JP2017077185A - 飲料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】飲用した際に乳脂肪球皮膜成分に由来する良好な乳風味とコク感が感じられて、また、ざらつきが少なく舌触りが滑らかで、後味の良好な乳脂肪球皮膜成分含有飲料の提供。
【解決手段】(A)乳脂肪球皮膜成分を含有する飲料組成物であって、次の成分(a)、(B)、(C)及び(D):
(a)スフィンゴミエリン 0.02〜0.5質量%、
(B)大豆多糖類 成分(a)の質量に対して3.5〜27質量倍、
(C)結晶セルロース 成分(a)の質量に対して1.3〜20質量倍、
(D)水
を含有する飲料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、乳脂肪球皮膜成分を含有する飲料組成物に関する。
乳脂肪球皮膜成分(Milk−fat Globule Membrane)は、乳腺より分泌される乳脂肪球を被覆している膜成分で、バターミルクやバターセーラム等の乳複合脂質高含有画分に多く含まれることが知られている(非特許文献1)。乳脂肪球皮膜は、一般的に、乾燥重量の約半分が脂質で構成され、当該脂質としては、トリグリセライドやリン脂質、スフィンゴ糖脂質が含まれる(非特許文献1及び2)。リン脂質としては、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン等のグリセロリン脂質が含まれるが、卵黄や大豆に含まれるリン脂質と比べてスフィンゴミエリンの割合が高く、スフィンゴミエリンは乳脂肪球皮膜成分の特徴的な構成成分となっている。
これまでに、乳脂肪球皮膜成分やスフィンゴミエリンの生理機能に着目した研究が多く行われ、例えば、筋力・持久力等の運動機能向上作用、内臓脂肪蓄積抑制作用、血中アディポネクチン増加及び減少抑制作用等の多くの生理機能を有することが報告されている(特許文献1〜3)。
近年、メタボリックシンドロームやロコモティブシンドロームの患者数が著しく増加し、社会的に大きな問題となっていることから、前述したような生理機能を有する乳脂肪球皮膜成分の幅広い利用が期待される。
乳脂肪球皮膜成分の生理機能を得るためには、乳脂肪球皮膜成分(乾燥物換算)として、成人1日あたり10mg/60kg体重以上を摂取するのが好ましいと考えられている(特許文献1)。そこで、例えば、前記特許文献1や2には、乳脂肪球皮膜成分を必要量摂取するための形態として、乳脂肪球皮膜成分を高濃度で配合した内服液や乳飲料が提案されている。
一方、酸性乳飲料では、大豆多糖類やペクチン等の増粘安定剤、結晶セルロース等のセルロース類は乳タンパク質の凝集・沈殿防止に使用されることが知られている(特許文献4及び5)。
特開2010−59155号公報 特開2007−320901号公報 特開2011−157330号公報 特開2000−184853号公報 特開2007−68410号公報
三浦晋、FOOD STYLE21、2009年 Keenan TW、Applied Science Publishers、1983、pp.89−130
乳脂肪球皮膜成分を多く含む飲料は乳脂肪球皮膜成分を効率的に無理なく摂取するのに適している。
しかしながら、乳脂肪球皮膜成分を高濃度で飲料中に配合すると、意外にも乳脂肪球皮膜成分特有の良好な乳風味を感じ難い場合があり、コク感も不十分であること、また、飲用時にざらつきが感じられ、飲用後も口中に不快さが残ることが判明した。
本発明は、斯かる実情に鑑み、飲用した際に乳脂肪球皮膜成分に由来する良好な乳風味とコク感が感じられて、また、ざらつきが少なく舌触りが滑らかで、後味も良好な乳脂肪球皮膜成分含有飲料を提供しようとするものである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、乳脂肪球皮膜成分に含まれるスフィンゴミエリンに対して一定の範囲で大豆多糖類と結晶セルロースとを含有させれば、乳脂肪球皮膜成分特有の乳風味及びコク感が強まること、また、舌上でのざらつきが改善されて滑らかな舌触りになり、後味も良好な飲用組成物とすることができることを見出した。
