コイン缶中に前記正極、及び前記負極を入れ、2mol/LのLiPFを溶解させた非水溶媒(プロピレンカーボネート(PC):ジメチルカーボネート(DMC)=1:1(体積比))からなる非水電解液を加え、セパレータは平均厚み50μm、気孔率0.67のセルロースを前記正極と前記負極の間に挿入して、製造例1の非水電解液蓄電素子を組み立てた。
(比較例1)
−充放電試験−
作製した前記非水電解液蓄電素子を、室温(25℃)において0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で1.7Vまで放電する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った。この評価方法を比較例1とした。なお、放電容量は、充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した。
前記500サイクル充放電後の容量維持率は、下記数式1により算出したところ、60.3%であった。
<数式1>
500サイクル充放電後の容量維持率(%)=(500サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
(実施例1)
−充放電試験−
作製した前記非水電解液蓄電素子を、室温(25℃)において0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で1.7Vまで放電し、更に1.0Vまで追加放電して1.0V電圧状態で60秒間放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った。放電容量は3.5Vから1.7Vまで放電した際の放電容量を評価値とした。この評価方法を実施例1とした。なお、充放電測定装置、及び500サイクル充放電後の容量維持率の算出方法は比較例1と同様とした。
比較例1と同様にして求めた500サイクル充放電後の容量維持率は63.7%であった。
(実施例2)
−充放電試験−
作製した前記非水電解液蓄電素子を、室温(25℃)において0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で1.7Vまで放電し、更に1.0Vまで追加放電して1.0V電圧状態で300秒間放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った。放電容量は3.5Vから1.7Vまで放電した際の容量を評価値とした。この評価方法を実施例2とした。なお、充放電測定装置及び容量維持率の算出方法は比較例1と同様とした。
比較例1と同様にして求めた500サイクル充放電後の容量維持率は64.5%であった。
(実施例3)
−充放電試験−
作製した前記非水電解液蓄電素子に、室温(25℃)において0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で1.7Vまで放電し、更に1.0Vまで追加放電して1.0V電圧状態で30分間放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った。放電容量は3.5Vから1.7Vまで放電した際の容量を評価値とした。この評価方法を実施例3とした。なお、充放電測定装置及び容量維持率の算出方法は比較例1と同様とした。
比較例1と同様にして求めた500サイクル充放電後の容量維持率は67.5%であった。
(実施例4)
−充放電試験−
作製した前記非水電解液蓄電素子に、室温(25℃)において0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で1.7Vまで放電し、更に、1.0Vまで追加放電して1.0V電圧状態で60分間放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った。放電容量は3.5Vから1.7Vまで放電した際の容量を評価値とした。この評価方法を実施例4とした。なお、充放電測定装置及び容量維持率の算出方法は比較例1と同様とした。
比較例1と同様にして求めた500サイクル充放電後の容量維持率は68.5%であった。
(実施例5)
−充放電試験−
作製した前記非水電解液蓄電素子に、室温(25℃)において0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で1.7Vまで放電し、更に、1.0Vまで追加放電して1.0V電圧状態で6時間放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った。放電容量は3.5Vから1.7Vまで放電した際の容量を評価値とした。この評価方法を実施例5とした。なお、充放電測定装置及び容量維持率の算出方法は比較例1と同様とした。
比較例1と同様にして求めた500サイクル充放電後の容量維持率は70.1%であった。
(実施例6)
−充放電試験−
作製した前記非水電解液蓄電素子に、室温(25℃)において0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で1.7Vまで放電し、更に、0Vまで追加放電して0V電圧状態で60秒間放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った。放電容量は3.5Vから1.7Vまで放電した際の容量を評価値とした。この評価方法を実施例6とした。なお、充放電測定装置及び容量維持率の算出方法は比較例1と同様とした。
比較例1と同様にして求めた500サイクル充放電後の容量維持率は66.7%であった。
(実施例7)
−充放電試験−
作製した前記非水電解液蓄電素子に、室温(25℃)において0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で1.7Vまで放電し、更に、0Vまで追加放電して0V電圧状態で300秒間放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った。放電容量は3.5Vから1.7Vまで放電した際の容量を評価値とした。この評価方法を実施例7とした。なお、充放電測定装置及び容量維持率の算出方法は比較例1と同様とした。
