JP2017083361A - 慣性力センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路基板上に実装された慣性力検出センサの振動印加による出力変動を抑制した信頼性の高い慣性力検出センサのモジュール実装構造を提供する。
【解決手段】慣性力を検出するための半導体素子を内部に備えたゲージセンサ1を搭載した実装基板2と、ゲージセンサ1の出力信号を取り出すコネクタを備え底面部に凹部を設けた実装基板2が収容されるハウジング3と、を有し、前記凹み部にハウジング3よりも高剛性の部材5を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】慣性力を検出するための半導体素子を内部に備えたゲージセンサ1を搭載した実装基板2と、ゲージセンサ1の出力信号を取り出すコネクタを備え底面部に凹部を設けた実装基板2が収容されるハウジング3と、を有し、前記凹み部にハウジング3よりも高剛性の部材5を設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、加速度および角速度を検出するセンサを電子部品とともに回路基板に実装した慣性力を検出する慣性力センサ装置に関する。
近年、自動車や農業機械および建設機械などでは走行安定性制御や安全性、作業性を向上するため種々の物理量を検出するセンサ装置が用いられている。自動車においては、特に加速度センサや角速度センサが横滑り防止や乗員の安全性を向上するための機器(例えばエアバック)制御用として適用が拡大している。また、センサ装置の自動車への適用では、エンジンルームへの搭載も想定されるため、温度変化や機械的振動などの過酷な環境負荷に耐えることが必要となっている。農業機械では車体の姿勢制御や、種々の耕作用途に用いる付属機の水平制御に用いられており、自動車同様過酷な環境で使用される。
センサ装置に搭載される加速度センサや角速度センサでは、小型化や多機能化・複合化、および量産性向上などを目的に、シリコン(Si)の微細加工技術(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)を用いた検出手段が主流となってきている。微細加工技術によってシリコンの微細なくし歯状構造体を形成し、このくし歯状構造体の微小変位を、電気信号に変換することで加速度や角速度の慣性力物理量を検出している。
センサ装置は、他の電子部品とともに実装基板に搭載された状態で使用される。また実装基板に搭載したセンサ装置を外部との電気的信号の入出力を行うコネクタとともにハウジングなどでモジュール化した状態で使用される。
上記したセンサ装置は、微小な変位を検出手段としているため、センサ装置の外部から振動や衝撃が印加されると、微細なくし歯構造体に変位が生じ、慣性力が作用していない状態でも出力が発生する。このセンサ出力は、検出誤差となり、センサ装置の信頼性を低下させる要因となる。
したがって、シリコンの微細加工技術を用いた検出装置は、各物理量検出部、または、各物理量検出素子へ振動などの外力が印加しない実装構造とすることが必要不可欠である。また、このような検出装置を自動車のエンジンルームや、農業機械付属機などの過酷な環境で使用される機器への搭載も可能とするため、高信頼性を有した実装構造とすることが必要不可欠である。
この検出装置をはじめ、半導体素子を用いたセンサ装置の実装構造として、例えば、特許文献1や特許文献2および、特許文献3などに記載されているセンサ装置のような構造が知られている。
特許文献1には、筐体内に取り付けられた電子部品を実装した回路基板の振動を抑制する手段として、筐体底部に回路基板を支える為の直立したボスと、筐体内部の側面に回路基板の周辺を支える為に段差部を設ける構造が開示されている。前記ボスに回路基板がネジで固定され、固定されたボス位置を振動の節として回路基板が上下にたわむように振動する場合でも、前記段差が下支えすることにより回路基板の下方向への振動を抑制できることが示されている。
また、特許文献2には、特許文献1と同様に回路基板の振動を抑制する手段が開示されている。特許文献2では、少なくとも一方の面に電子装置が搭載された回路基板と、回路基板を固定するベース部材を備えており、回路基板の片面に1つ以上の突起物を設置し、回路基板の周辺固定部をベース部材に固定する際、突起物の一部をベース部材に接触させ、さらに、突起物の高さを回路基板の周辺固定部高さより高くすることで、回路基板を凸状に反らせた構造とすることが開示されている。このように、回路基板を反らせることで、回路基板をベース部材に強固に固定でき、耐振動性を向上すると記載されている。また、回路基板を周辺と突起部で固定するので、回路基板の共振周波数を高周波数側に移動でき、外部振動によって導かれる回路基板の共振時の振動振幅を小さく抑えることができる。