すなわち、本発明は、(A)乳脂肪球皮膜成分を含有する飲料組成物であって、次の成分(a)、(B)、(C)及び(D):
(a)スフィンゴミエリン 0.02〜0.5質量%、
(B)大豆多糖類 成分(a)の質量に対して3.5〜27質量倍、
(C)結晶セルロース 成分(a)の質量に対して1.3〜20質量倍、
(D)水
を含有する飲料組成物を提供するものである。
本発明によれば、飲用時に乳脂肪球皮膜成分に由来する良好な乳風味とコク感が感じられて、また、ざらつきが少なく舌触りが滑らかで、後味も良好な飲料組成物を提供することができる。本発明の飲料組成物は、高濃度のスフィンゴミエリンを含有することから、乳脂肪球皮膜成分摂取用の飲料としてだけでなくスフィンゴミエリン摂取用の飲料としても有用である。
本発明で用いられる(A)乳脂肪球皮膜成分は、乳脂肪球を被覆している膜、及び膜を構成する成分の混合物と定義されている。乳脂肪球皮膜は、一般的に、乾燥重量の約半分が脂質で構成され、当該脂質としては、トリグリセライドやリン脂質、スフィンゴ糖脂質が含まれることが知られている(三浦晋、FOOD STYLE21、2009及びKeenan TW、Applied Science Publishers、1983、pp89−pp130)。リン脂質としては、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン等のグリセロリン脂質が含まれることが知られている。
また、脂質以外の成分としては、ミルクムチンと呼ばれる糖タンパク質が含まれることが知られている(Mather、Biochim Biophys Acta、1978)。
本発明で用いられる(A)乳脂肪球皮膜成分は、生理効果の点から、脂質の含有量が、10質量%(以下、単に「%」とする)以上、更に20%以上、更に30%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、100%以下、更に90%以下、更に60%以下であるのが好ましい。また、乳脂肪球皮膜成分中の脂質の含有量は、10〜100%、更に20〜90%、更に30〜60%が好ましい。
(A)乳脂肪球皮膜成分は、生理効果の点から、リン脂質の含有量が5%以上、更に8%以上、更に10%以上、更に15%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、100%以下、更に85%以下、更に70%以下、更に60%以下であるのが好ましい。また、乳脂肪球皮膜成分中のリン脂質の含有量は、5〜100%、更に8〜85%、更に10〜70%、更に15〜60%が好ましい。
(A)乳脂肪球皮膜成分は、リン脂質として(a)スフィンゴミエリンを含む。
スフィンゴミエリンは、スフィンゴイド塩基と脂肪酸からなるセラミド骨格にホスホコリンが結合した構造を有する化合物である。スフィンゴミエリンを構成する脂肪酸としては、飽和又は不飽和の直鎖炭化水素鎖が挙げられる。
スフィンゴミエリンを構成する全脂肪酸中、パルミチン酸の含有量は、製造上の観点から、50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、30%以下であることが更に好ましく、20%以下であることがより更に好ましい。また、同様の観点から、1%以上であることが好ましく、2%以上であることがより好ましく、5%以上であることが更に好ましく、10%以上であることがより更に好ましい。
乳脂肪球皮膜成分中のスフィンゴミエリンの含有量は、生理効果の点、製造上の点から、1%以上、更に2%以上、更に3%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、50%以下、更に30%以下、更に25%以下、更に20%以下であるのが好ましい。また、乳脂肪球皮膜成分中のスフィンゴミエリンの含有量は、1〜50%、更に2〜30%、更に3〜25%、更に3〜20%が好ましい。
