JP2024037222A - 蓄冷材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、蓄冷材のエネルギーロスを削減して冷凍食品を効率よく保冷するためになされたものである。【解決手段】本開示は、水と融点調整剤からなる蓄冷材主剤と、凝固点調整剤とを有する蓄冷材であって、前記融点調整剤は、複数種の無機塩と有機化合物とを有し、前記複数種の無機塩のアニオンは、すべて塩素であり、前記複数種の無機塩のカチオンは、少なくともナトリウムが含まれており、前記凝固点調整剤は、前記複数種の無機塩のいずれかに含まれるカチオンと同一の官能基を有し、かつ、純水に対する飽和溶解度の温度依存性が、水温20℃から0℃で30%以上減少する塩であるであることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本開示は、空気調和機に関する。特に、冷凍食品の保冷条件である-18℃以下の温度帯を保持するために適した蓄冷材に関する。
近年、運輸部門において、他部門に比べて二酸化炭素削減の進捗が遅れていることが課題になっている。運輸部門の二酸化炭素排出の約4割を占めるトラック輸送の二酸化炭素排出抑制の一つの手段として、「置き配」(受取人が予め指定した場所(玄関前、置き配バッグ、宅配ボックス、車庫、物置など)に非対面で荷物などを届けるサービス)の普及による再配達の削減が挙げられている。再配達率1%削減で約2万トンの二酸化炭素削減が見込まれるためである。
他方、ネットスーパーなどEコマースの市場が拡大しており、中でも、簡便な調理、長期保存が可能である冷凍食品の消費量は拡大の一途である。これらの輸送は、多頻度小口化が特徴であるため、大型の冷凍車ではなく、冷却設備を持たない小型営業車による配送が増大している。
これらの社会背景の下、電力を使わず、冷凍食品を適正な温度に保つため、断熱性を有する容器にドライアイスや予め凍結させた保冷剤を配置して、所定温度を保持する手段のニーズが高まっている。冷凍食品用には、これまでドライアイスを用いることが一般的であったが、近年、ドライアイスは慢性的な品不足になっている。ドライアイスは、原油精製時の副生成物である二酸化炭素を原料としているので、再生可能エネルギーの普及による原油消費量減少の影響を強く受けたためである。そこで、ドライアイスに替わり、冷凍食品を保冷できる低温蓄冷材が求められている。
一般に普及しているのは、水を用いた0℃付近の蓄冷材であるが、これらは冷凍食品を保冷するには適さない。冷凍食品は、常に-15℃以下に保冷されることが食品衛生法で定められており、さらに食品業界では、-18℃以下で保管すること、と自主基準を定めていることが多い。つまり、0℃付近の蓄冷材ではその低温は保持できないためである。特に、乳脂肪分が高い高級アイスクリームは-18℃以下あるいは-20℃以下を保持しないと硬さを保てないという課題がある。このため、水に種々の無機塩類を添加して構成された様々な低温蓄冷材が開発されている。
例えば、特許文献1は、水、結晶性粉末、及び少なくとも1種の無機塩を含み、結晶性粉末は、1,3-ジエチル尿素であり、1,3-ジエチル尿素は、3重量%以上20重量%以下の濃度を有し、潜熱蓄冷材は、マイナス29.5度以上の凝固開始温度を有する、潜熱蓄冷材を開示している。
蓄冷材の中でも、水に金属塩類を添加して構成された蓄冷材は過冷却現象が著しい。蓄冷材は融解時の吸熱現象によって対象物を保冷するため、使用前に必ず凍結させる必要がある。過冷却現象が大きいと、融解時の温度よりもかなり低い温度環境が凍結に必要となる。一般に、蓄冷材凍結庫は、蓄冷材の融点より10℃低い温度設定が必要である。
ところで、凍結庫の冷却器は、設定温度が低いほど電力消費が増大する。利用できる融解温度の熱量と、凍結するための電力量の差が大きくなることは、エネルギー利用の点で好ましくない。そのため、蓄冷材の融解温度と凍結可能温度の差を小さくする上記のような技術が開示されている。
特開2017-078163号公報
しかしながら、上述した従来の蓄冷材組成物では、冷凍食品の輸送に対し、依然として改善の余地が残っていた。
そこで、本開示は上記問題に鑑み、蓄冷材のエネルギーロスを削減して冷凍食品を効率よく保冷するためになされたものである。
