JP2017080674A - 分離膜及びタンパク質分離回収システム - Google Patents

分離膜及びタンパク質分離回収システム Download PDF

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幸子 安藤
Sachiko Ando
幸子 安藤
幸治 丸山
Koji Maruyama
幸治 丸山
健郎 井上
Takeo Inoue
健郎 井上
隆史 熊野
Takashi Kumano
隆史 熊野
樋口 浩之
Hiroyuki Higuchi
浩之 樋口
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【課題】タンパク質を含む液体を処理するときにタンパク質の膜への付着を抑制できるとともに高い液体透過性を有する分離膜を提供する。【解決手段】本発明に係る分離膜は、疎水性多孔質膜と、両親媒性ポリマー層と、を備えている。疎水性多孔質膜は、多孔質構造を有し、疎水性材料で形成されている。両親媒性ポリマー層は、ベタイン基を側鎖として有する構成単位を含む両親媒性ポリマーによって疎水性多孔質膜の多孔質構造上に形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、分離膜及びタンパク質分離回収システムに関する。
従来、血液を処理するための医療用器具に使用可能な医療用親水化多孔質膜が知られている。例えば、特許文献1には、疎水性多孔質膜の表面に、界面活性作用を有する物質が疎水性多孔質膜の乾燥重量(g)当たり0.02mg〜250mgの量で吸着している医療用親水化多孔質膜が記載されている。特許文献1に記載の医療用親水化多孔質膜において、界面活性作用を有する物質として、数平均分子量が500〜8000である、非イオン性界面活性剤などの物質が用いられている。特許文献1に記載の医療用親水化多孔質膜によれば、オートクレーブ滅菌やγ線滅菌後においても血球の付着抑制効果が高く、特許文献1に記載の医療用親水化多孔質膜は高い血液適合性を有している。
国際公開第02/34374号
血漿又は血清のように抗体などのタンパク質を含む液体からタンパク質を分離回収するために分離膜を用いることが考えられる。特許文献1に記載の技術によれば、血液中に浮遊している有形成分である血球が膜に吸着することを抑制できる。しかし、特許文献1によれば、特許文献1に記載の医療用親水化多孔質膜を用いて、血球よりも小さなサイズを有する抗体などのタンパク質を含む液体からタンパク質を分離回収できるのか定かではない。
このような事情に鑑み、本発明は、タンパク質を含む液体を処理するときにタンパク質の膜への付着を抑制できるとともに高い液体透過性を有する分離膜を提供することを目的とする。また、本発明は、このような分離膜を備えたタンパク質分離回収システムを提供することを目的とする。
本発明は、
多孔質構造を有し、疎水性材料で形成された疎水性多孔質膜と、
ベタイン基を側鎖として有する構成単位を含む両親媒性ポリマーによって前記疎水性多孔質膜の前記多孔質構造上に形成された両親媒性ポリマー層と、を備えた、
分離膜を提供する。
また、本発明は、
上記の分離膜によって隔てられた供給空間及び透過空間を有する分離膜モジュールと、
前記供給空間に所定のタンパク質を含む原液を供給するための供給流路と、
前記供給空間から前記透過空間へ前記原液が前記分離膜を透過することによって生成され、前記原液の前記タンパク質濃度よりも低い前記タンパク質の濃度を有する透過液を、前記分離膜モジュールの外部へ排出するための透過液排出流路と、を備えた
タンパク質分離回収システムを提供する。
本発明に係る分離膜によれば、タンパク質を含む液体を処理するときにタンパク質の分離膜への付着を抑制できるとともに、分離膜が高い液体透過性を有する。また、本発明に係るタンパク質分離回収システムは、高い処理効率を有する。
本発明に係るタンパク質分離回収システムの構成を概念的に示す図