また、同様の点から、乳脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、3%以上、更に5%以上、更に10%以上、更に15%以上であるのが好ましく、また、50%以下、更に40%以下、更に35%以下、更に30%以下であるのが好ましい。また、乳脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、3〜50%、更に5〜40%、更に10〜35%、更に15〜30%が好ましい。
なお、本明細書において、乳脂肪球皮膜成分中の脂質、リン脂質及びスフィンゴミエリンの含有量、並びに乳脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、乳脂肪球皮膜成分の乾燥物に対する質量割合とする。
(A)乳脂肪球皮膜成分は、原料乳から遠心分離法や有機溶剤抽出法等の公知の方法により得ることができる。例えば、特開平3−47192号公報に記載の乳脂肪球皮膜成分の調製方法を用いることができる。また、特許第3103218号公報、特開2007−89535号公報に記載の方法等を用いることができる。さらに、透析、硫安分画、ゲルろ過、等電点沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、溶媒分画等の手法により精製することにより純度を高めたものを用いてもよい。
(A)乳脂肪球皮膜成分の形態は、特に限定されず、室温(15〜25℃)で液状、半固体状(ペースト等)、固体状(粉末、固形、顆粒等)等のいずれでもよく、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
(A)乳脂肪球皮膜成分の原料乳としては、牛乳やヤギ乳等が挙げられる。なかでも、食経験が豊富であり、安価な点から、牛乳が好ましい。また、原料乳には、生乳、全粉乳や加工乳等の乳の他、乳製品も含まれ、乳製品としては、バターミルク、バターオイル、バターセーラム、ホエータンパク質濃縮物(WPC)等が挙げられる。
バターミルクは、牛乳等を遠心分離して得られるクリームからバター粒を製造する際に得られ、当該バターミルク中に乳脂肪球皮膜成分が多く含まれているので、乳脂肪球皮膜成分としてバターミルクをそのまま使用してもよい。同様に、バターオイルを製造する際に生じるバターセーラム中にも乳脂肪球皮膜成分が多く含まれているので、乳脂肪球皮膜成分としてバターセーラムをそのまま使用してもよい。
(A)乳脂肪球皮膜成分は、市販品を用いることもできる。斯かる市販品としては、メグレジャパン(株)「BSCP」、雪印乳業(株)「ミルクセラミドMC−5」、(株)ニュージーランドミルクプロダクツ「Phospholipid Concentrate シリーズ(500,700)」等が挙げられる。
本発明の飲用組成物中、(a)スフィンゴミエリンの含有量は0.02〜0.5%であるが、乳脂肪球皮膜成分に由来する良好な乳風味とコク感点から、0.022%以上が好ましく、更に0.03%以上が好ましい。また、後味の観点から、0.2%以下が好ましく、0.05%以下が更に好ましい。飲用組成物中の(a)スフィンゴミエリンの含有量は、0.022〜0.2%がより好ましく、更に0.03〜0.05%が好ましい。
飲用組成物中の(a)スフィンゴミエリンは、(A)乳脂肪球皮膜成分に由来するものであるのが好ましい。
(A)乳脂肪球皮膜成分は、飲用組成物中に(a)スフィンゴミエリンの含有量が上記範囲を満たすように含有するのが好ましいが、生理効果を有効に発現する点、摂取形態として一度に少量の摂取で可能であるという点から、0.49%以上が好ましく、更に0.54%以上が好ましく、更に0.74%以上が好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、12.25%以下が好ましく、更に4.9%以下が好ましく、更に1.23%以下が好ましい。また、飲用組成物中の乳脂肪球皮膜成分の含有量は、0.49〜12.25%が好ましく、更に0.54〜4.9%が好ましく、更に0.74〜1.23%が好ましい。
また、本発明の飲用組成物中、リン脂質の含有量は、効果を有効に発現する点から、0.074%以上であるのが好ましく、更に0.081%以上が好ましく、更に0.11%以上が好ましい。また、風味・ハンドリングの点から、1.85%以下が好ましく、更に0.74%以下が好ましく、更に0.3%以下が好ましい。また、飲用組成物中のリン脂質の含有量は、0.074〜1.85%が好ましく、更に0.081〜0.74%が好ましく、更に0.11〜0.3%が好ましい。
