JP6710025B2 - 自動二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、自動二輪車用空気入りタイヤに関する。
従来、自動二輪車用空気入りタイヤでは、特に、比較的高荷重が負荷された状態での走行において、ベルト端やプライ端に破損が生じることに起因するタイヤの耐久性の低下が課題となっていた。
発明者は、ベルト端やプライ端のかような破損の原因は、走行中に、一般に当該ベルト端やプライ端が位置し得るタイヤの接地端付近におけるタイヤ内部の温度が高温になることにあること、および、かかる部分における放熱を促すことがタイヤの耐久性の向上に有効であることを見出した。
従って、タイヤの耐久性を向上させるためには、接地端付近に放熱用の溝等の凹部を設けて、該接地端付近におけるタイヤ内部の温度を低下させることが有効であると考えられる。しかしながら、接地端付近に溝を設けると、パターンノイズが生じてタイヤの騒音性能が損なわれる虞がある。
そこで、本発明は、タイヤの騒音性能を維持しつつ耐久性を向上させた自動二輪車用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の構成は、以下のとおりである。
(1)本発明の自動二輪車用空気入りタイヤは、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした基準状態において、タイヤ赤道面からトレッド端側へ、トレッド踏面のペリフェリに沿って該トレッド踏面のペリフェリ長の半幅の50%離間した、トレッド踏面のタイヤ幅方向位置と、同じく82%離間した、トレッド踏面のタイヤ幅方向位置とで挟まれた、トレッド踏面におけるタイヤ幅方向領域を中間領域としたとき、タイヤ周方向に対して30°以下の角度で傾斜して延びる周方向溝部分を前記中間領域内に備えた、少なくとも1本の周方向溝と、タイヤ幅方向に対して30°以下の角度で傾斜して延びる幅方向溝部分を前記中間領域内に備えて、該中間領域内で前記周方向溝に連通する、少なくとも1本の幅方向溝と、からなる分岐溝が、タイヤ半部のそれぞれにおいて、タイヤ周方向に沿って断続的に形成されており、前記幅方向溝の少なくとも1本は、前記中間領域のタイヤ幅方向外側端よりもタイヤ幅方向外側まで延在していること、を特徴とする。
かかる構成の本発明の自動二輪車用空気入りタイヤによれば、タイヤの騒音性能を維持しつつ耐久性を向上させることができる。
ここで、上記「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO (The European Tyre and Rim Technical Organisation, Inc.)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA (The Tire and Rim Association, Inc.)のYEAR BOOK等に記載されている、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す。
また、「規定内圧」とは、上記のJATMA YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する空気圧をいい、「最大負荷能力」とは、上記規格でタイヤに負荷されることが許容される最大の質量をいう。
なお、特に断りのない限り、周方向溝や幅方向溝の長さ等の寸法はすべて、トレッド踏面のペリフェリに沿って測定するものとする。
(2)本発明の自動二輪車用空気入りタイヤでは、前記幅方向溝のタイヤ幅方向長さが、前記トレッド踏面のペリフェリ長の半幅の8%以上30%以下であることが好ましい。
かかる構成によれば、タイヤの操縦安定性および騒音性能をより確実に維持しつつ、タイヤの耐久性をさらに向上させることができる。
(3)本発明の自動二輪車用空気入りタイヤでは、前記周方向溝のタイヤ周方向長さが、20mm以上80mm以下であることが好ましい。
かかる構成によれば、溝底のクラックを抑制しつつも周方向溝による放熱効果を十分に得て、タイヤの耐久性をさらに向上させることができる。
(4)本発明の自動二輪車用空気入りタイヤでは、タイヤ周方向に隣接する前記分岐溝間の間隔を、タイヤ周方向のパターンピッチ長さで除した値が0.15以上0.8以下であることが好ましい。
かかる構成によれば、操縦安定性を維持しつつも分岐溝による放熱効果を十分に得て、タイヤの耐久性をさらに向上させることができる。
なお、「パターンピッチ」とは、タイヤ周方向に繰り返されるトレッド模様の1単位あたりのタイヤ周方向長さをいい、当該1単位当たりのタイヤ周方向長さがタイヤ周方向で変化する場合は、その平均長さを指すものとする。
