JP2017118821A - コーンポタージュスープ - Google Patents

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悠記 石田
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悠記 石田
信輝 石塚
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Abstract

【課題】コーンパウダーを用いながら、コーンの青臭みが少ないコーンポタージュスープの提供。【解決手段】(A)コーンパウダー及び(B)乳脂肪球皮膜成分を含有する粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープであって、成分(A)の含有量に対する成分(B)の含有量の比(含有質量比)[(B)/(A)]が0.04以上であり、且つ当該コーンポタージュスープを水系媒体に溶解又は分散したとき(B)乳脂肪球皮膜成分の含有量が0.2g/100mL以上である、粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ。【選択図】なし

Description

本発明は、乳脂肪球皮膜成分を含有するコーンポタージュスープに関する。
スープは、狭義には西洋料理の汁物の総称であるが、現代ではソースと区別して水分の多い料理を指して使われる。多品種のスープのなかでもコーンポタージュスープは子供から大人まで幅広く好まれ、缶詰食品、レトルトパウチ食品、粉末状又は顆粒状食品等、さまざまな形態で市販されている。とりわけ粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープは液体分を含まないためにコンパクトで保管や携帯に便利であり、お湯や牛乳等を注ぐだけで飲用することができるため、その簡便さから需要が伸びている。
一般的に、コーンポタージュスープは、水にとうもろこし粒をそのまま又は砕いたもの、或いは粉砕して裏ごししたものと、肉類、魚介類、野菜類等のエキス分、乳成分、香辛料等を加えて調理することによって作られ、昨今においてはより濃厚で、クリームのようなまろやかさのあるものが好まれる。
一方、市販のコーンポタージュスープの製品化にあたっては、コーンパウダー等のコーン加工品が用いられる場合が多く、これまでにコーンスープの風味改善を目的とした様々な改良が検討されている。例えば、収穫したスイートコーンを鬼皮付きのまま0〜40℃の温度で2時間〜7日間保存した後に通常処理を行う風味を強化したコーンパウダー(特許文献1)、特定の水分スープ含量に乾燥し、特定の大きさに粉砕した乾燥粉砕コーンパウダーを焙煎した、ポタージュに焙煎香と甘味のあるコクを付与するポタージュスープ添加用焙煎コーンパウダー(特許文献2)等が報告されている。
特開2000−342202号公報 特開2013−063033号公報
三浦晋、FOOD STYLE21、2009年
しかしながら、コーンは青臭みがあり、特にコーンパウダーではその傾向が顕著であるため、従来の方法ではコーンの甘みや好ましいコーン風味等を残しながら青臭みを低減するのは難しかった。
したがって、本発明は、コーンパウダーを用いながら、コーンの青臭みが少ないコーンポタージュスープを提供することに関する。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、所定量の乳脂肪球皮膜成分を含有するコーンポタージュスープはコーンの青臭みが少なく、また、味に厚みがありまろやかな味わいであることを見出した。
乳脂肪球皮膜成分は、乳腺より分泌される乳脂肪球を被覆している膜成分である(非特許文献1)。
すなわち、本発明は、(A)コーンパウダー及び(B)乳脂肪球皮膜成分を含有する粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープであって、
成分(A)の含有量に対する成分(B)の含有量の比(含有質量比)[(B)/(A)]が0.04以上であり、且つ
当該コーンポタージュスープを水系媒体に溶解又は分散したとき(B)乳脂肪球皮膜成分の含有量が0.2g/100mL以上
である、粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープを提供するものである。
本発明によれば、コーンの青臭みが少ないコーンポタージュスープを提供することができる。また、本発明のコーンポタージュスープは、味に厚みがありまろやかな味わいを有する。
コーンポタージュスープは、とうもろこしを使用したスープである。
