JP2017078163A - 潜熱蓄冷材 - Google Patents

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Abstract

【課題】−10℃以下の温度範囲の冷凍保存に適し、冷却に必要な電気エネルギーの削減を目的とした過冷却の小さい冷凍用蓄冷材を提供する。【解決手段】水、結晶性粉末および少なくとも1種の無機塩を含み、前記結晶性粉末は、25℃において、濃度25wt%である前記無機塩の水溶液に対する飽和濃度が7.0wt%未満である化合物から構成され、前記結晶性粉末の濃度が、25℃における前記無機塩の水溶液に対する飽和濃度を超える濃度である、潜熱蓄冷材。【選択図】図1

Description

本開示は生鮮食品等の保管・輸送の際に使用される潜熱蓄冷材に関する。この潜熱蓄冷材は蓄冷容器に充填され、予め冷凍庫で冷却して使用されるものである。
生産地から消費地まで一貫して低温・冷蔵・冷凍の状態を保ったまま流通させる仕組みをコールドチェーンという。今や生鮮品、冷凍食品に限らず、切り花、医薬品、電子部品等さまざまな分野で利用されているが、これまでの仕組みにはいくつもの課題があった。特に大きな課題としては、冷却装置にかかるエネルギーコスト、CO2排出量の増大、荷さばき場における作業の過酷さ、異なる温度帯を管理する難しさ等が挙げられる。特に、冷蔵・冷凍トラックは冷却装置を備えている分、輸送コストが高くつくとともに、大型トラックが多く、小口輸送に向かないことが指摘されていた。一方、ドライアイスを使った輸送の場合、常温品との混載が可能でコストも低く抑えられるが、昇華温度であるマイナス79℃で積み込まれるため商品が凍結により劣化してしまうこと、一定温度を保てないこと、1回限りの使い捨てであること、気化する際にCO2を発生させること等の問題を避けられなかった。
これらの課題を解決する技術として、蓄熱材が期待され、一部実用化が始まっている。蓄熱材とは、熱または冷熱を物質内に蓄積し必要時に有効に熱の出入りを利用する材料である。特に、主に物質の相変化に伴う発熱及び吸熱反応を利用したものを潜熱蓄熱材、さらに特に予め冷熱を蓄熱し必要時に放冷する場合を潜熱蓄冷材(以下、単に「蓄冷材」ともいう)と呼ぶが、蓄熱材、蓄冷材の明確な区別はない。潜熱蓄冷材のうち、無機塩、無機水和塩等の無機物系材料を蓄冷媒体としたものは、有機物系材料に比べて熱伝導率が大きい、潜熱量が大きい、体積変化が小さい、不燃性である等の利点があり、なかでも塩化ナトリウム水溶液は、さらに毒性がない、低反応性、入手容易、適度な溶解度があり、共晶温度が冷凍食品保存温度に近いという利点もある。従ってこれらの蓄冷材は、食品の冷蔵、配送時の保冷、化学・医薬品の冷蔵、食品工場等の冷却工程に特に好適に使用することができる。特許文献1には、塩化ナトリウムを利用し、融解温度を望み通りに調節できる潜熱蓄冷材が記載されている。
蓄冷材は使用される温度域に応じて主に冷蔵用と冷凍用に区分されるが、冷凍用蓄冷材を利用すれば、ドライアイスの様に気化する際にCO2を放出することなく、低温やけどの危険もないため扱いが容易で、蓄冷材の冷却時以外は電気エネルギーが不要である。
従来、冷凍用蓄冷材としては複数の電解質を溶解した水溶液があり、具体的には特許文献2に開示される、塩化ナトリウムと塩化アンモニウムの混合水溶液等が使われている。
特開平11−35933号公報 国際公開2014/091938号
本開示は、前記従来の課題を解決するもので、−10℃以下の温度範囲の冷凍保存に適し、冷却に必要な電気エネルギーの削減を目的とした過冷却の小さい冷凍用蓄冷材を提供することを目的とする。
本開示は、
水、結晶性粉末および少なくとも1種の無機塩を含み、
前記結晶性粉末は、25℃において、濃度25wt%である前記無機塩の水溶液に対する飽和濃度が7.0wt%未満である化合物から構成され、
前記結晶性粉末の濃度が、25℃における前記無機塩の水溶液に対する飽和濃度を超える濃度である、
潜熱蓄冷材を提供する。
本開示の潜熱蓄冷材によれば、−10℃以下の温度範囲の冷凍保存に適し、冷却に必要な電気エネルギーの削減を目的とした過冷却の小さい冷凍用蓄冷材を提供することができる。
本開示の実施形態に係る蓄冷材A−1の示差走査熱量測定の結果を示す図である。 従来技術の蓄冷材C−1の示差走査熱量測定の結果を示す図である。
特許文献1に記載の潜熱蓄冷材は、融解温度が−10℃程度と高いため、吸熱ピークも−10℃よりも高くなり、−10℃以下の冷凍保存には適していない、または過冷却が大きくなり、蓄冷(凝固)するにはおよそ−40℃まで冷却する必要があった。また、特許文献2に開示される、塩化ナトリウムと塩化アンモニウムの混合水溶液の構成では、過冷却が大きいため、蓄冷(凝固)するにはおよそ−40℃まで冷却する必要があった。過冷却とは、液体の冷却過程において、本来、相変化して固体となるべき温度になっても相変化が起こらず、液体のまま温度が下がる現象を指す。
即ち、従来の冷凍用の蓄冷材である塩化ナトリウムに塩化アンモニウム等を混ぜた系では、冷熱を欲しい温度に対して20〜30Kも過分に冷やす必要があり、冷却にかかる電気エネルギーが過大となる課題があった。
本開示の第1態様は、
水、結晶性粉末、および少なくとも1種の無機塩を含み、
前記結晶性粉末は、25℃において、濃度25wt%である前記無機塩の水溶液に対する飽和濃度が7.0wt%未満である化合物から構成され、
