JP2014079687A - 分離膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】親水性を有し、耐薬品性が高く、酵素溶液を濾過したときの透水量の保持率が高く、酵素除去率も高い分離膜及びその製造方法を提供すること。また、当該分離膜を備えるモジュール、並びに当該分離膜を用いる酵素濃縮方法及び濾過方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、疎水性高分子と親水性高分子とを含む分離膜であって、親水性高分子が、重量平均分子量2000以上50000未満のポリビニルピロリドンを含有し、一方の表面の接触角と、他方の表面の接触角との差が6度以上である分離膜に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、疎水性高分子と親水性高分子とを含む分離膜に関する。詳しくは、酵素やタンパク質を濃縮する用途において、薬品洗浄に強く、分離膜が持つ親水性及び分画性能を長期に渡って維持できる分離膜に関する。
従来、酵素やタンパク質の濃縮には、選択透過性分離膜が広く用いられてきた。酵素やタンパク質が膜に吸着すると、目詰まりして濾過性能が低下するだけでなく、製品の回収率が下がってしまうという問題が生じる。このため、選択透過性分離膜の中でも、膜表面への吸着のしにくさから、セルロース系やポリアクリロニトリル系等の親水性素材で製膜した膜が好適であることが知られている。
しかしながら、これらの親水性素材は、一般的に耐薬品性や機械的強度が低いという欠点があった。使用後の膜から酵素やタンパク質を除去するには、水酸化ナトリウム水溶液や次亜塩素酸ナトリウム水溶液等のアルカリ性の洗浄液により高温で洗浄することが効果的であることが知られている。しかし、これら親水性素材の膜は、高温やアルカリ性溶液に対する耐性が低いため、最適な洗浄条件を用いることができなかった。そのため、温度やpHが穏やかな条件で洗浄を行っているが、それでもなお薬品曝露を繰り返すうちに膜が劣化し、徐々に分画性能が低下してしまうため、膜の寿命が短いという課題があった。
この課題を解決するために、機械的、化学的強度の優れたポリスルホン系、ポリフッ化ビニリデン系等の疎水性素材に、親水性のポリマーや添加剤を配合、もしくはコーティングすること等によって、親水性を付与した膜が開発されている。
疎水性素材に親水性を付与する方法としては、例えば、特許文献1及び2に開示されているように、製膜原液中に親水性高分子であるポリエチレングリコールを配合する方法や、特許文献3及び4に開示されているように、ポリビニルピロリドンを添加する方法が知られている。
しかしながら、ポリエチレングリコールやポリビニルピロリドンは水溶性であるため、初期は良好な性能を示しても、使用中に徐々にこれらが処理液中に溶け出し、親水性が失われるという問題がある。また同時に、親水性ポリマーの脱落した部分が空隙になり、分画性能が低下する。
特許文献5では、強酸化剤に耐性を持つ親水化ポリスルホン系膜として、膜に分子量35000のポリエチレングリコールを保持させる方法が提案されている。ここで、ポリエチレングリコールは基材のポリスルホンよりは親水性であるため、分離膜としての効果はある程度あるが、耐ファウリング性の観点では、より親水性が高くかつ均一な水和層が形成できるポリビニルピロリドンの方が優れている。
ポリビニルピロリドンの溶出を防ぐために、特許文献6に開示されているように、ポリビニルピロリドンをアルカリ等で架橋して、不溶化する技術が開発されている。このような不溶化処理を行うことにより、水中へのポリビニルピロリドンの溶出が防止できるようになったため、現在透析膜等の医療分野で広く使われている。
特開昭61−232860号公報 特開昭58−114702号公報 特開2008−6327号公報 特許第3117575号 特開2007−307463号公報 国際公開第04/018085号
しかしながら、これらは主に血液処理用等のシングルユースでの使用を想定しているため、繰り返し用いるときの課題を考慮していない。たとえ親水性高分子を架橋して水に不溶化したとしても、薬品による親水性高分子の分解は抑えられないため、やはり長期間にわたって親水性と分画性能を維持することが困難である。このように、膜の親水性と膜寿命はトレードオフの関係にあり、また親水性がどの程度あれば満足な濾過性能が得られるか定かでなかったため、結局双方を十分に高くしようと試みが続けられてきたが、これまで達成されていない。
本発明は、親水性を有し、耐薬品性が高く、酵素溶液を濾過したときの透水量の保持率が高く、酵素除去率も高い分離膜及びその製造方法を提供することを目的とする。本発明はまた、当該分離膜を備えるモジュール、並びに当該分離膜を用いる酵素濃縮方法及び濾過方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、親水性高分子と疎水性高分子を含むある種の分離膜が、親水性を有し、耐薬品性が高く、酵素溶液を濾過したときの透水量の保持率が高く、酵素除去率も高いことを見出した。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[16]を提供するものである。
[1]疎水性高分子と親水性高分子とを含む分離膜であって、前記親水性高分子が、重量平均分子量2000以上50000未満のポリビニルピロリドンを含有し、前記分離膜の一方の表面の接触角と、他方の表面の接触角との差が6度以上である、分離膜。
[2]前記ポリビニルピロリドンの重量平均分子量が2500以上32000以下である、[1]に記載の分離膜。
[3]前記分離膜の一方の表面の接触角と、他方の表面の接触角との差が10度以上である、[1]又は[2]に記載の分離膜。
[4]前記疎水性高分子が、ポリエーテルスルホン又はポリスルホンを含有し、前記ポリビニルピロリドンの割合が、該ポリビニルピロリドンと前記ポリエーテルスルホン又は前記ポリスルホンとの総量を基準として、2質量%以上8質量%以下である、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の分離膜。
[5]前記ポリビニルピロリドンの割合が、該ポリビニルピロリドンと前記ポリエーテルスルホン又は前記ポリスルホンとの総量を基準として、2質量%以上4.1質量%以下である、[4]に記載の分離膜。
[6]前記疎水性高分子が、ポリフッ化ビニリデンを含有し、前記ポリビニルピロリドンの割合が、該ポリビニルピロリドンと前記ポリフッ化ビニリデンとの総量を基準として、0.2質量%以上2質量%以下である、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の分離膜。