本発明の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープは、水、湯、牛乳等の水系媒体に溶解又は分散して食用に供することのできる所謂濃縮スープである。本発明の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープは、該スープを5〜10質量倍に希釈した液状のコーンポタージュスープにして喫食するのが好ましい。
本発明に用いられる(A)コーンパウダーは、とうもろこしを粉末化したもので、原料とうもろこし粒を剥皮、粉砕、乾燥、篩分等の処理を経て製造される。原料とうもろこしの種類は、風味の点からスイート種(甘味種)が好適である。
(A)コーンパウダーは、コーンポタージュスープを水系媒体に溶解又は分散したとき4g/100mL以上、更に6g/100mL以上、また、20g/100mL以下となるように粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中に含有させるのが、コーン風味の点から好ましい。 また、本発明の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中、(A)コーンパウダーの含有量は、同様の点から、30質量%以上(以下、単に「%」とする)が好ましく、更に30〜80%、更に30〜75%が好ましい。
本発明のコーンポタージュスープは(B)乳脂肪球皮膜成分を含有する。
乳脂肪球皮膜成分は、乳脂肪球を被覆している膜、及び膜を構成する成分の混合物と定義されている。乳脂肪球皮膜は、一般的に、乾燥重量の約半分が脂質で構成され、当該脂質としては、トリグリセライドやリン脂質、スフィンゴ糖脂質が含まれることが知られている(三浦晋、FOOD STYLE21、2009及びKeenan TW、Applied Science Publishers、1983、pp89−pp130)。リン脂質としては、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン等のグリセロリン脂質が含まれることが知られている。
また、脂質以外の成分としては、ミルクムチンと呼ばれる糖タンパク質が含まれることが知られている(Mather、Biochim Biophys Acta、1978)。
本発明で用いられる(B)乳脂肪球皮膜成分は、コーンの青臭みを低減する点、味をまろやかにする点から、乳脂肪球皮膜成分中の脂質の含有量が、10%以上、更に20%以上、更に30%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、100%以下、更に90%以下、更に60%以下であるのが好ましい。乳脂肪球皮膜成分中の脂質の含有量は、10〜100%、更に20〜90%、更に30〜60%が好ましい。
また、(B)乳脂肪球皮膜成分は、コーンの青臭みを低減する点、味をまろやかにする点から、乳脂肪球皮膜成分中のリン脂質の含有量が5%以上、更に8%以上、更に10%以上、更に15%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、100%以下、更に85%以下、更に70%以下、更に60%以下であるのが好ましい。乳脂肪球皮膜成分中のリン脂質の含有量は、5〜100%、更に8〜90%、更に10〜70%、更に15〜60%が好ましい。
さらに、乳脂肪球皮膜成分は、コーンの青臭みを低減する点、味をまろやかにする点から、リン脂質としてスフィンゴミエリンを含むのが好ましく、乳脂肪球皮膜成分中のスフィンゴミエリンの含有量が、1%以上、更に2%以上、更に3%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、50%以下、更に30%以下、更に25%以下、更に20%以下であるのが好ましい。乳脂肪球皮膜成分中のスフィンゴミエリンの含有量は、1〜50%、更に2〜30%、更に3〜25%、更に3〜20%が好ましい。
同様の点から、乳脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、3%以上、更に5%以上、更に10%以上、更に15%以上であるのが好ましく、また、50%以下、更に40%以下、更に35%以下、更に30%以下であるのが好ましい。乳脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、3〜50%、更に5〜40%、更に10〜35%、更に15〜30%が好ましい。
なお、本明細書において、乳脂肪球皮膜成分中の脂質、リン脂質及びスフィンゴミエリンの含有量、並びに乳脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、乳脂肪球皮膜成分の乾燥物に対する質量割合とする。
