JP2017088701A - 接着剤用樹脂組成物、蒸着フィルム、及びガスバリア性フィルム - Google Patents

接着剤用樹脂組成物、蒸着フィルム、及びガスバリア性フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明では、高いバリア性を有しつつ、無溶剤型接着剤に使用が可能なポリエステル系接着剤用樹脂組成物を提供することにある。【解決手段】 ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)との反応物である接着剤用樹脂組成物において、ポリエステルポリオール(A)が、マレイン酸、フマル酸、コハク酸及びその酸無水物から成る群から選ばれるカルボン酸又は酸無水物を主成分とする酸成分と、ポリオール成分との反応物で構成されるものであり、ポリイソシアネート化合物(B)が、ポリオール成分と二塩基酸成分との反応物であるポリエステル化合物の末端にメタキシレンジイソシアネート基を有するものであり、さらにオルトフタル酸又はその酸成分を含有しても良い接着剤用樹脂組成物により、上記課題を解決する。【選択図】 なし

Description

本発明は、接着剤用樹脂組成物、蒸着フィルム、及びガスバリア性フィルムに関する。
食品用軟包材では、内容物保護、賞味期限の延長等のニーズから、酸素或いは水蒸気バリア性を要求されることが多い。これらのニーズを満足するためには、軟包材の構成にシリカ、アルミナ等の無機を蒸着した透明蒸着フィルム、或いはアルミニウム箔が使用される。
しかしながら、前記蒸着フィルムには僅かな蒸着欠陥があるのが普通であることから、バリア性が完全ではないこと、割れが生じるなど取り扱い性が悪いなどの問題点がある。
また、アルミニウム箔は、不活性ガスバリアは完全ではあるが、リサイクルの観点から使用しにくく、且つ高価である等の問題点もある。
一方、食品包装材料に用いられる接着剤としては、ポリエステル系材料が主流となっている。しかしながら、溶剤コストやエネルギーコストの削減、大気へのVOC放出規制等のニーズから接着剤の脱溶剤化の要望が強く、現在主流の溶剤型ドライラミネート用接着剤から無溶剤型接着剤への移行が進みつつあるものの、現実的には酸素或いは水蒸気バリア性を有しつつ、無溶剤型接着剤への実用化が可能なポリエステル系材料がないのが現状である。
アルミ蒸着フィルムの構成を有するものとしては、例えば特許文献1には、基材層が少なくとも2層からなり、ポリプロピレンからなる樹脂組成物Aとノルボルネンとエチレンの共重合体からなる環状ポリオレフィン系高分子(1)とポリオレフィン(2)の混合物である樹脂組成物Bを積層した構成からなる該基材層の樹脂組成物Bからなる層上にアルミ蒸着層を設けた無延伸アルミ蒸着フィルム、及びこの無延伸アルミ蒸着フィルムを用いた包装材料が記載されている。
また、特許文献2には、分子内に水酸基を2個以上有するポリエステルポリオールの水酸基の一部にカルボン酸無水物又は多価カルボン酸を反応させることにより得られる少なくとも1個のカルボキシ基を有するポリエステルポリオール(A)と、分子内にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(C)とを含有する無溶剤型接着剤用樹脂組成物であって、無溶剤型接着剤用樹脂組成物の酸価が20mgKOH/g以上であることを特徴とする無溶剤型接着剤用樹脂組成物が記載されている。
特開2011−224921号公報 特開2013−43936号公報
本発明が解決しようとする課題は、前記背景技術に鑑み、高いバリア性を有しつつ、無溶剤型接着剤に使用が可能なポリエステル系接着剤用樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)との反応物である接着剤用樹脂組成物において、
ポリエステルポリオール(A)が、マレイン酸、フマル酸、コハク酸及びその酸無水物から成る群から選ばれるカルボン酸又は酸無水物を主成分とする酸成分と、ポリオール成分との反応物で構成されるものであり、
ポリイソシアネート化合物(B)が、ポリオール成分と二塩基酸成分との反応物であるポリエステル化合物の末端にメタキシレンジイソシアネート基を有するものであり、
さらにオルトフタル酸又はその酸成分を含有しても良い接着剤用樹脂組成物により前記課題を解決した。
本発明により、高いバリア性を保持しつつ、無溶剤型接着剤に使用が可能なポリエステル系接着剤用樹脂組成物を提供することができる。
本発明で使用するポリエステルポリオール(A)は、マレイン酸、フマル酸、コハク酸及びその酸無水物から成る群から選ばれるカルボン酸又は酸無水物を主成分とする酸成分と、ポリオール成分との反応物で構成されることに特徴を有する。
さらに、本発明の接着剤用樹脂組成物は、オルトフタル酸又はその酸成分を含有しても良い。
ポリエステルポリオール(A)を構成する多価カルボン酸成分としては、例えばマレイン酸、フマル酸、コハク酸及びその酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、オルトフタル酸及びその酸無水物、等の単一或いは混合成分を挙げることができ、多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートからなる群から選ばれる多価アルコールの単一成分或いは混合成分等を挙げることができる。
