JP2017076075A - 波長変換装置、照明装置及びプロジェクター - Google Patents

波長変換装置、照明装置及びプロジェクター Download PDF

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Abstract

【課題】冷却効率を向上できる波長変換装置、照明装置及びプロジェクターを提供すること。
【解決手段】蛍光体が含まれる蛍光体層を有する基板と、基板を回転させる回転装置と、基板に冷却気体を流通させる流通装置と、基板及び流通装置を収容する筐体と、を備え、流通装置により流通される冷却気体は、基板の回転軸に沿って当該基板を見た場合に、基板の周方向における一部において、当該一部での基板の回転方向とは反対方向に流通する波長変換装置。
【選択図】図6

Description

本発明は、波長変換装置、照明装置及びプロジェクターに関する。
従来、光源から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、形成された画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射するプロジェクターが知られている。このようなプロジェクターとして、入射される励起光によって励起されて蛍光発光光を発する蛍光発光装置と、複数の冷却ファンと、を備えたプロジェクターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のプロジェクターは、光源ユニット、表示素子及び投射光学系を備え、光源ユニットは、青色光源装置、蛍光発光装置及び赤色光源装置を有する。これらのうち、蛍光発光装置は、緑色蛍光体の層が形成された蛍光発光領域と、青色光源装置からの青色出射光を拡散して透過する拡散透過領域と、が円周方向に並設された蛍光ホイールを有する。そして、青色光源装置から出射された青色波長帯域のレーザー光の一部が蛍光発光領域に入射されることにより、緑色波長帯域の光線束(緑色光)が生成され、当該レーザー光の一部が拡散透過領域に入射されることにより、青色波長帯域の拡散透過光(青色光)が生成される。また、赤色光源装置から出射された赤色波長帯域の光(赤色光)は、ダイクロイックミラー等によって青色光及び緑色光の光路を辿り、これら色光が、上記表示素子に順次入射されることにより、画像が形成される。
なお、蛍光発光領域及び拡散透過領域には、青色光源装置から出射される高出力レーザー光が入射されることから、これら領域の温度は上昇する。この他、これら領域が並設された蛍光ホイールを回転させるホイールモーターも発熱源である。このため、上記特許文献1に記載のプロジェクターには、プロジェクターの外気を冷却風として直接吹き付ける冷却ファンが設けられており、当該冷却風により、蛍光ホイール及びホイールモーターを冷却している。
特開2011−75898号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のプロジェクターでは、冷却風は蛍光ホイールの回転軸に沿って流通するので、当該蛍光ホイールに吹き付けられた冷却風は拡散してしまう。このため、蛍光ホイールの熱、すなわち、蛍光発光領域にて生じた熱を冷却風に伝導しづらく、当該蛍光発光領域を冷却しづらいという問題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、冷却効率を向上できる波長変換装置、照明装置及びプロジェクターを提供することを目的の1つとする。
本発明の第1態様に係る波長変換装置は、蛍光体が含まれる蛍光体層を有する基板と、前記基板を回転させる回転装置と、前記基板に冷却気体を流通させる流通装置と、前記基板及び前記流通装置を収容する筐体と、を備え、前記流通装置により流通される前記冷却気体は、前記基板の回転軸に沿って当該基板を見た場合に、前記基板の周方向における一部において、当該一部での前記基板の回転方向とは反対方向に流通することを特徴とする。
上記第1態様によれば、基板の回転軸に沿って見た場合に、流通装置によって流通される冷却気体は、基板の周方向における一部において、当該一部での基板の回転方向とは反対方向に流通する。これによれば、基板の面に沿って冷却気体が流通するので、上記回転軸に沿って冷却気体が基板に吹き付けられる場合に比べて、冷却気体が基板の面と接触する時間を長くすることができる。この他、上記一部において基板の回転に抗する方向に冷却気体が流通するので、当該基板に対する冷却気体の相対的な流速を高めることができる。従って、基板を効率よく冷却できる。
上記第1態様では、前記筐体は、前記回転軸に沿って前記基板を見た場合に、前記基板の外側に位置し、前記基板の回転時の周方向に沿う円弧状部を有することが好ましい。
このような構成によれば、基板に流通される冷却気体を、円弧状部に沿って当該基板の周方向に流通させることができる。このため、当該基板の周方向における上記一部において、冷却気体の流通方向とは反対方向に基板を回転させることにより、基板の回転方向とは反対方向に冷却気体を確実に流通させることができる。従って、基板を確実に効率よく冷却できる。
上記第1態様では、前記流通装置は、前記冷却気体を吐出する吐出口を有し、前記吐出口は、前記回転軸に沿って前記基板を見た場合に、前記基板の中心を通り、かつ、前記円弧状部に交差する仮想線に対してずれて配置されていることが好ましい。
このような構成によれば、吐出口が上記仮想線に対してずれて配置されていることにより、当該吐出口から吐出される冷却気体を、上記仮想線に対する基板の片側に偏らせて流通させることができる。このため、上記円弧状部に沿って冷却気体が流通しやすくなるので、上記一部において冷却気体の流通方向と基板の回転方向とが反対方向となるように当該基板が回転されることにより、当該冷却気体を一層確実に基板の回転方向とは反対方向に流通させることができる。従って、上記した効果をより確実に奏することができる。
上記第1態様では、前記筐体内に配置され、前記回転装置を前記筐体に取り付ける取付部材を有し、前記基板は、前記流通装置から前記冷却気体が流通される面に、当該基板の中心側から外側に向けて延出する複数のフィンを有し、前記取付部材は、前記回転軸に沿って前記基板を見た場合に、前記基板において前記複数のフィンより前記基板の中心側の位置に配置されることが好ましい。
このような構成によれば、複数のフィンのそれぞれは、基板の中心側から外側に向けて延出していることにより、基板の回転によって冷却気体を放射状に排出させやすくすることができるので、基板を冷却して熱を帯びた冷却気体が基板周囲に停滞することを抑制できる。
また、基板における上記一部では、冷却気体の流通方向と基板の回転方向とが互いに反対方向になるので、冷却気体を各フィンと対向するように衝突させることができる。従って、各フィンを冷却気体により効率よく冷却でき、上記蛍光体を効率よく冷却できる。
更に、取付部材が上記位置に配置されることにより、当該取付部材によって上記複数のフィンが覆われることを抑制できる。これにより、各フィンに流通する冷却気体の流れが、当該取付部材によって妨げられることを抑制でき、上記複数のフィンが位置する基板の面に沿って冷却気体を確実に流通させることができる。
