JP2017079532A - ステータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂モールドの際に連通溝から外部に漏れ出た樹脂を容易に除去する。
【解決手段】固定部材40として、ステータコア30との接触面42でステータコア30の内周側と外周側とを連通する連通溝44と、連通溝44におけるステータコア30の径方向の外周側に対応する位置に接続され、ステータコア30の軸方向に貫通する貫通孔45が形成された部材を用いる。そして、樹脂モールドした後に、固定部材40における接触面42と反対側の面から貫通孔45のそれぞれに除去用治具Tを通す。これにより、樹脂モールドの際に連通溝44から外部に漏れ出た樹脂を容易に除去することができる。
【選択図】図4
【解決手段】固定部材40として、ステータコア30との接触面42でステータコア30の内周側と外周側とを連通する連通溝44と、連通溝44におけるステータコア30の径方向の外周側に対応する位置に接続され、ステータコア30の軸方向に貫通する貫通孔45が形成された部材を用いる。そして、樹脂モールドした後に、固定部材40における接触面42と反対側の面から貫通孔45のそれぞれに除去用治具Tを通す。これにより、樹脂モールドの際に連通溝44から外部に漏れ出た樹脂を容易に除去することができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、ステータの製造方法に関する。
従来、この種のステータの製造方法としては、ステータコアに巻回された三相コイルと、三相の動力線をステータコアの軸方向の端面に固定する固定部材とを、モールド型を用いて樹脂モールドするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。ステータの固定部材には、ステータコアとの接触面に、ステータコアの内周側と外周側とを連通する溝が設けられている。この溝により、樹脂モールドの際に発生する気泡を外部に抜くことができるものとなっている。
しかしながら、上述の製造方法において、樹脂モールドの際に溝内に樹脂が流入して外部に漏れ出る場合がある。その場合、外部に漏れ出た樹脂がステータコアの外周面に張り付いて、除去するのに手間がかかることがある。
本発明のステータの製造方法は、樹脂モールドの際に連通溝から外部に漏れ出た樹脂を容易に除去することを主目的とする。
本発明のステータの製造方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のステータの製造方法は、
ステータコアに巻回されたコイルと、前記コイルからの端子を前記ステータコアの軸方向の一端部に固定するための固定部材とを、樹脂モールドするステータの製造方法であって、
前記固定部材として、前記ステータコアとの接触面で該ステータコアの内周側と外周側とを連通する連通溝と、該連通溝における前記ステータコアの外周側に対応する位置に接続され該ステータコアの軸方向に貫通する貫通孔とが形成された部材を用い、
樹脂モールドした後に、前記固定部材における前記接触面と反対側の面から前記貫通孔に治具を通すことで、前記連通溝から外部に漏れ出た樹脂を除去する
ことを特徴とする。
ステータコアに巻回されたコイルと、前記コイルからの端子を前記ステータコアの軸方向の一端部に固定するための固定部材とを、樹脂モールドするステータの製造方法であって、
前記固定部材として、前記ステータコアとの接触面で該ステータコアの内周側と外周側とを連通する連通溝と、該連通溝における前記ステータコアの外周側に対応する位置に接続され該ステータコアの軸方向に貫通する貫通孔とが形成された部材を用い、
樹脂モールドした後に、前記固定部材における前記接触面と反対側の面から前記貫通孔に治具を通すことで、前記連通溝から外部に漏れ出た樹脂を除去する
ことを特徴とする。
この本発明のステータの製造方法では、固定部材として、ステータコアとの接触面でステータコアの内周側と外周側とを連通する連通溝と、連通溝におけるステータコアの外周側に対応する位置に接続されステータコアの軸方向に貫通する貫通孔とが形成された部材を用いる。このため、樹脂モールドする際に連通溝に流入した樹脂は貫通孔との接続部分に到達すると圧力が解放されるから、外部に樹脂が漏れ出るのを抑えることができる。また、外部に樹脂が漏れ出ても、樹脂モールドした後に固定部材における接触面と反対側の面から貫通孔に治具を通すことで、連通溝から外部に漏れ出た樹脂を除去する。これにより、樹脂モールドの際に連通溝から外部に漏れ出た樹脂を容易に除去することができる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのステータの製造方法において三相コイル34および固定部材40を樹脂モールドする際の様子を示す説明図であり、図2は、固定部材40のステータコア30との接触面側の形状を示す説明図であり、図3は、固定部材40の図2のA−A面の一部の形状を示す説明図である。なお、図2中、二点鎖線は、ステータコア30の外周を示す。
ステータコア30は、電磁鋼板を打ち抜き加工などにより環状に形成したステータ部材31を複数積層して構成されており、図示しないティースには、集中巻または分布巻により三相コイル34が巻回されている。ステータコア30には、三相コイル34からのU相,V相,W相の3つのリード端子50u,50v,50wを外部に引き出すための固定部材40が取り付けられる。
