JP2017089424A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で可動コアの過剰なアンダーシュートおよび二次開弁を抑制しつつ、応答性の高い燃料噴射装置を提供する。【解決手段】 規制部60は、可動コア40の弁座側においてニードル本体31に設けられ、可動コア40側の面に形成され可動コア40の被規制面401に当接可能な規制面600を有し、被規制面401が規制面600に当接したとき、可動コア40の弁座側への移動を規制可能である。ダンパ部70は、燃料通路100内の可動コア40の弁座側においてハウジング20に設けられている。ダンパ部70は、ダンパ面700を有している。ダンパ面700は、ダンパ部70の可動コア40側の面に形成され、可動コア40の弁座側の端面411に対向しつつ当接不能である。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射装置に関する。
従来、可動コアの弁座側への移動を規制可能なストッパをニードルに設けた燃料噴射装置が知られている。このような燃料噴射装置では、可動コアの弁座側への移動をストッパで規制することにより、可動コアが弁座側に移動し過ぎること、すなわち、可動コアの過剰なアンダーシュートを抑制し、燃料噴射装置の応答性の向上を図っている。
国際公開第2013/167597号パンフレット
特許文献1の燃料噴射装置では、ストッパの可動コア側の面に規制面が形成されている。可動コアがストッパの規制面に近づくよう移動するとき、可動コアと規制面との間に、互いが近付くのを妨げようとする力であるスクイズ力が生じる。これにより、可動コアとストッパとの間に所謂ダンパ効果が生じ、可動コアがストッパに衝突するときのエネルギーを低減することができる。したがって、閉弁時にニードルが弁座でバウンスすることによる二次開弁を抑制可能である。一方、可動コアがストッパの規制面から離れるよう移動するとき、可動コアと規制面との間に、互いが離れるのを妨げようとする力であるリンギング力が生じる。
特許文献1の燃料噴射装置では、ストッパが、可動コアの移動を規制する機能とダンパの機能とを兼ねているため、可動コアの移動を規制するのに最適な可動コアとストッパとの距離、および、ダンパの機能を効果的に生じさせるのに最適な可動コアとストッパとの距離を同時に細かく調整するのが難しい。
また、引用文献1の燃料噴射装置では、ストッパは、可動コア側の面に形成された規制面の面積が比較的大きくなるよう設定されている。そのため、可動コアとストッパとの間に生じるリンギング力が大きくなり過ぎるおそれがある。これにより、可動コアがストッパに張り付き、通常位置に戻るのに時間がかかるおそれがある。したがって、燃料噴射装置の応答性が低下するおそれがある。
なお、ストッパをニードルではなくハウジングの内壁に設ける場合、ハウジングおよびストッパの公差の積み上げにより、可動コアの移動を規制する機能とダンパの機能とに関する最適な可動コアとストッパとの距離を設定するのが難しい。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で可動コアの過剰なアンダーシュートおよび二次開弁を抑制しつつ、応答性の高い燃料噴射装置を提供することにある。
本発明の燃料噴射装置は、ノズル(10)とハウジング(20)とニードル(30)と可動コア(40)と固定コア(50)と弁座側付勢部材(53)とコイル(54)と固定コア側付勢部材(55)と規制部(60)とダンパ部(70)とを備えている。
ノズルは、燃料が噴射される噴孔(13)、および、噴孔の周囲に形成された弁座(14)を有している。
ハウジングは、筒状に形成され、一端がノズルに接続され、噴孔に連通するよう内側に形成され噴孔に燃料を導く燃料通路(100)を有している。
ニードルは、ニードル本体(31)、シール部(32)、鍔部(33)およびニードル当接面(34)を有している。
ニードル本体は、棒状に形成されている。シール部は、弁座に当接可能なようニードル本体の一端に形成されている。鍔部は、ニードル本体の径方向外側に設けられている。ニードル当接面は、鍔部の弁座側に形成されている。
ニードルは、燃料通路内を往復移動可能に設けられ、シール部が弁座から離間または弁座に当接すると噴孔を開閉する。
可動コアは、内側にニードル本体が位置するよう筒状に形成され、燃料通路内の鍔部の弁座側においてニードル本体に対し相対移動可能に設けられている。可動コアは、鍔部側の面の内縁部に形成されニードルのニードル当接面に当接可能な可動コア当接面(400)、および、弁座側の面の内縁部に形成された被規制面(401)を有している。
固定コアは、ハウジングの内側において可動コアに対し弁座とは反対側に設けられている。
弁座側付勢部材は、ニードルおよび可動コアを弁座側に付勢可能である。
コイルは、通電されると、可動コアを固定コア側に吸引しニードルを弁座とは反対側に移動させることが可能である。
固定コア側付勢部材は、可動コアに対し弁座側に設けられ、可動コアを固定コア側に付勢可能である。
規制部は、可動コアの弁座側においてニードル本体に設けられている。規制部は、規制面(600)を有している。規制面は、固定コア側付勢部材の内側において規制部の可動コア側の面に形成され、可動コアの被規制面に当接可能である。規制部は、被規制面が規制面に当接したとき、可動コアの弁座側への移動を規制可能である。
本発明では、規制部により可動コアの弁座側への移動を規制することができる。これにより、可動コアの過剰なアンダーシュートを抑制し、燃料噴射装置の応答性を高めることができる。
ダンパ部は、燃料通路内の可動コアの弁座側においてハウジングに設けられている。ダンパ部は、ダンパ面(700)を有している。ダンパ面は、ダンパ部の可動コア側の面に形成され、可動コアの弁座側の面に対向しつつ当接不能である。
本発明では、可動コアがダンパ部のダンパ面に近づくよう弁座側へ移動するとき、可動コアの弁座側の面とダンパ部のダンパ面との間に、互いが近付くのを妨げようとする力であるスクイズ力が生じる。これにより、可動コアとダンパ部との間に所謂ダンパ効果が生じ、可動コアが弁座側に移動して規制部に衝突するときのエネルギーを低減することができる。したがって、閉弁時にニードルが弁座でバウンスすることによる二次開弁を抑制可能である。
また、本発明では、規制部をニードルに設け、ダンパ部をハウジングに設けている。つまり、可動コアの移動を規制する機能とダンパの機能とを、それぞれ規制部とダンパ部とに分けて設定している。そのため、可動コアと規制面との距離、および、可動コアとダンパ面との距離を別々に調整できる。したがって、可動コアの移動を規制する機能とダンパの機能とに関する最適な可動コアと規制部との距離、および、可動コアとダンパ部との距離を容易に設定することができる。
本発明の第1実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の可動コアおよびその近傍を示す断面図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の可動コアおよびその近傍を示す断面図であって、図2の状態とは異なる状態を示す図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の可動コアおよびその近傍を示す断面図であって、図3の状態とは異なる状態を示す図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の可動コアおよびその近傍を示す断面図であって、図4の状態とは異なる状態を示す図。 本発明の第2実施形態による燃料噴射装置の可動コアおよびその近傍を示す断面図。 本発明の第3実施形態による燃料噴射装置の可動コアおよびその近傍を示す断面図。 本発明の第4実施形態による燃料噴射装置の可動コアおよびその近傍を示す断面図。 本発明の第4実施形態による燃料噴射装置の可動コアおよびその近傍を示す断面図であって、図8の状態とは異なる状態を示す図。 本発明の第4実施形態による燃料噴射装置の可動コアおよびその近傍を示す断面図であって、図9の状態とは異なる状態を示す図。 本発明の第4実施形態による燃料噴射装置の可動コアおよびその近傍を示す断面図であって、図10の状態とは異なる状態を示す図。 本発明の第4実施形態による燃料噴射装置の可動コアおよびその近傍を示す断面図であって、図11の状態とは異なる状態を示す図。 本発明の第4実施形態による燃料噴射装置の可動コアおよびその近傍を示す断面図であって、図12の状態とは異なる状態を示す図。
