JP2017088970A - キャリア付銅箔、キャリア付銅箔の製造方法、積層体、プリント配線板の製造方法及び電子機器の製造方法 - Google Patents

キャリア付銅箔、キャリア付銅箔の製造方法、積層体、プリント配線板の製造方法及び電子機器の製造方法 Download PDF

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【課題】剥離強度のバラツキを良好に抑制することができるキャリア付銅箔の製造方法を提供する。【解決手段】キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、中間層は、ニッケルを含み、極薄銅層を前記キャリアから剥離し、キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、NiO2のスペクトルにつき、二次イオン検出強度の最大値が表面から0.5〜5.0nmに存在し、最大強度が0.5×104〜3.0×104であるキャリア付銅箔。【選択図】図5

Description

本発明は、キャリア付銅箔、キャリア付銅箔の製造方法、積層体、プリント配線板の製造方法及び電子機器の製造方法に関する。
プリント配線板は銅箔に絶縁基板を接着させて銅張積層板とした後に、エッチングにより銅箔面に導体パターンを形成するという工程を経て製造されるのが一般的である。近年の電子機器の小型化、高性能化ニーズの増大に伴い搭載部品の高密度実装化や信号の高周波化が進展し、プリント配線板に対して導体パターンの微細化(ファインピッチ化)や高周波対応等が求められている。
ファインピッチ化に対応して、最近では厚さ9μm以下、更には厚さ5μm以下の銅箔が要求されているが、このような極薄の銅箔は機械的強度が低くプリント配線板の製造時に破れたり、皺が発生したりしやすいので、厚みのある金属箔をキャリアとして利用し、これに剥離層を介して極薄銅層を電着させたキャリア付銅箔が登場している。極薄銅層の表面を絶縁基板に貼り合わせて熱圧着後、キャリアは剥離層を介して剥離除去される。露出した極薄銅層上にレジストで回路パターンを形成した後に、所定の回路が形成される(特許文献1等)。
WO2004/005588号
キャリア付銅箔は、上述のように極薄銅層の表面を絶縁基板に貼り合わせて熱圧着(加熱プレス)した後、キャリアを剥離除去して使用する。このとき、キャリアの剥離強度にバラツキがあると、極薄銅層から均一に剥がすことが困難となり、例えば剥離強度が周囲より高い部分では当該剥離の際に極薄銅層に穴が開くおそれがある。
そこで、本発明は、剥離強度のバラツキを良好に抑制することができるキャリア付銅箔の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、中間層がクロムを含むキャリア付銅箔において、極薄銅層をキャリアから剥離し、キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、NiO2のスペクトルについて、二次イオン検出強度の最大値及びその存在位置を制御することで、剥離強度のバラツキを良好に抑制することができることを見出した。また、中間層がニッケルおよびクロムを含むキャリア付銅箔において、極薄銅層をキャリアから剥離し、キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、Cr2O4のスペクトルにつき、最表面の二次イオン検出強度、最大強度及びその存在位置を制御することで、剥離強度のバラツキを良好に抑制することができることを見出した。
本発明は上記知見を基礎として完成したものであり、一側面において、キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、前記中間層は、ニッケルを含み、前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、NiO2のスペクトルにつき、二次イオン検出強度の最大値が表面から0.5〜5.0nmに存在し、最大強度が0.5×104〜3.0×104であるキャリア付銅箔である。
本発明のキャリア付銅箔は一実施形態において、前記中間層のNi付着量が100〜40000μg/dm2である。
本発明は別の一側面において、キャリア、Niめっき層を有する中間層、及び、極薄銅層をこの順に備えたキャリア付銅箔の製造方法であり、前記キャリア上に、Niめっき層を有する中間層を形成する中間層形成工程、前記キャリア上に形成した前記中間層に対して、表面の水分を除去する工程、及び、前記水分除去後の中間層上に前記極薄銅層を形成する極薄銅層形成工程を含む本発明のキャリア付銅箔の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、キャリア、Niめっき層を有する中間層、及び、極薄銅層をこの順に備えたキャリア付銅箔の製造方法であり、前記キャリア上に、Niめっき層を有する中間層を形成する中間層形成工程、前記キャリア上に形成した前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に30〜100℃の条件下で1〜300秒間乾燥させる加熱工程、及び、前記乾燥後の中間層上に前記極薄銅層を形成する極薄銅層形成工程を含む本発明のキャリア付銅箔の製造方法である。
本発明のキャリア付銅箔の製造方法は一実施形態において、前記加熱工程において、前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に40〜90℃の条件下で3〜90秒間加熱させる。
本発明のキャリア付銅箔の製造方法は別の一実施形態において、前記極薄銅層上にさらに、下記(1)、(2)又は(3)の処理を行う表面処理層形成工程を含む。
(1)粗化処理層を形成する、
(2)耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する、
(3)粗化処理層を形成した後、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する。
本発明は更に別の一側面において、キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、前記中間層は、ニッケルおよびクロムを含み、前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、Cr2O4のスペクトルにつき、最表面の二次イオン検出強度が0.1×104〜2.0×104であり、かつ最大強度が表面から0.2〜2.0nmに存在し、最大強度が0.5×104〜2.5×104であるキャリア付銅箔である。
本発明のキャリア付銅箔は別の一実施形態において、前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、Cr2O4のスペクトルの最大強度Cr−Oと、CrO4Hのスペクトルの最大強度Cr−OHとの比Cr−O/Cr−OHが、0.8以上である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記中間層のNi付着量が100〜40000μg/dm2、Cr付着量が5〜100μg/dm2である。
本発明は更に別の一側面において、キャリア、Niめっき層とクロメート処理層とを有する中間層、及び、極薄銅層をこの順に備えたキャリア付銅箔の製造方法であり、前記キャリア上に、Niめっき層を形成した後、前記クロメート処理層を形成する中間層形成工程、前記キャリア上に形成した前記中間層に対して、表面の水分を除去する工程、及び、前記水分除去後の中間層上に前記極薄銅層を形成する極薄銅層形成工程を含む本発明のキャリア付銅箔の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、キャリア、Niめっき層とクロメート処理層とを有する中間層、及び、極薄銅層をこの順に備えたキャリア付銅箔の製造方法であり、前記キャリア上に、Niめっき層を形成した後、クロメート処理層を形成する中間層形成工程、前記キャリア上に形成した前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に30〜100℃の条件下で1〜300秒間乾燥させる加熱工程、及び、前記乾燥後の中間層上に前記極薄銅層を形成する極薄銅層形成工程を含む本発明のキャリア付銅箔の製造方法である。
本発明のキャリア付銅箔の製造方法は更に別の一実施形態において、前記加熱工程において、前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に40〜90℃の条件下で3〜90秒間加熱させる。
本発明のキャリア付銅箔の製造方法は更に別の一実施形態において、前記極薄銅層上にさらに、下記(1)、(2)又は(3)の処理を行う表面処理層形成工程を含む。
(1)粗化処理層を形成する、
(2)耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する、
