JP6894407B2 - 冷却液組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却液組成物に係り、特に、冷凍設備におけるブラインとして有利に使用することが可能なものに関する。
冷凍設備におけるブライン(二次冷媒、間接冷却液)としては、従来より、様々な組成の水溶液が提案され、使用されている。また、近年では、従来以上の冷凍能力を発揮する冷凍設備が求められており、−30〜−50℃程度の低温度域においてもブラインとしての機能を十分に発揮し得る水溶液(冷却液組成物)が求められている。
例えば、塩化カルシウム水溶液は、−30℃以下の低温度域でも比較的に低粘性であることから、ブラインとして従来より使用されているものの、ブライン回路(ブラインを循環させる設備)の内部を腐食する恐れがあり、また、塩化カルシウムに起因するスケール(堆積物)等により、ブライン回路中のポンプ(回路内にブラインを循環させる為のポンプ)の内部が摩耗する等の問題がある。
これに対して、エチレングリコール水溶液及びプロピレングリコール水溶液は、塩化カルシウム水溶液と比較して、ブライン回路に対する腐食性や摩耗性が低く、また、ブライン回路内における潤滑性に優れているところから、近年、広く使用されている。
しかしながら、エチレングリコール水溶液及びプロピレングリコール水溶液は、−30℃以下の低温度域で使用すると、粘度が急激に上昇するという問題がある。具体的には、−40℃で使用した場合、エチレングリコール水溶液の粘度は150〜450mPa・s程度となり、プロピレングリコール水溶液の粘度は650〜10000mPa・s程度となる。このように、特に食品工場の冷凍設備において広く用いられているプロピレングリコール水溶液は、−30℃以下の低温度域における粘度上昇が顕著であるところ、そのようなプロピレングリコール水溶液を−30℃以下の低温度域においてブラインとして使用すると、ブライン回路内にて送液の圧力損失が非常に大きくなり、冷凍設備の事実上の使用が困難となるか、或いは、非常に高出力のポンプが必要とされ、条件によってはトータルのエネルギー効率が悪化してしまうという問題がある。また、−30℃以下の低温度域における粘度の上昇により冷媒能力が低下することも、エチレングリコール水溶液及びプロピレングリコール水溶液については懸念されている。
その一方で、−30℃以下の低温度域においても低い粘性が維持される低級アルコールの水溶液も、従来より、各種冷却液やブラインとして使用されている(特許文献1乃至特許文献4を参照)。
特公昭51−38105号公報 特開昭64−24880号公報 特開平8−183950号公報 特開平10−183109号公報
ところで、近年では、冷凍設備の大型化に伴い、そこで使用されるブライン(冷却液組成物)も大量になってきている。しかしながら、一分子を構成する炭素の原子数が一乃至三個までの飽和一価アルコールの水溶液は、その組成(特にアルコール濃度)や、添加される添加物の種類によって、消防法上の危険物(アルコール類、石油類)に該当する場合がある。消防法上の危険物は、保管方法や運送方法等が厳密に定められているところ、消防法上の危険物に該当するアルコール水溶液をブライン(冷却液組成物)として使用することは、その使用量が大量であることも相俟って、冷凍設備の使用者に大きな負担を強いることとなる。
具体的には、特許文献1(特公昭51−38105号公報)には、エタノール水溶液に所定量の食塩を添加し、凍結点を略−30℃以下に保つようにしたことを特徴とする浸漬凍結液が開示されている。しかしながら、同文献の記載によれば、そこに開示の浸漬凍結液は、エタノール濃度を高くすると引火し易くなるという危険性を有するものであり、同浸漬凍結液に係る構成において、消防法上の危険物(アルコール類)に該当しないエタノール濃度域で−40℃より低い温度での使用を可能することは、実用上、非常に困難である。また、同浸漬凍結液には、食塩が添加せしめられているところから、ブライン回路の内部を腐食する恐れもある。
また、特許文献2(特開昭64−24880号公報)には、エタノール濃度60%以下の水溶液に、凝固点降下剤としてのクエン酸誘導体を添加することにより、被冷凍物を略−72℃から−40℃に低温化なし得る低温用ブラインが開示されているが、クエン酸誘導体は消防法上の危険物であり、同文献に開示の組成にて構成される低温用ブラインは、消防法上の危険物として規制を受けるという問題がある。