(5)本発明の自動二輪車用空気入りタイヤでは、タイヤ赤道面からトレッド端側へ、前記トレッド踏面のペリフェリに沿って該トレッド踏面のペリフェリ長の半幅の50%離間したタイヤ幅方向位置と、前記トレッド端と、の間のタイヤ幅方向領域におけるネガティブ率が15%以上35%以下であることが好ましい。
かかる構成によれば、操縦安定性をより確実に維持しつつ、タイヤの耐久性をさらに向上させることができる。
なお、上記「ネガティブ率」とは、タイヤ赤道面からトレッド端側へ、トレッド踏面のペリフェリに沿って該トレッド踏面のペリフェリ長の半幅の50%離間した、トレッド踏面のタイヤ幅方向位置と、前記トレッド端と、で挟まれたトレッド踏面の面積に対する、該タイヤ幅方向領域内の溝面積の比率{(溝面積/踏面面積)×100(%)}のことをいう。
(6)本発明の自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記トレッド踏面に形成される前記分岐溝は、20個以上60個以下であることが好ましい。
かかる構成によれば、操縦安定性をより確実に維持しつつ、タイヤの耐久性をさらに向上させることができる。
(7)本発明の自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記分岐溝は、前記周方向溝の一方の端部および他方の端部から、タイヤ幅方向外側へ向かって延びる2本の幅方向溝を具えるU字型の溝であることが好ましい。
かかる構成によれば、タイヤの操縦安定性および騒音性能をより確実に維持しつつ、タイヤの耐久性をさらに向上させることができる。
本発明により、タイヤの騒音性能を維持しつつ耐久性を向上させた、自動二輪車用空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる自動二輪車用空気入りタイヤの、タイヤ幅方向断面図である。 図1の自動二輪車用空気入りタイヤの、トレッド踏面の部分展開図である。 本発明の他の実施形態にかかる自動二輪車用空気入りタイヤの、トレッド踏面の部分展開図である。
以下、図面を参照しながら本発明の自動二輪車用空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)を、その実施形態を例示して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるタイヤの、上記基準状態(タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした状態)におけるタイヤ幅方向断面を示している。このタイヤは、一対のビード部11間に跨るカーカス5を骨格として、該ビード部11のタイヤ径方向外側に一対のサイドウォール部12と、該サイドウォール部12間に跨るトレッド部13と、を具えている。なお、本実施形態におけるカーカスは1層のプライからなるが、2層以上のプライを配置することもできる。また、本実施形態では、トレッド部13におけるカーカス5のタイヤ径方向外側に、2層の傾斜ベルト層3a,3bからなる傾斜ベルト3が配置されているが、他のベルト構造とすることもできる。なお、2層の傾斜ベルト層3a,3bでは、それぞれのコードがタイヤ周方向に対して傾斜しかつ層間で交差して延びている。
図2は、本実施形態に係る図1のタイヤのトレッド踏面6の一部を展開して示している。トレッド踏面6の一部を展開して示している。本実施形態では、タイヤ赤道面CLを境にしてトレッド踏面6の一方側と他方側に、該赤道面CLに対して線対称であるパターンが、タイヤ周方向Xに相互にずらされて配置されている。従って、かかる実施形態のトレッド踏面6の構成について、ここでは紙面に向かって左側のタイヤ半部について代表して説明する。
まず、本実施形態では、タイヤ赤道面CLからトレッド端TE側へ、トレッド踏面6のペリフェリに沿って該トレッド踏面6のペリフェリ長の半幅Lpの50%離間した、トレッド踏面のタイヤ幅方向位置と、同じく82%離間した、トレッド踏面のタイヤ幅方向位置とで挟まれた、トレッド踏面におけるタイヤ幅方向領域を中間領域Aとしたとき、該中間領域Aに、少なくとも1本の周方向溝1(図示例では1本の周方向溝1)と、少なくとも1本の幅方向溝2(図示例では2本の幅方向溝2a,2b)と、からなる分岐溝Brが、タイヤ半部のそれぞれにおいて、タイヤ周方向に沿って断続的に形成されている。より具体的には、周方向溝1は、タイヤ周方向に対して30°以下の角度で傾斜して延びる周方向溝部分を中間領域A内に備え、幅方向溝2a,2bは、タイヤ幅方向に対して30°以下の角度で傾斜して延びる幅方向溝部分を前記中間領域内に備えて、該中間領域A内で周方向溝1に連通している。