(3)粗化処理層を形成した後、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記極薄銅層表面及び前記キャリアの表面のいずれか一方または両方に粗化処理層を有する。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記極薄銅層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記極薄銅層上に樹脂層を備える。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記粗化処理層上に樹脂層を備える。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層の上に樹脂層を備える。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記樹脂層が接着用樹脂である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記樹脂層が半硬化状態の樹脂である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔を備えた積層体である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔と樹脂とを含む積層体であって、前記キャリア付銅箔の端面の一部または全部が前記樹脂により覆われている積層体である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔と樹脂とを二組有し、前記二組のうちの一方のキャリア付銅箔の極薄銅層側表面と、他方のキャリア付銅箔の極薄銅層側表面とがそれぞれ露出するように設けられた積層体である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔を用いてプリント配線板を製造するプリント配線板の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のプリント配線板を用いて電子機器を製造する電子機器の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、及び、前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に回路を形成する工程、前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に樹脂層を形成する工程、前記樹脂層上に回路を形成する工程、前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程、及び、前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させた後に、前記極薄銅層または前記キャリアを除去することで、前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程を含むプリント配線板の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔を前記キャリア側から樹脂基板に積層する工程、前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に回路を形成する工程、前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に樹脂層を形成する工程、前記樹脂層上に回路を形成する工程、前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程、及び、前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させた後に、前記極薄銅層または前記キャリアを除去することで、前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程を含むプリント配線板の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面と樹脂基板とを積層する工程、前記キャリア付銅箔の樹脂基板と積層した側とは反対側の極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に樹脂層と回路との2層を、少なくとも1回設ける工程、及び、前記樹脂層及び回路の2層を形成した後に、前記キャリア付銅箔から前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程を含むプリント配線板の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔の前記キャリア側表面と樹脂基板とを積層する工程、前記キャリア付銅箔の樹脂基板と積層した側とは反対側の極薄銅層側表面に樹脂層と回路との2層を、少なくとも1回設ける工程、及び、前記樹脂層及び回路の2層を形成した後に、前記キャリア付銅箔から前記キャリアを剥離させる工程を含むプリント配線板の製造方法である。
本発明によれば、剥離強度のバラツキを良好に抑制することができるキャリア付銅箔及びその製造方法を提供することができる。
A〜Cは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、回路めっき・レジスト除去までの工程における配線板断面の模式図である。 D〜Fは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、樹脂及び2層目キャリア付銅箔積層からレーザー穴あけまでの工程における配線板断面の模式図である。 G〜Iは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、ビアフィル形成から1層目のキャリア剥離までの工程における配線板断面の模式図である。 J〜Kは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、フラッシュエッチングからバンプ・銅ピラー形成までの工程における配線板断面の模式図である。 実施例1及び2のTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったときのNiO2のスペクトルを示すグラフである。 実施例2の測定位置と剥離強度との関係を示すグラフである。 比較例1の測定位置と剥離強度との関係を示すグラフである。
[実施形態1]
<キャリア付銅箔及びその製造方法>
本発明の実施形態1に係るキャリア付銅箔は、キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、前記中間層は、ニッケルを含み、前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、NiO2のスペクトルにつき、二次イオン検出強度の最大値が表面から0.5〜5.0nmに存在し、最大強度が0.5×104〜3.0×104である。このような構成により、Niの表面に酸化層を形成することにより、剥離強度のばらつきを制御することができる。
(キャリア)
キャリア付銅箔のキャリアは典型的には金属箔または樹脂フィルムであり、例えば銅箔、銅合金箔、ニッケル箔、ニッケル合金箔、鉄箔、鉄合金箔、ステンレス箔、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、絶縁樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、LCPフィルムの形態で提供される。
本発明に用いることのできるキャリアは典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で提供される。一般的には、電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。銅箔の材料としてはタフピッチ銅(JIS H3100 合金番号C1100)や無酸素銅(JIS H3100 合金番号C1020またはJIS H3510 合金番号C1011)といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。
本発明に用いることのできるキャリアの厚さについても特に制限はないが、キャリアとしての役目を果たす上で適した厚さに適宜調節すればよく、例えば5μm以上70μm以下とすることができる。但し、厚すぎると生産コストが高くなるので一般には35μm以下とするのが好ましい。キャリアの厚みは典型的には8μm以上70μm以下であり、より典型的には12μm以上70μm以下であり、より典型的には18μm以上35μm以下である。また、原料コストを低減する観点からはキャリアの厚みは小さいことが好ましい。そのため、キャリアの厚みは、典型的には5μm以上35μm以下であり、好ましくは5μm以上18μm以下であり、好ましくは5μm以上12μm以下であり、好ましくは5μm以上11μm以下であり、好ましくは5μm以上10μm以下である。なお、キャリアの厚みが小さい場合には、キャリアの通箔の際に折れシワが発生しやすい。折れシワの発生を防止するため、例えばキャリア付銅箔製造装置の搬送ロールを平滑にすることや、搬送ロールと、その次の搬送ロールとの距離を短くすることが有効である。