前記結晶性粉末の濃度が、25℃における前記無機塩の水溶液に対する飽和濃度を上回る濃度である、
潜熱蓄冷材を提供する。
第1態様の潜熱蓄冷材によれば、−10℃以下の冷凍保存に適した蓄冷材を−29.5℃以上で蓄冷(凝固)することができる。すなわち、蓄冷のための冷却温度(凝固開始温度)の下限を−40℃近辺から−29.5℃以上まで上昇させ、結果として冷却に必要な電気エネルギーを大幅に削減することができる。
本開示の第2態様において、例えば、第1態様に加えて、結晶性粉末が、下記式(1)で表される尿素誘導体から構成される、潜熱蓄冷材を提供する。第2態様によれば、凝固開始温度と融解開始温度の差を小さくすることができる。
Figure 2017078163
(式中、R1およびR2は、同一または異なって炭素数2〜20の炭化水素基を表す。)
本開示の第3態様は、例えば、第2態様に加えて、R1およびR2が、同一または異なって、炭素数2〜6のアルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基である、潜熱蓄冷材を提供する。第3態様によれば、凝固開始温度と融解開始温度の差をより小さくすることができる。
本開示の第4態様は、例えば、第1〜第3態様に加えて、結晶性粉末が、1,3−ジエチル尿素、1,3−ジブチル尿素、および1,3−ジシクロヘキシル尿素からなる群から選ばれる1種以上の尿素誘導体から構成される、潜熱蓄冷材を提供する。第4態様によれば、凝固開始温度と融解開始温度の差をより小さくすることができる。
本開示の第5態様は、例えば、第1〜第4態様に加えて、結晶性粉末が、1,3−ジエチル尿素または1,3−ジブチル尿素から構成される、潜熱蓄冷材を提供する。第5態様によれば、凝固開始温度と融解開始温度の差をより小さくすることができる。
本開示の第6態様は、例えば、第1〜第5態様のいずれか1つに加えて、無機塩が、塩化ナトリウムを含む、潜熱蓄冷材を提供する。第6態様によれば、凝固開始温度と融解開始温度の差が小さく、−18℃以下の冷凍保存に適した蓄冷材を提供することができる。
本開示の第7態様は、例えば、第1〜第5態様のいずれか1つに加えて、無機塩が、塩化カリウムを含む、潜熱蓄冷材を提供する。第7態様によれば、凝固開始温度と融解開始温度の差が小さく、−20℃以上−10℃以下の冷凍保存に適した蓄冷材を提供することができる。
本開示の第8態様は、例えば、第6態様または第7態様に加えて、塩化ナトリウムまたは塩化カリウム以外の無機塩として、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびハロゲン化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、潜熱蓄冷材を提供する。第8態様によれば、凝固開始温度と融解開始温度の差をより小さくすることができ、結果として冷却に必要な電気エネルギーを大幅に削減することができる。
本開示の第9態様は、例えば、第1〜第5態様のいずれか1つに加えて、無機塩が、塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムである、潜熱蓄冷材を提供する。第9態様によれば、凝固開始温度と融解開始温度の差をより小さくすることができ、結果として冷却に必要な電気エネルギーを大幅に削減することができる。
本開示の第10態様は、例えば、第1〜第5態様のいずれか1つに加えて、無機塩が、塩化カリウムおよび塩化アンモニウムである、潜熱蓄冷材を提供する。第10態様によれば、凝固開始温度と融解開始温度の差をより小さくすることができ、結果として冷却に必要な電気エネルギーを大幅に削減することができる。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本開示の一例に関するものであり、本開示はこれらによって限定されるものではない。
本開示の潜熱蓄冷材は、水と、結晶性粉末と、少なくとも1種の無機塩とを含み、前記結晶性粉末は、25℃において、濃度25wt%である前記無機塩の水溶液に対する飽和濃度が7.0wt%未満である化合物から構成され、前記結晶性粉末の潜熱蓄冷材における濃度は、少なくとも、25℃における前記無機塩の水溶液に対する(結晶性粉末の)飽和濃度を超える濃度に設定されている。過冷却防止剤として使用される結晶性粉末は、毒性がなく、購入が安価で取り扱いが容易なものがよい。結晶性粉末は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本開示の潜熱蓄冷材は、過冷却防止剤である結晶性粉末を含む。結晶性粉末は、無機塩の水溶液に対して溶解性が低い化合物(以下、低溶解性化合物ともいう)から構成される。本開示において、「無機塩の水溶液に対して溶解性の低い」とは、25℃下で、濃度25wt%である無機塩(好適には、塩化ナトリウム15wt%と塩化アンモニウム10wt%とのみを含む水溶液)の水溶液に対する対象化合物の飽和濃度が7.0wt%未満であること、すなわち、前記無機塩水溶液に対象化合物を7.0wt%添加した場合には対象化合物が溶解しきれず、残存粉末が見られる程度の溶解性を意味する。低溶解性化合物としては、25℃下で、濃度25wt%である無機塩(好適には、塩化ナトリウム15wt%と塩化アンモニウム10wt%とのみを含む水溶液)の水溶液に対する対象化合物の飽和濃度が5.0wt%未満のものが望ましく、4.0wt%未満のものがより望ましい。