[7]前記ポリビニルピロリドンの割合が、該ポリビニルピロリドンと前記ポリフッ化ビニリデンとの総量を基準として、1.5質量%以上2質量%以下である、[6]に記載の分離膜。
[8]中空糸膜である、[1]〜[7]のいずれかに記載の分離膜。
[9][1]〜[8]のいずれかに記載の分離膜を備えるモジュール。
[10][1]〜[8]のいずれかに記載の分離膜を用いる酵素濃縮方法。
[11][1]〜[8]のいずれかに記載の分離膜を用いる濾過方法。
[12]疎水性高分子、親水性高分子、並びに、該疎水性高分子及び該親水性高分子を溶解させる共通溶媒を少なくとも含有する製膜原液を、水を主成分とする溶液中で凝固させて分離膜を作製する工程を備え、前記親水性高分子は、重量平均分子量が2000以上50000未満のポリビニルピロリドンを含む、分離膜の製造方法。
[13]前記製膜原液が、前記疎水性高分子に対する貧溶剤であり、分子量300以下の貧溶剤を更に含有する、[12]に記載の分離膜の製造方法。
[14]前記製膜原液を中空糸状に吐出する、[12]又は[13]に記載の分離膜の製造方法。
[15]前記製膜原液を中空糸状に吐出する際に用いる中空剤の主成分が、水である、[14]に記載の分離膜の製造方法。
[16]空走時間が0.1秒以上10秒未満である、[12]〜[15]のいずれかに記載の分離膜の製造方法。
本発明によれば、親水性を有し、耐薬品性が高く、酵素溶液を濾過したときの透水量の保持率が高く、酵素除去率も高い分離膜及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、当該分離膜を備えるモジュール、並びに当該分離膜を用いる酵素濃縮方法及び濾過方法を提供することができる。より具体的には、本発明の分離膜を用いることにより、タンパク質や酵素の濾過に特有の高温のアルカリ性溶液を用いた過酷な洗浄条件下でも、膜の親水性を維持できるため、タンパク質や酵素が膜表面に付着しにくく良好な濾過性を保つことができる。すなわち、従来よりも繰り返し使用に適した分離膜を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の分離膜は、疎水性高分子と親水性高分子とを含む。疎水性高分子は、高い機械的及び化学的強度を有するため、分離膜の強度を担保する役割を持つ。一方、親水性高分子は、分離膜の表面を親水性に保ち、タンパク質や酵素を付着しにくくするため、良好な濾過性能に寄与する。
ここで分離膜とは、精密濾過や限外濾過等の分離プロセスに用いられる膜を意味し、多孔質膜であることが好ましい。孔径は、0.1nm以上5μm以下が好ましく、1nm以上0.5μm以下がより好ましい。また、分離膜の形状は特に限定されない。分離膜の形状としては、例えば平膜、中空糸膜、多層化された複合膜等が挙げられるが、その中でも、中空糸膜は、単位設置面積当たりの集積度が高くでき、膜面積を稼げるため特に好ましい。
疎水性高分子としては、耐熱性、耐薬品性等に優れた疎水性の樹脂成分を含むことが好ましく、樹脂成分としては、例えばポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。この中でも特に、酵素やタンパク質の洗浄で用いられるアルカリ性水溶液に対して非常に優れた耐性を持ち、かつ親水性高分子との相溶性が良好であることから、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等の、ポリスルホン系の高分子が好ましい。
本実施形態の分離膜は、親水性高分子として、重量平均分子量2000以上50000未満のポリビニルピロリドン(以下「PVP」ともいう。)を含有する。重量平均分子量が2000以上50000未満のPVPを用いることで、優れた親水性と繰り返し使用に耐える強度を高いレベルで兼ね備えた膜を作製できる。また、重量平均分子量が2500以上32000以下のPVPを用いることが好ましい。重量平均分子量が2500以上32000以下のPVPを用いることで、より優れた親水性と繰り返し使用に耐える強度をより高いレベルで兼ね備えた膜を作製できる。また、PVPは、安全性や疎水性高分子との高い相溶性の観点からも、親水性高分子として好ましい。
親水性高分子としては他に、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミン、ポリエチレンイミン、界面活性剤(例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、脂肪酸塩等の陰イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤;アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤)を含有していてもよい。
これまでの分離膜には、重量平均分子量が50000以上の高分子量のPVPが多く用いられてきた。例えば、PVPの分子量の指標となるK値(粘度特性値)が30(重量平均分子量約50000)や、90(重量平均分子量約1600000)のものが広く使われている。これは、高分子量のPVPは膜に残存しやすいため、容易に膜に親水性の効果を持たせることができるためである。しかしこれらの膜は、製造した直後は高い親水性を示すが、架橋等の後処理を行わない場合、使用中に徐々に処理液中に溶出し減少していき、親水性が低下してしまう。架橋等でPVPを不溶化すると、溶出による減少は抑えられるが、洗浄剤として用いられる次亜塩素酸ナトリウム等の薬品による分解は防止できない。よって、分離膜を薬品洗浄しながら繰り返し使用する用途では、やはりPVPの喪失が避けられない。
分離膜中のPVPが減少すると、親水性が失われるだけでなく、孔径が大きくなり、初期の分画性能を維持することができなくなる。これは、製膜直後は、膜の基材となる疎水性高分子が形成する微細孔に、PVPの分子鎖が伸びて広がっており、見かけ上、孔径が小さく見えるためだと推測される。ここに、洗浄剤として用いられる次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤が接触すると、PVPの分子鎖が切れて、微細孔を埋めていたPVPが脱落するため、見かけ上阻止率が低下すると考えられる。このように、これまでの技術では、過酷な洗浄条件下において、膜の寿命の観点で問題があった。しかし、分子量が50000(K値で30相当)未満の低分子量のPVPを用いることで、これらを解決することができる。また、分子量が2000未満のPVPを用いた場合、分離膜に親水性を付与することが困難となる。
