JP2017082350A - アクリル繊維含有織編物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、速乾性に優れ、洗濯時の汚れ成分による再汚染が少なく、繰り返し洗濯後の寸法変化が少ない織編物を提供することにある。【解決手段】本発明の織編物は、アクリル繊維及び木綿を含む織編物であって、織編物に対するアクリル繊維の含有量が20〜90質量%、木綿の含有量が10〜80質量%であり、経方向及び緯方向のそれぞれの寸法変化率が10%以下である織編物。本発明の織編物は、ポリエステル繊維の含有量が10%以下であること、再汚染性が4級以上であること、木綿の含有量が50〜80質量%であること、拡散性残留水分率が30%以下であることが好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は速乾性に優れ、洗濯時の汚れ成分による再汚染が少なく、繰り返し洗濯後の寸法変化が少ない織編物に関する。
リネンサプライ製品は工業洗濯により高温での洗濯や蒸気による滅菌処理が行われる。また仕上げには高温のプレス加工を行うことから、これらの処理を繰り返すうちに製品が劣化するため、傷んだ製品の廃棄と新品への入れ替えを行う必要がある。更にホテルやレストラン、医療機関等で使用されるリネンサプライ製品は、傷みだけでなく汚れの付着した製品も廃棄される。
またリネンサプライ業者は製品を繰り返し使用するための耐久性とともに、洗濯や乾燥に要する時間や手間を省くことが可能な製品の要求もある。
これらの用途では木綿またはポリエステル繊維と木綿とから構成される生地が多く使用されている。木綿は肌触りが良く、吸水性が高く、シーツや枕カバー、タオル、テーブルクロス、ナプキン等のリネンサプライ製品に好適な素材である。ポリエステル繊維は強力が強く、取扱い性が容易で、寸法安定性に優れるといった特徴がある。また、木綿及びポリエステル繊維は生産量も多く、市中で安価に手配することが可能であり、生地生産時のコストメリットが大きい。
しかしながら、木綿は洗濯で収縮し、乾燥時間が長く、皺になりやすいといった欠点がある。また、木綿は繰り返し洗濯を行うとゴワゴワ感が生じ風合いが硬くなるといった欠点がある。ポリエステル繊維は高温での洗濯を繰り返すと、加水分解により繊維が劣化するといった欠点がある。更にポリエステル繊維を含む生地は、洗濯により脱落した汚れ成分が生地に再付着しやすく、繰り返し洗濯を行うと徐々に生地が黒ずんでくる(再汚染)といった欠点がある。
前記欠点を解決するために、例えば、特許文献1には、ポリエステル繊維の耐湿熱性を向上させるために、カルボキシル末端基量を制御する方法が開示されている。
しかしながら、このポリエステル繊維は耐湿熱性が向上するものの、再汚染の防止には至っていない。
一方、特許文献2には、風合い面ではアクリル繊維を用いたパイルニット生地からなるシーツが開示されている。この生地は生地裏面に防水を目的としたポリウレタン樹脂フィルムのコーティングがされており、工業洗濯による高温での洗濯や蒸気による滅菌処理には耐えられないものである。
特開2005−194633号公報 特開平10−323372号公報
本発明の目的は、従来技術における問題点を解決するものであり、速乾性に優れ、洗濯時の汚れ成分による再汚染が少なく、繰り返し洗濯後の寸法変化が少ない織編物を提供することにある。
本発明の織編物は、アクリル繊維及び木綿を含む織編物であって、織編物に対するアクリル繊維の含有量が20〜90質量%、木綿の含有量が10〜80質量%であり、経方向及び緯方向のそれぞれの寸法変化率が10%以下である織編物。
本発明の織編物は、ポリエステル繊維の含有量が10%以下であることが好ましい。
本発明の織編物は、再汚染性が4級以上であることが好ましい。
本発明の織編物は、木綿の含有量が50〜80質量%であることが好ましい。
本発明の織編物は、拡散性残留水分率が30%以下であることが好ましい。
本発明の織編物は、前記アクリル繊維が、アクリロニトリル共重合体とセルロースアセテートとの複合繊維であることが好ましい。
本発明の織編物は、前記アクリル繊維の単繊維繊度が1dtex〜3.3dtexであることが好ましい。
本発明の織編物は、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、モラクセラ菌に対する殺菌活性値が0以上であることが好ましい。
本発明の織編物は、アンモニアに対する消臭率が70%以上であることが好ましい。
本発明の織編物は、紡績糸から構成される織編物であって、前記紡績糸は、アクリル繊維、木綿の1つ以上を含有し、紡績糸の糸番手が綿番手で15〜30番であることが好ましい。