上記の(B)乳脂肪球皮膜成分は、原料乳から遠心分離法や有機溶剤抽出法等の公知の方法により得ることができる。例えば、特開平3−47192号公報に記載の乳脂肪球皮膜成分の調製方法を用いることができる。また、特許第3103218号公報、特開2007−89535号公報に記載の方法等を用いることができる。さらに、透析、硫安分画、ゲルろ過、等電点沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、溶媒分画等の手法により精製することにより純度を高めたものを用いてもよい。
乳脂肪球皮膜成分の形態は、特に限定されず、室温(15〜25℃)で液状、半固体状(ペースト等)、固体状(粉末、固形、顆粒等)等のいずれでもよく、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよいが、好ましくは固体状(粉末)である。
(B)乳脂肪球皮膜成分の原料乳としては、牛乳やヤギ乳等が挙げられる。なかでも、食経験が豊富であり、安価な点から、牛乳が好ましい。また、原料乳には、生乳、全粉乳や加工乳等の乳の他、乳製品も含まれ、乳製品としては、バターミルク、バターオイル、バターセーラム、ホエータンパク質濃縮物(WPC)等が挙げられる。
バターミルクは、牛乳等を遠心分離して得られるクリームからバター粒を製造する際に得られ、当該バターミルク中に乳脂肪球皮膜成分が多く含まれているので、乳脂肪球皮膜成分としてバターミルクをそのまま使用してもよい。同様に、バターオイルを製造する際に生じるバターセーラム中にも乳脂肪球皮膜成分が多く含まれているので、乳脂肪球皮膜成分としてバターセーラムをそのまま使用してもよい。
(B)乳脂肪球皮膜成分は、市販品を用いることもできる。斯かる市販品としては、メグレジャパン(株)「BSCP」、雪印乳業(株)「ミルクセラミドMC−5」、(株)ニュージーランドミルクプロダクツ「Phospholipid Concentrate シリーズ(500,700)」等が挙げられる。
(B)乳脂肪球皮膜成分は、効果を有効に発現する点から、粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中に0.3%以上、更に0.5%以上、更に2%以上、更に3%以上含有するのが好ましく、また、20%以下、更に15%以下、更に11%以下含有するのが好ましい。
また、粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中、リン脂質の含有量は、効果を有効に発現する点から、0.2%以上、更に0.3%以上であるのが好ましい。また、風味の点から、10%以下、更に5%以下が好ましい。粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中のリン脂質の含有量は、0.2〜10%が好ましく、0.3〜5%が更に好ましい。
さらに、粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中、スフィンゴミエリンの含有量は、効果を有効に発現する点から、0.02%以上、更に0.03%以上、更に0.05%以上であるのが好ましく、また、風味の点から、5%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中のスフィンゴミエリンの含有量は、0.02〜5%が好ましく、0.03〜1%が更に好ましい。
本発明の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープにおいて、粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中の(A)コーンパウダーの含有量に対する、粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中の(B)乳脂肪球皮膜成分の含有量の比(含有質量比)[(B)/(A)]は0.04以上である。コーンパウダーに対して、所定の乳脂肪球皮膜成分を配合することで、コーンに由来する青臭みを低減することができる。
成分(A)と成分(B)の比(質量比)[(B)/(A)]は、コーンの青臭みを低減する点、味をまろやかにする点から、0.05以上が好ましい。また、乳脂肪球皮膜成分の量が増えるとその乳臭さが増す傾向があることから、上限は0.4以下、更に0.3以下が好ましい。
尚、本明細書において、粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中の乳脂肪球皮膜成分の含有量は乾燥物換算とする。
また、本発明の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープにおいて、粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中の(A)コーンパウダーの含有量に対する、粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中のリン脂質の含有量の比(含有質量比)[(リン脂質)/(A)]は、上記と同様の点から、0.0045〜0.15、特に0.01〜0.1が好ましい。