一般的に、低分子量のPVPを用いると、PVPは紡糸中や水洗中にほとんどが膜に残らずに抜けてしまうため、膜を親水化する効果が小さい。また効果を増すために添加量を増やすと、一時的には膜に残るものの、特開平6−296686号公報の比較例2のように、使用中の溶出量が大きくなることが問題であった。
しかしながら、低分子量のPVPを多量に疎水性高分子中に残存させることにより、高い親水性を発揮しつつ、更に意外なことに、膜に薬品洗浄を行っても、阻止率の変化は、低分子量のPVPを用いた方が高分子量のPVPを用いたときと比較して明らかに小さいことがわかった。これは、PVPの分子鎖が短いため、元々の疎水性高分子が形成する微細孔の大きさが、見かけの孔径とほぼ一致するためだと考えられる。そのため酸化剤と接触してPVPが分解、脱落しても、孔径変化が小さく分画性能への影響が小さいと考えられる。
分離膜中に存在するPVPの割合の好ましい範囲は、共存する疎水性高分子の種類によって異なる。疎水性高分子がポリエーテルスルホン又はポリスルホンを含有する場合、ポリビニルピロリドンの割合は、ポリビニルピロリドンとポリエーテルスルホン又はポリスルホンとの総量を基準として、2質量%以上8質量%以下であることが好ましく、2質量%以上4.1質量%以下であることがより好ましい。一方、疎水性高分子がポリフッ化ビニリデンを含む場合、ポリビニルピロリドンの割合は、ポリビニルピロリドンとポリフッ化ビニリデンとの総量を基準として、0.2質量%以上2質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以上2質量%以下であることがより好ましい。それぞれの場合において、PVPの含有割合が上記下限値以上であれば、膜に親水性をより付与することができ、良好な濾過性を得ることができる。また、PVPの含有割合が上記上限値以下であれば、濾過した際の溶出もより抑えられ、PVPの脱落による孔径の変化も小さい。
本実施形態の分離膜は、一方の表面(二次側表面)の接触角が、他方の表面(一次側表面)より6度以上大きい。ここで一次側表面とは、膜の被処理液が直接接する側を指し、二次側表面は、濾液が接する側を示す。二次側表面の接触角が一次側表面より大きいということは、二次側表面の方がより疎水性に近いということを示している。すなわち、二次側表面の接触角が一次側表面より大きいということは、分離膜中の親水性高分子の存在量には分布があり、一次側表面に近い側により多くの親水性高分子が存在していることを意味する。
被処理液の中には、目的濃縮物であるタンパク質や酵素の他にも、微量の低分子量の不純物成分が含まれており、これらは一般的に一次側表面の孔径よりも小さいため、膜を通過し濾液に混入する。しかし、二次側表面を一次側表面よりも疎水性にすることで、これらの不純物が膜に吸着するため、一次側表面を通過した不純物を捕捉する事ができ、濾液をより清澄化することができる。そのため不純物を含めた阻止率をより高くできる。
また、分離膜の表面の接触角は、上記一次側表面及び二次側表面の少なくとも一方の表面の接触角が75度以下であることが好ましい。空気中における水の接触角は、膜表面の親水性の程度を表す指標であり、値が小さいほど親水性であることを示す。例えば、ポリスルホンやポリフッ化ビニリデン等の単一の疎水性素材で作製した膜の接触角は、80度以上であり、一方、ポリアクリロニトリル等の単一の親水性素材の膜の接触角は、80度未満である。本発明者らは、タンパク質や酵素の濾過においては、被処理液が直接接触する面の接触角が75度以下であると、親水性素材で作製した膜と同程度の良好な濾過性が得られやすいことを見出した。接触角が75度以下であれば、膜表面への酵素やタンパク質の吸着を十分に小さく抑えられ、濾過性能の低下を十分に抑止できる。また、接触角の下限としては、55°以上であれば、薬品による膜表面での劣化を抑止し、孔径変化を実用上十分に小さく抑えられるため好ましい。接触角の下限は、更に好ましくは60度以上70度以下である。
本実施形態の分離膜は、初期の阻止率の値(A)が50%以上95%未満であるデキストランを用いて、500ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に60℃で3時間浸漬させた後に再度阻止率を測定したときの阻止率の値(B)が、B≧A×0.5を満たす分離膜であることが好ましい。これはつまり、分離膜の洗浄剤への耐性(耐薬品性)の指標として、次亜塩素酸ナトリウム水溶液への浸漬前後での、分離膜のデキストラン阻止率の保持率を用いていることを示している。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、タンパク質や酵素を含む液を濾過した際の洗浄剤として汎用的に用いられるものであり、更に膜中のPVPを酸化分解させる作用があるため、好適である。耐薬品性の指標として、より好ましくはB≧A×0.6、更に好ましくはB≧A×0.7である。
デキストランは、上記のとおり分離膜の初期の阻止率の値Aが、50%以上95%未満であるものを使用する。これは、Aが50%以上95%未満のデキストランを用いると、膜の孔径が変化したときに、明確に変化が検知できるためである。初期の阻止率が50%未満、もしくは95%以上であると、元々の膜の孔径がデキストランより十分に大きい、もしくは小さいため、薬品浸漬により膜の孔径が少々変化しても、阻止率の変化で検知することが難しい。薬品浸漬前後におけるデキストラン阻止率の保持率B/Aが0.5以上であれば、孔径の変化は小さく、タンパク質や酵素の濾過において、長期に渡って安定した性能を保持できる。
本実施形態においては、分離膜を純水で抽出した際の、抽出液のUV吸光度が0.10未満であることが好ましい。抽出液のUV吸光度が0.10未満であるということは、親水性高分子の溶出量が十分少なく、分離膜中に残存している親水性高分子が疎水性高分子鎖に強固に絡み合っていることを示している。抽出液のUV吸光度が0.10未満であると、より長期に渡り安定な濾過性能を得ることができる。抽出方法は、医療分野で使用される、人工腎臓装置承認基準(昭和58年厚生省規定)の溶出試験に準拠して実施することができる。