本発明のシーツは、前記織編物からなるシーツ。
本発明のタオルは、前記織編物からなるタオル。
本発明のテーブルクロスは、前記織編物からなるテーブルクロス。
本発明の織編物は、工業洗濯での高温での洗濯やプレス加工による劣化が少なく、繰り返し洗濯に耐久性があり、速乾性に優れているため乾燥時間を短縮することが可能であり、洗濯時の汚れ成分の再付着(再汚染)が少ないといった、従来製品が持つ欠点を補うことが出来る。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の織編物は、アクリル繊維と木綿を含む織編物であって、織編物に対するアクリル繊維の含有量が20〜90質量%及び木綿の含有量が10〜80質量%であり、経方向及び緯方向のそれぞれの寸法変化率が10%以下である織編物である。
織編物に対するアクリル繊維の含有量が20質量%以上であれば、寸法変化率が小さくなり易く、良好な吸水速乾性と再汚染防止性が得られる。90質量%以下であれば、木綿を含むことができるので、吸水性及び風合いが良好となる。
この観点より、織編物に対するアクリル繊維の含有量は、25〜70質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。
織編物に対する木綿の含有量が10質量%以上であれば、吸水性及び風合いが良好となるので好ましく、80質量%以下であれば、アクリル繊維を含有でき、再汚染防止性が得られるので好ましい。この観点から、織編物に対する木綿の含有量は、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましい。
アクリル繊維は、アクリルロニトリル共重合体を50質量%以上含むことが好ましい。アクリロニトリル共重合体の含有率が50質量%以上であることで、紡糸安定性や繊維物性の低下を招くことがない。前記アクリルロニトリル共重合体を50質量%以上含む繊維とは、アクリロニトリル共重合体のみからなるアクリル繊維であっても良く、アクリロニトリル共重合体とそれ以外の共重合体とからなる複合繊維であっても良い。
アクリル繊維に占めるアクリロニトリル共重合体の含有量は、繊維物性の低下を少なくする点から60質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
アクリル繊維に含むアクリルニトリル共重体以外のものは、セルロースアセテート、メタクリル酸メチル、ポリウレタン、塩化ビニル等からなる共重合体が挙げられ、アクリロニトリル共重合体と同じ溶剤に溶解可能な共重合体が挙げられる。
また必要に応じて顔料、染料などの着色剤、消臭剤、抗菌剤、抗かび剤などの機能剤、制電剤、平滑剤、増摩剤などの油剤を付与することができる。
本発明におけるアクリロニトリル共重合体はアクリロニトリルおよびこれと共重合可能な不飽和単量体とからなる。このような不飽和単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、もしくはこれらのアルキルエステル類、酢酸ビニル、アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、さらに目的によってはビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、メタリルスルホン酸ソーダ、アリルスルホン酸ソーダ、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸ソーダ、ソディウムパラスルホフェニールメタリルエーテル等のイオン性不飽和単量体を用いることが出来る。
織編物に対するポリエステル繊維の含有量が10質量%以下であることが好ましい。
ポリエステル繊維の含有量が10質量%以下であれば、再汚染が低減でき易くなる。前記含有量は、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。
本発明の織編物は再汚染性が4級以上である。4級以上であることで洗濯時の汚れ成分の再付着による変色を防止できる。
尚、再汚染性に影響を与える因子は明確ではないが、生地と汚れ成分とのイオン性であるとか、電位差も関与していると考えられる。このため、ゼータ電位測定システムを用いてアクリル繊維と木綿繊維からなる生地、ポリエステル繊維と木綿繊維からなる生地、木綿繊維100%からなる生地の3種類の生地の表面ゼータ電位を測定したところ、以下の結果を得た。
アクリル繊維と木綿繊維からなる生地の表面ゼータ電位:−18.22mV