比較例1と同様にして求めた500サイクル充放電後の容量維持率は67.8%であった。
(実施例8)
−充放電試験−
作製した前記非水電解液蓄電素子に、室温(25℃)において0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で1.7Vまで放電し、更に、0Vまで追加放電して0V電圧状態で30分間放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った。放電容量は3.5Vから1.7Vまで放電した際の容量を評価値とした。この評価方法を実施例8とした。なお、充放電測定装置及び容量維持率の算出方法は比較例1と同様とした。
比較例1と同様にして求めた500サイクル充放電後の容量維持率は68.9%であった。
(実施例9)
−充放電試験−
作製した前記非水電解液蓄電素子に、室温(25℃)において0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で1.7Vまで放電し、更に、0Vまで追加放電して0V電圧状態で60分間放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った。放電容量は3.5Vから1.7Vまで放電した際の容量を評価値とした。この評価方法を実施例9とした。なお、充放電測定装置及び容量維持率の算出方法は比較例1と同様とした。
比較例1と同様にして求めた500サイクル充放電後の容量維持率は70.3%であった。
(実施例10)
−充放電試験−
作製した前記非水電解液蓄電素子に、室温(25℃)において0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で1.7Vまで放電し、更に、0Vまで追加放電して0V電圧状態で6時間放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った。放電容量は3.5Vから1.7Vまで放電した際の容量を評価値とした。この評価方法を実施例10とした。なお、充放電測定装置及び容量維持率の算出方法は比較例1と同様とした。
比較例1と同様にして求めた500サイクル充放電後の容量維持率は71.5%であった。
表1の結果から、実施例1〜10は、比較例1に比べて容積維持率が向上したことがわかった。これは、実施例1〜10では、放電終止電圧よりも低い電圧で一定時間保持することによって、インターカレーションしていたアニオンが正極より放出されたためであると考えられる。
なお、放電終止電圧よりも低い電圧で一定時間保持することを、前記実施例では、1サイクル毎に行ったが、例えば、容量維持率が70%以下に下がった場合に行うようにしてもよい。更に、前記実施例では、放電終止電圧よりも低い電圧を1.0Vで行ったが、放電終止電圧以下であれば構わない。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> アニオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な正極活物質を含有する正極材層を含む正極と、
カチオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な負極活物質を含有する負極材層を含む負極と、
前記正極と前記負極との間にセパレータと、
電解質塩を含む非水電解液と、を有する非水電解液蓄電素子であって、
前記非水電解液蓄電素子を、25℃で0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で放電終止電圧1.7Vまで放電し、更に1.0Vまで追加放電して1.0V以下の電圧状態で60秒間以上放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った後の500サイクル充放電後の容量維持率が61%以上であることを特徴とする非水電解液蓄電素子である。
<2> 500サイクル充放電後の容量維持率が65%以上である前記<1>に記載の非水電解液蓄電素子である。
<3> 前記負極活物質が、LiTi12、及びLiTi12の一部の元素を置換した類似化合物のいずれかを含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<4> 前記負極の集電体が、アルミニウム箔である前記<1>から<3>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<5> 前記正極活物質が、炭素質材料である前記<1>から<4>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<6> 前記炭素質材料が、黒鉛である前記<5>に記載の非水電解液蓄電素子である。
<7> 前記電解質塩が、リチウム塩である前記<1>から<6>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<8> 前記リチウム塩が、LiPFである前記<7>に記載の非水電解液蓄電素子である。
<9> 前記非水電解液が、非プロトン性有機溶媒を含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<10> 前記非プロトン性有機溶媒が、カーボネート系有機溶媒である前記<9>に記載の非水電解液蓄電素子である。
<11> 前記カーボネート系有機溶媒が、鎖状カーボネート及び環状カーボネートの少なくともいずれかを含む前記<10>に記載の蓄非水電解液電素子である。
<12> 前記鎖状カーボネートが、ジメチルカーボネート、及びエチレンカーボネートの少なくともいずれかを含む前記<11>に記載の非水電解液蓄電素子である。