上記第1態様では、前記取付部材は、柱状を有することが好ましい。
なお、柱状形状としては、円柱形状や多角形状が好ましい。多角形状の場合には、角数が多い方が好ましい。
このような構成によれば、冷却気体の一部が取付部材に沿って流通する場合でも、例えば取付部材が冷却気体の流路側に突出する場合に比べて、当該冷却気体の流れが妨げられることを抑制できる。従って、冷却気体を基板に円滑に流通させることができる。
上記第1態様では、前記筐体は、前記流通装置により前記冷却気体が前記基板に流通する第1空間と、前記基板から放射状に送出される前記冷却気体が流通する第2空間とを隔てる隔壁を有することが好ましい。
このような構成によれば、基板に向けて流通する冷却気体と、基板から排出される冷却気体とを分けることができるので、これらの冷却気体が衝突し合うことを抑制できる。従って、それぞれの冷却気体を確実に流通させることができる。この他、基板から排出された冷却気体が、熱を帯びたまま再度基板に流通することを抑制できるので、当該基板、ひいては、蛍光体の冷却効率を向上できる。
上記第1態様では、前記筐体は、密閉筐体であることが好ましい。
ここで、蛍光体層に比較的強い励起光が入射されると、光集塵と呼ばれる現象が生じやすい。このように、塵埃が集まりやすくなると、励起光の利用効率が低下する他、回転装置に不具合が発生する可能性も高くなる。
これに対し、上記構成によれば、筐体内に塵埃が侵入することを抑制できる。従って、励起光の利用効率の低下を抑制できる他、信頼性の高い波長変換装置を構成できる。
上記第1態様では、前記冷却気体の熱を吸熱する吸熱装置を備えることが好ましい。
このような構成によれば、吸熱装置によって冷却気体の熱が吸熱されることにより、基板に流通する冷却気体の温度を下げることができる。従って、当該基板の冷却効率を一層高めることができる。
本発明の第2態様に係る照明装置は、上記波長変換装置と、前記波長変換装置に入射される光を出射する光源部と、を備えることを特徴とする。
上記第2態様によれば、上記第1態様に係る波長変換装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の第3態様に係るプロジェクターは、上記照明装置と、前記照明装置から出射された光を用いて画像を形成する画像形成装置と、形成された前記画像を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とする。
上記第3態様によれば、上記第2態様に係る照明装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の一実施形態に係るプロジェクターを示す概要斜視図。 上記実施形態におけるプロジェクターの構成を示す模式図。 上記実施形態における照明装置の構成を示す模式図。 上記実施形態における波長変換装置の外観を示す斜視図。 上記実施形態における波長変換装置を示す断面図。 図5に示した波長変換装置のA−A線における断面図。 図5に示した波長変換装置のB−B線における断面図。 上記実施形態における筐体内の冷却気体の流れを示す模式図。
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1を示す概要斜視図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、後述する照明装置31から出射される光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、当該画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する投射型表示装置である。このプロジェクター1は、図1に示すように、外装を構成する外装筐体2を備える。
このプロジェクター1は、詳しくは後述するが、照明装置31を構成する波長変換装置5を備え、当該波長変換装置5は、波長変換素子52、流通装置55及び吸熱装置56と、これらを内部に収容する密閉型の筐体51と、を備え、当該筐体51内の冷却気体を流通装置55が循環させることにより、波長変換素子52が有する蛍光体層522を冷却することを特徴の1つとしている。
以下、プロジェクター1の構成について説明する。
[外装筐体の構成]
外装筐体2は、略直方体形状に形成されており、当該外装筐体2は、天面部21、底面部22、正面部23、背面部24、左側面部25及び右側面部26を有する。
天面部21には、一対の把手部211が設けられ、底面部22には、図示を省略するが、プロジェクター1が載置される載置面と接触する脚部が設けられている。また、正面部23には、後述する投射光学装置36の一部を露出させる開口部231が形成されている。更に、図示を省略するが、右側面部26には、外部の空気を導入する導入口が形成され、左側面部25には、外装筐体2内を流通した空気を排出する排気口が形成されている。
図2は、本実施形態に係るプロジェクター1の構成を示す模式図である。
プロジェクター1は、上記外装筐体2の他、図2に示すように、当該外装筐体2内に収容される画像投射装置である光学ユニット3を備える。この他、図示を省略するが、プロジェクター1は、当該プロジェクター1を制御する制御装置、光学部品等の冷却対象を冷却する冷却装置、及び、電子部品に電力を供給する電源装置を備える。
[光学ユニットの構成]
光学ユニット3は、照明装置31、色分離装置32、平行化レンズ33、画像形成装置34、色合成装置35及び投射光学装置36を備える。
これらのうち、照明装置31は、照明光WLを出射する。なお、照明装置31の構成については、後に詳述する。
色分離装置32は、照明装置31から入射される照明光WLを赤、緑及び青の色光LR,LG,LBに分離する。この色分離装置32は、ダイクロイックミラー321,322、反射ミラー323,324,325及びリレーレンズ326,327を備える。
ダイクロイックミラー321は、上記照明光WLから青色光LBと他の色光(緑色光LG及び赤色光LR)とを分離する。分離された青色光LBは、反射ミラー323によって反射されて、平行化レンズ33(33B)に導かれる。また、分離された当該他の色光は、ダイクロイックミラー322に入射される。
ダイクロイックミラー322は、当該他の色光から緑色光LGと赤色光LRとを分離する。分離された緑色光LGは、平行化レンズ33(33G)に導かれる。また、分離された赤色光LRは、リレーレンズ326、反射ミラー324、リレーレンズ327及び反射ミラー325を介して、平行化レンズ33(33R)に導かれる。
なお、平行化レンズ33(赤、緑及び青の各色光用の平行化レンズを、それぞれ33R,33G,33Bとする)は、入射される光を平行化する。
画像形成装置34(赤、緑及び青の各色光用の画像形成装置を、それぞれ34R,34G,34Bとする)は、それぞれ入射される上記色光LR,LG,LBを変調して、画像情報に応じた各色光LR,LG,LBによる画像光を形成する。これら画像形成装置34のそれぞれは、例えば、入射される光を変調する光変調装置としての液晶パネルと、当該液晶パネルの入射側及び射出側に配置される一対の偏光板と、を備えて構成される。
