JP2017088144A - 自動二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】新品タイヤの性能を早期に発揮させることができ、かつ、新品タイヤが十分に性能を発揮できるまで摩耗したことを目視により確認することができる自動二輪車用空気入りタイヤを提供する。【解決手段】環状に形成されたトレッド部1を備えた自動二輪車用空気入りタイヤであり、トレッド部1に、幅0.1〜2.0mm、深さ0.1〜2.0mmである浅溝2がタイヤ周方向に延在してなる。【選択図】図1

Description

本発明は、自動二輪車用空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、新品タイヤの性能を早期に発揮させることができ、かつ、新品タイヤが十分に性能を発揮できるまで摩耗したことを目視により確認することができる自動二輪車用空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤの製造工程における加硫工程では、一般に、金型内に配置された未加硫タイヤの内部にタイヤ加硫用ブラダーを配置し、このタイヤ加硫用ブラダーを蒸気にて膨張させて未加硫タイヤを金型に密着させて行われる。加硫が完了したタイヤは、加硫装置から取り出されるが、このとき、加硫タイヤは加硫装置からスムーズに引き剥がされる必要がある。
このような課題に対して、従来、加硫装置の上型モールド部に、あらかじめシリコーン系等の離型剤を噴霧することにより加硫タイヤの密着を防止することが行われてきた。これ以外にも、例えば特許文献1では、離型剤を用いずに、剥離治具を設ける改造を行って、密着した加硫タイヤを引き剥がす等の工夫がなされている。
特開平6−218734号公報
未加硫タイヤの加硫時に離型剤を用いて製造されたタイヤは、トレッド部に離型剤の成分であるシリコーン等が移行するため、新品時においては、タイヤ本来の性能を十分に発揮することはできない。したがって、新品タイヤの性能を十分に発揮させるためには、トレッド部を一定量摩耗させて、トレッド部に移行したシリコーン等を除去する必要がある。
そこで、本発明の目的は、新品タイヤの性能を早期に発揮させることができ、かつ、新品タイヤが十分に性能を発揮できるまで摩耗したことを目視により確認することができる自動二輪車用空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。すなわち、トレッド部に浅溝を設けることで、新品時におけるトレッド部の摩耗を助長し、新品タイヤの性能を早期に発揮させることができ、かつ、新品タイヤが十分に性能を発揮できるまで摩耗したことを目視により確認することができ、これにより、上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の自動二輪車用空気入りタイヤは、環状に形成されたトレッド部を備えた自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部に、幅0.1〜2.0mm、深さ0.1〜2.0mmである浅溝がタイヤ周方向に延在してなることを特徴とするものである。ここで、浅溝の延在方向を示す際に用いているタイヤ周方向とは、タイヤ赤道に対して±45°の範囲を含む。なお、浅溝の形状が直線でない場合は、浅溝の方向は、浅溝の両端を結んだ線の方向をいう。
本発明のタイヤにおいては、前記浅溝の本数は、前記トレッド部のショルダー領域よりもセンター領域の方が多くてもよく、前記トレッド部のセンター領域よりもショルダー領域の方が多くてもよい。また、本発明のタイヤにおいては、前記浅溝の深さは、前記トレッド部のショルダー領域よりもセンター領域の方が深くてもよく、前記トレッド部のセンター領域よりもショルダー領域の方が深くてもよい。さらに、本発明のタイヤにおいては、前記浅溝の幅は、前記トレッド部のショルダー領域よりもセンター領域の方が広くてもよく、前記浅溝の幅は、前記トレッド部のセンター領域よりもショルダー領域の方が広くてもよい。さらにまた、本発明のタイヤにおいては、前記浅溝は、周方向に連続していることが好ましい。