本発明に係る分離膜は、疎水性多孔質膜と、両親媒性ポリマー層と、を備える。疎水性多孔質膜は、多孔質構造を有し、疎水性材料で形成されている。両親媒性ポリマー層は、両親媒性ポリマーによって疎水性多孔質膜の多孔質構造上に形成されている。すなわち、両親媒性ポリマー層を形成する両親媒性ポリマーは、疎水性多孔質膜の表面上に加えて、疎水性多孔質膜の内部の多孔質構造の少なくとも一部の上に存在している。両親媒性ポリマーは、下記式(I)で表される、ベタイン基を側鎖として有する構成単位を含んでいる。ベタイン基を側鎖として有する構成単位を含む両親媒性ポリマーによって両親媒性ポリマー層が形成されていることにより、タンパク質を含む液体を処理するときにタンパク質の分離膜への付着を抑制できる。これにより、本発明に係る分離膜は、タンパク質を含む液体を処理するときに高い液体透過性を有する。なお、本明細書において、疎水性材料とは、20℃の超純水中において気泡と接触させたときの接触角が130°以下である材料を意味する。また、本明細書において、ベタイン基とは、正電荷を有する原子と負電荷を有する原子とを隣り合わない位置に有し、正電荷を有する原子には解離し得る水素原子が結合しておらず、官能基全体としては電荷をもたない官能基を意味する。
Figure 2017080674
式(I)において、Xはベタイン基を示す。ベタイン基Xにおいて、ベタイン基Xにおける正電荷を有する原子と構成単位の主鎖との間には、−COO−結合が存在していてもよい。
両親媒性ポリマーのベタイン基は、例えば第四級アンモニウムを含み、これにより正電荷を有する。また、両親媒性ポリマーのベタイン基は、カルボキシレート又はホスホリル基を含み、これにより、負電荷を有する。両親媒性ポリマーは、例えばトリメトキシシリル基を側鎖として又は末端に有する構成単位をさらに含む。この場合、タンパク質を含む液体を処理するときにタンパク質の分離膜への付着をより確実に抑制でき、分離膜が高い液体透過性を有する。また、両親媒性ポリマーがトリメトキシシリル基を有することにより、両親媒性ポリマー層の密着性が向上する。
両親媒性ポリマー層は、疎水性多孔質膜の多孔質構造と接触していてもよいし、両親媒性ポリマー層と疎水性多孔質膜の多孔質構造との間に所定の層が形成されていてもよい。両親媒性ポリマー層を形成する両親媒性ポリマーの重量は、分離膜が所望の液体透過性を有する限り特に制限されないが、例えば、分離膜の膜面積1cm2当たり、5μg〜15μgの両親媒性ポリマーによって両親媒性ポリマー層が形成されている。
両親媒性ポリマー層を形成する方法は、特に制限されないが、例えば、両親媒性ポリマーを含む溶液に疎水性多孔質膜を浸漬することによって、両親媒性ポリマー層を形成できる。この場合、必要に応じて、両親媒性ポリマー層を形成する両親媒性ポリマーの量を調整するために、疎水性多孔質膜から過剰な両親媒性ポリマーを所定の圧力で吸引濾過してもよい。
疎水性多孔質膜は、例えば、平均孔径が0.02μm〜1μmである多孔質構造を有する。疎水性多孔質膜の平均孔径は、例えば水銀圧入法によって測定できる。疎水性多孔質膜の厚さは特に制限されないが、例えば20μm〜80μmである。
疎水性多孔質膜を形成する疎水性材料は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:polytetrafluoroethylene)、ポリエーテルスルホン、又はポリスルホンである。この場合、分離膜を用いてタンパク質を含む液体を処理するときにタンパク質の分離膜への付着をより確実に抑制できる。また、これにより、分離膜がより確実に高い液体透過性を有する。仮に、疎水性多孔質膜の多孔質構造の一部が局所的に露出していたとしても、疎水性多孔質膜が高い疎水性を有していれば、分離膜へのタンパク質の付着を有利に抑制できると考えられる。このような観点から、疎水性多孔質膜を形成する疎水性材料は、望ましくはPTFEである。なお、疎水性多孔質膜の多孔質構造の露出が局所的であれば、分離膜の液体透過性にはほとんど影響しないと考えられる。
PTFEは、高い疎水性を有する。このため、疎水性多孔質膜を形成する疎水性材料がPTFEである場合、疎水性多孔質膜の多孔質構造に接触するように両親媒性ポリマー層を形成することが難しい場合がある。そこで、この場合、分離膜は、例えば親水性ポリマーコーティング層をさらに備えている。親水性ポリマーコーティング層は、疎水性多孔質膜の多孔質構造と両親媒性ポリマー層との間において親水性ポリマーによって形成されている。親水性ポリマーは、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)である。これにより、疎水性多孔質膜を形成する疎水性材料がPTFEである場合に、分離膜において両親媒性ポリマー層が所望の強度で形成される。このため、両親媒性ポリマー層が分離膜から剥がれにくい。この場合、望ましくは、親水性ポリマー層において親水性ポリマーが架橋されている。これにより、PTFEで形成された疎水性多孔質膜の多孔質構造に対する親水性ポリマー層の密着性が高まる。