以下、本発明の複数の実施形態を図に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において、形状等が多少異なっていても実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料噴射装置、および、その一部を図1、2に示す。燃料噴射装置1は、例えば図示しない内燃機関としての直噴式ガソリンエンジンに用いられ、燃料としてのガソリンをエンジンに噴射供給する。
燃料噴射装置1は、ノズル10、ハウジング20、ニードル30、可動コア40、固定コア50、弁座側付勢部材としてのスプリング53、コイル54、固定コア側付勢部材としてのスプリング55、規制部60、ダンパ部70、および、係止部90等を備えている。
ノズル10は、例えばマルテンサイト系ステンレス等の硬度が比較的高い材料により形成されている。ノズル10は、所定の硬度を有するよう焼入れ処理が施されている。ノズル10は、ノズル筒部11、および、ノズル筒部11の一端を塞ぐノズル底部12を有している。ノズル底部12には、ノズル筒部11側の面とノズル筒部11とは反対側の面とを接続する噴孔13が複数形成されている。また、ノズル底部12のノズル筒部11側の面には、噴孔13の周囲に環状の弁座14が形成されている。
ハウジング20は、第1筒部21、第2筒部22、第3筒部23等を有している。
第1筒部21、第2筒部22および第3筒部23は、いずれも略円筒状に形成されている。第1筒部21、第2筒部22および第3筒部23は、第1筒部21、第2筒部22、第3筒部23の順に同軸(軸Ax1)となるよう配置され、互いに接続している。第2筒部22と第1筒部21および第3筒部23とは、例えば溶接により接続されている。
第1筒部21および第3筒部23は、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により形成され、磁気安定化処理が施されている。第1筒部21および第3筒部23は、硬度が比較的低い。一方、第2筒部22は、例えばオーステナイト系ステンレス等の非磁性材料により形成されている。第2筒部22は、磁気絞り部を形成している。
第1筒部21の第2筒部22とは反対側の端部の内側には、ノズル筒部11のノズル底部12とは反対側の端部が接続されている。第1筒部21とノズル10とは、例えば溶接により接続されている。
第3筒部23の第2筒部22とは反対側には、インレット部24が設けられている。インレット部24は、第3筒部23と同様、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により筒状に形成されている。インレット部24は、一端が第3筒部23の第2筒部22とは反対側の端部の内側に接続するよう設けられている。インレット部24と第3筒部23とは、例えば溶接により接続されている。
ハウジング20およびノズル筒部11の内側には、燃料通路100が形成されている。燃料通路100は、噴孔13に連通している。インレット部24の第3筒部23とは反対側には、図示しない配管が接続される。これにより、燃料通路100には、燃料供給源からの燃料が配管を経由して流入する。燃料通路100は、燃料を噴孔13に導く。
インレット部24の内側には、フィルタ241が設けられている。フィルタ241は、燃料通路100に流入する燃料中の異物を捕集する。
ニードル30は、例えばマルテンサイト系ステンレス等の硬度が比較的高い材料により形成されている。ニードル30は、所定の硬度を有するよう焼入れ処理が施されている。ニードル30の硬度は、ノズル10の硬度とほぼ同等に設定されている。
ニードル30は、燃料通路100内をハウジング20の軸Ax1方向へ往復移動可能なようハウジング20内に収容されている。ニードル30は、ニードル本体31、シール部32、鍔部33、ニードル当接面34等を有している。
ニードル本体31は、棒状、より具体的には長い円柱状に形成されている。シール部32は、ニードル本体31の一端、すなわち、弁座14側の端部に形成され、弁座14に当接可能である。
鍔部33は、環状に形成され、ニードル本体31の他端、すなわち、弁座14とは反対側の端部の径方向外側に設けられている。本実施形態では、鍔部33は、ニードル本体31と一体に形成されている。図2では、ニードル本体31と鍔部33との境界を二点鎖線で示している。
ニードル当接面34は、鍔部33の弁座14側に環状に形成されている。
図1に示すように、ニードル本体31の一端の近傍には、大径部311が形成されている。ニードル本体31の一端側の外径は、他端側の外径より小さい。大径部311は、外径がニードル本体31の一端側の外径より大きく、ニードル本体31の他端側の外径と同等である。大径部311は、外壁がノズル10のノズル筒部11の内壁と摺動するよう形成されている。これにより、ニードル30は、弁座14側の端部の軸方向の往復移動が案内される。大径部311には、外壁の周方向の複数箇所が面取りされるようにして面取り部312が形成されている。これにより、燃料は、面取り部312とノズル筒部11の内壁との間を流通可能である。
ニードル本体31の他端には、ニードル本体31の軸Ax2に沿って延びる軸方向穴部313が形成されている。すなわち、ニードル本体31の他端は、中空筒状に形成されている。また、ニードル本体31には、軸方向穴部313の弁座14側の端部とニードル本体31の外側とを接続するようニードル本体31の径方向に延びる径方向穴部314が形成されている。これにより、燃料通路100内の燃料は、軸方向穴部313および径方向穴部314を流通可能である。このように、ニードル本体31は、弁座14とは反対側の端面から軸Ax2方向に延び径方向穴部314を経由してニードル本体31の外側の空間に連通する軸方向穴部313を有している。
ニードル30は、シール部32が弁座14から離間または弁座14に当接することで噴孔13を開閉する。以下、適宜、ニードル30が弁座14から離間する方向を開弁方向といい、ニードル30が弁座14に当接する方向を閉弁方向という。
可動コア40は、可動コア本体41、可動コア当接面400、被規制面401等を有している。可動コア本体41は、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により略円筒状に形成されている。可動コア本体41は、磁気安定化処理が施されている。可動コア本体41の硬度は比較的低く、ハウジング20の第1筒部21および第3筒部23の硬度と概ね同等である。
可動コア40は、軸穴部42、通孔43、凹部44等を有している。軸穴部42は、可動コア本体41の軸Ax3に沿って延びるよう形成されている。本実施形態では、軸穴部42の内壁に、例えばNi−Pめっき等の硬質加工処理および摺動抵抗低減処理が施されている。通孔43は、可動コア本体41の弁座14側の端面411と、弁座14とは反対側の端面412とを接続するよう形成されている。通孔43は、円筒状の内壁を有している。本実施形態では、通孔43は、例えば可動コア本体41の周方向に等間隔で4つ形成されている。
凹部44は、可動コア本体41の弁座14側の端面411から弁座14とは反対側へ円形に凹むよう可動コア本体41の中央に形成されている。ここで、軸穴部42は、凹部44の底面に開口している。
可動コア40は、軸穴部42にニードル30のニードル本体31が挿通された状態でハウジング20内に収容されている。可動コア40の軸穴部42の内径は、ニードル30のニードル本体31の外径と同等、または、ニードル本体31の外径よりやや大きく設定されている。そのため、可動コア40は、軸穴部42の内壁がニードル30のニードル本体31の外壁に摺動しつつ、ニードル30に対し相対移動可能である。また、可動コア40は、ニードル30と同様、燃料通路100内をハウジング20の軸Ax1方向へ往復移動可能なようハウジング20内に収容されている。つまり、可動コア40は、燃料通路100内の鍔部33の弁座14側においてニードル本体31に対し相対移動可能に設けられている。通孔43には、燃料通路100内の燃料が流通可能である。そのため、燃料通路100内における可動コア40の軸方向の往復移動を円滑にすることができる。
可動コア当接面400は、可動コア本体41の端面412の内縁部、すなわち、可動コア40の鍔部33側の面の内縁部に環状に形成され、ニードル30のニードル当接面34に当接可能である。可動コア40は、可動コア当接面400がニードル当接面34に当接またはニードル当接面34から離間可能なようニードル30に対し相対移動可能に設けられている。
被規制面401は、可動コア40の凹部44の底面の内縁部、すなわち、可動コア40の弁座14側の面の内縁部に環状に形成されている。
本実施形態では、可動コア本体41の端面412に、例えば硬質クロムめっき等の硬質加工処理および耐摩耗処理が施されている。
なお、可動コア本体41の外径は、ハウジング20の第1筒部21および第2筒部22の内径より小さく設定されている。そのため、可動コア40が燃料通路100内を往復移動するとき、可動コア40の外壁と第1筒部21および第2筒部22の内壁とは摺動しない。
