JP2015074118A - 液体吐出ヘッド及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】流路形成部材が基板から剥がれにくい液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】基板3と、基板3の表面上に液体の流路を形成する流路形成部材6と、を有する液体吐出ヘッドであって、基板3の表面側には凹部17が形成されており、流路形成部材6の一部が凹部17に嵌合している。
【選択図】図2
【解決手段】基板3と、基板3の表面上に液体の流路を形成する流路形成部材6と、を有する液体吐出ヘッドであって、基板3の表面側には凹部17が形成されており、流路形成部材6の一部が凹部17に嵌合している。
【選択図】図2
Description
本発明は、液体吐出ヘッド及びその製造方法に関する。
液体吐出ヘッドはインクジェット記録装置等の液体吐出装置に用いられ、流路形成部材と基板とを有する。流路形成部材は基板上に設けられており、主に樹脂等で形成されており、液体の流路や、場合によっては液体吐出口を形成している。基板は、主にシリコンで形成されたシリコン基板であり、シリコン基板には液体の供給口が形成されており、表面側にエネルギー発生素子を有する。液体は液体供給口から流路に供給され、エネルギー発生素子でエネルギーを与えられ、液体吐出口から吐出されて紙等の記録媒体に着弾する。
流路形成部材は、シリコン基板から容易に剥がれてしまわないよう、シリコン基板に対する密着性を十分に確保する必要がある。特許文献1には、シリコン基板と流路形成部材との間にポリエーテルアミド樹脂からなる層を形成し、両者の密着性を高めることが記載されている。
本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載の方法であっても、用いるインク(液体)の種類によっては、流路形成部材の剥がれが発生する場合があることが分かった。例えば、水難溶性顔料を有するインクや、染料の溶解性向上の観点からアルカリ塩を含むインクは、比較的強いアルカリ性であることが多い。これらのインクを液体吐出ヘッドに用いた場合、流路形成部材にインクが浸透し、流路形成部材が変形して基板から剥がれることがあった。
従って、本発明は、流路形成部材が基板から剥がれにくい液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
本発明は、基板と、前記基板の表面上に液体の流路を形成する流路形成部材と、を有する液体吐出ヘッドであって、前記基板の表面側には凹部が形成されており、前記流路形成部材の一部が前記凹部に嵌合していることを特徴とする液体吐出ヘッドに関する。
本発明によれば、流路形成部材が基板から剥がれにくい液体吐出ヘッドを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本発明の液体吐出ヘッドの一例を示す図である。図1(a)は液体吐出ヘッドの斜視図、図1(b)は図1(a)のA−A’における液体吐出ヘッドの断面図である。
図1に示す液体吐出ヘッドは、基板3と、基板3の表面上に液体の流路5を形成する流路形成部材6とで形成される。図1では、基板3は、シリコンで形成されたシリコン基板7と、シリコンの酸化膜で形成されたシリコン酸化膜12とで形成されている。基板3の表面側には、液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子1や、エネルギー発生素子1に電気を供給するための電極パッド8、エネルギー発生素子1の保護や液体との電気的な絶縁を行う保護層9、基板3と流路形成部材6とを密着させる中間層10等が形成されている。保護層9としては、窒化ケイ素、窒化炭素、炭窒化ケイ素、金属等が挙げられ、複数の材料の膜で構成されていてもよい。中間層10は、基板3と流路形成部材6との中間に配置される層であり、例えばポリエーテルアミドで形成される。エネルギー発生素子1は、基板3の表面に対して接触していても一部中空状になっていてもよく、ヒーター(TaSiN、TaNに代表される高抵抗材料)や圧電素子で形成される。流路形成部材6は、例えば樹脂や無機膜で形成されており、吐出口4や流路5を形成している。基板3には、液体を供給する供給口2が形成されており、液体は供給口2から流路5へと供給され、エネルギー発生素子1によってエネルギーを与えられて吐出口4から吐出される。