さらに、特許文献3(特開平8−183950号公報)及び特許文献4(特開平10−183109号公報)には、低温下においても流動性が維持される冷却液組成物やブライン組成物として、低級アルコールとグリコール類とを含む水溶液が提案されている。しかしながら、グリコール類も消防法上の危険物に該当するものであり、それら文献の各々に開示の組成にて構成される冷却液組成物やブライン組成物にあっても、消防法上の危険物として規制を受けるという問題を内在している。
ここで、消防法においては、エタノール濃度が60重量%未満の水溶液(エタノール以外の他の成分を含まない水溶液。以下、本段落で言うエタノール水溶液は、他の添加成分を含まないものとする。)は非危険物とされているところ、エタノール濃度が60重量%未満の水溶液における凍結温度は、最低でも−43℃である。より具体的には、濃度が50重量%のエタノール水溶液における凍結温度は−38℃であり、濃度が40重量%のエタノール水溶液における凍結温度は−30℃である。従って、エタノールのみを含む水溶液であって、消防法上の危険物として規制を受けないもの(非危険物)は、−30℃〜−50℃程の低温領域にて使用される冷却液組成物として使用することが、著しく困難か、或いは使用することが出来ないものである。
本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、−30℃以下の低温度域においてもブラインとしての機能を十分に発揮し得る冷却液組成物を提供することにある。
そして、本発明は、かかる課題を解決すべく、第一成分たるエタノールと、第二成分たる水と共に、第三成分としてソルビン酸カリウム及び酢酸ナトリウムを含有し、かかる第三成分たるソルビン酸カリウム及び酢酸ナトリウムの重量比が、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム=1:8〜8:1であることを特徴とする冷却液組成物を、その要旨とするものである。
なお、本発明に係る冷却液組成物においては、望ましくは、前記第一成分たるエタノールの含有割合が40重量%以上、60重量%未満であり、前記第三成分の含有割合が10重量%未満である。
このように、本発明に従う冷却液組成物にあっては、第一成分たるエタノールと、第二成分たる水と共に、第三成分としてソルビン酸カリウムを含有するものであり、ソルビン酸カリウムの凝固点降下作用によって、−30℃以下の低温度域においても、凍結することなく低粘度の状態が維持されるところから、冷却液として機能し得るものとなっているのである。
ところで、本発明に従う冷却液組成物(以下、単に組成物とも言う。)は、必須成分の一つとしてエタノールを含むものである。本発明においては、エタノールの含有割合が多ければ多いほど、冷却液組成物としての機能が優れたものとなる(組成物の凍結温度が低下する)が、一方で、消防法上の危険物(アルコール類)に該当することとなる。また、エタノールの含有割合が少ないと、冷却液としての機能を十分に発揮しない恐れがある。このため、本発明に従う冷却液組成物において、エタノールの含有割合は、40重量%以上、60重量%未満であることが好ましく、42.5重量%以上、55重量%以下であることがより好ましく、42.5重量%以上、50重量%以下であることが最も好ましい。
また、本発明においては、溶媒として機能する水を第二の必須成分とする。なお、本発明に係る冷却液組成物を調製するに際しては、従来より冷却液組成物の調製に使用されている脱イオン水や蒸留水等を、従来と同様に使用することが可能である。
そして、本発明においては、第一成分たるエタノール、及び第二成分たる水と共に、第三成分としてソルビン酸カリウムが含有せしめられているところに、大きな技術的特徴が存しているのである。即ち、ソルビン酸カリウムが添加されていることにより、冷却液組成物の凝固点が効果的に低下し、以て、−30℃以下の低温度域においても、また、組成物における各成分の含有割合を適宜に調整した場合には−40℃〜−50℃程度の低温度域においても、本発明に係る冷却液組成物は、凝固(凍結)することになく、冷凍設備内においてブラインとして十分に機能し得るのである。
また、本発明の冷却液組成物には、第三成分として、上述したソルビン酸カリウムと共に酢酸ナトリウムをも含有せしめることが好ましい。ソルビン酸カリウムと共に酢酸ナトリウムを含有せしめることにより、ソルビン酸カリウムを単独で用いる場合と同様の、或いはそれ以上の凝固点降下作用を享受することが出来、組成物における各成分の含有割合を適宜に調整した場合には−40℃〜−50℃程度の低温度域においてもブラインとして使用することが出来る。
