JP2017088701A - 接着剤用樹脂組成物、蒸着フィルム、及びガスバリア性フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
また、アルミニウム箔は、不活性ガスバリアは完全ではあるが、リサイクルの観点から使用しにくく、且つ高価である等の問題点もある。
ポリエステルポリオール(A)が、マレイン酸、フマル酸、コハク酸及びその酸無水物から成る群から選ばれるカルボン酸又は酸無水物を主成分とする酸成分と、ポリオール成分との反応物で構成されるものであり、
ポリイソシアネート化合物(B)が、ポリオール成分と二塩基酸成分との反応物であるポリエステル化合物の末端にメタキシレンジイソシアネート基を有するものであり、
さらにオルトフタル酸又はその酸成分を含有しても良い接着剤用樹脂組成物により前記課題を解決した。
さらに、本発明の接着剤用樹脂組成物は、オルトフタル酸又はその酸成分を含有しても良い。
接着剤用樹脂組成物を低粘度化できると共に、高バリア性を発揮できることから、酸成分中のフマル酸、コハク酸及びその酸無水物から成る群から選ばれるカルボン酸又は酸無水物の含有量は、モル換算で酸成分全体の70%以上であることとが特に好ましい。
ここで、オルトフタル酸及びその無水物は、骨格が非対称構造である。従って、得られるポリエステルの分子鎖の回転抑制が生じると推定され、これによりバリア性に優れると推定される。また、この非対称構造に起因して非結晶性を示し、十分な基材密着性が付与され、接着力とバリア性に優れると推定される。
本発明のポリエステルポリオール(A)は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸成分を共重合させてもよい。具体的には、脂肪族多価カルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等を、脂環族多価カルボン酸としては1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、芳香族多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の多塩基酸を単独であるいは二種以上の混合物で使用することができる。中でも、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸が好ましい。また、三価以上の多価カルボン酸として、トリメリット酸およびその酸無水物、ピロメリット酸及びその酸無水物等があげられるが、合成時のゲル化を防ぐ為には三価以上の多価カルボン酸としては三価カルボン酸が好ましい。
本発明で使用する多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、中でもエチレングリコールを使用することが最も好ましい。
本発明では前述の多価アルコール成分を使用することが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価アルコール成分を共重合させてもよい。具体的には、脂肪族ジオールとしては1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、芳香族多価フェノールとして、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらのエチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族を例示することができる。三価以上の多価アルコールとして、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスルトール等があげられるが、合成時のゲル化を防ぐ為には三価以上の多価アルコールとしては三価アルコールが好ましい。
原材料として用いる多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコール成分を一括して仕込んだ後、攪拌混合しながら昇温し、脱水縮合反応させる。JIS−K0070に記載の酸価測定法にて5.0mgKOH/g以下、同じくJIS−K0070に記載の水酸基価測定方法にて得られる水酸基価ZmgKOH/gが下記式(b)の右辺の数値(mgKOH/g)の±5%以内に入るまで反応を継続することで目的とするポリエステル樹脂を得ることができる。
或いは、各々の原料を多段階に分けて反応させてもよい。また、反応温度にて揮発してしまったジオール成分を追加しながら、水酸基価を±5%以内に入るように調製してもよい。
本発明で使用するイソシアネート化合物(B)は、ポリオール成分と二塩基酸との反応物であるポリエステル化合物の末端にイソシアネート基を有するものであれば特に限定はなく、ポリエステル化合物との反応に用いられるイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲においてイソシアネートモノマーを使用しても良い。