色合成装置35には、各画像形成装置34R,34G,34Bから入射される各色光LR,LG,LBの画像光を合成する。このような色合成装置35は、本実施形態では、クロスダイクロイックプリズムにより構成されている。
投射光学装置36は、色合成装置35にて合成された画像光をスクリーンSC1等の被投射面に拡大投射する。このような投射光学装置36として、例えば、鏡筒と、当該鏡筒内に配置される複数のレンズとにより構成される組レンズを採用できる。
[照明装置の構成]
図3は、照明装置31の構成を示す模式図である。
照明装置31は、上記のように、照明光WLを色分離装置32に向けて出射する。この照明装置31は、図3に示すように、光源装置4及び均一化装置6を有する。
光源装置4は、光源部41、アフォーカル光学系42、ホモジナイザー光学系43、第1位相差板44、偏光分離装置45、第2位相差板46、第1ピックアップレンズ47、拡散反射素子48、第2ピックアップレンズ49及び波長変換装置5を備える。
光源部41、アフォーカル光学系42、ホモジナイザー光学系43、第1位相差板44、偏光分離装置45、第2位相差板46、第1ピックアップレンズ47及び拡散反射素子48は、照明光軸Ax1上に配置されている。なお、偏光分離装置45は、照明光軸Ax1と、当該照明光軸Ax1に直交する照明光軸Ax2との交差部分に配置される。
光源部41は、複数のLD(Laser Diode)411、及び、各LD411に応じた平行化レンズ412を有し、アフォーカル光学系42に向けて青色光である励起光を出射する。なお、本実施形態では、各LD411は、例えばピーク波長が440nmの励起光を射出するが、ピーク波長が446nmの励起光を出射するLDを採用してもよく、ピーク波長が440nm及び446nmの励起光をそれぞれ出射するLDを混在させてもよい。これらLD411から出射された励起光は、平行化レンズ412により平行化されてアフォーカル光学系42に入射される。なお、本実施形態では、各LD411から出射される励起光は、S偏光光である。
アフォーカル光学系42は、光源部41から入射される励起光の光束径を調整する。このアフォーカル光学系42は、レンズ421,422を備える。このアフォーカル光学系42を通過した励起光は、ホモジナイザー光学系43に入射される。
ホモジナイザー光学系43は、後述する各ピックアップレンズ47,49と協同して、拡散反射素子48及び波長変換装置5のそれぞれの被照明領域における励起光の照度分布を均一化する。このホモジナイザー光学系43は、それぞれ複数の小レンズが光軸直交面内にマトリクス状に配列された一対のマルチレンズアレイ431,432を備える。このホモジナイザー光学系43から射出された励起光は、第1位相差板44に入射される。
第1位相差板44は、1/2波長板である。この第1位相差板44は、入射された励起光を透過させる過程にて、S偏光光の一部をP偏光光に変換する。これにより、第1位相差板44に入射された励起光は、S偏光光とP偏光光とが混在した光となって出射される。このように変換された励起光は、偏光分離装置45に入射される。
偏光分離装置45は、プリズム型のPBS(Polarizing Beam Splitter)であり、それぞれ略三角柱状に形成されたプリズム451,452が斜辺に応じた界面にて貼り合わされ、これにより略直方体形状に形成されている。この界面は、照明光軸Ax1及び照明光軸Ax2のそれぞれに対して略45°傾斜している。そして、偏光分離装置45において第1位相差板44側(すなわち光源部41側)に位置するプリズム451の界面には、偏光分離層453が形成されている。
偏光分離層453は、波長選択性の偏光分離特性を有する。具体的に、偏光分離層453は、励起光に含まれるS偏光光及びP偏光光のうち、一方を反射し、他方を透過させて、これら偏光光を分離する特性を有する。また、偏光分離層453は、波長変換装置5にて生じる蛍光光を偏光状態にかかわらず透過させる特性を有する。
このような偏光分離装置45により、第1位相差板44から入射された励起光のうち、P偏光光は、照明光軸Ax1に沿って第2位相差板46側に透過され、S偏光光は、照明光軸Ax2に沿って第2ピックアップレンズ49側に反射される。
第2位相差板46は、1/4波長板であり、入射される光を透過させる過程にて、当該光の偏光方向を回転させる。このため、偏光分離装置45から入射されたP偏光光は、偏光方向が回転された状態で第1ピックアップレンズ47に入射される。
第1ピックアップレンズ47は、第2位相差板46を透過して入射される励起光を拡散反射素子48に集光させる。なお、本実施形態では、第1ピックアップレンズ47を構成するレンズの数は3としているが、これに限らず、当該レンズの数は問わない。
拡散反射素子48は、後述する波長変換装置5にて生成及び反射される蛍光光と同様に、入射される励起光を拡散反射させる。この拡散反射素子48としては、入射光束をランバート反射させる反射部材を例示できる。
このような拡散反射素子48にて拡散反射された励起光は、第1ピックアップレンズ47を介して再び第2位相差板46に入射される。この励起光の偏光方向は、第2位相差板46を透過する過程にて更に回転され、当該励起光は、S偏光光に変換される。そして、当該励起光は、偏光分離装置45の偏光分離層453によって反射され、均一化装置6に入射される。
第2ピックアップレンズ49及び波長変換装置5は、上記照明光軸Ax2上に配置されている。
第2ピックアップレンズ49は、第1位相差板44から偏光分離層453を介して励起光のS偏光成分が入射される。この第2ピックアップレンズ49は、当該励起光を、波長変換装置5に集光させる。なお、本実施形態では、第2ピックアップレンズ49を構成するレンズの数は、上記第1ピックアップレンズ47と同様に3としているが、これに限らず、当該レンズの数は問わない。
波長変換装置5は、入射される励起光によって蛍光光を生じさせるものである。このような波長変換素子52により生じた蛍光光は、第2ピックアップレンズ49を介して偏光分離装置45の偏光分離層453に入射される。この蛍光光は、非偏光光であるが、上記のように偏光分離層453は波長選択性の偏光分離特性を有することから、当該蛍光光は偏光分離層453を透過して、均一化装置6に入射される。なお、波長変換装置5の構成については、後に詳述する。
このように、光源部41から出射されて偏光分離装置45に入射された励起光のうちP偏光光は、上記拡散反射素子48に入射されることによって拡散されるとともに、第2位相差板46を2回透過する過程でS偏光光に変換され、偏光分離装置45によって均一化装置6側に反射される。
一方、上記励起光のうちS偏光光は、波長変換装置5によって蛍光光に波長変換された後、偏光分離装置45を介して均一化装置6側に出射される。
すなわち、励起光の一部である青色光と蛍光光(緑色光及び赤色光が含まれる光)とは、偏光分離装置45にて合成され、白色の照明光WLとして均一化装置6に入射される。
[均一化装置の構成]
図3に示す均一化装置6は、被照明領域である各画像形成装置34(34R,34G,34B)に入射される光束の光軸直交面内の照度を均一化する他、偏光方向を揃える機能を有する。この均一化装置6は、第1レンズアレイ61、第2レンズアレイ62、偏光変換素子63及び重畳レンズ64を備える。
