JP6570430B2 - キャリア付銅箔の製造方法、プリント配線板の製造方法及び電子機器の製造方法 - Google Patents
キャリア付銅箔の製造方法、プリント配線板の製造方法及び電子機器の製造方法 Download PDFInfo
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Description
(1)粗化処理層を形成する、
(2)耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する、
(3)粗化処理層を形成した後、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する。
(1)粗化処理層を形成する、
(2)耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する、
(3)粗化処理層を形成した後、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する。
<キャリア付銅箔及びその製造方法>
本発明の実施形態1に係るキャリア付銅箔は、キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、前記中間層は、ニッケルを含み、前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、NiO2のスペクトルにつき、二次イオン検出強度の最大値が表面から0.5〜5.0nmに存在し、最大強度が0.5×104〜3.0×104である。このような構成により、Niの表面に酸化層を形成することにより、剥離強度のばらつきを制御することができる。
キャリア付銅箔のキャリアは典型的には金属箔または樹脂フィルムであり、例えば銅箔、銅合金箔、ニッケル箔、ニッケル合金箔、鉄箔、鉄合金箔、ステンレス箔、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、絶縁樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、LCPフィルムの形態で提供される。
本発明に用いることのできるキャリアは典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で提供される。一般的には、電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。銅箔の材料としてはタフピッチ銅(JIS H3100 合金番号C1100)や無酸素銅(JIS H3100 合金番号C1020またはJIS H3510 合金番号C1011)といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。
キャリアの片面又は両面上には中間層を設ける。キャリアと中間層との間には他の層を設けてもよい。中間層はニッケルを含む。また、中間層はCr、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Alの元素群の内何れか一種以上の元素を含んでも良い。また、中間層はCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、又はこれらの合金、またはこれらの水和物、またはこれらの酸化物、あるいは有機物の何れか一種以上を含んでもよい。中間層は複数の層で構成されても良い。なお、中間層が複数の層で構成される場合、最も極薄銅層に近い層がニッケルを含むことが好ましい。最も極薄銅層に近い層がニッケルを含む場合、極薄銅層をキャリアから剥離し、キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、キャリアの中間層側の最表面のNiO2スペクトルの二次イオン検出強度を制御しやすくなり、また、表面から0.5〜5.0nmの位置にNiO2スペクトルの最大強度が存在するように制御しやすくなり、また、当該NiO2スペクトルの最大強度の値を制御しやすくなるためである。
実施形態1に係る中間層はNiめっき層で構成することができる。当該Niめっき層の形成条件の例を以下に示す。
−Niめっき−
ニッケル:20〜200g/L
ホウ酸:5〜60g/L
pH:2.0〜4.5
液温:40〜65℃
電流密度:0.5〜10A/dm2
中間層のNi含有量は、200〜20000μg/dm2であるのが更に好ましく、500〜10000μg/dm2であるのが更に好ましく、700〜5000μg/dm2であるのが更に好ましい。
前記加熱工程において、前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に40〜90℃の条件下で3〜90秒間加熱させてもよい。
<キャリア付銅箔及びその製造方法>
本発明の実施形態2に係るキャリア付銅箔は、キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、前記中間層は、ニッケルおよびクロムを含み、前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、Cr2O4のスペクトルにつき、最表面の二次イオン検出強度が0.1×104〜2.0×104であり、かつ最大強度が表面から0.2〜2.0nmに存在し、最大強度が0.5×104〜2.5×104である。このような構成により、クロム層の表面に酸化層が形成されることで剥離強度のばらつきを制御することができる。
実施形態2に係るキャリア付銅箔のキャリアは、上述の実施形態1に係るキャリア付銅箔のキャリアと同様にして形成することができる。
実施形態2に係る中間層はNiめっき層とクロメート処理層とをこの順で有しても良い。
−Niめっき−
ニッケル:20〜200g/L
ホウ酸:5〜60g/L
pH:2.0〜4.5
液温:40〜65℃
電流密度:0.5〜10A/dm2
クロム:0.1〜6.0g/L
亜鉛:0〜2.0g/L
pH:2.5〜5.0
液温:25〜60℃
電流密度:0.1〜4A/dm2
前記加熱工程において、前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に40〜90℃の条件下で3〜90秒間加熱させてもよい。
実施形態1及び2において、それぞれ中間層を形成した後は、いずれも以下のようにして極薄銅層を形成する。
すなわち、実施形態1及び2において、乾燥後の中間層上に極薄銅層を形成する。中間層と極薄銅層との間には他の層を設けてもよい。極薄銅層は、硫酸銅、ピロリン酸銅、スルファミン酸銅、シアン化銅等の電解浴を利用した電気めっきにより形成することができ、高電流密度での銅層形成が可能であることから硫酸銅浴が好ましい。極薄銅層の厚みは特に制限はないが、一般的にはキャリアよりも薄く、例えば12μm以下である。典型的には0.5〜12μmであり、より典型的には1〜5μmであり、更により典型的には1.5〜5μmであり、更により典型的には2〜5μmである。なお、極薄銅層はキャリアの両面に設けてもよい。
以下、粗化処理及びその他の表面処理の形態について詳細に説明する。
