JP2004294419A - センサ装置 - Google Patents

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純 大西
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Abstract

【課題】共振の原因となる高周波振動を確実に減衰させ、衝突・振動等を正確に検出することが可能なセンサ装置を提供する。
【解決手段】センシング部の物理的変位に応じて電気信号が出力されるGセンサ2と、そのGセンサ2が搭載される筐体3とを備えたセンサ装置1において、筐体収容部3a内にポッティング剤5が封止され、Gセンサ2がポッティング剤によって覆われているので、共振の原因となる高周波振動が確実に減衰し、Gセンサ2は、共振の影響を受けることなく、衝突、振動の正しい検出出力を行うことができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センシング部の物理的変位に応じて出力される電気信号によって衝突、振動、角速度等を検知可能な電子式センサを搭載したセンサ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両の衝突時にエアバッグの展開を行うために、衝突や振動を検知するための衝突検知センサ装置が車両前部等に搭載されている。そして、従来の衝突検知センサ装置では、例えば、図16に示す衝突検知センサ装置101のように、Gセンサ102を実装したP板(ガラスエポキシ系基板)109を、樹脂製の筐体103のGセンサ収容部103a内にて、筐体103に固定されたコネクタターミナル104にクリンチしてはんだ付けする構造、図17に示す衝突検知センサ装置201のように、P板109を熱かしめすることにより筐体103へ固定する構造、図18に示す衝突検知センサ装置201のように、P板109をネジ締めにより筐体103へ固定する構造等が採用されている。また、Gセンサ102は、図示しないセンシング部の変形や移動等の物理的変位に応じて出力される電気信号によって衝突や振動を検出するように構成されており、構造体であるために必ず共振を発生させる周波数(共振点)が存在している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来構造の衝突検知センサ装置101又は201において、共振の原因となる高周波振動が、P板109によってある程度は減衰されるが、その減衰効果は、P板109の材質、サイズ、剛性、Gセンサ102を含めた重量、及びP板109を筐体103に固定する方法や固定位置によって異なってくる。そして、実際の製品設計においては、P板109の材質、サイズ、剛性、Gセンサ102を含めた重量は、回路規模によって決定され、P板109を筐体103に固定する方法や固定位置は、P板109のサイズによって決定されることになるため、このような構造から得られる高周波振動の減衰効果は成り行き任せとなっていたという問題があった。
【0004】
そして、P板109に実装されたGセンサ102のセンシング部(図示せず)の共振点が筐体103の共振点と重なる場合も想定され、そのような場合には、共振点を含む高周波振動の入力により、筐体103の共振にGセンサ102の共振が重畳し、Gセンサ102は入力Gよりも何倍も大きな検出値を出力することとなり、正しい衝突判定を行うことができない事態も生じうる。
【0005】
また、例えば、図16に示す従来の衝突検知センサ装置101においては、コネクタターミナル104を筐体103側に設けられた筐体103にインサートする時点で型精度分の位置ずれが発生し、さらに、P板109をコネクタターミナル104に組み込む時、組付け性の確保のためにP板109側の取付け孔とコネクタターミナル104との間に必ずガタが存在するので、このガタ分の位置ずれが発生することになる(図16(b)、(c)参照)。例えば、これらの位置ずれによって、車両取付け孔を基準として衝突振動を検知したい方向に対して角度誤差θが存在している場合を考える。図19(a)は水平方向に、図19(b)は上下方向に角度誤差θが存在している場合をそれぞれ表している。ここで、衝突検知センサ装置101に入力される衝突振動をG1、Gセンサ102が実際に検知する衝突振動をそれぞれG2とする。Gセンサ102が衝突検知方向に対しθの角度をもっている場合、Gセンサ102が実際に検知する衝突振動は、G2=G1×Cosθとなるため(図20参照)、Gセンサ102の角度誤差θが大きいほど、衝突検知装置101の衝突検知能力が低下することになる。