本発明の液体吐出ヘッドは、基板3の表面側に凹部が形成されている。図1(b)では、点線11の部分に凹部17が形成されている。上述した通り、基板3の表面側には、エネルギー発生素子1の保護や液体との電気的な絶縁を行う保護層9、基板3と流路形成部材6とを密着させる中間層10等といった構造物が形成されている。この構造物(図1(b)では保護層9及び中間層10)に、凹部17が形成されている。そして、流路形成部材6の一部6aが、凹部17に嵌合している。本発明では、このように流路形成部材6の一部6aを凹部17に嵌合させることにより、流路形成部材6を基板3から剥がれにくくすることができる。凹部17と、凹部17と嵌合する流路形成部材6(流路形成部材の一部6a)とは、凹部17を形成する面の90%以上の面積で接触していることが好ましい。このように流路形成部材6が凹部17に対して十分に嵌合することで、凹部17と流路形成部材6の密着性を高め、流路形成部材6を基板3からより剥がれにくくすることができる。
流路形成部材6は、全体が同じ材料で形成されていてもよいし、部分的に異なる材料、例えば流路形成部材6の一部6aが異なる材料で形成されていてもよい。但し、製造工程や基板3と流路形成部材6との密着性の観点からは、流路形成部材6は全体が同じ材料で形成されていることが好ましい。
凹部17の深さは、1μm以上であることが好ましい。1μm以上とすることで、流路形成部材が基板から剥がれにくくなる。また、凹部17に嵌合する流路形成部材の一部6aの解像度を考慮すると、4μm以上であることが好ましい。一方、凹部17に流路形成部材の一部を十分に埋める為には、凹部17の深さは100μm以下とすることが好ましい。尚、凹部の深さとは、基板3の表面に対して垂直な方向の深さをいう。
また、凹部17の基板3の表面と平行方向の断面積は、凹部17に嵌合する流路形成部材の一部6aの剛性の観点から、12μm2以上とすることが好ましい。また、液体吐出ヘッド全体の寸法を考慮すると、1000μm2以下とすることが好ましい。平行方向の断面積が凹部の深さ方向で変化する場合は、深さ方向の平均の断面積がこの数値を満たすことが好ましい。
凹部17は、基板3の表面側に形成すればよい。上述のように、基板3の表面側にある構造物の全てに凹部を形成してもよいし、図3(a)に示すように、構造物のうち中間層10に凹部を形成し、保護層9に凹部を形成しない構成としてもよい。他にも、構造物ではなく、基板3の表面をエッチングすることで、基板3の表面そのものに凹部を形成してもよい。
図1(b)では、凹部17は構造物(保護層9及び中間層10)を貫通しているが、凹部17が構造物を貫通しないように形成してもよい。即ち、凹部17の底部が構造物内に形成されるようにする。
また、凹部17は、図4(a)に示すような段差構造であってもよい。段差構造とは、図4(a)に示すように、凹部17の基板3の表面と平行方向の断面積が、基板3の表面の裏側の面である裏面18から遠い側よりも裏面18に近い側の方が大きい構造である。凹部17には流路形成部材6の一部が嵌合しているので、このような段差構造であれば、流路形成部材6を基板3からより剥がれにくくすることができる。
また、図5に示すように、段差構造を形成する屋根部分のうち、流路に近い側の屋根部分の長さ(Aで示す部分)を、流路から遠い側の屋根部分の長さ(Bで示す部分)よりも長くすることが好ましい。即ち、凹部のうち断面積が大きい側の重心は、凹部のうち断面積が小さい側の重心よりも、流路に近い側に位置することとなる。このような構成とすることで、流路形成部材6の基板3からの剥がれをより良好に抑制することができる。
さらに、流路が複数ある場合、段差構造は一部の流路にのみ形成することもできる。特に、吐出口の配列方向に関して、外側に位置する吐出口に対応した流路の壁を形成する部分は、流路形成部材の剥がれが起きやすいので、この部分は段差構造とすることが好ましい。いっぽうで、この際に中央の吐出口に対応した流路の壁を形成する部分は、段差構造としなくてもよい。
次に、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一例を、図2を用いて説明する。
まず、図2(a)に示すように、シリコン基板7及びシリコン酸化膜12で形成された基板3を用意する。基板3の表面側には、エネルギー発生素子1及び保護層9が形成されている。
次に、図2(b)に示すように保護層9に開口を形成する。開口の形成方法としては、例えば、保護層9上にポジ型感光性樹脂をスピンコートにより塗布し、続いて露光、現像することで、ポジ型感光性樹脂でエッチングマスクを形成する。形成したエッチングマスクを用いて保護層9を反応性イオンエッチングによりエッチングし、その後エッチングマスクを剥離する。このようにして、保護層9に開口を形成する。
次に、図2(c)に示すように、保護層9を覆うように中間層10を塗布し、ベークする。中間層10としては、例えばポリエーテルアミドを用いる。中間層10は、後に基板と流路形成部材との中間に位置する層である。中間層10のベーク後の厚みは、基板と流路形成部材との密着性の観点から2μm以上とすることが好ましく、塗布性の観点から4μm以下とすることが好ましい。