ポリエステル繊維と木綿繊維からなる生地の表面ゼータ電位:−10.12mV
木綿繊維100%からなる生地の表面ゼータ電位:−9.37mV
すなわち、着色汚れを引き起こす汚れ成分がマイナス(−)側の電位を有している場合は、アクリル繊維を含む生地の方がよりマイナス側に位置しており、汚れ成分と反発しあうため洗濯時の再汚染が少ないと推定している。
本発明の織編物は、拡散性残留水分率が30%以下であることが好ましい。拡散性残留水分率が30%以下であることで、洗濯後の乾燥時間を短くすることが出来る。前記観点から拡散性残留水分率が10%以下であることがより好ましい。
本発明の織編物は、前記アクリル繊維が、アクリロニトリル共重合体とセルロースアセテートの複合繊維であることが好ましい。アクリロニトリル共重合体とセルロースアセテートの複合繊維であることで、吸水速乾性や再汚染防止性に加えて、酢酸やイソ吉草酸、ノネナールに対する消臭性を付与することが出来る。
複合繊維におけるセルロースアセテートの含有率は、10〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。
本発明の織編物は、前記アクリル繊維の単繊維繊度が1dtex〜3.3dtexであることが好ましい。単繊維繊度が前記範囲にあることで製品風合いが硬くなりすぎず、また紡績工程通過性も良好とできる。
本発明の織編物は、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、モラクセラ菌に対する殺菌活性値が0以上であることが好ましい。
本発明の織物をシーツ、タオル、テーブルクロスなどに使用した際に、これらの菌の繁殖を防ぎ、清潔に保つことができる。
これらの菌に対する制菌性を得るためには、例えば繊維製造段階で抗菌剤を0.05〜2質量%練り込んだ繊維を使用すれば良い。本発明に使用する抗菌剤としては、無機系(抗菌性ゼオライト)、金属系(銀スルホネート)、有機シリコン第4級アンモニウム塩系、第4級アンモニウム塩系、グアニジン系(グルコン酸ヘキシジウム)、フェノール系、脂肪酸エステル系、銅化合物系、フェニルアミド系、天然物系(キトサン)等の抗菌剤を用いることが出来る。また、制菌性能の耐久性の観点からは、繰り返し洗濯10回後でも殺菌活性値が0以上であることが好ましい。
本発明の織編物は、アンモニアに対する消臭率が70%以上であることが好ましい。アンモニアに対する消臭性を得るためには、例えばTi、Zn、Al、Sn、Si、Fe、Ca、Mg、Ba、Zr等の金属酸化物、これら金属および/または金属酸化物を含む無機化合物を主成分とする微粉末、および水に難溶性の固体酸微粒子等を繊維中に0.5〜5質量%練り込み紡糸すれば良い。
本発明の織編物を構成する糸は、紡績糸から構成されていることが好ましい。前記紡績糸は、アクリル繊維を20〜100質量%含有することが好ましい。本発明では前記紡績糸を織物の場合は経糸または緯糸、あるいは経糸と緯糸の両方に使用する。パイル織物やパイルニットの場合は前記紡績糸をパイル糸として使用することが好ましい。
紡績糸中の前記アクリル繊維の含有率が20質量%以上であることで、良好な吸水速乾性と再汚染防止性が得られる。上記観点から、前記繊維の混率は30〜60質量%が好ましい。
本発明の織編物を構成する糸は、綿番手で15〜30番であることが好ましい。紡績糸の番手を前記範囲とすることで布帛に適度な厚みと強力が付与され、繰り返し洗濯後の寸法変化を少なくすることが出来る。
(再汚染性の評価方法)
1.トリポリリン酸ソーダとラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム各々5g/Lずつを蒸留水に溶かして洗剤濃縮液を調製する。表1に示す合成汚染源を0.75g/L(洗剤液に対して0.075%)少量ずつ濃縮液で分散し、再汚染液を調整する。
2.ラウンドオメーター試験機を用い、試験瓶に上記再汚染液200mlとスチールボール10個を入れ、40±2℃に調熱する。これに5cm×5cmの試験片4枚を入れて密閉し、1時間処理する。
3.試験片を取り出し流水すすぎを行った後、ラウンドオメーターで40℃の温水100mlで10分間処理する。再び試験片を取り出し流水すすぎを行った後、ラウンドオメーターで25℃の水100mlで10分間処理する。試験片を取り出し流水すすぎを2回繰り返した後、タンブラーで乾燥する。
4.汚染用グレースケールにより各試験片の級数を判定し、その平均を再汚染性の値とする。
※合成汚染源:油性汚染剤3に対して乾性汚染剤1の割合で混合調製する。