なお、本実施形態における分岐溝Brは、周方向溝1の一方の端部からタイヤ幅方向外側へ向かって幅方向溝2aが延び、該周方向溝1の他方の端部から同様の方向に幅方向溝2bが延びており、該幅方向溝2a,2bの双方がともに、中間領域Aのタイヤ幅方向外側端よりもタイヤ幅方向外側まで延在している。
なお、本実施形態における周方向溝1は、直線状であり、タイヤ周方向に沿って延在しているが、該周方向溝1を屈曲形状または湾曲形状等とすることや、タイヤ周方向に30°以下の角度で傾斜して延びるものとすることができる。また、本実施形態における幅方向溝2a,2bは、直線状であり、相互に同じ長さを有し、タイヤ幅方向に対して傾斜して延びているが、該幅方向溝2a,2bを屈曲形状または湾曲形状とすることや、タイヤ幅方向に沿って延在させることができる。
また、トレッド踏面6には、分岐溝Brの他に、ラグ溝4がタイヤ周方向に亘って該分岐溝Brと交互に形成されている。このラグ溝4は、その両端がトレッド踏面6内で終端しているが、タイヤ幅方向に対する傾斜角度をそれぞれ異にする直線状の溝部4a,4b,4cが連通して構成されている。換言すると、ラグ溝4は2回屈曲して延在している。
なお、ラグ溝4は、上記の周方向溝1よりも溝深さが深い溝である。
このように、本発明に係るタイヤでは、タイヤ周方向に対して30°以下の角度で傾斜して延びる周方向溝部分を中間領域A内に備えた、少なくとも1本の周方向溝1と、タイヤ幅方向に対して30°以下の角度で傾斜して延びる幅方向溝部分を中間領域A内に備えて、該中間領域A内で周方向溝1に連通する、少なくとも1本の幅方向溝2と、からなる分岐溝Brが、タイヤ半部のそれぞれにおいて、タイヤ周方向に沿って断続的に形成されていること、が肝要である。
このような分岐溝Brを中間領域Aに設けると、接地端TEの近傍であり、車両走行中における発熱量が最も大きくなる中間領域Aの溝表面積が大きくなるため、タイヤの内部で発生した熱の放出を促し、接地端TE近傍におけるタイヤ内部の温度を低下させることができる。さらには、中間領域A内の溝面積が増加すると、発熱要因となるゴム自体の体積を減じることにもなるため、発熱量それ自体を低減できる観点からも、接地端TE近傍におけるタイヤ内部の温度を低下させることが可能となる。その結果、ベルト端およびプライ端における故障の発生を抑制して、タイヤの耐久性を向上させることができる。
しかしながら、中間領域Aに設ける溝が該中間領域A内で終端している場合、車両走行中に該溝内に取り込まれた空気が、トレッド踏面と路面との間に閉じ込められることになる結果、パターンノイズが生じる。より具体的には、特に、高荷重負荷走行に際しては、車体を比較的大きく傾けて走行した場合であっても、トレッド踏面6は、タイヤ赤道からトレッド端側へ、トレッド踏面6のペリフェリに沿って該トレッド踏面6のペリフェリ長の半幅Lpの82%離間した位置、すなわち、中間領域Aのタイヤ幅方向外側端位置近傍までしか接地しない傾向にある。そこで、本実施形態に係るタイヤでは、中間領域Aに配置する幅方向溝2のタイヤ幅方向端を、中間領域Aのタイヤ幅方向外側端よりもタイヤ幅方向外側、すなわち、接地端よりもタイヤ幅方向外側まで延在させることによって、周方向溝1および幅方向溝2に取り込まれた空気を、該幅方向溝2を介して外部に逃がすことができる。なお、幅方向溝2のタイヤ幅方向端を、タイヤ赤道からトレッド端側へ、トレッド踏面6のペリフェリに沿って該トレッド踏面6のペリフェリ長の半幅Lpの86%離間した位置よりもタイヤ幅方向外側まで延長させることがさらに好ましい。この86%離間した位置は、高荷重負荷走行時に車体を最大限傾けた場合の接地端に等しく、幅方向溝2をかかる位置よりもタイヤ幅方向外側まで延在させることによって、該幅方向溝2の上記効果をより確実に得ることができる。
以上のように、本発明の一実施形態に係る構成によれば、騒音性能を維持しつつ、トレッド端付近のタイヤ内部の温度を従来に比し低下させ、もってタイヤの耐久性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、分岐溝Brにより十分な放熱効果を得る観点から、該分岐溝Brを構成する周方向溝1および幅方向溝2の溝深さを2mm以上8mm以下とすることが好ましい。
2mm以上とすることで十分な放熱効果を得ることができ、8mm以下とすることで操縦安定性を維持することができる。
なお、本実施形態でいう「溝深さ」は、基準状態におけるトレッド踏面の溝開口位置からの最大深さを測るものとする。
