JP2017080924A - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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【課題】ドライフィルムから支持体を剥離する工程におけるドライフィルムの変形または欠損等を抑制し、歩留りがよく、かつ、基板上に流路形成部材が高精度に製造された液体吐出ヘッドを提供する。【解決手段】基板1の第一の面21に液体吐出エネルギー発生素子2を備え、前記第一の面から該第一の面に対向する第二の面22に貫通する貫通穴3を有する基板を準備する工程と、支持体4上にドライフィルム5を形成する工程と、前記基板の第一の面に、前記支持体上に形成した前記ドライフィルムを貼り合わせる工程と、充填材6を前記基板の第二の面から前記貫通穴に導入し、前記ドライフィルムに接する充填材を配置する工程と、前記充填材が前記ドライフィルムに接した状態で、前記支持体を前記ドライフィルムから剥離する工程と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
液体吐出ヘッドは、インクジェット記録装置等の液体吐出装置に用いられ、流路形成部材と、液体供給口が形成された基板とを有する。液体吐出ヘッドの流路形成部材は、基板上に設けられており、液体流路や液体吐出口を形成している。基板に形成された液体供給口から液体流路に供給された液体は、液体吐出口から吐出されて、紙等の記録媒体に着弾する。
液体供給口等の貫通穴を有する基板表面に液体流路を形成するために、ドライフィルムを用いて構造物を形成する方法が知られている。ドライフィルムは、支持体に支持された状態で基板表面に貼り付けられ、その後、支持体を剥離して転写される。この際、支持体を物理的な引っ張りによって剥離すると、貫通穴上のドライフィルムが変形または欠損し、歩留りが低下する場合がある。これは、貫通穴の開口に沿って剥離時の応力が集中するためである。
一方、特許文献1及び特許文献2では、貫通穴上に感光性樹脂層を設ける前に、貫通穴内に充填材を導入する方法が開示されている。
特開2002−326363号公報 特開2012−212825号公報
特許文献1では、貫通穴(液体供給口)を有する基板上に流路形成部材を形成するにあたり、ドライフィルムを用いた場合における該ドライフィルムの貫通穴への垂れ込みを課題としている。そして、ドライフィルムを用いることなく、基板表面にテープやガラス板を接触させて貫通穴に充填材を導入した後、流路形成部材を形成する方法が開示されている。すなわち、特許文献1では、ドライフィルムを用いた場合に問題となる、ドライフィルムから支持体を剥離する際のドライフィルムの変形または欠損等の課題に対する教示はされていない。
また、特許文献2では、貫通穴(スルーホール)を有する配線板の該スルーホールに充填材を導入する工程と、スルーホールの開口面にドライフィルムを用いてエッチングレジストを形成する工程とを有する配線板の製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載の発明において、ドライフィルムはエッチングマスクとして使用されており、ドライフィルムから支持体を剥離する際のドライフィルムの変形または欠損等の課題は認識されていない。
したがって、本発明は、ドライフィルムから支持体を剥離する工程におけるドライフィルムの変形または欠損等を抑制し、歩留りがよく、かつ、基板上に流路形成部材が高精度に形成された液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、
(1)基板の第一の面に液体吐出エネルギー発生素子を備え、前記第一の面から該第一の面に対向する第二の面に貫通する貫通穴を有する基板を準備する工程と、
(2)支持体上にドライフィルムを形成する工程と、
(3)前記基板の第一の面に、前記支持体上に形成した前記ドライフィルムを貼り合わせる工程と、
(4)充填材を前記基板の第二の面から前記貫通穴に導入し、前記ドライフィルムに接する充填材を配置する工程と、
(5)前記充填材が前記ドライフィルムに接した状態で、前記支持体を前記ドライフィルムから剥離する工程と、
を有する液体吐出ヘッドの製造方法である。
本発明によれば、ドライフィルムから支持体を剥離する工程におけるドライフィルムの変形または欠損等を抑制し、歩留りがよく、かつ、基板上に流路形成部材が高精度に製造された液体吐出ヘッドを提供することができる。
本発明により製造された液体吐出ヘッドの一例を示す図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示す工程断面図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示す工程断面図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示す工程断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