第1レンズアレイ61は、第1レンズ611が光軸直交面内にてマトリクス状に配列された構成を有し、入射される光束(照明光WL)を複数の部分光束に分割する。
第2レンズアレイ62は、第1レンズ611に対応する第2レンズ621が光軸直交面内にてマトリクス状に配列された構成を有する。これら第2レンズ621は、各第1レンズ611により分割された複数の部分光束を、重畳レンズ64とともに各画像形成装置34に重畳させる。
偏光変換素子63は、第2レンズアレイ62と重畳レンズ64との間に配置され、上記複数の部分光束の偏光方向を揃える。この偏光変換素子63によって偏光方向が揃えられた複数の部分光束により形成される照明光WLは、重畳レンズ64を介して、上記色分離装置32に入射される。
[波長変換装置の構成]
図4は、波長変換装置5の外観を示す斜視図であり、図5は、波長変換装置5を示す断面図である。更に、図6は、図5における波長変換装置5のA−A線における断面図であり、図7は、図5における波長変換装置5のB−B線における断面図である。
波長変換装置5は、図3〜図7に示すように、筐体51を備える他、図4〜図7に示すように、当該筐体51内にそれぞれ配置される波長変換素子52、回転装置53、取付部材54及び流通装置55と、一部の構成が筐体51内に配置され、他の構成が筐体51外に配置される吸熱装置56と、を備える。
これらのうち、吸熱装置56は、受熱器561(図5及び図7)と、図4に示すように、複数のヒートパイプ562、ラジエター563及び冷却ファン564と、を有する。このような吸熱装置56の構成については、後に詳述する。
なお、以下の説明では、波長変換装置5に対する上記励起光の進行方向を+Z方向とし、当該+Z方向にそれぞれ直交し、かつ、互いに直交する方向を+X方向及び+Y方向とする。これらのうち、+X方向を、筐体51に対してラジエター563が位置する方向とし、+Y方向を、+Z方向及び+X方向のそれぞれに直交し、かつ、+Z方向側から見て流通装置55及び受熱器561から波長変換素子52に向かう方向とする。また、説明の便宜上、+Z方向の反対方向を−Z方向とする。−X方向及び−Y方向も同様である。
[筐体の外部構成]
筐体51は、波長変換素子52、回転装置53、取付部材54及び流通装置55と、吸熱装置56を構成する受熱器561と、を収容する収納空間Sが内部に形成された密閉筐体である。この筐体51は、図4に示すように、−Z方向側から見て+Y方向側が略半円形状に形成され、−Y方向側が略矩形に形成されている。
このような筐体51は、−Z方向側に位置する側面部51A、+Z方向側に位置する側面部51B、+X方向側に位置する側面部51C、−X方向側に位置する側面部51D、+Y方向側に位置する側面部51E、及び、−Y方向側に位置する側面部51Fを有する。
側面部51Aは、筐体51において光入射側の側面部である。この側面部51Aには、上記第2ピックアップレンズ49を構成する複数のレンズのうち、波長変換素子52に最も近いレンズが嵌め込まれる開口部511が形成されている。
側面部51Cには、後述する吸熱装置56を構成するヒートパイプ562が挿通される複数の孔512が形成されている。
側面部51Eは、−Z方向側から見て円弧状に形成された部分である。
[筐体の内部構成]
筐体51は、図5に示すように、収納空間Sを区画して空間S1〜S4を形成する第1隔壁513、第2隔壁514及び第3隔壁515を内部に有する。
第1隔壁513は、筐体51の内部において側面部51Aから所定の間隔を隔てた位置に、側面部51C〜51Fの内面と接続されるようにXY平面に沿って形成されている。この第1隔壁513と、側面部51A,51C〜51Fの内面とに囲まれる空間S3(第2空間)内には、+Y方向側の位置に波長変換素子52と回転装置53における−Z方向側の部位とが配置され、−Y方向側の位置に受熱器561における−Z方向側の部位が配置される。
この第1隔壁513において波長変換素子52に応じた位置には、開口部5131が形成されている。この開口部5131の開口形状は、図6及び図7に示すように、基板521の回転範囲と略一致する。すなわち、開口部5131は、基板521の回転時の外形に応じた略円形状に形成されており、当該開口部5131の内径寸法は、波長変換素子52(基板521)の回転時の直径寸法と略一致する。そして、開口部5131の中心位置と、波長変換素子52(基板521)の中心位置とは略一致する。
第1隔壁513における−Y方向側の部位には、図7に示すように、受熱器561の外形形状と略一致する略矩形状の開口部5132が形成されている。この開口部5132の開口面積は、受熱器561の断面積と略一致しており、当該開口部5132には、当該受熱器561が嵌合される。
第2隔壁514は、図5に示すように、第1隔壁513に対する+Z方向側で、かつ、筐体51の+Y方向における略中央の位置に、XZ平面に沿って形成されている。すなわち、第2隔壁514は、第1隔壁513に対して略直交するように当該第1隔壁513と接続されている他、側面部51B〜51Dの内面に接続されている。この第2隔壁514と、第1隔壁513と、側面部51B〜51Eの内面とに囲まれる空間S2(第1空間)内には、回転装置53における+Z方向側の部位と取付部材54とが配置される他、図6に示すように、流通装置55における+Y方向側の一部が配置される。
なお、側面部51C〜51Eの内側には、図6及び図7に示すように、+Z方向側から見て波長変換素子52の中心C(略円形状の基板521の中心C)を中心とする略円形状に形成された円弧状部516が、波長変換素子52の外側に形成されており、当該円弧状部516と、上記第2隔壁514における+Y方向側の面と、側面部51Bの内面とによって、上記空間S2が形成されている。このため、当該空間S2は、+Z方向側から見て略円形状の空間となる。
第3隔壁515は、図5に示すように、第2隔壁514に対して−Y方向側の空間を、+Z方向側の空間S1と、−Z方向側の空間S4とに区画する。この第3隔壁515は、第2隔壁514に対して−Y方向側の位置で、第1隔壁513と側面部51Bの内面との間に、XY平面に沿って形成されている。すなわち、第3隔壁515は、第1隔壁513と平行に形成され、第2隔壁514と側面部51C,51D,51Fの内面とに接続されている。この第3隔壁515と、第1隔壁513及び第2隔壁514と、側面部51C,51D,51Fの内面とにより囲まれる空間S4には、図5及び図7に示すように、受熱器561における+Z方向側の部位が配置される。また、第3隔壁515と、第2隔壁514と、側面部51B〜51D,51Fの内面とにより囲まれる空間S1内には、図5及び図6に示すように、流通装置55における−Y方向側の部位が配置される。
なお、図5に示すように、第2隔壁514において上記受熱器561に応じた位置には、空間S2,S4を連通させる開口部5141が形成されている。
また、第3隔壁515の略中央で受熱器561及び流通装置55の吸気口552に応じた位置には、空間S4と空間S1とを連通させる開口部5151が形成されている。
