JP2017081269A - 車両運用業務支援システム - Google Patents

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Kazuya Yumikura
和也 弓倉
松本 隆
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Abstract

【課題】ダイヤ乱れが発生した場合に行われる車両運用の変更やそれに伴う検査や清掃等の作業の再計画に要する時間と労力を低減することが可能な車両運用業務支援システムを提供する。【解決手段】入力装置より入力された現在の車両運用の実績情報を前記記憶装置に格納する運用実績情報格納手段と、記憶装置より計画車両運用データおよび現在の車両運用実績情報を読み出して、現在の車両運用を計画車両運用に戻すための運用および検査作業を含む運用計画を作成する運用計画作成手段と、運用計画作成手段により作成された運用計画に基づいて清掃作業計画を作成する機能を有する作業計画作成手段と、運用計画作成手段によって作成された運用計画および作業計画作成手段によって作成された清掃作業計画に基づいて、車両の運用に関する帳票と車両の検査に関する帳票と車両の清掃に関する帳票を作成し出力する機能を有する帳票作成手段とを設けた。【選択図】図2

Description

本発明は、輸送障害が発生した際の運転整理に伴う車両運用の変更を元の計画運用に戻す作業等を支援する車両運用業務支援技術に関する。
鉄道輸送において列車の安全かつ円滑な運行を行うためには、列車ダイヤに電車などの車両(編成)を割り当てて、列車として運転できるように整備されていることが必要である。このような車両の使用計画のことを車両運用といい、おおむね1日周期で作成されている。基本的にはそれぞれの運用は例えば1か月のような期間で循環して繰り返され、定期的に検査等が実施できるように計画されており、計画運用と呼ばれている。
ところが、車両故障や事故、災害などによって、列車運行に乱れが生じた時には、ダイヤを適切に変更して、列車の運行を正常に戻す運転整理が行われる。この運転整理によって車両運用も計画とは大幅に変更になる。変更の仕方によっては、ダイヤ平復が遅れたりダイヤ平復後の運用戻しに手間取るといったことが発生する。
従来、列車運行に乱れが生じた時には、ダイヤを適切に変更して列車の運行を正常な運行に戻す運転整理に関しては、例えば特許文献1に開示されているような発明が提案されているが、運転整理によって車両運用に変更が生じ、そのままでは所定の期日までに実行しなければならない仕業検査や交番検査が実行できなくなるおそれがある。そのため、ダイヤ平復後に、変更された車両運用を計画運用に戻す必要がある。
ダイヤ平復後に、検査予定車両の未入区や車両形式等の違いによる入線不可車両の入線が当日中に発生する場合は、運用担当指令と車両配置区所等(車両基地)の車両区所当直でチェックして、回避するための車両運用変更を輸送指令に依頼していた。1線区に2車種以上存在する線区の場合は、車種を元の計画に戻すための運用変更も必要である。さらに、2箇所以上の車両配置区所等(車両基地)が存在する線区の場合は、それぞれの所属の車両を元の車両配置区所に戻すための運用変更も必要である。また、当日行う車両運用変更の方法としては、区所入区後の差し替え、折返し駅における折返変更、車両交換等がある。なお、「車種」とは一般的には車両の型の相違を意味するが、本明細書では、車両の連結数などの編成形態が異なるもの(例えば5両編成と10両編成)を指す用語として使用する。
特許第4670081号公報
従来、この運用戻しは、もっぱら手作業によって行われており、多大な労力と時間を要するという課題があった。具体的には、運用戻しは、先ず、車両の運用を担う車両配置区所等(車両基地)で、輸送指令からFAXなどにより送付された運転計画書の内容(運転変更指示)を列車ダイヤに記入し、車両の運用、編成を把握することから開始される。その後、車両配置区所は、翌日以降の検査予定等にあわせるため、自区所入区後に車両の差し替えを行うことにより元の月間運用計画へ戻す計画を立てることとなる。なお、「編成」とは複数の車両を連結したものを意味し、それらを区別するために付与されるのが編成番号である。また、「運用」は、編成単位の1日の運行スケジュールで、それらを区別するために付与されるのが運用番号である。
また、上記のような運用管理の他、仕業検査や清掃や給水など周期的に行う必要のある作業も、基本の計画運用で実施が設定されており、ダイヤ乱れに伴う運用変更や臨時の検査や修繕の設定によって計画通りに実施できないことがあり、再設定(再計画)が必要になることがあった。
一方、計画された運用に従った車両の手配は運用担当と呼ばれる部署が、また仕業検査等の検査作業は検査計画担当と呼ばれる部署が、さらに清掃や給水等の作業は清掃等計画担当と呼ばれる部署が、それぞれ行なっていた。そして、従来は、ダイヤ乱れに伴う運用変更があると、上記3つの担当がそれぞれ変更情報を取得して運用表や運用ダイヤを参照しながら状況を把握し、運用担当が再計画したものを、検査計画担当や清掃等計画担当がチェックしながら仕上げていくという作業を行なっていた。そのため、最終的な計画が立案されるまでに非常に長い時間と労力を要していた。また、再計画が確定すると、その内容に従って運用担当が検査計画担当や清掃等計画担当へ渡す変更された運用計画を手書きで作成していたため、帳票類の作成の作業も非常に煩わしいという課題があった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたもので、ダイヤ乱れが発生した場合に行われる車両運用の変更やそれに伴う検査や清掃等の作業の再計画に要する時間と労力を低減することが可能な車両運用業務支援システムを提供することを目的とするものである。
本発明の他の目的は、ダイヤ乱れによる車両運用の変更やそれに伴う検査や清掃等の作業の再計画が行われされた場合における帳票類の作成を自動的に実行することが可能な使い勝手の良い車両運用業務支援システムを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、
演算処理装置および記憶装置と入力装置を備え、前記記憶装置に記憶されている車両運用データに基づいて車両の運用を管理する車両運用業務支援システムにおいて、
