JP2017083087A - 給湯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】残水の有無を好適に確認することができるとともに、循環ポンプの寿命低下を抑制する給湯機を提供する。
【解決手段】浴槽B内の湯水を循環させる循環回路41〜48と、循環ポンプ9と、循環ポンプ9の回転速度を検出する回転速度検出手段94と、循環ポンプ9を制御する制御手段20と、循環ポンプ9を第1速度指令で回転させ、循環ポンプ9の回転速度が、閾値Pthより大きい場合、循環ポンプ9に通水がないと判定し、循環ポンプ9の回転速度が、閾値Pth以下の場合、循環ポンプ9に通水があると判定する判定手段20と、を備え、制御手段20は、判定手段20が通水がないと判定した場合、循環ポンプ9を第1速度指令よりも低回転で回転する第2速度指令で所定時間回転させ、その後、循環ポンプ9を第1速度指令で回転させ、判定手段20による判定を再度行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、給湯機に関し、特に浴槽内の湯水の有無を判定する機能を有する給湯機に関する。
追焚き機能を有する給湯機が広く普及している。追焚き機能を有する給湯機において、追焚き運転の開始時に、浴槽内に湯水が貯留されているか否かを判定する処理が行われている。従来の給湯機における判定方法としては、循環ポンプを駆動させ、循環回路に設けられた水流スイッチが水流を検知したか否かを判定することにより、浴槽内の湯水の有無を判定している。このような追焚き用循環回路に設けられた水流スイッチは、浴槽内の湯水が通水するため、浴槽内の湯水とともに流入した異物(髪の毛、皮脂、ゴミ等)が付着・堆積し、メンテナンスが必要となることがある。
メンテナンス性の向上や、製造コストを低減することを目的として、水流スイッチレスの給湯機が提案されている。
例えば、特許文献1には、注湯回路から浴槽に供給する湯量を制御する注湯制御手段と、上記浴槽に対して湯水を循環させ得るように設けられた追焚循環回路と、この追焚循環回路内に介装された風呂循環ポンプと、この風呂循環ポンプの回転数を検出する回転数検出センサと、上記注湯制御手段によって上記浴槽に供給された湯量に対する上記回転数検出センサによって検出された回転数の関係を予めメモリ部に記憶させ、このメモリ部に記憶された情報に基づいて上記回転数検出センサによって検出された上記風呂循環ポンプの回転数から上記浴槽の湯水の量を検出する制御装置を備えたことを特徴とする給湯機(請求項1参照)が開示されている。
また、特許文献2には、浴槽内の湯水を追い焚き用熱交換器を経由して循環させる追い焚き循環回路を備え、追い焚き循環回路には風呂ポンプが設けられており、風呂ポンプを作動させて追い焚き循環回路の通水の有無を判定する循環判定を行う風呂装置において、一定の条件の下、注湯動作で所定量の湯水を追い焚き循環回路に供給して、風呂ポンプの電圧値又は回転数の変化の有無を監視することで、浴槽内に湯水が有る状態の風呂ポンプの電圧値と回転数の関係と、浴槽内に湯水が無い状態の風呂ポンプの電圧値と回転数の関係とを区別する認識モードを備え、前記循環判定では、前記認識モードによって区別された風呂ポンプの電圧値と回転数の関係を基準に、追い焚き循環回路における現在の通水の有無を判定するものであり、前記認識モードは、風呂装置の主電源がオンにされ且つ風呂ポンプの初回動作時に実行されるものであり、前記認識モードにおいて、浴槽内に湯水が無い状態の風呂ポンプの電圧値と回転数の関係を記憶した場合は、その時間的前後に発生した認識モードで、浴槽内に湯水が有る状態で風呂装置の主電源がオンにされ且つ風呂ポンプの初回動作が実行されて風呂ポンプの電圧値と回転数の関係を記憶したとしても、循環判定においては、浴槽内に湯水が無い状態で記憶した風呂ポンプの電圧値と回転数の関係を優先することを特徴とする風呂装置(請求項1参照)が開示されている。
特許第5220776号 特許第5534326号