PTFE多孔質膜に親水性ポリマーコーティング層を形成する場合、親水性ポリマーコーティング層を形成する親水性ポリマーの質量は、望ましくは、PTFE多孔質膜の質量の1〜10%である。これにより、分離膜の内部に液体が分離膜を透過するのに十分な空間を確実に確保できる。このため、分離膜がより確実に高い液体透過性を有する。
PTFE製の疎水性多孔質膜に親水性ポリマー層を形成する方法は特に制限されないが、例えば、以下の方法により親水性ポリマー層を形成できる。まず、PTFE多孔質膜の多孔質構造にアルコールを含浸させる。アルコールとしては、例えばイソプロピルアルコールを使用できる。次に、PTFE多孔質膜の多孔質構造に親水性ポリマーの水溶液を含浸させ、PTFE多孔質膜の多孔質構造に含浸されているアルコールを置換する。次に、PTFE多孔質膜を水に浸漬する。これにより、PTFEに親水性ポリマーを適切な量で付着させることができる。なお、PTFE多孔質膜を水に浸漬する時間は、30秒以上であればよい。その後、必要に応じて親水性ポリマーを架橋させる。親水性ポリマーの架橋は、例えば、酸触媒下で、架橋剤としてグルタルアルデヒド又はテレフタルアルデヒドを用いることによって行うことができる。例えば、水に浸漬した後のPTFE多孔質膜を、酸及びグルタルアルデヒドを含む水溶液に浸漬させることによって、親水性ポリマーを架橋できる。また、水に浸漬した後のPTFE多孔質膜を、テレフタルアルデヒドのテトラヒドロフラン溶液に浸漬した後、塩酸などの酸に接触させることによっても、親水性ポリマーを架橋できる。なお、親水性ポリマーの架橋後、PTFE多孔質膜は純水中で洗浄される。
分離膜が親水性ポリマーコーティング層を備える場合、分離膜は、両親媒性ポリマー層の密着性を高めるために、プライマーコーティング層を備えていてもよい。プライマーコーティング層は、親水性ポリマーコーティング層と両親媒性ポリマー層との間において、シラン系化合物によって形成されている。プライマーコーティング層は、例えば、PTFE製の疎水性多孔質膜に親水性ポリマーコーティング層が形成された、分離膜の半加工品を、シラン系化合物を含むプライマー液に浸漬させた後、半加工品から過剰なプライマー液を所定の圧力で吸引濾過することによって形成できる。これにより、プライマーコーティング層を適切な厚みで形成できる。
本発明に係る分離膜は、例えば、抗体などの所定のタンパク質を含む液体の処理に有利に用いることができる。図1に示すように、本発明に係るタンパク質分離回収システム100は、分離膜モジュール10と、供給流路20と、透過液排出流路30と、を備える。分離膜モジュール10は、本発明に係る分離膜1によって隔てられた供給空間11及び透過空間12を有する。供給流路20は、供給空間11に所定のタンパク質を含む原液を供給するための流路である。供給流路20によって、例えば、原液が貯留されたタンク(図示省略)の内部空間と供給空間11とが連通している。透過液排出流路30は、透過液を分離膜モジュール10の外部へ排出するための流路である。透過液は、供給空間11から透過空間12へ原液が分離膜1を透過することによって生成され、原液のタンパク質濃度よりも低いタンパク質の濃度を有する。すなわち、原液に含まれるほとんどのタンパク質は、分離膜1を透過せずに供給空間11に留まる。分離膜モジュール10は、本発明に係る分離膜1を備えているので、原液に含まれるタンパク質が分離膜1に付着しにくく、分離膜モジュール10における液体の透過流量(透液量)が大きい。このため、タンパク質分離回収システム100は高い処理効率を有する。