前記演算処理装置は、
前記入力装置より入力された現在の車両運用の実績情報を前記記憶装置に格納する運用実績情報格納手段と、
前記記憶装置より計画車両運用データおよび現在の車両運用実績情報を読み出して、現在の車両運用を計画車両運用に戻すための運用および検査作業を含む運用計画を作成する運用計画作成手段と、
前記運用計画作成手段により作成された運用計画に基づいて清掃作業計画を作成する機能を有する作業計画作成手段と、
前記運用計画作成手段によって作成された運用計画および前記作業計画作成手段によって作成された清掃作業計画に基づいて、車両の運用に関する帳票と車両の検査に関する帳票と車両の清掃に関する帳票を作成し出力する機能を有する帳票作成手段と、
を備えるようにしたものである。
上記のような手段によれば、変更された車両運用を計画運用に戻すための運用計画案および清掃作業計画案を自動的に作成して提示するので、複数の部署で重複して行なっていた作業が不要となり、ダイヤ乱れが発生した場合に行われる車両運用の変更やそれに伴う検査や清掃等の作業の再計画に要する時間と労力を大幅に低減することができる。また、従来は人手で作成していた各種帳票を自動的に作成し出力することができ、それによって作業効率を著しく高めることができる。
ここで、望ましくは、
前記運用計画作成手段は、
前記記憶装置より運用表を読み出して、所定の期間内に検査が計画されていない編成を抽出する検査未設定編成抽出手段と、
前記運用表のデータに基づいて、検査作業を実施可能な間合いを抽出する検査間合い抽出手段と、
前記検査間合い抽出手段により抽出された間合いに、前記検査未設定編成抽出手段により抽出された編成の検査作業を割り当てた検査計画を作成し出力する検査計画提案手段と、を備えるようにする。
かかる手段によれば、作成された運用計画の所定期間内に検査が計画されていない編成に対して、設定可能な間合いを見つけて自動的に作業を割り当てて計画を作成し提示するため、計画に要する時間と労力を大幅に低減することができる。
また、望ましくは、
前記運用計画作成手段は、翌日以降の任意の複数日に亘る運用について、現在の車両運用を計画車両運用に戻すための運用整理案を作成するように構成する。
かかる構成によれば、現在の車両運用を計画車両運用に戻すための期間を自由に設定することができ、それによって立案工程の柔軟性が高まり、運用計画案を作成するのに要するトータルの時間を短縮することができる。
また、望ましくは、
前記作業計画作成手段は、前記運用計画作成手段によって作成された運用計画上に設定されている特定の清掃作業を清掃作業計画に割り当てるとともに、基本運用上で前記特定の清掃作業よりも高い頻度で設定されている所定の清掃作業を清掃作業計画に割り当てる機能を有するように構成する。
ここで、「特定の清掃作業」としては全般清掃、計画清掃、汚物抜きの作業が考えられ、「所定の清掃作業」としては簡易清掃、日常清掃、車体洗浄、給水等の作業が考えられる。
かかる構成によれば、運用計画上に設定されている特定の清掃作業と、基本運用上で設定されている所定の清掃作業を、効率よく清掃作業計画に割り当てることができる。
また、望ましくは、前記演算処理装置は、前記入力装置からの作業終了の入力に基づいて、編成ごとに作業実績を前記記憶装置に記憶して管理する作業実績管理手段を備え、
前記作業計画作成手段は、前記記憶装置に記憶されている前記作業実績を参照して前記特定の清掃作業および所定の清掃作業を日数で周期管理し、前記割り当てを決定するように構成する。
かかる構成によれば、回帰日数が決められている作業を日数で周期管理することができるため、所定期間以上にわたって作業が実施されない編成が発生するのを回避することができる。
本発明によれば、ダイヤ乱れが発生した場合に行われる車両運用の変更やそれに伴う検査や清掃等の作業の再計画に要する時間と労力を低減することが可能な車両運用業務支援システムを実現することができる。また、ダイヤ乱れによる車両運用の変更やそれに伴う検査や清掃等の作業の再計画が行われされた場合における帳票類の作成を自動的に実行することが可能な使い勝手の良い車両運用業務支援システムを実現することができるという効果がある。
本実施形態の車両運用業務支援システムを構成する車両運用業務支援装置の一例を示す構成図である。 車両運用業務支援装置の各機能部とデータ記憶部に記憶されている各データとの関連を示す相関図である。 実施形態の車両運用業務支援装置における運用表画面の一例を示す図である。 実施形態の車両運用業務支援装置における運用ダイヤ(山ダイヤ)画面の一例を示す図である。 実施形態の車両運用業務支援装置における運用順序表(横棒ダイヤ)の画面の一例を示す図である。 車両運用業務支援装置の処理実行制御部によって行われる運用戻しの手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態の車両運用業務支援装置において、図3の運用表画面または図4の運用順序表画面で「運用一括入力」機能を選択した際に表示されるダイヤログボックス(サブ画面)の一例を示す図である。 実施形態の車両運用業務支援装置において、図3の運用表画面で「運用作業割当」機能を選択した際に表示されるサブ画面の一例を示す図である。 車両運用業務支援装置の処理実行制御部によって行われる運用整理処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図9の運用整理処理のステップS5で行われる運用整理案作成処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態の車両運用業務支援装置において、図3の運用表画面で「運用整理自動提案」機能を選択した際に表示されるダイヤログボックスの一例を示す図である。 実施形態の車両運用業務支援装置において、図3の運用表画面または図4の運用ダイヤ画面で「作業割当」機能を選択した際に表示されるダイヤログボックスの一例を示す図である。 実施形態の車両運用業務支援装置の作業計画作成部による清掃等の作業を割り当てる作業計画作成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る車両運用業務支援システムの実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の車両運用業務支援システムの一実施例を示す。