ここで、本発明における第三成分の含有割合、より詳細には、1)ソルビン酸カリウムのみを用いる場合は、組成物全体におけるソルビン酸カリウムの含有割合、2)ソルビン酸カリウムと酢酸ナトリウムとを併用する場合は、組成物全体におけるそれら二つの化合物の総量の含有割合は、10重量%未満であることが好ましい。本発明において、第三成分の含有割合を10重量%以上とすると、消防法、危険物の規制に関する規則、並びに平成2年消防危第57号「アルコール類の規制について」(各都道府県消防主管部長あて 危険物規制課長通知)に照らし合わせた場合、危険物(石油類)に該当し、規制を受ける恐れがある。なお、本明細書において、消防法上の危険物とは、上記の如く、消防法、危険物の規制に関する規則、並びに平成2年5月22日付け消防危第57号「アルコール類の規制について」(各都道府県消防主管部長あて 危険物規制課長通知)に従って判断されるアルコール類、石油類等の危険物を意味するものである。
また、本発明の第三成分として、ソルビン酸カリウムと酢酸ナトリウムとを併用する場合、それら成分の使用割合は、重量比において、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム=1:8〜8:1であることが好ましく、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム=4:5〜6:3であることがより好ましい。このような割合においてソルビン酸カリウムと酢酸ナトリウムとを併用することにより、より効果的に冷却液組成物の凝固点を低下させることが出来、より低温度の領域においてもブラインとして使用可能な冷却液組成物を得ることが可能である。
なお、本発明に従う冷却液組成物には、上記した各成分以外にも、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、従来より冷却液組成物に使用されている各種の添加剤を配合することも可能である。
そのような添加剤としては、先ず、凝固点降下剤たる第三成分(ソルビン酸カリウム、酢酸ナトリウム)の補助成分として、凝固点降下能を有する化合物を例示することが出来る。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコールやクエン酸誘導体等の有機溶媒、ギ酸、酢酸、乳酸やプロピオン酸等のカルボン酸の塩類、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ剤、硝酸、硫酸やリン酸等の無機酸の塩類等を例示することが出来、必要に応じてこれらの化合物の中から一種又は二種以上のものを選択して、使用することが出来る。
また、本発明の冷却液組成物には、pH調整剤を配合することも可能である。本発明において使用可能なpH調整剤としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの他、安息香酸等の有機酸及びその塩、リン酸等の無機酸及びその塩等を例示することが出来る。
さらに、必要に応じて防錆剤を配合することも可能である。具体的には、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、チアベンダゾール等の銅用防錆剤、安息香酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、リン酸カリウム等の鉄用防錆剤や、各種のアルミニウム用防錆剤の中から、必要に応じて一種以上のものを選択して、使用することが可能である。
なお、上述したものを始めとする各種の添加剤を本発明において使用する場合、添加剤の使用量に上記した第三成分(ソルビン酸カリウム、酢酸ナトリウム)の使用量を加えた総量の含有割合が、冷却液組成物の10重量%未満となるように使用することが好ましい。かかる総量の含有割合が10重量%以上となると、冷却液組成物全体の引火点等によっては消防法上の危険物(石油類)に該当する恐れがあり、消防法上の危険物(石油類)に該当すると、消防法上の規制を受けることとなるからである。
また、本発明に係る冷却液組成物は、そこに含まれる可燃性液体量が60重量%未満となるように、調製されることが好ましい。可燃性液体量が60重量%以上の冷却液組成物は、消防法上の危険物(アルコール類)に該当し、消防法上の規制を受けるからである。なお、冷却液組成物に含まれる可燃性液体量は、平成元年7月4日付け消防危第64号「可燃性液体量の測定」に従って測定することが可能である。
さらに、添加剤として、消防法上の危険物に該当する化合物を使用する場合には、当該化合物の含有割合が、冷却液組成物に含まれるエタノール量の10重量%未満であることが好ましい。この含有割合が10重量%以上となると、化合物の種類によっては、冷却液組成物が消防法上の危険物(石油類)に該当する恐れがあり、消防法上の危険物(石油類)に該当すると、消防法上の規制を受けることとなるからである。
