JP2023137265A - 中綿用親水剤および中綿およびその繊維製品 - Google Patents

中綿用親水剤および中綿およびその繊維製品 Download PDF

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Abstract

【課題】水が内部まで容易に浸透することにより内部まで綺麗に洗濯でき、安全かつ清潔で快適な繊維製品を得ることが可能な、中綿用親水剤および中綿およびその繊維製品を提供する。【解決手段】テレフタル酸および/またはイソフタル酸、低級アルキレングリコールならびにポリアルキレングリコールおよび/またはそのモノエーテルからなり、HLBが5以上のポリエステルポリエーテルブロック共重合体からなることを特徴とする中綿用親水剤を用いて中綿および繊維製品を得る。【選択図】なし

Description

本発明は、水が内部まで容易に浸透することにより内部まで綺麗に洗濯でき、安全かつ清潔で快適な繊維製品を得ることが可能な、中綿用親水剤および中綿およびその繊維製品に関する。
従来、ポリエステル繊維などの合成繊維からなる中綿、および布団などの繊維製品は種々提案されている(例えば、特許文献1、2)。家庭用寝装・インテリア・衣料などの繊維製品は、昨今の新型コロナウイルス流行に伴い、特に安全で清潔ならびに快適性等が求められている。例えば、寝具インテリア類のふとん、枕、クッション(抱き枕含む)、カーペット、寝袋等や、雑貨類のぬいぐるみ、衣料類のダウンジャケット等は大型繊維製品であることが多く、靴下やインナー、スラックスやスカート等の日常的に着用する衣料製品と比べて家庭で、容易に、または頻度高く洗濯することが難しく、それら大型繊維製品には抗菌性、抗ウイルス性、防ダニ性などの機能性が付与されていることが多い。
また最近では、ペット保有者が増え、小型ペットの人気により室内で飼うケースも年々増えており、求められる機能性が多様化されている。さらには、アトピー性を含む皮膚炎や小児喘息などのアレルギー性疾患者数が年々増加傾向にあり、安全かつ清潔ならびに快適な繊維製品に注目が集まってきている。
かかる要求に対して、繊維用機能剤およびその付与方法として、繊維の製糸段階で繊維内部に機能剤を練り込む方法、繊維表面に機能剤を含有する処理剤を付着させる方法等が提案されている。しかしながら、年齢の低い乳幼児には適用できないという問題があった。
また、中綿を充填した各種大型繊維製品は、水となじみにくく、家庭で洗濯しようとしても製品が浮いて洗濯できない、また漏水するという不具合があった。密閉系洗濯の場合は、一見、洗濯されているように見えるものの水が中綿の内部までは十分に浸透せず、洗浄が不十分になるという問題があった。
一方、乳幼児にも使用できる天然繊維志向により好まれる安全な中綿として、羊毛、木綿、羽毛などの天然繊維等があるが、ハウスダスト等によるアレルギー対策として、洗濯や乾燥をする場合、中綿は膨潤・収縮を生じ、また羽毛においては折れたりして吹き出したり、また、嵩がなくなって中綿としての機能を十分に発揮できないなどの問題もあった。
特開2007-125153号公報 特開2014-79367号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、水が内部まで容易に浸透することにより内部まで綺麗に洗濯でき、安全かつ清潔で快適な繊維製品を得ることが可能な、中綿用親水剤および中綿およびその繊維製品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、「テレフタル酸および/またはイソフタル酸、低級アルキレングリコール、ならびにポリアルキレングリコールおよび/またはそのモノエーテルからなり、HLBが5以上のポリエステルポリエーテルブロック共重合体からなることを特徴とする中綿用親水剤。」が提供される。
その際、前記ポリアルキレングリコールの平均分子量が1000~4000であり、前記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体の平均分子量が4000~9000であることが好ましい。