本開示の一態様では、水と融点調整剤からなる蓄冷材主剤と、凝固点調整剤とを有する蓄冷材であって、前記融点調整剤は、複数種の無機塩と有機化合物とを有し、前記複数種の無機塩のアニオンは、すべて塩素であり、前記複数種の無機塩のカチオンは、少なくともナトリウムが含まれており、前記凝固点調整剤は、前記複数種の無機塩のいずれかに含まれるカチオンと同一の官能基を有し、かつ、純水に対する飽和溶解度の温度依存性が、水温20℃から0℃で30%以上減少する塩であることを特徴とする。
以上説明したように本開示によれば、被保冷物に適した融解温度を有し、凍結を開始する凝固開始温度と融解温度との差を5℃以内とし、かつ凝固開始温度が一般的に使用される蓄冷材凍結庫の設定温度-35℃以上である蓄冷材を提供することができる。また、冷凍食品、特に低温で保持されることを必要とするアイスクリーム、生クリームが多いケーキなどの被保冷物を長時間保冷することができる。
実施例に係る蓄冷材の融解温度及び潜熱量の測定方法を説明する図である。 実施例に係る蓄冷材の凝固開始温度の測定方法を説明する図であり、環境温度に対する実施例1及び比較例1に係る蓄冷材の温度変化である。 実施例1の蓄冷材の融解特性を示す図である。
以下、図面を参照して、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本開示の解決手段として必須であるとは限らない。
また、発明者らは、上記課題を解決するため、融解温度が-26~-32℃であり、凝固開始温度が-35℃以上であって、かつ、凝固開始温度と融解温度との差が5℃以内である蓄冷材を発明するに至った。以下本開示に係る蓄冷材について説明する。なお、凝固開始温度を物理的な数値として厳密に測定、定義することは容易ではないが、本開示では、後述する実施例等の評価法によって定義する。この評価法によって定義した凝固開始温度は、事業者が蓄冷材の運用する際に参考できる温度として提供できる。また、融解温度も実施例で定義した温度とする。
本開示に係る蓄冷材は、水と融点調整剤からなる蓄冷材主剤と、凝固点調整剤とを有する。
融点調整剤は、複数種の無機塩と有機化合物とを有する。複数種の無機塩のアニオンは、すべて塩素である。複数種の無機塩のカチオンは、少なくともナトリウムが含まれている。凝固点調整剤は、複数種の無機塩のいずれかに含まれるカチオンと同一の官能基を有し、かつ、純水に対する飽和溶解度の温度依存性が、水温20℃から0℃で30%以上減少する塩である。
本開示に係る蓄冷材は、凝固させられた状態で被保冷物に近接又は接触させられることにより、融点付近の温度で被保冷物を保冷する。当該蓄冷材は、完全に融解するまでの間、当該蓄冷材の融点付近の温度で被保冷物を保冷し続ける。また、本開示に係る蓄冷材は、上記の組成とすることで、-26~-32℃の範囲内に融解温度を有し、かつ-35℃以上の範囲内に凝固開始温度を有し、融解温度と凝固開始温度の差が5℃以内である特性を有する。
また、本開示に係る蓄冷材は、被保冷物に適した融解温度である。被保冷物に必要な温度より高い融解温度の蓄冷材が不適であることは明白であるが、低すぎる蓄冷材の使用は、エネルギーロスを招く。本開示に係る蓄冷材は、特に低温で保持されることを必要とするアイスクリーム、生クリームが多いケーキなどに適した温度として、-26~-32℃の融解温度を有する。よって、本開示に係る蓄冷材は、乳固形分3%以上含有する被保冷物、乳固形分10%以上で乳脂肪分3%以上含有する被保冷物、乳固形分15%以上かつ乳脂肪分8%以上含有する被保冷物、乳固形分25%以上かつ乳脂肪分が15%以上含有する被保冷物の保冷に適している。
また、本開示に係る蓄冷材は、融解温度と凝固開始温度の差が小さい。現実的な蓄冷材凍結庫の設定温度は-35℃以下設定のため、凝固開始温度が-35℃以上である。
また、本開示に係る蓄冷材は、凍結に有するエネルギーロスを低減するために、融解温度と凝固開始温度の差が5℃以内である。
本開示の蓄冷材は、上述した組成を有することにより、共晶組成に近い組成を有する。このため、本開示係る蓄冷材は、液体状態においては、上述した組成の蓄冷材及び氷の共晶からなる。このため、当該蓄冷材が凝固させられる際には、上述した組成の蓄冷材及び氷の共晶が形成される。このため、当該蓄冷材が凝固させられる際には、主に上記複数種の無機塩と有機化合物及び氷の共晶が形成される。当該蓄冷材が上述した望ましい範囲内の組成を有する場合は、当該共晶以外の凝固成分がほとんど形成されなくなる。