(中間層)
キャリアの片面又は両面上には中間層を設ける。キャリアと中間層との間には他の層を設けてもよい。中間層はニッケルを含む。また、中間層はCr、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Alの元素群の内何れか一種以上の元素を含んでも良い。また、中間層はCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、又はこれらの合金、またはこれらの水和物、またはこれらの酸化物、あるいは有機物の何れか一種以上を含んでもよい。中間層は複数の層で構成されても良い。なお、中間層が複数の層で構成される場合、最も極薄銅層に近い層がニッケルを含むことが好ましい。最も極薄銅層に近い層がニッケルを含む場合、極薄銅層をキャリアから剥離し、キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、キャリアの中間層側の最表面のNiO2スペクトルの二次イオン検出強度を制御しやすくなり、また、表面から0.5〜5.0nmの位置にNiO2スペクトルの最大強度が存在するように制御しやすくなり、また、当該NiO2スペクトルの最大強度の値を制御しやすくなるためである。
実施形態1に係る中間層はNiめっき層で構成することができる。当該Niめっき層の形成条件の例を以下に示す。
−Niめっき−
ニッケル:20〜200g/L
ホウ酸:5〜60g/L
pH:2.0〜4.5
液温:40〜65℃
電流密度:0.5〜10A/dm2
中間層におけるNi付着量が100〜40000μg/dm2であるのが好ましい。このようにニッケルの付着量を制御することにより、基板圧着時のキャリアと極薄銅層の銅の拡散が抑制されるため、剥離強度のばらつきを制御することができる。
中間層のNi含有量は、200〜20000μg/dm2であるのが更に好ましく、500〜10000μg/dm2であるのが更に好ましく、700〜5000μg/dm2であるのが更に好ましい。
中間層形成後、中間層の表面の水分を除去し、当該水分除去後の中間層上に後述の極薄銅層を形成する極薄銅層形成工程を行う。中間層の表面の水分を除去しておくことで、表面が大気に触れることでニッケルの表面に酸化物層を形成し、剥離強度のばらつきを抑制することができる。また、表面の水分を除去することでニッケルの表面が乾き、ニッケル層表面が極薄銅めっき液に溶解し難くなり剥離強度のばらつきを抑制できる。
または、中間層形成後、中間層の表面の水分を除去した後に30〜100℃の条件下で1〜300秒間乾燥させる加熱工程、及び、前記乾燥後の中間層上に前記極薄銅層を形成する極薄銅層形成工程を行う。中間層の表面の水分を除去した後に30〜100℃の条件下で1〜300秒間乾燥させることで、ニッケルの表面に酸化層を形成して剥離強度のばらつきを抑制することができる。加熱温度が100℃を超える場合、表面の酸化層が厚くなり過ぎて電気抵抗が高くなり、極薄銅層をめっきで形成することが難しくなる。
前記加熱工程において、前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に40〜90℃の条件下で3〜90秒間加熱させてもよい。
[実施形態2]
<キャリア付銅箔及びその製造方法>
本発明の実施形態2に係るキャリア付銅箔は、キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、前記中間層は、ニッケルおよびクロムを含み、前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、Cr2O4のスペクトルにつき、最表面の二次イオン検出強度が0.1×104〜2.0×104であり、かつ最大強度が表面から0.2〜2.0nmに存在し、最大強度が0.5×104〜2.5×104である。このような構成により、クロム層の表面に酸化層が形成されることで剥離強度のばらつきを制御することができる。
前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、Cr2O4のスペクトルの最大強度Cr−Oと、CrO4Hのスペクトルの最大強度Cr−OHとの比Cr−O/Cr−OHが、0.8以上であるのが好ましい。このような構成により、クロム表面の水酸化物または水和物(水酸化物または水和物がTOF−SIMSによる深さ方向分析の際にCrO4Hとして検出されると考えられる)が酸化物(酸化物がTOF−SIMSによる深さ方向分析の際にCr2O4として検出されると考えられる)になることで剥離強度が安定する。
(キャリア)
実施形態2に係るキャリア付銅箔のキャリアは、上述の実施形態1に係るキャリア付銅箔のキャリアと同様にして形成することができる。
(中間層)
実施形態2に係る中間層はNiめっき層とクロメート処理層とをこの順で有しても良い。
当該Niめっき層の形成条件の例を以下に示す。
−Niめっき−
ニッケル:20〜200g/L
ホウ酸:5〜60g/L
pH:2.0〜4.5
液温:40〜65℃
電流密度:0.5〜10A/dm2
当該クロメート処理の条件の例を以下に示す。
クロム:0.1〜6.0g/L
亜鉛:0〜2.0g/L
pH:2.5〜5.0
液温:25〜60℃
電流密度:0.1〜4A/dm2
中間層におけるNi付着量は、100〜40000μg/dm2、Cr付着量が5〜100μg/dm2であるのが好ましい。このようにニッケル、クロムの付着量を制御することにより、キャリア付銅箔から極薄銅層を剥離した後の極薄銅層の表面のNi量を制御することが可能となる。このように剥離後の極薄銅層表面のNi量を制御するためには、中間層のNi付着量を少なくするとともに、Niが極薄銅層側へ拡散するのを抑制する金属種(Cr)を中間層が含んでいることが好ましい。このような観点から、中間層のNi含有量は、200〜20000μg/dm2であるのが更に好ましく、500〜10000μg/dm2であるのが更に好ましく、700〜5000μg/dm2であるのが更に好ましい。また、Crは8〜50μg/dm2であるのが更に好ましく、10〜40μg/dm2であるのが更に好ましく、12〜30μg/dm2であるのが更に好ましい。キャリア付銅箔から極薄銅層を剥離した後の極薄銅層の表面のNi量が制御されると、極薄銅層のエッチング性(溶けやすさや回路形状等)が向上する等の効果がある。
中間層形成後、中間層の表面の水分を除去し、当該水分除去後の中間層上に後述の極薄銅層を形成する極薄銅層形成工程を行う。中間層の表面の水分を除去しておくことで、表面が大気に触れることでニッケルの表面に酸化物層を形成し、剥離強度のばらつきを抑制することができる。
または、中間層形成後、中間層の表面の水分を除去した後に30〜100℃の条件下で1〜300秒間乾燥させる加熱工程、及び、前記乾燥後の中間層上に前記極薄銅層を形成する極薄銅層形成工程を行う。中間層の表面の水分を除去した後に30〜100℃の条件下で1〜300秒間乾燥させることで、ニッケルの表面に酸化層を形成して剥離強度のばらつきを抑制することができる。加熱温度が100℃を超える場合、表面の酸化層が厚くなり過ぎて電気抵抗が高くなり、極薄銅層をめっきで形成することが難しくなる。
前記加熱工程において、前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に40〜90℃の条件下で3〜90秒間加熱させてもよい。
(極薄銅層)
実施形態1及び2において、それぞれ中間層を形成した後は、いずれも以下のようにして極薄銅層を形成する。
すなわち、実施形態1及び2において、乾燥後の中間層上に極薄銅層を形成する。中間層と極薄銅層との間には他の層を設けてもよい。極薄銅層は、硫酸銅、ピロリン酸銅、スルファミン酸銅、シアン化銅等の電解浴を利用した電気めっきにより形成することができ、高電流密度での銅層形成が可能であることから硫酸銅浴が好ましい。極薄銅層の厚みは特に制限はないが、一般的にはキャリアよりも薄く、例えば12μm以下である。典型的には0.5〜12μmであり、より典型的には1〜5μmであり、更により典型的には1.5〜5μmであり、更により典型的には2〜5μmである。なお、極薄銅層はキャリアの両面に設けてもよい。
以下、粗化処理及びその他の表面処理の形態について詳細に説明する。
(粗化処理及びその他の表面処理)