本実施形態の分離膜は、後述する実施例に記載の測定方法により測定することができる重量平均分子量10000のデキストランの阻止率が、20%以上であることが好ましい。目的濃縮物であるタンパク質や酵素の分子量は、数千〜数万程度であり、重量平均分子量10000のデキストランの阻止率が20%以上あれば、より高い分画性能を得ることができる。当該阻止率は、より好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上である。
本実施形態の分離膜は、実施例記載の測定方法により測定した純水透水量が、100L/m/h以上10000L/m/h未満であることが好ましい。純水透水量が100L/m/h以上であれば、低い膜間差圧(TransMembrane Pressure、以下「TMP」ともいう)でより十分な処理能力を得ることができる。また10000L/m/h未満であれば、ポンプ等付帯設備の能力を懸念する必要がなく、汎用的に使用できる。
本実施形態において、分離膜の純水透水量をC(L/m/h)、酵素溶液を濾過したときの透水量をD(L/m/h)とすると、D/C≧0.05 であり、かつ、酵素溶液を濾過したときの酵素の阻止率が、99.0%以上であることが好ましい。
本実施形態の分離膜において、酵素溶液の濾過能力は、酵素溶液を濾過したときの透水量の保持率と、酵素の阻止率で評価する。酵素の阻止率が99.0%以上で、かつ透水量の保持率D/Cが0.05以上であれば、酵素を濾液側に通過させず、かつ膜表面への吸着も少ないことから、酵素を高効率に濃縮回収することができる。また、透水量の保持率が高いということは、酵素溶液の濾過時においても膜本来の透水量が良く反映されることを示しており、設備に導入する際に必要な膜面積の判断が容易になる。より好ましくはD/C≧0.10、更に好ましくはD/C≧0.12である。
本発明の分離膜は、中空糸膜であることが好ましい。中空糸膜であることにより、平面状の膜に比べて、モジュール単位体積当たりの膜面積を大きくすることが可能である。
以下、本実施形態の分離膜の製造方法について説明する。
本実施形態の分離膜は、製膜原液に対して凝固力のある凝固溶液中に吐出して凝固させる、いわゆる湿式製膜法、或いは、製膜原液を吐出した後に所定の空走区間を確保する、いわゆる非溶剤誘起型相分離法によって製造することができる。
本実施形態における製膜原液は、疎水性高分子、親水性高分子、並びに、該疎水性及び親水性高分子成分を溶解させる共通溶媒を少なくとも含有する。共通溶媒としては、上記の疎水性及び親水性高分子成分を溶解することができるものであれば特に限定されるものではなく、公知の溶媒を適宜選択して用いることができる。製膜原液の安定性を向上させる観点で、共通溶媒として、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)及びジメチルスルホキシド(DMSO)からなる群より選択される少なくとも1種の溶媒を用いることが好ましい。取扱いの簡便性及びより高い透水性が得られる観点から、N−メチルピロリドンを用いることが特に好ましい。また、上記の群から選択される少なくとも1種の共通溶媒と他の溶媒との混合溶媒を用いてもよい。この場合、前記の群から選択される共通溶媒の合計量が、混合溶媒全量を基準として、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含む混合溶媒を用いることが好ましい。
上記「製膜原液に対して凝固力のある凝固溶液」としては、水、エタノール等のアルコール類、溶媒の水溶液等が挙げられるが、本実施形態においては、凝固力の高い水を主成分とする溶液を用いることが好ましい。ここで、「主成分として含む」とは、50質量%以上含むことを意味する。凝固溶液中の水の割合は、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。
分離膜に低分子量のPVPを用いる際の課題の一つとして、粘度が低いため可紡性が非常に悪く、特許第4724914号の比較例2に示されるように、製膜が困難であるということがあった。しかし、本実施形態の分離膜の製造方法では、凝固溶液に水を主成分とする溶液を用いることで、可紡性を大きく改善できる。
製膜原料には貧溶剤を含むことが好ましい。貧溶剤としては、特に分子量300以下の貧溶剤がよい。ここでいう貧溶剤とは、疎水性高分子5gを100gの溶剤に25℃で溶解したときに、不溶成分が観察される溶剤をいう。
製膜原料に貧溶剤を加えると、分離膜内に残存させる親水性高分子の含有効率が増加するため、低分子量のPVPを効率よく疎水性高分子中に含有させることができる。これは、非溶剤誘起型相分離法による製膜において、相分離が起こるときに、これらの貧溶剤が疎水性高分子の希薄相(すなわち溶剤を主とする相で、最終的に空孔部になる部分)側に優先的に抜けていき、親水性高分子が疎水性高分子の濃厚層(最終的に分離膜の柱部を形成する相)に残留しやすくなる。その結果として最終的に作製された分離膜の疎水性高分子から成る構造体中に親水性高分子が多く残留していると考えられる。貧溶剤の分子量が大きくなると、貧溶剤の分子鎖が親水性及び疎水性高分子の分子鎖と絡み合い、製膜原液中から抜けにくくなり、効果が低減してしまうが、分子量が300以下であると、貧溶剤が希薄相側に速やかに抜けていくため優れた効果を得られる。これによって、親水性高分子を少ない添加量でも効率よく残存させることができるので、コスト面でも有利である。
貧溶剤の例としては、水、グリセリン、エタノール等のアルコール類、エチレングリコール類等が挙げられるが、比較的親水性高分子との相溶性が悪く、また取り扱いが容易であること等から、テトラエチレングリコール(以下、「TEG」という)、トリエチレングリコール、エチレングリコール等の低分子量のエチレングリコール系の物質が特に好ましい。
本実施形態の分離膜の製造方法では、分離膜を中空状に成形することが好ましい。
中空状に成形する方法としては、製膜時の成形用ノズルとして二重管状のノズルを用い、製膜原液を中空剤とともにその二重管状のノズルから押し出し、水を主成分とする溶液中に吐出する方法を用いることができる。これにより製膜原液が凝固し、中空糸膜が作製される。中空剤とは、中空部に流す液体のことである。中空剤として、水、アルコール、溶剤を含む水溶液等が用いられる。本実施形態では、中空剤の主成分が水であることが好ましい。また、水の割合が70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。
中空剤に凝固力の強い純水を用いることによって、可紡性の悪い製膜原液を用いた場合でも、内表面側を早く凝固させることで糸切れを防止し、良好な生産性を得ることができる。これによって、製膜が困難な、低分子量PVPを用いた場合でも、良好な可紡性を維持することができる。