本開示の潜熱蓄冷材における結晶性粉末の含有量(総量)は、25℃における濃度25wt%である無機塩水溶液(好適には、塩化ナトリウム15wt%と塩化アンモニウム10wt%とのみを含む水溶液)に対する飽和濃度を超える量が望ましい。飽和濃度を上回る結晶性粉末を添加することにより、25℃において溶解しきれない粉末が残存する。冷却に伴い、溶解していた結晶性成分が残存粉末を核として速やかに析出する。析出した結晶を擬似核として無機塩水溶液の結晶化が促進される結果、凝固点が上昇する。結晶性粉末の濃度の上限は、特に限定されないが、過冷却防止剤の溶解量が多いと、潜熱量が低下する、融点が低下する等の弊害を生じる場合が多いため、10.0wt%以下が望ましく、9.0wt%以下がより望ましく、8.0wt%以下がさらに望ましい。
本開示の実施形態において、結晶性粉末は、可能な限り少ない(結晶性粉末の)添加量で、無機塩の水溶液から析出する現象が発現する性質を有する。
本開示において、「溶解度」は、ある溶質が一定の量の溶媒に溶ける限界量をいい、一定温度で、溶媒100gに溶ける溶質の質量(g)等で表す。例えば、溶媒を水として、25℃における水100gに溶ける溶質の質量(g)を表す。また、本開示において、「飽和濃度」は、溶質が溶解度まで溶けている水溶液の濃度をいう。溶媒100gに溶質が溶ける限界量が20gの場合、溶解度は20g、飽和濃度は16.7wt%である。
結晶性粉末を構成する低溶解性化合物としては、下記式(1)で表される尿素誘導体が望ましい。
Figure 2017078163
(式中、R1およびR2は、同一または異なって炭素数2〜20の炭化水素基を表す。)
尿素誘導体はアミド結合を持ち、その二重結合性ゆえに平面構造を取るため、結晶性が高い。また、溶解性を顕著に下げる効果をもつ疎水性基R1、R2の作用により、冷却に伴う結晶の生成確率が高く、析出速度が大きいため、無機塩水溶液の結晶化促進に適している。従って、凝固点がより確実に上昇する。さらに、R1とR2は同一である場合、対称性も加わり、結晶性がより良くなる点から、望ましい。
式(1)のR1およびR2の炭素数2〜20の炭化水素基としては、炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(アリール基)が挙げられ、炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基が望ましい。炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基としては、炭素数2〜20の飽和脂肪族炭化水素基が望ましく、炭素数2〜20のアルキル基または炭素数3〜20のシクロアルキル基がより望ましく、炭素数2〜10のアルキル基または炭素数3〜10のシクロアルキル基がさらに望ましく、炭素数2〜6のアルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基が特に望ましい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、2−メチルプロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
1およびR2の炭化水素基は、置換基で置換されていてもよいが、無置換であることが望ましい。置換基としては、特に限定されないが、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。
結晶性粉末は、1,3−ジエチル尿素、1,3−ジブチル尿素、および1,3−ジシクロヘキシル尿素からなる群から選ばれる1種以上の尿素誘導体から構成されることが望ましく、1,3−ジエチル尿素または1,3−ブチル尿素から構成されることがより望ましい。1,3−ジエチル尿素は無機塩水溶液に対する溶解度が低く、少なくとも1種の無機塩を含む水溶液の無機塩濃度が10〜30wt%の場合、常温での無機塩水溶液に対する溶解度は10wt%以下である。溶解度が低いほど過冷却防止剤である結晶性粉末の添加量が少なくて済み、材料コストを抑制することができる。
結晶性粉末として1.3−ジエチル尿素が含まれる場合、その含有量(総量)は、潜熱蓄冷材全体に対して、0.1wt%以上20wt%以下が望ましく、0.5wt%以上15wt%以下がより望ましく、1wt%以上10wt%以下がさらに望ましい。
結晶性粉末の添加量は、使用温度範囲の上限温度付近で飽和濃度を僅かに超えて残存粉末が残る添加量であり、これによって冷却に伴い、溶融していた結晶性成分が残存粉末を核として速やかに析出する。析出した結晶を擬似核として無機塩水溶液の結晶化が促進される。
本開示の結晶製粉末は、式(1)の尿素誘導体以外の化合物から構成される結晶性粉末を含んでも構わない。
本開示の潜熱蓄冷材において、無機塩の含有量(総量)は、潜熱蓄冷材に含まれる水の総重量(100wt%)に対して、10wt%以上67wt%以下であり、望ましくは15wt%以上60wt%以下であり、より望ましくは20wt%以上50wt%以下である。無機塩の濃度が10wt%以上67wt%以下であると、潜熱量と融解温度の観点で蓄冷材として望ましいものとなる。含有量が67wt%を越えると、潜熱量が大きく低下して210J/g以上を確保できない。また、融解温度が−30℃以下に低下し、冷凍用途として不適切になる。無機塩の純度は特に限定されないが、通常90%以上が用いられる。