凝固点調整剤について、純水に対する飽和溶解度の温度依存性が、水温20℃から0℃で30%以上減少する塩としては、リン酸水素二ナトリウム十二水和物、硫酸ナトリウム十水和物、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウムカリウム十二水和物、硫酸アンモニウムアルミニウム十二水和物、四ホウ酸ナトリウム、アジ化アンモニウム、アジ化タリウム(I)、亜硝酸コバルト(II)、塩化鉛(II)、塩素酸カリウム、塩素酸バリウム、塩素酸リチウム、塩素酸ルビジウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、ギ酸亜鉛、ギ酸ナトリウム、酢酸鉛(II)、シュウ酸アンモニウム、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸タリウム、硝酸銀、硝酸鉛、硝酸バリウム、硫酸銅(II)、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、チオ硫酸カリウム、二クロム酸アンモニウム、二クロム酸カリウム、フェリシアン化カリウム、フェロシアン化カリウム、フッ化カリウム、フッ化銀、ヨウ化タリウム(I)、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸カルシウム、硫化バリウム、硫酸マグネシウム、リン酸三アンモニウム、リン三酸ナトリウム、リン酸水素アンモニウム、クロム酸カリウム、ホウ酸等が挙げられる。
本開示の蓄冷材の凝固点調整剤は、純水に対する飽和溶解度の温度依存性が水温20℃から0℃で50%以上減少する塩であり、主たる融点と凝固開始温度の差が、5℃以内である。望ましくは、本開示の蓄冷材の凝固点調整剤は、水温0℃の純水に対する飽和溶解度が11g以下の塩である。なお、主たる融点とは、実施例で定義する融解温度であり、示差走査熱量測定によって得られた融解温度である。
また、望ましくは、本開示の蓄冷材の複数種の無機塩のカチオンはカリウムを含み、蓄冷材の主たる融点と凝固開始温度の差が5℃以内である。
また、望ましくは、本開示の蓄冷材の凝固点調整剤は、アンモニウム基を含み、かつ、純水に対する飽和溶解度の温度依存性が水温20℃から0℃で40%以上減少する複塩であり、蓄冷材の主たる融点と凝固開始温度の差が、5℃以内である。
さらに、蓄冷材における蓄冷材主剤の割合は1~18重量%であり、融点調整剤の割合は25~40重量%であり、複数種の無機塩のカチオンはカリウムとアンモニウム基が含まれており、蓄冷材主剤は塩化ナトリウムが5~25重量%で塩化カリウムが1~6重量%、塩化アンモニウムが1~12重量%含有し、蓄冷材における複数種の無機塩の総量は13~35重量%であり、有機化合物は1~16重量%含有する尿素であり、蓄冷材の主たる融点は-27℃から-32℃であることが好ましい。このように、3成分共晶を取る構成で、広い濃度範囲の構成要件を実現できるのは、アニオンが同一種であるためである。アニオンが別種(特にハロゲンの臭素など)である無機塩が構成に含まれると、イオン交換などの反応を生じやすく、融点の同一性が阻害される場合がある。
また、蓄冷材における凝固点調整剤は、蓄冷材主剤100重量%に対して、2から12重量%であり、蓄冷材の凝固開始温度は、-35℃以上であることが好ましい。
また、蓄冷材における蓄冷材主剤における割合は8~12重量%であり、融点調整剤の割合は30~40重量%であり、複数種の無機塩のカチオンはアンモニウム基が含まれており、蓄冷材主剤は塩化ナトリウムが10~18重量%で塩化アンモニウムが5~10重量%含有し、特に塩化ナトリウムは塩化アンモニウムより多く含有し、複数種の無機塩の総量は18~25重量%であり、有機化合物は8~12重量%含有する尿素であり、蓄冷材の主たる融点は-27℃から-28℃であることが好ましい。係る蓄冷材の組成は、塩化ナトリウム共晶濃度の融点-21℃、塩化アンモニウム共晶濃度の融点-15℃のため、融点が低い塩化ナトリウムを多くなっている。
また、凝固点調整剤は、蓄冷材主剤100重量%に対して、3から12重量%であり、蓄冷材の凝固開始温度は、-35℃以上であることが好ましい。
また、蓄冷材における蓄冷材主剤における割合は8~12重量%であり、融点調整剤の割合は20~30重量%であり、複数種の無機塩のカチオンはカリウムが含まれており、蓄冷材主剤における割合は塩化ナトリウムが10~18重量%で塩化カリウムが3~6重量%であり、蓄冷材における複数種の無機塩の総量は15~20重量%の範囲であって、有機化合物は8~12重量%含有する尿素であり、蓄冷材の主たる融点は-26℃から-27℃であることが好ましい。