乳脂肪球皮膜成分中又は飲用組成物中の脂質及びリン脂質の含有量は、酸分解法、比色法又は薄層クロマトグラフ法により測定することができる。
本発明の飲用組成物は、(B)大豆多糖類を含有する。
大豆多糖類は、大豆(Glycine max)の主に種子に含まれる水溶性の多糖類で、主な構成糖はガラクトース、アラビノース、ウロン酸である。ウロン酸は主にガラクツロン酸である。これに、ラムノース、フコース、キシロース、グルコースが含まれることが多い。
大豆多糖類は、大豆タンパク質を製造する際に得られる所謂オカラを原料に抽出後、必要に応じて精製、濃縮、殺菌、乾燥の工程を経て製造されることが知られている。例えば、特公昭60−31841号公報、特開昭60−146828号公報、特開平3−067595号公報、特開平3−236759号公報に記載の方法を用いることができる。
大豆多糖類は、市販品を用いることもできる。斯かる市販品としては、不二製油(株)「ソヤファイブ」、三栄源エフ・エフ・アイ(株)「SM−1200」等が挙げられる。
本発明の飲料組成物中、(B)大豆多糖類の含有量は、飲用組成物中の(a)スフィンゴミエリンの質量の3.5〜27質量倍であるが、乳脂肪球皮膜成分に由来するコク感が感じられる点、残留感が少ない点から、更に10質量倍以上が好ましく、更に12質量倍以上が好ましい。また、21質量倍以下が好ましく、更に18質量倍以下が好ましい。また、飲料組成物中の(B)大豆多糖類の含有量は、(a)スフィンゴミエリンの質量に対して3.5〜27質量倍、更に10〜21質量倍、更に12〜18質量倍が好ましい。
また、上記と同様の点から、本発明の飲用組成物中、(B)大豆多糖類の含有量は、0.19%以上が好ましく、更に0.5%以上が好ましく、更に0.6%以上が好ましい。また、1.8%以下が好ましく、更に1.2%以下が好ましく、更に1%以下が好ましく、更に0.9%以下が好ましい。また、飲料組成物中の(B)大豆多糖類の含有量は、0.19〜1.8が好ましく、更に0.19〜1.2%が好ましく、更に0.5〜1%が好ましく、更に0.6〜0.9%が好ましい。
本発明の飲用組成物は、(C)結晶セルロースを含有する。
結晶セルロースは、粒度分布や表面処理方法、結晶化度の違いにより幾つかのグレードが存在するが、特に限定されずいずれも使用することができる。結晶セルロースの市販品としては、旭化成ケミカルズ(株)「セオラス DX−3」、「SC900」、FMC BioPolymer「アビセル」等が挙げられる。
本発明の飲料組成物中、(C)結晶セルロースの含有量は、飲用組成物中の(a)スフィンゴミエリンの質量の1.3〜20質量倍であるが、乳脂肪球皮膜成分に由来する良好な乳風味が感じられる点、残留感が少ない点から、更に2.3質量倍以上が好ましく、更に3.5質量倍以上が好ましく、更に4.3質量倍以上が好ましい。また、13.5質量倍以下が好ましく、更に8.5質量倍以下が好ましく、更に6.3質量倍以下が好ましい。また、飲料組成物中の(C)結晶セルロースの含有量は、(a)スフィンゴミエリンの質量に対して2.3〜13.5質量倍が好ましく、更に3.5〜8.5質量倍が好ましく、更に4.3〜6.3質量倍が好ましい。
また、上記と同様の点から、本発明の飲用組成物中、(C)結晶セルロースの含有量は、0.05〜1%が好ましく、更に0.1〜0.65%が好ましく、更に0.15〜0.4%が好ましく、更に0.22〜0.3%が好ましい。
本発明の飲用組成物は、(D)水を含有する。水はイオン交換水、水道水、天然水等が挙げられ、特に味の点からイオン交換水が好ましい。
本発明の飲料組成物中、(D)水の含有量は、残留感が少ない点から、80%以上、更に85%以上、殊更に92%以上であることが好ましく、また、乳脂肪球皮膜成分に由来する良好な乳風味、コク感が感じられる点から99%以下、更に98.5%以下、殊更に98%以下であることが好ましい。飲料組成物中の(D)水の含有量は、80〜99%が好ましく、更に85〜98.5%が好ましく、更に92〜98%が好ましい。