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、共振の原因となる高周波振動を確実に減衰させ、正確に衝突・振動等を検知することが可能なセンサ装置を提供することを解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載のセンサ装置は、センシング部の物理的変位に応じて電気信号が出力される電子式センサと、その電子式センサが搭載される筐体とを備えたセンサ装置において、前記電子式センサの少なくとも一部分と前記筐体との間に高周波振動を減衰させる振動減衰部材を設けたことを特徴とする。
【0008】
従って、センシング部の物理的変位に応じて電気信号が出力される電子式センサは高周波帯域(例えば、周波数1kHz以上の帯域)に共振点を有するが、電子式センサの少なくとも一部と筐体との間に設けられた振動減衰部材によって、共振の原因となる高周波振動が確実に減衰するので、センサ装置は、共振の影響を受けることなく、衝突、振動、角速度等の正しい検出出力を行うことができる。
【0009】
また、請求項2に記載のセンサ装置は、前記振動減衰部材が、ポッティング剤からなり、前記電子式センサは、前記ポッティング剤によって覆われたことを特徴とする。
【0010】
従って、電子式センサを覆うポッティング剤によって、共振の原因となる高周波振動が確実に減衰する。さらに、ポッティング剤によって覆われることで電子式センサの気密性が保持され、湿気や腐食の原因を排除することができるという効果も奏される。尚、ポッティング剤としては、例えば、シリコン系ポッティング剤、ウレタン系ポッティング剤等を好適に用いることができる。
【0011】
また、請求項3に記載のセンサ装置は、前記振動減衰部材が、板状若しくはシート状の防振材又は前記電子式センサに成形加工された防振材からなり、前記電子式センサは、前記防振材を介して前記筐体に固定されたことを特徴とする。
【0012】
従って、電子式センサが、板状若しくはシート状の防振材又は前記電子式センサに成形加工された防振材を介して筐体に固定されているため、共振の原因となる高周波振動が防振材によって確実に減衰する。
【0013】
また、請求項4に記載のセンサ装置は、前記振動減衰部材が、前記電子式センサに少なくとも一部が接続され且つ前記筐体に少なくとも他の一部が固定されたバネ性を有するリード部材からなり、そのリード部材と前記電子式センサの質量とからなるバネ−マス系によって高周波振動を減衰させるように構成されたことを特徴とする。
【0014】
従って、電子式センサは、バネ性を有するリード部材の少なくとも一部に接続され、そのリード部材の少なくとも他の一部が筐体に固定されることにより支持されているので、リード部材と電子式センサの質量とからなるバネ−マス系によって、高周波振動を確実に減衰させることができる。
【0015】
また、請求項5に記載のセンサ装置は、前記リード部材が、前記筐体に一体成形されていることを特徴とする。
【0016】
従って、リード部材が筐体に一体成形されることにより、電子式センサが衝突・振動等の検知方向に対して高精度に位置決めされるので、衝突・振動等を正確に検知することができる。
【0017】
また、請求項6に記載のセンサ装置は、前記電子式センサが、検知部、通信部、電源回路等が1パッケージ化されて、前記筐体に直付けされたことを特徴とする。
【0018】
従って、電子式センサが検知部、通信部、電源回路等が1パッケージ化されて、基板を用いることなく筐体に直付けされているため、組付け工数の低減、部品点数の削減によるコストダウンを図ることができる。また、電子式センサが筐体に直付けされることにより振動伝達が直接的となるため、振動減衰部材により高周波振動を減衰させることは極めて重要である。
【0019】
また、請求項7に記載のセンサ装置は、前記電子式センサが基板上に実装され、その基板を介して前記筐体に取付けられたことを特徴とする。
【0020】
従って、基板上に実装された電子式センサと筐体との間に設けられた振動減衰部材によって、共振の原因となる高周波振動が確実に減衰する。
【0021】
また、請求項8に記載のセンサ装置は、前記電子式センサの共振点を含む高周波の振動を減衰させるように、前記振動減衰部材の硬度、誘電正接等の物性値、形状、又は寸法が設定されていることを特徴とする。
【0022】