本実施形態の分離膜の製造方法では、空走時間は0.1秒以上10秒未満であることが好ましく、0.3秒以上3秒未満であることがより好ましい。空走時間が0.1秒以上であれば、凝固水浴に進入するまでに十分内表面を凝固させることができ、着水したときに、外表面側から急激な力が加わっても膜が偏平するのを防ぐことができる。また、空走時間が10秒未満であれば、膜が空走中に伸びて糸切れするのを防止することができる。ここで空走時間とは、乾湿式紡糸において、製膜原液を紡糸口金から紡出してから、凝固のための水浴に着水するまでに、分離膜が空気中を通過する時間を指す。
上述の分離膜は、多数の膜を収納した、モジュールとして用いることができる。ここで、分離膜モジュールは、浸漬式膜モジュールと加圧式膜モジュールとに大別される。浸漬式膜モジュールとしては、分離膜と、該分離膜の少なくとも一端を固定する端部固定部を備え、分離膜が露出した分離膜モジュールであって、当該分離膜が上記処理済分離膜である分離膜モジュールが挙げられる。加圧式膜モジュールは、分離膜の周りにケーシングを有するものであって、ケーシング内に分離膜が固定された一体型のタイプと、ケーシングと分離膜がそれぞれ独立していて、分離膜をケーシングに挿入して使用するカートリッジタイプがあり、両タイプにおいて、分離膜として上記分離膜が適用できる。酵素やタンパクの濃縮においては、コンタミを嫌うため、閉鎖系で使用でき、かつ交換も容易な加圧式膜モジュールが好ましい。
上述の分離膜を用いた濾過方法としては、デッドエンド濾過、クロスフロー濾過のどちらでも用いることができるが、クロスフロー濾過の方が、膜表面と水平方向に加わるせん断力によって、ファウリングを抑制できるので特に好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。また、特に記載がない場合、測定は25℃でおこなった。
(分離膜の接触角の測定方法)
分離膜表面を平坦にして、測定したい面を上にしてスライドガラスの上に両面テープで固定した。膜表面に水滴を滴下させ、接触角測定器(協和界面科学製、FACE CONTACT−ANGULEMEYER)を使用して、θ/2法によって接触角を求めた。θ/2法とは、水滴の左もしくは右の端点と頂点を結ぶ直線の、膜表面に対する角度(θ/2)から接触角θを得る方法である。
一次側、二次側それぞれについて各5回ずつ測定を行い、その平均値を求めた。また、中空糸膜の場合は、以下の方法で平らな表面を得た。外表面の接触角の測定時は、ガラス製の丸棒を用いて膜表面を押しつぶして平らにした。内表面の接触角の測定時は中空糸を長さ方向に切断して、中空糸の内表面側を露出させた状態で、膜表面をガラス製の丸棒で押しつぶして平らにした。
(デキストラン阻止率の測定方法)
未使用の分離膜を複数本準備しておき、その半数を用いてデキストラン阻止率(A)を測定した。残りの半数の分離膜は下記の(薬品浸漬方法)に記載のとおり処理し、その後デキストラン阻止率(B)を測定した。
市販のデキストランを水で0.1質量%に希釈し、デキストラン水溶液を作製した。約20cm長の湿潤中空糸膜の両端に注射針を入れ、片端の注射針はチューブを介してポンプに接続し、デキストラン水溶液が送液できるようにした。もう片端の注射針にはチューブを取り付け、チューブの先をデキストラン水溶液の入った容器に入れ、中空部を通ったデキストラン水溶液が容器に戻るように回路を組んだ。またデキストラン水溶液の容器は分離膜の下部に設置し、分離膜の内表面から外表面側に濾過されてきた濾液を回収できるようにした。また、分離膜からの流出圧を測定できるようにした。分離膜の中空部を、デキストラン水溶液1.0m/秒の流速で流れるように送液した。この際、流出圧は0.05MPaになるよう調整した。この状態で、分離膜の中空部にデキストラン水溶液を還流させ、一部を濾過するクロスフロー濾過を実施した。
濾過開始から30分が経過した時点でデキストラン水溶液と濾液をそれぞれサンプリングして、RI測定器(東ソー製、RI−8021)にてシグナルの積分値を測定した。デキストラン阻止率は次式により算出した。
デキストラン阻止率[%]=100−(濾液のシグナルの積分値/デキストラン水溶液のシグナルの積分値×100)
(薬品浸漬方法)
湿潤状態の分離膜を、500ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に、60℃で3時間浸漬させ、その後十分に水洗した。
(分離膜に含まれるPVPの分子量の測定方法)
分離膜を溶媒に溶解させ、その後水を加えて膜の基材となる疎水性高分子を析出させた。疎水性高分子を除去し、PVPの溶出した液を蒸発させ、固体のPVPを析出させた。GPCを用いて、以下の条件で得られたPVPの分子量を測定した。
[測定条件]
カラム:Suprema linear M (直径8mm、長さ30cm)
カラム温度:40度
溶媒:水/アセトニトリル(80/20)+0.15mol/L NaCl+0.03mol/L NaHPO、pH=9
検出器:UV−Photometer GAT−LCD (波長254nm)
指標物質:光散乱法(方法は、M.J.R.Cantow,J.Polym.Sci.,A−1,5(1967)に記載)にて、Kollidon90、Kollidon30、SokalanHP165の分子量を測定し、指標物質とした。
(膜中のPVP含有割合の測定方法)
多孔質膜のH−NMR測定を下記の条件で実施して、得られたスペクトルから以下の方法でPVPの含有割合を算出した。
[測定条件]
装置:ECS400(日本電子株式会社)
共鳴周波数:399.78MHz
溶媒:d−DMF
測定温度:25℃
試料濃度:約5質量%
積算回数:256回
(1)ポリエーテルスルホンの場合
得られたスペクトルにおいて、2ppm付近に現れるポリビニルピロリドン(4H分)由来のシグナルの積分値(IPvP)と8ppm付近に現れるポリエーテルスルホン(4H分)由来のシグナルの積分値(IPES)から、下記式によって算出した。
PVP含有割合(質量%)=111(IPVP/4)/{232(IPES/4)+111(IPVP/4)}×100
(2)ポリスルホンの場合
得られたスペクトルにおいて、2ppm付近に現れるポリビニルピロリドン(4H分)由来のシグナルの積分値(IPvP)と7.3ppm付近に現れるポリスルホン(4H分)由来のシグナルの積分値(IPSf)から、下記式によって算出した。
PVP含有割合(質量%)=111(IPVP/4)/{443(IPSf/4)+111(IPVP/4)}×100
(抽出液の吸光度測定方法)