また、本発明によれば、合成繊維を含む中綿であり、前記の親水剤が前記合成繊維に繊維重量に対して0.15~0.80重量%重量%付着してなる中綿が提供される。その際、親水性(沈降法)が20秒以下、かつ繰り返し沈降回数が3回以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の中綿を含み、含水率が500%以上である繊維製品が提供される。その際、繊維製品が、布団、枕、クッション、ぬいぐるみ、ダウンジャケット、寝袋、カーペット、各種パッドからなる群より選択されるいずれかであることが好ましい。
本発明によれば、水が内部まで容易に浸透することにより内部まで綺麗に洗濯でき、安全かつ清潔で快適な繊維製品を得ることが可能な、中綿用親水剤および中綿および繊維製品が得られる。
以下、本発明を実施するための形態を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
まず、本発明の中綿用親水剤(以下、「親水剤」、「繊維用親水剤」ということもある。)は、テレフタル酸および/またはイソフタル酸、低級アルキレングリコール、ならびにポリアルキレングリコールおよび/またはそのモノエーテルからなり、HLBが5以上(好ましくは5~18、さらに好ましくは7~16)のポリエステルポリエーテルブロック共重合体からなる。
ここで、以下グリフィンの式から導かれるHLBが5以上のポリエステルポリエーテル共重合体の親水基としては、カルボキシル基、スルホン酸基およびリン酸基等の酸基、アミノ基やアンモニウム塩、金属錯塩等の塩基性基、水酸基、エチレンオキサイド基等が挙げられ、これら親水基以外の部分は疎水基とみなし、例えば炭素数3以上のアルキレンオキサイド基は疎水基となる。
[グリフィンの式]HLB=(100/5)×親水基重量/(親水基重量+疎水基重量)
繊維用親水剤がノニオン性である場合、HLBは親水基の重量と疎水基の重量をもとにグリフィンの式から得られた計算値をそのままHLBとすることができる。例えば、ノニルフェノールのエチレンオキサイド8モル付加物であるC17O(CO)HのHLBを、グリフィンの式を適用すると、HLB12.3になる。
一方、イオン性の繊維用親水剤の場合、親水基の親水性がノニオン性のものに比べて一般的に大きく、また親水基の種類によって単位重量あたりの親水性の大きさが多様であるが、親水基の親水性がノニオン性のものに比べて大きいイオン性の繊維用親水剤として、HLBが5より大きな数値をとることが可能である。なお、前記HLBは、例えば、「新・界面活性剤入門(藤本武彦著、第4刷、1996年10月、三洋化成工業株式会社発行)」などに記載されている。
前記親水剤において、低級アルキレングリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなどが挙げられる。また、前記で用いられるポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体、ポリプロピレングリコールが例示できる。さらに、前記ポリアルキレングリコールのモノエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の、モノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノフェニルエーテル等があげられる。
ここで、ポリアルキレングリコールとしては平均分子量200~4000のものが好ましい。またポリエステルポリエーテルブロック共重合体としては平均分子量が4000~20000のものが好ましい。中綿を生産する際の開繊(カード)等の工程通過性、中綿およびその繊維製品の洗濯性能にかかわる含水性および洗濯耐久性等を考慮すると、ポリアルキレングリコールは平均分子量1000~4000、またポリエステルポリエーテルブロック共重合体としては平均分子量が4000~10000のものが推奨される。なお、平均分子量は重量平均分子量である。
例えば、テレフタル酸および/またはイソフタル酸、低級アルキレングリコール、ならびにポリアルキレングリコールおよび/またはそのモノエーテルからなるポリエステルポリエーテルブロック共重合体としては、例えば、テレフタル酸-アルキレングリコール-ポリアルキレングリコール、テレフタル酸-イソフタル酸-アルキレングリコール-ポリアルキレングリコール、テレフタル酸-アルキレングルコール-ポリアルキレングリコールモノエーテルなどが挙げられる。その際、前記ポリアルキレングリコールのモノエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の、モノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノフェニルエーテル等があげられる。