極薄銅層の表面には、例えば絶縁基板との密着性を良好にすること等のために粗化処理を施すことで粗化処理層を設けてもよい。粗化処理は、例えば、銅又は銅合金で粗化粒子を形成することにより行うことができる。粗化処理は微細なものであっても良い。粗化処理層は、銅、ニッケル、りん、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム、鉄、バナジウム、コバルト及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層などであってもよい。また、銅又は銅合金で粗化粒子を形成した後、更にニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で二次粒子や三次粒子を設ける粗化処理を行うこともできる。その後に、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で耐熱層または防錆層を形成しても良く、更にその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理を施してもよい。または粗化処理を行わずに、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で耐熱層又は防錆層を形成し、さらにその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理を施してもよい。すなわち、粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成してもよく、極薄銅層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成してもよい。なお、上述の耐熱層、防錆層、クロメート処理層、シランカップリング処理層はそれぞれ複数の層で形成されてもよい(例えば2層以上、3層以上など)。
例えば、粗化処理としての銅−コバルト−ニッケル合金めっきは、電解めっきにより、付着量が15〜40mg/dm2の銅−100〜3000μg/dm2のコバルト−100〜1500μg/dm2のニッケルであるような3元系合金層を形成するように実施することができる。Co付着量が100μg/dm2未満では、耐熱性が悪化し、エッチング性が悪くなることがある。Co付着量が3000μg/dm2 を超えると、磁性の影響を考慮せねばならない場合には好ましくなく、エッチングシミが生じ、また、耐酸性及び耐薬品性の悪化がすることがある。Ni付着量が100μg/dm2未満であると、耐熱性が悪くなることがある。他方、Ni付着量が1500μg/dm2を超えると、エッチング残が多くなることがある。好ましいCo付着量は1000〜2500μg/dm2であり、好ましいニッケル付着量は500〜1200μg/dm2である。ここで、エッチングシミとは、塩化銅でエッチングした場合、Coが溶解せずに残ってしまうことを意味しそしてエッチング残とは塩化アンモニウムでアルカリエッチングした場合、Niが溶解せずに残ってしまうことを意味するものである。
このような3元系銅−コバルト−ニッケル合金めっきを形成するための一般的浴及びめっき条件の一例は次の通りである:
めっき浴組成:Cu10〜20g/L、Co1〜10g/L、Ni1〜10g/L
pH:1〜4
温度:30〜50℃
電流密度Dk:20〜30A/dm2
めっき時間:1〜5秒
このようにして、キャリアと、キャリア上に積層された中間層と、中間層の上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔が製造される。キャリア付銅箔自体の使用方法は当業者に周知であるが、例えば極薄銅層の表面を紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の絶縁基板に貼り合わせて熱圧着後にキャリアを剥がして銅張積層板とし、絶縁基板に接着した極薄銅層を目的とする導体パターンにエッチングし、最終的にプリント配線板を製造することができる。
また、キャリアと、キャリア上に中間層が積層され、中間層の上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔は、前記極薄銅層上に粗化処理層を備えても良く、前記粗化処理層上に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層およびシランカップリング処理層からなる群のから選択された層を一つ以上備えても良い。
また、前記極薄銅層上に粗化処理層を備えても良く、前記粗化処理層上に、耐熱層、防錆層を備えてもよく、前記耐熱層、防錆層上にクロメート処理層を備えてもよく、前記クロメート処理層上にシランカップリング処理層を備えても良い。
また、前記キャリア付銅箔は前記極薄銅層上、あるいは前記粗化処理層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいはクロメート処理層、あるいはシランカップリング処理層の上に樹脂層を備えても良い。前記樹脂層は絶縁樹脂層であってもよい。
前記樹脂層は接着剤であってもよく、接着用の半硬化状態(Bステージ)の絶縁樹脂層であってもよい。半硬化状態(Bステージ状態)とは、その表面に指で触れても粘着感はなく、該絶縁樹脂層を重ね合わせて保管することができ、更に加熱処理を受けると硬化反応が起こる状態のことを含む。
また前記樹脂層は熱硬化性樹脂を含んでもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。また、前記樹脂層は熱可塑性樹脂を含んでもよい。その種類は格別限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、多官能性シアン酸エステル化合物、マレイミド化合物、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂などを含む樹脂を好適なものとしてあげることができる。
前記樹脂層は公知の樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体(無機化合物及び/または有機化合物を含む誘電体、金属酸化物を含む誘電体等どのような誘電体を用いてもよい)、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等を含んでよい。また、前記樹脂層は例えば国際公開番号WO2008/004399号、国際公開番号WO2008/053878、国際公開番号WO2009/084533、特開平11−5828号、特開平11−140281号、特許第3184485号、国際公開番号WO97/02728、特許第3676375号、特開2000−43188号、特許第3612594号、特開2002−179772号、特開2002−359444号、特開2003−304068号、特許第3992225、特開2003−249739号、特許第4136509号、特開2004−82687号、特許第4025177号、特開2004−349654号、特許第4286060号、特開2005−262506号、特許第4570070号、特開2005−53218号、特許第3949676号、特許第4178415号、国際公開番号WO2004/005588、特開2006−257153号、特開2007−326923号、特開2008−111169号、特許第5024930号、国際公開番号WO2006/028207、特許第4828427号、特開2009−67029号、国際公開番号WO2006/134868、特許第5046927号、特開2009−173017号、国際公開番号WO2007/105635、特許第5180815号、国際公開番号WO2008/114858、国際公開番号WO2009/008471、特開2011−14727号、国際公開番号WO2009/001850、国際公開番号WO2009/145179、国際公開番号WO2011/068157、特開2013−19056号に記載されている物質(樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等)および/または樹脂層の形成方法、形成装置を用いて形成してもよい。
これらの樹脂を例えばメチルエチルケトン(MEK)、トルエンなどの溶剤に溶解して樹脂液とし、これを前記極薄銅層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいは前記クロメート皮膜層、あるいは前記シランカップリング剤層の上に、例えばロールコータ法などによって塗布し、ついで必要に応じて加熱乾燥して溶剤を除去しBステージ状態にする。乾燥には例えば熱風乾燥炉を用いればよく、乾燥温度は100〜250℃、好ましくは130〜200℃であればよい。
前記樹脂層を備えたキャリア付銅箔(樹脂付きキャリア付銅箔)は、その樹脂層を基材に重ね合わせたのち全体を熱圧着して該樹脂層を熱硬化せしめ、ついでキャリヤを剥離して極薄銅層を表出せしめ(当然に表出するのは該極薄銅層の中間層側の表面である)、そこに所定の配線パターンを形成するという態様で使用される。