従って、振動減衰部材の硬度、誘電正接等の物性値、形状、又は寸法を適切に設定することにより、電子式センサの共振点を含む高周波の振動を確実に減衰させることができる。また、筐体の外形寸法、形状等を変更することなく、筐体の振動伝達特性を所望の特性とすることが可能となるため、筐体外形を統一することができ、筐体のコストダウンが図られ、さらに搭載設計の手間が省ける等の効果が奏される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセンサ装置を具体化した衝突検知センサ装置の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0024】
最初に、第一の実施形態の衝突検知センサ装置(以下、センサ装置と称する)1について、図1を参照しつつ説明する。センサ装置1は、Gセンサ2と、筐体3とを主体として構成され、車両の前部等に搭載されて衝突を検知し、エアバッグ制御装置へ衝突検知信号を出力するためのセンサ装置である。
【0025】
Gセンサ2は、図示しないセンシング部(検知部)を備え、加速度(以下、単に”G”とも称する)が入力されると、センシング部に物理的変位(移動、変形等)が生じ、その変位量に応じた電気信号を出力するように構成されている。ここで、Gセンサ2は、全ての範囲の入力Gについて検出可能であることが理想的であるが、実際には、図2に示すように有限のダイナミックレンジ(検出可能な入力Gの範囲)を有しており、ダイナミックレンジを超える入力加速度が印加されると正しく検出することができない。また、Gセンサ2は、構造体であることから必ず共振点(共振周波数とも称する)を有している。よって、入力加速度の中にGセンサ2の共振点周波数成分が含まれていると、Gセンサ2の検知部は、Gセンサ2のダイナミックレンジを超える働きをすることがあり、この時、Gセンサ2は正しい検知ができなくなる。尚、Gセンサ2としては、例えば、センシング部の移動量によって加速度を検出するように構成された櫛歯式のGセンサ等を用いることができる。また、本実施形態のGセンサ2は、検知部、通信部、電源回路等が1パッケージ化されている。
【0026】
筐体3は、Gセンサ2が搭載される樹脂成型部品であり、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、ナイロン樹脂等によって形成される。筐体3には、下面側に開口するGセンサ収容部3aが形成されると共に、Gセンサ2を外部に電気的接続するためのコネクタターミナル4と、車両取付け用のボルトが挿通される円筒状の金属ブッシュ6とが埋設されている。また、コネクタターミナル4の一部はGセンサ収容部3a内にて露出し、Gセンサ2は、Gセンサ収容部3a内でコネクタターミナル4にはんだ付け等により固定されると共に電気的接続が図られている。
【0027】
コネクタターミナル4は、図示しない導体を介して図示しないエアバッグ制御装置に電気的に接続されており、Gセンサ2からの出力信号がエアバッグ制御装置に入力されるようになっている。エアバッグ制御装置は、Gセンサ2からの出力信号に基づいて、図示しないエアバッグの展開制御を行う。
【0028】
さらに、筐体3のGセンサ収容部3a内には、ポッティング剤5が封止されている。すなわち、Gセンサ収容部3aにおいてコネクタターミナル4にはんだ付けされたGセンサ2は、ポッティング剤5によって周囲が覆われ、Gセンサ2と筐体3のGセンサ収容部3aを形成する内壁とによって形成される空間にはポッティング剤5が充填されている。尚、ポッティング剤5としては、例えば、シリコン系ポッティング剤、ウレタン系ポッティング剤等を使用することができる。
【0029】
そして、センサ装置1は、筐体3に埋設された金属ブッシュ6にボルトが挿通され、車両側取付け部に対して締付け固定される。
【0030】
次に、上述した構成を有するセンサ装置1において衝突を検知する場合の各部の作用について図面を参照しつつ説明する。
【0031】
車両の衝突等によってセンサ装置1に入力される振動は、あらゆる周波数成分により構成されている。この周波数成分は、図3に示すように、車両の衝突判定に必要な成分(主に低周波帯域、例えば周波数1kHz未満)と、衝突判定に不要な成分(主に高周波帯域、例えば周波数1kHz以上)とに二分することができる。また、Gセンサ2(より詳細には、センシング部)の共振点は、高周波帯域に属しており、筐体3の共振点はGセンサ2の共振点とは異なる周波数に設定されている(図3では、Gセンサ2の共振点よりも低く設定した例を示す)。尚、衝突判定に必要な周波数帯では、筐体の振動伝達の共振・減衰が無いことが必須条件であり、Gセンサの共振が始まる周波数以上では、Gセンサ2に入力する加速度がGセンサ2の低周波数側の検知に影響ないレベルに減衰していることが必須条件である。また、筐体の共振点はGセンサの共振点よりも低く設定されているため、筐体共振点付近の周波数帯では筐体の共振が生じても構わない。