図1に示すように、固定コア50は、ハウジング20の内側において可動コア40に対し弁座14とは反対側に設けられている。固定コア50は、固定コア本体51およびブッシュ52を有している。固定コア本体51は、第3筒部23と同様、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により略円筒状に形成されている。固定コア本体51は、磁気安定化処理が施されている。固定コア本体51の硬度は比較的低く、可動コア本体41の硬度と概ね同等である。
本実施形態では、固定コア本体51は、第3筒部23の内側に圧入されるようにして設けられている。固定コア本体51は、例えば溶接により、第3筒部23に対し相対移動不能なよう第3筒部23に固定されている。
ブッシュ52は、例えばマルテンサイト系ステンレス等の硬度が比較的高い材料により略円筒状に形成されている。ブッシュ52は、固定コア本体51の弁座14側の端部の内壁から径方向外側へ凹むよう形成された凹部511に設けられている。ブッシュ52の弁座14側の端面は、固定コア本体51の弁座14側の端面よりも弁座14側に位置している。そのため、可動コア本体41の弁座14とは反対側の端面412は、ブッシュ52の弁座14側の端面に当接可能である。
ブッシュ52は、弁座14側の端部の内壁から径方向内側へ突出する筒状の内側突出部521を有している。内側突出部521の内壁は円筒面状に形成されている。
固定コア50は、シール部32が弁座14に当接した状態のニードル30の鍔部33が、ブッシュ52の内側突出部521の内側に位置するよう設けられている。鍔部33の外径は、内側突出部521の内径と同等、または、内側突出部521の内径よりやや小さく設定されている。そのため、鍔部33は、外壁が内側突出部521の内壁に摺動しつつ、ブッシュ52に対し相対移動可能である。このように、本実施形態では、ニードル30は、鍔部33側の端部の軸方向の往復移動がブッシュ52により案内される。なお、内側突出部521の鍔部33との摺動面の軸方向の長さは、鍔部33の外壁の軸方向の長さより短い。
本実施形態では、ニードル30は、弁座14側の端部近傍がノズル10のノズル筒部11の内壁により往復移動可能に支持され、鍔部33側の端部がブッシュ52により往復移動可能に支持される。このように、ニードル30は、ハウジング20の軸Ax1方向の2箇所の部位により、軸方向の往復移動が案内される。
固定コア本体51の内側には、円筒状の係止部90が圧入されている。
スプリング53は、例えばコイルスプリングであり、ニードル30に対し弁座14とは反対側に設けられている。スプリング53の一端は、ニードル30の弁座14とは反対側の面に当接している。スプリング53の他端は、係止部90の弁座14側の面に当接し、係止部90に係止されている。スプリング53は、ニードル30を弁座14側に付勢する。また、スプリング53は、鍔部33のニードル当接面34が可動コア40の可動コア当接面400に当接しているとき、鍔部33を介して可動コア40を弁座14側に付勢可能である。すなわち、スプリング53は、ニードル30および可動コア40を弁座14側に付勢可能である。スプリング53の付勢力は、固定コア50に対する係止部90の位置により調整可能である。
図1に示すように、コイル54は、略円筒状に形成され、ハウジング20のうち特に第2筒部22および第3筒部23の径方向外側に設けられている。
コイル54の径方向外側には、ヨーク25が設けられている。ヨーク25は、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により筒状に形成され、磁気安定化処理が施されている。ヨーク25は、コイル54の径方向外側を覆うようにして設けられている。本実施形態では、ヨーク25の弁座14側の端部は、例えば溶接により第1筒部21に接続されている。
コイル54の弁座14とは反対側には、環状部材231が設けられている。環状部材231は、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により環状に形成され、磁気安定化処理が施されている。環状部材231は、コイル54の弁座14とは反対側において、ヨーク25の弁座14とは反対側の端部の内壁と第3筒部23の外壁とに接するようにして設けられている。コイル54とヨーク25と環状部材231との間には、樹脂が充填されることによりモールド部26が形成されている。
コイル54は、電力が供給されると、すなわち、通電されると磁力を生じる。コイル54に磁力が生じると、第2筒部22を避けるようにして、固定コア本体51、可動コア本体41、第1筒部21、ヨーク25、環状部材231および第3筒部23に磁気回路が形成される。これにより、固定コア本体51と可動コア本体41との間に磁気吸引力が発生し、可動コア40は、固定コア50側に吸引される。このとき、可動コア40は、可動コア当接面400がニードル30のニードル当接面34に当接した状態で開弁方向に移動する。これにより、ニードル30が可動コア40とともに開弁方向に移動し、シール部32が弁座14から離間し、開弁する。その結果、噴孔13が開放される。このように、コイル54は、通電されると、可動コア40を固定コア50側に吸引し、ニードル30を弁座14とは反対側に移動させることが可能である。
可動コア40は、磁気吸引力により固定コア50側、すなわち、開弁方向に吸引されると、可動コア本体41の固定コア50側の端面412がブッシュ52の弁座14側の端面に衝突する。これにより、可動コア40は、開弁方向への移動が規制される。
図1に示すように、インレット部24および第3筒部23の径方向外側は、樹脂によりモールドされている。当該モールド部分にコネクタ27が形成されている。ここで、コネクタ27は、モールド部26と一体に形成されている。コネクタ27には、コイル54へ電力を供給するための端子271がインサート成形されている。
スプリング55は、例えばコイルスプリングであり、可動コア40に対し弁座14側に設けられている。スプリング55は、一端が可動コア40の凹部44の底面、すなわち、可動コア40の弁座14側の面に当接し、他端がハウジング20の第1筒部21の内壁に当接した状態で設けられている。スプリング55は、可動コア40を固定コア50側に付勢可能である。スプリング55の付勢力は、スプリング53の付勢力よりも小さい。
図2に示すように、規制部60は、例えばステンレス等の金属により筒状に形成されている。規制部60は、内側にニードル本体31が位置するよう、可動コア40の弁座14側においてニードル本体31に対し相対移動不能に設けられている。本実施形態では、規制部60は、内側にニードル本体31が圧入され、径方向穴部314に対し弁座14とは反対側において、締り嵌めの状態でニードル本体31に設けられている。
規制部60は、規制面600を有している。
規制面600は、規制部60の可動コア40側の面に形成され、可動コア40の被規制面401に当接可能である。
可動コア40は、ニードル30の鍔部33と規制部60との間で軸方向に往復移動可能に設けられている。規制部60は、可動コア40の被規制面401が規制面600に当接したとき、可動コア40の弁座14側への移動を規制可能である。
本実施形態では、可動コア40が固定コア50側に吸引されている状態でコイル54への通電を停止すると、ニードル30および可動コア40は、スプリング53の付勢力により、弁座14側へ付勢される。これにより、ニードル30が閉弁方向に移動し、シール部32が弁座14に当接し、閉弁する。その結果、噴孔13が閉塞される。
シール部32が弁座14に当接した後、可動コア40は、慣性によりニードル30に対し弁座14側に相対移動する。このとき、規制部60は、可動コア40に当接することで、可動コア40の弁座14側への過剰な移動、すなわち、可動コア40の過剰なアンダーシュートを規制可能である。これにより、次の開弁時の応答性の低下を抑制可能である。
インレット部24から流入した燃料は、固定コア50、係止部90、ニードル30の軸方向穴部313、径方向穴部314、第1筒部21とニードル30との間、ノズル10とニードル30との間、すなわち、燃料通路100を流通し、噴孔13に導かれる。
図2に示すように、ダンパ部70は、例えばステンレス等の金属により環状に形成されている。本実施形態では、ダンパ部70は、例えば所定厚の板材を切削加工することにより形成されている。ダンパ部70は、可動コア本体41の弁座14側の端面411に対向する第1筒部21の内壁の段差面211に、一方の端面が当接するよう第1筒部21の内側に設けられている。ここで、ダンパ部70は、第1筒部21に対し相対移動不能に設けられている。ダンパ部70の径方向内側には、スプリング55が位置している。