また、本実施形態では、パターンノイズを十分に低減する観点から、中間領域Aのタイヤ幅方向外側端と、幅方向溝2の少なくとも1本のタイヤ幅方向外側端と、の間のトレッド踏面6のペリフェリに沿うタイヤ幅方向長さを、15mm以上とすることが好ましい。
また、本実施形態では、上記したラグ溝4を設けることにより、タイヤのトラクション性能を向上させることができる。十分なトラクション性能の向上を図る観点から、ラグ溝4の溝深さは4mm以上8mm以下であることが好ましい。
また、本実施形態に係るタイヤでは、幅方向溝2のトレッド踏面6のペリフェリに沿うタイヤ幅方向長さが、トレッド踏面6のペリフェリ長の半幅の8%以上30%以下であることが好ましい。
8%以上とすることで、騒音性能をより確実に維持しつつ、タイヤの耐久性をさらに向上させることができ、30%以下とすることで、操縦安定性をより確実に維持することができる。
また、本実施形態に係るタイヤでは、周方向溝1のトレッド踏面6のペリフェリに沿うタイヤ周方向長さが、20mm以上80mm以下であることが好ましい。
20mm以上とすることで、周方向溝1による放熱効果を十分に得ることができ、80mm以下とすることで、該周方向溝1の溝底におけるクラックの発生を抑制することができる。
また、本実施形態に係るタイヤでは、タイヤ周方向に隣接する分岐溝Br間の間隔Lを、タイヤ周方向のパターンピッチ長さで除した値が0.15以上0.8以下であることが好ましい。
0.15以上とすれば、分岐溝Brによる放熱効果をより向上させることができ、0.8以下とすれば、タイヤの操縦安定性をより確実に維持することができる。
また、本実施形態に係るタイヤでは、タイヤ赤道面CLからトレッド端TE側へ、トレッド踏面6のペリフェリに沿って該トレッド踏面6のペリフェリ長の半幅の50%離間したタイヤ幅方向位置と、前記トレッド端TEと、の間のタイヤ幅方向領域におけるネガティブ率が15%以上35%以下であることが好ましい。
15%以上とすれば、十分な放熱効果を得て、タイヤの耐久性をより向上させることができ、35%以下とすれば、操縦安定性をより確実に維持することができる。
また、本実施形態に係るタイヤにおいて、トレッド踏面6に形成される分岐溝Brは、20個以上60個以下であることが好ましい。
20個以上とすれば、分岐溝Brにより十分な放熱効果を得て、タイヤの耐久性をより向上させることができ、60個以下とすれば、操縦安定性をより確実に維持することができる。なお、分岐溝Brの個数は、上記した周方向溝1の長さに応じて、例えば、上記の20個〜60個の範囲で適宜設定することができる。
なお、本実施形態における分岐溝Brは、上述のとおり、周方向溝1の一方の端部および他方の端部から、タイヤ幅方向外側へ向かって延びる2本の幅方向溝2a,2bを具えるU字型の溝である。この構成によれば、タイヤの操縦安定性および騒音性能をより確実に維持しつつ、タイヤの耐久性をさらに向上させることができるが、本願発明に係るタイヤでは、分岐溝Brを他の構成とすることもできる。
例えば、図3に、本発明の他の実施形態を示す。本実施形態において、上記実施形態と同様の構成には同様の符号を付してその説明を省略する。本発明に係るタイヤでは、図3に示すように、分岐溝3Brを、周方向溝31と、該周方向溝31の一方の端部、他方の端部、およびこれらの間からタイヤ幅方向外側へ向かって延びる3本の幅方向溝32a,32b,32cと、から構成することもできる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれだけに限定されるものではない。発明例タイヤおよび比較例タイヤ(ともに、タイヤサイズは180/60R16M/C)を表1に示す仕様のもと試作し、タイヤの耐久性、騒音性能および操縦安定性を評価した。
各供試タイヤは、一対のビード部間に跨るカーカスを骨格として、該ビード部のタイヤ径方向外側に一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部間に跨るトレッド部と、を具えている。より具体的には、ナイロンコードを有する2層のプライからなるカーカスを具え、該カーカスのタイヤ径方向外側に、アラミドコードをゴム被覆してなる2層のベルト層と、そのタイヤ径方向外側に、ナイロンコードをゴム被覆してなる1層のベルト層と、を具えている。カーカスプライのタイヤ幅方向に対するコード角度は15°であり、各ベルト層のタイヤ周方向に対するコード角度は15°であり、アラミドコードからなる2層のベルト層の当該コードは層間で互いに交差している。
各供試タイヤを適用リム(MT5.00−16M/C)に組み付け、内圧280kPaを充填し、STEP荷重を負荷したタイヤを、試験ドラム上にて時速81kmで走行させた。