【0032】
次に、衝突による衝突G振動入力からセンサ出力までの流れについて、図4乃至図6を参照しつつ説明する。衝突G振動は、図6(a)に示すように、低周波振動(太線で示す)に高周波振動(細線で示す)が重畳して構成されている。そして、車両を介してセンサ装置1に振動が伝達されると、図5に示すように、Gセンサ収容部3aに封止されたポッティング剤5によってGセンサ2の共振点を含む高周波の振動が減衰され、図6(b)に示すように、衝突判定に必要な低周波振動のみがGセンサ2に伝達される。そして、図6(c)に示すように、Gセンサ2にダイナミックレンジ内の低周波振動のみが伝達され、Gセンサ2から正しいG検出信号が出力される。これにより、エアバッグ制御装置では正しいG検出信号に基づいて正確に衝突状態を判定し、適切にエアバッグの展開制御を行うことができる。
【0033】
ここで、比較のため、従来のセンサ装置において振動伝達が不適当な場合を図6(d)に示す。図6(d)から明らかなように、高周波振動によりGセンサが共振し、特定周波数の振動が増幅されている。このため、Gセンサのダイナミックレンジを超えた振動が伝達されるため、正しいG検出信号を得ることができなかった。
【0034】
尚、P板(ガラスエポキシ系基板)を用いることなくGセンサ2を筐体3側に固定する本実施形態で採用される構造は、P板を介してGセンサを筐体に固定する構造(図12及び13に示す従来構造)と比較して、筐体からGセンサへの振動伝達がより直接的となるため、上述したようにGセンサ2をポッティング剤5で覆うことにより高周波振動を減衰させることは極めて重要である。
【0035】
さらに、本実施形態によれば、Gセンサ2がポッティング剤5によって覆われることで気密性が保持され、湿気や腐食の原因を排除することができるという効果も奏される。
【0036】
次に、本発明の第二の実施形態の衝突検知センサ装置51について、図7〜10を参照しつつ説明する。尚、第一の実施形態と同一の構成については同一符号を付し、これらについての詳細説明を省略する。
【0037】
前記第一の実施形態では筐体3のセンサ収容部3a内にポッティング剤5を封止することにより高周波振動を減衰させる構造であったが、本実施形態では、ポッティング剤5の封止に代えて、板状若しくはシート状に加工又はGセンサ2に成形加工された防振材55を介してGセンサ2を筐体3に固定することにより高周波振動を減衰させる構造としたものである。
【0038】
すなわち、図7に示すように、筐体3には下向きに開口するセンサ収容部3aが形成され、センサ収容部3a内壁面に、板状又はシート状の防振材55が一の面にて接着固定され、さらに防振材55の反対側の面(図では下面)にGセンサ2が接着固定されている(或いは、Gセンサ2に成形加工された防振材55を筐体3に接着固定してもよい)。防振材55は、高周波振動を減衰可能な弾力性材料からなり、例えば、シリコン系ゴム等を好適に用いることができる。コネクタターミナル4とGセンサ2とは、ワイヤボンディング57によって連結され、電気的接続が図られている。さらに、センサ収容部3aの開口部は、樹脂材料からなる板状のリッド58により塞がれている。
【0039】
本実施形態によれば、Gセンサ2を、防振材55を介して筐体3に固定する構造とすることにより、高周波振動を確実に減衰させ、上述した第一の実施形態と同様の効果を奏することができる(図4〜6参照)。
【0040】