このように、ダンパ部70は、内側にスプリング55が位置するよう環状に形成され、燃料通路100内の可動コア40の弁座14側においてハウジング20に対し相対移動不能に設けられている。
ダンパ部70は、ダンパ面700を有している。ダンパ面700は、ダンパ部70の可動コア40側の端面に環状に形成され、可動コア40の弁座14側の端面411の外縁部に対向しつつ当接不能である。
可動コア40がダンパ部70のダンパ面700に近づくよう弁座14側へ移動するとき、可動コア40の弁座14側の端面411の外縁部とダンパ部70のダンパ面700との間に、互いが近付くのを妨げようとする力であるスクイズ力が生じる。これにより、可動コア40とダンパ部70との間に所謂ダンパ効果が生じ、可動コア40が弁座14側に移動して規制部60に衝突するときのエネルギーを低減することができる。
以下、燃料噴射装置1の構成について、より具体的に説明する。シール部32と弁座14とが当接し、ニードル当接面34と可動コア当接面400とが当接した状態(図1、2に示す状態)において、規制面600と被規制面401との間に形成される隙間の軸Ax1方向の長さをL1、ダンパ面700と可動コア40の弁座14側の端面411の外縁部との間に形成される隙間の軸Ax1方向の長さをL2とすると、ニードル30、可動コア40、規制部60およびダンパ部70は、L1<L2の関係を満たすよう形成されている。そのため、可動コア40の位置にかかわらず、ダンパ面700と可動コア40の弁座14側の端面411とは当接不能である。
また、ニードル30、可動コア40、規制部60およびダンパ部70は、1<L2/L1<2の関係を満たすよう形成されている。そのため、可動コア40とダンパ部70とを当接不能にしつつ、可動コア40がダンパ部70に近付くよう弁座14側へ移動するとき、可動コア40とダンパ部70との間に適度なダンパ効果を生じさせることができる。
本実施形態では、ダンパ面700は、可動コア40の軸Ax3方向に筒状に延びダンパ面700の内縁端を通る仮想筒状面VT1の径方向内側に通孔43の一部が位置するよう形成されている。これにより、可動コア40が燃料通路100内を軸方向に往復移動するとき、燃料は、通孔43の内側とダンパ部70の内側との間を容易に行き来できる。そのため、可動コア40がダンパ部70に近付くよう弁座14側へ移動するときに可動コア40とダンパ部70との間に生じるダンパ効果を比較的小さくすることができる。
また、図2に示すように、規制部60の規制面600は、燃料通路100の規制面600に対し弁座14側の部位における最小径D1より外径D2が小さくなるよう形成されている。ここで、規制面600の外径D2は、ニードル当接面34の外径と概ね同じである。本実施形態では、規制面600の面積は比較的小さく、規制面600と被規制面401との間に生じるスクイズ力およびリンギング力を比較的小さくすることができる。
次に、本実施形態の燃料噴射装置1の作動について、図1〜5に基づき説明する。
図1、2に示すように、コイル54に通電されていないときは、ニードル30のシール部32は弁座14に当接している。このとき、ニードル30のニードル当接面34と可動コア40の可動コア当接面400とは当接している。
図1、2に示す状態のときにコイル54に通電すると、可動コア40は、固定コア50側に吸引され、開弁方向に移動する。これにより、ニードル30が可動コア40とともに開弁方向に移動し、シール部32が弁座14から離間し、開弁する。
可動コア40が開弁方向にさらに移動すると、端面412がブッシュ52の弁座14側の端面に当接する(図3参照)。これにより、可動コア40は、開弁方向への移動が規制される。このときの可動コア40の開弁方向への移動の速度が高い場合、ニードル30は、慣性で開弁方向にさらに移動する。これにより、規制部60の規制面600が可動コア40の被規制面401に当接し、ニードル30は、開弁方向への移動が規制される(図4参照)。なお、図3に示す状態から図4に示す状態になるとき、すなわち、規制部60の規制面600が可動コア40の被規制面401に近付くようニードル30が開弁方向に移動するとき、規制面600と被規制面401との間にスクイズ力が生じるものの、規制面600の面積が小さいため、このときのスクイズ力を小さくすることができる。
図4に示す状態になった場合、その後、ニードル30は、スプリング53の付勢力により閉弁方向に移動し、図3に示す状態になる。なお、図4に示す状態から図3に示す状態になるとき、規制面600と被規制面401との間にリンギング力が生じるものの、規制面600の面積が小さいため、このときのリンギング力を小さくすることができる。
図3、4に示す状態のときにコイル54への通電を停止すると、ニードル30および可動コア40は、可動コア当接面400とニードル当接面34とが当接した状態で、スプリング53の付勢力により閉弁方向に移動する。これにより、ニードル30のシール部32が弁座14に当接し、閉弁する(図2参照)。その後、可動コア40は、慣性で閉弁方向にさらに移動する。これにより、可動コア40の被規制面401が規制部60の規制面600に当接し、可動コア40は、閉弁方向の移動が規制される(図5参照)。なお、図2に示す状態から図5に示す状態になるとき、すなわち、可動コア40の被規制面401が規制部60の規制面600に近付くよう可動コア40が閉弁方向に移動するとき、規制面600と被規制面401との間にリンギング力が生じるものの、規制面600の面積が小さいため、このときのリンギング力を小さくすることができる。また、ダンパ面700の面積が規制面600の面積より大きいため、このとき、すなわち、可動コア40の弁座14側の端面411がダンパ面700に近付くよう可動コア40が閉弁方向に移動するとき、可動コア40とダンパ面700との間に生じるスクイズ力およびダンパ効果を大きくすることができる。
図5に示す状態になった後、可動コア40は、スプリング55の付勢力により、開弁方向に移動する。これにより、可動コア40の可動コア当接面400がニードル当接面34に当接し、可動コア40が通常位置に戻る(図2参照)。なお、図5に示す状態から図2に示す状態になるとき、規制面600と被規制面401との間にリンギング力が生じるものの、規制面600の面積が小さいため、このときのリンギング力を小さくすることができる。また、ダンパ面700と可動コア40の弁座14側の端面411とは当接不能なため、可動コア40がダンパ面700に張り付くのを防ぐことができる。これにより、可動コア40が通常位置に戻る時間を短縮することができる。
以上説明したように、(1)本実施形態は、ノズル10とハウジング20とニードル30と可動コア40と固定コア50とスプリング53とコイル54とスプリング55と規制部60とダンパ部70とを備えている。
ノズル10は、燃料が噴射される噴孔13、および、噴孔13の周囲に形成された弁座14を有している。
ハウジング20は、筒状に形成され、一端がノズル10に接続され、噴孔13に連通するよう内側に形成され噴孔13に燃料を導く燃料通路100を有している。
ニードル30は、ニードル本体31、シール部32、鍔部33およびニードル当接面34を有している。
ニードル本体31は、棒状に形成されている。シール部32は、弁座14に当接可能なようニードル本体31の一端に形成されている。鍔部33は、ニードル本体31の径方向外側に設けられている。ニードル当接面34は、鍔部33の弁座14側に形成されている。
ニードル30は、燃料通路100内を往復移動可能に設けられ、シール部32が弁座14から離間または弁座14に当接すると噴孔13を開閉する。
可動コア40は、内側にニードル本体31が位置するよう筒状に形成され、燃料通路100内の鍔部33の弁座14側においてニードル本体31に対し相対移動可能に設けられている。可動コア40は、鍔部33側の面の内縁部に形成されニードル30のニードル当接面34に当接可能な可動コア当接面400、および、弁座14側の面の内縁部に形成された被規制面401を有している。
固定コア50は、ハウジング20の内側において可動コア40に対し弁座14とは反対側に設けられている。
スプリング53は、ニードル30および可動コア40を弁座14側に付勢可能である。
コイル54は、通電されると、可動コア40を固定コア50側に吸引しニードル30を弁座14とは反対側に移動させることが可能である。
スプリング55は、可動コア40に対し弁座14側に設けられ、可動コア40を固定コア50側に付勢可能である。
規制部60は、可動コア40の弁座14側においてニードル本体31に設けられている。規制部60は、可動コア40側の面に形成され可動コア40の被規制面401に当接可能な規制面600を有している。規制部60は、被規制面401が規制面600に当接したとき、可動コア40の弁座14側への移動を規制可能である。