無機塩の含有量(総量)は、蓄冷材全体に対して、9wt%以上65wt%以下が望ましく、12wt%以上60wt%以下がより望ましく、15wt%以上50wt%以下がさらに望ましい。
本開示の潜熱蓄冷材において、無機塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびハロゲン化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。アルカリ金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム等が挙げられる。−18℃以下で冷凍保存するためには塩化ナトリウム(主剤)と塩化アンモニウム(副剤)の組み合わせがより望ましい。−20℃以上−10℃以下で冷凍保存するためには塩化カリウム(主剤)と塩化アンモニウム(副剤)の組み合わせがより望ましい。本開示の実施形態にかかる潜熱蓄冷材において、副剤の含有量は、主剤の含有量より少ない。
本開示の潜熱蓄冷材には、尿素誘導体以外の過冷却防止剤を添加してもよい。使用される過冷却防止剤は、特に限定されないが、ゼオライト、シリカゲル等の多孔体等の、安価で入手容易な工業製品が望ましい。これらは、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、本開示の潜熱蓄冷材は、公知の各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、粘度調整剤、整泡剤、酸化防止剤、脱泡剤、砥粒、充填剤、顔料、染料、着色剤、増粘剤(ゲル化剤)、界面活性剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、耐熱安定剤、粘着付与剤、硬化触媒、安定剤、シランカップリング剤、ワックス等の公知のものが使用できる。増粘剤としては、漏洩時の安全性向上の点から、ポリビニルアルコール系増粘剤、セルロース系増粘剤、多糖類系増粘剤等が挙げられ、これらは単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの各種添加剤は、本開示の目的を阻害しない限り、特にその種類および使用量を限定するものではない。
本実施形態に係る潜熱蓄冷材における融解開始温度(以下、融解開始点ともいう)、吸熱ピーク、凝固開始温度(以下、凝固開始点ともいう)は、JIS K 7121(2012)に準じて示差走査熱量測定(DSC)によって測定できる。示差走査熱量測定には、公知の示差走査熱量計を使用できる。示差走査熱量計としては、例えば、Perkin Elmer Japan社の入力補償型ダブルファーネスDSC8500を使用できる。測定条件は、後記する実施例に記載のとおりである。測定結果から、図1に示されるように、凝固開始点103、融解開始点104、吸熱ピーク105を特定することができる。吸熱ピークとは、示差走査熱量測定(DSC)の測定結果において、熱量変化によりベースラインから下に凸の形状の下至点として現れるピークのことを意味し、ピークが複数ある場合はすべてのピークの平均値を意味する。図1では、示差走査熱量測定の降温曲線101を破線で示し、示差走査熱量測定の昇温曲線102を実線で示す。
本実施形態に係る塩化ナトリウムを主剤とする潜熱蓄冷材における融解開始温度は、−27℃以上−22℃以下の範囲にあることが望ましい。本実施形態に係る塩化ナトリウムを主剤とする潜熱蓄冷材における融解時の吸熱ピークは、−25℃以上−20℃以下の範囲にあることが望ましい。本実施形態に係る塩化ナトリウムを主剤とする潜熱蓄冷材における凝固開始温度は、−29.5℃以上融解開始温度未満の範囲にあることが望ましい。
本実施形態に係る塩化カリウムを主剤とする潜熱蓄冷材における融解開始温度は、−21℃以上−16℃以下の範囲にあることが望ましい。本実施形態に係る塩化カリウムを主剤とする潜熱蓄冷材における融解時の吸熱ピークは、−19℃以上−14℃以下の範囲にあることが望ましい。本実施形態に係る塩化カリウムを主剤とする潜熱蓄冷材における凝固開始温度は、−25℃以上融解開始温度未満の範囲にあることが望ましい。
本実施形態に係る塩化ナトリウムを主剤とする潜熱蓄冷材において、融解開始温度と凝固開始温度の差は、7℃以内であることが望ましく、6℃以内であることがより望ましく、5℃以内であることがさらに望ましい。
本実施形態に係る塩化カリウムを主剤とする潜熱蓄冷材において、融解開始温度と凝固開始温度の差は、7℃以内であることが望ましい。
本実施形態に係る塩化ナトリウムを主剤とする潜熱蓄冷材としては、冷却(蓄冷)時には−29.5℃以上で結晶(固相)化し、放熱(放冷)時には−27℃以上−22℃以下に融解開始温度を持つものが特に望ましい。
本実施形態に係る塩化カリウムを主剤とする潜熱蓄冷材としては、冷却(蓄冷)時には−25℃以上で結晶(固相)化し、放熱(放冷)時には−21℃以上−16℃以下に融解開始温度を持つものが特に望ましい。