極薄銅層の表面には、例えば絶縁基板との密着性を良好にすること等のために粗化処理を施すことで粗化処理層を設けてもよい。粗化処理は、例えば、銅又は銅合金で粗化粒子を形成することにより行うことができる。粗化処理は微細なものであっても良い。粗化処理層は、銅、ニッケル、りん、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム、鉄、バナジウム、コバルト及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層などであってもよい。また、銅又は銅合金で粗化粒子を形成した後、更にニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で二次粒子や三次粒子を設ける粗化処理を行うこともできる。その後に、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で耐熱層または防錆層を形成しても良く、更にその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理を施してもよい。または粗化処理を行わずに、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で耐熱層又は防錆層を形成し、さらにその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理を施してもよい。すなわち、粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成してもよく、極薄銅層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成してもよい。なお、上述の耐熱層、防錆層、クロメート処理層、シランカップリング処理層はそれぞれ複数の層で形成されてもよい(例えば2層以上、3層以上など)。
めっき浴組成:Cu10〜20g/L、Co1〜10g/L、Ni1〜10g/L
pH:1〜4
温度:30〜50℃
電流密度Dk:20〜30A/dm2
めっき時間:1〜5秒
また、前記極薄銅層上に粗化処理層を備えても良く、前記粗化処理層上に、耐熱層、防錆層を備えてもよく、前記耐熱層、防錆層上にクロメート処理層を備えてもよく、前記クロメート処理層上にシランカップリング処理層を備えても良い。
また、前記キャリア付銅箔は前記極薄銅層上、あるいは前記粗化処理層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいはクロメート処理層、あるいはシランカップリング処理層の上に樹脂層を備えても良い。前記樹脂層は絶縁樹脂層であってもよい。
また、当該プリント配線板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント回路板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント基板を用いて電子機器を作製してもよい。以下に、本発明に係るキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造工程の例を幾つか示す。
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄銅層をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と、前記絶縁樹脂基板とにスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄銅層をエッチング等により除去することにより露出した前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と、前記絶縁樹脂基板とにスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記極薄銅層をエッチング等により除去することにより露出した前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄銅層をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂の表面について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び極薄銅層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層表面にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストを設けた後に、電解めっきにより回路を形成する工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストを除去することにより露出した極薄銅層をフラッシュエッチングにより除去する工程、
を含む。
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び極薄銅層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について触媒核を付与する工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
前記極薄銅層および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して露出した前記絶縁基板表面に、ソルダレジストまたはメッキレジストを設ける工程、
前記ソルダレジストまたはメッキレジストが設けられていない領域に無電解めっき層を設ける工程、
を含む。
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の表面に、電解めっき層を設ける工程、
前記電解めっき層または/および前記極薄銅層の表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記無電解めっき層および前記電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
を含む。
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の表面にマスクを形成する工程、
マスクが形成されいない前記無電解めっき層の表面に電解めっき層を設ける工程、
前記電解めっき層または/および前記極薄銅層の表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記無電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
を含む。
まず、図1−Aに示すように、表面に粗化処理層が形成された極薄銅層を有するキャリア付銅箔(1層目)を準備する。
次に、図1−Bに示すように、極薄銅層の粗化処理層上にレジストを塗布し、露光・現像を行い、レジストを所定の形状にエッチングする。