本実施形態では、規制部60により可動コア40の弁座14側への移動を規制することができる。これにより、可動コア40の過剰なアンダーシュートを抑制し、燃料噴射装置1の応答性を高めることができる。
ダンパ部70は、燃料通路100内の可動コア40の弁座14側においてハウジング20に設けられている。ダンパ部70は、ダンパ面700を有している。ダンパ面700は、ダンパ部70の可動コア40側の面に形成され、可動コア40の弁座14側の端面411に対向しつつ当接不能である。
本実施形態では、可動コア40がダンパ部70のダンパ面700に近づくよう弁座14側へ移動するとき、可動コア40の弁座14側の端面411の外縁部とダンパ部70のダンパ面700との間に、互いが近付くのを妨げようとする力であるスクイズ力が生じる。これにより、可動コア40とダンパ部70との間に所謂ダンパ効果が生じ、可動コア40が弁座14側に移動して規制部60に衝突するときのエネルギーを低減することができる。したがって、閉弁時にニードル30が弁座14でバウンスすることによる二次開弁を抑制可能である。
また、本実施形態では、規制部60をニードル30に設け、ダンパ部70をハウジング20に設けている。つまり、可動コア40の移動を規制する機能とダンパの機能とを、それぞれ規制部60とダンパ部70とに分けて設定している。そのため、可動コア40と規制面600との距離、および、可動コア40とダンパ面700との距離を別々に調整できる。したがって、可動コア40の移動を規制する機能とダンパの機能とに関する最適な可動コア40と規制部60との距離、および、可動コア40とダンパ部70との距離を容易に設定することができる。
また、(2)本実施形態では、ダンパ部70は、内側にスプリング55が位置するよう環状に形成されている。ところで、可動コア40が規制部60の規制面600から離れるよう移動するとき、可動コア40の被規制面401と規制部60の規制面600との間に、互いが離れるのを妨げようとする力であるリンギング力が生じる。本実施形態では、規制部60の規制面600は、スプリング55の内側に位置している。すなわち、規制面600は、スプリング55の外側に位置するダンパ部70のダンパ面700の内側に位置している。そのため、規制面600の面積を、ダンパ面700の面積より小さい、比較的小さな面積にすることができる。これにより、可動コア40の被規制面401と規制部60の規制面600との間に生じるリンギング力を小さくすることができる。これにより、可動コア40が規制部60の規制面600に張り付くのを抑制することができる。したがって、可動コア40が通常位置に戻る時間を短縮し、燃料噴射装置1の応答性を高めることができる。なお、可動コア40の弁座14側の端面411とダンパ部70のダンパ面700とは当接不能のため、可動コア40がダンパ面700から離れるよう移動するときに可動コア40とダンパ面700との間に生じるリンギング力は小さい。
また、(3)本実施形態では、シール部32と弁座14とが当接し、ニードル当接面34と可動コア当接面400とが当接した状態(図1、2に示す状態)において、規制面600と被規制面401との間に形成される隙間の軸Ax1方向の長さをL1、ダンパ面700と可動コア40の弁座14側の端面411との間に形成される隙間の軸Ax1方向の長さをL2とすると、ニードル30、可動コア40、規制部60およびダンパ部70は、L1<L2の関係を満たすよう形成されている。そのため、可動コア40の位置にかかわらず、ダンパ面700と可動コア40の弁座14側の端面411とは当接不能である。これにより、可動コア40がダンパ面700に張り付くのを防ぐことができる。
また、(4)本実施形態では、ニードル30、可動コア40、規制部60およびダンパ部70は、1<L2/L1<2の関係を満たすよう形成されている。そのため、可動コア40とダンパ部70とを当接不能にしつつ、可動コア40がダンパ部70に近付くよう弁座14側へ移動するとき、可動コア40とダンパ部70との間に適度なダンパ効果を生じさせることができる。
また、(5)本実施形態では、可動コア40は、固定コア50側の端面412と弁座14側の端面411とを接続し燃料通路100内の燃料が流通する通孔43を有している。そのため、可動コア40は、燃料通路100内で軸方向に円滑に往復移動することができる。
また、本実施形態では、ダンパ面700は、可動コア40の軸Ax3方向に筒状に延びダンパ面700の内縁端を通る仮想筒状面VT1の径方向内側に通孔43の一部が位置するよう形成されている。そのため、可動コア40が燃料通路100内を軸方向に往復移動するとき、燃料は、通孔43の内側とダンパ部70の内側との間を容易に行き来できる。この場合、可動コア40がダンパ部70に近付くよう弁座14側へ移動するときに可動コア40とダンパ部70との間に生じるダンパ効果を比較的小さくすることができる。このように、ダンパ面700と通孔43との関係を調整することにより、可動コア40とダンパ部70との間に生じるダンパ効果の大きさを調整することができる。
また、(7)本実施形態では、規制部60の規制面600は、燃料通路100の規制面600に対し弁座14側の部位における最小径D1より外径D2が小さくなるよう形成されている。ここで、規制面600の外径D2は、ニードル当接面34の外径と概ね同じである。本実施形態では、規制面600の面積は比較的小さく、規制面600と被規制面401との間に生じるスクイズ力およびリンギング力を比較的小さくすることができる。そのため、規制部60には、特に可動コア40の移動を規制する機能を設定し、ダンパ部70には、特にダンパの機能を設定することができる。
また、(8)本実施形態では、スプリング55は、一端が可動コア40に当接し、他端がハウジング20の内壁に当接した状態で設けられている。そのため、スプリング55の他端は、ニードル30がハウジング20内で往復移動しても、ハウジング20に対し相対移動しない。また、閉弁時、ニードル30のシール部32が弁座14に衝突したときにニードル30に振動が生じても、当該振動がスプリング55の他端に伝達することはない。したがって、スプリング55の付勢力を安定にすることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による燃料噴射装置の一部を図6に示す。第2実施形態は、ダンパ部70の構成等が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、ダンパ面700は、仮想筒状面VT1の径方向外側に通孔43が位置するよう形成されている。すなわち、本実施形態では、ダンパ部70は、内径が第1実施形態と比べ小さく設定されており、ダンパ面700が通孔43の弁座14側の開口に対向するよう形成されている。これにより、可動コア40が燃料通路100内を軸方向に往復移動するとき、燃料は、通孔43の内側とダンパ部70の内側との間を行き来するのは困難である。また、本実施形態では、ダンパ面700の面積が、第1実施形態と比べ、大きい。そのため、可動コア40がダンパ部70に近付くよう弁座14側へ移動するときに可動コア40とダンパ部70との間に生じるダンパ効果を比較的大きくすることができる。
以上説明したように、(6)本実施形態では、ダンパ面700は、仮想筒状面VT1の径方向外側に通孔43が位置するよう形成されている。そのため、可動コア40がダンパ部70に近付くよう弁座14側へ移動するときに可動コア40とダンパ部70との間に生じるダンパ効果を比較的大きくすることができる。このように、ダンパ面700と通孔43との関係を調整することにより、可動コア40とダンパ部70との間に生じるダンパ効果の大きさを調整することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による燃料噴射装置の一部を図7に示す。第3実施形態は、ダンパ部70の構成等が第1実施形態と異なる。
第3実施形態では、ダンパ部70は、例えば環状の薄板材をプレス加工することにより形成されている。そのため、燃料噴射装置を軽量化するとともに、製造コストを低減することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による燃料噴射装置の一部を図8に示す。第4実施形態は、規制部60の構成等が第1実施形態と異なる。
図8に示すように、第4実施形態では、規制部60は、固定部61、筒部62、ばね座部63を有している。
規制部60は、第1実施形態と同様、例えばステンレス等の金属により筒状に形成されている。
固定部61は、筒状に形成されている。固定部61は、内側にニードル本体31が位置するよう、可動コア40の弁座14側においてニードル本体31に対し相対移動不能に設けられている。本実施形態では、固定部61は、内側にニードル本体31が圧入され、径方向穴部314に対し弁座14とは反対側において、締り嵌めの状態でニードル本体31に設けられている。