この樹脂付きキャリア付銅箔を使用すると、多層プリント配線基板の製造時におけるプリプレグ材の使用枚数を減らすことができる。しかも、樹脂層の厚みを層間絶縁が確保できるような厚みにしたり、プリプレグ材を全く使用していなくても銅張り積層板を製造することができる。またこのとき、基材の表面に絶縁樹脂をアンダーコートして表面の平滑性を更に改善することもできる。
なお、プリプレグ材を使用しない場合には、プリプレグ材の材料コストが節約され、また積層工程も簡略になるので経済的に有利となり、しかも、プリプレグ材の厚み分だけ製造される多層プリント配線基板の厚みは薄くなり、1層の厚みが100μm以下である極薄の多層プリント配線基板を製造することができるという利点がある。
この樹脂層の厚みは0.1〜80μmであることが好ましい。樹脂層の厚みが0.1μmより薄くなると、接着力が低下し、プリプレグ材を介在させることなくこの樹脂付きキャリア付銅箔を内層材を備えた基材に積層したときに、内層材の回路との間の層間絶縁を確保することが困難になる場合がある。
一方、樹脂層の厚みを80μmより厚くすると、1回の塗布工程で目的厚みの樹脂層を形成することが困難となり、余分な材料費と工数がかかるため経済的に不利となる。更には、形成された樹脂層はその可撓性が劣るので、ハンドリング時にクラックなどが発生しやすくなり、また内層材との熱圧着時に過剰な樹脂流れが起こって円滑な積層が困難になる場合がある。
更に、この樹脂付きキャリア付銅箔のもう一つの製品形態としては、前記極薄銅層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいは前記クロメート処理層、あるいは前記シランカップリング処理層の上に樹脂層で被覆し、半硬化状態とした後、ついでキャリアを剥離して、キャリアが存在しない樹脂付き銅箔の形で製造することも可能である。
更に、プリント配線板に電子部品類を搭載することで、プリント回路板が完成する。本発明において、「プリント配線板」にはこのように電子部品類が搭載されたプリント配線板およびプリント回路板およびプリント基板も含まれることとする。
また、当該プリント配線板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント回路板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント基板を用いて電子機器を作製してもよい。以下に、本発明に係るキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造工程の例を幾つか示す。
本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を極薄銅層側が絶縁基板と対向するように積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、その後、セミアディティブ法、モディファイドセミアディティブ法、パートリーアディティブ法及びサブトラクティブ法の何れかの方法によって、回路を形成する工程を含む。絶縁基板は内層回路入りのものとすることも可能である。
本発明において、セミアディティブ法とは、絶縁基板又は銅箔シード層上に薄い無電解めっきを行い、パターンを形成後、電気めっき及びエッチングを用いて導体パターンを形成する方法を指す。
従って、セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄銅層をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と、前記絶縁樹脂基板とにスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄銅層をエッチング等により除去することにより露出した前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と、前記絶縁樹脂基板とにスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記極薄銅層をエッチング等により除去することにより露出した前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄銅層をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂の表面について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び極薄銅層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
本発明において、モディファイドセミアディティブ法とは、絶縁層上に金属箔を積層し、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより回路形成部の銅厚付けを行った後、レジストを除去し、前記回路形成部以外の金属箔を(フラッシュ)エッチングで除去することにより、絶縁層上に回路を形成する方法を指す。
従って、モディファイドセミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層表面にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストを設けた後に、電解めっきにより回路を形成する工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストを除去することにより露出した極薄銅層をフラッシュエッチングにより除去する工程、
を含む。
モディファイドセミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び極薄銅層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
本発明において、パートリーアディティブ法とは、導体層を設けてなる基板、必要に応じてスルーホールやバイアホール用の孔を穿けてなる基板上に触媒核を付与し、エッチングして導体回路を形成し、必要に応じてソルダレジストまたはメッキレジストを設けた後に、前記導体回路上、スルーホールやバイアホールなどに無電解めっき処理によって厚付けを行うことにより、プリント配線板を製造する方法を指す。
従って、パートリーアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について触媒核を付与する工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
前記極薄銅層および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して露出した前記絶縁基板表面に、ソルダレジストまたはメッキレジストを設ける工程、
前記ソルダレジストまたはメッキレジストが設けられていない領域に無電解めっき層を設ける工程、
を含む。
本発明において、サブトラクティブ法とは、銅張積層板上の銅箔の不要部分を、エッチングなどによって、選択的に除去して、導体パターンを形成する方法を指す。
従って、サブトラクティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の表面に、電解めっき層を設ける工程、
前記電解めっき層または/および前記極薄銅層の表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記無電解めっき層および前記電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
を含む。
サブトラクティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の表面にマスクを形成する工程、
マスクが形成されいない前記無電解めっき層の表面に電解めっき層を設ける工程、
前記電解めっき層または/および前記極薄銅層の表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記無電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
を含む。
スルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、及びその後のデスミア工程は行わなくてもよい。
ここで、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例を図面を用いて詳細に説明する。なお、ここでは粗化処理層が形成された極薄銅層を有するキャリア付銅箔を例に説明するが、これに限らず、粗化処理層が形成されていない極薄銅層を有するキャリア付銅箔を用いても同様に下記のプリント配線板の製造方法を行うことができる。
まず、図1−Aに示すように、表面に粗化処理層が形成された極薄銅層を有するキャリア付銅箔(1層目)を準備する。
次に、図1−Bに示すように、極薄銅層の粗化処理層上にレジストを塗布し、露光・現像を行い、レジストを所定の形状にエッチングする。