次に、図1−Cに示すように、回路用のめっきを形成した後、レジストを除去することで、所定の形状の回路めっきを形成する。
次に、図2−Dに示すように、回路めっきを覆うように(回路めっきが埋没するように)極薄銅層上に埋め込み樹脂を設けて樹脂層を積層し、続いて別のキャリア付銅箔(2層目)を極薄銅層側から接着させる。
次に、図2−Eに示すように、2層目のキャリア付銅箔からキャリアを剥がす。
次に、図2−Fに示すように、樹脂層の所定位置にレーザー穴あけを行い、回路めっきを露出させてブラインドビアを形成する。
次に、図3−Gに示すように、ブラインドビアに銅を埋め込みビアフィルを形成する。
次に、図3−Hに示すように、ビアフィル上に、上記図1−B及び図1−Cのようにして回路めっきを形成する。
次に、図3−Iに示すように、1層目のキャリア付銅箔からキャリアを剥がす。
次に、図4−Jに示すように、フラッシュエッチングにより両表面の極薄銅層を除去し、樹脂層内の回路めっきの表面を露出させる。
次に、図4−Kに示すように、樹脂層内の回路めっき上にバンプを形成し、当該はんだ上に銅ピラーを形成する。このようにして本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板を作製する。
実施例1〜17及び比較例1、2の銅箔キャリアとして、厚さ18μmの長尺の電解銅箔(JX日鉱日石金属社製JTC)を用意した。また、実施例18〜23及び比較例3の銅箔キャリアとして、厚さ17μmの圧延銅箔(JX日鉱日石金属社製C1100)を用意した。この銅箔を150mm×55mmに切り出し光沢面(シャイニー面)に対して、下記のNiめっきおよびクロメート処理を実施して中間層を形成した。
ニッケル:20〜200g/L
pH:2.0〜4.5
液温:40〜65℃
電流密度:0.5〜10A/dm2
クロム:0.1〜6.0g/L
亜鉛:0〜2.0g/L
pH:2.5〜5.0
液温:25〜60℃
電流密度:0.1〜4A/dm2
銅濃度:90〜120g/L
H2SO4濃度:20〜120g/L
電解液温度:20〜80℃
電流密度:10〜70A/dm2
・粗化処理
Cu:10〜20g/L
Co:5〜15g/L
Ni:5〜15g/L
pH:1〜4
温度:40〜50℃
電流密度Dk:40〜50A/dm2
時間:0.5秒〜2秒
Cu付着量:15〜40mg/dm2
Co付着量:100〜3000μg/dm2
Ni付着量:100〜1000μg/dm2
液組成 :ニッケル5〜20g/L、コバルト1〜8g/L
pH :2〜3
液温 :40〜60℃
電流密度 :5〜20A/dm2
クーロン量:10〜20As/dm2
液組成 :重クロム酸カリウム1〜10g/L、亜鉛0〜5g/L
pH :3〜4
液温 :50〜60℃
電流密度 :0〜2A/dm2(浸漬クロメート処理のため)
クーロン量:0〜2As/dm2(浸漬クロメート処理のため)
0.2〜2質量%のアルコキシシランを含有するpH7〜8、60℃の水溶液を噴霧することで、でシランカップリング剤塗布処理を行った。
上述のようにして作製した実施例及び比較例の各サンプルについて、各種評価を下記の通り行った。
ニッケル付着量はサンプルを濃度20質量%の硝酸で溶解してSII社製のICP発光分光分析装置(型式:SPS3100)を用いてICP発光分析によって測定し、クロム付着量はサンプルを濃度7質量%の塩酸にて溶解して、VARIAN社製の原子吸光分光光度計(型式:AA240FS)を用いて原子吸光法により定量分析を行うことで測定した。なお、前記ニッケル、クロム付着量の測定は以下のようにして行った。まず、キャリア付銅箔から極薄銅層を剥離した後、極薄銅層の中間層側の表面付近のみを溶解して(極薄銅層の厚みが1.4μm以上である場合には極薄銅層の中間層側の表面から0.5μm厚みのみ溶解する、極薄銅層の厚みが1.4μm未満の場合には極薄銅層の中間層側の表面から極薄銅層厚みの20%のみ溶解する。)、極薄銅層の中間層側の表面の付着量を測定する。また、極薄銅層を剥離した後に、キャリアの中間層側の表面付近のみを溶解して(表面から0.5μm厚みのみ溶解する)、キャリアの中間層側の表面の付着量を測定する。そして、極薄銅層の中間層側の表面の付着量とキャリアの中間層側の表面の付着量とを合計した値を、中間層の金属付着量とした。なお、上述の酸でニッケルおよび/またはクロムが十分に溶解しない場合には、例えば硝酸と塩酸の混合液(硝酸濃度:20質量%、塩酸濃度:12質量%)等、ニッケルおよび/またはクロムが溶解する酸や溶液を用いてサンプルを溶解した後に、上述のニッケル付着量および/またはクロム付着量を測定することができる。
キャリア付銅箔から極薄銅層を剥離し露出したキャリアの中間層側表面について、以下の装置を用いてTOF−SIMS深さ方向分析を行い、TOF−SIMS深さ方向分析の際に生じる二次イオンNiO2、CrO4H、Cr2O4の測定を行った。
装置:TOF−SIMS300(ION−TOF社製)
一次イオン源:Bi
測定モード:高質量分解能
測定面:深さ方向分析(スパッタレートは0.03〜0.10nm/sとした。)
測定面積:100μm角
負イオンにて測定した。
キャリア付銅箔の極薄銅層側を絶縁基板上に貼り合わせて、大気中、30kgf/cm2、220℃×2時間の条件下で圧着を行った後、剥離強度は、ロードセルにてキャリア側を引っ張り、90°剥離法(JIS C 6471 8.1)に準拠して測定した。
実施例1〜23は、いずれも剥離強度のばらつきが良好に抑制されていた。
比較例1〜3は、いずれも剥離強度のばらつきが不良であった。
図5に実施例1及び2のTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったときのNiO2のスペクトルを示すグラフを示す。図6に実施例2の測定位置と剥離強度との関係を示すグラフを示す。図7に比較例1の測定位置と剥離強度との関係を示すグラフを示す。
Claims (16)
- キャリア、Niめっき層を有する中間層、及び、極薄銅層をこの順に備えたキャリア付銅箔の製造方法であり、
前記キャリア上に、Niめっき層を有する中間層を形成する中間層形成工程、
前記キャリア上に形成した前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に30〜100℃の条件下で1〜300秒間乾燥させる加熱工程、及び、
前記乾燥後の中間層上に前記極薄銅層を形成する極薄銅層形成工程
を含み、
前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、NiO2のスペクトルにつき、二次イオン検出強度の最大値が表面から0.5〜5.0nmに存在し、最大強度が0.5×10 4 〜3.0×10 4 であるキャリア付銅箔の製造方法。 - 前記中間層のNi付着量が100〜40000μg/dm 2 である請求項1に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
- 前記加熱工程において、前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に40〜90℃の条件下で3〜90秒間加熱させる請求項1又は2に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