本発明では、前記多価カルボン酸成分が、マレイン酸、フマル酸、コハク酸及びその酸無水物から成る群から選ばれるカルボン酸又は酸無水物を主成分とし、得られる接着剤用樹脂組成物は、オルトフタル酸又はその酸成分を含有しても良い構成をとることにより、本発明の課題を解決することを見出したことによる。
即ち、マレイン酸、フマル酸、コハク酸及びその酸無水物から成る群から選ばれるカルボン酸又は酸無水物を主成分とすることで、本発明の接着剤用樹脂組成物を低粘度化でき、また、一定量のオルトフタル酸又はその酸無水物を含有することで、優れたバリア性を発揮することができる。
接着剤用樹脂組成物を低粘度化できると共に、高バリア性を発揮できることから、酸成分中のフマル酸、コハク酸及びその酸無水物から成る群から選ばれるカルボン酸又は酸無水物の含有量は、モル換算で酸成分全体の70%以上であることとが特に好ましい。
ここで、オルトフタル酸及びその無水物は、骨格が非対称構造である。従って、得られるポリエステルの分子鎖の回転抑制が生じると推定され、これによりバリア性に優れると推定される。また、この非対称構造に起因して非結晶性を示し、十分な基材密着性が付与され、接着力とバリア性に優れると推定される。
(酸成分 その他の成分)
本発明のポリエステルポリオール(A)は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸成分を共重合させてもよい。具体的には、脂肪族多価カルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等を、脂環族多価カルボン酸としては1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、芳香族多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の多塩基酸を単独であるいは二種以上の混合物で使用することができる。中でも、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸が好ましい。また、三価以上の多価カルボン酸として、トリメリット酸およびその酸無水物、ピロメリット酸及びその酸無水物等があげられるが、合成時のゲル化を防ぐ為には三価以上の多価カルボン酸としては三価カルボン酸が好ましい。
(多価アルコール成分)
本発明で使用する多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、中でもエチレングリコールを使用することが最も好ましい。
(多価アルコール その他の成分)
本発明では前述の多価アルコール成分を使用することが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価アルコール成分を共重合させてもよい。具体的には、脂肪族ジオールとしては1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、芳香族多価フェノールとして、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらのエチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族を例示することができる。三価以上の多価アルコールとして、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスルトール等があげられるが、合成時のゲル化を防ぐ為には三価以上の多価アルコールとしては三価アルコールが好ましい。
次に、本発明の酸成分とポリオール化合物の反応は以下の様にして行う。
原材料として用いる多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコール成分を一括して仕込んだ後、攪拌混合しながら昇温し、脱水縮合反応させる。JIS−K0070に記載の酸価測定法にて5.0mgKOH/g以下、同じくJIS−K0070に記載の水酸基価測定方法にて得られる水酸基価ZmgKOH/gが下記式(b)の右辺の数値(mgKOH/g)の±5%以内に入るまで反応を継続することで目的とするポリエステル樹脂を得ることができる。
Figure 2017088701
(式(a)中、Mnは所定の2官能ポリエステル樹脂の設定数平均分子量を表す)
Figure 2017088701
(式(b)中、Mnは所定のN(Nは1以上の自然数)官能ポリエステル樹脂の設定数平均分子量を表す)
或いは、各々の原料を多段階に分けて反応させてもよい。また、反応温度にて揮発してしまったジオール成分を追加しながら、水酸基価を±5%以内に入るように調製してもよい。
反応に用いられる触媒としては、モノブチル酸化錫、ジブチル酸化錫等錫系触媒、テトラ−イソプロピル−チタネート、テトラ−ブチル−チタネート等のチタン系触媒、テトラ−ブチル−ジルコネート等のジルコニア系触媒等の酸触媒が挙げられる。前記触媒のうち数種類を組み合わせて用いることもできる。前記触媒量は、使用する反応原料全質量に対して1〜1000ppm用いられ、より好ましくは10〜100ppmである。1ppmを下回ると触媒としての効果が得られにくく、1000ppmを上回ると後のウレタンとの反応を阻害する傾向がある。
本発明で使用するポリエステルポリオール(A)は、ガラス転移温度が−50℃〜80℃の範囲が好ましい。より好ましくは−20℃〜60℃である。ガラス転移温度が80℃よりも高い場合、室温付近でのポリエステルポリオールの柔軟性が低くなることにより、基材への密着性が劣ることで接着力が低下するおそれがある。又、多価カルボン酸にオルトフタル酸又はその無水物を含むので、ガラス転移温度が−50℃よりも低い場合、常温付近でのポリエステルポリオールの分子運動が激しいことにより十分なガスバリア性が出ないおそれがある。