更に、本発明の飲用組成物は、微生物制御の観点から、成分(E)として酸味料を含有することができる。
(E)酸味料としては、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)が例示され、これらは1種又は2種以上を併用することができる。中でも、(E)酸味料としては、クエン酸、クエン酸ナトリウムが好ましい。
本発明の飲用組成物中の(E)酸味料の含有量は、微生物制御の観点から、飲用組成物中の(a)スフィンゴミエリンの質量の1質量倍以上が好ましく、3質量倍以上が更に好ましく、また、風味の観点から、10質量倍以下が好ましく、5質量倍以下が更に好ましい。また、飲料組成物中の(E)酸味料の含有量は、(a)スフィンゴミエリンの質量に対して1〜10質量倍が好ましく、3〜5質量倍が更に好ましい。
本発明の飲料組成物のpH(20℃)は、風味の点から、pH3以上が好ましく、3.5以上が更に好ましく、また8以下が好ましく、7.6以下が更に好ましい。更に微生物制御の観点からは、pH7以下が好ましく、6以下が更に好ましく、5以下が更に好ましい。 このようなpHに調整するために、本発明の飲料組成物には、有機可食酸又はその金属塩や無機可食酸又はその金属塩が使用されても良い。このような可食酸又はその金属塩としては、一般に食品で使用されるものであれば如何なるものでも良いが、例えば、上記(E)酸味料の他、リン酸、アジピン酸又はこれらの金属塩、リン酸水素カリウム又はナトリウム、リン酸二水素カリウム又はナトリウムや果汁等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の飲料組成物には、上記成分の他に本発明の効果を損なわない範囲において、甘味料(例えば、単糖、少糖、糖アルコール、非糖質天然甘味料、合成甘味料等)、野菜汁、果汁、成分(A)以外の乳成分、香料、着色料、酸化防止剤、保存料等が適宜配合されていてもよい。
本発明の飲料組成物は、特に制限はなく常法に従い製造される。例えば、(A)乳脂肪球皮膜成分、(B)大豆多糖類又は(C)結晶セルロースの溶解工程、溶解した乳脂肪球皮膜成分と大豆多糖類の混合工程、当該混合液への結晶セルロースの混合工程、その他の成分の調合工程等を経て製造することができる。容器詰飲料とする際は、更に殺菌・充填工程を経て製造することができる。
また、飲料組成物の殺菌条件は、食品衛生法に定める条件を満たしていれば良く、殺菌の手段も特に制限は無く、レトルト、超高温(UHT)、高温短時間(HTST)の各種殺菌機を用いることができる。更には、殺菌後の容器への充填方式も特に制限は無く、ホットパック充填(熱間充填)や無菌充填等を用いることができる。
飲料組成物に使用できる容器は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、ガラス製容器、チアパック、紙容器等一般に飲料に使用されるものであれば特に限定するものではない。
本発明の飲料組成物としては、乳飲料、酸性乳飲料、ゼリー飲料等が挙げられる。なかでも、酸性乳飲料が好ましい。
本発明の飲料組成物は、(A)乳脂肪球皮膜成分を含むことから、乳脂肪球皮膜成分摂取用の飲料として好適である。また更に、(a)スフィンゴミエリンを含むことから、スフィンゴミエリン摂取用の飲料としても好適である。
飲料組成物の1本当りの容量は200mL、更に150mL、更に100mLとするのが服用感及び有効性の点で好ましい。
乳脂肪球皮膜成分は牛乳から調製したものを使用した。乳脂肪球皮膜成分の含水量は3.6質量%であった。
乳脂肪球皮膜成分の組成は、乾燥物換算で、炭水化物:11.6%、脂質:25.6%、タンパク質:54.1%であった。また、乳脂肪球皮膜成分中、リン脂質の含有量は乾燥物換算で15.1%であり、スフィンゴミエリンの含有量は4.09%であった。
上記の乳脂肪球皮膜成分の分析は次のとおり行った。
(1)タンパク質の分析
タンパク質量はケルダール法を用いて、窒素・タンパク質換算係数6.38として求めた。
(2)脂質の分析