図1に、本発明により製造された液体吐出ヘッドの一例を示す。本発明に係る液体吐出ヘッドは、基板1と、流路形成部材12とを有する。基板1としては、シリコンの単結晶で形成されたシリコン基板等が用いられる。基板1の表面(上面、以下、「第一の面21」という。)には、液体吐出エネルギー発生素子2が形成されている。液体吐出エネルギー発生素子2としては、発熱抵抗体や圧電素子が挙げられる。液体吐出エネルギー発生素子2は、基板の第一の面21と接するように形成されていてもよく、基板の第一の面21に対して一部中空状に形成されていてもよい。また、基板の第一の面21にはバンプ13が形成されており、バンプ13を介して基板外部から供給された電力によって、液体吐出エネルギー発生素子2が駆動する。さらに、基板1には、第一の面21から該第一の面21に対向する第二の面22に貫通する貫通穴(液体供給口)3が形成されている。液体供給口3から供給された液体は、液体吐出エネルギー発生素子2によってエネルギーを与えられ、流路形成部材12に形成された液体吐出口11から吐出される。
<実施形態1>
次に、図2を参照して、本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法の一例を説明する。図2は、図1の液体吐出ヘッドにおけるA−A’線に沿った断面図を示す。
まず、図2(a)に示すように、第一の面21に液体吐出エネルギー発生素子2を備えた基板1を準備する。液体吐出エネルギー発生素子2は、SiNやSiO等で形成された保護膜(不図示)で覆われている。基板1には、第一の面21から第二の面22に貫通する液体供給口3が形成されている。液体供給口3は、レーザー加工、反応性イオンエッチング、サンドブラスト、ウェットエッチング等の方法により形成することができる。液体供給口3は、第一の面21と平行な断面が、第一の面21側から第二の面22側に向かって垂直に近い、または第二の面22側が広くなるような開口形状であることが好ましい。第二の面22側の方が広い開口であることにより、後述する充填材を導入する工程において、充填効率が向上する効果が得られる。
次に、図2(b)に示すように、支持体4で支持されたドライフィルム5を準備する。具体的には、感光性樹脂を溶媒に溶解させて得られる樹脂組成物を、支持体上にスピンコートやスリットコート等で塗布し、乾燥することにより、支持体4上にドライフィルム5を形成する。支持体4としては、樹脂のフィルム又は板、ガラス板、シリコン基板等が挙げられる。支持体4は、ドライフィルム5の貼り付けや、後の工程で剥離することを考慮すると、樹脂フィルムであることが好ましい。樹脂としては、PET(ポリエチレンテレフタラート)やポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド、フッ素樹脂(例えば、テフロン(登録商標))、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。また、支持体4をドライフィルム5から剥離しやすくするために、支持体4のドライフィルム形成面に離型処理を施してもよい。さらに、ベースフィルム上に、ドライフィルムレジスト層とカバーフィルムが順次積層された市販のドライフィルムレジストから、カバーフィルムを剥離したものを用いてもよい。
ドライフィルム5は、感光性樹脂で形成されている。感光性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型やクレゾールノボラック型、脂環式のエポキシ樹脂等;アクリル樹脂としてはポリメチルメタクリレート等;ウレタン樹脂としてはポリウレタン等が挙げられる。これらの感光性樹脂を溶解する溶媒としては、PGMEA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、キシレン等が挙げられる。なお、必要に応じて、光酸発生剤等を添加することにより、感度や感光波長領域を調整してもよい。感光性樹脂は、ポジ型であってもネガ型であってもよいが、最終的に形成される流路形成部材の一部としての安定性を向上する観点から、ネガ型感光性樹脂であることが好ましい。
次に、図2(c)に示すように、液体供給口3が形成された基板1の第一の面21に対して、支持体4上に形成したドライフィルム5を貼り合わせる。ドライフィルムを貼り合わせる方法としては、公知の方法を特に制限なく適用できる。例えば、基板の端から、順次、支持体4の表面をローラで加圧しながら貼り合わせるラミネーターを用いる方法が好ましい。また、このとき、ドライフィルムの液体供給口3内への垂れ込みを極力少なくするため、温度や加圧力を適宜調整することが好ましい。