車両運用業務支援装置100は、CPU(中央演算処理装置)等の演算処理装置で構成される処理実行制御部110、ROM(リードオンリメモリ)やRAM(ランダムアクセスメモリ)等の記憶装置で構成されるデータ記憶部120、キーボード141やマウス142などの入力操作装置からの入力を処理する入力処理部131、液晶パネル等の表示装置143に画像を表示させる表示処理部132、及びこれらの間でデータの送受信を可能に接続するバス133などからなる。本実施形態では、上記車両運用業務支援装置100と、入力操作装置(141,142)と、表示装置143とによって車両運用業務支援システムが構成されている。
本実施形態では、処理実行制御部110は、車両運用データに基づいて運用表を作成したり変更する機能を有する運用表編集処理部111、運用ダイヤ(山ダイヤ)を作成したり変更する機能を有する運用ダイヤ編集処理部112、運用順序表(横棒ダイヤ)を作成したり変更する機能を有する運用順序表編集処理部113、車両運用を計画運用に戻すための運用整理案および仕業検査や交番検査等の作業計画を作成して提示する機能を有する運用計画作成手段としての運用整理案作成部114、清掃等の作業を割り当てる清掃作業計画を作成する機能を有する作業計画作成部115、作成された清掃作業計画に基づいて各種帳票を作成し出力する機能を有する帳票作成部116、仕業検査や臨時修繕、清掃等の実績を管理する作業実績管理部117などの機能部を備える。
また、データ記憶部120には、上記処理実行制御部110が実行する車両運用整理支援プログラムを格納するプログラム記憶部121、車両運用の基礎となる車両運用データを格納する車両運用データ記憶部122、車両運用データに基づいて生成される運用表データを格納する運用表データ記憶部123、運用表で割り当てられた全般清掃、計画清掃、汚物抜き、簡易清掃、日常清掃、車体洗浄、給水等の作業や仕業検査、臨時修繕等の実績データを格納する作業実績管理データ記憶部124等が設けられている。
ここで、「仕業検査」は、例えば2−6日毎の短い周期で行なわれる検査で、集電装置や台車、ブレーキなど特に運転に必要不可欠な装置の点検を、車両を運用から外さずに行う検査である。また、「交番検査」は、仕業検査よりも長い周期(例えば1か月)で行われるもので、仕業検査と同じく車両を分解せずに行われる検査であるが、仕業検査よりも詳細な検査が行われる。また、「全般清掃」は例えば30日毎の周期で行なわれる大規模な清掃で、「計画清掃」は車両各部位の状態に応じて計画される中規模の清掃、「簡易清掃」は最も簡単な清掃、「日常清掃」は小規模の清掃、「車体洗浄」は車両の外部洗浄である。
特に限定されるものでないが、本実施形態では、全般清掃等各作業に要する時間が例えば作業実績管理データ記憶部124に格納されている
車両運用データは、管理下に置かれている全編成すなわち運用対象の車両基地に属する全編成について、編成単位の1日の運行スケジュール(列車番号、列車種別、行き先、前半運用の列車番号、後半運用の列車番号と、当該列車の駅毎の到着時間、駅出発時間、使用する番線などの情報)を記述したもので、当該車両運用業務支援システムとは別のシステムである車両管理計画システムにより基本運用データが作成され、車両運用データ記憶部122に予め格納される。また、運用の中には、仕業検査や交番検査等の検査作業、簡易清掃、日常清掃、車体洗浄、給水等の作業も割り当てられている。ここで、「編成」とは複数の車両を連結したものを意味し、それらを区別するために付与されるのが編成番号である。また、「列車番号」とは、時刻表(ダイヤ)上で列車を区別するために付与される番号である。車両運用データ記憶部122に記憶される車両運用データには、各編成のローテーションを設定した基本運用データと、日付をつけて使用予定を設定した計画運用データ(当初の運用)と、輸送混乱等による変更運用データとがあり、これらのデータが上書きされることなくそれぞれ記憶される。
図2には、上記各機能部111〜116と、データ記憶部120に記憶されている車両運用データや運用表データ、作業実績データなどのデータとの関連が示されている。
図2に示されているように、本実施形態では、運用表編集処理部111が車両運用データ記憶部122から車両運用データを読み出して運用表データを作成して運用表データ記憶部123に格納する。また、運用ダイヤ編集処理部112が運用表データ記憶部123から運用表データを読み出して運用ダイヤを作成し、運用順序表編集処理部113が運用表データ記憶部123から運用表データを読み出して運用順序表を作成して、表示処理部132が作成された運用ダイヤや運用順序表を表示装置143に表示させる。
また、運用表編集処理部111が車両運用データ記憶部122や運用表データ記憶部123からデータを読み出して図3に示すような運用表を作成し、作成された運用表を表示処理部132が表示装置143に表示させる。さらに、作業計画作成部115が車両運用データ記憶部122や運用表データ記憶部123、作業実績管理データ記憶部124からデータを読み出して入力操作装置141から入力された情報に基いて清掃作業計画を作成し表示装置143に表示させたり運用表データ記憶部123に格納する。また帳票作成部116が運用表データ記憶部123からデータを読み出して加工して帳票を作成し、作業実績管理部117が実施された検査や清掃等の作業の実績を作業実績管理データ記憶部125内に記憶し、管理する。
図3には上記運用表編集処理部111により生成される運用表とこの表を表示する画面の構成例が、また図4には上記運用ダイヤ編集処理部112により生成される運用ダイヤ(山ダイヤ)とこれを表示する画面の構成例が、図5には上記運用順序表編集処理部113により生成される運用順序表(横棒ダイヤ)とこれを表示する画面の構成例が示されている。
図3に示されているように、運用表は、左側の縦の欄に運用対象の編成番号A01,A02,A03……が順に記述され、上側の横の欄に日付が順に記述され、縦欄と横欄の交差する位置(マス目)に運用番号が#1,#2,#3……が記述されている。マス目に六角形の印が付されている運用は、当日に清掃等の作業が設定されていることを意味している。図3は基本となる計画運用表であり、この図から分かるように、運用番号#1,#2,#3……は、各編成に対して例えば1か月のような期間で循環して割り当てられる。