(ポリイソシアネート化合物(B))
本発明で使用するイソシアネート化合物(B)は、ポリオール成分と二塩基酸との反応物であるポリエステル化合物の末端にイソシアネート基を有するものであれば特に限定はなく、ポリエステル化合物との反応に用いられるイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲においてイソシアネートモノマーを使用しても良い。
また、ガスバリア性付与を目的とした無溶剤型接着剤組成物の場合、硬化剤が芳香族環を有するポリイソシアネートであることが好ましく、特に、キシレン骨格を含むポリイソシアネートであると、ウレタン基の水素結合だけでなく芳香環同士のπ−πスタッキングによってガスバリア性を向上させることが出来るという理由から、ポリオール成分と二塩基酸との反応物であるポリエステル化合物の末端にキシレンジイソシアネート基を有する化合物が特に好ましい。
イソシアネート化合物としてはブロック化イソシアネートであってもよい。イソシアネートブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなそのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−ペンタノール、などの第3級アルコール類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネートは前記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを公知慣用の適宜の方法より付加反応させて得られる。
ポリイソシアネート化合物(B)に用いられるポリオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどを使用することが好ましく、中でもエチレングリコールを使用することが最も好ましい。
ポリイソシアネート化合物(B)に用いられる二塩基酸としては、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3−アントラセンカルボン酸又はその無水物、マレイン酸又はその無水物、コハク酸又はその無水物、フマル酸等が挙げられる。これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していても良い。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基又はナフチル基等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオール(A)と前記ポリイソシアネート化合物(B)とは、ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)との割合がポリエステルポリオール(A)の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)の反応成分とが1/0.5〜1/10(当量比)となるように配合することが好ましく、より好ましくは1/1〜1/5である。該範囲を超えてポリイソシアネート成分が過剰な場合、余剰なポリイソシアネート成分が残留することで接着後に接着層からブリードアウトするおそれがあり、一方ポリイソシアネート成分が不足の場合には接着強度不足のおそれがある。
前記硬化剤は、その種類に応じて選択された公知の硬化剤或いは促進剤を併用することもできる。例えば接着促進剤としては、加水分解性アルコキシシラン化合物等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系等のカップリング剤、エポキシ樹脂等が挙げられる。シランカップリング剤やチタネート系カップリング剤は、各種フィルム材料に対する接着剤を向上させる意味でも好ましい。
(接着剤 その他の成分)
本発明の接着剤は、ガスバリア性を損なわない範囲で、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機充填剤、層状無機化合物、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、フィラー、結晶核剤等が例示できる。膨潤性無機層状化合物としては、例えば、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等)、アンチゴライト族粘土鉱物(アンチゴライト、クリソタイル等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。膨潤性無機層状化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用される。
また、接着剤層の耐酸性を向上させる方法として公知の酸無水物を添加剤として併用することもできる。酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、コハク酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドラフタル酸無水物、テトラプロムフタル酸無水物、テトラクロルフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタリンテトラカルボン酸2無水物、5−(2,5−オキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、スチレン無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