次に、図2(d)に示すように、中間層10上にポジ型感光性樹脂をスピンコートにより塗布する。続いて露光、現像することで、図2(e)に示すようにエッチングマスク15を形成する。続いて、図2(f)に示すように、エッチングマスク15を用いて中間層10を反応性イオンエッチングによりエッチングすることで、中間層10を貫通させる。続いてエッチングマスク15を剥離することで、図2(g)に示すように、点線11の部分に中間層10を貫通した凹部17を形成する。
次に、図2(h)に示すように型材13としてポジ型感光性樹脂を塗布する。続いて、ポジ型感光性樹脂を露光及び現像することでパターニングして、図2(i)に示すように、流路の型材13aを形成する。ポジ型感光性樹脂としては、アクリル系樹脂であるポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリメチルイソプロペニルケトン(PMIPK)等を用いることができる。他にも、流路の型材はアルミニウム等の金属によって形成してもよいし、ネガ型感光性樹脂で形成してもよい。また、ここでは型材13aを形成する方法で説明したが、型材を形成せずに、側壁を形成することで流路を形成してもよい。
続いて、図2(j)に示すように、型材13aを覆うように流路形成部材6を形成する。流路形成部材6は、ネガ型感光性樹脂で形成することが好ましい。また、例えばエポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基及びプロペニルエーテル基等の反応性官能基を有するカチオン重合可能な化合物で形成することが好ましい。特に、エポキシ樹脂で形成することが好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。市販品では、日本化薬製のSU8(商品名)、ダイセル化学工業製のEHPE‐3150(商品名)等が挙げられる。流路形成部材の基板表面からの厚みは、塗布性の観点から5μm以上25μm以下とすることが好ましい。ここで、例えば流路形成部材6として流動性を持つものを用いることで、流路形成部材6の一部6aを凹部17に入り込ませ、流路形成部材の一部6aを凹部17と嵌合させることができる。また、流路形成部材6の一部6aを凹部17に十分に嵌合させる為に、1000Pa以上、101300Pa以下(大気圧)の減圧条件で、流路形成部材6を塗布することが好ましい。
次に、図2(k)に示すように、流路形成部材6に吐出口4を形成する。吐出口4は、露光及び現像によって形成してもよいし、反応性イオンエッチング等で形成してもよい。続いて、図2(l)に示すように、シリコン基板7をTMAH等のアルカリ溶液、或いは反応性イオンエッチングによってエッチングすることで、シリコン基板7に供給口2を形成する。続いて、図2(m)に示すように、例えば林純薬工業製のラックリーンMC(商品名)を用いて型材13aを除去することで、流路5を形成する。
最後に、必要に応じて、基板3をダイシングソー等により切断分離してチップ化し、エネルギー発生素子1を駆動させるための電気的接合を行い、インク供給のためのタンク部材を基板3に接続する。以上のようにして、液体吐出ヘッドを製造する。
次に、図3(a)に示す液体吐出ヘッドを製造する工程を、図3(b)〜図3(e)を用いて説明する。図2(a)〜図2(m)と重複する部分については説明を省略する。
図3(b)は、図2(a)と同様である。ここで、保護層9に開口を形成する工程は行わず、保護層9上に中間層10を形成する。そして、中間層10を貫通させ、図3(c)に示す点線11の部分に凹部17を形成する。続いて、流路の型材を形成し、図3(d)に示すように流路形成部材6を形成し、流路形成部材6の一部6aを凹部17に嵌合させる。その後は、図2(k)〜図2(m)と同様にして、図3(e)に示す工程まで完了させ、図3(a)に示す液体吐出ヘッドを製造する。図3に示す液体吐出ヘッドは、基板表面側に形成された構造物のうち、中間層10にのみ凹部17を形成した構成である。
次に、図4(a)に示す液体吐出ヘッドを製造する工程を、図4(b)〜図4(g)を用いて説明する。図2(a)〜図2(m)と重複する部分については説明を省略する。
図4(b)は、図2(b)と同様である。次に、図4(c)に示すように、保護層9に形成した開口内に、型材14を形成する。型材14は、例えばポジ型感光性樹脂で形成し、塗布後に露光、現像することで形成する。ここで、型材14は、開口の端部、即ち保護層9と接触しないように、型材14と保護層9との間に隙間を介して形成する。隙間の大きさは、図4に示す断面において1μm以上1000μm以下とすることが好ましい。隙間を1μm以上とすることで、後の工程で隙間を中間層10で埋めやすくなる。また、隙間が1000μm以下とすることで、中間層10の平坦性が向上する。