本発明の接着剤は、ガスバリア性を損なわない範囲で、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機充填剤、層状無機化合物、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、フィラー、結晶核剤等が例示できる。膨潤性無機層状化合物としては、例えば、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等)、アンチゴライト族粘土鉱物(アンチゴライト、クリソタイル等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。膨潤性無機層状化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用される。
本発明の接着剤の基本的な使用形態は無溶剤型であるが、溶剤型接着剤としても使用することができる。溶剤型の場合、溶剤はポリエステルポリオール及び硬化剤の製造時に反応媒体として使用してもよい。使用できる溶剤としては例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、エチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド等が挙げられる。これらのうち通常は酢酸エチルやメチルエチルケトンを使用するのが好ましい。また、無溶剤で使用する場合は必ずしも有機溶剤に可溶である必要は無いと考えられるが、合成時の反応釜の洗浄やラミネート時の塗工機等の洗浄を考慮すると、有機溶剤に対する溶解性が必要である。
本発明では使用される蒸着フィルムとしては、透明蒸着フィルム、アルミ蒸着フィルムを挙げることができる。
本発明のコーティング材は、蒸着フィルムが持つガスバリア性を大幅に向上させるために使用する。そのためコーティング材を塗布する対象としては各種蒸着フィルムを用いる。本材料をコーティングしたフィルムは、通常の蒸着フィルムよりも更にガスバリア性に優れるため、ハイガスバリアフィルムとして使用できる。
本発明で用いるコーティング材が塗布される蒸着フィルムの蒸着層の種類としては、ガスバリア性を付与できるものであれば特に限定されない。現在包装用に広く用いられている金属蒸着、または金属酸化物蒸着が例示できる。金属蒸着としては各種金属が例示できるが、特に安価で広く用いられているアルミニウムが好ましい。また、金属酸化物としては、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ケイ素(SiOx)が、汎用性が高い材料として好ましく例示される。これ以外にも各種有機化合物、無機化合物を蒸着したフィルムや、複数種の材料を蒸着したものを用いても良い。蒸着方法としては特に制限はなく物理的蒸着法である真空蒸着法や、化学的蒸着法であるCVD法が例示できる。蒸着層の厚みは蒸着層単独でも一定のガスバリア機能が発現できこれにコーティング層が設置されることでさらに高バリアフィルムとできれば特に制限はない。
本発明でのコーティング材を使用するフィルムは、特に限定はなく、所望の用途に応じた熱可塑性樹脂フィルムを適宜選択することができる。例えば食品包装用としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:リニア低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:未延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、シクロオレフィンコポリマフィルム等が挙げられる。これらのフィルムには延伸処理があっても、無くても好ましく用いることができる。延伸処理をほどこしているフィルム類は寸法安定性、剛性よりコーティング操作が容易で使いやすい利点がある。また、未延伸フィルムでは逆に基材の寸法安定性、剛性、耐熱性が劣るため蒸着層が欠陥を多く持ちガスバリアが安定しないことが多いので、本発明のコーティング材を用いることで、バリア機能の強化に大きな効果をだせる利点がある。
本発明では、コーティングを蒸着面側に施す必要がある。これは、本発明のコーティング材が蒸着のピンホールやクラック等の欠陥部分を効率よく穴埋めすることにより、極めて優れたバリア向上機能を付与するためである。コーティング材が蒸着面の逆側のフィルム面に設置された場合はこのような補強効果を付与することはできずバリアの向上効果が限定的となる。
本発明のコーティング材のコーティング方法としては、蒸着フィルムの蒸着面にコーティングができるのであれば特に制限はない。具体的な方法としては、コールコート、グラビアコート等の各種コーティング方法を例示することができる。また、コーティングに用いる装置についても特に限定はない。
本発明のコーティング材を塗布する膜厚は特に制限はない。しかし、本発明のコーティング材は蒸着欠陥をふさぐことでガスバリアの補強効果を高める。そのため、コーティング膜厚は蒸着欠陥さえ塞ぐことができれば厚い必要がなく、0.1μm以上あればバリア向上効果を出すことができる。好ましい厚み範囲としては、コーティング欠陥が生じにくいことと、乾燥性とのバランスより好ましくは0.2μm〜5μmの範囲、さらに好ましくは0.3〜3μmの範囲である。
本発明のコーティングが用いられる層構成としては、以下の構成が想定される。いずれも、蒸着層直上にコーティングされることにより良好なバリア機能を付与することができる。使用方法は単層でも、ラミネート等の多層化をおこなっても良い。
1)アルミ等の金属蒸着延伸フィルムを用いた構成としては、