特許文献1及び特許文献2に開示された給湯機(風呂装置)は、循環ポンプを所定の条件で駆動させた際、浴槽内の湯水が循環ポンプを通水するか否かによって循環ポンプの回転速度が異なる、即ち、無通水時には循環ポンプの回転速度が通水時よりも高くなることに基づいて、通水の有無を判断している。
ところで、給湯機が備える循環ポンプの容器や羽根車は、一般的には樹脂でできている。このため、無通水時に循環ポンプが高速で回転し続けると、摺動部で熱が発生し、循環ポンプの寿命が低下するおそれがある。
また、このような通水判定において、判定時間の短縮や、判定性能の向上が求められている。
そこで、本発明は、残水の有無を好適に確認することができるとともに、循環ポンプの寿命低下を抑制する給湯機を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明に係る給湯機は、浴槽内の湯水を循環させる循環回路と、前記循環回路に設けられた循環ポンプと、前記循環ポンプの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記循環ポンプを制御する制御手段と、前記循環ポンプを第1速度指令で回転させ、前記循環ポンプの回転速度が閾値より大きい場合、前記循環ポンプに通水がないと判定し、前記循環ポンプの回転速度が前記閾値以下の場合、前記循環ポンプに通水があると判定する判定手段と、を備え、前記制御手段は、前記判定手段が通水がないと判定した場合、前記循環ポンプを前記第1速度指令よりも低回転で回転する第2速度指令で所定時間回転させ、その後、前記循環ポンプを前記第1速度指令で回転させ、前記判定手段による判定を再度行うことを特徴とする。
本発明によれば、残水の有無を好適に確認することができるとともに、循環ポンプの寿命低下を抑制する給湯機を提供することができる。
本実施形態に係る給湯機の構成図である。 風呂循環ポンプの構成を説明するブロック図である。 本実施形態に係る給湯機の追焚き運転におけるフローチャートである。 風呂循環ポンプのDutyとポンプ回転速度との関係を示したグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
≪給湯機S≫
本実施形態に係る給湯機Sの構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る給湯機Sの構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る給湯機Sは、タンクユニットTUと、ヒートポンプユニットHPUと、リモコンRCと、を備えており、配管41,48で浴槽Bと接続されている。
<タンクユニット>
タンクユニットTUは、タンク1と、ストレーナ2と、減圧弁3と、給湯用混合弁4と、湯張り用混合弁5と、湯張り用開閉弁6と、逆流防止装置7と、循環調整弁8と、風呂循環ポンプ9と、追焚き用熱交換器10と、三方弁11と、排水弁12と、逃し弁13と、逆止弁CV1〜7と、制御部20と、温度センサ21〜30と、フローメータ31,32と、水位センサ33と、を備えている。
タンク1は、ヒートポンプユニットHPUで沸き上げられた高温水を貯留する。なお、タンク1には、タンク1に貯留されている高温水量を検出するための温度センサ21〜26が設けられている。
給水源(水道管)からの水道水は、ストレーナ2、逆止弁CV1を通り、減圧弁3で減圧される。減圧された水道水は、タンク1の下部、逆止弁CV2を介して給湯用混合弁4の第1入口、逆止弁CV3を介して湯張り用混合弁5の第1入口へ供給される。なお、タンクユニットTUに流入する水道水の温度を検出するための温度センサ27が設けられている。
また、タンク1の下部から水道水が供給されることにより、タンク1内に貯留された高温水が押し上げられ、タンク1の上部の配管から流出し、逆止弁CV4を介して給湯用混合弁4の第2入口、逆止弁CV5を介して湯張り用混合弁5の第2入口へ供給される。