更に、図5及び図6に示すように、第2隔壁514において開口部5141より+Z方向側の位置で、かつ、+X方向側の位置には、流通装置55の吐出部553が配置される開口部5142が形成されている。
[波長変換素子の構成]
波長変換素子52は、励起光の入射に応じて上記蛍光光を生成及び出射する。この波長変換素子52は、図5に示すように、側面部51Aの内面との間に所定の隙間が形成されるように上記空間S3内に配置される。
このような波長変換素子52は、図3及び図5に示すように、後述する回転装置53によって回転される基板521を有し、当該基板521は、蛍光体層(波長変換層)522、反射層523、接続部524及び複数のフィン525を有する。
これらのうち、基板521は、図6及び図7に示すように、+Z方向側から見て略円形状に形成されている。この基板521は、熱伝導性を有する部材によって形成されており、本実施形態では金属により形成されている。
蛍光体層522及び反射層523は、図3及び図5に示すように、基板521おいて励起光の入射側(−Z方向側)の面521Aにそれぞれ位置する。
蛍光体層522は、入射された励起光により励起されて蛍光光(例えば500〜700nmの波長域の光)を出射する蛍光体を含む。この蛍光体層522に励起光が入射されると、当該蛍光光の一部は、上記第2ピックアップレンズ49側に出射され、他の一部は、反射層523側に出射される。
反射層523は、蛍光体層522と基板521との間に配置され、当該蛍光体層522から入射される蛍光光を第2ピックアップレンズ49側に反射させる。
接続部524及び複数のフィン525は、図5〜図7に示すように、上記面521Aとは反対側(+Z方向側)の面521Bに位置する。
接続部524は、面521Bの中央に位置し、回転装置53が接続される部位である。
複数のフィン525は、接続部524の周囲に形成されている。詳述すると、複数のフィン525は、面521Bにおいて接続部524の外側の領域に、中央側の位置から外側に向かってそれぞれ延出するように形成されている。これらフィン525は、基板521の中心から外側に向かって直線状に形成されているのではなく、当該外側に向かうに従って、回転装置53による基板521の回転方向(D方向)とは反対側に反るように湾曲する円弧状に形成されている。すなわち、各フィン525は、放射状に延出しているのではなく、基板521を半周しない程度にD方向とは反対方向に渦を巻く渦巻状に形成されている。これらフィン525には、基板521を介して、上記蛍光体層522にて生じた熱が伝導される。そして、当該フィン525は、後述する流通装置55によって流通される冷却気体との間で熱交換が行われ、これにより、当該フィン525、ひいては、蛍光体層522が冷却される。
[回転装置の構成]
回転装置53は、図5〜図7に示すように、波長変換素子52の中心Cを通り、かつ、+Z方向に沿う回転軸RAを中心として回転させるモーター等により構成されている。この回転装置53は、波長変換素子52に対して+Z方向側に位置して上記接続部524と接続され、図6及び図7に示すように、当該波長変換素子52を+Z方向側から見て反時計回りの方向であるD方向に回転させる。この波長変換素子52の回転により、蛍光体層522において上記励起光が入射される位置が変更されることにより、当該蛍光体層522にて熱が生じる部位が分散され、当該蛍光体層522において局所的に高熱が生じることが抑制される他、冷却気体との熱交換が促進される。
[取付部材の構成]
取付部材54は、一端が回転装置53と接続され、他端が筐体51における+Z方向側の側面部51Bの内面に固定され、これにより、筐体51内に回転装置53を取り付ける。この取付部材54は、図6及び図7に示すように、後述する流通装置55によって吐出される冷却気体の流通を妨げないように、+Z方向に沿う中心軸を有する円柱状に形成されている他、+Z方向側から見て、上記フィン525の内側に位置するように配置される。なお、取付部材54は、角柱状に形成されていてもよく、この場合には、当該取付部材54の断面は、冷却気体の流通を妨げない点で言うと、より角部が多い多角形状であることが好ましい。
[流通装置の構成]
流通装置55は、筐体51内の冷却気体を循環させて、当該冷却気体を波長変換素子52(詳しくは上記複数のフィン525)に流通させる。この流通装置55は、本実施形態ではシロッコファンにより構成されている。
流通装置55は、図5及び図6に示すように、上記空間S1,S2に跨って配置される。具体的に、流通装置55は、第3隔壁515と当接される面551に位置して冷却気体を吸引する吸気口552が、第3隔壁515の開口部5151に応じた位置となるように、当該第3隔壁515に対向配置される。そして、当該流通装置55において、冷却気体を吐出する吐出口554を有する吐出部553は、図6に示すように、空間S2内に位置する。
このような流通装置55により、後述する受熱器561が位置する空間S4から吸引された冷却気体は、空間S2内に位置する吐出口554から吐出されて当該空間S2内を流通し、上記開口部5131を介して、波長変換素子52の面521Bに流通される。
ここで、上記吐出部553(吐出口554)は、図6に示すように、上記波長変換素子52の中心Cを通り、かつ、+Y方向に沿って延出して上記円弧状部516と交差する仮想線VLに対して+X方向にずれて配置されている。このため、+Z方向側から見て矢印ALに示すように、冷却気体は、波長変換素子52に対して+X方向側に偏って吐出口554から送出された後、円弧状部516と波長変換素子52の面521Bに沿って時計回りに流通する。すなわち、面521Bに沿って流通する冷却気体の流通方向は、基板521の回転方向とは反対方向である。そして、当該冷却気体は、上記複数のフィン525に取り込まれ、当該複数のフィン525を冷却した後、基板521の回転によって空間S3内に放射状に排出される。
なお、波長変換素子52を冷却した冷却気体は、流通装置55の吸引力によって空間S3を−Y方向側に流通し、吸熱装置56を構成する受熱器561内を流通する。
[吸熱装置の構成]
吸熱装置56は、上記流通装置55によって筐体51内を循環する冷却気体から吸熱し、吸熱した熱を筐体51外に放出して、筐体51内の温度を低くするものである。この吸熱装置56は、図5及び図7に示すように、受熱器561(図6及び図7)及び複数のヒートパイプ562を備える他、図4に示すように、それぞれ筐体51外に配置されるラジエター563及び冷却ファン564と、を有する。
受熱器561は、冷却気体の熱を受熱(吸熱)するものであり、上記のように、筐体51内の空間S3,S4に跨るように配置されている。詳述すると、受熱器561は、図5に示すように、−Z方向側の部位が上記開口部5132に嵌め込まれ、+Z方向側の端部が上記第3隔壁515における−Z方向側の面に接触している。このように、流通装置55によって吸引される冷却気体の略全ては、受熱器561内を流通した冷却気体である。
このような受熱器561は、図7に示すように、Y方向(詳しくはYZ平面)に沿って延出する板状の複数のフィン5611により構成されている。これらフィン5611は、所定の隙間を隔てて+X方向に沿って並列配置されており、各フィン5611間には、冷却気体が流通する流路が形成されている。そして、受熱器561は、当該冷却気体から受熱し、当該冷却気体を冷却する。