上述した各成分を含有する、本発明に従う冷却液組成物は、従来と同様の手法に従って調製し、製造することが可能である。例えば、溶媒たる水に、エタノール及び第三成分(ソルビン酸カリウムのみ、又はソルビン酸カリウムと酢酸ナトリウム。)、必要に応じてその他の成分を、各々が目的とする組成となるような量において添加し、混合することにより、目的とする冷却液組成物を得ることが出来る。
そして、そのようにして得られる冷却液組成物にあっては、第一成分たるエタノールと、第二成分たる水と共に、第三成分としてソルビン酸カリウム(及び酢酸ナトリウム)を含有しているところから、かかる第三成分によって冷却液組成物の凝固点が効果的に低下することとなり、以て、−30℃以下の低温度域においても、また、組成物における各成分の含有割合を適宜に調整した場合には−40℃〜−50℃程度の低温度域においても、本発明に係る冷却液組成物は、凝固(凍結)することになく、冷凍設備内においてブラインとして十分に機能し得るのである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加え得るものであることが、理解されるべきである。
先ず、下記表1乃至表5に示す各組成の冷却液組成物(試験液、比較液及び参考液)を調製し、調製した冷却液組成物の100mLをガラス容器(容積:140mL)に入れた。冷却液組成物が入ったガラス容器を、庫内温度が−30℃、−40℃、−45℃及び−50℃に設定された冷凍庫内にて4週間、保管し、かかる保管後のガラス容器内の冷却液組成物の状態を目視で観察し、以下に示す基準に従って評価した。なお、冷凍庫としては、三洋電機株式会社製のサンヨーブラストフリーザー(品番:MDF−U460BR、冷却性能:−50℃、温度制御範囲:−15℃〜−95℃)を使用した。各冷却液組成物についての評価結果を、下記表1乃至表5に併せて示す。
−評価基準−
A:外観上の凍結は認められない。
B:外観上、液面に薄い結晶若しくは凍結が認められる。
C:外観上、液面及び液中に結晶若しくは凍結が認められる。
D:外観上、全体においてある程度の凍結が認められる。
E:外観上、全体において明確に凍結が認められる。
Figure 0006894407
Figure 0006894407
Figure 0006894407
Figure 0006894407
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以下に、保管温度別に冷却液組成物の評価を纏める。
−保管温度:−50℃での外観評価−
1)エタノール濃度が50重量%、第三成分の濃度が9重量%、即ち、それら両成分を 合計した含有割合が60重量%未満であり、第三成分たるソルビン酸カリウム及び酢 酸ナトリウムを、重量比において、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム=4:5〜 7:2の割合にて含有し、更に、防錆剤たるチアベンダゾールを0.01重量%の割 合において含有する試験液においては、外観上の凍結が認められなかった(試験液N o.4〜7。表1を参照。)。
2)エタノール濃度が47.5重量%、第三成分の濃度が9重量%、即ち、それら両成 分を合計した含有割合が60重量%未満であり、第三成分たるソルビン酸カリウム及 び酢酸ナトリウムを、重量比において、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム=4: 5〜6:3の割合にて含有し、更に、防錆剤たるチアベンダゾールを0.01重量% の割合において含有する試験液においては、外観上の凍結が認められなかった(試験 液No.13〜15。表2を参照。)。
−保管温度:−45℃での外観評価−
1)エタノール濃度が50重量%、第三成分の濃度が9重量%、即ち、それら両成分を 合計した含有割合が60重量%未満であり、第三成分たるソルビン酸カリウム及び酢 酸ナトリウムを、重量比において、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム=1:8〜 8:1の割合にて含有するか、或いは第三成分としてソルビン酸カリウムのみを含有 し、更に、防錆剤たるチアベンダゾールを0.01重量%の割合において含有する試 験液においては、外観上の凍結が認められなかった(試験液No.1〜9。表1を参 照。)。