・コーティング/インキ/蒸着延伸フィルム/ラミネート接着剤/シーラントフィルム
2)酸化アルミニウム等の透明蒸着延伸フィルムを用いた場合、
・透明蒸着延伸フィルム/コーティング/インキ/ラミネート接着剤/シーラントフィルム
3)アルミ等の金属蒸着未延伸フィルムを用いた構成としては
・ 延伸フィルム/インキ/ラミネート接着剤/コーティング/金属蒸着未延伸フィルム
コーティング/インキ/金属蒸着未延伸フィルム
4)酸化アルミニウム等の透明蒸着未延伸フィルムを用いた場合
・ 延伸フィルム/インキ/ラミネート接着剤/コーティング/透明蒸着未延伸フィルム
コーティング/インキ/透明蒸着未延伸フィルム
いずれの層構成も、フィルム層が2層以下で、インキ層の印刷を施した高ガスバリアのフィルムを提供することができる。特に金属または透明蒸着未延伸フィルムを用いた場合には、単層の高バリアフィルムを提供することができる。
本発明の蒸着面保護用コーティング材を利用したガスバリア用フィルムが遮断できるガスとしては、酸素、水蒸気の他、二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガス、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール成分、フェノール、クレゾール等のフェノール類の他、低分子化合物からなる香気成分類、例えば、醤油、ソース、味噌、レモネン、メントール、サリチル酸メチル、コーヒー、ココアシャンプー、リンス、等の香り成分を例示することができる。
(製造例1)エチレングリコールとオルトフタル酸とマレイン酸からなるポリエステル樹脂「EGoPA3MA7 0.6K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを924.26部、無水フタル酸474.15部、無水マレイン酸732.37部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=186、水酸基価から計算される理論数平均分子量603のポリエステル樹脂「EGoPA3MA7 0.6K」を得た。
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを867.6部、無水フタル酸474.15部、無水マレイン酸732.3部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=148、水酸基価から計算される理論数平均分子量758のポリエステル樹脂「EGoPA3MA7 0.8K」を得た。
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを835部、無水フタル酸474.15部、無水マレイン酸732,3部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=108、水酸基価から計算される理論数平均分子量1039のポリエステル樹脂「EGoPA3MA7 1.0K」を得た。
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを880.98部、無水マレイン酸1119.02部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=118、水酸基価から計算される理論数平均分子量951のポリエステル樹脂「EGMA 1.0K」を得た。
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを896.12部、無水フタル酸474.15部、フマル酸866.81部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=140、水酸基価から計算される理論数平均分子量801のポリエステル樹脂「EGoPA3FA7 0.8K」を得た。
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを869部、無水フタル酸474.15部、コハク酸882.04部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=140、水酸基価から計算される理論数平均分子量801のポリエステル樹脂「EGoPA3SuA7 0.8K」を得た。
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを879.37部、無水フタル酸1580.52部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=125、水酸基価から計算される理論数平均分子量898のポリエステル樹脂「EGoPA 0.9K」を得た。
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを858部、無水フタル酸790.26部、無水マレイン酸523.12部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=122、水酸基価から計算される理論数平均分子量920のポリエステル樹脂「EGoPA5MA5 0.9K」を得た。