また、特許文献3には、半導体加速度センサを実装した回路基板を保持する接続端子の長さを、振動を吸収する長さに設定し、さらに中間部に吸振構造を形成する実装構造例が開示されている。上記した構造によって、外部から衝撃が印加された場合でも、接続端子自体の変形で衝撃を吸振緩衝し、半導体加速度センサの衝撃振動による破損を防止することが示されている。
慣性力検出センサを回路基板上に搭載し、ケーシングした実装モジュールでは、外部から振動が印加されると、回路基板に面外変形が生じる場合がある。この回路基板の変形は、基板上に搭載されている慣性力検出センサにも伝達し、センサ出力をも変動させる。振動によるセンサ出力変動は、本来慣性力を検出して得られる出力に重畳されることで検出誤差となり、慣性力検出センサの信頼性を低下させる要因(課題)となる。
特許文献1において、回路基板周辺を筐体側壁内面に設けた段差部により下支えすることによって、下方向への回路基板振動は抑えることができる。しかしながら、回路基板周囲と段差部とが固定されていないため、外部から印加される振動の加速度が大きい場合、上方に変形した回路基板と段差部とが繰り返し衝突するようになり、この衝突による振動が回路基板上に搭載された慣性力検出センサに影響を及ぼす可能性がある。また、回路基板を支えるボスどうしの間隔が広い場合には、ボスどうしの間の回路基板部分に局所的な変形が生じるようになり、十分な振動抑制効果が得られないことも考えられる。
特許文献2の従来技術では、回路基板の片面に設けた突起部がベース部材に接触しているだけなので、特許文献1の従来技術と同様に、印加される振動加速度が大きい場合には、突起部とベース部材とが離れてしまう。これによって、突起部とベース部材が繰り返し衝突することによる振動が回路基板上に搭載した慣性力センサの出力を変動させる要因となる。また、突起部を周辺固定部より高くして回路基板を反らすことによって回路基板をベース基板に強固に固定する効果は得ることができる。しかしながら、回路基板を反らせることで、実装されている種々の部品にも反り変形が生じることになり、はんだ接続部に過大な応力が生じ、破断する課題がある。また、加速度を検知するセンサ部品を実装する場合、回路基板の反りによる傾斜によって出力が変動し、検出誤差の要因となる場合がある。
さらに、特許文献3に開示された技術では、単発の衝撃的外力に対しては接続端子の吸振作用が機能するが、振動のような連続的な外力に対しては、接続端子自体も振動してしまうため、回路基板の振動を抑制することが困難になる。
さらに、特許文献3に開示された技術では、単発の衝撃的外力に対しては接続端子の吸振作用が機能するが、振動のような連続的な外力に対しては、接続端子自体も振動してしまうため、回路基板の振動を抑制することが困難になる。
本発明の目的は、回路基板上に実装された慣性力検出センサの振動印加による出力変動を抑制した信頼性の高い慣性力検出センサのモジュール実装構造を提供することである。
この目的を達成するため、本発明の慣性センサ装置では、慣性力を検出するための半導体素子を内部に備えたゲージセンサを搭載した実装基板と、前記ゲージセンサの出力信号を取り出すコネクタを備え底面部に凹部を設けた前記実装基板が収容されるハウジングと、を有し、前記凹み部に前記ハウジングよりも高剛性の部材を設けた。
本発明によれば、回路基板上に実装された慣性力検出センサの振動印加による出力変動を抑制した信頼性の高い慣性力検出センサのモジュール実装構造を提供することが可能となる。
[実施例1]
以下、実施例1における慣性力センサ装置の構成について説明する。
以下、実施例1における慣性力センサ装置の構成について説明する。