さらに、本発明の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープにおいて、粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中の(A)コーンパウダーの含有量に対する、粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中のスフィンゴミエリンの含有量の比(含有質量比)[(スフィンゴミエリン)/(A)]は、上記と同様の点から、0.0012〜0.05、0.0025〜0.02が好ましい。
本発明の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープは、当該コーンポタージュスープを水系媒体に溶解又は分散したとき(B)乳脂肪球皮膜成分の含有量が0.2g/100mL以上である。液状のスープ100mL当たりの乳脂肪球皮膜成分の含有量を0.2g以上とするとコーンの青臭みが少なくなるだけでなく、スープの味に厚みがでてコクがあり、口当たりが柔らかくまろやかな味わいが感じられる。
斯かる観点から、コーンポタージュスープを水系媒体に溶解又は分散したときの乳脂肪球皮膜成分の含有量は、0.3g/100mL以上が好ましい。また、乳脂肪球皮膜成分の乳臭さを感じさせない点から、上限は3g/100mL以下、更に1.8g/100mL以下、更に1.5g/100mL以下が好ましい。
また、本発明の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープは、当該コーンポタージュスープを水系媒体に溶解又は分散したときリン脂質の含有量が0.03g/100mL以上であるのが上記と同様の点から好ましい。
さらに、本発明の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープは、当該コーンポタージュスープを水系媒体に溶解又は分散したときスフィンゴミエリンの含有量が0.006g/100mL以上であるのが上記と同様の点から好ましい。
乳脂肪球皮膜成分中又は粉末状、顆粒状もしくは液状のコーンポタージュスープ中の脂質及びリン脂質の含有量は、酸分解法、比色法又は薄層クロマトグラフ法により測定することができる。
尚、本発明の粉末状、顆粒状又は液状のコーンポタージュスープにおける乳脂肪球皮膜成分の含有量、リン脂質の含有量及びスフィンゴミエリンの含有量には、乳脂肪球皮膜成分として配合されたもの以外にも他のスープ原料由来のものが含まれる。但し、牛乳に含まれる乳脂肪球皮膜成分は0.2%程度と僅かなため影響は小さい。
本発明の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープには、上記成分の他に本発明の効果を損なわない範囲においてスープに含まれ得る成分、例えば、食用油脂;とうもろこし等の材料(具);食塩、糖類、アミノ酸・核酸・有機酸等の旨み調味料;脱脂粉乳、全粉乳、練乳、牛乳、生クリーム等の乳成分;馬鈴薯澱粉、小麦粉澱粉、コーンスターチ、米粉等の穀粉;畜肉エキス(チキン、ポーク、ビーフエキス等)、魚介エキス(カツオ、鯖、ホタテ、いわし、昆布エキス等)、野菜エキス(トマト、ネギ、セロリ、マッシュルーム、玉ネギエキス等)、酵母エキス等のエキス;香辛料、着色料、保存料、乳化剤、増粘多糖類、香料等が適宜配合されていても良い。
本発明の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープの水分含有量は、20%以下、更に10%以下であるのが、防腐防黴の点から好ましい。
本発明の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープは、特に制限はなく常法に従い製造される。例えば、粉末状のコーンポタージュスープを製造する場合、(A)コーンパウダー、(B)乳脂肪球皮膜成分及び必要に応じて添加される添加剤を混合し、そのまま或いは混合物を乾燥、粉砕等してもよい。
顆粒状のコーンポタージュスープは、(A)コーンパウダー、(B)乳脂肪球皮膜成分及び必要に応じて添加される添加剤を混合し、その混合物を乾式造粒法、湿式造粒法等を用いて造粒、乾燥することにより得ることができる。造粒法としては、例えば、押し出し造粒法、破砕造粒法、転動造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法等が挙げられる。造粒物の平均粒子径は、45μm〜850μmとするのが好ましく、100μm〜500μmとするのが更に好ましい。