本発明の中綿は、合成繊維を含む中綿であり、前記親水剤が前記合成繊維に繊維重量に対して0.15~0.80重量%(より好ましくは0.20~0.60重量%)付着してなる中綿である。
ここで、付着量が0.15重量%未満の場合には、合成繊維の表面に親水性が付与されて、濡れ性能を発現するものの、その繊維からなる中綿によって作られた掛け布団や、枕などの繊維製品は、製品として水が浸透しにくく、製品を容易かつ内部まで綺麗に洗濯できないおそれがある。特に掛け布団(シングル)を例にすると、中綿充填量が1.2~1.5kg充填されている嵩高性のある冬用掛け布団の場合、製品を容易かつ内部まで綺麗に洗濯することが困難になるおそれがある。一方、付着量が0.80重量%超の場合には、付着量の増加に伴い、中綿充填量が1.2~1.5kg充填されている嵩高性のある冬用掛け布団等でも当該製品が水浸透し容易かつ内部まで綺麗に洗濯することが可能であるが、合成繊維原綿の生産工程における処理剤の付着量の生産管理が難しく、安定的な生産性が困難になるおそれがある。
前記中綿において、親水性(沈降法)が20秒以下(より好ましくは0.1~15秒)であることが好ましい。特に、洗濯(JISL0217-103法(平干し、ネット、負荷布使用)10回後において20秒以下(より好ましくは0.1~15秒)であることが好ましい。また、繰り返し沈降回数が3回以上(より好ましくは3~10回)であることが好ましい。
前記親水剤の合成繊維への付与としては、親水剤の乳化安定性、取扱い性等の点で、前記親水剤を重量比80%以上含有した処理剤を、繊維表面に付与することが好ましい。その際、前記親水剤を高分子乳化剤および/または界面活性剤などの処理剤として繊維に付着させることが好ましい。また、処理剤は、親水剤の特性を損なわない限り、静電剤(制電剤)、消泡剤、抗菌剤、変色防止剤など、合成繊維(ポリエステル繊維など)からなる布団などを生産する際の開繊(カード)等の工程通過性、当該中綿としての特性を損なわせないよう添加併用してもよい。
かかる処理剤を合成繊維に付与する方法としては、従来公知の任意の方法を採用することができ、繊維成型後であれば任意に可能である。なかでも、製糸・製綿工程で付与する方法が好ましく、特に延伸工程以降の熱処理前の段階で付与することがより好ましい。
通常の処理方法は、かかる処理剤を延伸後の繊維に浸漬法、オイリングローラー法、スプレー法等によって付与される。
例えば、製綿工程においては、かかる処理剤を付与後、熱処理し、次いで捲縮、任意の短繊維長にカット、次いでエージングされる。なお、カットとエージング工程の順番はどちらが先でも構わず、またエージングは無くても構わない。
また、前記親水剤を含む処理剤を処理し、必要な熱処理を施すが、その前後に、静電剤(制電剤)、消泡剤、抗菌剤、変色防止剤などを処理しても構わない。またその処理方法は、任意の方法でよい。
本発明の中綿において、木綿や羊毛などの天然繊維を合成繊維と混綿してもその効果を有するが、繊維自身が吸水・保水(膨潤)する場合、その吸水率等の高い繊維と混綿された中綿および製品は、洗濯時の水浸透性は阻害されない。一方、洗濯後の脱水において、繊維自身が吸水・保水(膨潤)性が高いと、脱水性に影響を与え、中綿や製品の乾燥特性が低下するおそれがある。すなわち、ゆっくり乾燥したり、生乾き乾燥の場合、繊維上の細菌(黄色ブドウ球菌やモラクセラ菌等)の影響により嫌な臭いを出すおそれもあり、速やかに乾燥する材料の組み合わせ(中綿、側地、ヘムなど備品、企画、デザイン等)による繊維製品である方が好ましく、あるいは乾きやすい条件・環境で乾燥する等の工夫することが好ましい。
本発明において、合成繊維は、紡糸・延伸が可能な繊維形成性ポリマーからなるものであれば特に限定されず、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等を溶融紡糸してなる繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、アクリル繊維、芳香族ポリアミド繊維等の乾式もしくは湿式紡糸してなる繊維の何れであっても構わない。