2)エタノール濃度が47.5重量%、第三成分の濃度が9重量%、即ち、それら両成 分を合計した含有割合が57.5重量%未満であり、第三成分たるソルビン酸カリウ ム及び酢酸ナトリウムを、重量比において、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム= 1:8〜8:1の割合にて含有するか、或いは第三成分としてソルビン酸カリウムの みを含有し、更に、防錆剤たるチアベンダゾールを0.01重量%の割合において含 有する試験液においては、外観上の凍結が認められなかった(試験液No.10〜1 8。表2を参照。)。
3)エタノール濃度が45重量%、第三成分の濃度が9重量%、即ち、それら両成分を 合計した含有割合が55重量%未満であり、第三成分たるソルビン酸カリウム及び酢 酸ナトリウムを、重量比において、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム=4:5〜 5:4の割合にて含有し、更に、防錆剤たるチアベンダゾールを0.01重量%の割 合において含有する試験液においては、外観上の凍結が認められなかった(試験液N o.22、同23。表3を参照。)。
4)エタノール濃度が42.5重量%、第三成分の濃度が9重量%、即ち、それら両成 分を合計した含有割合が52.5重量%未満であり、第三成分たるソルビン酸カリウ ム及び酢酸ナトリウムを、重量比において、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム= 4:5の割合にて含有し、更に、防錆剤たるチアベンダゾールを0.01重量%の割 合において含有する試験液においては、外観上の凍結が認められなかった(試験液N o.31。表4を参照。)。
−保管温度:−40℃での外観評価−
1)エタノール濃度が50重量%、第三成分の濃度が9重量%、即ち、それら両成分を 合計した含有割合が60重量%未満であり、第三成分たるソルビン酸カリウム及び酢 酸ナトリウムを、重量比において、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム=1:8〜 8:1の割合にて含有するか、或いは第三成分としてソルビン酸カリウムのみを含有 し、更に、防錆剤たるチアベンダゾールを0.01重量%の割合において含有する試 験液においては、外観上の凍結が認められなかった(試験液No.1〜9。表1を参 照。)。
2)エタノール濃度が47.5重量%、第三成分の濃度が9重量%、即ち、それら両成 分を合計した含有割合が57.5重量%未満であり、第三成分たるソルビン酸カリウ ム及び酢酸ナトリウムを、重量比において、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム= 1:8〜8:1の割合にて含有するか、或いは第三成分としてソルビン酸カリウムの みを含有し、更に、防錆剤たるチアベンダゾールを0.01重量%の割合において含 有する試験液においては、外観上の凍結が認められなかった(試験液No.10〜1 8。表2を参照。)。
3)エタノール濃度が45重量%、第三成分の濃度が9重量%、即ち、それら両成分を 合計した含有割合が55重量%未満であり、第三成分たるソルビン酸カリウム及び酢 酸ナトリウムを、重量比において、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム=1:8〜 8:1の割合にて含有するか、或いは第三成分としてソルビン酸カリウムのみを含有 し、更に、防錆剤たるチアベンダゾールを0.01重量%の割合において含有する試 験液においては、外観上の凍結が認められなかった(試験液No.19〜27。表3 を参照。)。
4)エタノール濃度が42.5重量%、第三成分の濃度が9重量%、即ち、それら両成 分を合計した含有割合が52.5重量%未満であり、第三成分たるソルビン酸カリウ ム及び酢酸ナトリウムを、重量比において、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム= 1:8〜8:1の割合にて含有するか、或いは第三成分としてソルビン酸カリウムの みを含有し、更に、防錆剤たるチアベンダゾールを0.01重量%の割合において含 有する試験液においては、外観上の凍結が認められなかった(試験液No.28〜3 6。表4を参照。)。
5)エタノール濃度が40重量%、第三成分の濃度が9重量%、即ち、それら両成分を 合計した含有割合が50重量%未満であり、第三成分たるソルビン酸カリウム及び酢 酸ナトリウムを、重量比において、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム=1:8〜 8:1の割合にて含有するか、或いは第三成分としてソルビン酸カリウムのみを含有 し、更に、防錆剤たるチアベンダゾールを0.01重量%の割合において含有する試 験液においては、外観上の凍結が認められなかった(試験液No.37〜45。表5 を参照。)。