次に、図2(d)に示すように、支持体4を剥離することなく、基板の第二の面22側から、液体供給口3に充填材6を導入する。充填材6としては、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の樹脂、水やエタノール等の溶剤、銅や酸化タンタル等の金属化合物等を挙げることができる。液体供給口3への導入は、充填材材料を流動状態で導入した後に固化する、または液体供給口内に直接成膜等を行うことにより、前記ドライフィルム5に接する充填材6を配置することができる。充填材6は、液体供給口3内でドライフィルム5に接していれば、液体供給口3内の一部のみの接触でもよく、液体供給口3内の全面で接触していてもよい。全面に近い接触であるほど、流路形成部材の変形または欠損の改善効果が大きくなる。より優れた接触性を得る観点から、充填材6の厚みは1μm以上であることが好ましい。
充填材6を導入する際の基板の向きは、第一の面21と第二の面22のどちらが上面になっていてもよいが、図2(d)に示すように、第二の面22を上面にすることにより、スピンコートやスリットコート等の方法を用いて充填材を容易に塗布することができる。また、重力により、充填時に液体供給口3内で発生する気泡が抜けやすくなる効果が得られる。より優れた充填性を得るために、減圧下で充填を行う、アジテーションや振動を与える、表面張力の小さい液体を塗布した後に充填材を置換させる、固形分濃度を変化させた充填材を低粘度のものから順に塗布し置換させることにより基板への充填材の濡れ性を向上させる、等の手段を用いてもよい。さらに、充填方法によっては、液体供給口3の内部だけでなく第二の面22上に充填材の層が形成されていてもよい。第二の面22上に形成された充填材の層は、拭き取りや研磨等により除去することができる。
充填材6として樹脂を用いる場合、樹脂としては、非感光性樹脂であっても感光性樹脂であってもよい。流路形成部材等を露光する工程を含む方法により液体吐出ヘッドを製造する場合は、露光の影響を受けない非感光性樹脂を用いることが好ましい。樹脂の軟化温度は特に限定されないが、充填材を除去する工程によっては熱工程を経ることになるため、工程流動中の軟化を防ぐ観点から、軟化温度は、充填材を導入する工程の後、支持体4をドライフィルム5から剥離する工程までの間における最大プロセス温度よりも高いことが好ましい。また、充填材として用いる樹脂(導入する充填材)は有機溶媒を含んでいてもよく、含まなくてもよいが、ドライフィルム5との相溶を抑制する観点から、ドライフィルム5を溶解する有機溶媒を含まないことが好ましい。
なお、充填材6を除去する工程と、後述する液体流路となるパターン7及び液体吐出口となるパターン9を除去して流路形成部材12を形成する工程とを同時に行うことにより、工程数を減少させることができる。この場合には、充填材6として、パターン除去溶媒に溶解しやすい樹脂を用いることが好ましい。また、充填材6としてドライフィルム5を構成する樹脂と屈折率が近い材料を用いることにより、充填材6とドライフィルム5の界面における光の反射を抑制し、後工程で露光する際の乱反射による影響を低減することができる。この場合、露光波長における、充填材6を構成する材料の屈折率と、ドライフィルム5を構成する樹脂の屈折率の差が、0.1以下であることが好ましい。充填材6の材料としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、蝋等が挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型やクレゾールノボラック型、脂環式のエポキシ樹脂等;アクリル樹脂としてはポリメチルメタクリレート等、ウレタン樹脂としてはポリウレタン等;蝋としては、ハゼ蝋や蜜蝋、パラフィンワックス等が挙げられる。
充填材6として樹脂を用いる場合の充填方法としては、例えば、有機溶媒との混合や加熱により流動性を持たせた材料を、基板1の第二の面22にスピンコートやスリットコート等で塗布及び充填した後、乾燥や冷却により固化させる方法が挙げられる。充填時に充填材を溶解する有機溶媒としては、エタノール、PGMEA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、キシレン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
充填材6として溶剤を用いる場合、溶剤としては、水溶液やアルコール類等が挙げられる。充填方法としては、例えば、溶剤を基板1の第二の面22にスピンコートやスリットコート等で塗布及び充填した後、冷却により固化させる方法が挙げられる。
充填材6として金属化合物を用いる場合、金属化合物としては、金、銀、銅、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル等が挙げられる。充填方法としては、例えば、金属化合物を基板1の第二の面22にスパッタリングや原子層堆積(ALD)法等を用いて成膜する方法が挙げられる。充填材として金属化合物を用いる場合、該充填材を液体供給口の保護膜等に用いてもよい。
次に、図2(e)に示すように、支持体4をドライフィルム5から剥離する。本発明においては、貫通穴(液体供給口)3内で、充填材6とドライフィルム5が接した状態で配置されるため、剥離時の応力集中を低減させることができる。そのため、流路形成部材の一部となるドライフィルム5の厚みによらず、貫通穴上のドライフィルム(流路形成部材)の変形や欠損を抑えることができる。