図1に示すように、タンパク質分離回収システム100は、濃縮液排出流路40をさらに備えていてもよい。濃縮液排出流路40は、濃縮液を分離膜モジュール10の外部へ排出するための流路である。濃縮液は、原液が前記分離膜に接触しながら供給空間11を通過することによって濃縮された液体である。すなわち、タンパク質分離回収システム100は、たとえば、分離膜モジュール10として、クロスフロー方式の分離膜モジュールを備えている。この場合、分離膜1におけるタンパク質の付着をより確実に防止でき、タンパク質分離回収システム100がより確実に高い処理効率を有する。場合によっては、タンパク質分離回収システム100は、クロスフロー方式の分離膜モジュールに代えて、全量濾過方式の分離膜モジュールを備えていてもよい。
実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に限定されない。まず、実施例及び比較例に係る分離膜の特性の評価方法について説明する。
(dead-end濾過法による透液量)
実施例及び比較例に係る分離膜を用いて、0.9質量%NaCl水溶液によって調製した3.5mg/mLのウシ血漿タンパク質溶液を0.5MPaの条件下で限外濾過を行い、濾過開始直後から1分間に分離膜を透過した液量からdead-end濾過法による透液量を求めた。
(cross-flow濾過による透液量)
実施例及び比較例に係る分離膜を所定の形状及び寸法に切断し、平膜評価用のセル(日東電工社製、製品名:C10−T)にセットした。0.9質量%NaCl水溶液によって調製した3.5mg/mLのウシ血漿タンパク質溶液5Lが充填されたタンクを準備し、このタンクから平膜評価用のセルに1MPaの圧力及び500mL/分の流量でウシ血漿タンパク質水溶液を供給した。10分間あたりに分離膜を透過した液量を計測し、cross-flow濾過による透液量を求めた。
(タンパク質の吸着性)
実施例及び比較例に係る分離膜のタンパク質の付着性を以下のようにして評価した。直径6mmの円形状に打ち抜いた分離膜を、96ウェルプレート中において、0.9質量%NaCl水溶液によって調製した3mg/mLの牛血清アルブミン(BSA:Bovine serum albumin)溶液及び0.9質量%NaCl水溶液によって調製した3mg/mLのウシ血漿溶液のそれぞれに浸漬させた。その後、37℃で3時間インキュベーションを行い、分離膜にタンパク質を付着させた。次に、分離膜を取り出して超純水中で軽くすすぎ、分離膜に過剰に付着したタンパク質を洗い落とした。次に、分離膜に吸着したタンパク質をMicro BCA法によって定量した。なお、BSA水溶液又はウシ血漿水溶液の代わりに0.9質量%のNaCl水溶液中で、37℃で3時間インキュベーションした分離膜をブランクとした。
(水の静的接触角測定)
実施例及び比較例に係る分離膜をアクリル板に貼り付け、超純水の入った水槽に分離膜を下向きに浸漬させ30分間静置させ分離膜の表面を十分に超純水になじませた。次に、シリンジを用いて1μLの気泡を浸漬された分離膜の表面に付着させ、分離膜の膜面と気泡との接触角を測定した。
<実施例1>
疎水性多孔質膜である、平均孔径0.2μmの延伸PTFE多孔質膜(日東電工社製、製品名:TEMISH、品番:NTF1122)をイソプロピルアルコールに5分間浸漬した後、濃度が1質量%のPVA水溶液に10分間以上浸漬させた。次に、疎水性多孔質膜を0.1規定の塩酸を含む3重量%のグルタルアルデヒド水溶液に浸漬し、60℃で5分間かけて疎水性多孔質膜に付着したPVAを架橋させた。次に、純水で疎水性多孔質膜を洗浄し乾燥させ、PVAコーティング層付PTFE多孔質膜を得た。得られたPVAコーティング層付PTFE多孔質膜を直径24mmの円形状に打ち抜いた。PVAコーティング層付PTFE多孔質膜において、PTFE多孔質膜の質量の2〜3%のPVAによってPVAコーティング層が形成されていた。