ここで、受熱器561における+Y方向側の部位は、上記第1隔壁513の開口部5132の端縁のうち+Y方向側の端縁と接触している。また、受熱器561に対する+Y方向側に位置し、かつ、第1隔壁513と略直交する第2隔壁514は、受熱器561に応じた位置に開口部5141を有する。このため、流通装置55の吸引力によって、受熱器561には、空間S2内の冷却気体の一部が流入する他、空間S3から波長変換素子52を冷却した冷却気体が流入する。そして、これら冷却気体は、流通装置55によって吸引される。すなわち、受熱器561は、空間S2内の冷却気体の一部が流入して、流通装置55側に流通する第1流路FP1と、空間S3から波長変換素子52を冷却した冷却気体が流入して、流通装置55側に流通する第2流路FP2と、を有する。
なお、第2流路FP2の流路長は、第1流路FP1の流路長より長い。このことから、第2流路FP2を流通する比較的温度が高い冷却気体から十分に受熱可能な流路長を確保できる。
複数のヒートパイプ562(5621,5622)は、受熱器561に伝導された熱をラジエター563に伝導する熱伝導部材である。これらヒートパイプ562は、図5及び図7に示すように、一端が筐体51内の受熱器561と接続され、図4に示すように、他端が筐体51外のラジエター563と接続される。本実施形態では、ヒートパイプ562は3本設けられているが、ヒートパイプ562の数は適宜変更可能である。
ここで、上記第2流路FP2を流通する冷却気体の温度は、上記第1流路FP1を流通する冷却気体の温度より高い。このため、第2流路FP2に伝導される熱量は、第1流路FP1に伝導される熱量より高い。このことから、第1流路FP1より第2流路FP2に伝導された熱を、筐体51外により効率よく伝導させる必要がある。
これに対し、本実施形態では、第2流路FP2に設けられるヒートパイプ562(第2流路FP2にて伝導された熱を筐体51外に伝導するヒートパイプ562)の受熱器561に対する接触面積を、第1流路FP1に設けられるヒートパイプ562(第1流路FP1にて伝導された熱を筐体51外に伝導するヒートパイプ562)の受熱器561に対する接触面積より大きくしている。
具体的に、第2流路FP2に設けられるヒートパイプ5622の数は、第1流路FP1に設けられるヒートパイプ5621の数より多い。詳述すると、第1流路FP1には1本のヒートパイプ5621が設けられるのに対し、第2流路FP2には2本のヒートパイプ5622が設けられる。これにより、第1流路FP1及び第2流路FP2に伝導された熱を、少ないヒートパイプ562の数で筐体51外に効率よく伝導できる。
ラジエター563は、図4に示すように、ヒートパイプ562を介して伝導される受熱器561の熱を筐体51外にて放熱する。このラジエター563は、熱伝導性を有する金属により形成された複数のフィン5631を有し、上記ヒートパイプ562の他端は、これらフィン5631を貫通するように配置される。
冷却ファン564は、ラジエター563に冷却気体(外装筐体2内に導入された外気)を流通させて当該ラジエター563に伝導された熱を放出させるものであり、本実施形態では軸流ファンにより構成されている。この冷却ファン564が駆動されると、冷却気体が吸引されることにより、当該冷却気体がラジエター563に供給され、当該ラジエター563が冷却される。このようなラジエター563の冷却に供された冷却気体は、冷却ファン564によって吸引されて排出され、図示しないファンにより、外装筐体2に形成された排気口を介して当該外装筐体2外に排出される。なお、冷却ファン564は、シロッコファンにより構成されてもよい。
[筐体内における冷却気体の循環流路]
図8は、筐体51内における冷却気体の循環流路を示す模式図である。
上記のように、筐体51内の冷却気体は、流通装置55によって循環される。
具体的に、空間S1内に位置する流通装置55から空間S2内に吐出された冷却気体は、図8における矢印F1に示すように、空間S3内に位置する波長変換素子52における+Z方向側の面521Bに、第1隔壁513の開口部5131を介して流通する。
波長変換素子52に流通した冷却気体は、当該面521Bに位置する複数のフィン525間に侵入する。この際、各フィン525に伝導された蛍光体層522の熱が、当該冷却気体に伝導され、当該各フィン525、ひいては、蛍光体層522が冷却される。
波長変換素子52を冷却した冷却気体は、矢印F2に示すように、回転装置53による波長変換素子52の回転によって、+Z方向側から見て上記中心Cを中心として放射状に、各フィン525の間から空間S3内に放出される。
波長変換素子52から空間S3内に放出された冷却気体は、第1隔壁513によって、空間S2側に流通することが妨げられる一方で、流通装置55の吸引力によって、当該空間S3内を−Y方向側に流通し、受熱器561内に流入される。この冷却気体は、矢印F3に沿って上記第2流路FP2を流通し、空間S4と空間S1とを連通させる開口部5151を介して、流通装置55に流入される。
また、当該流通装置55の吸引力によって、空間S2内の一部の冷却気体は、矢印F4に添って、第2隔壁514の開口部5141を介して空間S4に位置する受熱器561内に流入される。そして、当該一部の冷却気体は、上記第1流路FP1を流通し、上記開口部5151を介して、流通装置55に流入される。これにより、流通装置55から吐出されて波長変換素子52に流通する冷却気体の温度をより下げることができる。
なお、上記のように、受熱器561に伝導された熱は、ヒートパイプ562を介してラジエター563に伝導されて、筐体51外に放出される。
[実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1によれば、以下の効果がある。
図6に示したように、波長変換素子52(基板521)の回転軸RAに沿って+Z方向側から見た場合に、冷却気体は、基板521の周方向における一部(例えば中心Cから+X方向側に位置する部位521Cや、+Y方向側に位置する部位521D)において、当該一部での基板521の回転方向とは反対方向に流通する。これによれば、上記回転軸RAに沿って冷却気体が基板521に吹き付けられる場合に比べて、冷却気体が基板521の面521Bと接触する時間を長くすることができる。この他、上記一部において基板521の回転に抗する方向に冷却気体が流通するので、当該基板521に対する冷却気体の相対的な流速を高めることができる。従って、基板521、ひいては、蛍光体層522の蛍光体を効率よく冷却できる。
筐体51は、上記回転軸RAに沿って+Z方向側から基板521を見た場合に、当該基板521の外側に位置し、当該基板521の回転時の周方向に沿う円弧状部516を有する。これによれば、基板521に流通される冷却気体を、円弧状部516に沿って当該周方向に流通させることができる。このため、基板521をD方向に回転させることにより、当該D方向とは反対方向に冷却気体を確実に流通させることができる。従って、基板521、ひいては、蛍光体を確実に効率よく冷却できる。