次に、図1−Cに示すように、回路用のめっきを形成した後、レジストを除去することで、所定の形状の回路めっきを形成する。
次に、図2−Dに示すように、回路めっきを覆うように(回路めっきが埋没するように)極薄銅層上に埋め込み樹脂を設けて樹脂層を積層し、続いて別のキャリア付銅箔(2層目)を極薄銅層側から接着させる。
次に、図2−Eに示すように、2層目のキャリア付銅箔からキャリアを剥がす。
次に、図2−Fに示すように、樹脂層の所定位置にレーザー穴あけを行い、回路めっきを露出させてブラインドビアを形成する。
次に、図3−Gに示すように、ブラインドビアに銅を埋め込みビアフィルを形成する。
次に、図3−Hに示すように、ビアフィル上に、上記図1−B及び図1−Cのようにして回路めっきを形成する。
次に、図3−Iに示すように、1層目のキャリア付銅箔からキャリアを剥がす。
次に、図4−Jに示すように、フラッシュエッチングにより両表面の極薄銅層を除去し、樹脂層内の回路めっきの表面を露出させる。
次に、図4−Kに示すように、樹脂層内の回路めっき上にバンプを形成し、当該はんだ上に銅ピラーを形成する。このようにして本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板を作製する。
上記別のキャリア付銅箔(2層目)は、本発明のキャリア付銅箔を用いてもよく、従来のキャリア付銅箔を用いてもよく、さらに通常の銅箔を用いてもよい。また、図3−Hに示される2層目の回路上に、さらに回路を1層或いは複数層形成してもよく、それらの回路形成をセミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって行ってもよい。
上述のようなプリント配線板の製造方法によれば、回路めっきが樹脂層に埋め込まれた構成となっているため、例えば図4−Jに示すようなフラッシュエッチングによる極薄銅層の除去の際に、回路めっきが樹脂層によって保護され、その形状が保たれ、これにより微細回路の形成が容易となる。また、回路めっきが樹脂層によって保護されるため、耐マイグレーション性が向上し、回路の配線の導通が良好に抑制される。このため、微細回路の形成が容易となる。また、図4−J及び図4−Kに示すようにフラッシュエッチングによって極薄銅層を除去したとき、回路めっきの露出面が樹脂層から凹んだ形状となるため、当該回路めっき上にバンプが、さらにその上に銅ピラーがそれぞれ形成しやすくなり、製造効率が向上する。
なお、埋め込み樹脂(レジン)には公知の樹脂、プリプレグを用いることができる。例えば、BT(ビスマレイミドトリアジン)レジンやBTレジンを含浸させたガラス布であるプリプレグ、味の素ファインテクノ株式会社製ABFフィルムやABFを用いることができる。また、前記埋め込み樹脂(レジン)には本明細書に記載の樹脂層および/または樹脂および/またはプリプレグを使用することができる。
また、前記一層目に用いられるキャリア付銅箔は、当該キャリア付銅箔の表面に基板または樹脂層を有してもよい。当該基板または樹脂層を有することで一層目に用いられるキャリア付銅箔は支持され、しわが入りにくくなるため、生産性が向上するという利点がある。なお、前記基板または樹脂層には、前記一層目に用いられるキャリア付銅箔を支持する効果するものであれば、全ての基板または樹脂層を用いることが出来る。例えば前記基板または樹脂層として本願明細書に記載のキャリア、プリプレグ、樹脂層や公知のキャリア、プリプレグ、樹脂層、金属板、金属箔、無機化合物の板、無機化合物の箔、有機化合物の板、有機化合物の箔を用いることができる。
また、本発明のプリント配線板の製造方法は、本発明のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面と樹脂基板とを積層する工程、前記樹脂基板と積層した極薄銅層側表面または前記キャリア側表面とは反対側のキャリア付銅箔の表面に、樹脂層と回路との2層を、少なくとも1回設ける工程、及び、前記樹脂層及び回路の2層を形成した後に、前記キャリア付銅箔から前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程を含むプリント配線板の製造方法(コアレス工法)であってもよい。当該コアレス工法について、具体的な例としては、まず、本発明のキャリア付銅箔の極薄銅層側表面またはキャリア側表面と樹脂基板とを積層する。その後、樹脂基板と積層した極薄銅層側表面または前記キャリア側表面とは反対側のキャリア付銅箔の表面に樹脂層を形成する。キャリア側表面に形成した樹脂層には、さらに別のキャリア付銅箔をキャリア側から積層してもよい。この場合、樹脂基板を中心として当該樹脂基板の両表面側に、キャリア/中間層/極薄銅層の順あるいは極薄銅層/中間層/キャリアの順でキャリア付銅箔が積層された構成となっている。このようにして、本発明のキャリア付銅箔を、コアレスプリント配線板を製造するために用いることができる。両端の極薄銅層あるいはキャリアの露出した表面には、別の樹脂層を設け、さらに銅層を設けた後、当該銅層を加工することで回路を形成してもよい。さらに、別の樹脂層を当該回路上に、当該回路を埋め込むように設けても良い。また、このような回路及び樹脂層の形成を1回以上設けてもよい(ビルドアップ工法)。そして、このようにして形成した積層体について、それぞれのキャリア付銅箔の極薄銅層またはキャリアをキャリアまたは極薄銅層から剥離させてコアレス基板を作製することができる。
なお、上述のコアレス基板の製造方法において、キャリア付銅箔の端面の一部または全部を樹脂で覆うことにより、ビルドアップ工法でプリント配線板を製造する際に、中間層への薬液の染み込みを防止することができ、薬液の染み込みによる極薄銅層とキャリアの分離を防止することができ、歩留りを向上させることができる。ここで用いる「キャリア付銅箔の端面の一部または全部を覆う樹脂」としては、樹脂層に用いることができる樹脂を使用することができる。なお、キャリアと極薄銅層とを分離する際には、キャリア付銅箔の端面の樹脂で覆われた部分は、切断等により除去する必要がある。また、上述のコアレス基板の製造方法において、キャリア付銅箔において平面視したときにキャリア付銅箔の積層部分の外周の少なくとも一部が樹脂又はプリプレグで覆ってもよい。また、上述のコアレス基板の製造方法で形成する積層体は、一対のキャリア付銅箔を互いに分離可能に接触させて構成されていてもよい。また、当該キャリア付銅箔において平面視したときにキャリア付銅箔の積層部分の外周の全体にわたって樹脂又はプリプレグで覆われてなるものであってもよい。このような構成とすることにより、キャリア付銅箔を平面視したときに、キャリア付銅箔の積層部分が樹脂又はプリプレグにより覆われ、他の部材がこの部分の側方向、すなわち積層方向に対して横からの方向から当たることを防ぐことができるようになり、結果としてハンドリング中のキャリア付銅箔同士の剥がれを少なくすることができる。また、キャリア付銅箔の積層部分の外周を露出しないように樹脂又はプリプレグで覆うことにより、前述したような薬液処理工程におけるこの界面への薬液の浸入を防ぐことができ、キャリア付銅箔の腐食や侵食を防ぐことができる。なお、一対のキャリア付銅箔から一つのキャリア付銅箔を分離する際、またはキャリア付銅箔のキャリアと銅箔(極薄銅層)を分離する際には、樹脂又はプリプレグで覆われているキャリア付銅箔の積層部分を切断等により除去する必要がある。
以下に、本発明の実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
1.キャリア付銅箔の製造
実施例1〜17及び比較例1、2の銅箔キャリアとして、厚さ18μmの長尺の電解銅箔(JX日鉱日石金属社製JTC)を用意した。また、実施例18〜23及び比較例3の銅箔キャリアとして、厚さ17μmの圧延銅箔(JX日鉱日石金属社製C1100)を用意した。この銅箔を150mm×55mmに切り出し光沢面(シャイニー面)に対して、下記のNiめっきおよびクロメート処理を実施して中間層を形成した。
−Niめっき−
ニッケル:20〜200g/L
pH:2.0〜4.5
液温:40〜65℃
電流密度:0.5〜10A/dm2
−クロメート処理−
クロム:0.1〜6.0g/L
亜鉛:0〜2.0g/L
pH:2.5〜5.0
液温:25〜60℃
電流密度:0.1〜4A/dm2
次に、クロメート処理層の表面に、表に記載の条件で、冷風乾燥、及び、冷風乾燥後の乾燥をそれぞれ実施した。なお、比較例1〜3は、冷風乾燥及び冷風乾燥後の乾燥のいずれも実施しなかった。
引き続き、中間層の上に表に記載の厚さの極薄銅層を以下の条件で電気めっき(銅めっき)することにより形成し、キャリア付銅箔を作製した。銅めっきを実施するとき、銅めっき液に中間層を形成した銅箔を浸漬すると、クロメート層が溶解するため、剥離強度が安定しない。そのため、電流を印加した後で銅めっき液に浸漬することでサンプルを作製した。
・銅めっき
銅濃度:90〜120g/L
2SO4濃度:20〜120g/L
電解液温度:20〜80℃
電流密度:10〜70A/dm2