例えば、布団等の中綿(詰綿)として使用する場合には、軽量性、嵩高性、保温性、通気性、さらには洗濯可能で速乾性等が求められ、それらの観点から特にポリエステル繊維が好ましい。
かかるポリエステル繊維を形成するポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸などのポリエステルや、第3成分を共重合させた共重合ポリエステルなどが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルや、特開2009-091694号公報に記載された、バイオマスすなわち生物由来の物質を原材料として得られたモノマー成分を使用してなるポリエチレンテレフタレートであってもよい。さらには、特開2004-270097号公報や特開2004-211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。
また、前記合成繊維は、例えば長繊維でも短繊維でも、加工糸でも紡績糸でもよいが、特に布団等の中綿(詰綿)として使用する場合には、捲縮された短繊維(原綿)が好ましく、その捲縮特性(捲縮数、捲縮度、残留捲縮度、嵩高性等)やカット長、また繊径(繊度)や断面形状も特に限定する必要はなく、用途に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは単繊維繊度0.5~17dtex(より好ましくは3.0~9.5dtex、特に好ましくは5.0~8.0dtex)、カット長30~76mmの範囲が、汎用性が高く好ましい。
前記の合成繊維において、嵩高性の点で捲縮が付与されていることが好ましい。捲縮付与方法としては、熱収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型にはり合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮を付与するか、または異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与するか、または通常の押し込みクリンパー方式による機械捲縮を付与するなどの種々の方法を用いればよく、嵩高性、製造コスト等の面から機械捲縮を付与するのが最適である。その際、捲縮数としては5個/25.4mm以上(より好ましくは7~15個/2.54cm)が好ましい。該捲縮数が5個/2.54cm未満の場合は、単繊維間の絡合が不足し嵩高性が低下して中綿の保温性が損われるおそれがある。逆に、該捲縮数が15個/2.54cmを越える場合には、単繊維の絡合が大きすぎてカード等の開繊工程で十分な梳綿をなすことができないおそれがある。捲縮率としては15~35%(より好ましくは20~30%)の範囲が好ましい。なお、前記捲縮数、捲縮率はJIS L 1015により測定することができる。
また、前記合成繊維の単繊維断面形状は特に限定されず、丸断面、十断面、H断面、T断面、Y断面、異型多フィン断面、中空断面などいずれでもよい。例えば、中空率が10~50%の中空断面を有すると、優れた保温性が得られ好ましい。また、ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
本発明の繊維製品は、前記の中綿を含む。その際、繊維製品の含水率が500%以上(より好ましくは1000~10000%)であることが好ましい。かかる繊維製品には、布団(座布団、こたつ布団、掛け布団、敷き布団など)、枕、クッション、ぬいぐるみ、ダウンジャケット、中綿入りジャケット、寝袋、カーペット、各種パッド、スポーツウエア、作業衣、防護衣、防寒服、さらにはカーペット、カーテンなどのインテリア用不織布、織編物等が例示される。
本発明の中綿および繊維製品において、合成繊維表面に親水性が付与される。開繊(機械的カード開繊や空気開繊等)が施された中綿であっても、単繊維表面に付着された親水剤の効果により濡れ性が向上し(親水性効果として速く沈降する)、中綿の単繊維間に水を包括しやすくなり、中綿の内部に速やかに水が浸透し保持される。その効果、中綿およびその繊維製品は速やかに水が浸透する特性を有し、家庭用の洗濯機(タテ型洗濯機やドラム型洗濯機等の何れもよいが、特に洗濯が難しいタテ型洗濯機)において、洗濯槽に注水してもオーバーフローや、製品が浮いて洗濯できない等の問題がなく、製品の内部まで水が浸透し、製品の外部のみならず、内部(中綿)までもきれいに洗濯することが可能となる。また5年相当(2回洗濯/年)を目安とした繰り返し洗濯耐久性をも有する。