流通装置55の吐出口554は、上記回転軸RAに対する直交方向に沿い、かつ、当該回転軸RAを通り円弧状部516に交差する仮想線VLに対してずれて配置されている。これによれば、吐出口554から吐出される冷却気体を、基板521において上記仮想線VLに対する吐出口554の配置側に偏らせて流通させやすくすることができる。このため、上記部位521Cにて、基板521の回転方向とは反対方向に冷却気体を確実に流通させることができる他、上記円弧状部516に沿って冷却気体を流通させやすくすることができるので、冷却気体を基板521の回転方向とは反対方向に一層確実に流通させることができる。従って、上記した効果をより確実に奏することができる。
基板521は、流通装置55によって冷却気体が流通される面521Bに、当該基板521の中心側から外側に向けて延出する複数のフィン525を有する。また、筐体51内には、回転装置53を側面部51Bの内面に取り付ける取付部材54が設けられ、当該取付部材54は、回転軸RAに沿って基板521を+Z方向側から見た場合に、基板521において複数のフィン525より基板521の中心側の位置に配置される。
これによれば、複数のフィン525のそれぞれが、基板521の中心側から外側に向けて延出していることにより、当該基板521の回転によって冷却気体を放射状に排出させやすくすることができる。これにより、基板521を冷却して熱を帯びた冷却気体が、当該基板521の周囲に停滞することを抑制できる。
また、上記一部(例えば部位521Cや部位521D)では、冷却気体の流通方向と基板521の回転方向とが互いに反対方向になるので、冷却気体を各フィン525と対向するように衝突させることができる。従って、冷却気体によって各フィン525を効率よく冷却でき、上記蛍光体を効率よく冷却できる。
更に、取付部材54が各フィン525より中心C側に位置することにより、当該取付部材54によって当該各フィン525が覆われることを抑制できる。これにより、各フィン525に流通する冷却気体の流れが、当該取付部材54によって妨げられることを抑制でき、面521Bに沿って冷却気体を確実に流通させることができる。
取付部材54は、円柱状に形成されている。これによれば、冷却気体の一部が取付部材54に沿って流通する場合でも、例えば取付部材が冷却気体の流路側に突出する場合に比べて、当該冷却気体の流れを妨げることを抑制できる。従って、冷却気体を基板521に円滑に流通させることができる。
基板521を有する波長変換素子52と流通装置55とが収容される筐体51は、基板521への冷却気体の送出側の空間S2(第1空間)と、当該基板521から冷却気体が排出される空間S3(第2空間)とを隔てる第1隔壁513を有する。
これによれば、基板521から放射状に排出される冷却気体、すなわち、基板521を冷却した冷却気体が、熱を帯びたまま空間S2側に流通して当該基板521に再度流通されることを抑制できる。従って、温度が高い冷却気体が基板521に供給されることを抑制できるので、蛍光体層522が位置する基板521、ひいては、当該蛍光体層522の蛍光体を効率よく冷却できる。
また、第1隔壁513によって、基板521に向けて流通する冷却気体と、基板521から排出される冷却気体とを分けることができるので、これらの冷却気体が衝突し合うことを抑制できる。従って、それぞれの冷却気体を確実に流通させることができる。
ここで、蛍光体層522に比較的強い励起光が入射されると、光集塵と呼ばれる現象が生じやすい。このように、塵埃が集まりやすくなると、励起光の利用効率が低下する他、回転装置53による基板521の回転に不具合が発生する可能性も高くなる。
これに対し、上記筐体51は密閉筐体であるので、塵埃が筐体51内に侵入することを抑制できる。従って、励起光の利用効率の低下を抑制できる他、信頼性の高い波長変換装置5を構成できる。
波長変換装置5は、筐体51内に配置され、流通される冷却気体の熱を受熱する受熱器561を有する吸熱装置56を備える。これによれば、基板521の冷却に供された冷却気体の熱が受熱器561に伝導されるので、流通装置55によって吸引されて基板521に流通する冷却気体を冷却できる。
また、受熱器561は、上記第1流路FP1及び第2流路FP2を有する。これによれば、第2流路FP2を流通する過程で受熱器561によって十分に熱交換がされなかった冷却気体が、第1流路FP1を流通することにより、当該冷却気体からより多くの熱量を受熱でき、当該冷却気体を更に冷却できる。
従って、基板521に流通する冷却気体の温度を確実に下げることができ、基板521、ひいては、蛍光体をより効率よく冷却できる。
上記第1隔壁513は、空間S2側から冷却気体を基板521に流通させる開口部5131を有し、当該開口部5131の寸法は、基板521の回転範囲と略一致する。これによれば、当該開口部5131を介して、流通装置55によって流通される冷却気体を基板521に確実に流通させることができる。また、開口部5131の寸法が、基板521の回転範囲と略一致することにより、当該基板521の回転時に放射状に排出される冷却気体が、空間S2側に流通して、再び基板521に向かって流通することを抑制できる。従って、比較的温度が低い冷却気体を基板521に確実に流通させることができ、上記蛍光体をより効率よく冷却できる。
基板521が複数のフィン525を有することにより、当該複数のフィン525が無い場合に比べて、基板521における冷却気体との接触面積を大きくすることができる。従って、基板521の熱を冷却気体に効率よく伝導させることができ、基板521の冷却効率を一層向上させることができる。
また、複数のフィン525のそれぞれは、基板521の中心側から外側に向けて延出していることにより、基板521の回転によって冷却気体が放射状に排出されやすくなる。従って、基板521を冷却して熱を帯びた冷却気体が基板521周囲に停滞することを抑制できる。
複数のフィン525のそれぞれは、基板521の中心側から外側に向かうに従って、当該基板521の回転方向とは反対側に反る形状を有する。これによれば、熱を帯びた冷却気体を基板521から放射状に排出させやすくすることができる。
また、冷却気体は、基板521の回転方向とは反対方向に流通するので、各フィン525と冷却気体とは互いに対向するように衝突する。これによれば、各フィン525を冷却気体により効率よく冷却できる。従って、基板521、ひいては、蛍光体をより効率よく冷却できる。
上記吸熱装置56は、受熱器561に一端が接続され、他端がラジエター563に接続され、受熱器561に伝導された熱を筐体51外に位置するラジエター563に伝導させる熱伝導部材としてのヒートパイプ562を有する。これによれば、当該ヒートパイプ562によって、受熱器561に伝導された熱を筐体51外に確実に伝導できるので、筐体51内の冷却気体の温度を確実に下げることができる。従って、当該冷却気体が流通される基板521、ひいては、蛍光体をより効果的に冷却できる。