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコール134.86部、無水フタル酸148.12部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=445、水酸基価から計算される理論数平均分子量252のポリエステル樹脂「EG2oPA」を得た。
<末端イソシアネート樹脂組成物製造例>
(製造例10)末端イソシアネート樹脂組成物「(EG2oPA)XDI2」の製造例
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び環流冷却器を備えた四つ口フラスコにポリエステル樹脂「EG2oPA」252部とキシリレンジイソシアネート(XDIと略す)752.72部を仕込み、窒素気流下60℃で3時間反応させた。NCO%が26以下になったところでウレタン化反応を終了し、設計官能基数N=2、NCO%が23.2%、数平均分子量362の末端イソシアネート組成物を得た。
樹脂の粘度をAntonPaar社製MCRレオメーターを用いて、コーンプレートCP−50、回転数5rpm、温度60℃の条件下で測定した。
前記製造方法で得たポリエステルポリオール樹脂と末端イソシアネート樹脂組成物及びDIC(株)社製ポリエステルポリオール樹脂HA500B、末端イソシアネート樹脂組成物NS5000Aを表1及び2に示す様に配合し、本発明の無溶剤型接着剤を得た。
接着剤を約60℃に加熱し、無溶剤用テストコーターポリタイプ社製ロールコーターを用いて、厚さ30μmのOPPフィルム(フタムラ化学(株)製「FOR」)のコロナ処理面に塗布量2.0g/m2になるよう塗布後、塗布面を厚さ70μmのアルミ蒸着CPP(VM−CPPフィルム)(東レフィルム加工(株)製「2203」)のVM処理面とラミネートし、OPPフィルム/接着層/VM−CPPフィルムの層構成を有する積層フィルムを作製した。次いで、この複合フィルムを40℃×3日間のエージンングを行い、接着剤の硬化を行って、本発明の酸素バリア性積層フィルムを得た。
エージングが終了した積層フィルムを、塗工方向と平行に15mm幅に切断し、OPPフィルムとVM−CPPフィルムとの間を、(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機を用いて、雰囲気温度25℃、剥離速度を300mm/分に設定し、180度剥離方法で剥離した際の引っ張り強度をラミネート強度とした。ラミネート強度の単位はN/15mmとした。
エージングが終了した水蒸気バリア性フィルムを、モコン社製酸素透過率測定装置OX−TRAN2/21MHを用いてJIS−K7126(等圧法)に準じ、23℃、0%RHの雰囲気下で測定した。
厚さ70μmのVM−CPPフィルム(東レフィルム加工(株)製「2203」)の酸素透過率を測定し、フィルム厚み5g/m2の透過率として換算した。その結果、50cc/m2・day・atmであった。実施例、比較例の結果を表1及び2に示す。
以上のように、実施例1〜6の樹脂組成物は、良好な無溶剤ラミネート適性とバリア性能とラミネート接着強度を兼備している。
Claims (8)
- ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)との反応物である接着剤用樹脂組成物において、
ポリエステルポリオール(A)が、マレイン酸、フマル酸、コハク酸及びその酸無水物から成る群から選ばれるカルボン酸又は酸無水物を主成分とする酸成分と、ポリオール成分との反応物で構成されるものであり、
ポリイソシアネート化合物(B)が、ポリオール成分と二塩基酸成分との反応物であるポリエステル化合物の末端にメタキシレンジイソシアネート基を有するものであり、
さらにオルトフタル酸又はその酸成分を含有しても良い接着剤用樹脂組成物。 - ポリエステルポリオール(A)の粘度が、60℃において50000mPa以下である請求項1に記載の接着剤用樹脂組成物。
- ポリエステルポリオール(A)において、マレイン酸、フマル酸、コハク酸から成る群から選ばれるカルボン酸の含有量が、モル換算で酸成分全体の70%以上である請求項1又は2に記載の接着剤用樹脂組成物。
- ポリエステルポリオール(A)のポリオール成分が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリンからなる群から選ばれる請求項1〜3の何れかに記載の接着剤用樹脂組成物。
- ポリイソシアネート化合物(B)のポリオール成分が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリンからなる群から選ばれる請求項1〜4の何れかに記載の接着剤用樹脂組成物。
- ポリイソシアネート化合物(B)の二塩基酸成分が、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、2,3−アントラセンカルボン酸又はその無水物、マレイン酸又はその無水物、コハク酸又はその無水物、フマル酸からなる群から選ばれる請求項1〜5の何れかに記載の接着剤用樹脂組成物。
- 請求項1〜6の何れかに記載の接着剤用樹脂組成物が塗工された蒸着フィルム。
- 請求項7に記載の蒸着フィルムを用いてなるガスバリア性フィルム。
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