また、必要に応じて、更に酸素捕捉機能を有する化合物等を添加してもよい。酸素捕捉機能を有する化合物としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。
また、塗布直後の各種フィルム材料に対する粘着性を向上させるために、必要に応じてキシレン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂などの粘着付与剤を添加しても良い。これらを添加する場合には、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤の総量100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲が好ましい。
本発明のポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物との硬化塗膜のガラス転移温度が−30℃〜80℃の範囲が好ましい。より好ましくは−20℃〜60℃である。ガラス転移温度が80℃よりも高い場合、室温付近でのポリエステルポリオールの柔軟性が低くなることにより、基材への密着性が劣ることで接着力が低下するおそれがある。一方−30℃よりも低い場合、常温付近でのポリエステルポリオールの分子運動が激しいことにより十分なガスバリア性が出ないおそれがあるほか、硬化塗膜の凝集力不足の為、十分な接着強度、シール強度等も得られない恐れがある。
(接着剤の形態)
本発明の接着剤の基本的な使用形態は無溶剤型であるが、溶剤型接着剤としても使用することができる。溶剤型の場合、溶剤はポリエステルポリオール及び硬化剤の製造時に反応媒体として使用してもよい。使用できる溶剤としては例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、エチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド等が挙げられる。これらのうち通常は酢酸エチルやメチルエチルケトンを使用するのが好ましい。また、無溶剤で使用する場合は必ずしも有機溶剤に可溶である必要は無いと考えられるが、合成時の反応釜の洗浄やラミネート時の塗工機等の洗浄を考慮すると、有機溶剤に対する溶解性が必要である。
本発明の接着剤は、基材フィルム等に塗工して使用することができる。塗工方法としては特に限定はなく公知の方法で行えばよい。無溶剤型接着剤の場合、室温での粘度が高くグラビアロール塗工が適さない場合が多く、その際は、加温しながらロールコーターで塗工する。ロールコーターを使用する場合は、本発明の接着剤の粘度が500〜2500mPa・s程度となるように室温〜120℃程度まで加熱した状態で、塗工することが好ましい。又、溶剤型接着剤として用いる場合、適当な溶剤に希釈し、適性な粘度に調整した後、グラビアロール塗工方式等で塗布することが多い。
本発明の接着剤は、ガスバリア性接着剤として、ポリマー、紙、金属などに対し、ガスバリア性を必要とする各種用途の接着剤として使用できる。特に、蒸着フィルムに塗工した場合には、バリア性が向上するため好ましい。
本発明では使用される蒸着フィルムとしては、透明蒸着フィルム、アルミ蒸着フィルムを挙げることができる。
[蒸着フィルム]
本発明のコーティング材は、蒸着フィルムが持つガスバリア性を大幅に向上させるために使用する。そのためコーティング材を塗布する対象としては各種蒸着フィルムを用いる。本材料をコーティングしたフィルムは、通常の蒸着フィルムよりも更にガスバリア性に優れるため、ハイガスバリアフィルムとして使用できる。
(蒸着層の種類)
本発明で用いるコーティング材が塗布される蒸着フィルムの蒸着層の種類としては、ガスバリア性を付与できるものであれば特に限定されない。現在包装用に広く用いられている金属蒸着、または金属酸化物蒸着が例示できる。金属蒸着としては各種金属が例示できるが、特に安価で広く用いられているアルミニウムが好ましい。また、金属酸化物としては、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ケイ素(SiOx)が、汎用性が高い材料として好ましく例示される。これ以外にも各種有機化合物、無機化合物を蒸着したフィルムや、複数種の材料を蒸着したものを用いても良い。蒸着方法としては特に制限はなく物理的蒸着法である真空蒸着法や、化学的蒸着法であるCVD法が例示できる。蒸着層の厚みは蒸着層単独でも一定のガスバリア機能が発現できこれにコーティング層が設置されることでさらに高バリアフィルムとできれば特に制限はない。
しかし、あまりに蒸着層が薄いとガスバリアに対する蒸着層の寄与が少なくなり本発明のコーティングを用いても十分なガスバリア機能が発現できなくなり、厚すぎても一定厚み以上ではバリア向上機能が少ないため、好ましくは3〜70nm、さらに好ましくは5〜60nmである。また、これら蒸着フィルムには蒸着の保護として、オーバーコートやアンダーコートが予め施されていても、施されていなくても用いることができる。しかし特に、コーティング層が無い蒸着フィルムでは、本発明のコーティングのバリア向上機能を十分に発揮することができるため好ましく用いられる。