次に、図4(d)に示すように、中間層10を形成する。中間層10は、型材14と保護層9との間の隙間を埋めるように形成する。次に、図4(e)に示すように、中間層10上にエッチングマスク15を形成し、図4(f)に示すようにエッチングマスク15を用いて中間層10に開口を形成する。そして、図4(g)に示すように形成した開口から型材14を除去することで、点線11の部分に凹部17を形成する。その後、図2で説明したのと同様にして液体吐出ヘッドを製造することができる。
但し、図4(a)に示す液体吐出ヘッドを製造する場合には、別の方法をとることが好ましい。これは、型材13が段差構造の凹部17に充填された場合に、中間層10の材料によっては、中間層10が光を十分に透過せず、凹部17から型材13を除去することが困難な為である。以下に詳細を説明する。
具体的には、中間層10が透過する波長の光に対して感光性を有するポジ型感光性樹脂をスピンコート等により塗布し、図4(h)に示すような状態とする。次に、ポジ型感光性樹脂を露光及び現像することで、図4(i)に示すような凸型の型材16を形成する。凸型の型材16を形成する為のポジ型感光性樹脂としては、ノボラック/ジアゾナフトキノン系レジスト等が挙げられる。この凸型の型材16が、型材13よりも先に凹部17に充填されることで、図4(j)の時点で型材13が凹部17に入り込まず、凹部17の型材等の除去が容易になる。例えば、中間層10を日立化成製のHIMAL HL‐1200CH(商品名)、凸型の型材16を東京応化製のOFPR‐800(商品名)で形成する。この時、凸型の型材16であるOFPR‐800を除去するために必要な400nm付近の波長を有する光は、中間層10に遮られずに凹部17の底部まで入射するため、凸型の型材16は分解され、後工程で容易に除去することができる。尚、凸型の型材16と型材13は別々の工程で除去することもできるが、生産性の観点から一括で除去することが好ましい。凹部17から除去した後は、図4(k)、図4(l)に示す工程を完了させ、図4(a)に示す液体吐出ヘッドを製造する。
以下、本発明を、実施例を用いてより具体的に説明する。
<実施例1>
まず、図2(a)に示すように、シリコン基板7及びシリコン酸化膜12で形成された基板3を用意した。基板3の表面側には、TaSiNで形成されたエネルギー発生素子1及びSiNで形成された保護層9、不図示のアルミニウムの配線が形成されている。
まず、図2(a)に示すように、シリコン基板7及びシリコン酸化膜12で形成された基板3を用意した。基板3の表面側には、TaSiNで形成されたエネルギー発生素子1及びSiNで形成された保護層9、不図示のアルミニウムの配線が形成されている。
次に、東京応化製のTHMP‐iP5700HP(商品名)をマスクとして保護層9を反応性イオンエッチングによってパターニングし、図2(b)に示すように保護層9に開口を形成した。
次に、図2(c)に示すように、保護層9を覆うように中間層10を塗布し、ベークした。中間層10としては、ポリエーテルアミドである日立化成製のHIMAL HL‐1200CH(商品名)を用いた。ベークは200℃、60分のオーブンベークとし、中間層10のベーク後の厚みを3μmとした。
次に、図2(d)に示すように、中間層10上に、ポジ型感光性樹脂(東京応化製、THMP‐iP5700HP(商品名))をスピンコートにより塗布した。さらに、キヤノン製のFPA‐3000i5+(商品名)で露光し、東京応化製のNMD‐3(商品名)で現像することで、図2(e)に示すようにエッチングマスク15を形成した。そして、図2(f)に示すように、エッチングマスク15を用いて、中間層10をアルバック製NLD5700(商品名)によってエッチング(ドライエッチング)することで、中間層10を貫通させた。続いてエッチングマスク15を剥離することで、図2(g)に示すように、点線11の部分に凹部17を形成した。
次に、図2(h)に示すように型材13としてポジ型感光性樹脂(東京応化製、ODUR(商品名))を塗布し、これをウシオ電機製の露光装置UX‐3000(商品名)を用いて露光し、林純薬工業製のMP‐5050(商品名)で現像することでパターニングした。このようにして、図2(i)に示すように、厚さ13μmの流路の型材13aを形成した。
続いて、図2(j)に示すように、型材13aを覆うように流路形成部材6を形成した。流路形成部材6の形成材料は、以下の表1に示す材料とした。この材料を、50000Paに減圧された条件下でのスピンコートにより塗布(被覆)し、厚さ25μmの流路形成部材6を形成した。流路形成部材6の一部6aは、凹部17のほぼ全ての領域と嵌合していた。即ち、流路形成部材6の一部6aは、凹部17を形成する面の90%以上の面積と接触していた。