また、凝固点調整剤は蓄冷材主剤100重量%に対して、3から12重量%であり、蓄冷材の凝固開始温度は-35℃以上であることが好ましい。
上述した好ましい組成の蓄冷材とすれば、被保冷物に適した融解温度を有し、蓄冷材のエネルギーロスを削減して冷凍食品をさらに効率よく保冷することができる。
本開示の蓄冷材は、上述した成分以外の成分を含んでもよい。上述した成分以外の成分は、例えば、蓄冷材は、増粘剤、抗菌剤及び色素からなる群より選択される少なくとも1種をさらに含む。
以下に本開示に係る蓄冷材について実施例及び比較例を用いて詳しく説明する。
水、融点調整剤(塩化アンモニウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、尿素等)、凝固点調整剤(リン酸水素二ナトリウム十二水和物、硫酸ナトリウム十水和物、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウムカリウム十二水和物、硫酸アンモニウムアルミニウム十二水和物、四ホウ酸ナトリウム十水和物、炭酸カルシウム等)を混合し、溶解することにより実施例及び比較例に係る蓄冷材を表1、3~7に示す通りに調製した。なお、水と融点調整剤の全体が100重量%になるように調製した。
ここで、本開示に係る蓄冷材の融解温度及び潜熱量の測定方法を説明する。図1は、実施例に係る蓄冷材の融解温度及び潜熱量の測定方法を説明する図である。
融解温度及び潜熱量が測定される際には、図1に図示されるように、当該蓄冷材に対して示差走査熱量測定(DSC)にてDSC曲線10が取得される。横軸は温度(T)、縦軸は単位温度あたりの融解エンタルピー(dH/dT)である。また、DSC曲線10に含まれる融解ピーク11の低温側12を線形外挿した直線13とDSC曲線10に含まれる低温側のベースライン14を線形外挿した直線15との交点16の温度が融解温度とされる。また、融解ピーク11と直線15とに囲まれる潜熱領域17の面積を当該蓄冷材の重量で除した値が潜熱量とされる。
また、実施例及び比較例に係る蓄冷材の凝固特性について評価した。実施例及び比較例に係る蓄冷材40gに、熱電対を入れ、各蓄冷材の融解時の温度を測定した。具体的には、各蓄冷材を25℃から1.0℃/分のレートで-35℃まで降温させ、-35℃一定で凝固させ、熱電対により各蓄冷材の温度の経時変化を1分間隔で測定した。凝固開始温度は、上記凍結特性の測定結果から得た。
また、本開示の蓄冷材の凝固開始温度の決定方法を説明する。図2は、実施例に係る蓄冷材の凝固開始温度の測定方法を説明する図である。図2の蓄冷材の温度の経時変化において、蓄冷材が凍結するときの凝固熱が発生した後、凍結が完了し環境温度まで温度が下がり始めるまでの、最も低い温度を凝固開始温度とした。実施例1では凝固開始温度は、-32℃である。
凝固特性評価で得られた凝固開始温度と、示差走査熱量測定によって得られた融解温度の差をΔtとした。
なお、Δtが小さいほど、凝固に有するエネルギーロスが小さくなり好ましい。なぜなら、融解温度により近い温度で凝固が開始され、より早い時間で凝固が開始されることにより、凝固時間が短縮されるためであり、さらに、凝固開始温度まで凍結環境の設定温度をより上げられるためである。
上記の方法で実施例及び比較例の融解温度、潜熱量及び凝固開始温度を測定した。その結果を、表1、3~7に示す。
また、表2は、純水に対する飽和溶解度の温度依存性が、水温20℃から0℃で30%以上減少する塩を示す。表2には、凝固点調整剤1~8に対する、水温20℃、または水温0℃のときの、溶解度(100gの純水に溶解する凝固点調整剤の質量g)と、水温20℃のときの溶解度から水温0℃のときの溶解度の差を水温20℃のときの溶解度で割り、100をかけた減少率%を示す。
表1に示すように、凝固点調整剤が複数種の無機塩のいずれかに含まれるカチオンと同一の官能基を有し、かつ、純水に対する飽和溶解度の温度依存性が、水温20℃から0℃で30%以上減少する塩(リン酸水素二ナトリウム十二水和物、硫酸ナトリウム十水和物、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウムカリウム十二水和物、硫酸アンモニウムアルミニウム十二水和物、Na2B3O7十水和物)を含む実施例1~9に係る蓄冷材は、融解温度が-28℃~-32℃の範囲であり、Δtが4.4℃以下であり、望ましい結果を示した。