なお、運用表の表示画面の上部には、作業メニュー欄WMCに設けられ、この作業メニュー欄WMCには、「運用ダイヤ」や「運用順序表」など他の表示に切り替えるための「表示切替」ボタンDB、運用グループを切り替えるための「運用グループ切替」ボタンGB、日付を切り替えるための「日付切替」ボタンCB、「運用一括変更」や「作業割当」などの機能を選択するための「機能」ボタンFBが設けられている。
ここで、「運用グループ」とは、所属する車両基地(A車両基地とB車両基地等)や車種(5両編成または10両編成等)によって編成を分類して、グループ分けしたものを意味する。基本設定(計画運用)では、運用グループごとに運用順序が循環設定される。
また、「機能」ボタンFBにより選択可能な機能には、複数の運用の変更を一括で入力するための「運用一括変更」と、列車の運用や検査の割当を設定するための「運用割当」と、清掃等の作業の割当を設定するための「作業割当」等がある。「運用割当」機能では、運用番号の変更の他、仕業検査や交番検査などの検査作業の割当てが可能である。また、「作業割当」機能では、全般清掃、計画清掃、汚物抜き、その他の指定作業(簡易清掃、日常清掃、車体洗浄、給水等)の作業の割当てが可能である。運用や検査の割当を設定する「運用割当」と清掃等の作業の割当を設定する「作業割当」を、「運用作業割当」として1つの機能で実現するように構成しても良い。
図4に示されているように、運用ダイヤ(山ダイヤ)は、縦軸に運用対象路線の駅名を記述し、横軸に時刻をとって1日の全列車の運行スケジュール(行路)を棒線(スジ)で表したものである。
従来の運用ダイヤは、各列車のスジに沿って列車番号のみが表記されていたが、本実施形態では、各列車のスジに沿った列車番号T01U,T02U,T03U……; T01D,T02D,T03D……の他に、各列車のスジの始点と終点すなわち運用開始と運用終了の箇所に、それぞれ運用番号#1,#2,#3……と編成番号A01,A02,A03……が記述されるようになっている。なお、図4において、○印は当該列車が車両配置区所等(車両基地)から行路である線路に出る「出区」を意味し、△は当該列車が行路である線路から車両配置区所等(車両基地)へ入る「入区」を意味している。
このような運用ダイヤを表示することによって、各列車番号と運用および編成との関係を容易に把握することができる。
図5に示されているように、運用順序表(横棒ダイヤ)は、縦軸に運用番号が#1,#2,#3……を記述し、横軸に時刻をとって、運用のつながりを線(サオ)で表したものである。また、各運用#1,#2,#3……に該当させる編成の番号A01,A02,A03……を、運用番号#1,#2,#3……の隣に記載してある。さらに、運用のつながりを示す線(サオ)には、対応する列車番号T11U,T12U,T13U……; T21D,T22D,T23D……が付記してある。このような運用順序表を表示することによって、各運用の相互関係や検査の割り当てを容易に把握することができる。
なお、図5においても、○印は当該列車が「出区」であることを意味し、△は当該列車が「入区」であることを意味している。
前述したように、運用の中には、簡易清掃、日常清掃、車体洗浄、給水等の作業も割り当てられており、図4の運用ダイヤや図5の運用順序表においては、これらの作業が、例えば六角形の印の中に「掃」(区別する場合には、例えば「簡」、「常」、「外」、「給」等)なる文字が付記された記号で表示され、その時間帯でそれらの作業が計画されていることが示されている。
また、運用ダイヤや運用順序表には、各運用に割り当てられた「仕業検査」や「交番検査」が、例えば○印の中に「仕」や「交」なる文字などが付記された記号として表示される。
なお、図3、図4および図5において、作業メニュー欄WMCに設けられている符号DBが付されているボタンは、表示切替ボタンであって、この表示切替ボタンDBをマウス142でクリックすると、「運用表」、「運用ダイヤ」、「運用順序表」の3つの語が列記されたサブ画面が表示され、3つの中から1つを選択してクリックすると、表示装置143に対応する画面が切替え表示されるように構成されている。
また、作業メニュー欄WMCには、「運用グループ切替」ボタンGBが設けられており、「運用グループ切替」ボタンGBをクリックすると複数の「運用グループ」が列記されたサブ画面が表示され、これらの中から1つを選択してクリックすると、表示装置143の表示画面が、選択された運用グループの運用表画面や運用順序表画面に切り替わるように構成されている。
本実施形態の車両運用業務支援装置100の処理実行制御部110には、上述したような機能の他に、変更の入力機能と、検索機能と運用変更機能が設けられている。
このうち、先ず検索機能は、図4に示す運用ダイヤの画面と図5に示す運用順序表の画面において可能である。具体的には、各画面の上部のメニュー欄に、「列番検索」ボタンSB1や「運用検索」ボタンSB2、「編成検索」ボタン(運用ダイヤ上でのみ可)SB3が設けられており、マウス142を操作してこれらのボタンのいずれかにカーソルを合わせて、マウス142の左ボタンをクリックすると、番号を入力するサブ画面が出現するので、キーボード141を使用して、列車番号または運用番号または編成番号を入力する。
すると、図4の運用ダイヤの画面では、例えば選択された番号の「スジ」が太線等で強調表示され、図5の運用順序表の画面では、選択された「列車」または「運用」が一番上に表示されるようなスクロール処理が行われるようになっている。これにより、検索対象の列車や運用の内容をいち早く把握することができる。
上述したように、本実施形態の車両運用業務支援装置は、「運用表」、「運用ダイヤ」、「運用順序表」の3つの画面を選択表示させることができるとともに、「運用ダイヤ」、「運用順序表」の画面において、列車番号や運用番号等を指定して検索し強調表示させる機能が設けられているため、ダイヤ平復後に、変更された車両運用を計画運用に戻す運用戻しを実行するに際して、担当者が現状を迅速かつ正確に把握することができる。
次に、本実施形態の車両運用業務支援システムを利用した運用戻しおよびそれに伴う仕業検査等の検査計画の変更の手順について、図6を用いて説明する。