次に、流路形成部材6をキヤノン製のFPA‐3000i5+(商品名)で露光、東京応化製ODUR‐1010C現像液(商品名)で現像して、図2(k)に示すように流路形成部材6に吐出口4を形成した。
続いて、図2(l)に示すように、シリコン基板7を関東化学製のTMAH‐25(商品名)によってエッチングすることで、供給口2を形成した。続いて、図2(m)に示すように、林純薬工業製のラックリーンMC(商品名)を用いて型材13aを除去し、流路5を形成した。
最後に、基板3をダイシングソー等により切断分離してチップ化し、エネルギー発生素子1を駆動させるための電気的接合を行い、インク供給のためのタンク部材を基板3に接続することにより、液体吐出ヘッドを製造した。
<実施例2>
図3(a)に示す液体吐出ヘッドを製造した。これを、図3(b)〜図3(e)を用いて説明する。実施例1と重複する部分については、説明を省略する。
図3(a)に示す液体吐出ヘッドを製造した。これを、図3(b)〜図3(e)を用いて説明する。実施例1と重複する部分については、説明を省略する。
図3(b)までは、図2(a)と同様である。ここで、保護層9に開口を形成する工程は行わず、保護層9上に中間層10を形成した。そして、中間層10を貫通させ、図3(c)に示す点線11の部分に凹部17を形成した。その後、図3(d)に示すように流路形成部材6を形成し、流路形成部材6の一部6aを凹部17に嵌合させた。流路形成部材6の一部6aは、凹部17を形成する面の90%以上の面積と接触していた。その後、図3(e)に示す工程まで完了させ、図3(a)に示す液体吐出ヘッドを製造した。
<実施例3>
図4(a)に示す液体吐出ヘッドを製造した。これを、図4(b)〜図4(l)を用いて説明する。実施例1と重複する部分については、説明を省略する。
図4(a)に示す液体吐出ヘッドを製造した。これを、図4(b)〜図4(l)を用いて説明する。実施例1と重複する部分については、説明を省略する。
図4(b)は、図2(b)と同様である。次に、図4(c)に示すように、保護層9の開口内に、型材14を形成した。型材14は、ポジ型レジスト(東京応化製のTHMP‐iP5700HP(商品名))をスピンコートにより塗布し、塗布後にキヤノン製のFPA‐3000i5+(商品名)で露光、東京応化製のNMD‐3(商品名)で現像することで形成した。型材14は、開口の端部、即ち保護層9と接触しないように形成した。
次に、図4(d)に示すように、中間層10を形成した。中間層10は、型材14と保護層9との間の隙間を埋めるように形成した。次に、図4(e)に示すように、中間層10上にエッチングマスク15を形成し、図4(f)に示すようにエッチングマスク15を用いて中間層10に開口を形成した。そして、図4(g)に示すように形成した開口からローム・アンドハース電子材料製のマイクロポジット・リムーバー1112Aで型材14を除去することで、点線11の部分に凹部17を形成した。
次に、図4(h)に示すように、東京応化製のOFPR‐800(商品名)を塗布した。これをキヤノン製のMPA‐600SUPER(商品名)で露光し、東京応化製のNMD‐3(商品名)で現像することで、図4(i)に示すような凸型の型材16を形成した。凸型の型材16は、凹部17に充填されている。
次に、図4(j)に示すように、ポジ型レジストである東京応化製のODUR(商品名)を厚さ13μmとなるように塗布し、乾燥させて型材13を形成した。
その後、凸型の型材16及び型材13をウシオ電機製の露光装置UX‐3000(商品名)を用いて露光し、林純薬工業製のMP‐5050(商品名)で現像した。これにより、凹部17を再び露出させた。
その後、図4(k)、図4(l)に示すようにして、液体吐出ヘッドを製造した。流路形成部材6の一部6aは、凹部17を形成する面の90%以上の面積と接触していた。
<評価>
実施例1〜3で製造した液体吐出ヘッドを、表2に示す組成のインク(pH=10.5)中に浸漬し、プレッシャークッカー試験(121℃飽和条件‐100時間)を行った。
実施例1〜3で製造した液体吐出ヘッドを、表2に示す組成のインク(pH=10.5)中に浸漬し、プレッシャークッカー試験(121℃飽和条件‐100時間)を行った。
試験後、流路形成部材と基板との剥がれを顕微鏡で観察したところ、いずれの液体吐出ヘッドにおいても剥がれは観察されなかった。
Claims (14)
- 基板と、前記基板の表面上に液体の流路を形成する流路形成部材と、を有する液体吐出ヘッドであって、