また、本実施形態は、図8に示すように、Gセンサの質量Mと、防振材のバネ定数Kと、防振材の減衰項Cとからなるモデルを想定することが可能であり、防振材55の硬度、誘電正接(Tanδ)等の物性値、厚さ等の寸法、又は形状を適宜変更して防振材のバネ定数及び減衰項を変更することにより、筐体の共振点(共振周波数)や共振ピークを所望の範囲内に設定することが可能である。例えば、図9(a)に示すように、防振材55の硬度を変更することにより、共振点を移動させることができる。すなわち、防振材55の硬度を大きくすると共振点が高くなり(図9(a)では共振点が右に移動)、硬度を小さくすると共振点が低くなる(図9(a)では共振点が左に移動)。また、図9(b)に示すように、防振材55の誘電正接(Tanδ)を大きくすることにより、共振ピークを下げることができる。さらに、図9(c)に示すように、防振材55の厚さを変更することにより、共振点を移動させることができる。従って、本実施形態によれば、図10に示すように、筐体3の外形寸法、形状等を変更することなく、筐体3のG伝達特性を所望の特性とする(すなわち、防振材55を含めた筐体3の共振点をGセンサ2の共振点よりも低い周波数とし、且つ共振ピークを下げる)ことが可能となるため、筐体外形を統一することができ、筐体のコストダウンが図られ、さらに搭載設計の手間が省ける等の利点が得られる。
【0041】
次に、第二の実施形態の変形例について、図11を参照しつつ説明する。前記第二の実施形態では、検知部、通信部、電源回路等が1パッケージ化されたGセンサ2を防振材55に直接、接着固定する構造であったが、本変形例のセンサ装置61では、Gセンサ2をP板(ガラスエポキシ系基板)69上に実装し、筐体3のGセンサ収容部3aの内壁面に防振材55を一の面にて接着固定し、防振材55の反対側の面に、Gセンサ2を実装したP板69を接着固定する構造としたものである。本変形例においても、前記第二の実施形態と同様の効果が奏される。
【0042】
次に、本発明の第三の実施形態の衝突検知センサ装置71について、図12〜14を参照しつつ説明する。尚、前記各実施形態と同一の構成については同一符号を付し、これらについての詳細説明を省略する。
【0043】
前記第二の実施形態では、板状若しくはシート状に加工又はGセンサ2に成形加工された防振材55を介してGセンサ2を筐体3に固定することにより高周波振動を減衰させる構造であったが、本実施形態では、これに代えて、図12に示すように、Gセンサ2に一端が接続され且つ筐体3に他端が固定されたバネ性を有する複数のリード75とGセンサ2の質量とからなるバネ−マス系によって高周波振動を減衰させるように構成したものである。尚、リード75が、本発明のリード部材を構成するものである。
【0044】
すなわち、図12に示すように、衝突検知センサ装置71において、Gセンサ2は、後方側(図12ではGセンサ2の左)に設けられた2本のリード75と前方側(図12ではGセンサ2の右)に設けられた1本のリード75を介して筐体3に取付けられている。リード75は、金属材料からなり、長手方向略中央部にベント部が形成されたバネ性を有する部材である。各リード75の一端は、それぞれろう付け又ははんだ付けによりGセンサ2に接合されている。また、各リード75の他端は、筐体3に一体成形(インサート成形)されることにより、それぞれ筐体3に固定されている。さらに、後方側のリード75は、他端がコネクタターミナル4に溶接にて接合されることにより電気的導通が図られている。従って、Gセンサ2を成形型内で位置決めすることができるので、極めて高精度に位置決めを行うことができる。また、コネクタターミナル4、リード75、Gセンサ2がインサート成形された筐体3は、内部気密性を保持するために、リッド76によって上下が塞がれる構造となっており、リッド76は、筐体3にシール、レーザ溶着等で固定される。
【0045】
ここで、リード75とGセンサ2とは、図13に模式図に示されるバネ−マス系を形成しており、そのバネ−マス系の固有振動数を持つことになる。すなわち、リード75がバネ−マス系におけるバネの役割を果たし、Gセンサ2が質量として作用する。このバネ−マス系の固有振動数fnは、数式1〜4によって導かれる数式5によって表される。尚、lは、両端単純支持のはりの長さを、mは、はりの中央に設けたおもりの質量を、EIは、はりの曲げ剛性(E:弾性係数、I:断面二次モーメント)をそれぞれ表している。
【0046】
すなわち、はり中点のたわみδは、数式1により表される。
【0047】
【数1】
Figure 2004294419
【0048】
数式1の変形により、はりのバネ定数kは、数式2のように表される。
【0049】
【数2】
Figure 2004294419
【0050】
また、はり中点における曲げ変位をxとしたとき、数式3の関係が成立する。
【0051】
【数3】
Figure 2004294419
【0052】
よって、数式3へ数式2を代入することにより、数式4が得られる。
【0053】
【数4】
Figure 2004294419
【0054】