分離膜の抽出は、日本薬局方の人工腎臓装置承認基準の溶出試験に準拠して行った。すなわち、中空糸膜を乾燥させ2cm長(平膜であれば2cm角とする)に切断し、膜1.5gと注射用蒸留水150mLをガラス容器に入れ、70±5℃で1時間加温した。冷却後、膜を取り除いて、蒸留水を加えて150mLとした。この液をUV測定器で、220以上350nm未満での最大吸収波長を示す波長の吸光度を測定し、その条件下での抽出液の吸光度とした。
(純水透水量の測定方法)
まず、中空糸膜を膜長手方向に垂直な向きにカミソリ等で薄く切り、顕微鏡を用いて膜の内径を測定した。その後、約10cm長の湿潤中空糸膜の一端を封止し、他端の中空部内へ注射針を入れ、25℃の環境下にて注射針から0.1MPaの圧力にて25℃の純水を中空部内へ注入し、外面から透過してくる水量を測定して下記式から純水透水量を測定した。この測定を4本行い、その算術平均をそれぞれの膜の純水透水量とした。
Figure 2014079687
(酵素溶液の作製)
酵素溶液は、分離膜の孔径に応じて以下の2種類を使用した。
(1)デキストラン阻止率の測定で用いたデキストランの分子量が、100,000未満のとき(低分子量の酵素を想定。多くの酵素はこちらに含まれる)
市販のNOVOZYME社製のSavineaseを、水で10倍に希釈したものを酵素溶液とした。
(2)デキストラン阻止率の測定で用いたデキストランの分子量が、100,000以上のとき(高分子量の酵素を想定。プロテアソーム(分子量約200万)等)
高分子量のポリエチレンオキサイド水溶液を酵素溶液の模擬液とする。ポリエチレンオキサイド(明星化学工業株式会社製、アルコックスE−160)の0.1質量%水溶液を作製し、酵素溶液とした。
(酵素濾過時透水量の測定方法)
約20cm長の湿潤中空糸膜の両端に注射針を入れ、片端の注射針はチューブを介してポンプに接続し、酵素溶液が送液できるようにした。もう片端の注射針にはチューブを取り付け、チューブの先を酵素溶液の入った容器に入れ、中空部を通った酵素溶液が容器に戻るように回路を組んだ。また酵素溶液の容器は分離膜の下部に設置し、分離膜の内表面から外表面側に濾過されてきた濾液を回収できるようにした。また、分離膜からの酵素溶液の流出圧を測定できるようにした。分離膜の中空部を、酵素溶液1.0m/秒の流速で流れるように送液した。この際、流出圧は0.05MPaになるように調整した。また、TMPは0.1MPaになるよう調整した。この状態で、分離膜の中空部に酵素溶液を還流させ、一部を濾過するクロスフロー濾過を実施した。
酵素濾過時透水量[L/m/h]=1分あたりの酵素溶液濾過量[L/min]×60[min/h]/A[m
ただし、Aはモジュールの膜面積[m]、TMP=((流入圧)+(流出圧))/2[MPa]である。
(酵素阻止率の測定方法)
酵素阻止率は、以下の方法により濾液中の酵素活性量から求めた。上記の酵素濾過時において、濾過開始から30分が経過した時点で、酵素溶液と濾液をサンプリングし、それぞれジメチルカゼイン、TNBS(2,4,6−trinitro benzen sulphonic acid)を添加した。このサンプルを酵素自動分析装置(Thermo Fisher Scientific 製)にて、波長425nmにおける吸光度を測定した。酵素阻止率は次式により算出した。
酵素阻止率[%]=100−(濾液吸光度/酵素溶液吸光度)×100
(不純物を含めた阻止率の測定方法)
不純物を含めた全体の阻止率は、以下の方法により濾液の紫外線吸光度から求めた。上記の酵素濾過時において、濾過開始から30分が経過した時点で、酵素溶液と濾液をサンプリングし、それぞれ30倍に希釈した。希釈した液を、UV測定器(SHIMADZU製、UVmini1240)にて、波長280nmにおける吸光度を測定した。酵素阻止率は次式により算出した。
不純物を含めた阻止率[%]=100−(濾液吸光度/酵素溶液吸光度)×100
(実施例1)
ポリエーテルスルホン(BASF製、EP6020)が22質量%、PVPK17(BASF製、LuvitecK17、重量平均分子量9000)が5質量%、NMPが43質量%、貧溶剤としてTEG(分子量194)が30質量%からなる原料を混合溶解して製膜原液を得た。この製膜原液を二重管ノズルの外側から押し出し、中心からは、内部凝固液として水を送り込んで、1.2秒の空走時間を経た後に温度50℃の水中を通過させて凝固させ、内径0.75mm、外径1.30mmの中空糸膜を得た(ゆえに、可紡性の評価を「○」とした)。
この中空糸膜中のPVP量は、ポリエーテルスルホン及びPVPの総量を基準として2.7質量%であり、一次側表面と二次側表面の接触角は、それぞれ65度、76度であった。また、この中空糸膜を純水で抽出し、抽出液の吸光度を測定したところ、0.057であった。
阻止率測定には、分子量10000のデキストランを用いた。未使用の中空糸膜のデキストラン阻止率(A)は60%であった。一方、500ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に、60度で3時間浸漬させた中空糸膜の阻止率(B)は、53%であり、(A)×0.5=30<(B)、すなわちB>A×0.5となっており、薬品浸漬による顕著な劣化がないことが確認できた。
また、この中空糸膜の純水透水量(C)は140L/m/hであった。酵素濾過時の透水量(D)は20L/m/hであり、D/C>0.05となった。また酵素阻止率は99.9%であり、良好な酵素の濾過性を示した。
(実施例2)
原料のPVPのグレードを、K17の代わりにK25(BASF製、KollidonK25、重量平均分子量31000)を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で中空糸膜を作製した。
この中空糸膜中のPVP量は、ポリエーテルスルホン及びPVPの総量を基準として4.1質量%であり、一次側表面と二次側表面の接触角は、それぞれ60度、72度であった。また、この中空糸膜を純水で抽出し、抽出液の吸光度を測定したところ、0.08であった。
阻止率測定には、分子量10000のデキストランを用いた。未使用の中空糸膜のデキストラン阻止率(A)は70%、実施例1と同じ方法で次亜塩素酸浸漬した中空糸膜の阻止率(B)は、52%であり、B>A×0.5となっており、薬品浸漬による顕著な劣化がないことが確認できた。
また、この中空糸膜の純水透水量(C)、酵素濾過時の透水量(D)は、それぞれ82L/m/h、12L/m/hであり、D/C>0.05となった。酵素阻止率は99.9%であった。
(実施例3)