(フィルムの種類)
本発明でのコーティング材を使用するフィルムは、特に限定はなく、所望の用途に応じた熱可塑性樹脂フィルムを適宜選択することができる。例えば食品包装用としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:リニア低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:未延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、シクロオレフィンコポリマフィルム等が挙げられる。これらのフィルムには延伸処理があっても、無くても好ましく用いることができる。延伸処理をほどこしているフィルム類は寸法安定性、剛性よりコーティング操作が容易で使いやすい利点がある。また、未延伸フィルムでは逆に基材の寸法安定性、剛性、耐熱性が劣るため蒸着層が欠陥を多く持ちガスバリアが安定しないことが多いので、本発明のコーティング材を用いることで、バリア機能の強化に大きな効果をだせる利点がある。
[コーティングを行う部分]
本発明では、コーティングを蒸着面側に施す必要がある。これは、本発明のコーティング材が蒸着のピンホールやクラック等の欠陥部分を効率よく穴埋めすることにより、極めて優れたバリア向上機能を付与するためである。コーティング材が蒸着面の逆側のフィルム面に設置された場合はこのような補強効果を付与することはできずバリアの向上効果が限定的となる。
本発明では、さらに高いバリア機能を付与するためにポリビニルアルコールや、エチレン・ビニールアルコール共重合体、塩化ビニリデン等のガスバリア層を含有するバリア性フィルムを併用して、より高いバリア機能を付与しても良い。
[コーティング方法]
本発明のコーティング材のコーティング方法としては、蒸着フィルムの蒸着面にコーティングができるのであれば特に制限はない。具体的な方法としては、コールコート、グラビアコート等の各種コーティング方法を例示することができる。また、コーティングに用いる装置についても特に限定はない。
[コーティング膜厚]
本発明のコーティング材を塗布する膜厚は特に制限はない。しかし、本発明のコーティング材は蒸着欠陥をふさぐことでガスバリアの補強効果を高める。そのため、コーティング膜厚は蒸着欠陥さえ塞ぐことができれば厚い必要がなく、0.1μm以上あればバリア向上効果を出すことができる。好ましい厚み範囲としては、コーティング欠陥が生じにくいことと、乾燥性とのバランスより好ましくは0.2μm〜5μmの範囲、さらに好ましくは0.3〜3μmの範囲である。
[コーティングが使用される層構成]
本発明のコーティングが用いられる層構成としては、以下の構成が想定される。いずれも、蒸着層直上にコーティングされることにより良好なバリア機能を付与することができる。使用方法は単層でも、ラミネート等の多層化をおこなっても良い。
1)アルミ等の金属蒸着延伸フィルムを用いた構成としては、
・コーティング/インキ/蒸着延伸フィルム/ラミネート接着剤/シーラントフィルム
2)酸化アルミニウム等の透明蒸着延伸フィルムを用いた場合、
・透明蒸着延伸フィルム/コーティング/インキ/ラミネート接着剤/シーラントフィルム
3)アルミ等の金属蒸着未延伸フィルムを用いた構成としては
・ 延伸フィルム/インキ/ラミネート接着剤/コーティング/金属蒸着未延伸フィルム
コーティング/インキ/金属蒸着未延伸フィルム
4)酸化アルミニウム等の透明蒸着未延伸フィルムを用いた場合
・ 延伸フィルム/インキ/ラミネート接着剤/コーティング/透明蒸着未延伸フィルム
コーティング/インキ/透明蒸着未延伸フィルム
いずれの層構成も、フィルム層が2層以下で、インキ層の印刷を施した高ガスバリアのフィルムを提供することができる。特に金属または透明蒸着未延伸フィルムを用いた場合には、単層の高バリアフィルムを提供することができる。
(透過を遮断できるガス成分種類)
本発明の蒸着面保護用コーティング材を利用したガスバリア用フィルムが遮断できるガスとしては、酸素、水蒸気の他、二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガス、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール成分、フェノール、クレゾール等のフェノール類の他、低分子化合物からなる香気成分類、例えば、醤油、ソース、味噌、レモネン、メントール、サリチル酸メチル、コーヒー、ココアシャンプー、リンス、等の香り成分を例示することができる。
次に、本発明を、実施例及び比較例により具体的に説明する。例中断りのない限り、「部」「%」は質量基準である。
<ポリエステル製造例>
(製造例1)エチレングリコールとオルトフタル酸とマレイン酸からなるポリエステル樹脂「EGoPA3MA7 0.6K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを924.26部、無水フタル酸474.15部、無水マレイン酸732.37部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=186、水酸基価から計算される理論数平均分子量603のポリエステル樹脂「EGoPA3MA7 0.6K」を得た。