ここで、トレッド部のセンター領域とは、タイヤを規定リムに装着し、規定内圧を充填し、最大負荷荷重を負荷したときの状態における直進時接地領域であり、ショルダー領域とは、トレッド部におけるセンター領域よりもタイヤ幅方向外側の領域をいう。また、ここでいう、「規定リム」とは所定の産業規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または“Approved Rim”、“Recommended Rim”)のことであり、規定内圧とは同規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことである。また、最大負荷荷重とは、同規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことである。かかる産業規格については、タイヤが生産もしくは使用される地域においてそれぞれ有効な規格が定められており、これらの規格は、例えば、アメリカ合衆国では“The Tire and Rim Association Inc. Year Book”(デザインガイドを含む)により、欧州では、“The European Tire and Rim Technical Organization Standards Manual”により、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”によりそれぞれ規定されている。
本発明によれば、新品タイヤの性能を早期に発揮させることができ、かつ、新品タイヤが十分に性能を発揮できるまで摩耗したことを目視により確認することができる自動二輪車用空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一好適な実施の形態に係る自動二輪車用空気入りタイヤのトレッド部の概略展開図である。 本発明の一好適な実施の形態に係る自動二輪車用空気入りタイヤの浅溝の形状の例を示す概略平面図である。 本発明の自動二輪車用空気入りタイヤに係る浅溝の浅溝幅方向における断面形状の例を示す概略断面図である。 本発明の一好適な実施の形態に係る自動二輪車用空気入りタイヤの幅方向の概略断面図である。
以下、本発明の自動二輪車用空気入りタイヤについて、図面を用いて詳細に説明する。図1に、本発明の一好適な実施の形態に係る自動二輪車用空気入りタイヤのトレッド部の概略展開図を示す。なお、図中の矢印は回転方向であり、走行中、タイヤは矢印側から接地することになる。本発明のタイヤは、環状に形成されたトレッド部1を備えており、トレッド部1に、浅溝2がタイヤ周方向に設けられている(以下、「周方向浅溝2」とも称す)。図示例においては、センター領域Tcに2本、両ショルダー領域Tsに各1本、浅溝2が設けられている。なお、図示例においては、2種の主溝3a、3bが等ピッチで周期的に設けられているが、主溝3の形状については特に制限はなく、上記の例に限定されるものではない。例えば、主溝として、周方向に連続して形成される周方向溝を設けてもよい。
本発明のタイヤにおいては、トレッド部1に浅溝2を設けることで以下の効果を得ることができる。まず、新品のタイヤにおいては、タイヤ加硫工程において用いられたシリコーンが表層に存在しているため、新品時においては滑りやすい。そのため、タイヤの性能を完全に発揮させるためには、トレッド部1の表層をある程度摩耗させなければならない。本発明のタイヤにおいては、トレッド部1に浅溝2を設けることにより、トレッド部1が摩耗しやすくなるため、新品タイヤの性能を早期に発揮させることができる。また、浅溝2により排水性が向上するとともに、トレッド部1のゴムが接地時に動きやすくなり、発熱を助長することで、グリップ性能を早期に発揮させることができる。また、この浅溝2により、外観を向上させることもできる。
本発明のタイヤにおいては、浅溝2の幅は0.1〜2.0mm、好適には0.5〜1.5mmである。浅溝2の幅が0.1mm未満であると十分な排水性が得られない場合があり、一方、2.0mmを超えるとトレッド部1の剛性が低下して操縦安定性が悪化するとともに、接地面積が小さくなるため、十分なグリップが得られなくなる場合がある。ここで、浅溝2の幅wは、浅溝2の延在方向に対して垂直な断面における開口部の幅をいう。また、浅溝2の幅が、浅溝2の延在方向に変化する場合は、浅溝2の最も広い部分をいう。
また、浅溝2の深さは0.1〜2.0mm、好適には0.2〜0.5mmである。浅溝2の深さが0.1mm未満であると、排水性が十分に得られない場合があり、一方、2.0mm以上になると、やはり、トレッド部1の剛性が低下してしまい、操縦安定性が悪化してしまうおそれがある。ここで、浅溝2の深さが、浅溝2の延在方向に変化する場合は、浅溝2の最も深い部分をいう。なお、深さが2.0mmを超えるような深溝を設けると、偏摩耗が生じる場合があるが、本発明のタイヤでは、このような問題は生じない。また、浅溝2の深さとは、トレッド部1の踏面から浅溝2の溝底までの距離をいい、浅溝2の溝底に設けられた突起を含まない。ここで突起とは、周辺輪郭形状が、円形状、楕円形状、その他の曲線を有する形状、または、平行四辺形、ひし形、その他の多角形状のものをいう。