原料のPVPのグレードを、K17の代わりにK12(BASF社製、KollidonK12PF、重量平均分子量2500)を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で中空糸膜を作製した。
この中空糸膜中のPVP量は、ポリエーテルスルホン及びPVPの総量を基準として2.0質量%であり、一次側表面と二次側表面の接触角は、それぞれ70度、80度であった。また、この中空糸膜を純水で抽出し、抽出液の吸光度を測定したところ、0.02であった。
阻止率測定には、分子量10000のデキストランを用いた。未使用の中空糸膜のデキストラン阻止率(A)は51%、実施例1と同じ方法で次亜塩素酸浸漬した中空糸膜の阻止率(B)は、48%であり、B>A×0.5となっており、薬品浸漬による顕著な劣化がないことが確認できた。
また、この中空糸膜の純水透水量(C)、酵素濾過時の透水量(D)は、それぞれ185L/m/h、21L/m/hであり、D/C>0.05となった。酵素阻止率は99.9%であった。
(実施例4)
ポリスルホン(Solvey製、ユーデルP−3500)が20質量%、PVPK17が5質量%、NMPが45質量%、貧溶剤としてTEGが30質量%からなる原料を混合溶解して製膜原液を得た。この製膜原液を用いて、実施例1と同じ方法で製膜して中空糸膜を作製した。
この中空糸膜中のPVP量は、ポリスルホン及びPVPの総量を基準として2.5質量%であり、一次側表面と二次側表面の接触角は、それぞれ70度、82度であった。また、この中空糸膜を純水で抽出し、抽出液の吸光度を測定したところ、0.03であった。
阻止率測定には、分子量10000のデキストランを用いた。未使用の中空糸膜のデキストラン阻止率(A)は50%、実施例1と同じ方法で次亜塩素酸浸漬した中空糸膜の阻止率(B)は、43%であり、B>A×0.5となっており、薬品浸漬による顕著な劣化がないことが確認できた。
また、この中空糸膜の純水透水量(C)、酵素濾過時の透水量(D)は、それぞれ116L/m/h、13L/m/hであり、D/C>0.05となった。酵素阻止率は99.0%であった。
(実施例5)
ポリエーテルスルホンが22質量%、PVPK17が25質量%、NMPが23質量%、貧溶剤としてTEGが30質量%からなる原料を混合溶解して製膜原液を得た。実施例1と同じ方法で製膜して中空糸膜を得た。
この中空糸膜中のPVP量は、ポリエーテルスルホン及びPVPの総量を基準として12.8質量%であり、一次側表面と二次側表面の接触角は、それぞれ55度、65度であった。また、この中空糸膜を純水で抽出し、抽出液の吸光度を測定したところ、0.25であった。
阻止率測定には、分子量10000のデキストランを用いた。未使用の中空糸膜のデキストラン阻止率(A)は71%、実施例1と同じ方法で次亜塩素酸浸漬した中空糸膜の阻止率(B)は、40%であり、B>A×0.5となっており、薬品浸漬による顕著な劣化がないことが確認できた。
また、この中空糸膜の純水透水量(C)、酵素濾過時の透水量(D)は、それぞれ53L/m/h、8L/m/hであり、D/C>0.05となった。酵素阻止率は99.9%であった。
(実施例6)
ポリフッ化ビニリデン(アルケマ製、RC10231)が20質量%、PVPK17が5質量%、NMPが45質量%、貧溶剤としてTEGが30質量%からなる原料を混合溶解して製膜原液を得た。この製膜原液を用いて、実施例1と同じ方法で製膜して中空糸膜を作製した。この中空糸膜中のPVP量は、ポリフッ化ビニリデン及びPVPの総量を基準として1.8質量%であり、一次側表面と二次側表面の接触角は、それぞれ65度、77度であった。また、この中空糸膜を純水で抽出し、抽出液の吸光度を測定したところ、0.06であった。
阻止率測定には、分子量200000のデキストランを用いた。未使用の中空糸膜のデキストラン阻止率(A)は84%、実施例1と同じ方法で次亜塩素酸浸漬した中空糸膜の阻止率(B)は、74%であり、B>A×0.5となっており、薬品浸漬による顕著な劣化がないことが確認できた。
また、この中空糸膜の純水透水量(C)、酵素濾過時の透水量(D)は、それぞれ1500L/m/h、202L/m/hであり、D/C>0.05となった。酵素阻止率は99.5%であった。
(実施例7)
ポリフッ化ビニリデン(アルケマ製、RC10231)が20質量%、PVPK17が5質量%、NMPが75質量%からなる原料を混合溶解して製膜原液を得た。この製膜原液を用いて、実施例1と同じ方法で製膜して中空糸膜を作製した。この中空糸膜中のPVP量は、ポリフッ化ビニリデン及びPVPの総量を基準として0.5質量%であり、一次側表面と二次側表面の接触角は、それぞれ70度、80度であった。また、この中空糸膜を純水で抽出し、抽出液の吸光度を測定したところ、0.02であった。
阻止率測定には、分子量200000のデキストランを用いた。未使用の中空糸膜のデキストラン阻止率(A)は80%、実施例1と同じ方法で次亜塩素酸浸漬した中空糸膜の阻止率(B)は、75%であり、B>A×0.5となっており、薬品浸漬による顕著な劣化がないことが確認できた。
また、この中空糸膜の純水透水量(C)、酵素濾過時の透水量(D)は、それぞれ1750L/m/h、153L/m/hであり、D/C>0.05となった。酵素阻止率は99.2%であった。
(比較例1)
ポリエーテルスルホンが22質量%、PVPK30(BASF製、LuvitecK30、重量平均分子量50000)が5質量%、NMPが73質量%からなる原料を混合溶解して製膜原液を得た。この製膜原液を用いて、実施例1と同じ方法で製膜して中空糸膜を作製した。
この中空糸膜中のPVP量は、ポリエーテルスルホン及びPVPの総量を基準として1.3質量%であり、一次側表面と二次側表面の接触角は、それぞれ73度、77度であった。また、この中空糸膜を純水で抽出し、抽出液の吸光度を測定したところ、0.13であった。
阻止率測定には、分子量10000のデキストランを用いた。未使用の中空糸膜のデキストラン阻止率(A)は67%、実施例1と同じ方法で次亜塩素酸浸漬した中空糸膜の阻止率(B)は、17%であり、B<A×0.5となっており、薬品浸漬により膜の孔径が大きく変化したことが確認された。
また、この中空糸膜の純水透水量(C)、酵素濾過時の透水量(D)は、それぞれ74L/m/h、8L/m/hであり、D/C>0.05となった。酵素阻止率は98.5%であった。
(比較例2)
ポリエーテルスルホンが22質量%、PVPK90(BASF製、LuvitecK90、重量平均分子量1600000)が5質量%、NMPが73質量%からなる原料を混合溶解して製膜原液を得た。この製膜原液を用いて、実施例1と同じ方法で製膜して中空糸膜を作製した。