給湯用混合弁4は、逆止弁CV2を介して流入した低温水(水道水)と、逆止弁CV4を介して流入した高温水とを、所定の給湯温度となるように混合し、蛇口(図示せず)などの給湯端末(図示せず)に供給する。制御部20は、フローメータ31で給湯端末(図示せず)への給湯を検知する。また、制御部20は、温度センサ27で検出した給湯温度が所定の温度となるように、給湯用混合弁4の開度を制御する。
湯張り用混合弁5は、逆止弁CV3を介して流入した低温水(水道水)と、逆止弁CV5を介して流入した高温水とを、所定の湯張り温度となるように混合し、逆止弁CV6,7を介して、浴槽Bに供給する。湯張り用開閉弁6は、制御部20により弁の開閉が制御され、湯張り運転の指令を受けると湯張り用開閉弁6が開弁し、湯張り運転が終了すると湯張り用開閉弁6が閉弁する。また、制御部20は、フローメータ32で浴槽Bへの湯張りを検知する。また、制御部20は、温度センサ29で検出した湯張り温度が所定の温度となるように、湯張り用混合弁5の開度を制御する。また、制御部20は、水位センサ33で浴槽Bの水位を検知する。
逆流防止装置7は、浴槽B内の湯水が、湯張り用開閉弁6の上流側に逆流することを防止する装置であり、逆流防止装置7の排水口から逆流した湯水を排水する。
図1に示すように、浴槽Bから、配管41、配管42、風呂循環ポンプ9、配管43、循環調整弁8、配管44、追焚き用熱交換器10、配管45、配管47、配管48を通り、再び浴槽Bに戻る追焚き循環回路(循環回路)が設けられている。また、追焚き循環回路(循環回路)は、循環調整弁8で分岐して配管46を通り、配管47と接続するようになっている。
風呂循環ポンプ9は、追焚き循環回路に設けられ、浴槽Bに貯留された湯水を配管41,42を介して吸い上げ、配管44を介して、循環調整弁8へと送る。
循環調整弁8は、入口に配管44が接続され、第1出口に配管44が接続され、第2出口に配管46が接続されている。
追焚き用熱交換器10は、タンク1の内側上部に配置されており、タンク1の上部に貯留された高温水で配管44から流入した湯水を加熱して、配管45へと送る。
配管45から加熱された湯水と、配管46から加熱されていない湯水とを混合し、適温な湯水として、配管47,配管48を介して、浴槽Bに戻すようになっている。制御部20は、温度センサ29で検出した浴槽Bの湯水温度と、温度センサ30で検出した追焚き用熱交換器10で加熱された湯水温度とに基づいて、浴槽Bに戻す湯水が適温となるように循環調整弁8の開度を調整する。
三方弁11は、タンクユニットTUとヒートポンプユニットHPUを接続する配管が凍結することを防止する運転時に使用されるものであり、ヒートポンプユニットHPUで加熱された高温水を再びヒートポンプユニットHPUに戻すことにより、高温水を循環させて配管の凍結を防止する。排水弁12は、手動で開閉する弁であり、メンテナンス時にタンク1内の水を排水する際に使用する排水口と、タンク1内の水を非常用水として使用する際の排水口と、を備えている逃し弁13は、タンク1の耐圧を超えない所定圧になったときに開弁して大気(外気)に開放するようになっている。
<ヒートポンプユニット>
ヒートポンプユニットHPUは、圧縮機51と、液冷媒熱交換器52と、膨張弁53と、空気熱交換器54と、送風ファン55と、循環ポンプ56と、制御部57と、温度センサ58〜60と、を備えている。
ヒートポンプユニットHPUは、タンクユニットTUのタンク1から取り出した水を沸き上げる際や沸き増しの際に用いられるものであり、圧縮機51、液冷媒熱交換器52、膨張弁53、空気熱交換器54からなり冷媒が循環するヒートポンプサイクルを備えている。送風ファン55は、空気熱交換器54に外気を送風し、熱交換を促進させるものである。循環ポンプ56は、タンク1の下部から液冷媒熱交換器52へと接続する管路上に配置されており、タンク1の下部から水を取り出し、液冷媒熱交換器52を通り、タンク1の上部へと戻すことができるようになっている。
制御部57は、タンクユニットTUの制御部20と通信可能に接続されている。例えば、制御部20から沸き上げ運転の指令を受けると、タンク1から液冷媒熱交換器52へ流入する水の温度を計測する温度センサ58と、液冷媒熱交換器52からタンク1へ流入する湯の温度を計測する温度センサ59と、外気温度を計測する温度センサ60とに基づいて、圧縮機51、送風ファン55、および、循環ポンプ56を制御して、タンク1の水を沸き上げる運転を行う。