筒部62は、固定部61の外縁部から弁座14側へ筒状に延びるよう固定部61と一体に形成されている。これにより、筒部62の内壁とニードル本体31の外壁との間には、筒状の空間である筒状空間Ts1が形成されている。ここで、径方向穴部314は、筒状空間Ts1に接続している。よって、軸方向穴部313内の燃料は、径方向穴部314、筒状空間Ts1を経由して規制部60に対し弁座14側に流れることができる。
ばね座部63は、筒部62の弁座14側の端部から径方向外側へ拡がるよう環状に形成されている。ばね座部63は、筒部62と一体に形成されている。
このように、固定部61、筒部62、および、ばね座部63は、同一の材料により一体に形成されている。なお、図8では、固定部61と筒部62とばね座部63との境界を二点鎖線で示している。
本実施形態では、スプリング55は、一端が可動コア40の凹部44の底面、すなわち、可動コア40の弁座14側の面に当接し、他端がばね座部63に当接した状態で設けられている。第1実施形態と同様、スプリング55は、可動コア40を固定コア50側に付勢可能である。スプリング55の付勢力は、スプリング53の付勢力よりも小さい。
本実施形態では、規制面600は、固定部61の可動コア40側の面に形成され、可動コア40の被規制面401に当接可能である。
可動コア40は、ニードル30の鍔部33と規制部60の固定部61との間で軸方向に往復移動可能に設けられている。規制部60は、可動コア40の被規制面401が規制面600に当接したとき、可動コア40の弁座14側への移動を規制可能である。
本実施形態では、燃料噴射装置は、隙間形成部材80をさらに備えている。
隙間形成部材80は、例えば非磁性材料により形成されている。隙間形成部材80の硬度は、ニードル30およびブッシュ52の硬度とほぼ同等に設定されている。
隙間形成部材80は、ニードル30および可動コア40に対し弁座14とは反対側において、ニードル30および可動コア40とスプリング53との間に設けられている。図8に示すように、隙間形成部材80は、板部81および延伸部82を有している。板部81は、略円板状に形成されている。板部81は、一方の端面がニードル30の弁座14とは反対側の端面に当接可能なようニードル30に対し弁座14とは反対側に設けられている。板部81の他方の端面には、スプリング53の弁座14側の端部が当接している。これにより、スプリング53は、板部81を介してニードル30を閉弁方向に付勢可能である。
延伸部82は、板部81の一方の端面の外縁部から弁座14側へ円筒状に延びるよう板部81と一体に形成されている。すなわち、隙間形成部材80は、本実施形態では、有底円筒状に形成されている。隙間形成部材80は、延伸部82の内側にニードル30の鍔部33が位置するよう設けられている。また、延伸部82は、板部81とは反対側の端部が可動コア本体41の固定コア50側の端面412に当接可能である。
本実施形態では、延伸部82は、軸方向の長さが鍔部33の軸方向の長さより長くなるよう形成されている。そのため、隙間形成部材80は、板部81がニードル30に当接し、延伸部82が可動コア40に当接しているとき、ニードル当接面34と可動コア当接面400との間に、軸Ax2方向の隙間である軸方向隙間CL1を形成可能である。
ここで、延伸部82の内径は、鍔部33の外径と同等、または、鍔部33の外径よりやや大きく設定されている。そのため、隙間形成部材80は、延伸部82の内壁、すなわち、鍔部33の外壁に対向する壁面が鍔部33の外壁と摺動可能で、ニードル30に対し相対移動可能である。
また、板部81および延伸部82の外径は、ブッシュ52の内側突出部521の内径と同等、または、内側突出部521の内径よりやや小さく設定されている。そのため、隙間形成部材80は、外壁が内側突出部521の内壁に摺動しつつ、ブッシュ52に対し相対移動可能である。このように、本実施形態では、ニードル30は、鍔部33側の端部の軸方向の往復移動が、隙間形成部材80を介しブッシュ52により案内される。なお、内側突出部521の隙間形成部材80との摺動面の軸方向の長さは、隙間形成部材80の外壁の軸方向の長さより短い。
隙間形成部材80は、孔部611をさらに有している。孔部611は、板部81の一方の端面と他方の端面とを接続し、ニードル30の軸方向穴部313に連通可能である。これにより、燃料通路100内の隙間形成部材80の弁座14とは反対側の燃料は、孔部611、ニードル30の軸方向穴部313、径方向穴部314、筒状空間Ts1を経由して可動コア40の弁座14側に流通可能である。
本実施形態では、延伸部82が筒状に形成されているため、延伸部82と可動コア40とが当接しているとき、ニードル30のニードル当接面34と可動コア40の可動コア当接面400と延伸部82の内壁との間に、環状の空間である環状空間Ks1が形成される。
本実施形態では、隙間形成部材80は、環状空間接続通路821をさらに有している。
環状空間接続通路821は、延伸部82の可動コア40側の端部から板部81側に凹むよう溝状に形成され、延伸部82の内壁と外壁とを接続している。つまり、環状空間接続通路821は、環状空間Ks1と延伸部82の径方向外側の空間とを接続する。これにより、延伸部82と可動コア40とが当接しているとき、環状空間Ks1内の燃料は、環状空間接続通路821を経由して延伸部82の径方向外側へ流出可能である。また、延伸部82の径方向外側の燃料は、環状空間接続通路821を経由して延伸部82の内側、すなわち、環状空間Ks1に流入可能である。
上述のように、本実施形態では、閉弁状態において、隙間形成部材80が鍔部33と可動コア40との間に軸方向隙間CL1を形成するため、コイル54への通電時、可動コア40を軸方向隙間CL1で加速させて鍔部33に衝突させることができる。これにより、燃料通路100内の燃料の圧力が比較的高い場合でも、コイル54へ供給する電力を増大させることなく、開弁させることができる。
スプリング53が隙間形成部材80を弁座14側に付勢することで、隙間形成部材80の板部81とニードル30とが当接し、ニードル30は、シール部32が弁座14に押し付けられる。このとき、スプリング55が可動コア40を固定コア50側に付勢することで、隙間形成部材80の延伸部82と可動コア40とが互いに押し付けられるようにして当接する。この状態で、ニードル30の鍔部33のニードル当接面34と可動コア40の可動コア当接面400との間に軸方向隙間CL1が形成される。
本実施形態では、可動コア40が固定コア50側に吸引されている状態でコイル54への通電を停止すると、ニードル30および可動コア40は、隙間形成部材80を介したスプリング53の付勢力により、弁座14側へ付勢される。これにより、ニードル30が閉弁方向に移動し、シール部32が弁座14に当接し、閉弁する。その結果、噴孔13が閉塞される。
シール部32が弁座14に当接した後、可動コア40は、慣性によりニードル30に対し弁座14側に相対移動する。このとき、規制部60の固定部61は、可動コア40に当接することで、可動コア40の弁座14側への過度の移動を規制可能である。これにより、次の開弁時の応答性の低下を抑制可能である。
また、本実施形態では、隙間形成部材80の環状空間接続通路821は、延伸部82の内壁と外壁とを接続している。これにより、延伸部82と可動コア40とが当接しているとき、環状空間Ks1内の燃料は、環状空間接続通路821を経由して延伸部82の外側へ流出可能である。また、延伸部82の外側の燃料は、環状空間接続通路821を経由して延伸部82の内側、すなわち、環状空間Ks1に流入可能である。よって、延伸部82と可動コア40とが当接しているとき、環状空間Ks1に燃料が存在することにより生じるダンパ効果を抑制し、鍔部33のニードル当接面34に可動コア40が衝突するときの可動コア40の運動エネルギーの低下を抑制できる。
次に、本実施形態の燃料噴射装置の作動について、図8〜13に基づき説明する。
図8に示すように、コイル54に通電されていないときは、ニードル30のシール部32は弁座14に当接している。このとき、隙間形成部材80の板部81とニードル30とは当接し、隙間形成部材80の延伸部82と可動コア40とは当接している。また、ニードル30のニードル当接面34と可動コア40の可動コア当接面400とは当接しておらず、ニードル当接面34と可動コア当接面400との間に軸方向隙間CL1が形成されている。また、規制部60の規制面600と可動コア40の被規制面401とは当接していない。
このとき、すなわち、シール部32と弁座14とが当接し、隙間形成部材80の板部81とニードル30とが当接し、隙間形成部材80の延伸部82と可動コア40とが当接した状態(図8に示す状態)において、規制面600と被規制面401との間に形成される隙間の軸Ax1方向の長さをLc1、ダンパ面700と可動コア40の弁座14側の端面411の外縁部との間に形成される隙間の軸Ax1方向の長さをLc2とすると、ニードル30、可動コア40、規制部60およびダンパ部70は、Lc1<Lc2の関係を満たすよう形成されている。また、ニードル30、可動コア40、規制部60およびダンパ部70は、1<Lc2/Lc1<2の関係を満たすよう形成されている。