前記基板の表面側には凹部が形成されており、前記流路形成部材の一部が前記凹部に嵌合していることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記凹部の前記基板の表面と平行方向の断面積は、前記基板の表面の裏側の面である裏面から遠い側よりも前記裏面に近い側の方が大きく、前記流路形成部材の前記凹部と嵌合している部分の前記基板の表面と平行方向の断面積は、前記裏面から遠い側よりも前記裏面に近い側の方が大きい請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記基板の表面上に構造物が形成されており、前記凹部は前記構造物に形成されている請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記凹部は、前記構造物を貫通している請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記凹部は、前記構造物を貫通していない請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記構造物は、窒化ケイ素、窒化炭素、炭窒化ケイ素、金属、ポリエーテルアミドのいずれかで形成されている請求項3乃至5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 前記凹部は、前記基板の表面に形成されている請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記凹部と前記凹部と嵌合する前記流路形成部材とは、前記凹部を形成する面の90%以上の面積で接触している請求項1乃至7のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 前記凹部の深さは、1μm以上、1000μm以下である請求項1乃至8のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 前記凹部の前記基板の表面と平行方向の断面積は、12μm2以上、1000μm2以下である請求項1乃至9のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 前記凹部のうち前記断面積が大きい側の重心は、前記凹部のうち前記断面積が小さい側の重心よりも前記流路に近い側に位置している請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
- 基板と、前記基板の表面上に液体の流路を形成する流路形成部材と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
凹部が形成された構造物を有する基板を用意する工程と、
前記凹部を埋めるように、前記流路形成部材を形成することで、前記流路形成部材の一部を前記凹部に嵌合させる工程と、
を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 前記基板を用意する工程と、前記流路形成部材の一部を前記凹部に嵌合させる工程との間に、前記基板の表面側に前記液体の流路の型材を形成する工程を有し、
前記流路形成部材で前記型材を覆い、その後で前記型材を除去することで前記液体の流路を形成する請求項12に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。 - 前記凹部が形成された構造物を有する基板を用意する工程の前に、
開口が形成された構造物と、前記開口の端部と隙間を介して形成された型材と、を前記基板の表面側に有する基板を用意する工程と、
前記隙間を埋めるように、構造物を形成する工程と、
前記構造物のうち、前記開口が形成されていた領域の上に形成されていた部分の一部を除去する工程と、
前記開口の端部と隙間を介して形成された型材を除去し、前記構造物の除去された領域と前記型材の除去された領域とで前記凹部を形成する工程と、を有し、
前記凹部の前記基板の表面と平行方向の断面積は、前記基板の表面の裏側の面である裏面から遠い側よりも前記裏面に近い側の方が大きい請求項12または13に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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JP2013210437A JP2015074118A (ja) | 2013-10-07 | 2013-10-07 | 液体吐出ヘッド及びその製造方法 |
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-
2013
- 2013-10-07 JP JP2013210437A patent/JP2015074118A/ja active Pending
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