<リモコン>
リモコンRCは、浴槽Bの近くに設置されるふろリモコンRC1と、給湯端末(図示せず)の近くに設置される台所リモコンRC2と、を備えている。使用者はリモコンRC(RC1,RC2)の操作部(図示せず)を操作することにより、各種の運転を指令したり、給湯温度、湯張り温度、追焚き温度等を設定することができる。
<風呂循環ポンプの回転制御>
本実施形態に係る給湯機Sが備える風呂循環ポンプ9の回転制御について、図2を用いてさらに説明する。図2は、風呂循環ポンプ9の構成を説明するブロック図である。
図2に示すように、風呂循環ポンプ9は、羽根車(図示せず)を回転させるモータ91と、ポンプ制御部92と、モータ駆動回路93と、回転速度検出部94と、を備えている。
風呂循環ポンプ9を駆動させる際、制御部20は、速度指令電圧VSPをポンプ制御部92に出力する。ポンプ制御部92は、速度指令電圧VSPに対応したDuty比のPWM信号をモータ駆動回路93に出力する。モータ駆動回路93は、PWM信号に基づいてモータ91の入力電圧VDを出力する。換言すれば、制御部20は、速度指令電圧VSPを介して、PWM信号のDuty比を制御することができるようになっている。さらに換言すれば、制御部20は、モータ91の入力電圧VDを制御することができるようになっている。
モータ91は、例えばDCモータを用いることができる。モータ駆動回路93から供給された入力電圧VDでモータ91の回転子(図示せず)が回転することにより、風呂循環ポンプ9の羽根車(図示せず)が回転し、風呂循環ポンプ9が駆動する。
回転速度検出部94は、モータ91の回転速度を検出する。換言すれば、風呂循環ポンプ9の回転速度を検出する。検出した回転速度信号は、制御部20に出力されるようになっている。なお、図2においては、風呂循環ポンプ9に回転速度検出部94が内蔵されているものとして図示しているが、これに限られるものではなく、風呂循環ポンプ9とは別に回転速度検出部94が設けられていてもよい。
<追焚き運転における残水チェック処理>
次に、本実施形態に係る給湯機Sが追焚き運転を行う場合を例に、浴槽Bの残水チェック処理について、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る給湯機Sの追焚き運転におけるフローチャートである。例えば、ふろリモコンRC1または台所リモコンRC2で追焚き運転を開始する操作がなされた場合、制御部20は、以下の処理を実施して追焚き運転を行う。
ステップS101において、制御部20は、循環調整弁8の開度を変更する。
ステップS102において、制御部20は、追焚き運転の運転時間hをカウントするタイマーをリセットして、タイマーを起動させる。
ステップS103において、制御部20は、リトライ回数Nをカウントするカウンタをリセット(N=0)する。
ステップS104において、制御部20は、風呂循環ポンプ9のポンプ制御部92に第1速度指令電圧VSP1を出力する。ここで、第1速度指令電圧VSP1とは、後述するステップS111の第2速度指令電圧VSP2よりも高い値であり、詳細は図4を用いて後述する。例えば、第1速度指令電圧VSP1は、Duty=100%となるように運転する速度指令電圧である。
ステップS105において、制御部20は、運転時間hが所定時間h0 以上であるか否かを判定する。運転時間hが所定時間h0 以上である場合(S105・Yes)、制御部20の処理はステップS115に進む。運転時間hが所定時間h0 以上でない場合(S105・No)、制御部20の処理はステップS106に進む。ここで、所定時間h0 とは、残水チェックを行う最大時間であり、この時間を経過しても「残水あり」と判定されなかった場合には「残水なし」と判断するための時間である。例えば、所定時間h0 は、120秒とする。