図8に示す状態のときにコイル54に通電すると、可動コア40は、固定コア50側に吸引され、開弁方向に移動する。これにより、可動コア40は、軸方向隙間CL1で加速し、鍔部33に衝突する(図9参照)。これにより、ニードル30が開弁方向に移動し、シール部32が弁座14から離間し、開弁する。
このとき、すなわち、シール部32と弁座14とが当接し、ニードル当接面34と可動コア当接面400とが当接した状態(図9に示す状態)において、規制面600と被規制面401との間に形成される隙間の軸Ax1方向の長さをL1、ダンパ面700と可動コア40の弁座14側の端面411の外縁部との間に形成される隙間の軸Ax1方向の長さをL2とすると、ニードル30、可動コア40、規制部60およびダンパ部70は、L1<L2の関係を満たすよう形成されている。また、ニードル30、可動コア40、規制部60およびダンパ部70は、1<L2/L1<2の関係を満たすよう形成されている。
可動コア40は、鍔部33に衝突した後、固定コア50側にさらに移動すると、ブッシュ52に当接する(図10参照)。これにより、可動コア40は開弁方向への移動が規制される。このときの可動コア40の開弁方向への移動の速度が高い場合、ニードル30は、慣性で開弁方向にさらに移動する。これにより、規制部60の規制面600が可動コア40の被規制面401に当接し、ニードル30は、開弁方向への移動が規制される(図11参照)。なお、図10に示す状態から図11に示す状態になるとき、すなわち、規制部60の規制面600が可動コア40の被規制面401に近付くようニードル30が開弁方向に移動するとき、規制面600と被規制面401との間にスクイズ力が生じるものの、規制面600の面積が小さいため、このときのスクイズ力を小さくすることができる。
図11に示す状態になるときのニードル30の開弁方向への移動の速度が高い場合、隙間形成部材80は、板部81がニードル30から離れるようにして開弁方向へさらに移動する(図12参照)。
図12に示す状態になった場合、その後、隙間形成部材80は、スプリング53の付勢力により閉弁方向に移動し、図11に示す状態になる。その後、隙間形成部材80およびニードル30は、スプリング53の付勢力により閉弁方向に移動し、図10に示す状態になる。なお、図11に示す状態から図10に示す状態になるとき、規制面600と被規制面401との間にリンギング力が生じるものの、規制面600の面積が小さいため、このときのリンギング力を小さくすることができる。
図10、11、12に示す状態のときにコイル54への通電を停止すると、隙間形成部材80および可動コア40は、スプリング53の付勢力により閉弁方向に移動する。また、ニードル30は、隙間形成部材80の板部81が当接した状態で、スプリング53の付勢力により閉弁方向に移動する。これにより、ニードル30のシール部32が弁座14に当接し、閉弁する(図8参照)。その後、可動コア40は、慣性で閉弁方向にさらに移動する。これにより、可動コア40の被規制面401が規制部60の規制面600に当接し、可動コア40は、閉弁方向の移動が規制される(図13参照)。このとき、可動コア40と隙間形成部材80の延伸部82とは離間している。なお、図8に示す状態から図13に示す状態になるとき、すなわち、可動コア40の被規制面401が規制部60の規制面600に近付くよう可動コア40が閉弁方向に移動するとき、規制面600と被規制面401との間にリンギング力が生じるものの、規制面600の面積が小さいため、このときのリンギング力を小さくすることができる。また、ダンパ面700の面積が規制面600の面積より大きいため、このとき、すなわち、可動コア40の弁座14側の端面411がダンパ面700に近付くよう可動コア40が閉弁方向に移動するとき、可動コア40とダンパ面700との間に生じるスクイズ力およびダンパ効果を大きくすることができる。
図13に示す状態になった後、可動コア40は、スプリング55の付勢力により、開弁方向に移動する。これにより、可動コア40が隙間形成部材80の延伸部82に当接し、可動コア40が通常位置に戻る(図8参照)。なお、図13に示す状態から図8に示す状態になるとき、規制面600と被規制面401との間にリンギング力が生じるものの、規制面600の面積が小さいため、このときのリンギング力を小さくすることができる。また、ダンパ面700と可動コア40の弁座14側の端面411とは当接不能なため、可動コア40がダンパ面700に張り付くのを防ぐことができる。これにより、可動コア40が通常位置に戻る時間を短縮することができる。
以上説明したように、(9)本実施形態では、規制部60は、環状に形成されたばね座部63を有している。スプリング55は、一端が可動コア40に当接し、他端がばね座部63に当接した状態で設けられている。これにより、ニードル30、可動コア40、規制部60およびスプリング55をユニット化することができるとともに、スプリング55の他端がハウジング20の内壁に当接する構成と比べ、スプリング55の付勢力を容易に一定にすることができる。
また、(10)本実施形態は、隙間形成部材80をさらに備えている。隙間形成部材80は、ニードル30および可動コア40とスプリング53との間に設けられ、ニードル当接面34と可動コア当接面400との間に軸方向の隙間である軸方向隙間CL1を形成可能である。そのため、コイル54への通電時、可動コア40を軸方向隙間CL1で加速させて鍔部33に衝突させることができる。これにより、燃料通路100内の燃料の圧力が比較的高い場合でも、コイル54へ供給する電力を増大させることなく、開弁させることができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、シール部32と弁座14とが当接し、ニードル当接面34と可動コア当接面400とが当接した状態において、規制面600と被規制面401との間に形成される隙間の軸方向の長さをL1、ダンパ面700と可動コア40の弁座14側の端面411との間に形成される隙間の軸方向の長さをL2とすると、ニードル30、可動コア40、規制部60およびダンパ部70が、1<L2/L1<2の関係を満たすよう形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、ニードル30、可動コア40、規制部60およびダンパ部70は、L1<L2の関係を満たし、L2がダンパ面700と可動コア40の端面411との間にスクイズ力を生じさせる程度の長さであれば、2≦L2/L1の関係を満たすよう形成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、通孔43が、可動コア40の周方向に等間隔で4つ形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、通孔43は、可動コア40の周方向に不等間隔で形成されていてもよいし、いくつ形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、通孔43は、すべてが仮想筒状面VT1の内側に位置するよう形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、可動コア40には通孔43が形成されていなくてもよい。この場合、通電初期の可動コア40の移動速度は低減するものの、可動コア40の過剰な移動速度を抑制することができ、フルリフト時のニードルのオーバーシュート抑制やフルリフト時の可動コア40のバウンス抑制、ニードル閉弁時のバウンス抑制に有利な構成となる。
また、本発明の他の実施形態では、規制面600は、外径が、燃料通路100の規制面600に対し弁座14側の部位における最小径D1以上となるよう形成されていてもよい。
また、上述の複数の実施形態は、構成上の阻害要因がない限り、どのように組み合わせてもよい。例えば、第2実施形態と第4実施形態とを組み合わせ、ダンパ部70は第2実施形態のものとしつつ、第4実施形態の隙間形成部材80、規制部60およびスプリング55を備える、といった具合である。