また、実施例1の融解特性を図3に示す。蓄冷材40gに、熱電対を入れ、各蓄冷材の融解時の温度を測定した。具体的には、各蓄冷材を-35℃で凝固させた後、-20℃に昇温し、融解させ、熱電対により各蓄冷材の温度の経時変化を1分間隔で測定した。およそ-28.5℃から融解が始まり、-28℃で融解が終了していることから、温度一定に保冷する能力があることを示している。
一方で、比較例1~2の蓄冷材の融解温度は-28℃~-29℃の範囲であり、Δtは6.4℃以上であった。
また、表2に示すように、実施例1~8の凝固点調整剤の減少率は、30%以上であり、減少率が大きいことで、水温低下による凝固点調整剤の析出が発生しやすくなり、析出した凝固点調整剤によって過冷却が抑制されることにより、Δtが小さくなった。
さらに、実施例1~8は、融点調整剤と共通の官能基を有する凝固点調整剤をもち、共通イオン効果により、凝固点調整剤の析出が促進され、Δtが小さくなった。
表3に示すように、実施例9~20の蓄冷材の融解温度は-27℃~-29℃の範囲であり、Δtは4.8℃以下であり、望ましい結果を示した。よって、実施例9~20の蓄冷材は、エネルギーロスを削減して冷凍食品をさらに効率よく保冷することができる。
一方で、複数種の無機塩のカチオンにナトリウムが含まれていない比較例3の蓄冷材の融解温度は-24.5℃であり、Δtは1.5℃以下であり、融解温度が-26℃より高かった。すなわち、実施例における蓄冷材は、複数種の無機塩のカチオンに少なくともナトリウムが含まれていることが重要である。
表4に示すように、実施例21~26の蓄冷材の融解温度は、-27℃~-29℃の範囲であり、Δtは3.9℃以下であり、望ましい結果を示した。よって、実施例21~26の蓄冷材は、エネルギーロスを削減して冷凍食品をさらに効率よく保冷することができる。
表5に示すように、実施例27~32の蓄冷材の融解温度は-28℃~-29℃の範囲であり、Δtは4.4℃以下であり、望ましい結果を示した。よって、凝固点調整剤が蓄冷材主剤100重量%に対して、2から12重量%である実施例27~32の蓄冷材は、エネルギーロスを削減して冷凍食品をさらに効率よく保冷することができる。
表6に示すように、実施例33~41の蓄冷材の融解温度は-27℃~-28℃の範囲であり、Δtは4.4℃以下であり、望ましい結果を示した。よって、実施例37~45の蓄冷材は、エネルギーロスを削減して冷凍食品をさらに効率よく保冷することができる。
表7に示すように、実施例42~47の蓄冷材の融解温度は-26℃~-27℃の範囲であり、Δtは4.0℃以下であり、望ましい結果を示した。よって、実施例46~52の蓄冷材は、エネルギーロスを削減して冷凍食品をさらに効率よく保冷することができる。
なお、上述した蓄冷材を用いた保冷具として、例えば、上述した蓄冷材を液密に収容する収容部と、を備えた保冷具が考えられる。この保冷具により、被保冷物を保冷することができる。あるいは、上述した蓄冷材と蓄冷材を液密に収容する収容部を複数有し、複数の収容部同士を接続する関節部と、を有する保冷具であってもよい。また、これらの保冷具を備えた用具として、例えば、物流梱包容器、人体冷却具、飲料品保冷用具、アイスクリームや生クリームが多いケーキやその他の食品保冷用具などに適用できる。なお、保冷具を被保冷物の少なくとも一部に接触させ、被保冷物を被覆して保冷してもよいし、被保冷物の上下面および側面を被覆して保冷してもよい。
以上より、本開示に係る蓄冷材は、冷凍食品、特に低温で保持されることを必要とするアイスクリーム、生クリームが多いケーキなどの被保冷物を長時間保冷することができ、-35℃以上に凝固開始温度を有する蓄冷材を提供できる。
なお、上記のように本開示の各実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本開示の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本開示の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、蓄冷材の構成、動作も本開示の各実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