この中空糸膜中のPVP量は、ポリエーテルスルホン及びPVPの総量を基準として3.2質量%であり、一次側表面と二次側表面の接触角は、それぞれ65度、70度であった。また、この中空糸膜を純水で抽出し、抽出液の吸光度を測定したところ、0.15であった。
阻止率測定には、分子量10000のデキストランを用いた。未使用の中空糸膜のデキストラン阻止率(A)は87%、実施例1と同じ方法で次亜塩素酸浸漬した中空糸膜の阻止率(B)は、27%であり、B<A×0.5となっており、薬品浸漬により膜の孔径が大きく変化したことが確認された。
また、この中空糸膜の純水透水量(C)、酵素濾過時の透水量(D)は、それぞれ44L/m/h、6L/m/hであり、D/C>0.05となった。酵素阻止率は98.6%であった。
(比較例3)
ポリエーテルスルホンが22質量%、PVPK30が5質量%、NMPが43質量%、貧溶剤としてTEGが30質量%からなる原料を混合溶解して製膜原液を得た。この製膜原液を用いて、実施例1と同じ方法で製膜して中空糸膜を作製した。
この中空糸膜中のPVP量は、ポリエーテルスルホン及びPVPの総量を基準として2.5質量%であり、一次側表面と二次側表面の接触角は、それぞれ70度、72度であった。また、この中空糸膜を純水で抽出し、抽出液の吸光度を測定したところ、0.13であった。
阻止率測定には、分子量10000のデキストランを用いた。未使用の中空糸膜のデキストラン阻止率(A)は80%、実施例1と同じ方法で次亜塩素酸浸漬した中空糸膜の阻止率(B)は、12%であり、B<A×0.5となっており、薬品浸漬により膜の孔径が大きく変化したことが確認された。
また、この中空糸膜の純水透水量(C)、酵素濾過時の透水量(D)は、それぞれ52L/m/h、7L/m/hであり、D/C>0.05となった。酵素阻止率は97.3%であった。
(比較例4)
ポリエーテルスルホンが22質量%、NMPが78質量%からなる原料を混合溶解して製膜原液を得た。この製膜原液を用いて、実施例1と同じ方法で製膜して中空糸膜を作製した。
この中空糸膜中の親水性高分子の量は、ポリエーテルスルホンに対して0質量%で、一次側表面と二次側表面の接触角は、それぞれ84度、84度であり、一次側、二次側ともに疎水性であることが確認された。また、この中空糸膜を純水で抽出し、抽出液の吸光度を測定したところ、0.005であった。
阻止率測定には、分子量10000のデキストランを用いた。未使用の中空糸膜のデキストラン阻止率(A)は66%、実施例1と同じ方法で次亜塩素酸浸漬した中空糸膜の阻止率(B)は、64%であり、B>A×0.5となっており、薬品浸漬による影響はなかった。
また、この中空糸膜の純水透水量(C)、酵素濾過時の透水量(D)は、それぞれ131L/m/h、4L/m/hであり、D/C<0.05となり、親水性高分子を添加した系と比較して、酵素濾過時の透水性能が悪かった。酵素阻止率は93.5%であった。
以上の結果をまとめて、以下の表1及び表2に示す。
Figure 2014079687
Figure 2014079687

Claims (16)

  1. 疎水性高分子と親水性高分子とを含む分離膜であって、
    前記親水性高分子が、重量平均分子量2000以上50000未満のポリビニルピロリドンを含有し、
    前記分離膜の一方の表面の接触角と、他方の表面の接触角との差が6度以上である、分離膜。
  2. 前記ポリビニルピロリドンの重量平均分子量が2500以上32000以下である、請求項1に記載の分離膜。
  3. 前記分離膜の一方の表面の接触角と、他方の表面の接触角との差が10度以上である、請求項1又は2に記載の分離膜。
  4. 前記疎水性高分子が、ポリエーテルスルホン又はポリスルホンを含有し、
    前記ポリビニルピロリドンの割合が、該ポリビニルピロリドンと前記ポリエーテルスルホン又は前記ポリスルホンとの総量を基準として、2質量%以上8質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分離膜。
  5. 前記ポリビニルピロリドンの割合が、該ポリビニルピロリドンと前記ポリエーテルスルホン又は前記ポリスルホンとの総量を基準として、2質量%以上4.1質量%以下である、請求項4に記載の分離膜。
  6. 前記疎水性高分子が、ポリフッ化ビニリデンを含有し、
    前記ポリビニルピロリドンの割合が、該ポリビニルピロリドンと前記ポリフッ化ビニリデンとの総量を基準として、0.2質量%以上2質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分離膜。
  7. 前記ポリビニルピロリドンの割合が、該ポリビニルピロリドンと前記ポリフッ化ビニリデンとの総量を基準として、1.5質量%以上2質量%以下である、請求項6に記載の分離膜。
  8. 中空糸膜である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の分離膜。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の分離膜を備える、モジュール。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の分離膜を用いる、酵素濃縮方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の分離膜を用いる、濾過方法。
  12. 疎水性高分子、親水性高分子、並びに、該疎水性高分子及び該親水性高分子を溶解させる共通溶媒を少なくとも含有する製膜原液を、水を主成分とする溶液中で凝固させて分離膜を作製する工程を備え、
    前記親水性高分子は、重量平均分子量が2000以上50000未満のポリビニルピロリドンを含む、分離膜の製造方法。
  13. 前記製膜原液が、前記疎水性高分子に対する貧溶剤であり、分子量300以下の貧溶剤を更に含有する、請求項12に記載の分離膜の製造方法。
  14. 前記製膜原液を中空糸状に吐出する、請求項12又は13に記載の分離膜の製造方法。
  15. 前記製膜原液を中空糸状に吐出する際に用いる中空剤の主成分が、水である、請求項14に記載の分離膜の製造方法。
  16. 空走時間が0.1秒以上10秒未満である、請求項12〜15のいずれか一項に記載の分離膜の製造方法。
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