次に、図2(f)に示すように、充填材6を除去する。除去方法は、充填材として樹脂を用いた場合には有機溶媒による溶解、充填材として溶剤を用いた場合には加熱による流動性付与、充填材として金属化合物を用いた場合にはエッチングによる除去等の方法が挙げられる。なお、充填材6を除去する工程は、支持体4をドライフィルム5から剥離した後であれば、いずれの段階で実施してもよい。例えば、後述する実施例に示すように、液体流路となるパターン7及び液体吐出口となるパターン9を除去する工程と同時に、充填材6を除去する工程を実施することもできる。
次に、図2(g)に示すように、露光によりドライフィルム5に液体流路となるパターン7(第1のパターン)を画定して、流路形成部材12の一部を形成する。
次に、図2(h)に示すように、パターン7上及びドライフィルム5上に、流路形成部材12の一部となる樹脂層8を形成し、液体吐出口となるパターン9(第2のパターン)を露光により画定する。樹脂層8としては、ドライフィルム5と同様の樹脂を使用し、必要に応じて、光酸発生剤等を添加することにより、ドライフィルム5と感度を変えたり、感光波長領域を変えたりする等、調整を行う。
最後に、図2(i)に示すように、液体流路となるパターン7及び液体吐出口となるパターン9を現像により除去することで、液体流路10及び該液体流路に連通する液体吐出口11を形成する。以上の工程により、基板1上に、ドライフィルム5及び樹脂層8からなる流路形成部材12が形成された液体吐出ヘッドが製造される。
<実施形態2>
次に、図3を参照して、本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法の一例を説明する。図3は、図1の液体吐出ヘッドにおけるA−A’線に沿った断面図を示す。
本実施形態において、図3(a)に係る工程は実施形態1における図2(a)に係る工程と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図3(b)に示すように、支持体4で支持されたドライフィルム5を準備する。具体的には、感光性樹脂を溶媒に溶解させて得られる樹脂組成物を、支持体上にスピンコートやスリットコート等で塗布し、乾燥することにより、支持体4上にドライフィルム5を形成する。支持体4に用いる材料は、実施形態1と同様である。
ドライフィルム5は、感光性樹脂で形成されている。本実施形態において、ドライフィルム5は、ポジ型感光性樹脂であることが好ましい。ポジ型感光性樹脂としては、例えば、ポリメチルイソプロペニルケトンやメタクリル酸エステルを主成分とする高分子の主鎖分解型の感光性樹脂が挙げられる。具体的には、メタクリル酸エステルを主成分とする高分子の主鎖分解型のポジ型感光性樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート等のホモポリマー;メタクリル酸メチルと、メタクリル酸、アクリル酸、グリシジルメタクリレートもしくはフェニルメタクリレート等との共重合体等を挙げることができる。
次に、図3(c)に示すように、液体供給口3が形成された基板1の第一の面21に対して、支持体4上に形成したドライフィルム5を貼り合わせる。ドライフィルム5を貼り合わせる方法は、実施形態1と同様である。
図3(d)〜(f)に係る工程は、実施形態1における図2(d)〜(f)に係る工程と同様であるため、詳細な説明を省略する。
次に、図3(g)に示すように、ドライフィルム5に、液体流路となるパターン7のパターニングを行う。具体的には、液体流路となるパターンの描かれたマスクを介して露光を行いドライフィルム5にパターンを画定した後、液体流路となる部分以外のドライフィルム5を除去することにより、液体流路となるパターン7(第1のパターン)を形成する。
次に、図3(h)に示すように、前記パターン上及び前記基板の第一の面上に、流路形成部材12となる樹脂層8を形成し、露光により液体吐出口となるパターン9(第2のパターン)を画定する。樹脂層8に用いる材料は、実施形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
最後に、図3(i)に示すように、パターン7及び9を除去することにより、液体流路10及び該液体流路に連通する液体吐出口11を形成する。以上の工程により、基板1上に、樹脂層8からなる流路形成部材12が形成された液体吐出ヘッドが製造される。
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
図4に示す工程に従い、液体吐出ヘッドを製造した。
まず、図4(a)に示すように、第一の面21にTaSiNからなる液体吐出エネルギー発生素子2を有する基板1を準備した。基板1としては、シリコンの(100)基板を用いた。なお、基板1は、SiNで形成された保護膜(不図示)を有する。基板1に、第一の面21から第二の面22に貫通する液体供給口3を、RIE(リアクティブイオンエッチング)方式にてボッシュプロセスで形成した。