固定部材40は、樹脂材料で成形された部材であり、図1ないし図3に示すように、ステータコア30との接触面(底面)42にステータコア30の外周側と内周側とを連通する5つの連通溝44a〜44eが形成されている。また、各連通溝44a〜44eにおけるステータコア30の径方向の外周側(図2中上側)に対応する位置(外側位置)に接続され、ステータコア30の軸方向に貫通する貫通孔45a〜45eが形成されている。なお、図3には、連通溝44dの外側位置に接続される貫通孔45dを示す。このように、貫通孔45a〜45eは、ステータコア30の軸方向と貫通方向が一致しており、各連通溝44a〜44eに外側位置で直交して、接触面42と反対側の面まで直線状に貫通するものとなっている。接触面42には、5つの連通溝44a〜44eから離れた位置に、固定部材40をステータコア30に取り付ける際の位置決めを行なう2つの突起46a,46bが形成されている。なお、固定部材40の位置決めは、突起46a,46bがステータコア30に形成された図示しない位置決め用の凹部に嵌合することにより行なわれる。
三相コイル34および固定部材40の樹脂モールドは、図1に示すように、固定型12と可動型14とを有する成形型10に、三相コイル34が巻回されたステータコア30および固定部材40を収容し、成形型10内に樹脂を注入することにより行なわれる。具体的には、固定型12にステータコア30をセットしてから可動型14を取り付け、可動型14によって固定部材40をステータコア30側に押圧しながら、成形型10の図1中左側において固定型12と可動型14との隙間に形成される樹脂注入口13から樹脂を注入することにより行なわれる。このとき、樹脂は、まず、ステータコア30の図1中左側の端面と固定型12との間に注入される。これによって、ステータコア30と固定型12との間の空気は、樹脂に押されてステータコア30の内周面と可動型14との隙間を通ってステータコア30の図1中右側の端面と可動型14との間に至り、5つの連通溝44a〜44eを介してステータコア30の外周側の外部に排出される。ステータコア30の図1中左側の端面と固定型12との間への樹脂の注入が完了すると、樹脂は、ステータコア30の内周面と可動型14との隙間を通ってステータコア30の図1中右側の端面と可動型14との間に注入される。このときも、ステータコア30と可動型14との間の空気は、樹脂に押されて5つの連通溝44a〜44eを介してステータコア30の外周側の外部に排出される。このように、ステータコア30と固定型12または可動型14との間の空気(気泡)を5つの連通溝44a〜44eを介してステータコア30の外周側の外部に排出することができるから、ステータコア30と固定型12または可動型14との間に空気が残留することにより生じるボイドの形成を抑制することができる。
ステータコア30の図1中右側の端面と可動型14との間への樹脂の注入がほぼ完了すると、樹脂は5つの連通溝44a〜44eにも注入される。前述したように、連通溝44a〜44eは、それぞれの外側位置で貫通孔45a〜45eに接続されているから、樹脂が貫通孔45a〜45eとの接続位置に至ると、圧力が解放されて膨らみ、外部への樹脂の流出が抑制される。ただし、連通溝44a〜44eから外部への樹脂の漏れを完全に防止するものではないため、本実施例では、樹脂モールドの後に、外部に漏れ出た樹脂などの除去を行なう。図4は、樹脂を除去する様子を示す説明図である。
図4(a)に示すように、樹脂モールド中に連通溝44a〜44eから貫通孔45a〜45eに樹脂が流入したり、樹脂が外部に漏れ出てステータコア30の外周面に貼り付いたりすることがある。本実施例では、樹脂モールドの後に、接触面42と反対側の面(図1,図4中右側の面)から、樹脂を除去するための除去用治具Tを貫通孔45a〜45eに通すことで樹脂の除去を行なう。除去用治具Tは、貫通孔45a〜45eに挿入可能な外径に形成され、固定部材40の厚み(貫通孔45a〜45eが形成されている部分の厚み)よりも長い棒状の治具である。この除去用治具Tを、各貫通孔45a〜45eにそれぞれ通すものとする。貫通孔45a〜45eに除去用治具Tを挿入することで、貫通孔45a〜45eに流入した樹脂を接触面42側に押し出すことができる。また、貫通孔45a〜45eを通った除去用治具Tの先端が接触面42から突出すると、貫通孔45a〜45eから押し出した樹脂と共に、ステータコア30の外周面に貼り付いた樹脂を押すことになる。これらのことから、図4(b)に示すように、貫通孔45a〜45eに流入した樹脂を除去用治具Tの押圧によって押し出したり、ステータコア30の外周面に貼り付いた樹脂を除去用治具Tの押圧によって剥がしたりすることができる。したがって、貫通孔45a〜45eに除去用治具Tを通すことにより、連通溝44a〜44eから外部に漏れ出た樹脂を容易に除去することができる。
ここで、貫通孔45a〜45eは、連通溝44a〜44eの幅と同等の径で固定部材40を貫通しており、固定部材40内に大きな空間(開口)を形成するものではない。このため、貫通孔45a〜45eを設けても固定部材40の強度低下を抑えるから、樹脂モールドする際の可動型14の押圧によって連通溝44a〜44eが変形するのを防止することができる。即ち、固定部材40に貫通孔45a〜45eを設けたとしても、連通溝44a〜44eによる空気の排出が阻害されることがなく、ボイドの形成を抑制することができる。また、固定部材40から3つのリード端子50u,50v,50wが引き出されているが、本実施例では、樹脂を除去するのに直線状の貫通孔45a〜45eに棒状の除去用治具Tを通せばよい。このため、動力線などとの干渉を避けるために、除去用治具Tの複雑な動き(操作)を必要としないから、樹脂を容易且つ確実に除去することができる。また、樹脂漏れの検査工程や除去工程を別途追加する必要がないため、工程追加による生産ロスなどが生じるのを防止することができる。