ステップS106において、制御部20は、回転速度検出部94から風呂循環ポンプ9のポンプ回転速度Pを取得し、取得したポンプ回転速度Pが所定の回転速度閾値Pth以下であるか否かを判定する。ポンプ回転速度Pが回転速度閾値Pth以下である場合(S106・Yes)、制御部20の処理はステップS107に進む。ポンプ回転速度Pが回転速度閾値Pth以下でない場合(S106・No)、制御部20の処理はステップS109に進む。ここで、回転速度閾値Pthとは、浴槽Bに残水があるか否かを判定する閾値である。
ステップS107において、制御部20は、リトライ回数Nをカウントするカウンタをリセット(N=0)する。そして、制御部20の処理はステップS108に進む。
ステップS108において、制御部20は、ポンプ回転速度Pが回転速度閾値Pth以下である状態が連続して1分間以上経過しているか否かを判定する。連続して1分間以上経過している場合(S108・Yes)、制御部20の処理はステップS117に進む。連続して1分間以上経過していない場合(S108・No)、制御部20の処理はステップS105に戻る。なお、1分間とは、連続して通水が検知された場合、浴槽Bに残水があると判断するための閾値の例である。
前述のように、ステップS106においてポンプ回転速度Pが回転速度閾値Pth以下でない場合(S106・No)、制御部20の処理はステップS109に進む。
ステップS109において、制御部20は、リトライ回数Nが4であるか否かを判定する。リトライ回数Nが4である場合(S109・Yes)、制御部20の処理はステップS115に進む。リトライ回数Nが4でない場合(S109・No)、制御部20の処理はステップS110に進む。なお、リトライ回数Nが4回とは、浴槽Bに残水がないと判断するための閾値の例である。
ステップS110において、制御部20は、リトライ回数Nのカウントをインクリメントする(N=N+1)。
ステップS111において、制御部20は、風呂循環ポンプ9のポンプ制御部92に第2速度指令電圧VSP2を出力する。ここで、第2速度指令電圧VSP2とは、前述するステップS104の第1速度指令電圧VSP1よりも低い値であり、詳細は図4を用いて後述する。例えば、第2速度指令電圧VSP2は、Duty=60%となるように運転する指令電圧である。
ステップS112において、制御部20は、待機時間T1 が経過するまで待機する。なお、待機時間T1 と、後述するステップS114の待機時間T2 との和(T1 +T2 )が、ステップS106の判定を繰り返す周期に相当する。例えば、待機時間T1 は、3秒とする。
ステップS113において、制御部20は、風呂循環ポンプ9のポンプ制御部92に第1速度指令電圧VSP1を出力する。
ステップS114において、制御部20は、待機時間T2 が経過するまで待機する。なお、待機時間T2 とは、ステップS113において速度指令電圧を変更したことにより風呂循環ポンプ9の回転速度が変更されるが、変更された風呂循環ポンプ9の回転速度が安定するまでの待機時間である。例えば、待機時間T2 は、2秒とする。
前述のように、ステップS105において、運転時間hが所定時間h0 以上である場合(S105・Yes)、または、ステップS109において、リトライ回数Nが4である場合(S109・Yes)、制御部20の処理はステップS115に進む。
ステップS115において、制御部20は、浴槽Bに残水がないと判定する。そして、ステップS116において、制御部20は、追焚き運転を中止する。
前述のように、ステップS108において、ポンプ回転速度Pが回転速度閾値Pth以下である状態が連続して1分間以上経過している場合(S108・Yes)、制御部20の処理はステップS117に進む。
ステップS117において、制御部20は、浴槽Bに残水があると判定する。そして、ステップS118において、制御部20は、追焚き運転を継続する。
<作用効果>
次に、本実施形態に係る給湯機Sにおける浴槽Bの残水チェック処理について、図3および図4を用いて作用効果について説明する。図4は、風呂循環ポンプ9のDutyとポンプ回転速度との関係を示したグラフである。なお、図4において、残水あり時のポンプ回転速度を実線で示し、残水なし時のポンプ回転速度を破線で示す。