また、上述の実施形態では、ニードル30の鍔部33が環状に形成される例を示した。これに対し、本願の他の実施形態では、鍔部33は、可動コア40の可動コア当接面400に当接可能なニードル当接面34が形成されているのであれば、環状に限らず、どのような形状に形成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、規制部60が筒状に形成される例を示した。これに対し、本願の他の実施形態では、規制部60は、可動コア40の被規制面401に当接可能な規制面600が形成されているのであれば、筒状に限らず、どのような形状に形成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、ダンパ部70が環状に形成される例を示した。これに対し、本願の他の実施形態では、ダンパ部70は、可動コア40の弁座14側の端面411に対向しつつ当接不能なダンパ面700が形成されているのであれば、環状に限らず、どのような形状に形成されていてもよい。また、ダンパ部70は、スプリング55の内側に位置するよう設けられていてもよい。また、ダンパ部70は、ハウジング20の第1筒部21と一体に形成されていてもよい。
また、上述の第4実施形態では、軸方向隙間CL1の軸方向の長さが、ニードル30の最大リフト量より小さい例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、軸方向隙間CL1の軸方向の長さは、ニードル30の最大リフト量以上であってもよい。この場合、可動コア40を軸方向隙間CL1で十分に加速させてニードル30に衝突させることができる。そのため、温度特性による変化等の要因による燃料噴射量のばらつきを抑制することができる。
また、本発明の他の実施形態では、固定コア50はブッシュ52を有していなくてもよい。また、可動コア40は、外壁がハウジング20の内壁と摺動する構成としてもよい。この場合、ニードル30の弁座14とは反対側の端部は、可動コア40を介してハウジング20の内壁により往復移動可能に支持される。
また、上述の実施形態では、第2筒部22が、第1筒部21および第3筒部23とは別部材により形成され、互いに溶接により接続される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、第2筒部22は、例えば第1筒部21または第3筒部23と同一の材料により、第1筒部21または第3筒部23と一体に形成されることとしてもよい。この場合、例えば、第2筒部22の軸方向の少なくとも一部の肉厚を小さくすることにより磁気絞り部を形成してもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ハウジング20は、例えば鉄、アルミ等、ステンレス以外の金属により形成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、ノズル10とハウジング20の第1筒部21とが別部材により形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、ノズル10とハウジング20の第1筒部21とは、同一の材料により一体に形成されることとしてもよい。また、第3筒部23と固定コア本体51とは、同一の材料により一体に形成されていてもよい。
本発明は、直噴式のガソリンエンジンに限らず、例えばポート噴射式のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等に適用してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 燃料噴射装置、10 ノズル、13 噴孔、14 弁座、20 ハウジング、100 燃料通路、30 ニードル、31 ニードル本体、32 シール部、33 鍔部、34 ニードル当接面、40 可動コア、400 可動コア当接面、401 被規制面、50 固定コア、53 スプリング(弁座側付勢部材)、54 コイル、55 スプリング(固定コア側付勢部材)、60 規制部、600 規制面、70 ダンパ部、700 ダンパ面

Claims (10)

  1. 燃料が噴射される噴孔(13)、および、前記噴孔の周囲に形成された弁座(14)を有するノズル(10)と、
    一端が前記ノズルに接続され、前記噴孔に連通するよう内側に形成され前記噴孔に燃料を導く燃料通路(100)を有する筒状のハウジング(20)と、
    棒状のニードル本体(31)、前記弁座に当接可能なよう前記ニードル本体の一端に形成されたシール部(32)、前記ニードル本体の径方向外側に設けられた鍔部(33)、および、前記鍔部の前記弁座側に形成されたニードル当接面(34)を有し、前記燃料通路内を往復移動可能に設けられ、前記シール部が前記弁座から離間または前記弁座に当接すると前記噴孔を開閉するニードル(30)と、
    内側に前記ニードル本体が位置するよう筒状に形成され、前記燃料通路内の前記鍔部の前記弁座側において前記ニードル本体に対し相対移動可能に設けられており、前記鍔部側の面の内縁部に形成され前記ニードル当接面に当接可能な可動コア当接面(400)、および、前記弁座側の面の内縁部に形成された被規制面(401)を有する可動コア(40)と、
    前記ハウジングの内側において前記可動コアに対し前記弁座とは反対側に設けられた固定コア(50)と、
    前記ニードルおよび前記可動コアを前記弁座側に付勢可能な弁座側付勢部材(53)と、
    通電されると、前記可動コアを前記固定コア側に吸引し前記ニードルを前記弁座とは反対側に移動させることが可能なコイル(54)と、
    前記可動コアに対し前記弁座側に設けられ、前記可動コアを前記固定コア側に付勢可能な固定コア側付勢部材(55)と、
    前記可動コアの前記弁座側において前記ニードル本体に設けられており、前記固定コア側付勢部材の内側において前記可動コア側の面に形成され前記被規制面に当接可能な規制面(600)を有し、前記被規制面が前記規制面に当接したとき、前記可動コアの前記弁座側への移動を規制可能な規制部(60)と、
    前記燃料通路内の前記可動コアの前記弁座側において前記ハウジングに設けられており、前記可動コア側の面に形成され前記可動コアの前記弁座側の面(411)に対向しつつ当接不能なダンパ面(700)を有するダンパ部(70)と、
    を備える燃料噴射装置(1)。
  2. 前記ダンパ部は、内側に前記固定コア側付勢部材が位置するよう環状に形成されている請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記シール部と前記弁座とが当接し、前記ニードル当接面と前記可動コア当接面とが当接した状態において、前記規制面と前記被規制面との間に形成される隙間の軸方向の長さをL1、前記ダンパ面と前記可動コアの前記弁座側の面との間に形成される隙間の軸方向の長さをL2とすると、
    前記ニードル、前記可動コア、前記規制部および前記ダンパ部は、L1<L2の関係を満たすよう形成されている請求項1または2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記ニードル、前記可動コア、前記規制部および前記ダンパ部は、1<L2/L1<2の関係を満たすよう形成されている請求項3に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記可動コアは、前記固定コア側の面(412)と前記弁座側の面(411)とを接続し前記燃料通路内の燃料が流通する通孔(43)を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  6. 前記ダンパ面は、前記可動コアの軸(Ax3)方向に筒状に延び内縁端を通る仮想筒状面(VT1)の径方向外側に前記通孔が位置するよう環状に形成されている請求項5に記載の燃料噴射装置。
  7. 前記規制面は、前記燃料通路の前記規制面に対し前記弁座側の部位における最小径(D1)より外径(D2)が小さくなるよう形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  8. 前記固定コア側付勢部材は、一端が前記可動コアに当接し、他端が前記ハウジングの内壁に当接した状態で設けられている請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  9. 前記規制部は、環状に形成されたばね座部(63)を有し、
    前記固定コア側付勢部材は、一端が前記可動コアに当接し、他端が前記ばね座部に当接した状態で設けられている請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  10. 前記ニードルおよび前記可動コアと前記弁座側付勢部材との間に設けられ、前記ニードル当接面と前記可動コア当接面との間に軸方向の隙間である軸方向隙間(CL1)を形成可能な隙間形成部材(80)をさらに備える請求項1〜9のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
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