- 前記極薄銅層上にさらに、下記(1)、(2)又は(3)の処理を行う表面処理層形成工程を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
(1)粗化処理層を形成する、
(2)耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する、
(3)粗化処理層を形成した後、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する。 - キャリア、Niめっき層とクロメート処理層とを有する中間層、及び、極薄銅層をこの順に備えたキャリア付銅箔の製造方法であり、
前記キャリア上に、Niめっき層を形成した後、クロメート処理層を形成する中間層形成工程、
前記キャリア上に形成した前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に30〜100℃の条件下で1〜300秒間乾燥させる加熱工程、及び、
前記乾燥後の中間層上に前記極薄銅層を形成する極薄銅層形成工程
を含み、
前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、Cr2O4のスペクトルにつき、最表面の二次イオン検出強度が0.1×10 4 〜2.0×10 4 であり、かつ最大強度が表面から0.2〜2.0nmに存在し、最大強度が0.5×10 4 〜2.5×10 4 であるキャリア付銅箔の製造方法。 - 前記極薄銅層を前記キャリアから剥離し、前記キャリアの中間層側表面にTOF−SIMSによる深さ方向分析を行ったとき、Cr2O4のスペクトルの最大強度Cr−Oと、CrO4Hのスペクトルの最大強度Cr−OHとの比Cr−O/Cr−OHが、0.8以上である請求項5に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
- 前記中間層のNi付着量が100〜40000μg/dm 2 、Cr付着量が5〜100μg/dm 2 である請求項5又は6に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
- 前記加熱工程において、前記中間層に対して、表面の水分を除去した後に40〜90℃の条件下で3〜90秒間加熱させる請求項5〜7のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
- 前記極薄銅層上にさらに、下記(1)、(2)又は(3)の処理を行う表面処理層形成工程を含む請求項5〜8のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
(1)粗化処理層を形成する、
(2)耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する、
(3)粗化処理層を形成した後、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成する。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の製造方法で製造されたキャリア付銅箔を用いてプリント配線板を製造するプリント配線板の製造方法。
- 請求項10に記載のプリント配線板の製造方法で製造されたプリント配線板を用いて電子機器を製造する電子機器の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の製造方法で製造されたキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、及び、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、
その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の製造方法で製造されたキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に回路を形成する工程、
前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に樹脂層を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程、及び、
前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させた後に、前記極薄銅層または前記キャリアを除去することで、前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
を含むプリント配線板の製造方法。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の製造方法で製造されたキャリア付銅箔を前記キャリア側から樹脂基板に積層する工程、
前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に回路を形成する工程、
前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に樹脂層を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程、及び、
前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させた後に、前記極薄銅層または前記キャリアを除去することで、前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
を含むプリント配線板の製造方法。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の製造方法で製造されたキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面または前記キャリア側表面と樹脂基板とを積層する工程、
前記キャリア付銅箔の樹脂基板と積層した側とは反対側の極薄銅層側表面または前記キャリア側表面に樹脂層と回路との2層を、少なくとも1回設ける工程、及び、
前記樹脂層及び回路の2層を形成した後に、前記キャリア付銅箔から前記キャリアまたは前記極薄銅層を剥離させる工程
を含むプリント配線板の製造方法。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の製造方法で製造されたキャリア付銅箔の前記キャリア側表面と樹脂基板とを積層する工程、
前記キャリア付銅箔の樹脂基板と積層した側とは反対側の極薄銅層側表面に樹脂層と回路との2層を、少なくとも1回設ける工程、及び、
前記樹脂層及び回路の2層を形成した後に、前記キャリア付銅箔から前記キャリアを剥離させる工程
を含むプリント配線板の製造方法。
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