これらの実施例、比較例については、全て極薄銅層の表面に以下の粗化処理、防錆処理、クロメート処理、及び、シランカップリング処理をこの順に行った。
・粗化処理
Cu:10〜20g/L
Co:5〜15g/L
Ni:5〜15g/L
pH:1〜4
温度:40〜50℃
電流密度Dk:40〜50A/dm2
時間:0.5秒〜2秒
Cu付着量:15〜40mg/dm2
Co付着量:100〜3000μg/dm2
Ni付着量:100〜1000μg/dm2
・耐熱処理(耐熱層を形成)
液組成 :ニッケル5〜20g/L、コバルト1〜8g/L
pH :2〜3
液温 :40〜60℃
電流密度 :5〜20A/dm2
クーロン量:10〜20As/dm2
・クロメート処理(クロメート処理層を形成)
液組成 :重クロム酸カリウム1〜10g/L、亜鉛0〜5g/L
pH :3〜4
液温 :50〜60℃
電流密度 :0〜2A/dm2(浸漬クロメート処理のため)
クーロン量:0〜2As/dm2(浸漬クロメート処理のため)
・シランカップリング処理(シランカップリング処理層を形成)
0.2〜2質量%のアルコキシシランを含有するpH7〜8、60℃の水溶液を噴霧することで、でシランカップリング剤塗布処理を行った。
2.キャリア付銅箔の評価
上述のようにして作製した実施例及び比較例の各サンプルについて、各種評価を下記の通り行った。
・中間層の金属付着量
ニッケル付着量はサンプルを濃度20質量%の硝酸で溶解してSII社製のICP発光分光分析装置(型式:SPS3100)を用いてICP発光分析によって測定し、クロム付着量はサンプルを濃度7質量%の塩酸にて溶解して、VARIAN社製の原子吸光分光光度計(型式:AA240FS)を用いて原子吸光法により定量分析を行うことで測定した。なお、前記ニッケル、クロム付着量の測定は以下のようにして行った。まず、キャリア付銅箔から極薄銅層を剥離した後、極薄銅層の中間層側の表面付近のみを溶解して(極薄銅層の厚みが1.4μm以上である場合には極薄銅層の中間層側の表面から0.5μm厚みのみ溶解する、極薄銅層の厚みが1.4μm未満の場合には極薄銅層の中間層側の表面から極薄銅層厚みの20%のみ溶解する。)、極薄銅層の中間層側の表面の付着量を測定する。また、極薄銅層を剥離した後に、キャリアの中間層側の表面付近のみを溶解して(表面から0.5μm厚みのみ溶解する)、キャリアの中間層側の表面の付着量を測定する。そして、極薄銅層の中間層側の表面の付着量とキャリアの中間層側の表面の付着量とを合計した値を、中間層の金属付着量とした。なお、上述の酸でニッケルおよび/またはクロムが十分に溶解しない場合には、例えば硝酸と塩酸の混合液(硝酸濃度:20質量%、塩酸濃度:12質量%)等、ニッケルおよび/またはクロムが溶解する酸や溶液を用いてサンプルを溶解した後に、上述のニッケル付着量および/またはクロム付着量を測定することができる。
・TOF−SIMS深さ方向分析による二次イオン検出強度
キャリア付銅箔から極薄銅層を剥離し露出したキャリアの中間層側表面について、以下の装置を用いてTOF−SIMS深さ方向分析を行い、TOF−SIMS深さ方向分析の際に生じる二次イオンNiO2、CrO4H、Cr2O4の測定を行った。
装置:TOF−SIMS300(ION−TOF社製)
一次イオン源:Bi
測定モード:高質量分解能
測定面:深さ方向分析(スパッタレートは0.03〜0.10nm/sとした。)
測定面積:100μm角
負イオンにて測定した。
・基板圧着後剥離強度
キャリア付銅箔の極薄銅層側を絶縁基板上に貼り合わせて、大気中、30kgf/cm2、220℃×2時間の条件下で圧着を行った後、剥離強度は、ロードセルにてキャリア側を引っ張り、90°剥離法(JIS C 6471 8.1)に準拠して測定した。
(評価結果)
実施例1〜23は、いずれも剥離強度のばらつきが良好に抑制されていた。
比較例1〜3は、いずれも剥離強度のばらつきが不良であった。
図5に実施例1及び2のTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったときのNiO2のスペクトルを示すグラフを示す。図6に実施例2の測定位置と剥離強度との関係を示すグラフを示す。図7に比較例1の測定位置と剥離強度との関係を示すグラフを示す。

Claims (32)

  1. キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、
    前記中間層は、ニッケルを含み、
    前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、NiO2のスペクトルにつき、二次イオン検出強度の最大値が表面から0.5〜5.0nmに存在し、最大強度が0.5×104〜3.0×104であるキャリア付銅箔。
  2. 前記中間層のNi付着量が100〜40000μg/dm2である請求項1に記載のキャリア付銅箔。
  3. キャリア、Niめっき層を有する中間層、及び、極薄銅層をこの順に備えたキャリア付銅箔の製造方法であり、
    前記キャリア上に、Niめっき層を有する中間層を形成する中間層形成工程、
    前記キャリア上に形成した前記中間層に対して、表面の水分を除去する工程、及び、
    前記水分除去後の中間層上に前記極薄銅層を形成する極薄銅層形成工程
    を含む請求項1又は2に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
  4. キャリア、Niめっき層を有する中間層、及び、極薄銅層をこの順に備えたキャリア付銅箔の製造方法であり、
    前記キャリア上に、Niめっき層を有する中間層を形成する中間層形成工程、
    前記キャリア上に形成した前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に30〜100℃の条件下で1〜300秒間乾燥させる加熱工程、及び、
    前記乾燥後の中間層上に前記極薄銅層を形成する極薄銅層形成工程
    を含む請求項1又は2に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
  5. 前記加熱工程において、前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に40〜90℃の条件下で3〜90秒間加熱させる請求項4に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
  6. 前記極薄銅層上にさらに、下記(1)、(2)又は(3)の処理を行う表面処理層形成工程を含む請求項3〜5のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
    (1)粗化処理層を形成する、
    (2)耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する、
    (3)粗化処理層を形成した後、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する。
  7. キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、
    前記中間層は、ニッケルおよびクロムを含み、
    前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、Cr2O4のスペクトルにつき、最表面の二次イオン検出強度が0.1×104〜2.0×104であり、かつ最大強度が表面から0.2〜2.0nmに存在し、最大強度が0.5×104〜2.5×104であるキャリア付銅箔。
  8. キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、
    前記中間層は、ニッケルおよびクロムを含み、
    前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、Cr2O4のスペクトルにつき、最表面の二次イオン検出強度が0.1×104〜2.0×104であり、かつ最大強度が表面から0.2〜2.0nmに存在し、最大強度が0.5×104〜2.5×104である請求項1又は2に記載のキャリア付銅箔。
  9. 前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、Cr2O4のスペクトルの最大強度Cr−Oと、CrO4Hのスペクトルの最大強度Cr−OHとの比Cr−O/Cr−OHが、0.8以上である請求項7又は8に記載のキャリア付銅箔。
  10. 前記中間層のNi付着量が100〜40000μg/dm2、Cr付着量が5〜100μg/dm2である請求項7〜9のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  11. キャリア、Niめっき層とクロメート処理層とを有する中間層、及び、極薄銅層をこの順に備えたキャリア付銅箔の製造方法であり、