本実施形態に係る塩化ナトリウムを主剤とする潜熱蓄冷材および塩化カリウムを主剤とする潜熱蓄冷材において、潜熱量は、210J/g以上が望ましく、220J/g以上がより望ましく、230J/g以上がさらに望ましい。上限は、特に限定されないが、330J/g以下であってもよい。潜熱量は、JIS K 7122(2012)に準じて示差走査熱量測定(DSC)により測定できる。示差走査熱量測定には、公知の示差走査熱量計を使用できる。示差走査熱量計としては、例えば、Perkin Elmer Japan社の入力補償型ダブルファーネスDSC8500を用いて測定できる。測定条件は、後記する実施例に記載のとおりである。
潜熱蓄冷材の製造方法は特に限定されないが、例えば、容器に入れた純水またはイオン交換水に、無機塩を徐々に攪拌しながら所定量まで投入し、十分混合した後、本実施形態に係る結晶性粉末を徐々に攪拌しながら所定量まで投入し、他の添加剤もこれと同時またはこの前後で添加し、混合および/または攪拌する方法;予め無機塩と添加剤を混合しておき、純水またはイオン交換水に注入し、最後に増粘剤と結晶性粉末を添加する方法等がある。なお、無機塩、結晶性粉末、および他の添加剤の投入順序は任意であり、かつ、溶解を促進するために一定温度まで加熱することも可能である。加熱する際には溶質が分解する等の不具合が生じないように注意する必要がある。例えば、結晶性粉末に尿素誘導体を使う場合には、60〜80℃以上の温度において長時間加熱すると、尿素が分解してアンモニアが発生する可能性があるため、加熱温度は60℃未満が望ましい。
蓄冷材の形態は特に限定されないが、通常は、上述で作製した蓄冷材を耐食性に優れた金属または樹脂材料に封入する形態となる。また形状としては、塊状、板状、シート状等がある。内容積に対して表面積の割合を増やした方が、蓄冷、放冷の応答性は向上する。冷凍庫で蓄冷した後に蓄冷材が配置される場所としては、輸送・保管用のボックスあるいはコンテナ等の容器内等が考えられる。
使用環境としては、常温以下を保つことが望ましい。冷凍用であるため、一般的には冷凍庫と常温の間を周期的に繰り返すことになり、40℃以上の高温環境下に長時間曝されることはまずないが、結晶性粉末に尿素誘導体を用いた場合、仮に60℃以上に長時間放置されると、尿素の一部が分解されてアンモニアが発生する可能性がある。
以下に、実施例により本開示の蓄冷材をより詳細に説明する。ただし、本開示は、以下の実施例に限定されない。
本開示の塩化ナトリウムを主剤とする潜熱蓄冷材の評価基準を以下に示す。潜熱蓄冷材について、−18℃以下の温度範囲の冷凍保存用途として、吸熱ピークは−25℃以上−20℃以下であることが求められる。また、吸熱ピークとの関係から、融解開始温度は−27℃以上−22℃以下であることが望ましい。さらに、蓄冷のために必要な電気エネルギー、引いては冷却コストを抑制するため、凝固開始温度は−40℃よりもできるだけ高いことが求められ、−29.5℃以上が望ましい。さらにまた、潜熱量は、実用性の観点から、210J/g以上が求められる。融解開始温度、吸熱ピーク、凝固開始温度、および潜熱量の測定にはPerkin Elmer Japan社の入力補償型ダブルファーネスDSC8500を用いた。
<凝固開始温度の評価基準>
○:−29.5℃以上
×:−29.5℃未満
<吸熱ピークの評価基準>
○:−25.0℃以上−20.0℃以下
×:−25.0℃未満または−20.0℃より高い
<融解開始温度の評価基準>
○:−27.0℃以上−22.0℃以下
×:−27.0℃未満または−22.0℃より高い
<潜熱量の評価基準>
○:210J/g以上
×:210J/g未満
以上の評価結果を総合的に評価し、凝固開始温度と融解開始温度と差が7℃以内であり、冷凍用蓄冷材として適合するものについては総合評価として「○」とし、適合しないものについては「×」とした。
[実施例1および比較例1〜6]
塩化ナトリウム15wt%、塩化アンモニウム10wt%の水溶液に対して、結晶性粉末として1,3−ジエチル尿素を下記表1に示す量で添加し、攪拌均一混合し、潜熱蓄冷材を得た。塩化ナトリウム15wt%および塩化アンモニウム10wt%のみを含む水溶液に対する、25℃における1,3−ジエチル尿素の飽和濃度は、3.0wt%である。
得られた潜熱蓄冷材A−1およびC−1〜C−6について、融解開始温度、吸熱ピーク、凝固開始温度、および潜熱量を、示差走査熱量計(入力補償型ダブルファーネスDSC8500、Perkin Elmer Japan社)を用いて以下の条件で測定した。A−1およびC−1〜C−6の結果を表1に示す。また、蓄冷材A−1のDSC結果を図1に、蓄冷材C−1のDSC結果を図2に示す。
DSCのプログラム:降温速度1℃/分→−50℃で10分保持→昇温速度1℃/分→10℃
Figure 2017078163
潜熱蓄冷材A−1(実施例1)は、結晶性粉末である1,3−ジエチル尿素を0.33mmol含み、融解開始温度が−27.0℃以上−22.0℃以下の範囲にあり、吸熱ピークが−25.0℃以上−20.0℃以下の範囲にあり、凝固開始温度が−29.5℃以上、また、潜熱量が230J/g以上であることから、全ての評価基準に適合しており、−18℃以下の温度範囲の冷凍保存向けの用途に望ましい。蓄冷材A−1の示差走査熱量測定の結果を図1に示す。
潜熱蓄冷材C−1は、従来の蓄冷材組成(国際公開2014/091938号の図5のG2)である塩化ナトリウム15wt%および塩化アンモニウム10wt%を含む水溶液であり、結晶性粉末を含んでおらず、融解開始温度が−24.0℃、吸熱ピークが−21.5℃であり、潜熱量も254J/gと高いが、凝固開始点が−40.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。蓄冷材C−1の示差走査熱量測定の結果を図2に示す。