次に、図4(b)に示すように、支持体4と、支持体4に支持されたドライフィルム5を準備した。支持体4としてはPETフィルムを用いた。PETフィルム上に、エポキシ樹脂(大日本インキ製、商品名:N−695)及び光酸発生剤(サンアプロ製、商品名:CPI−210S)をPGMEAに溶解させた溶液を塗布し、オーブンを用いて100℃で乾燥させることにより、支持体4に支持されたネガ型のドライフィルム5を形成した。
次に、図4(c)に示すように、液体供給口3が形成された基板1の第一の面21に対して、支持体4をドライフィルム5面で貼り合わせ、流路形成部材12の一部となるドライフィルム5を形成した。貼り合わせは、ロール式ラミネーター(タカトリ製、商品名:VTM−200)を用いて行った。貼り合わせ後のドライフィルム5の厚みは15μmであった。
次に、図4(d)に示すように、液体供給口3が形成された基板1の第二の面22から充填材6を導入した。この際、基板1の第二の面22が上面となるようにして充填を行った。充填材としては、エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、商品名:EHPE3150)をエタノールに溶解させた溶液を使用し、スピンコートによって塗布した後、アジテーションを行うことで充填材を導入した。その後、オーブンを用いて100℃で乾燥させて、充填材を固化した。固化した後の充填材6の厚みは5μmであった。また、充填材を構成する樹脂の屈折率とドライフィルムを構成する樹脂の屈折率の差は、0.05であった。
次に、図4(e)に示すように、25℃の環境下において、支持体4をドライフィルム5から剥離した。この際、ドライフィルムの変形または欠損がないことを確認した。
次に、図4(f)に示すように、露光装置(キヤノン製、商品名:FPA−3000i5+)を用いて、露光波長365nmの光を5000J/mの露光量でドライフィルム5に照射した後、50℃にて5分間のベークを行うことにより、液体流路となるパターン7(第1のパターン)を画定し、流路形成部材12の一部を形成した。
次に、図4(g)に示すように、前記パターン上及び前記ドライフィルム上に、流路形成部材12の一部となる樹脂層8を形成した。樹脂層8は、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、商品名:157S70)及び光酸発生剤(サンアプロ製、商品名:LW−S1)をPGMEAに溶解させ、上記ドライフィルム5と感度差を持たせた溶液に調製してドライフィルムを形成し、ロール式ラミネーターで転写した。樹脂層8の厚みは5μmであった。続いて、露光装置(キヤノン製、商品名:FPA−3000i5+)を用いて樹脂層8をパターン露光した後、90℃にて5分間のベークを行うことにより、液体吐出口となるパターン9(第2のパターン)を画定した。
次に、基板1をPGMEAに浸すことで、液体流路となるパターン7及び液体吐出口となるパターン9の現像を行い、液体流路10及び液体吐出口11を形成した。また、同時に、充填材6をPGMEAに溶解させることにより除去した。最後に、電気的接続等を行うことにより、図4(h)に示す液体吐出ヘッドを製造した。製造した液体吐出ヘッドを観察し、流路形成部材の変形または欠損等の不良がなく、流路形成部材が基板上に高精度に形成されたことを確認した。
[実施例2]
図3に示す工程に従い、液体吐出ヘッドを製造した。
本実施例において、図3(a)に係る工程は、実施例1の図4(a)に係る工程と同様に実施した。
次に、図3(b)に示すように、支持体4と、支持体4に支持されたドライフィルム5を準備した。支持体4としてはPETフィルムを用いた。PETフィルム上に、ポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化工業製、商品名:ODUR−1010)を樹脂濃度が20質量%になるように調製した溶液をスピンコート法によって塗布し、その後オーブンを用いて120℃で乾燥させることにより、支持体4に支持されたポジ型のドライフィルム5を形成した。
図3(c)〜(e)に係る工程は、実施例1の図4(c)〜(e)に係る工程と同様に実施した。なお、支持体4をドライフィルム5から剥離する工程を実施した後、ドライフィルムの変形または欠損がないことを確認した。また、充填材6の厚みは5μmであり、充填材を構成する樹脂の屈折率とドライフィルムを構成する樹脂の屈折率の差は、0.08であった。
次に、図3(f)に示すように、基板1をPGMEAに浸すことにより、充填材6を除去した。
次に、図3(g)に示すように、露光装置(ウシオ電機製、商品名:Deep−UV露光装置UX−3000)を用いて、液体流路となるパターンの描かれたマスクを介して、Deep−UV光を18000mJ/cmの露光量でドライフィルム5に照射した。その後、非極性溶剤であるメチルイソブチルケトン/キシレン=2/3溶液を用いた現像処理、及びキシレンを用いたリンス処理を行い、露光部のドライフィルム5を除去することによって、基板1上に液体流路となるパターン7(第1のパターン)を形成した。