次に、円形状に打ち抜いたPVAコーティング層付PTFE多孔質膜を、シラン系プライマーコート剤(大阪有機化学工業社製、商品名:Formage-201MI)に5秒間浸漬させた後、0.5MPaの圧力で吸引濾過を行い、その後21℃で5分間静置して乾燥させた。このようにして、プライマーコーティング層付PTFE多孔質膜が得られた。プライマーコーティング層付PTFE多孔質膜の内部の広い範囲において、シラン系プライマーコート剤によってプライマーコーティング層が形成されていた。次に、カルボキシメチルベタイン基を側鎖に有する両親媒性ポリマーの溶液(大阪有機化学工業社製、商品名:LAMBIC-400EP)に、プライマーコーティング層付PTFE多孔質膜を5秒間浸漬した後、0.5MPaの圧力で吸引濾過を行い、その後21℃で5分間静置して乾燥させた。このようにして、実施例1に係る分離膜が得られた。プライマーコーティング層付PTFE多孔質膜の内部の広い範囲においてカルボキシメチルベタイン基を有する両親媒性ポリマーによって両親媒性ポリマー層が形成されていた。また、実施例1に係る分離膜において、カルボキシメチルベタイン基を有する両親媒性ポリマー5.4mgによって両親媒性ポリマー層が形成されていた。実施例1に係る分離膜の評価結果を表1に示す。
<比較例>
プライマーコーティング層及び両親媒性ポリマー層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1に係る分離膜を作製した。また、平均孔径0.35μmの延伸PTFE多孔質膜(日東電工社製、製品名:TEMISH-1122)をPVAコーティングすることなくそのまま比較例2に係る分離膜として使用した。比較例1及び2に係る分離膜の評価結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1に係る分離膜のタンパク質の吸着量は、比較例1に係る分離膜のタンパク質の吸着量よりも少なかった。また、実施例1に係る分離膜の透液量は、比較例1に係る分離膜の透液量よりも多かった。また、比較例2に係る分離膜は、液体を透過させることができなかった。
Figure 2017080674
1 分離膜
10 分離膜モジュール
11 供給空間
12 透過空間
20 供給流路
30 透過液排出流路
40 濃縮液排出流路
100 タンパク質分離回収システム

Claims (9)

  1. 多孔質構造を有し、疎水性材料で形成された疎水性多孔質膜と、
    ベタイン基を側鎖として有する構成単位を含む両親媒性ポリマーによって前記疎水性多孔質膜の前記多孔質構造上に形成された両親媒性ポリマー層と、を備えた、
    分離膜。
  2. 前記両親媒性ポリマーは、トリメトキシシリル基を側鎖として又は末端に有する構成単位をさらに含む、請求項1に記載の分離膜。
  3. 前記疎水性材料は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、又はポリスルホンである、請求項1又は2に記載の分離膜。
  4. 前記疎水性材料は、ポリテトラフルオロエチレンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分離膜。
  5. 前記多孔質構造と前記両親媒性ポリマー層との間において親水性ポリマーによって形成された親水性ポリマーコーティング層をさらに備えた、請求項4に記載の分離膜。
  6. 前記親水性ポリマーは、ポリビニルアルコールである、請求項5に記載の分離膜。
  7. 前記多孔質構造と前記両親媒性材料層との間において親水性ポリマーによって形成された親水性ポリマーコーティング層と、
    前記親水性ポリマーコーティング層と前記両親媒性ポリマー層との間において、シラン系化合物によって形成されたプライマーコーティング層と、を備えた、
    請求項6に記載の分離膜。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の分離膜によって隔てられた供給空間及び透過空間を有する分離膜モジュールと、
    前記供給空間に所定のタンパク質を含む原液を供給するための供給流路と、
    前記供給空間から前記透過空間へ前記原液が前記分離膜を透過することによって生成され、前記原液の前記タンパク質濃度よりも低い前記タンパク質の濃度を有する透過液を、前記分離膜モジュールの外部へ排出するための透過液排出流路と、を備えた
    タンパク質分離回収システム。
  9. 前記原液が前記分離膜に接触しながら前記供給空間を通過することによって濃縮された濃縮液を前記分離膜モジュールの外部へ排出するための濃縮液排出流路をさらに備えた、請求項8に記載のタンパク質分離回収システム。
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