潜熱蓄冷材C−2は、1,3−ジエチル尿素を0.01mmol含み、融解開始温度が−25.0℃、吸熱ピークが−20.7℃、潜熱量が237J/gであるが、凝固開始点が−43.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。
潜熱蓄冷材C−3は、1,3−ジエチル尿素を0.06mmol含み、融解開始温度が−24.0℃、吸熱ピークが−20.9℃、潜熱量が241J/gであるが、凝固開始点が−42.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。
潜熱蓄冷材C−4は、1,3−ジエチル尿素を0.17mmol含み、融解開始温度が−24.0℃、吸熱ピークが−21.0℃、潜熱量が249J/gであるが、凝固開始点が−43.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。
潜熱蓄冷材C−5は、1,3−ジエチル尿素を0.22mmol含み、融解開始温度が−24.0℃、吸熱ピークが−21.0℃、潜熱量が230J/gであるが、凝固開始点が−42.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。
潜熱蓄冷材C−6は、塩化アンモニウムおよび結晶性粉末を含んでおらず、塩化ナトリウム23wt%水溶液からなるが、融解開始温度が−21.0℃、吸熱ピークが−18.2℃と評価基準に適合せず、凝固開始温度も−37.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。
以上の評価から、蓄冷材組成としてはA−1が望ましい結果を示した。
[実施例2〜7]
塩化アンモニウムと1,3−ジエチル尿素の配合量を表2に記載される量に変更する以外は、実施例1と同様にして、潜熱蓄冷材A−2〜A−7を作製した。潜熱蓄冷材A−2〜A−7は、A−1と同様に、望ましい結果を示した。結果を表2に示す。
Figure 2017078163
潜熱蓄冷材A−2は、1,3−ジエチル尿素を0.44mmol含み、潜熱蓄冷材A−3は、1,3−ジエチル尿素を0.55mmol含む。潜熱蓄冷材A−2〜A−3は、融解開始温度が−27.0℃以上−22.0℃以下の範囲にあり、吸熱ピークが−25.0℃以上−20.0℃以下の範囲にあり、凝固開始温度が−29.5℃以上、また、潜熱量が230J/g以上であることから、全ての評価基準に適合しており、−18℃以下の温度範囲の冷凍保存向けの用途に望ましい。
潜熱蓄冷材A−4は、塩化ナトリウム15wt%、塩化アンモニウム6wt%の水溶液に対して、1,3−ジエチル尿素を0.33mmol含み、融解開始温度が−27.0℃以上−22.0℃以下の範囲にあり、吸熱ピークが−25.0℃以上−20.0℃以下の範囲にあり、凝固開始温度が−29.5℃以上、また、潜熱量が230J/g以上であることから、全ての評価基準に適合しており、−18℃以下の温度範囲の冷凍保存向けの用途に望ましい。
潜熱蓄冷材A−5は、塩化ナトリウム15wt%、塩化アンモニウム8wt%の水溶液に対して、1,3−ジエチル尿素を0.33mmol含み、融解開始温度が−27.0℃以上−22.0℃以下の範囲にあり、吸熱ピークが−25.0℃以上−20.0℃以下の範囲にあり、凝固開始温度が−29.5℃以上、また、潜熱量が230J/g以上であることから、全ての評価基準に適合しており、−18℃以下の温度範囲の冷凍保存向けの用途に望ましい。
潜熱蓄冷材A−6は、塩化ナトリウム15wt%、塩化アンモニウム12wt%の水溶液に対して、1,3−ジエチル尿素を0.33mmol含み、融解開始温度が−27.0℃以上−22.0℃以下の範囲にあり、吸熱ピークが−25.0℃以上−20.0℃以下の範囲にあり、凝固開始温度が−29.5℃以上、また、潜熱量が230J/g以上であることから、全ての評価基準に適合しており、−18℃以下の温度範囲の冷凍保存向けの用途に望ましい。
潜熱蓄冷材A−7は、塩化ナトリウム15wt%、塩化アンモニウム14wt%の水溶液に対して、1,3−ジエチル尿素を0.33mmol含み、融解開始温度が−27.0℃以上−22.0℃以下の範囲にあり、吸熱ピークが−25.0℃以上−20.0℃以下の範囲にあり、凝固開始温度が−29.5℃以上、また、潜熱量が230J/g以上であることから、全ての評価基準に適合しており、−18℃以下の温度範囲の冷凍保存向けの用途に望ましい。
[実施例8〜12および比較例7〜14]
結晶性粉末の種類および配合量を表3に記載される量に変更する以外は、実施例1と同様にして、潜熱蓄冷材A−8〜A−12およびC−7〜C−14を作製した。得られた潜熱蓄冷材について、実施例1と同様の方法で特性を評価した。結果を表3に示す。塩化ナトリウム15wt%および塩化アンモニウム10wt%のみを含む水溶液に対する、25℃における1,3−ジブチル尿素の飽和濃度は、0.08wt%未満であり、1,3−ジシクロへキシル尿素の飽和濃度は、7.0wt%未満である。潜熱蓄冷材C−7〜C−14に用いた添加剤の化合物は、塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムのみを含む水溶液に対する溶解性が高く、表3に記載された潜熱蓄冷材C−7〜C−14における該化合物の添加量は、25℃において、塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムのみを含む水溶液に対する飽和濃度未満であった。