また、本発明のタイヤにおいては、浅溝2は、タイヤ周方向に延在しているが、必ずしも連続している必要はなく、不連続であってもよい。好ましくは、正規内圧、無負荷時のタイヤ赤道Eにおける周長の50%以上、より好ましくは、90%以上に周方向浅溝が設けられていればよい。さらに、本発明のタイヤにおいては、浅溝2の形状については特に制限はなく、図1に示すように、タイヤ周方向に沿って延びる直線状であってもよいが、ジグザグ形状や波型形状であってもよい。なお、トレッド部1の直下に、タイヤ周方向に延びるスパイラルベルトが存在するタイヤでは、直線状の浅溝を設けると、トレッド部1が割れてしまうため、このようなタイヤは、ジグザグ形状や波型形状が好ましい。図2(a)〜(h)に、本発明の一好適な実施の形態に係る自動二輪車用空気入りタイヤの浅溝の形状の例を示す概略平面図を示すが、本発明のタイヤにおいては、浅溝の形状は、これらに限られるものではない。
図2の(a)は、周方向に直線状に伸びる浅溝であり、(b)は、周方向にジグザグ状に伸びる浅溝であり、(c)は、周方向に波型形状で伸びる浅溝であり、(d)は、周方向と幅方向とに交互に伸びているが、全体として周方向に延びる浅溝である。図2の(e)は、周方向に不連続に直線状に伸びる浅溝であり、(f)は、略楕円形に形成された浅溝が周方向に複数個設けられ、全体として周方向に延びる浅溝であり、(g)は、矢印形状に設けられた浅溝が周方向に複数個設けられ、全体として周方向に延びる浅溝であり、(h)は、略平行四辺形に設けられた浅溝が周方向に複数個設けられ、全体として周方向に延びる浅溝である。なお、タイヤの回転方向に向けて溝を矢印形状に形成することで、タイヤの装着方向が容易に見て取れるため好ましいが、必ずしも、図2(g)のような形状である必要はなく、(a)に示す直線状の浅溝に、矢印形状の浅溝を付加してもよい。
図示するタイヤにおいては、浅溝2は、センター領域Tcに2本、ショルダー領域Tsに2本、合計4本設けられているが、浅溝2の本数については、これに限られるものではない。本発明のタイヤにおいては、浅溝2の本数は、トレッド部1のショルダー領域Tsよりもセンター領域Tcの方が多くてもよく、センター領域Tcよりもショルダー領域Tsの方が多くてもよい。センター領域Tcの浅溝2の本数を多くすると、特に直進時における、排水性がさらに向上するため、ウェット路面でのグリップ性能を向上させることができる。一方、ショルダー領域Tsの浅溝2の本数を多くすると、特に旋回時におけるショルダー領域Tsのゴムが接地時に動きやすくなり、より発熱を助長することで、さらにグリップ性能を早期に発揮させることができる。さらに、ショルダー領域Tsは、センター領域Tcと比べて接地機会が少ないため、ショルダー領域Tsに浅溝を設けることで、ショルダー領域Tsのグリップ性能を向上させるという効果も得ることができるうえ、旋回時の排水性も向上させることができる。
さらに、本発明のタイヤにおいては、浅溝2の深さは、トレッド部1のショルダー領域Tsよりもセンター領域Tcの方が深くてもよく、センター領域Tcよりもショルダー領域Tsの方が深くてもよい。これは、やはり、センター領域Tcの浅溝2の深さを深くすると、特に直進時における、排水性がさらに向上するため、ウェット路面でのグリップ性能を向上させることができるためであり、一方、ショルダー領域Tsの浅溝2の深さを深くすると、特に旋回時におけるショルダー領域Tsのゴムが接地時に動きやすくなり、より発熱を助長することで、さらにグリップ性能を早期に発揮させることができるためである。同様な理由で、浅溝2の幅は、トレッド部1のショルダー領域Tsよりもセンター領域Tcの方が広くてもよく、センター領域Tcよりもショルダー領域Tsの方が広いてもよい。なお、本発明のタイヤにおいては、浅溝2の深さは一定である必要はなく、周方向に沿って変化していてもよい。
さらにまた、本発明のタイヤにおいては、浅溝2の間隔、図示例においてはL1、L2が10〜100mmであることが好ましい。ここで、浅溝2の間隔は、正規内圧、無負荷時におけるトレッド部表面の長さをいう。浅溝2の間隔が10mm未満であると、トレッド部1の剛性が低下して操縦安定性が悪化してしまうおそれがある。また、接地面全体に占める浅溝2の面積が大きくなるため、グリップ性能が低下してしまうおそれがある。一方、浅溝2の間隔が100mmよりも大きくなると、排水性が悪化し、また、トレッド部1が動きにくくなるため、本発明の効果を十分に得られなくなる場合がある。なお、浅溝がジグザグ形状等の場合における間隔同士の間隔は、浅溝の振れ幅の中心位置同士の距離である。