以上説明した実施例のステータの製造方法では、固定部材40として、ステータコア30との接触面42でステータコア30の内周側と外周側とを連通する連通溝44a〜44eと、連通溝44a〜44eにおけるステータコア30の径方向の外周側に対応する位置に接続され、ステータコア30の軸方向に貫通する貫通孔45a〜45eが形成された部材を用いる。このため、樹脂モールドする際に、連通溝44a〜44eから外部への樹脂の流出を抑制することができる。また、樹脂モールドした後に、固定部材40における接触面42と反対側の面から貫通孔45a〜45eのそれぞれに除去用治具Tを通す(先端が接触面42から突出するまで除去用治具Tを挿入する)。これにより、樹脂モールドの際に連通溝44a〜44eから外部に漏れ出た樹脂を容易に除去することができる。したがって、漏れ出た樹脂がステータの組付け時に脱落して組付け不良が生じたり、組付け後に脱落して他部品の損傷などを引き起こしたりするのを防止することができる。
実施例のステータの製造方法では、固定部材40に貫通孔45a〜45eが直線状に形成され、除去用治具Tとして棒状の治具を用いるものとしたが、除去用治具が貫通孔を通って樹脂を除去できるものであればよい。例えば、貫通孔45a〜45eの一部が部分的に屈曲しているものとし、除去用治具Tがその屈曲に合わせて曲がりながら貫通孔45a〜45eを通って樹脂を押すことができるよう構成されるものなどとしてもよい。
実施例のステータの製造方法では、除去用治具Tを各貫通孔45a〜45eにそれぞれ通すものとしたが、除去用治具Tを各貫通孔45a〜45eにまとめて通すものとしてもよい。例えば、除去用治具を、保持治具(保持部分)と、保持治具から枝分かれした複数の棒状治具(棒状部分)とにより構成し、保持治具を保持しながら各棒状治具を各貫通孔に同時に挿入することで、複数の棒状治具をまとめて複数の貫通孔に通すものとしてもよい。具体的には、保持治具と、2つの貫通孔45a,45bの間隔に合わせた間隔で保持治具から二股に分かれた2つの棒状治具とを有する除去用治具を用いて、保持治具を保持しながら2つの棒状治具を2つの貫通孔45a,45bにまとめて通すものなどとしてもよい。同様に、3つの棒状治具を3つの貫通孔45c〜45eにまとめて通してもよいし、5つの棒状治具を5つの貫通孔45a〜45eにまとめて通してもよい。このようにすれば、樹脂モールド後に各貫通孔45a〜45eに除去用治具Tをそれぞれ通すものに比べて、樹脂の除去に必要な時間を短縮して、樹脂の除去を効率よく行なうことができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ステータの製造産業などに利用可能である。
10 成形型、12 固定型、13 樹脂注入口、14 可動型、30 ステータコア、31 ステータ部材、34 三相コイル、40 固定部材、42 接触面、44a〜44e 連通溝、45a〜45e 貫通孔、46a,46b 突起、50u,50v,50w リード端子、T 除去用治具。
Claims (1)
- ステータコアに巻回されたコイルと、前記コイルからの端子を前記ステータコアの軸方向の一端部に固定するための固定部材とを、樹脂モールドするステータの製造方法であって、
前記固定部材として、前記ステータコアとの接触面で該ステータコアの内周側と外周側とを連通する連通溝と、該連通溝における前記ステータコアの外周側に対応する位置に接続され該ステータコアの軸方向に貫通する貫通孔とが形成された部材を用い、
樹脂モールドした後に、前記固定部材における前記接触面と反対側の面から前記貫通孔に治具を通すことで、前記連通溝から外部に漏れ出た樹脂を除去する
ことを特徴とするステータの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015206242A JP2017079532A (ja) | 2015-10-20 | 2015-10-20 | ステータの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015206242A JP2017079532A (ja) | 2015-10-20 | 2015-10-20 | ステータの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017079532A true JP2017079532A (ja) | 2017-04-27 |
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ID=58665229
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015206242A Pending JP2017079532A (ja) | 2015-10-20 | 2015-10-20 | ステータの製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017079532A (ja) |
-
2015
- 2015-10-20 JP JP2015206242A patent/JP2017079532A/ja active Pending
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