(製造例2)エチレングリコールとオルトフタル酸とマレイン酸からなるポリエステル樹脂「EGoPA3MA7 0.8K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを867.6部、無水フタル酸474.15部、無水マレイン酸732.3部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=148、水酸基価から計算される理論数平均分子量758のポリエステル樹脂「EGoPA3MA7 0.8K」を得た。
(製造例3)エチレングリコールとオルトフタル酸とマレイン酸からなるポリエステル樹脂「EGoPA3MA7 1.0K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを835部、無水フタル酸474.15部、無水マレイン酸732,3部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=108、水酸基価から計算される理論数平均分子量1039のポリエステル樹脂「EGoPA3MA7 1.0K」を得た。
(製造例4)エチレングリコールとマレイン酸からなるポリエステル樹脂「EGMA 1.0K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを880.98部、無水マレイン酸1119.02部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=118、水酸基価から計算される理論数平均分子量951のポリエステル樹脂「EGMA 1.0K」を得た。
(製造例5)エチレングリコールとフタル酸とフマル酸からなるポリエステル樹脂「EGoPA3FA7 0.8K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを896.12部、無水フタル酸474.15部、フマル酸866.81部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=140、水酸基価から計算される理論数平均分子量801のポリエステル樹脂「EGoPA3FA7 0.8K」を得た。
(製造例6)エチレングリコールとフタル酸とコハク酸からなるポリエステル樹脂「EGoPA3SuA7 0.8K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを869部、無水フタル酸474.15部、コハク酸882.04部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=140、水酸基価から計算される理論数平均分子量801のポリエステル樹脂「EGoPA3SuA7 0.8K」を得た。
(製造例7)エチレングリコールとフタル酸からなるポリエステル樹脂「EGoPA 0.9K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを879.37部、無水フタル酸1580.52部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=125、水酸基価から計算される理論数平均分子量898のポリエステル樹脂「EGoPA 0.9K」を得た。
(製造例8)エチレングリコールとフタル酸からなるポリエステル樹脂「EGoPA5MA5 0.9K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを858部、無水フタル酸790.26部、無水マレイン酸523.12部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=122、水酸基価から計算される理論数平均分子量920のポリエステル樹脂「EGoPA5MA5 0.9K」を得た。
(製造例9)オルトフタル酸とエチレングリコールからなるポリエステル樹脂「EG2oPA」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコール134.86部、無水フタル酸148.12部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=445、水酸基価から計算される理論数平均分子量252のポリエステル樹脂「EG2oPA」を得た。
<末端イソシアネート樹脂組成物製造例>
(製造例10)末端イソシアネート樹脂組成物「(EG2oPA)XDI2」の製造例
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び環流冷却器を備えた四つ口フラスコにポリエステル樹脂「EG2oPA」252部とキシリレンジイソシアネート(XDIと略す)752.72部を仕込み、窒素気流下60℃で3時間反応させた。NCO%が26以下になったところでウレタン化反応を終了し、設計官能基数N=2、NCO%が23.2%、数平均分子量362の末端イソシアネート組成物を得た。
(樹脂粘度測定方法)
樹脂の粘度をAntonPaar社製MCRレオメーターを用いて、コーンプレートCP−50、回転数5rpm、温度60℃の条件下で測定した。
(実施例1〜6、比較例1〜3のポリエステル樹脂塗工液の製造方法)
前記製造方法で得たポリエステルポリオール樹脂と末端イソシアネート樹脂組成物及びDIC(株)社製ポリエステルポリオール樹脂HA500B、末端イソシアネート樹脂組成物NS5000Aを表1及び2に示す様に配合し、本発明の無溶剤型接着剤を得た。
(無溶剤型接着剤の塗工、及びフィルムラミネート方法)