本開示に係る蓄冷材は、凝固・融解時の潜熱を利用した蓄熱材に関する。冷凍食品の輸送・保管の際に必要なエネルギーを蓄積し、一定温度で取り出せる蓄冷材として広く利用可能である。この蓄冷材は、容器に充填され、予め冷凍され使用されるものである。

Claims (11)

  1. 水と融点調整剤からなる蓄冷材主剤と、凝固点調整剤とを有する蓄冷材であって、
    前記融点調整剤は、複数種の無機塩と有機化合物とを有し、
    前記複数種の無機塩のアニオンは、すべて塩素であり、
    前記複数種の無機塩のカチオンは、少なくともナトリウムが含まれており、
    前記凝固点調整剤は、前記複数種の無機塩のいずれかに含まれるカチオンと同一の官能基を有し、かつ、純水に対する飽和溶解度の温度依存性が、水温20℃から0℃で30%以上減少する塩である蓄冷材。
  2. 前記凝固点調整剤は、純水に対する飽和溶解度の温度依存性が水温20℃から0℃で50%以上減少する塩であり、
    主たる融点と凝固開始温度の差が、5℃以内である請求項1に記載の蓄冷材。
  3. 前記凝固点調整剤は、水温0℃の純水に対する飽和溶解度が11g以下の塩である請求項1に載の蓄冷材。
  4. 前記複数種の無機塩のカチオンは、カリウムを含み、
    主たる融点と凝固開始温度の差が5℃以内である請求項1に記載の蓄冷材。
  5. 前記凝固点調整剤は、アンモニウム基を含み、かつ、純水に対する飽和溶解度の温度依存性が水温20℃から0℃で40%以上減少する複塩であり、
    主たる融点と凝固開始温度の差が、5℃以内である請求項1に記載の蓄冷材。
  6. 前記蓄冷材における前記蓄冷材主剤の割合は、1~18重量%であり、
    前記蓄冷材主剤における前記融点調整剤の割合は、25~40重量%であり、
    前記複数種の無機塩のカチオンは、カリウムとアンモニウム基が含まれており、
    前記蓄冷材主剤は、塩化ナトリウムが5~25重量%、塩化カリウムが1~6重量%、塩化アンモニウムが1~12重量%含有し、
    前記蓄冷材における前記複数種の無機塩の総量は、13~35重量%であり、
    前記有機化合物は、1~16重量%含有する尿素であり、
    主たる融点は、-27℃から-32℃である請求項2~5のいずれか1項に記載の蓄冷材。
  7. 前記凝固点調整剤は、前記蓄冷材主剤100重量%に対して、2から12重量%であり、
    凝固開始温度は、-35℃以上である請求項6に記載の蓄冷材。
  8. 前記蓄冷材における前記蓄冷材主剤における割合は、8~12重量%であり、
    前記蓄冷材主剤における前記融点調整剤の割合は、30~40重量%であり、
    前記複数種の無機塩のカチオンは、アンモニウム基が含まれており、
    前記蓄冷材主剤は、塩化ナトリウムが10~18重量%、塩化アンモニウムが5~10重量%含有し、
    塩化ナトリウムは、塩化アンモニウムより多く含有し、
    前記蓄冷材における前記複数種の無機塩の総量は、18~25重量%であり、
    前記有機化合物は、8~12重量%含有する尿素であり、
    主たる融点は、-27℃から-28℃である請求項2又は3に記載の蓄冷材。
  9. 前記凝固点調整剤は、前記蓄冷材主剤100重量%に対して、3から12重量%であり、
    凝固開始温度は、-35℃以上である請求項8に記載の蓄冷材。
  10. 前記蓄冷材における前記蓄冷材主剤における割合は、8~12重量%であり、
    前記蓄冷材主剤における前記融点調整剤の割合は、20~30重量%であり、
    前記複数種の無機塩のカチオンは、カリウムが含まれており、
    前記蓄冷材主剤における割合は、塩化ナトリウムが10~18重量%、塩化カリウムが3~6重量%であり、
    前記蓄冷材における前記複数種の無機塩の総量は、15~20重量%の範囲であって、
    前記有機化合物は、8~12重量%含有する尿素であり、
    主たる融点は、-26℃から-27℃である請求項2又は3に記載の蓄冷材。
  11. 前記凝固点調整剤は、前記蓄冷材主剤100重量%に対して、3から12重量%であり、
    凝固開始温度は、-35℃以上である請求項10に記載の蓄冷材。

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