次に、図3(h)に示すように、前記パターン上及び前記基板の第一の面上に、流路形成部材12となる樹脂層8を形成した。樹脂層8は、エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、商品名:EHPE3150)及び光酸発生剤(旭電化工業製、商品名:SP−172)を含有する溶液をスピンコートで塗布することにより形成した。樹脂層8の厚みは5μmであった。続いて、露光装置(キヤノン製、商品名:FPA−3000i5+)を用いて樹脂層8をパターン露光した後、90℃にて5分間のベークを行うことにより、液体吐出口となるパターン9(第2のパターン)を画定した。
次に、基板1を、エステル系溶剤(林純薬工業製、商品名:ラックリーンMC)に浸すことで液体流路となるパターン7を除去し、またPGMEAに浸すことで、液体吐出口となるパターン9の現像を行い、液体流路10及び液体吐出口11を形成した。最後に、電気的接続等を行うことにより、図3(i)に示す液体吐出ヘッドを製造した。製造した液体吐出ヘッドを観察し、流路形成部材の変形または欠損等の不良がなく、流路形成部材が基板上に高精度に形成されたことを確認した。
1:基板
2:液体吐出エネルギー発生素子
3:貫通穴(液体供給口)
4:支持体
5:ドライフィルム
6:充填材
7:液体流路となるパターン(第1のパターン)
8:樹脂層
9:液体吐出口となるパターン(第2のパターン)
10:液体流路
11:液体吐出口
12:流路形成部材
13:バンプ
21:第一の面
22:第二の面

Claims (10)

  1. (1)基板の第一の面に液体吐出エネルギー発生素子を備え、前記第一の面から該第一の面に対向する第二の面に貫通する貫通穴を有する基板を準備する工程と、
    (2)支持体上にドライフィルムを形成する工程と、
    (3)前記基板の第一の面に、前記支持体上に形成した前記ドライフィルムを貼り合わせる工程と、
    (4)充填材を前記基板の第二の面から前記貫通穴に導入し、前記ドライフィルムに接する充填材を配置する工程と、
    (5)前記充填材が前記ドライフィルムに接した状態で、前記支持体を前記ドライフィルムから剥離する工程と、
    を有する液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記工程(4)において、前記基板の第二の面を上面にして充填材を導入する、請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記充填材が非感光性樹脂で形成される、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記非感光性樹脂の軟化温度が、前記工程(4)の後、前記工程(5)までの間における最大プロセス温度よりも高い、請求項3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記工程(4)において導入する充填材が、前記ドライフィルムを溶解する有機溶媒を含まない、請求項3または4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記充填材を構成する材料の屈折率と、前記ドライフィルムを構成する樹脂の屈折率との差が0.1以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. さらに、
    (6)前記ドライフィルムに液体流路となる第1のパターンを画定する工程と、
    (7)前記第1のパターンを含むドライフィルム上に、樹脂層を形成する工程と、
    (8)前記樹脂層に液体吐出口となる第2のパターンを画定する工程と、
    (9)前記第1及び第2のパターンを除去して、液体流路及び該液体流路に連通する液体吐出口を有する流路形成部材を形成する工程と、
    を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. さらに、
    (6)前記ドライフィルムの一部を露光し、露光部の前記ドライフィルムを除去することにより、液体流路となる第1のパターンを形成する工程と、
    (7)前記第1のパターン上及び前記基板の第一の面上に、樹脂層を形成する工程と、
    (8)前記樹脂層に液体吐出口となる第2のパターンを画定する工程と、
    (9)前記第1及び第2のパターンを除去して、液体流路及び該液体流路に連通する液体吐出口を有する流路形成部材を形成する工程と、
    を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記工程(5)の後に、さらに前記充填材を除去する工程を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  10. 前記工程(9)と同時に前記充填材を除去する工程を実施する請求項7または8に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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