従って、固有振動数fnは、以下の数式5によって求められる。
【0055】
【数5】
Figure 2004294419
【0056】
そして、バネ−マス系の固有振動数fnが上述した数式5によって表されることから、曲げ剛性EIを変更することによって、或いは、Gセンサ2の質量mを変更することによって、固有振動数fnをコントロールすることができる。また、曲げ剛性EIを小さくする方法としては、(1)リード75に弾性係数が小さい材料を使用する、(2)リード75の断面二次モーメントを小さくする(断面形状の変更)、(3)リード75にベントを設ける等が考えられる。
【0057】
ここで、リード75とGセンサ2とからなるバネ−マス系による振動伝達特性は、図14に示すグラフのように表される。バネ−マス系の固有振動数をfnとすると、fn×√2で振動伝達率は必ず1になり、fn×√2よりも大きい周波数では、減衰が始まる。よって、振動減衰させたい周波数をfxとすると、図14にて示すグラフで表される関係(周波数fxで振動伝達率が1未満)となるように、バネ−マス系の固有振動数fnを調整すればよい。
【0058】
さらに、バネ−マス系における振動のQ値を変化させることで、振動減衰量を変化させることも可能である。尚、図14において、実線のグラフはバネ−マス系のQ値が相対的に高い場合であり、破線のグラフはQ値が相対的に低い場合を表している。例えば、図15に示す第三の実施形態の変形例である衝突検知センサ装置71’のように、Gセンサ2が収納される筐体3の内部空間にポッティング剤5を充填することにより、Q値を変化させることができる。尚、図15(a)は、衝突検知センサ装置71’を側方から視た状態を表す概略構成図であり、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。
【0059】
尚、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【0060】
例えば、高周波振動を減衰させる構造は上述した各実施形態の構造に限定されるものではなく、要するに、Gセンサの少なくとも一部と筐体との間に高周波振動を減衰させる振動減衰部材を設ける構造とすればよいのである。
【0061】
また、前記各実施形態では、本発明を加速度や振動を検出するための衝突検知センサ装置に適用した例を示したが、例えば、角速度を検出するためのロールオーバーセンサ、ロールレートセンサ、ヨーレートセンサ等に適用することも可能である。要するに、センシング部の物理的変位に応じて電気信号が出力される電子式センサと、その電子式センサが搭載される筐体とを備えたセンサ装置に本発明を適用することが可能である。
【0062】
また、前記第二の実施形態の変形例ではGセンサ2をP板(ガラスエポキシ系基板)69上に実装したが、セラミック基板上に実装する構成としてもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように本発明のセンサ装置によれば、センシング部の物理的変位に応じて電気信号が出力される電子式センサの少なくとも一部と筐体との間に設けられた振動減衰部材によって、共振の原因となる高周波振動が確実に減衰するので、センサ装置は、共振の影響を受けることなく、衝突、振動、角速度等の正しい検出出力を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態における衝突検知センサ装置を側方から視た状態を表す概略構成図である。
【図2】GセンサのG検出出力特性の一例を示すグラフである。
【図3】Gセンサ及び筐体における振動伝達率と振動周波数との関係を示すグラフである。
【図4】衝突G振動入力からセンサ出力までの流れを示す説明図である。
【図5】ポッティング剤封止前後における筐体の振動伝達特性の変化を示すグラフである。
【図6】(a)は衝突Gの入力波形の一例を示すグラフを、(b)はポッティング剤によって高周波振動が減衰した振動波形の一例を示すグラフを、(c)はGセンサに入力される振動波形の一例を示すグラフを、(d)は従来のセンサ装置において振動伝達が不適当であった場合のGセンサに伝達される振動波形の一例を示すグラフをそれぞれ示している。
【図7】第二の実施形態における衝突検知センサ装置を側方から視た状態を表す概略構成図である。
【図8】Gセンサと防振材とからなるモデルを示す説明図である。
【図9】(a)は防振材の硬度を変化させた場合の筐体の共振点の変化を、(b)は防振材の誘電正接を変化させた場合の筐体の共振ピークの変化を、(c)は防振材の厚さを変化させた場合の筐体の共振点の変化をそれぞれ示すグラフである。