後記実施例に示すとおり、コーンポタージュスープに所定量の乳脂肪球皮膜成分を含有させることでコーンパウダーに由来する青臭みが低減されたことから、乳脂肪球皮膜成分はコーンパウダーの青臭み低減に有用である。
また、本発明の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープを水系媒体に溶解又は分散した液状のコーンポタージュスープは、風味に優れると共に多くの乳脂肪球皮膜成分を含むため、該コーンポタージュスープは乳脂肪球皮膜成分摂取用のスープとしても好適である。
〔コーンパウダー〕
コーンパウダーはスイートコーンパウダーSR(ヤスマ社製)を使用した。
コーンパウダーの含水量は4.4%であった。
〔乳脂肪球皮膜成分〕
乳脂肪球皮膜成分は牛乳から調製したものを使用した。
乳脂肪球皮膜成分の含水量は3.7%であった。乳脂肪球皮膜成分の組成は、乾燥物換算で、炭水化物:11.3%、脂質:25.1%、タンパク質:53.6%であった。また、乳脂肪球皮膜成分中、リン脂質の含有量は乾燥物換算で16.6%であり、スフィンゴミエリンの含有量は3.62%であった。
〔全粉乳〕
(株)明治製の全粉乳を用いた。
全粉乳の含水量は3.7%であった。全粉乳の組成は、乾燥物換算で、炭水化物:38%、脂質:23.6%、タンパク質:26.1%であった。また、全粉乳中、リン脂質含有量は乾燥物換算で0.34%であった。スフィンゴミエリン含有量は0%であった。
また、次の原料を用いた。
ニューラクト:ニューラクト−ND−N200、和光堂(株)、含水量1.8%、乾燥物換算でリン脂質含有量0.229%及びスフィンゴミエリン含有量0.044%
練乳パウダー:練乳パウダーS、和光堂(株)、含水量2.1%、乾燥物換算でリン脂質含有量0.126%、及びスフィンゴミエリン含有量0.036%
精製上白糖:大日本明治製糖(株)、含水量0.4%
食塩:公益財団法人 塩事業センター、含水量0.3%
酵母エキス:酵母エキスC、MCフードスペシャリティーズ(株)、含水量4.5%
オニオンパウダー:NV−Rオニオン、日研フード(株)、含水量4.8%
グルタミン酸ナトリウム:味の素(株)、含水量1.1%
馬鈴薯澱粉:ジェルコールBP−200、J−オイルミルズ、含水量14.1%
難消化性澱粉:日食ロードスター、日本食品化工(株)、含水量5.2%
香料:小川香料(株)、含水量5.4%
上記の乳脂肪球皮膜成分及びその他成分の分析は次のとおり行った。
(1)タンパク質の分析
タンパク質量はケルダール法を用いて、窒素・タンパク質換算係数6.38として求めた。
(2)脂質の分析
脂質量は酸分解法で求めた。試料を1g量りとり、塩酸を加え分解した後、ジエチルエーテル及び石油エーテルを加え、攪拌混和した。エーテル混合液層を取り出し、水洗した。溶媒を留去させ、乾燥させた後、重量を秤量することで脂質量を求めた。
(3)炭水化物の分析
炭水化物量は試料の質量から試料中のタンパク質量、脂質質量、灰分量、及び水分量を除くことにより求めた。
なお、灰分量は直接灰化法 (550℃で試料を灰化させ重量測定)、水分量は常圧加熱乾燥法 (105℃4時間乾燥させ重量測定)により求めた。
(4)リン脂質の分析
試料1gを量りとり、クロロホルム及びメタノールの2:1(V/V)混液150mL、100mL、及び20mL中でホモジナイズ後、0.88質量%(W/V)塩化カリウム水溶液93mLを添加し、一晩室温で放置した。脱水ろ過、溶媒留去後、クロロホルムを添加し総量を50mLとした。そのうち2mLを分取し、溶媒留去後、550℃16時間加熱処理により灰化した。灰分を6M塩酸水溶液5mLに溶解後、蒸留水を添加し、総量を50mLとした。3mLを分取し、モリブデンブルー発色試薬5mL、5質量%(W/V)アスコルビン酸水溶液1mL及び蒸留水を添加し総量を50mLとし、710nmの吸光度を測定した。リン酸2水素カリウムを用いた検量線からリン量を求め、リン量に25.4をかけた値をリン脂質量とした。
(5)スフィンゴミエリンの分析
試料1gを量りとり、クロロホルム及びメタノールの2:1(V/V)混液150mL、100mL、及び20mL中でホモジナイズ後、0.88質量%(W/V)塩化カリウム水溶液93mLを添加し、一晩室温で放置した。脱水ろ過、溶媒留去後、クロロホルムを添加し総量を50mLとした。そのうち10mLを分取し、シリカカートリッジカラムに添加した。カラムをクロロホルム20mLで洗浄後、メタノール30mLでリン脂質を溶出し、溶媒留去後クロロホルム1.88mLに溶解した。シリカゲル薄層プレートに20μLを負荷し、1次元展開溶媒としてテトラヒドロフラン:アセトン:メタノール:水=50:20:40:8(V/V)、2次元展開溶媒としてクロロホルム:アセトン:メタノール:酢酸:水=50:20:10:15:5(V/V)を用いて2次元展開を行った。展開後の薄層プレートにディトマー試薬を噴霧し、スフィンゴミエリンのスポットをかきとり、3質量%(V/V)硝酸含有過塩素酸溶液2mL添加後、170℃3時間の加熱処理を行った。蒸留水5mL添加後モリブデンブルー発色試薬5mL、5質量%(W/V)アスコルビン酸水溶液1mL及び蒸留水を添加し総量を50mLとし、710nmの吸光度を測定した。リン酸2水素カリウムを用いた検量線からリン量を求め、リン量に25.4をかけた値をスフィンゴミエリン量とした。