図4に示すように、浴槽Bに残水がない場合(風呂循環ポンプ9に通水がない場合)のポンプ回転速度は、浴槽Bに残水がある場合(風呂循環ポンプ9に通水がある場合)のポンプ回転速度よりも、高くなっている。この関係により、ステップS106において、風呂循環ポンプ9のポンプ回転速度Pと、あらかじめ設定した回転速度閾値Pthとを比較して、風呂循環ポンプ9に通水があるか否かを判定する。
ここで、本実施形態に係る給湯機Sは、ステップS106で判定する際、風呂循環ポンプ9は、第一速度指令電圧VSP1(図3の例ではDuty=100%)に基づいて駆動している(ステップS104,S113参照)。
図4に示すように、Duty比が大きいほど、残水あり時の回転速度と残水なし時の回転速度との差が大きくなるので、ステップS106で判定する前に風呂循環ポンプ9の回転速度を高くすることにより、判定精度が向上する。
なお、第一速度指令電圧Vsp1 に対応するDuty比は、例示したDuty=100%に限られるものではい。第一速度指令電圧Vsp1 (第一速度指令電圧Vsp1 に対応するDuty比、モータ91の入力電圧VD1)は、浴槽Bに残水がない場合のポンプ回転速度P1 と、浴槽Bに残水がある場合のポンプ回転速度P2 との差が大きく、通水の有無が好適に判定できる領域であればよい。
回転速度閾値Pthは、風呂循環ポンプ9を残水ありの状態で第一速度指令電圧Vsp1で駆動した際のポンプ回転速度P2 よりも高く、風呂循環ポンプ9を残水なしの状態で第一速度指令電圧Vsp1で駆動した際のポンプ回転速度P1 よりも低い値に設定する。
また、ステップS106において、風呂循環ポンプ9に通水なしと判定された場合(S106・No)、ステップS111からステップS114の処理を実行することとなるが、待機時間T1の間は、第一速度指令電圧VSP1(図3の例ではDuty=100%)よりも低い第二速度指令電圧Vsp2(図3の例ではDuty=60%)に基づいて風呂循環ポンプ9が駆動される。
これにより、残水なしの状態であっても、風呂循環ポンプ9のポンプ回転速度が高い状態で連続運転することを防止することができるので、風呂循環ポンプ9の摺動部(図示せず)での発熱を抑制し、風呂循環ポンプ9の劣化を抑制することができる。
なお、第二速度指令電圧Vsp2 に対応するDuty比は、例示したDuty=60%に限られるものではい。第二速度指令電圧Vsp2 (第二速度指令電圧Vsp2 に対応するDuty比、モータ91の入力電圧VD2)は、風呂循環ポンプ9を残水なしの状態で第二速度指令電圧Vsp2で駆動した際のポンプ回転速度P3 が、回転速度閾値Pthはよりも低くなる領域(例えば、図4の例では、Duty=74%以下の領域)で設定するのが好ましい。これにより、風呂循環ポンプ9が高回転速度で連続運転されることを防止して発熱を抑制し、風呂循環ポンプ9の劣化を抑制することができる。
さらに、第二速度指令電圧Vsp2 (第二速度指令電圧Vsp2 に対応するDuty比、モータ91の入力電圧VD2)は、風呂循環ポンプ9を残水なしの状態で第二速度指令電圧Vsp2で駆動した際のポンプ回転速度P3 が、風呂循環ポンプ9を残水ありの状態で第一速度指令電圧Vsp1で駆動した際のポンプ回転速度P2 よりも低くなる領域(例えば、図4の例では、Duty=65%以下の領域)で設定するのがより好ましい。これにより、風呂循環ポンプ9の回転速度が、残水ありの状態で駆動している際の回転速度よりも高くなることがないので、より好適に風呂循環ポンプ9の劣化を抑制することができる。
≪変形例≫
なお、本実施形態に係る給湯機Sは、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
図3に示す残水チェック処理は、追焚き運転時に行うものとして説明したが、これに限られるものではなく、他の運転における残水チェック処理に適用してもよい。例えば、湯張り運転開始時に、浴槽Bに残水がないことを確認する処理に適用してもよい。また、湯張り運転時に、所定量の湯水を浴槽Bに供給した後、浴槽Bに残水があることを確認する処理、即ち、浴槽Bの栓がなされており湯水を溜めることができる状態であることを確認する処理に適用してもよい。