<13> 前記環状カーボネートが、プロピレンカーボネート、及びエチレンカーボネートの少なくともいずれかを含む前記<11>から<12>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<14> 前記非水電解液が、ジメチルカーボネートとプロピレンカーボネートとの体積比が1:1の混合溶媒である前記<12>から<13>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<15> 前記リチウム塩の前記非水溶媒中の濃度が、1.5mol/L〜4mol/Lである前記<7>から<14>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<16> 前記正極の集電体の材質が、ステンレススチール及びアルミニウムのいずれかである前記<1>から<15>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子である。
<17> アニオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な正極活物質を含有する正極材層を含む正極と、
カチオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な負極活物質を含有する負極材層を含む負極と、
前記正極と前記負極との間にセパレータと、
電解質塩を含む非水電解液と、を有する非水電解液蓄電素子に対して、
放電終止後、放電終止電圧より小さい電圧で、60秒間以上6時間以下保持してから、充電を開始することを特徴とする非水電解液蓄電素子の充放電方法である。
<18> 放電終止後、放電終止電圧より小さい電圧で、60秒間以上1時間以下保持してから、充電を開始する前記<17>に記載の非水電解液蓄電素子の充放電方法である。
<19> 前記放電終止電圧より小さい電圧が、1.0V以下である前記<17>から<18>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子の充放電方法である。
<20> 前回の充電で容量維持率が70%以下に下がった場合に、放電終止後、放電終止電圧より小さい電圧で、60秒間以上1時間以下保持してから、充電を開始する前記<17>から<19>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子の充放電方法である。
前記<1>から<16>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子、及び前記<17>から<20>のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子の充放電方法は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、前記非水電解液蓄電素子、及び前記非水電解液蓄電素子の充放電方法は、充放電のサイクル特性が向上したアニオンインターカレーション型の非水電解液蓄電素子を提供することを目的とする。
101 正極
102 負極
103 セパレータ
104 外装缶
105 負極引き出し線
106 正極引き出し線
100 非水電解液蓄電素子
特開2014−130717号公報
Journal of The ElectrochemicalSociety,147(3) 899−901(2000)

Claims (10)

  1. アニオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な正極活物質を含有する正極材層を含む正極と、
    カチオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な負極活物質を含有する負極材層を含む負極と、
    前記正極と前記負極との間にセパレータと、
    電解質塩を含む非水電解液と、を有する非水電解液蓄電素子であって、
    前記非水電解液蓄電素子を、25℃で0.2mA/cmの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電し、次に、0.2mA/cmの定電流で放電終止電圧1.7Vまで放電し、更に1.0Vまで追加放電して1.0V以下の電圧状態で60秒間以上放置する定電流放電を1サイクルとし、500サイクルまで充放電サイクルを行った後の500サイクル充放電後の容量維持率が61%以上であることを特徴とする非水電解液蓄電素子。
  2. 500サイクル充放電後の容量維持率が65%以上である請求項1に記載の非水電解液蓄電素子。
  3. 前記負極活物質が、LiTi12、及びLiTi12の一部の元素を置換した類似化合物のいずれかを含有する請求項1から2のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子。
  4. 前記負極の集電体が、アルミニウム箔である請求項1から3のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子。
  5. 前記正極活物質が、炭素質材料である請求項1から4のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子。
  6. 前記電解質塩が、リチウム塩である請求項1から5のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子。
  7. 前記リチウム塩が、LiPFである請求項6に記載の非水電解液蓄電素子。
  8. アニオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な正極活物質を含有する正極材層を含む正極と、
    カチオンを可逆的に蓄積乃至放出可能な負極活物質を含有する負極材層を含む負極と、
    前記正極と前記負極との間にセパレータと、
    電解質塩を含む非水電解液と、を有する非水電解液蓄電素子に対して、
    放電終止後、放電終止電圧より小さい電圧で、60秒間以上6時間以下保持してから、充電を開始することを特徴とする非水電解液蓄電素子の充放電方法。
  9. 放電終止後、放電終止電圧より小さい電圧で、60秒間以上1時間以下保持してから、充電を開始する請求項8に記載の非水電解液蓄電素子の充放電方法。
  10. 前記放電終止電圧より小さい電圧が、1.0V以下である請求項8から9のいずれかに記載の非水電解液蓄電素子の充放電方法。
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