(拡散性残留水分率の測定方法)
1.20℃×65%RH下の雰囲気中で12時間以上静置した後、10cm×10cmの試験片の質量(W0)を測定する。
2.試験片に0.3gの水を滴下し、20℃×65%RH下の雰囲気中で60分間静置後、試験片の質量(W1)を測定する。
3.残留水分率を下記式より算出する。
残留水分率(%)=(W1−W0)÷0.3×100
4.5回測定し、その平均値を拡散性残留水分率とする。
(寸法変化率の測定方法)
JIS L 1096の寸法変化試験方法により、洗濯処理方法はF−2法の温水温度を80℃とした以外は同様の方法で行い、乾燥方法は高温タンブル乾燥を行った。前記処理を100回繰り返した前後の試験片サイズから寸法変化率を測定した。
3点の試料を測定し、その平均値を寸法変化率とした。
(風合い変化)
前記寸法変化率を測定した試験布と、洗濯処理前のオリジナル生地との風合いを、10名の被験者により評価した。
尚、判定は以下により行った。
○:洗濯を繰り返しても風合い低下が少ないと判定した被験者が7名以上
△:洗濯を繰り返しても風合い低下が少ないと判定した被験者が5〜6名
×:洗濯を繰り返しても風合い低下が少ないと判定した被験者が4名以下
(殺菌活性値の測定方法)
(一社)繊維評価技術協議会のSEK制菌加工マーク(一般用途)の認証基準に準じて試験を行った。試験方法はJIS L 1902の菌液吸収法で行い、培養後の生菌数測定法は混釈平板培養法(コロニー法)を用いた。
(アンモニア消臭率の測定方法)
(一社)繊維評価技術協議会のSEK消臭加工マークの認証基準に準じて試験を行った。
(単繊維繊度)
JIS L 1015の繊度(振動法)により測定した。測定は50本行いその平均値とした。
(紡績糸番手)
JIS L 1095の番手により測定した。測定は20回行いその平均値とした。
(実施例1)
アクリロニトリル93質量%、酢酸ビニル7質量%からなるアクリロニトリル系共重合体をジメチルアセトアミド(以下DMAcという)に溶解し、固形分濃度25質量%の紡糸原液を得た。前記紡糸原液を湿式紡糸法により丸形状の紡糸ノズルから、DMAcの濃度が55質量%、温度が40℃の水溶液である凝固浴に吐出した。引き続き沸水中で溶剤を洗浄した後、延伸倍率5倍で延伸し、油剤を付着させ、150℃の乾熱ローラーで乾燥し、クリンプ付与の仕上げ処理を施したのち、繊維長が38mmになるように切断し、単繊維繊度が1.0dtexのアクリル繊維を得た。
前記アクリル繊維70質量%と、木綿繊維を30質量%の割合で混合し、リング紡績機で紡績し、綿番手が20/1の紡績糸を得た。
次に、レピア織機を使用して、前記紡績糸を緯糸に、経糸に木綿繊維100%からなる綿番手24/1の紡績糸を使用し、経糸密度60本/インチ、緯糸密度60本/インチの平織生地を作製した。目付は131g/mであった。
得られた生地を常法により綿の下晒処理を行った後、上述の評価方法により再汚染性、拡散性残留水分率、寸法変化率の各項目を評価した結果を表2に示す。
(実施例2)
アクリロニトリル93質量%、酢酸ビニル7質量%からなるアクリロニトリル系共重合体をDMAcに溶解し、固形分濃度25質量%の紡糸原液1を得た。これとは別に水酸基の酢酸化度が74%以上、92%未満のセルロースアセテート(株式会社ダイセル製)をDMAcに溶解し、固形分濃度20質量%の紡糸原液2を得た。更に消臭性微粒子として商品名「ミズカナイト」(水澤化学工業株式会社製)をDMAc溶液中にビーズミルを用いて均一分散し、消臭性微粒子の濃度が20質量%のマスターバッチを得た。
前記紡糸原液1と、紡糸原液2と、前記マスターバッチを、各々の固形分濃度がアクリロニトリル系共重合体67質量%、セルロースアセテート29質量%、消臭性微粒子4質量%となるように、ホモミキサーにて十分に撹拌混合し紡糸原液を調製した。
このようにして得た紡糸原液を湿式紡糸法により丸形状の紡糸ノズルから、DMAc濃度が40質量%、温度が40℃の水溶液である凝固浴に吐出した。引き続き沸水中で溶剤を洗浄した後、延伸倍率5倍で延伸し、油剤を付着させ、150℃の乾熱ローラーで乾燥し、クリンプ付与の仕上げ処理を施したのち、繊維長38mmに切断し、単繊維繊度が1.7dtexのアクリル系複合繊維を得た。
前記アクリル系複合繊維70質量%と、木綿繊維を30質量%の割合で混合し、リング紡績機で紡績し、綿番手が20/1の紡績糸を得た。
前記紡績糸を緯糸に使用した他は実施例1と同様にして平織生地を作製した。目付は131g/mであった。
得られた生地を常法により綿の下晒処理を行った後、上述の評価方法により再汚染性、拡散性残留水分率、寸法変化率の各項目を評価した結果を表2に示す。