図1および、図2に示すように、本発明による慣性力センサ装置は、慣性力を検出するための半導体素子(図示しない)を内部に収納し、慣性力を検出するための半導体素子の周辺を例えば樹脂で覆ってパッケージを形成したゲージセンサ1を備えている。このゲージセンサ1と電子部品(図示しない)を電気的に接続可能な配線構造を備えた多層構造の実装基板2上に搭載されており、実装基板2は、図3に示すように、慣性力を検出するための半導体素子の信号を取り出すためのコネクタ7を備えた樹脂製ハウジング3内に接着剤6などで固定されている。コネクタ端子8と実装基板2上の図示されていない端子とは、アルミワイヤ9などによって電気的に接続されており、慣性力を検出する半導体素子の信号を外部に取り出すことを可能にしている。ハウジング3の開口部には、カバー4が接着剤6などにより接着されてモジュール構造体化している。ハウジング3の底面部には、図4に示すように、部分的に凹部11を設けており、ケース部底面とフランジ部との樹脂厚さ寸法差を縮小することで、成型後の反りなどの変形を防止している。さらに、例えばハウジング3を形成する樹脂材料より剛性の高い金属材料で作製された補強板5を底面に部分的に設けられた凹部11に配置することにより、ハウジング3の剛性を高めている。補強板5はハウジング3を形成後、部分的に設けられた凹部11に接着することによって配置する。また、ハウジング3の底面に部分的に設けられた凹部11の寸法と同等またはやや大きく作製した補強板5をハウジング3を形成後、部分的に設けられた凹部11にはめ込み固定することによって配置してもよい。ハウジング3を形成する樹脂には例えば、ポリブチレンテフタレート(PBT)を用い、補強板5にはステンレスやFe−Ni合金などの材料を用いる。このように、剛性が向上したハウジング3は、振動などによる外力が印加されても、ハウジング3の変形(共振による振動など)を低減することが可能であり、ハウジング3に接続された実装基板2および、実装基板2に搭載されたゲージセンサ1に伝達される振動を抑えることができ、慣性力センサ装置の出力変動を抑制することが可能となる。
また、ハウジング3の底面部に部分的に凹部11を設けることにより、樹脂厚さ寸法差を縮小させ、ハウジング3の成型後の反りなどの変形を防止ることができ、ハウジング3底面の平坦度を確保することができる。平坦度を確保することによって、センサ取付けによる応力の発生を抑制できることから、ハウジング3に接続された実装基板2および、実装基板2に搭載されたゲージセンサ1に伝達される応力を低減することができ、慣性力センサ装置の出力変動を抑制することが可能となる。また同時に、ハウジング3底面と外部のセンサ取り付け部との間に隙間が発生しにくい構造であるため、センサ取り付け部とハウジング3底面の接触による振動発生および伝達を低減することができる。これによって、外部から振動が印加された場合であっても、慣性力センサ装置の出力変動を抑制することが可能となる。さらに、ハウジング3を形成している樹脂より剛性の高い補強板5をハウジング3底面に設けることにより、ハウジング3底面の剛性を向上することができる。以上述べた本発明の構成によって、外部から振動が印加された場合であっても、ハウジング3の厚さ方向(縦方向)の変形(共振変形)を低減することができ、ハウジング3から実装基板2経由でゲージセンサ1に伝播する振動を抑制することができる。これによって、慣性力センサ装置の出力変動を抑制することが可能となる。
なお、本実施例の慣性力を検出するための半導体素子は、加速度を検出するための機能と、角速度を検出する機能を備え、それらを単独もしくは複合した状態で慣性力センサを構成しても良い。
図5および図6は、それぞれ本発明による慣性力センサ装置の断面模式図である。図5に示す慣性力センサ装置は、実装基板2上面に設けられたアルミワイヤ9全体と、実装基板2の下面を含むハウジング3内部全体をゲル10で充填している。ゲル10を充填することにより、ゲージセンサ1、アルミワイヤ9、および図示されていない実装基板上の電子部品の防水、防塵が可能となり、センサ装置としての信頼性を向上することができる。また、図6に示すように、ゲル10による充填は、ゲージセンサ1およびアルミワイヤ9が配置されている実装基板2の上面に設けた構造であっても差し支えない。
図7は、本発明による慣性力センサ装置の断面模式図である。図7に示すように、補強板5をハウジング3底面(底壁)に加えて、ハウジング側面(側壁)内部にあらかじめ成型時にインサートモールドすることにより備えることにより、振動などによる外力が印加されても、ハウジング3底面(底壁)の変形だけでなく、ハウジング3側面(側壁)の変形も抑制することができ、より過酷な使用環境下で、振動などの外力付加を強く受ける場合などにおいて、慣性力センサ装置の出力変動を抑制することが可能な構造としてもよい。