    前記キャリア上に、Niめっき層を形成した後、前記クロメート処理層を形成する中間層形成工程、
    前記キャリア上に形成した前記中間層に対して、表面の水分を除去する工程、及び、
    前記水分除去後の中間層上に前記極薄銅層を形成する極薄銅層形成工程
    を含む請求項7〜10のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
  12. キャリア、Niめっき層とクロメート処理層とを有する中間層、及び、極薄銅層をこの順に備えたキャリア付銅箔の製造方法であり、
    前記キャリア上に、Niめっき層を形成した後、クロメート処理層を形成する中間層形成工程、
    前記キャリア上に形成した前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に30〜100℃の条件下で1〜300秒間乾燥させる加熱工程、及び、
    前記乾燥後の中間層上に前記極薄銅層を形成する極薄銅層形成工程
    を含む請求項7〜10のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
  13. 前記加熱工程において、前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に40〜90℃の条件下で3〜90秒間加熱させる請求項12に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
  14. 前記極薄銅層上にさらに、下記(1)、(2)又は(3)の処理を行う表面処理層形成工程を含む請求項11〜13のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
    (1)粗化処理層を形成する、
    (2)耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する、
    (3)粗化処理層を形成した後、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する。
  15. 前記極薄銅層表面及び前記キャリアの表面のいずれか一方または両方に粗化処理層を有する請求項1〜2及び7〜10のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  16. 前記粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する請求項15に記載のキャリア付銅箔。
  17. 前記極薄銅層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する請求項1〜2及び7〜10のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  18. 前記極薄銅層上に樹脂層を備える請求項1〜2及び7〜10のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  19. 前記粗化処理層上に樹脂層を備える請求項15に記載のキャリア付銅箔。
  20. 前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層の上に樹脂層を備える請求項16又は17に記載のキャリア付銅箔。
  21. 前記樹脂層が接着用樹脂である請求項18〜20のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  22. 前記樹脂層が半硬化状態の樹脂である請求項18〜21のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  23. 請求項1〜2、7〜10及び15〜22のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔を備えた積層体。
  24. 請求項1〜3、8〜10及び15〜22のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔と樹脂とを含む積層体であって、前記キャリア付銅箔の端面の一部または全部が前記樹脂により覆われている積層体。
  25. 請求項1〜3、8〜10及び15〜22のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔と樹脂とを二組有し、前記二組のうちの一方のキャリア付銅箔の極薄銅層側表面と、他方のキャリア付銅箔の極薄銅層側表面とがそれぞれ露出するように設けられた積層体。
  26. 請求項1〜3、8〜10及び15〜22のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔を用いてプリント配線板を製造するプリント配線板の製造方法。
  27. 請求項26に記載のプリント配線板を用いて電子機器を製造する電子機器の製造方法。
  28. 請求項1〜3、8〜10及び15〜22のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
    前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、及び、
    前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、
    その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法。
  29. 請求項1〜3、8〜10及び15〜22のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に回路を形成する工程、
    前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に樹脂層を形成する工程、
    前記樹脂層上に回路を形成する工程、
    前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程、及び、
    前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させた後に、前記極薄銅層または前記キャリアを除去することで、前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
    を含むプリント配線板の製造方法。
  30. 請求項1〜3、8〜10及び15〜22のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔を前記キャリア側から樹脂基板に積層する工程、
    前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に回路を形成する工程、
    前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に樹脂層を形成する工程、
    前記樹脂層上に回路を形成する工程、
    前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程、及び、
    前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させた後に、前記極薄銅層または前記キャリアを除去することで、前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
    を含むプリント配線板の製造方法。
  31. 請求項1〜3、8〜10及び15〜22のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面と樹脂基板とを積層する工程、
    前記キャリア付銅箔の樹脂基板と積層した側とは反対側の極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に樹脂層と回路との2層を、少なくとも1回設ける工程、及び、
    前記樹脂層及び回路の2層を形成した後に、前記キャリア付銅箔から前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程
    を含むプリント配線板の製造方法。
  32. 請求項1〜3、8〜10及び15〜22のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の前記キャリア側表面と樹脂基板とを積層する工程、
    前記キャリア付銅箔の樹脂基板と積層した側とは反対側の極薄銅層側表面に樹脂層と回路との2層を、少なくとも1回設ける工程、及び、
    前記樹脂層及び回路の2層を形成した後に、前記キャリア付銅箔から前記キャリアを剥離させる工程
    を含むプリント配線板の製造方法。
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