試験例1〜9
〔コーンポタージュスープの調製〕
表1に示した組成の粉末状のコーンポタージュスープを製造した。
各スープに100mLの熱湯を注ぎ、充分攪拌し、液状スープを得た。尚、各スープの粘度は全て同等であった。
〔青臭みの評価〕
上記で得た試験品について官能評価を行なった。具体的には、液状スープを食したときのコーンの青臭みについて以下の基準に従って評価を行い、専門パネル3名の平均値を評点とした。結果を表1に示す。
(コーンの青臭み)
5:全く青臭みを感じない
4:青臭みをほとんど感じない
3:青臭みを感じる
2:青臭みやや強く感じる
1:青臭みを強く感じる
Figure 2017118821
表1から明らかなように、所定量の乳脂肪球皮膜成分を含む本発明のコーンポタージュスープは、コーンの青臭みが低減されてコーン風味が良いものであった。
〔味の厚み、まろやかさ及び乳臭さの評価〕
さらに、上記で得た試験例2〜9の試験品につき、液状スープを食したときの味の厚み、まろやかさ及び乳臭さの評価を行った。具体的には、以下の基準に従って官能評価を行い、専門パネル3名の平均値を評点とした。結果を表2に示す。
(味の厚み) 5:味にとても厚みを感じる
4:味にやや厚みを感じる
3:味にわずかに厚みを感じる
2:味に厚みを感じにくい
1:味にまったく厚みを感じない
(まろやかさ)
5:とてもまろやか 4:まろやか
3:ややまろやか
2:あまりまろやかではない
1:まろやかではない
(乳臭さ)
5:全く乳臭さを感じない
4:乳臭さをほとんど感じない
3:乳臭さを感じる
2:乳臭さやや強く感じる
1:乳臭さを強く感じる
Figure 2017118821
表2から明らかなように、所定量の乳脂肪球皮膜成分を含むことで、コーンポタージュスープの味に厚みがでてコクがありより濃厚で、まろやかな味わいとなった。また、乳脂肪球皮膜成分の割合が多くなると乳臭さがでてくるため、乳臭さを抑える観点からは、乳脂肪球皮膜成分は多すぎないのが好ましいことが確認された。

Claims (6)

  1. (A)コーンパウダー及び(B)乳脂肪球皮膜成分を含有する粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープであって、
    成分(A)の含有量に対する成分(B)の含有量の比(含有質量比)[(B)/(A)]が0.04以上であり、且つ
    当該コーンポタージュスープを水系媒体に溶解又は分散したとき(B)乳脂肪球皮膜成分の含有量が0.2g/100mL以上
    である、粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ。
  2. 成分(A)の含有量に対する成分(B)の含有量の比(含有質量比)[(B)/(A)]が0.04以上0.3以下である請求項1記載の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ。
  3. 粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中の(A)コーンパウダーの含有量に対する、粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ中のスフィンゴミエリンの含有量の比(含有質量比)[(スフィンゴミエリン)/(A)]が0.0012〜0.05である請求項1又は2記載の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ。
  4. 粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープを水系媒体に溶解又は分散したときスフィンゴミエリンの含有量が0.006g/100mL以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ。
  5. (A)コーンパウダーを30質量%以上含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の粉末状又は顆粒状のコーンポタージュスープを水系媒体に溶解又は分散した液状のコーンポタージュスープ。
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