運用戻しにおいては、先ず乱れたダイヤを回復するために行われた運用変更をシステムに反映するための運用変更入力が行なわれる(ステップS101)。続いて、変更された内容を反映した現状の運用を把握するため運用表や運用ダイヤ、運用順序表を表示させる(ステップS102)。その後、運用戻しのための運用の変更や作業の割り付けを手作業で個別に行う(ステップS103)。
それから、変更された内容の良否を確認するために、システムによるエラーチェックとエラー一覧表の表示が行われる(ステップS104)。ここで、エラーがなければ変更が確定されることとなる(ステップS105→S106)が、通常はエラーが含まれているので、ステップS103へ戻って再度を運用の変更や作業の割り付けを行う。あるいは、ステップS107移行して、システムが有する運用整理自動提案機能を利用した運用整理案の作成(ステップS107)を実行しても良い。
また、手作業による個別の設定(ステップS103)を行う代わりに、ステップS101で運用変更入力を行なった後、いきなりシステムによる運用整理案の作成提案(ステップS101→S107)を実行しても良い。そして、再びステップS104へ戻って、提案された運用整理案に対してエラーチェックとエラー一覧表の表示を行い、上記ループを繰り返すことでエラーのない運用整理案が作成されるようになっている。
なお、ステップS107の運用整理自動提案機能については後に詳しく説明するが、運用整理自動提案では、先ず条件の入力設定が行われる。そのときの条件が、エラーチェック結果に従って入力される。
まず、運用変更機能について説明する。
図7には、「機能」ボタンFBから「運用一括変更」が選択された場合に表示される「運用変更一括入力画面」の一例が示されている。なお、この「運用一括変更」は、運用表画面(図3)の「機能」ボタンFBにより選択されることで有効にされる。
この「運用変更一括入力画面」において、輸送指令からの運転計画書に記載されている内容を見ながら、変更入力欄TLCへ運用の変更を順次入力してから、「登録」ボタンRBをクリックすると変更後の現在の状態(運用実績)がシステムに反映されることとなる。
また、運用や作業の変更は、図3の運用表画面や図5の運用順序表表示画面において、メニュー欄の一番左側の「機能」ボタンFBをクリックすると表示されるサブ画面で、「運用割当」あるいは「作業割当」を選択することで個別に行うことも可能である。
そして、入力された変更の内容(運用や作業)は、運用表データに直ちに反映されるとともに、山ダイヤの画面(図4)、横棒ダイヤの画面(図5)、運用表画面(図3)へも、変更した運用内容を反映し表示可能に構成されている。
次に、運用表画面のメニュー欄の「機能」ボタンFBにより選択可能な、列車の運用および仕業検査等の作業の割当を設定するための「運用作業割当」機能について説明する。
図8には、上記「機能」ボタンFBをクリックすることで表示されるサブ画面において、「運用作業割当」が選択された際に表示されるダイヤログボックスの一例が示されている。
図8に示すように、「運用作業割当」のダイヤログボックスには、日付を指定するための「日付」ボタンDBや、編成番号を指定するための「編成番号」ボタンTB、1日を前半と後半に分けて運用をそれぞれ指定することができる「運用番号1」ボタンUB1および「運用番号2」ボタンUB2が設けられている。
また、チェックマークを付けることで、割り当てを行う作業を選択指定するためのチェックボックスとして、「仕業検査」、「交番検査」の各チェックボックスCB1、CB2が設けられている。さらに、指定された編成に対して、予備運用や休車、工場入場を指定するためのチェックボックスCB4〜CB6が設けられている。
また、ダイヤログボックスの下部には、上記ボタンやチェックボックスで指定した変更内容を確定し記憶させるための「登録」ボタンRBおよび入力した設定を取り消すための「キャンセル」ボタンCANが設けられている。
次に、運用整理案作成部114による運用整理自動提案処理について、図9および図10のフローチャートを用いて説明する。このうち、図9は運用整理自動提案の全体の流れを、図10は図9の中の「運用整理案作成処理」の具体的な手順の一例が示されている。
なお、運用整理案作成部114による運用整理案の作成処理は、図3の運用表画面の作業メニュー欄WMCの左側に設けられている「機能」ボタンFBをマウス142でクリックすると表示されるサブ画面で、「運用整理自動提案」を選択することによって実行される機能である。この「運用整理自動提案」を選択されると、例えば図11に示すような、日付を指定することができる日付指定ボタン(b)や、運用の固定などの条件を設定したり設定済みの仕業検査をクリアしたりするチェックリスト欄CLC、処理を開始させる支持を与える実行ボタン(r)などを含むダイヤログボックスCNBが表示される。
このダイヤログボックスCNBで条件を設定してから実行ボタン(r)をクリックすると、運用整理案作成処理が開始される。なお、この運用整理案作成処理を開始させる前に、図7に示すような運用変更一括入力画面を表示させてこの画面を使用して運用の実績を入力してシステムに現状を反映させる処理(図9のステップS1,S2)が行なわれる。ここで、運用の実績(運用変更)は、ダイヤ乱れが発生した際に正常な列車の運行に戻すために、輸送指令からFAX等で送られて来る複数の手配(運転計画書)に記載されている内容である。
図9のステップS1の「運用変更一括入力画面表示」は、図3の運用表画面の作業メニュー欄WMCの左側に設けられている「機能」ボタンFBをマウス142でクリックすると表示されるサブ画面で、「運用一括入力」を選択することによって表示される。そして、
この「運用変更一括入力画面」(図6参照)において、輸送指令からの運転計画書に記載されている内容を見ながら、変更入力欄TLCへ運用の変更を順次入力してから、「登録」ボタンRBをクリックすると変更後の現在の状態(運用実績)がシステムに反映されることとなる。
その後、処理実行制御部110は、「運用整理自動提案」が選択されたか否か判定し(ステップS3)、選択された(Yes)と判定するとステップS4へ進み、運用表データ(計画運用およびステップS2で入力された実績データ)を記憶部120から読み出した後、運用整理案作成部114による運用整理案の作成処理(ステップS5)を実行する。このとき、ダイヤログボックスCNBの表示は、図11(B)のように変わる。