また、図3に示す残水チェック処理は、浴槽Bと追焚き用熱交換器10とを循環する循環回路に設けられた風呂循環ポンプ9の制御により浴槽Bの残水をチェックする処理について説明したが、これに限られるものではない。例えば、タンク1と液冷媒熱交換器52とを循環する循環回路に設けられた循環ポンプ56の制御によりタンク1の残水をチェックする処理に適用してもよい。
本実施形態に係る給湯機Sは、タンク1内の湯と、水道水とを混合し、給湯端末に供給する給湯機であるものとして説明したが、これに限られるものではなく、タンク1内の湯と水道からの水道水を熱交換する熱交換器を備え、水道圧で給湯端末に湯を供給する直圧式の給湯機に適用してもよい。
また、図3に示す残水チェック処理は、給湯機に限られるものではなく、他の構成にも適用することができる。例えば、液体を貯留する容器と、該容器から流出し、再び該容器に流入する循環路と、該循環路に配置された循環ポンプと、を備える液体循環装置において、容器内の残水の有無を検査する際の制御に用いることができる。
S 給湯機
TU タンクユニット
HPU ヒートポンプユニット
8 循環調整弁
9 風呂循環ポンプ(循環ポンプ)
10 追焚き用熱交換器
20 制御部(制御手段、判定手段)
41〜48 配管(循環回路)
91 モータ
92 ポンプ制御部(制御手段)
93 モータ駆動回路
94 回転速度検出部(回転速度検出手段)
P、P1、P2、P3 ポンプ回転速度
th 回転速度閾値
SP1 第1速度指令電圧(第1速度指令)
SP2 第2速度指令電圧(第2速度指令)

Claims (5)

  1. 浴槽内の湯水を循環させる循環回路と、
    前記循環回路に設けられた循環ポンプと、
    前記循環ポンプの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記循環ポンプを制御する制御手段と、
    前記循環ポンプを第1速度指令で回転させ、前記循環ポンプの回転速度が閾値より大きい場合、前記循環ポンプに通水がないと判定し、前記循環ポンプの回転速度が前記閾値以下の場合、前記循環ポンプに通水があると判定する判定手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記判定手段が通水がないと判定した場合、
    前記循環ポンプを前記第1速度指令よりも低回転で回転する第2速度指令で所定時間回転させ、
    その後、前記循環ポンプを前記第1速度指令で回転させ、前記判定手段による判定を再度行う
    ことを特徴とする給湯機。
  2. 前記判定手段が前記循環ポンプに通水がないと連続して所定回数判定した場合、
    前記浴槽に残水がないと判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の給湯機。
  3. 前記判定手段が前記循環ポンプに通水があると連続して所定時間判定した場合、
    前記浴槽に残水があると判定する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の給湯機。
  4. 前記循環ポンプに通水がない状態で、前記循環ポンプを前記第2速度指令で回転させた際の回転速度は、前記閾値よりも低い
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の給湯機。
  5. 前記循環ポンプに通水がない状態で、前記循環ポンプを前記第2速度指令で回転させた際の回転速度は、
    前記循環ポンプに通水がある状態で前記第1速度指令で前記循環ポンプを回転させた際の回転速度よりも低い
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の給湯機。
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