脂質量は酸分解法で求めた。試料を1g量りとり、塩酸を加え分解した後、ジエチルエーテル及び石油エーテルを加え、攪拌混和した。エーテル混合液層を取り出し、水洗した。溶媒を留去させ、乾燥させた後、重量を秤量することで脂質量を求めた。
(3)炭水化物の分析
炭水化物量は試料の質量から試料中のタンパク質量、脂質質量、灰分量、及び水分量を除くことにより求めた。なお、灰分量は直接灰化法(550℃で試料を灰化させ重量測定)、水分量は常圧加熱乾燥法(105℃4時間乾燥させ重量測定)により求めた。
(4)リン脂質の分析
試料1gを量りとり、クロロホルム及びメタノールの2:1(V/V)混液150mL、100mL、及び20mL中でホモジナイズ後、0.88%(W/V)塩化カリウム水溶液93mLを添加し、一晩室温で放置した。脱水ろ過、溶媒留去後、クロロホルムを添加し総量を50mLとした。そのうち2mLを分取し、溶媒留去後、550℃16時間加熱処理により灰化した。灰分を6M塩酸水溶液5mLに溶解後、蒸留水を添加し、総量を50mLとした。3mLを分取し、モリブデンブルー発色試薬5mL、5%(W/V)アスコルビン酸水溶液1mL及び蒸留水を添加し総量を50mLとし、710nmの吸光度を測定した。リン酸2水素カリウムを用いた検量線からリン量を求め、リン量に25.4をかけた値をリン脂質量とした。
(5)スフィンゴミエリンの分析
試料1gを量りとり、クロロホルム及びメタノールの2:1(V/V)混液150mL、100mL、及び20mL中でホモジナイズ後、0.88%(W/V)塩化カリウム水溶液93mLを添加し、一晩室温で放置した。脱水ろ過、溶媒留去後、クロロホルムを添加し総量を50mLとした。そのうち10mLを分取し、シリカカートリッジカラムに添加した。カラムをクロロホルム20mLで洗浄後、メタノール30mLでリン脂質を溶出し、溶媒留去後クロロホルム1.88mLに溶解した。シリカゲル薄層プレートに20μLを負荷し、1次元展開溶媒としてテトラヒドロフラン:アセトン:メタノール:水=50:20:40:8(V/V)、2次元展開溶媒としてクロロホルム:アセトン:メタノール:酢酸:水=50:20:10:15:5(V/V)を用いて2次元展開を行った。展開後の薄層プレートにディトマー試薬を噴霧し、スフィンゴミエリンのスポットをかきとり、3%(V/V)硝酸含有過塩素酸溶液2mL添加後、170℃3時間の加熱処理を行った。蒸留水5mL添加後モリブデンブルー発色試薬5mL、5%(W/V)アスコルビン酸水溶液1mL及び蒸留水を添加し総量を50mLとし、710nmの吸光度を測定した。リン酸2水素カリウムを用いた検量線からリン量を求め、リン量に25.4をかけた値をスフィンゴミエリン量とした。
また、次の原料を用いた。
大豆多糖類1:SM−1200、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製
大豆多糖類2:SM900、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製
大豆多糖類3:SM700、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製
結晶セルロース1:セオラスDX−3、旭化成ケミカルズ株式会社製
結晶セルロース2:SC900、旭化成ケミカルズ株式会社製
結晶セルロース3::アビセル、FMC BioPolymer製
実施例1〜23及び比較例1〜6
〔飲料組成物の調製〕
乳脂肪球皮膜成分、大豆多糖類1又は結晶セルロース1をそれぞれ60℃のイオン交換水に投入し、プロペラ撹拌にて溶解した。
次いで、表1〜表6の処方表に従い、規定量を分取した乳脂肪球皮膜成分溶解液と、規定量分取した大豆多糖類1溶解液とを混合して混合液を調製した。この混合液に規定量分取した結晶セルロース1溶解液を混合した後に、イオン交換水を加えて規定の濃度まで調製し、乳飲料を得た。pH(20℃)は6.5〜7.6であった。
〔官能試験〕
得られた乳飲料を専門パネル4名で飲用し、飲料の乳風味、コク感、滑らかさ、残留感について下記の評価基準で5段階尺度による相対的位置づけを行った。4名の協議をもって評点とした。結果を表1〜表6に示す。
(乳脂肪球皮膜成分由来の乳風味)