−保管温度:−30℃での外観評価−
試験液No.1〜45、比較液1〜10及び参考液1の全てにおいて、外観上の凍結が認められなかった。
このように、本発明に従う冷却液組成物にあっては、−30℃以下の低温度域においても、また、組成物の組成によっては−40℃〜−50℃の更なる低温度域においても、凍結が認められないのであり、冷凍設備内においてブラインとして十分に機能し得るものであることが認められる。
次いで、下記表6に示す7種類の冷却液組成物について、粘度、引火点及び燃焼点を測定した。なお、粘度の測定にはB型粘度計を用いた。また、引火点の測定は、試験液No.5、14、23、32及び参考液1についてはタグ密閉式引火点測定器を用いて、参考液2及び参考液3についてはクリーブランド開放式引火点測定器を用いて、更に、燃焼点の測定はタグ開放式引火点測定器を用いて、各々、行なった。併せて、各冷却液組成物について、消防法における危険物に該当するか否かの判定を行なった。それらの結果を、下記表6に示す。
Figure 0006894407
かかる表6の結果からも明らかなように、本発明に従う冷却液組成物(試験液No.5、14、23、32)にあっては、−40℃における粘度が低く、また、消防法上の危険物に該当しないものであることが認められた。これに対して、エタノールのみを含有する水溶液からなる参考液1は、粘度は低いものの、消防法上の危険物に該当し、その取扱いに消防法上の規制を受けるものであることが確認され、また、エチレングリコールのみを含有する水溶液からなる参考液2、及び、プロピレングリコールのみを含有する水溶液からなる参考液3は、消防法上の危険物には該当しないものの、−40℃における粘度が非常に高く、−40℃において冷却液組成物として用いることが困難なものであることが確認された。
さらに、本発明に係る冷却液組成物の金属に対する腐食性を確認すべく、以下の実験を行なった。なお、以下の記載における「JIS」とは、JIS−K−2234:2006「不凍液」を意味するものである。
先ず、3種類の冷却液組成物(試験液No.5a、23a、41a)を調製した。試験液No.5aは、脱イオン水に代えて、調製水(JISに規定されている調製水。1Lの水に、148mgの硫酸ナトリウム、165mgの塩化ナトリウム及び138mgの炭酸水素ナトリウムを溶解したもの。)を用いたこと以外は、上記した試験液No.5(表1を参照)と同一の組成を有するものである。同様に、試験液No.23aは試験液No.23(表3を参照)と、試験液No.41aは試験液No.41と、脱イオン水に代えて上記調製水が用いられたこと以外は、各々、同一の組成を有するものである。
また、金属試験片として、アルミニウム鋳物、鋳鉄、鋼、黄銅、はんだ、銅の各々からなる試験片を準備した。試験片の寸法は、JISに規定されている大きさ(縦:約50mm×横:約25mm)とした。
ビーカー内に約200mLの冷却液組成物を入れ、次いで金属試験片を投入して、25±2℃にて336時間、金属腐食試験を行なった。試験前の金属試験片の全表面積(cm2 )と、試験前後の金属試験片の重量(mg)を測定し、下記式より質量変化量(mg/cm2 )を算出した。6種類の金属試験片を用いて金属腐食試験を行ない、各試験における質量変化量を求め、その結果を下記表7に示す。また、金属腐食試験前後において、冷却液組成物のpHを測定した結果、及び、試験前後におけるpHの変化量も、下記表7に併せて示す。
C=(m2 −m1 )/S ・・・(式)
上記式において、Cは質量変化量(mg/cm2 )を、m1 は試験前の試験片の
質量(mg)を、m2 は試験後の試験片の質量(mg)を、Sは試験前の試験片の 全表面積(cm2)を、それぞれ示す。
Figure 0006894407
かかる表7の結果かも明らかなように、本発明に従う冷却液組成物にあっては、JIS規格1種を満たすものであることが認められ、金属腐食性が低いことが確認されたのである。

Claims (2)

  1. 第一成分たるエタノールと、第二成分たる水と共に、第三成分としてソルビン酸カリウム及び酢酸ナトリウムを含有し、かかる第三成分たるソルビン酸カリウム及び酢酸ナトリウムの重量比が、ソルビン酸カリウム:酢酸ナトリウム=1:8〜8:1であることを特徴とする冷却液組成物。
  2. 前記第一成分たるエタノールの含有割合が40重量%以上、60重量%未満であり、前記第三成分の含有割合が10重量%未満である請求項1に記載の冷却液組成物。
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