なお、本発明のタイヤにおいては、浅溝2はタイヤ赤道Eに対して±45°の範囲で角度を有していてもよい。この場合、浅溝の全てがトレッド端まで延在し、トレッド端で開口していてもよく、一部の浅溝2のみがトレッド端で開口していてもよい。このような構成とすることで、良好な初期排水性を得ることができる。この場合、浅溝2の角度は、入力方向に対して垂直となるように設けることが、エッジ成分を増加させる観点から好ましい。なお、浅溝の一部または全部がトレッド端から20mm程度手前で終端していてもよい。
さらに、図3は、本発明の自動二輪車用空気入りタイヤに係る浅溝の浅溝幅方向における断面形状の例を示す概略断面図である。本発明のタイヤにおいては、トレッド部1の輪郭線4と、輪郭線4に対して略垂直な一対の溝壁5と、この一対の溝壁5を結ぶ、輪郭線4と略平行な溝底6と、からなる仮想断面形状とは異なる形状であってもよい。ここで、溝壁5と溝底6とは垂直に連結していてもよく、湾曲をもって連結していてもよい。すなわち、本発明のタイヤにおいては、浅溝2の断面形状が一般的な形状とは異なり、一対の溝壁5の少なくとも一部がテーパー形状や、浅溝の深さ方向(タイヤ径方向)に段階的に狭まる形状等であってもよい。また、トレッド部の浅溝2の開口縁に、径方向外側に突出する凸部7が形成されてもよい。さらに、溝壁5または溝底6には、浅溝2の延在方向に延びる凹凸を形成してもよい。
図3(a)は、溝壁5のうち開口部近傍のみがテーパー形状を有しており、(b)は、溝壁5全体がテーパー形状を有している。このように、浅溝2の開口部をテーパー形状とすることで、エッジ効果を損なうことなく、排水性をより良好なものとすることができる。また、図3(c)は、浅溝2の幅が、溝深さ方向に段階的に狭くなっていく形状である。このような形状であれば、トレッド部1の摩耗の程度を段階的に判断することができる。さらに、図3の(d)、(e)は、浅溝2の開口縁に凸部7が設けられた形状であり、(d)は、浅溝2の開口縁に近づくにつれて徐々に盛り上がる形状となっており、(e)は、浅溝2の開口縁が略垂直に盛り上がる形状となっている。このように、浅溝2の開口縁に凸部7を設けることで、浅溝2の端部の接地圧が大きくなり、より良好なエッジ効果が期待できる。また、視認性も向上するという効果も得られる。なお、この場合、凸部の高さは、浅溝の深さよりも低くする。さらにまた、図3(f)は、入力方向に対して、前方の溝壁5が低く、後方の溝壁5が高い形状を有している。このように、溝壁5に段差を設けることで、良好なエッジ効果を得ることができる。また、図3(g)、(h)は、それぞれ溝底6および溝壁5に凹凸を設けた形状である。このように、浅溝2の内部にさらに溝を設けることで、浅溝2の被視認性が向上する。また、溝底6に凹凸を設けることで、浅溝2が摩耗した後に、溝底6の凹凸が現れるため、デザイン性にも優れたものになる。なお、浅溝の断面形状がテーパー形状を有する場合や、溝壁5または溝底6には、浅溝2の延在方向に延びる凹凸が設けられている場合は、浅溝2の深さの基準は仮想断面形状の輪郭線4であり、浅溝2の幅も、仮想断面形状の開口部の幅が基準となる。
本発明のタイヤにおいては、浅溝2に複数個のリッジを所定のピッチで並べたセレーションと呼ばれる装飾模様を施してもよい。また、トレッド部1に浅溝にて、例えば、メーカー名等の文字や記号、または図形やキャンバー角の使用状態がわかるような模様等の情報や装飾装模様を施してもよい。さらにまた、周方向浅溝や周方向に傾斜している幅方向浅溝を設ける場合は、これらの形状を矢印形状として、ローテーションマークとしてもよい。
本発明のタイヤにおいては、トレッド部1に形成された浅溝2が上記要件を満足することのみが重要であり、それ以外に特に制限はなく、その他の構成については、既知の構造を採用することができる。例えば、図示する様に、主溝3を設ける場合、主溝3の幅や深さについては、浅溝2の深さや幅よりも大きいものであればよい。さらに、トレッド部1以外の構成についても、特に制限はなく、既知の構造を採用することができる。図4に、本発明の一好適な実施の形態に係る自動二輪車用空気入りタイヤの幅方向の概略断面図を示す。
図示する本発明のタイヤ10は、トレッド部11と、トレッド部11の両側に連なる一対のサイドウォール部12と、一対のサイドウォール部12にそれぞれ連なる一対のビード部13と、これら各部をビード部13相互間にわたり補強する少なくとも1層(図示例では1層)のカーカスプライからなるカーカス14と、を備える。図示する例では、カーカス14の端部をビードコア15にタイヤ内側から外側に折り返して係止しているが、両側からビードワイヤで挟み込んで係止してもよい。