タイヤの耐久性については、上記試験にてクラックが発生するまでの荷重で評価した。
タイヤの騒音性能評価および操縦安定性評価は、プロのテストドライバーによるテスト走行を行い、フィーリング評価により行った。
なお、表中に示す長さはすべて、トレッド踏面6のペリフェリに沿う長さである。
表中の「幅方向溝のタイヤ幅方向外側端部の長さ(mm)」は、中間領域Aよりタイヤ幅方向外側に延在している、幅方向溝2の端部のタイヤ幅方向長さである。
また、「幅方向溝のタイヤ幅方向長さ(%)」とは、トレッド踏面6のペリフェリ長の半幅Lpに対する、幅方向溝2のトレッド踏面6の長さの割合を示している。
また、「ネガティブ率(%)」とは、タイヤ赤道面CLからトレッド端TE側へ、トレッド踏面6のペリフェリに沿って該トレッド踏面6のペリフェリ長の半幅Lpの50%離間した、トレッド踏面のタイヤ幅方向位置と、トレッド端TEと、で挟まれたタイヤ幅方向領域におけるネガティブ率を示している。
Figure 0006710025
表1の結果は、比較例タイヤ1の各結果を100として指数表示した。指数が大きいほど性能に優れていることを示している。
1,31:周方向溝、 2,2a,2b,2c,32,32a,32b,32c:幅方向溝、 3:傾斜ベルト、 3a,3b:傾斜ベルト層、 4:ラグ溝、 5:カーカス、 6:トレッド踏面、 7:適用リム、 A:中間領域、Br,3Br:分岐溝、 CL:タイヤ赤道面、 L:分岐溝間のタイヤ周方向間隔、 TE:トレッド端

Claims (6)

  1. タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした基準状態において、
    タイヤ赤道面からトレッド端側へ、トレッド踏面のペリフェリに沿って該トレッド踏面のペリフェリ長の半幅の50%離間した、トレッド踏面のタイヤ幅方向位置と、同じく82%離間した、トレッド踏面のタイヤ幅方向位置とで挟まれた、トレッド踏面におけるタイヤ幅方向領域を中間領域としたとき、
    タイヤ周方向に対して30°以下の角度で傾斜して延びる周方向溝部分を前記中間領域内に備えた、少なくとも1本の周方向溝と、タイヤ幅方向に対して30°以下の角度で傾斜して延びる幅方向溝部分を前記中間領域内に備えて、該中間領域内で前記周方向溝に連通する、少なくとも1本の幅方向溝と、からなる分岐溝が、タイヤ半部のそれぞれにおいて、タイヤ周方向に沿って断続的に形成されており、
    前記幅方向溝の少なくとも1本は、前記中間領域のタイヤ幅方向外側端よりもタイヤ幅方向外側まで延在しており、
    前記分岐溝は、前記周方向溝の一方の端部および他方の端部から、タイヤ幅方向外側へ向かって延びる2本の幅方向溝を具えるU字型の溝であり、
    前記2本の幅方向溝の各々は、前記中間領域よりもタイヤ幅方向外側の領域まで延在し、
    タイヤ赤道面を境界とする一方のタイヤ幅方向半部における前記U字型の前記分岐溝は、タイヤ幅方向に投影した際に、タイヤ赤道面を境界とするタイヤ幅方向他方の半部における前記U字型の前記分岐溝に重ならないことを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。
  2. 前記幅方向溝のタイヤ幅方向長さが、前記トレッド踏面のペリフェリ長の半幅の8%以上30%以下である、請求項1に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  3. 前記周方向溝のタイヤ周方向長さが、20mm以上80mm以下である、請求項1または2に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  4. タイヤ周方向に隣接する前記分岐溝間の間隔を、タイヤ周方向のパターンピッチ長さで除した値が、0.15以上0.8以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤ。
  5. タイヤ赤道面からトレッド端側へ、前記トレッド踏面のペリフェリに沿って該トレッド踏面のペリフェリ長の半幅の50%離間した、トレッド踏面のタイヤ幅方向位置と、前記トレッド端と、で挟まれた、トレッド踏面におけるタイヤ幅方向領域のネガティブ率が、15%以上35%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  6. 前記トレッド踏面に形成された前記分岐溝は、20個以上60個以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
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