【図10】防振材使用の有無による筐体の振動伝達特性の変化を示すグラフである。
【図11】第二の実施形態の変形例における衝突検知センサ装置を側方から視た状態を表す概略構成図である。
【図12】(a)は、第三の実施形態における衝突検知センサ装置を側方から視た状態を表す概略構成図であり、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。
【図13】リードとGセンサとからなるバネ−マス系を説明するための模式図である。
【図14】リードとGセンサとからなるバネ−マス系の振動伝達特性の一例を示すグラフである。
【図15】(a)は、第三の実施形態の変形例における衝突検知センサ装置を側方から視た状態を表す概略構成図であり、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図16】従来技術における衝突検知センサ装置の一例を示す概略構成図であり、(a)は、衝突検知センサ装置を側方から視た状態を表す概略構成図であり、(b)は(a)におけるC−C線断面図であり、(c)はP板のコネクタターミナル取付け孔付近を示す拡大図である。
【図17】従来技術における衝突検知センサ装置の他の一例を示す概略構成図である。
【図18】従来技術における衝突検知センサ装置のさらに他の一例を示す概略構成図である。
【図19】従来技術の衝突検知センサ装置においてGセンサに取付け角度誤差がある場合を説明する図であり、(a)は水平方向に、(b)は上下方向に角度誤差がある場合をそれぞれ表している。
【図20】Gセンサに取付け角度誤差がある場合において入力される衝突振動と実際に検知される衝突振動との関係を表す図である。
【符号の説明】
1,51,61,71,71’…衝突検知センサ装置(センサ装置)、2…Gセンサ(電子式センサ)、3…筐体、5…ポッティング剤(振動減衰部材)、55…防振材(振動減衰部材)、69…P板(基板)、75…リード(リード部材、振動減衰部材)。

Claims (8)

  1. センシング部の物理的変位に応じて電気信号が出力される電子式センサと、その電子式センサが搭載される筐体とを備えたセンサ装置において、
    前記電子式センサの少なくとも一部と前記筐体との間に高周波振動を減衰させる振動減衰部材を設けたことを特徴とするセンサ装置。
  2. 前記振動減衰部材は、ポッティング剤からなり、
    前記電子式センサは、前記ポッティング剤によって覆われたことを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
  3. 前記振動減衰部材は、板状若しくはシート状の防振材又は前記電子式センサに成形加工された防振材からなり、
    前記電子式センサは、前記防振材を介して前記筐体に固定されたことを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
  4. 前記振動減衰部材は、前記電子式センサに少なくとも一部が接続され且つ前記筐体に少なくとも他の一部が固定されたバネ性を有するリード部材からなり、
    そのリード部材と前記電子式センサの質量とからなるバネ−マス系によって高周波振動を減衰させるように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ装置。
  5. 前記リード部材は、前記筐体に一体成形されていることを特徴とする請求項4に記載のセンサ装置。
  6. 前記電子式センサは、検知部、通信部、電源回路等が1パッケージ化されて、前記筐体に直付けされたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のセンサ装置。
  7. 前記電子式センサは基板上に実装され、その基板を介して前記筐体に取付けられたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のセンサ装置。
  8. 前記電子式センサの共振点を含む高周波の振動を減衰させるように、前記振動減衰部材の硬度、誘電正接等の物性値、形状、又は寸法が設定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のセンサ装置。
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