乳風味は、飲用時に口の中に広がる乳の心地よい風味を意味する。
5:良好な乳風味を非常に強く感じる
4:良好な乳風味を強く感じる
3:良好な乳風味を感じる
2:良好な乳風味を殆ど感じない
1:良好な乳風味を感じない
(コク感)
コク感は、飲用時の深みのある濃厚な味わいを意味する。
5:コク感を非常に強く感じる
4:コク感を強く感じる
3:コク感を感じる
2:コク感をやや感じる
1:コク感を感じない
(滑らかさ)
滑らかさは、飲用時にざらつきのない舌触りを意味する。
5:ざらつきがなく、非常に滑らか
4:ざらつきが少なく、滑らか
3:ざらつきがやや少なく、やや滑らか
2:ざらつきがある
1:ざらつきが強い
(残留感)
残留感は、飲用後に口中に残る不快な後味を意味する。
5:不快な残留感を感じない
4:不快な残留感を殆ど感じない
3:不快な残留感を少し感じる
2:不快な残留感を強く感じる
1:不快な残留感を非常に強く感じる
Figure 2017077185
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表1〜6から明らかなように、実施例1〜23の本発明品は、飲用時に乳脂肪球皮膜成分特有の良好な乳風味とコク感が感じられ、また、ざらつきが少なく舌触りが滑らかで、後味も良好であった。これに対して、大豆多糖類と結晶セルロースを配合しない比較品は、飲用時に乳脂肪球皮膜成分特有の乳風味、コク感を感じ難く、またざらついた舌触りで、後味も良くなかった(比較例1)。大豆多糖類と結晶セルロースのうち一方だけを配合してもこれらは改善されなかった(比較例2及び3)。また、スフィンゴミエリンの含有量が所定の量を下回る時は、飲用時に乳脂肪球皮膜成分特有の乳風味、コク感を感じ難いものであった(比較例4)。さらに、大豆多糖類と結晶セルロースの両方を配合しても、所定の比率を超えるものは、飲用時に乳脂肪球皮膜成分特有の乳風味を感じ難く、またざらついた舌触りで、後味も良くなかった(比較例5及び6)。
実施例24〜実施例27
〔飲料組成物の調製〕
大豆多糖類又は結晶セルロースの種類を代えた以外は表7に記載の処方表に従い、実施例1と同様に乳飲料を得た。
得られた飲料について上記と同様にして官能評価を行なった。結果を表7に示す。
Figure 2017077185
表7より明らかなように、大豆多糖類又は結晶セルロースの種類を代えても、実施例24〜27の本発明品は、乳脂肪球皮膜成分特有の良好な乳風味とコク感が感じられ、舌触り、後味も良好であった。
実施例28〜実施例29
〔飲料組成物の調製〕
酸味料としてクエン酸を加えた以外は表8に記載の処方表に従い、実施例1と同様に乳飲料を得た。
得られた飲料について上記と同様にして官能評価を行なった。結果を表8に示す。
Figure 2017077185
表8より明らかなように、酸味料を加えても、実施例28〜29の本発明品は、乳脂肪球皮膜成分特有の良好な乳風味とコク感が感じられ、舌触り、後味も良好であった。

Claims (6)

  1. (A)乳脂肪球皮膜成分を含有する飲料組成物であって、次の成分(a)、(B)、(C)及び(D):
    (a)スフィンゴミエリン 0.02〜0.5質量%、
    (B)大豆多糖類 成分(a)の質量に対して3.5〜27質量倍、
    (C)結晶セルロース 成分(a)の質量に対して1.3〜20質量倍、
    (D)水
    を含有する飲料組成物。
  2. (a)スフィンゴミエリンが(A)乳脂肪球皮膜成分に由来するものである請求項1記載の飲料組成物。
  3. (A)乳脂肪球皮膜成分の含有量が0.49〜12.25質量%である請求項1又は2記載の飲料組成物。
  4. 更に(E)酸味料を、成分(a)の質量に対して1〜10質量倍含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の飲料組成物。
  5. pHが3〜8である請求項1〜4のいずれか1項記載の飲料組成物。
  6. 容器詰飲料である請求項1〜5のいずれか1項記載の飲料組成物。
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