Figure 2017078163
潜熱蓄冷材C−7は、N−メチル尿素を0.33mmol含み、融解開始温度が−24.7℃、吸熱ピークが−22.2℃、潜熱量が226.1J/gであるが、凝固開始温度が−42.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。
潜熱蓄冷材C−8は、1,1−ジメチル尿素を0.33mmol含み、融解開始温度が−23.7℃、吸熱ピークが−21.6℃、潜熱量が249.2J/gであるが、凝固開始温度が−43.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。
潜熱蓄冷材C−9は、1,3−ジメチル尿素を0.33mmol含み、融解開始温度が−24.6℃、吸熱ピークが−22.4℃、潜熱量が217.7J/gであるが、凝固開始温度が−41.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。
潜熱蓄冷材C−10は、N−エチル尿素を0.33mmol含み、融解開始温度が−29.0℃と評価基準に適合せず、吸熱ピークが−22.5℃、潜熱量が248.5J/gであるが、凝固開始温度が−42.5℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。
潜熱蓄冷材C−11は、ヒドロキシ尿素を0.33mmol含み、融解開始温度が−24.5℃、吸熱ピークが−22.8℃、潜熱量が249.4J/gであるが、凝固開始温度が−41.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。
潜熱蓄冷材C−12は、カルバミン酸エチルを0.33mmol含み、融解開始温度が−23.6℃、吸熱ピークが−21.9℃、潜熱量が254.5J/gであるが、凝固開始温度が−42.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。
潜熱蓄冷材C−13は、アセトアミドを0.33mmol含み、融解開始温度が−28.0℃と評価基準に適合せず、吸熱ピークが−22.9℃、潜熱量が228.6J/gであるが、凝固開始温度が−43.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。
潜熱蓄冷材C−14は、尿素を0.33mmol含み、融解開始温度が−26.5℃、吸熱ピークが−23.1℃、潜熱量が260.3J/gであるが、凝固開始温度が−41.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。
潜熱蓄冷材A−8は、1,3−ジブチル尿素を0.33mmol含み、潜熱蓄冷材A−9は、1,3−ジブチル尿素を0.1mmol含み、潜熱蓄冷材A−10は、1,3−ジブチル尿素を0.01mmol含み、潜熱蓄冷材A−11は、1,3−ジブチル尿素を0.005mmol含む。潜熱蓄冷材A−8〜A−11は、融解開始温度が−27.0℃以上−22.0℃以下の範囲にあり、吸熱ピークが−25.0℃以上−20.0℃以下の範囲にあり、凝固開始温度が−29.5℃以上、また、潜熱量が230J/g以上であることから、全ての評価基準に適合しており、−18℃以下の温度範囲の冷凍保存向けの用途に望ましい。
潜熱蓄冷材A−12は、1,3−ジシクロヘキシル尿素を0.33mmol含み、融解開始温度が−27.0℃以上−22.0℃以下の範囲にあり、吸熱ピークが−25.0℃以上−20.0℃以下の範囲にあり、凝固開始温度が−29.5℃以上、また、潜熱量が220J/g以上であることから、全ての評価基準に適合しており、−18℃以下の温度範囲の冷凍保存向けの用途に望ましい。
次に、本開示の塩化カリウムを主剤とする潜熱蓄冷材の評価基準を以下に示す。潜熱蓄冷材について、−20℃以上−10℃以下の温度範囲の冷凍保存用途として、吸熱ピークは−19℃以上−14℃以下であることが求められる。また、吸熱ピークとの関係から、融解開始温度は−21℃以上−16℃以下であることが望ましい。さらに、蓄冷のために必要な電気エネルギー、引いては冷却コストを抑制するため、凝固開始温度は−40℃よりもできるだけ高いことが求められ、−25℃以上が望ましい。さらにまた、潜熱量は、実用性の観点から、210J/g以上が求められる。融解開始温度、吸熱ピーク、凝固開始温度、および潜熱量の測定にはPerkin Elmer Japan社の入力補償型ダブルファーネスDSC8500を用いた。
<凝固開始温度の評価基準>
○:−25.0℃以上
×:−25.0℃未満
<吸熱ピークの評価基準>
○:−19.0℃以上−14.0℃以下
×:−19.0℃未満または−14.0℃より高い
<融解開始温度の評価基準>
○:−21.0℃以上−16.0℃以下
×:−21.0℃未満または−16.0℃より高い
<潜熱量の評価基準>
○:210J/g以上
×:210J/g未満
以上の評価結果を総合的に評価し、凝固開始温度と融解開始温度と差が7℃以内であり、冷凍用蓄冷材として適合するものについては総合評価として「○」とし、適合しないものについては「×」とした。