接着剤を約60℃に加熱し、無溶剤用テストコーターポリタイプ社製ロールコーターを用いて、厚さ30μmのOPPフィルム(フタムラ化学(株)製「FOR」)のコロナ処理面に塗布量2.0g/mになるよう塗布後、塗布面を厚さ70μmのアルミ蒸着CPP(VM−CPPフィルム)(東レフィルム加工(株)製「2203」)のVM処理面とラミネートし、OPPフィルム/接着層/VM−CPPフィルムの層構成を有する積層フィルムを作製した。次いで、この複合フィルムを40℃×3日間のエージンングを行い、接着剤の硬化を行って、本発明の酸素バリア性積層フィルムを得た。
(ラミネート強度評価方法)
エージングが終了した積層フィルムを、塗工方向と平行に15mm幅に切断し、OPPフィルムとVM−CPPフィルムとの間を、(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機を用いて、雰囲気温度25℃、剥離速度を300mm/分に設定し、180度剥離方法で剥離した際の引っ張り強度をラミネート強度とした。ラミネート強度の単位はN/15mmとした。
(酸素透過率)
エージングが終了した水蒸気バリア性フィルムを、モコン社製酸素透過率測定装置OX−TRAN2/21MHを用いてJIS−K7126(等圧法)に準じ、23℃、0%RHの雰囲気下で測定した。
(参考例)
厚さ70μmのVM−CPPフィルム(東レフィルム加工(株)製「2203」)の酸素透過率を測定し、フィルム厚み5g/mの透過率として換算した。その結果、50cc/m・day・atmであった。実施例、比較例の結果を表1及び2に示す。
Figure 2017088701
Figure 2017088701
この結果、実施例1〜6のポリエステルポリオールの粘度はいずれも50000mPa以下となり、実施例1〜6の樹脂組成物は良好な無溶剤ラミネート適性を発揮した。
実施例1〜6の樹脂組成物を硬化させたOPPとVM−CPPの積層フィルムは、いずれもラミネート強度が1N/15mm以上と、良好な接着性能を発揮した。
実施例1〜6の樹脂組成物を硬化させた積層フィルムは、いずれも酸素透過率が1.0cc/m・day以下と、良好なバリア性能を発揮した。
以上のように、実施例1〜6の樹脂組成物は、良好な無溶剤ラミネート適性とバリア性能とラミネート接着強度を兼備している。
一方、比較例1〜2の樹脂組成物を硬化させた積層フィルムは、酸素透過率(23℃0%RH)が1cc/m・day・atm以下、ラミネート強度が1.0N/15mm以上と良好であるが、ポリエステルポリオールの粘度はいずれも50000mPa以上であり、比較例1〜2の樹脂組成物は無溶剤ラミネート適性が悪い結果となっている。
一方、比較例3はポリエステルポリオールの粘度が50000mPa以下、ラミネート強度が1.0N/15mm以上と良好であるが、酸素透過率(23℃0%RH)が1cc/m・day・atm以上と悪い結果となっている。
本発明の接着剤用樹脂組成物は、無溶剤型でガスバリア性を要求される食品用軟包材フィルムに用いられる接着剤として利用が可能である。特にドライフード向、コーヒー等の包装材向けとして好ましく用いることができる。

Claims (8)

  1. ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)との反応物である接着剤用樹脂組成物において、
    ポリエステルポリオール(A)が、マレイン酸、フマル酸、コハク酸及びその酸無水物から成る群から選ばれるカルボン酸又は酸無水物を主成分とする酸成分と、ポリオール成分との反応物で構成されるものであり、
    ポリイソシアネート化合物(B)が、ポリオール成分と二塩基酸成分との反応物であるポリエステル化合物の末端にメタキシレンジイソシアネート基を有するものであり、
    さらにオルトフタル酸又はその酸成分を含有しても良い接着剤用樹脂組成物。
  2. ポリエステルポリオール(A)の粘度が、60℃において50000mPa以下である請求項1に記載の接着剤用樹脂組成物。
  3. ポリエステルポリオール(A)において、マレイン酸、フマル酸、コハク酸から成る群から選ばれるカルボン酸の含有量が、モル換算で酸成分全体の70%以上である請求項1又は2に記載の接着剤用樹脂組成物。
  4. ポリエステルポリオール(A)のポリオール成分が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリンからなる群から選ばれる請求項1〜3の何れかに記載の接着剤用樹脂組成物。
  5. ポリイソシアネート化合物(B)のポリオール成分が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリンからなる群から選ばれる請求項1〜4の何れかに記載の接着剤用樹脂組成物。
  6. ポリイソシアネート化合物(B)の二塩基酸成分が、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、2,3−アントラセンカルボン酸又はその無水物、マレイン酸又はその無水物、コハク酸又はその無水物、フマル酸からなる群から選ばれる請求項1〜5の何れかに記載の接着剤用樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の接着剤用樹脂組成物が塗工された蒸着フィルム。
  8. 請求項7に記載の蒸着フィルムを用いてなるガスバリア性フィルム。
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