そして、作成した運用整理案を反映した運用表(図3)を表示する(ステップS6)。このとき表示する運用整理案は、完璧なものでなく仕業検査の割当等が決まっていない状態のものでよい。なお、未決定あるいは矛盾(不整合)等がある場合には、それが分かるように例えば色を変えたり所定のマークを付記したりするなどの処理をして表示する。
ステップS6の後、条件の変更および実行ボタン(r)のクリックが行なわれたか否か判定し(ステップS7)、条件の変更および実行ボタン(r)のクリックが行なわれなかった場合(ステップS7:No)は、ステップS5へ戻って上記処理を繰り返す。一方、ステップS7で、「Yes」と判定した時は、ステップS8へ進んで、「確定」ボタン(s)または「破棄」ボタン(t)がクリックされたか判定し、「確定」ボタン(s)がクリックされた場合には、作成された運用整理案のデータを記憶部120に記憶する(ステップS9)。また、「破棄」ボタン(t)がクリックされた場合には、作成された運用整理案のデータを破棄して終了する(ステップS10)。
図10には、図9のステップS5の「運用整理案の作成処理」の具体的な手順が示されている。この「運用整理案の作成処理」では、先ず、図11のダイヤログボックスCNBのチェックリスト欄CLCで、運用を戻す範囲日数や仕業検査を割り当てるか否か、交番検査を割り当てるか否かなど、運用整理案作成実行の条件を設定する(ステップS51)。条件設定後、実行ボタン(r)がクリックされると、チェックリスト欄CLCの「運用固定」チェックボックス(e)にチェックマーク「v」が付されている場合には、交番検査を計画しているなどの制約から運用を変えられないものを固定する(ステップS52)。
次に、チェックリスト欄CLCの「仕業検査クリア」チェックボックス(j)にチェックマークが付されていると、その時点で設定されている仕業検査計画を一旦破棄する(ステップS53)。これにより、運用整理の際の制約を緩めることができる。
続いて、チェックリスト欄CLCの「運用割当て提案」チェックボックス(k)にチェックマークが付されていると、自由度の低いものから順に運用を割り当てて行く処理を行なう(ステップS54)。具体的には、例えば先ず自由度の低い滞泊運用の割り当てを行い、次に自由度の高い日帰り運用の割り当てを行う。また、夜間の滞泊時間帯に同じ車両基地に存在する編成の翌日の運用を交換することを優先して判断し、次に昼間の同じ時間帯に同じ場所(車両基地,留置線)に存在する編成の運用の交換(差し替え)を判断する。
その後、所定仕業検査設定を意味する「所定」チェックボックス(o)にチェックマークが付されていると、仕業検査計画の基本設定すなわち所定(基本運用)で仕業検査可能なすべての運用に対して仕業検査の設定を行う(ステップS55)。それから、所定仕業検査以外の仕業検査設定を意味する「その他」チェックボックス(p)にチェックマークが付されていると、所定仕業検査が設定されている編成以外で仕業検査の回帰エラーが発生している編成に対して、入区から出区までの間合い時間を見て、可能な間合いに対して仕業検査を割り当てる処理を行う(ステップS56)。続いて、未決定あるいは矛盾(不整合)した項目がないかチェックし、あればそれらを抽出してエラー一覧を作成するとともに、一覧表の当該エラー表示の箇所の色を変えたり、図3の運用表において該当箇所にアンダーラインを付記するなど注意喚起(ワーニング)の表示をさせる(ステップS57)。
なお、上記各ステップS51〜S56は、それぞれ対応するチェックボックスのチェックを外すことで飛ばすことができる。また、ステップS57で作成したエラー一覧表は、図3の運用表表示画面において、作業メニュー欄の「機能」ボタンFBをクリックして機能を表示させ、「エラー一覧表示」を選択することで表示させることができる。
従って、「所定仕業検査設定」チェックボックス(o)にチェックマークを付さずに運用整理案作成処理を実行すると、仕業検査計画の基本設定すなわち所定(基本運用)で仕業検査の設定がなされていない場合、注意喚起(ワーニング)の表示がされることとなる。
以上の説明から、本実施形態における運用整理案作成処理は逐次型の処理であることが分かる。そして、このような逐次型の運用整理案作成処理を実行することによって、完成度の高い運用整理案を1回の処理で提案する方法に比べて、装置の負担を減らすことができ、処理速度の遅いCPUであっても比較的短い時間で、満足できる運用整理案を提案することができる。また、エラー一覧を表示させることができるため、エラーを考慮して条件を設定して再度提案処理を実行させることで、見落としのない運用整理案を得ることができる。
次に、運用表画面や運用ダイヤ画面のメニュー欄の「機能」ボタンFBにより選択可能な、清掃等の作業の割当を設定するための「作業割当」機能について説明する。
図12には、上記「機能」ボタンFBをクリックすることで表示されるサブ画面において、「作業割当」が選択された際に表示されるダイヤログボックスの一例が示されている。
図12に示すように、「作業割当」のダイヤログボックスには、日付を指定するための「日付」ボタンDBや、運用番号を指定するためのコンボボックスからなる「運用番号」ボタンUB、列車番号を指定するための「列車番号」ボタンTBが設けられている。また、本実施形態では、運用ダイヤ画面において設定したい列車スジをクリックすると、上記「運用番号」コンボボックスUBと「列車番号」TBに、自動的に運用番号と列車番号が入力されるように構成されている。
また、「作業割当」のダイヤログボックスには、チェックマークを付けることで、割り当てを行う作業を選択指定するためのチェックボックスとして、「全般清掃」、「計画清掃」、「汚物抜き」の各チェックボックスCB1〜CB3が設けられている。さらに、簡易清掃等他の作業の割当ての選択を行えるようにするために、「その他指定作業」の選択ボタンSB1,SB2が設けられている。この「その他指定作業」の選択ボタンSB1,SB2をクリックすると、簡易清掃、日常清掃、車体洗浄、給水等の作業がリストで表示されるので、それらの中から設定したい作業を選択することによって割当てを行うことができる。
また、ダイヤログボックスの下部には、上記ボタンやチェックボックスで指定した変更内容を確定し記憶させるための「登録」ボタンRBおよび入力した設定を取り消すための「キャンセル」ボタンCANが設けられている。