また、前記生地のアンモニアに対する消臭性を測定した結果を表3に示す。
(比較例1)
単繊維繊度が1.4dtex、繊維長が38mmのポリエステル繊維70質量%と、木綿繊維30質量%からなる綿番手が20/1の紡績糸を緯糸に使用した他は実施例1と同様にして平織生地を作製した。目付は131g/mであった。
得られた生地を常法により綿の下晒処理を行った後、上述の評価方法により再汚染性、拡散性残留水分率、寸法変化率の各項目を評価した結果を表2に示す。
(比較例2)
木綿繊維100%からなる綿番手が20/1の紡績糸を緯糸に使用した他は実施例1と同様にして平織生地を作製した。目付は131g/mであった。
得られた生地を常法により綿の下晒処理を行った後、上述の評価方法により再汚染性、拡散性残留水分率、寸法変化率の各項目を評価した結果を表2に示す。
(実施例3)
抗菌剤として商品名「ゼオミック」(株式会社シナネンゼオミック社製)をDMAc溶液中にビーズミルを用いて均一分散し、消臭性微粒子の濃度が20質量%のマスターバッチを得た。このマスターバッチを実施例1の紡糸原液1に、アクリロニトリル系共重合体と抗菌剤の固形分比率が98.5:1.5となるように、ホモミキサーにて十分に撹拌混合し紡糸原液を調製した。
このようにして得た紡糸原液を、実施例1と同様の方法で紡糸し、単繊維繊度が1.0dtex、繊維長38mmのアクリル繊維を得た。
前記アクリル繊維70質量%と、木綿繊維を30質量%の割合で混合し、リング紡績機で紡績し、綿番手が20/1の紡績糸を得た。
タオル織機を使用して、前記紡績糸を上糸(パイル糸)に、下糸に木綿繊維100質量%からなる綿番手が30/2の紡績糸、緯糸に木綿繊維が100質量%からなる綿番手が20/1の紡績糸を使用し、経糸密度29.5本/インチ、緯糸密度31本/インチのタオル生地を作製した。
得られた生地を常法により綿の下晒処理を行った後、上述の評価方法により再汚染性、拡散性残留水分率、寸法変化率の各項目を評価した結果を表2に示す。
また、前記生地の抗菌性を測定した結果を表4に示す。
(比較例3)
上糸を木綿繊維100%からなる綿番手が20/1とした以外は実施例3と同様にしてタオル生地を作製した。
得られた生地を常法により綿の下晒処理を行った後、上述の評価方法により再汚染性、拡散性残留水分率、寸法変化率の各項目を評価した結果を表2に示す。
本発明のアクリル布帛は繰り返し洗濯における汚れ成分による再汚染が少なく、寸法変化が少ない、リネンサプライ製品等に有用な生地を提供する。

Claims (13)

  1. アクリル繊維及び木綿を含む織編物であって、織編物に対するアクリル繊維の含有量が20〜90質量%、木綿の含有量が10〜80質量%であり、経方向及び緯方向のそれぞれの寸法変化率が10%以下である織編物。
  2. ポリエステル繊維の含有量が10質量%以下である請求項1に記載の織編物。
  3. 再汚染性が4級以上である請求項1または2に記載の織編物。
  4. 木綿の含有量が50〜80質量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の織編物。
  5. 拡散性残留水分率が30%以下である請求項1〜4いずれか一項に記載の織編物。
  6. 前記アクリル繊維が、アクリロニトリル共重合体とセルロースアセテートとの複合繊維である請求項1〜5のいずれか一項に記載の織編物。
  7. 前記アクリル繊維の単繊維繊度が1〜3.3dtexである請求項1〜6のいずれか一項に記載の織編物。
  8. 黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、モラクセラ菌に対する殺菌活性値が0以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載の織編物。
  9. アンモニアに対する消臭率が70%以上である請求項1〜8のいずれか一項に記載の織編物。
  10. 紡績糸から構成される織編物であって、前記紡績糸は、アクリル繊維、木綿の1つ以上を含有し、紡績糸の糸番手が綿番手で15〜30番である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の織編物。
  11. 請求項1〜10に記載の織編物からなるシーツ。
  12. 請求項1〜10に記載の織編物からなるタオル。
  13. 請求項1〜10に記載の織編物からなるテーブルクロス。
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