図8は、本発明による慣性力センサ装置の底面図である。図8に示すように、ハウジング3底面に部分的に設けた凹部11に接着剤6の逃げ溝12を設けることによって、補強板5接着時の接着剤6漏れを防止し、ハウジング3底面の平坦度を確保でき、慣性力センサ装置の出力変動を抑制することが可能な構造としてもよい。
また、慣性力センサ装置の設置場所や使用環境の違いによる振動などの外力付加の大小に応じて、補強板5にハウジング3用樹脂材よりも弾性率が高い例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)などの樹脂材を用いることにより、低コスト化、軽量化、省資源化を図ることが可能な構造としてもよい。
図9は、本発明による補強板表面の構造を示す模式図である。
図10および図11は、それぞれ本発明による慣性力センサ装置の断面模式図である。
補強板5をハウジング3底面(底壁)の凹部11に接着剤6などを用いて接着する場合、または、補強板5ハウジング3側面(側壁)の内部にインサートモールドにより備える場合、図9示すように、補強板5または、補強板5の接着面に、例えば格子状にスリット13を設けておく。これによって、補強板5とハウジング3用樹脂との接着面積が拡大し、両者の接着強度を増加することができる。また、図10や図11に示すように、補強板5のスリット13内部に接着剤6やハウジング3用樹脂が侵入、ハウジング3と補強板5との間にアンカー効果が作用し、両者の接触性をより向上することが可能となる。これによって、ハウジング3から補強板5がはく離することを防止でき、振動耐性の低下やハウジング3割れによる信頼性低下を防ぐことができる。
1・・・ゲージセンサ、2・・・実装基板、3・・・ハウジング、4・・・カバー、5・・・補強板、6・・・接着剤、7・・・コネクタ、8・・・コネクタ端子、9・・・アルミワイヤ、10・・・ゲル、11・・・凹部、12・・・接着剤逃げ溝、13・・・スリット
Claims (9)
- 慣性力を検出するための半導体素子を内部に備えたゲージセンサを搭載した実装基板と、
前記ゲージセンサの出力信号を取り出すコネクタを備え底面部に凹部を設けた前記実装基板が収容されるハウジングと、を有し、
前記凹み部に前記ハウジングよりも高剛性の部材を設けたことを特徴とする慣性力センサ装置。 - 前記高剛性の部材は、前記凹部にはめ込み固定されていることを特徴とする請求項1に記載の慣性力センサ装置。
- 前記高剛性の部材は、前記凹み部に接着固定されていることを特徴とする請求項1に記載の慣性力センサ装置。
- 前記凹部に接着剤の逃げ溝を設けたことを特徴とする請求項3に記載の慣性力センサ装置。
- 前記高剛性の部材は、さらに前記ハウジングの側面に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の慣性力センサ装置。
- 前記高剛性の部材は、金属板であることを特徴とする請求項1乃至5に記載の慣性力センサ装置。
- 前記高剛性の部材は、樹脂板であることを特徴とする請求項1乃至5に記載の慣性力センサ装置。
- 前記高剛性の部材のハウジングと対向する面に複数の凹部を設けたことを特徴とする請求項1乃至7に記載の慣性力センサ装置。
- 前記慣性力を検出する半導体素子は、角速度と加速度とを検出する機能を備えたことを特徴とする請求項1乃至7に記載の慣性力センサ装置。
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JP2019184272A (ja) * | 2018-04-03 | 2019-10-24 | 株式会社デンソー | 位置検出装置 |
JP2020190464A (ja) * | 2019-05-22 | 2020-11-26 | Imv株式会社 | 加速度センサコアユニット、加速度センサを載置する基板のたわみを防止する方法 |
CN112880667A (zh) * | 2019-11-29 | 2021-06-01 | 精工爱普生株式会社 | 传感器单元、电子设备以及移动体 |
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2015
- 2015-10-30 JP JP2015213635A patent/JP2017083361A/ja active Pending
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