次に、前記作業計画作成部115による清掃等の作業計画の作成処理の詳細について、図13のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、この作業計画作成処理が開始される前に、図7の「運用変更一括入力画面」を用いて、その時点における運用変更が入力されて、基本運用が変更されているものとする。
清掃等の作業計画の作成処理は、前述したように、図3の運用表画面のメニュー欄の「機能」ボタンFBにより「作業割当」を選択することで開始され、先ず図12に示す「作業割当」のダイヤログボックスを表示する(ステップS11)。そして、作業者がこのダイヤログボックスの日付ボタンDBをクリックして、計画を立てたい日を選択する(ステップS12)。
すると、作業計画作成部(CPU)115は、基本計画から変更された計画上の選択された日に設定されている全般清掃、計画清掃、汚物抜きの各作業を自動で割り当てる処理を行なう(ステップS13)。具体的には、それぞれ作業を実施可能な場所(車両基地や駅等)が決まっているので、計画上の各作業を実施可能な場所に割り当てて行くとともに、運用表の対応する運用に作業のマーク(六角形と「全」や「計」などの文字)を付記して表示する。また、自動割当の際に、作業計画作成部115は、全般清掃は回帰日数で実施時期を周期管理し、汚物抜きは車両の走行距離で管理して、割り当てを決定する。
車両はほとんど野外で留置または走行されるため走行距離に関係なく汚れが発生するので、全般清掃は日数で管理するのが妥当であるのに対し、汚物は日数よりも走行時間(走行距離)で量が決まることが多い。そのため、上述したように汚物抜き作業は走行距離で管理することで、過剰な作業計画による無駄なコストの発生を抑制しつつ、実情に合った適切な間隔で作業を実施することができる。ただし、汚物抜き作業も回帰日数で実施時期を周期管理するようにしてもよい。
また、本実施形態では、作業が完了すると作業終了が車両運用業務支援装置100に入力され、作業実績管理部117が作業実績管理データ記憶部124を更新するため、上記のような周期管理を正確に行うことができる。ただし、上記ステップS13で割り当てが決定されると、自動的に実績としてカウントするようにしても良い。これにより、煩わしい作業終了の入力を省略することができる。
なお、走行距離は、計器による実測値ではなく、運用表の運用から走行区間や経路が分かれば、予め駅間のキロ程は分かっているので、計算によって求めることができる。また、ステップS13で、簡易清掃、日常清掃、車体洗浄、給水等の作業が自動割り当てされないのは、これらの作業は基本運用で余裕をもって幾つも設定されていて自由度が高いためである。
作業計画作成部115は、ステップS13の処理で複数の候補が存在する場合には、あえて割り当ての決定はせずにステップS14へ進み、運用表で間合い(作業実施可能な場所での停車時間)を認識して、各間合いにおいて全般清掃、計画清掃、汚物抜きの作業が可能な複数の編成を表示する。
そして、作業者が、表示されている編成の中から作業を実施したい編成を選択し、割り当てを行う。具体的には、図12のダイヤログボックスで、コンボボックスからなる「運用番号」ボックスUBと「列車番号」ボックスTBを用いて、運用番号と列車番号を選択もしくは入力し、全般清掃、計画清掃、汚物抜きの作業のチェックボックスCB1〜CB3にチェックを入れることで選択、割当てを行う。このように選択が可能であることにより、作業現場の担当者からの要望を加味した割当てを行うことができる。
上記処理により、計画上の全般清掃、計画清掃、汚物抜きの作業の割当てが終了すると、ステップS16へ進み、基本運用で設定されている簡易清掃、日常清掃、車体洗浄、給水等の作業を自動で割り当てられるとともに、運用表の対応する運用に作業のマーク(六角形と文字等)を付記して表示する。なお、マークは同一とし、マークの表示色を変えることで、作業を区別するようにしてもよい。
ステップS16における簡易清掃、日常清掃、車体洗浄、給水等の作業の割当てに際しては、全般清掃、計画清掃、汚物抜きの作業と同じタイミングで行える作業は、ステップS13で既に設定されている編成対して、車体洗浄、給水等の作業が重複して割り当てられ、全般清掃、計画清掃、汚物抜きの作業と同じタイミングで行えない作業に関しては、ステップS13で既に設定されている編成に対して割り当てられない。簡易清掃、日常清掃、車体洗浄、給水等の作業は前述したように余裕をもって複数設定されているため、全般清掃、計画清掃、汚物抜きの作業の設定で、基本運用で設定されているところで設定が行えなくなったとしても大きな支障は生じない。
その後、ステップS17へ進み、作業計画内容が確定(登録ボタンRBがクリック)されたか否かの判定をする。ここで、作業計画内容が確定していない(No)と判定すると、ステップS12へ戻り、作業計画内容が確定した(Yes)と判定すると、ステップS18へ進み、当該作業計画内容を運用表データ記憶部123に格納(登録)する。続いて、帳票の作成要求があったか否かの判定し、帳票作成要求があった(Yes)と判定すると、ステップS20へ進み、指定場所および指定日の実施すべき作業と対象編成の一覧を記載した帳票(作業発注書、作業管理表等)を作成し、出力する。また、ステップS19で、帳票作成要求がなかったときはそのまま処理を終了する。
以上の説明から、本実施形態における清掃等の作業計画作成処理は逐次型の処理であることが分かる。そして、このような逐次型の清掃等の作業計画作成処理を実行することによって、完成度の高い清掃作業計画案を一発で提案する方法に比べて、装置の負担を減らすことができ、処理速度の遅いCPUであっても比較的短い時間で、満足できる運用整理案を提案することができる。また、作業計画作成部115にエラーチェック機能を持たせて、ステップS15で作業者が選択した編成が、指定された作業を行えないところに設定されていないかチェックをして、設定エラーがあった場合には、例えば図12の画面のコメント欄に、エラーを表示するなどの注意喚起(ワーニングやアラーム)を行うようにしても良い。
次に、帳票作成部116による帳票類の作成機能について説明する。