次に本発明の実施例および比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお。実施中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)平均分子量:平均分子量は重量平均分子量であり、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。
(2)HLB:グリフィンの式、以下より算出した。
HLB=(100/5)×親水基重量/(親水基重量+疎水基重量)
(3)処理剤の付着量(重量%):OPU
処理剤が付着した絶乾後繊維重量と脱脂後の絶乾後繊維重量の比率を算出した。また処理剤(固形分)に含まれる親水剤(固形分)の配合比より、親水剤の付着量を算出した。
(4)親水性(沈降法):JIS L1912 吸水性(吸水時間)に準拠し、所定重量の中綿などの試験片が完全にぬれるまでの時間を、洗濯処理0回、3回および10回後の試験片にておこなった。時間が短いほど親水性がある/浸水しやすい。
尚、この場合の洗濯処理は、JIS L0217-103法(平干し、ネット、負荷布使用)準拠する。
(5)繰り返し親水性(耐久性):JIS L1912 吸水性(吸水時間)に準拠し、所定重量の中綿などの試験片が完全にぬれるまでの時間を計り、脱水・乾燥および絶乾し、所定重量の中綿たなどの試験片が3回繰り返し完全にぬれるまでの時間を測定し、平均を算出した。尚、3回目が60秒以上かかる試験片は、測定不可とした。時間が短いほど親水性がある/浸水しやすい。3回の平均値が算出できるものの方が、耐久親水性(耐久浸水性)がある。
(6)残留水分率:中綿4.0gを乾燥させ20℃×65%RH雰囲気で調湿させ、所定量の水を滴下し、滴下直後および60分毎の重量を秤量し、次式により残留水分率を算出し、乾燥度として傾き(=残留水分率/経過時間)を算出した。傾きが大きいほど速乾性がよい。
残留水分率(%)=(60分毎の水分量(g)/滴下直後の水分量(g))×100
(7)含水率(参考値):JIS L1912 吸水性(吸水時間)に準拠し、所定重量の中綿などの試験片を完全にぬらし重量測定し、ぬらす前後の試験片重量により保水(含水)率を算出する。その後脱水、乾燥・絶乾し、繰り返し含水率試験を行い、N=3の平均値を算出する。含水率が高い方が、水が浸透しやすい。
(8)洗濯方法:JIS L1930 C4Gに準拠し、吊干し乾燥した。
(9)寸法変化:掛け布団(シングルサイズ)をJIS L1909に準拠し、洗濯10回後の繊維製品の寸法変化および中綿偏りの有無を測定した。
(10)家庭洗濯特性:掛け布団(シングルサイズ)を洗濯ネット(ダイヤ(株)製ふくらむ洗濯ネット 特大70)に入れ、家庭用洗濯機(タテ型10kg容量:パナソニック製NA-FA100H5)で洗濯できるかどうか検証した。
なお、家庭用洗濯機のタテ型洗濯機で洗濯可能な繊維製品は、密閉系のドラム型洗濯機で容易に洗濯できることを事前確認しているため、本発明の実施例ではタテ型洗濯機で検証した。
[実施例1]
固有粘度が0.6のポリエチレンテレフタレートを孔径0.3mm、孔数180ホール、錘数24ケを有する紡糸口金から、紡糸温度300℃、吐出量560g/分で溶融押出し、巻取速度1050m/分で紡糸し、70℃の温水中で延伸速度30m/分で延伸倍率2.9倍に、次いで90℃の温水中で延伸倍率150m/分で定倍に延伸した後、シリンダ乾燥を経て、繊維用親水剤(以下、参考1)を含む処理剤のオイルバス(浴)に浸漬処理しクリンパーで絞り、51mmの長さにカットし、170℃乾燥を行い、処理剤(固形分)付着量がOPU0.80%、単繊維繊度が6.6dtex、捲縮数10.5個/2.54cm、捲縮率26%のポリエステル短繊維を得た。
得られた短繊維をポリエステル繊維100%(T100)として、それぞれ洗濯し、洗濯3回後、洗濯10回後の親水性などの評価を行った。
得られたポリエステル繊維100%(T100)を用いて、開繊・クロスレイし中綿として、掛け布団(シングルサイズ:側地はポリエステル繊維100%の帝人フロンティア(株)製マイクロシルスター(TN187H)、中綿充填量1.2kg)を作った。結果を表1に示す。