[実施例13〜14および比較例15〜16]
塩化カリウム10wt%、塩化アンモニウム10wt%の水溶液に対して、結晶性粉末として1,3−ジエチル尿素を下記表4に示す量で添加し、攪拌均一混合し、潜熱蓄冷材を得た。得られた潜熱蓄冷材B−1〜B−2およびC−15〜C−16について、実施例1と同様の方法で特性を評価した。結果を表4に示す。塩化カリウム10wt%及び塩化アンモニウム10wt%のみを含む水溶液に対する、25℃における1,3−ジエチル尿素の飽和濃度は、7.0wt%である。因みに、塩化カリウム12.5wt%及び塩化アンモニウム12.5wt%のみを含む水溶液、即ち、無機塩の濃度25wt%の水溶液、に対する、25℃における1,3−ジエチル尿素の飽和濃度は、7.0wt%未満である。
Figure 2017078163
潜熱蓄冷材C−15は、従来の蓄冷材組成(国際公開2014/091938号の図4のD1)である塩化カリウム10wt%および塩化アンモニウム10wt%を含む水溶液であり、結晶性粉末を含んでおらず、融解開始温度が−16.2℃、吸熱ピークが−14.4℃であり、潜熱量も307.8J/gと高いが、凝固開始温度が−30.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。潜熱蓄冷材C−16は、1,3−ジエチル尿素を0.56mmol含み、融解開始温度が−17.3℃、吸熱ピークが−15.6℃、潜熱量が281.5J/gであるが、凝固開始温度が−28.0℃と低く、凝固開始温度と融解開始温度の差が大きかった。
潜熱蓄冷材B−1は、1,3−ジエチル尿素を0.78mmol含み、潜熱蓄冷材B−2は、1,3−ジエチル尿素を0.89mmol含む。潜熱蓄冷材B−1〜B−2は、融解開始温度が−21.0℃以上−16.0℃以下の範囲にあり、吸熱ピークが−19.0℃以上−14.0℃以下の範囲にあり、凝固開始温度が−25.0℃以上、また、潜熱量が230J/g以上であることから、全ての評価基準に適合しており、−20℃以上−10℃以下の温度範囲の冷凍保存向けの用途に望ましい。
本開示に係る潜熱蓄冷材は、生鮮品の輸送・保管の際の冷凍に必要な冷熱を、潜熱として蓄冷し、かつ−10℃以下の一定温度で取り出せる潜熱蓄冷材として広く利用可能である。この蓄冷材は、蓄冷容器に充填され、予め冷凍機で冷凍して使用されるものである。
101 示差走査熱量測定の降温曲線
102 示差走査熱量測定の昇温曲線
103 凝固開始点
104 融解開始点
105 吸熱ピーク
201 示差走査熱量測定の降温曲線
202 示差走査熱量測定の昇温曲線
203 凝固開始点
204 融解開始点
205 吸熱ピーク

Claims (10)

  1. 水、結晶性粉末および少なくとも1種の無機塩を含み、
    前記結晶性粉末は、25℃において、濃度25wt%である前記無機塩の水溶液に対する飽和濃度が7.0wt%未満である化合物から構成され、
    前記結晶性粉末の濃度が、25℃における前記無機塩の水溶液に対する飽和濃度を超える濃度である、
    潜熱蓄冷材。
  2. 前記結晶性粉末が、下記式(1)で表される尿素誘導体から構成される、請求項1に記載の潜熱蓄冷材。
    Figure 2017078163
    (式中、R1およびR2は、同一または異なって炭素数2〜20の炭化水素基を表す。)
  3. 1およびR2が、同一または異なって、炭素数2〜6のアルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基である、請求項2に記載の潜熱蓄冷材。
  4. 前記結晶性粉末が、1,3−ジエチル尿素、1,3−ジブチル尿素、および1,3−ジシクロヘキシル尿素からなる群から選ばれる1種以上の尿素誘導体から構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の潜熱蓄冷材。
  5. 前記結晶性粉末が、1,3−ジエチル尿素または1,3−ジブチル尿素から構成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の潜熱蓄冷材。
  6. 前記無機塩が、塩化ナトリウムを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の潜熱蓄冷材。
  7. 前記無機塩が、塩化カリウムを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の潜熱蓄冷材。
  8. さらに、塩化ナトリウムまたは塩化カリウム以外の無機塩として、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびハロゲン化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項6または7に記載の潜熱蓄冷材。
  9. 前記無機塩が、塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の潜熱蓄冷材。
  10. 前記無機塩が、塩化カリウムおよび塩化アンモニウムである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の潜熱蓄冷材。
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