この帳票類作成機能は、図3の運用表画面の作業メニュー欄WMCの左側に設けられている「機能」ボタンFBをマウス142でクリックすると表示されるサブ画面で、「帳票作成」を選択することによって実行される機能である。この「帳票作成」を選択されると、作成可能な帳票のリストが表示され、表示されたリストの中から所望の帳票を選択することで作成させることができる。作成可能な帳票としては、例えば「運用表」、「運用担当表」、「仕業検査発注書」、「清掃等発注書」、「臨時修繕申告書」、「清掃周期管理表」などがある。
上記のうち、「運用表」は、図3に示す運用表画面を帳票としたもので、編成単位に運用・検査・清掃の割当状態を、対応する運用のマスの中に前述したマークで示して出力する。出力対象とする検査・清掃を指定できるようにしてもよい。
「運用担当表」は、連続する2日間の運用計画を出力する帳票で、編成単位に運用・検査・清掃の割当状態が記載されて出力される。具体的には、縦の欄に編成番号をとり、各編成番号の横に、運用番号と、前述したような作業の種類を表わす「仕」や「交」、「掃」などの記号とが記載されて出力される。
「仕業検査発注書」は、指定された日(複数日を含む)の実施場所ごとに、運用表に割り当てた仕業検査を出力する帳票で、縦の欄に編成をとり、各編成の横に、運用番号と、作業前情報として「列車番号」および「着時刻」が記載され、作業後情報として「列車番号」および「発時刻」が記載されて出力される。この「仕業検査発注書」には、指定された日に計画された全検査を午前、午後、夜間に分けて集計した集計表を記載するようにしても良い。
「清掃等発注書」は、指定された日付、実施場所ごとに、運用表に割り当てた仕業検査を出力する帳票で、縦の欄に編成番号をとり、各編成番号の横に、作業の種類を表わす「全」や「計」、「簡」、「日」、「給」などの記号と運用番号と、作業前情報として「列車番号」および「着時刻」が記載され、作業後情報として「列車番号」および「発時刻」が記載されて出力される。
「臨時修繕申告書」は、任意の日付けを指定して、当該日が修繕日である編成番号を記載した帳票が出力される。
「清掃周期管理表」は、指定された日付けにおける各編成の全般清掃、計画清掃、汚物抜き作業の周期状況を示す帳票で、前回実施日と前回からの経過日数、次回実施予定日と次回までの予定日数が記載されて出力される。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、運用および検査計画を変更する場合に使用する「運用作業割当」機能と、清掃等の作業計画を変更する場合に使用する「作業割当」機能とを、それぞれ別の入力画面を使用して行う場合について説明したが、運用および検査計画と清掃等の作業計画を1つの入力画面を使用して行うように構成することも可能である。
また、前記実施形態では、運用表編集処理部111と運用ダイヤ編集処理部112と運用順序表編集処理部113と運用整理案作成部114と作業計画作成部115と帳票作成部116と作業実績管理部117を、1つのCPUで構成しているが、これらの機能部を複数のCPUで構成するようにしても良い。
100 車両運用業務支援装置
110 処理実行制御部
111 運用表編集処理部
112 運用ダイヤ編集処理部
113 運用順序表編集処理部
114 運用整理案作成部(運用計画作成手段)
115 作業計画作成部
116 帳票作成部
117 作業実績管理部
120 データ記憶部
121 車両運用業務支援プログラム記憶部
122 車両運用データ記憶部
123 運用表データ記憶部
124 作業実績管理データ記憶部
143 表示装置

Claims (5)

  1. 演算処理装置および記憶装置と入力装置を備え、前記記憶装置に記憶されている車両運用データに基づいて車両の運用を管理する車両運用業務支援システムであって、
    前記演算処理装置は、
    前記入力装置より入力された現在の車両運用の実績情報を前記記憶装置に格納する運用実績情報格納手段と、
    前記記憶装置より計画車両運用データおよび現在の車両運用実績情報を読み出して、現在の車両運用を計画車両運用に戻すための運用および検査作業を含む運用計画を作成する運用計画作成手段と、
    前記運用計画作成手段により作成された運用計画に基づいて清掃作業計画を作成する機能を有する作業計画作成手段と、
    前記運用計画作成手段によって作成された運用計画および前記作業計画作成手段によって作成された清掃作業計画に基づいて、車両の運用に関する帳票と車両の検査に関する帳票と車両の清掃に関する帳票を作成し出力する機能を有する帳票作成手段と、
    を備えることを特徴とする車両運用業務支援システム。
  2. 前記運用計画作成手段は、
    前記記憶装置より運用表を読み出して、所定の期間内に検査が計画されていない編成を抽出する検査未設定編成抽出手段と、
    前記運用表のデータに基づいて、検査作業を実施可能な間合いを抽出する検査間合い抽出手段と、
    前記検査間合い抽出手段により抽出された間合いに、前記検査未設定編成抽出手段により抽出された編成の検査作業を割り当てた検査計画を作成し出力する検査計画提案手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両運用業務支援システム。
  3. 前記運用計画作成手段は、翌日以降の任意の複数日に亘る運用について、現在の車両運用を計画車両運用に戻すための運用計画を作成することを特徴とする請求項2に記載の車両運用業務支援システム。
  4. 前記作業計画作成手段は、前記運用計画作成手段によって作成された運用計画上に設定されている特定の清掃作業を清掃作業計画に割り当てるとともに、基本運用上で前記特定の清掃作業よりも高い頻度で設定されている所定の清掃作業を清掃作業計画に割り当てる機能を有する作業計画作成手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両運用業務支援システム。
  5. 前記演算処理装置は、前記入力装置からの作業終了の入力に基づいて、編成ごとに作業実績を前記記憶装置に記憶して管理する作業実績管理手段を備え、
    前記作業計画作成手段は、前記記憶装置に記憶されている前記作業実績を参照して前記特定の清掃作業および所定の清掃作業を日数で周期管理し、前記割り当てを決定するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の車両運用業務支援システム。
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