また、図示するタイヤは、カーカス14のタイヤ径方向外側にベルト層16が設けられている。ベルト層16のベルトコードについても特に制限はなく、既知の非伸張性高弾性コードを用いることができ、例えば、芳香族ポリアミド(アラミド、例えば、デュポン社製 商品名:ケブラー)やポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、レーヨン、ナイロン等の有機繊維、スチール、グラスファイバーやカーボンファイバー等の材質からなるものを適宜選択して用いることができる。かかるベルトは、コード方向が層間で互いに交錯するように配置された2層以上の傾斜ベルト層からなるものであってもよく、また、コード方向が実質的にタイヤ周方向である1層以上のスパイラルベルト層からなるものであってもよい。図4においては、ベルト層16のタイヤ半径方向外側に、スパイラルベルト層17が設けられている。
本発明のタイヤは、自動二輪車用のフロントタイヤ、リヤタイヤのいずれにも適用することができ、また、ラジアル構造およびバイアス構造のいずれのタイヤにも適用することができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例>
図1に示すトレッドパターンを有する自動二輪車用空気入りタイヤをタイヤサイズ:120/70ZR17M/Cで作製した。浅溝の深さは0.3mmとし、浅溝の幅は1.0mm、周方向浅溝の角度は周方向に対して略0°とし、溝幅および溝深さが一定な連続する溝とした。浅溝の断面形状は、トレッド部の表面から垂直に伸びる一対の溝壁と、この溝壁を結ぶ、トレッド部表面と略平行な溝底と、からなる。浅溝の間隔L1は10mm、L2は30mmとした。
<比較例>
トレッド部に浅溝を設けなかったこと以外は、実施例のタイヤと同様に比較例のタイヤを作製した。
得られた各タイヤを用い、以下の手順に従って、グリップ性について評価を行った。結果は表1に併記する。
<グリップ性>
各タイヤを装着した車両でウェット路面を走行することにより行った。グリップ性能はドライバーのフィーリングで評価した。その際、比較例のタイヤにおける評価を100とし、実施例のタイヤについては指数化した。
Figure 2017088144
表1より、トレッド部に所定の浅溝を設けた本発明のタイヤは、グリップ性に優れていることがわかる。
1 トレッド部
2 浅溝
3a、3b 主溝
4 輪郭線
5 溝壁
6 溝底
7 凸部
10 自動二輪車用空気入りタイヤ(タイヤ)
11 トレッド部
12 サイドウォール部
13 ビード部
14 カーカス
15 ビードコア
16 ベルト層
17 スパイラルベルト層

Claims (8)

  1. 環状に形成されたトレッド部を備えた自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッド部に、幅0.1〜2.0mm、深さ0.1〜2.0mmである浅溝がタイヤ周方向に延在してなることを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。
  2. 前記浅溝の本数が、前記トレッド部のショルダー領域よりもセンター領域の方が多い請求項1記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  3. 前記浅溝の深さが、前記トレッド部のショルダー領域よりもセンター領域の方が深い請求項1記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  4. 前記浅溝の幅が、前記トレッド部のショルダー領域よりもセンター領域の方が広い請求項1記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  5. 前記浅溝の本数が、前記トレッド部のセンター領域よりもショルダー領域の方が多い請求項1記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  6. 前記浅溝の深さが、前記トレッド部のセンター領域よりもショルダー領域の方が深い請求項1記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  7. 前記浅溝の幅が、前記トレッド部のセンター領域よりもショルダー領域の方が広い請求項1記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  8. 前記浅溝が、周方向に連続している請求項1〜7のうちいずれか一項記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
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