(参考1)
・ポリエステルポリエーテル共重合体の平均分子量:4900
・ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルの平均分子量、モル数:3000、1
・ポリエチレングリコールモノフェニルエーテル部分の平均分子量:3000
[実施例2]
実施例1において、繊維用親水剤を含む処理剤のオイルバス(浴)に浸漬処理し、クリンパーで絞り圧を変えて、170℃乾燥後の処理剤(固形分)付着量がOPU0.15%とした以外は、同様に処理し評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、繊維用親水剤を以下、参考2とした以外は、同様に処理し評価した。結果を表1に示す。
(参考2)
・ポリエステルポリエーテル共重合体の平均分子量:7700
・ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルの平均分子量、モル数:1000、2
・ポリエチレングリコールモノフェニルエーテル部分の平均分子量:2000
[実施例4]
実施例1において、繊維用親水剤を以下、参考3とした以外は、同様に処理し評価した。結果を表1に示す。
(参考3)
・ポリエステルポリエーテル共重合体の平均分子量:6900
・ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルの平均分子量、モル数:3100、1
・ポリエチレングリコールモノフェニルエーテル部分の平均分子量:3100
[実施例5]
実施例1において、繊維用親水剤を以下、参考4とした以外は、同様に処理し評価した。結果を表1に示す。
(参考4)
・ポリエステルポリエーテル共重合体の平均分子量:9050
・ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルの平均分子量、モル数:3100、2
・ポリエチレングリコールモノフェニルエーテル部分の平均分子量:6200
[比較例1]
実施例1において、繊維用親水剤を以下、参考5とした以外は、同様に処理し評価した。結果を表1に示す。
(参考5)
・ポリエステルポリエーテル共重合体の平均分子量:10000
・ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルの平均分子量、モル数:1000、2
・ポリエチレングリコールモノフェニルエーテル部分の平均分子量:2000
[比較例2]
実施例1において、繊維用親水剤ではなく、繊維用撥水剤(シリコーン系)が含まれた繊維処理剤をオイルバス(浴)に浸漬処理し、クリンパーで絞り圧を変えて、170℃乾燥後の処理剤(固形分)付着量をOPU0.2%とした以外は、同様に処理し評価した。結果を表1に示す。
本発明によれば、水が内部まで容易に浸透することにより内部まで綺麗に洗濯でき、安全かつ清潔で快適な繊維製品を得ることが可能な、中綿用親水剤および中綿およびその繊維製品が得られ、その工業的価値は極めて大である。

Claims (6)

  1. テレフタル酸および/またはイソフタル酸、低級アルキレングリコール、ならびにポリアルキレングリコールおよび/またはそのモノエーテルからなり、HLBが5以上のポリエステルポリエーテルブロック共重合体からなることを特徴とする中綿用親水剤。
  2. 前記ポリアルキレングリコールの平均分子量が1000~4000であり、前記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体の平均分子量が4000~9000である、請求項1記載の中綿用親水剤。
  3. 合成繊維を含む中綿であり、請求項1または請求項2に記載の親水剤が前記合成繊維に繊維重量に対して0.15~0.80重量%付着してなる中綿。
  4. 親水性(沈降法)が20秒以下、かつ繰り返し沈降回数が3回以上である、請求項3に記載の中綿。
  5. 請求項3または請求項4に記載の中綿を含み、含水率が500%以上である繊維製品。
  6. 繊維製品が、布団、枕、クッション、ぬいぐるみ、ダウンジャケット、寝袋、カーペット、各種パッドからなる群より選択されるいずれかである、請求項5に記載の繊維製品。
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