上記第2流路FP2に配置されるヒートパイプ562の受熱器561に対する接触面積を、上記第1流路FP1に配置されるヒートパイプ562の受熱器561との接触面積より拡大するために、当該第2流路FP2に配置される第2熱伝導部材としてのヒートパイプ5622の数は、当該第1流路FP1に配置される第1熱伝導部材としてのヒートパイプ5621の数より多い。これによれば、比較的温度が高い冷却気体が流通する第2流路FP2にて伝導される熱を、比較的温度が低い冷却気体が流通する第1流路FP1にて伝導される熱よりも効率よく筐体51外に伝導できるので、少ない本数のヒートパイプ562で、受熱器561に伝導された熱を筐体51外に効率よく伝導でき、ひいては、受熱器561によって冷却気体を効率よく冷却できる。従って、より温度が低い冷却気体を基板521に流通させることができ、上記蛍光体を一層効率よく冷却できる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
波長変換装置5は、第2ピックアップレンズ49から励起光が入射されることによって蛍光体層522にて生成された蛍光光を当該第2ピックアップレンズ49に反射させる反射層523を有する構成とした。すなわち、波長変換装置5は、励起光の入射によって生成された蛍光光を反射させる反射型の波長変換装置であった。これに対し、上記波長変換装置5を、生成された蛍光光が波長変換素子52に入射される励起光の進行方向に沿って出射される透過型の波長変換素子として構成してもよい。この場合、例えば、反射層523に代えて、励起光を透過し、蛍光光を反射させる波長選択性の反射層を、蛍光体層522に対する励起光の入射側に配置させ、基板521を光透過性の基板とする他、面521Bにおいて励起光の入射位置に応じた部位に上記フィン525を設けずに、更に、+Z方向側の側面部51Bに、生成された蛍光光が出射される開口部が形成された構成とすることにより、当該透過型の波長変換装置を構成できる。なお、このような波長変換装置では、蛍光光が出射される側面部51Bの開口部を透光性部材によって閉塞することにより、筐体51の密閉性が保たれる。
波長変換装置5では、波長変換素子52(基板521)を回転させる回転装置53は、筐体51内に収容されるとした。これに対し、例えば、回転装置53を構成するモーターのモーター本体を筐体51外に配置し、当該モーター本体から延出して基板521の接続部524に接続されるスピンドルを筐体51内に配置してもよい。
流通装置55は、空間S1,S2内に配置されるシロッコファンにより構成され、空間S4に位置する受熱器561を流通した冷却気体を吸引し、空間S2を介して、空間S3に位置する波長変換素子52(基板521)に冷却気体を流通させるとした。しかしながら、流通装置55の配置位置は筐体51内のどこでもよく、例えば空間S2内でもよい。
また、流通装置55は、シロッコファンでなくてもよく、波長変換素子52(基板521)に冷却気体を流通させることができれば、軸流ファン等、他の送出手段を有する構成であってもよい。
筐体51は、当該筐体51内の収納空間Sを、空間S1〜S4に区画する隔壁513〜515を有するとした。しかしながら、第2隔壁514及び第3隔壁515は無くてもよい。この場合、冷却気体の循環方向において、流通装置55から波長変換素子52までの空間が第1空間となり、波長変換素子52から流通装置55までの空間が第2空間となる。また、筐体51が第3隔壁515を有し、かつ、第1隔壁513に受熱器561における+Y方向側の端縁、更に、+X方向側及び−X方向側の端縁が接する場合には、当該第1隔壁513は、側面部51Fの内面に接続されていなくてもよい。更に、波長変換素子52(基板521)に流通する冷却気体と、当該波長変換素子52から排出される冷却気体とが衝突しなければ、第1隔壁513は無くてもよい。
加えて、筐体51は、密閉筐体であるとしたが、密閉筐体でなくてもよい。
第1隔壁513が有する開口部5131の開口形状は、基板521の回転範囲と略一致するとした。すなわち、開口部5131の中心は、+Z方向側から見て基板521の中心Cと略一致し、開口部5131の内径寸法は、基板521の回転時の直径寸法と略一致するとした。しかしながら、開口部5131の内径寸法は、基板521の回転時の直径寸法より小さくてもよく、開口部5131の中心と基板521の中心Cとは、ずれていてもよい。更に、開口部5131の開口面の大きさ(開口部5131の端縁によって囲まれる仮想面の面積)は、基板521の回転範囲より小さくても大きくてもよい。例えば、開口部5131の端縁と基板521との間の隙間から、当該基板521を冷却した冷却気体が面521B側に再度流通しなければ、開口部5131の内径寸法は、基板521の回転時の直径寸法より大きくてもよい。
基板521において、流通装置55により冷却気体が流通される面521Bには、当該基板521の中心側から外側に向けて延出する複数のフィン525が配置されていた。これに対し、基板521を冷却した気体を放射状に排出できれば、このようなフィン525は無くてもよい。また、フィン525の形状は、外側に向かうに従って基板521の回転方向(D方向)とは反対方向に反る形状でなくてもよい。例えば、各フィン525は、中心側から外側に向かって直線状に延出していてもよい。
筐体51内には、流通する冷却気体から受熱する受熱器561が空間S4に配置され、受熱器561に伝導された熱は、熱伝導部材としてのヒートパイプ562によって、筐体51外に配置されたラジエター563に伝導されるとした。このような受熱器561は、他の位置に配置されてもよく、例えば空間S3内に配置されていてもよい。更に、熱伝導部材として採用されるヒートパイプ562の数は適宜変更可能であり、第1流路FP1及び第2流路FP2に同数のヒートパイプ562を配置してもよく、第1流路FP1に多くのヒートパイプ562を配置してもよい。加えて、ヒートパイプ562に代えてペルチェ素子(熱電素子)を採用してもよい。
また、受熱器561は、空間S2内の冷却気体が流通する第1流路FP1と、波長変換素子52を冷却して空間S3から冷却気体が流通する第2流路FP2とを有するとした。しかしながら、これに限らず、第1流路FP1は無くてもよい。
波長変換装置5では、第2流路FP2に配置される第2熱伝導部材としてのヒートパイプ5622の受熱器561に対する接触面積を、第1流路FP1に配置される第1熱伝導部材としてのヒートパイプ5621の受熱器561に対する接触面積より大きくするために、ヒートパイプ5622の数を、ヒートパイプ5621の数より多くした。これに対し、ヒートパイプ5622の径寸法をヒートパイプ5621より大きくすることにより、受熱器561との接触面積を調整してもよい。
また、熱伝導部材として上記ペルチェ素子が採用される場合には、当該ペルチェ素子の大きさ及び数を調整することにより、第2流路FP2に配置されるペルチェ素子の受熱器561に対する接触面積を、第1流路FP1に配置されるペルチェ素子の受熱器561に対する接触面積より大きくしてもよい。
波長変換装置5は、筐体51内を循環する冷却気体の温度を下げる吸熱装置56を備え、当該吸熱装置56は、受熱器561、ヒートパイプ562、ラジエター563及び冷却ファン564を有する構成とした。このような吸熱装置56の構成は、他の構成でもよく、更に、温度が比較的低い冷却気体を波長変換素子52に供給し続けることが可能であれば、吸熱装置56は無くてもよい。
波長変換素子52を冷却する冷却気体は、基板521の回転方向とは反対方向に、当該基板521の面521Bに沿って流通するとした。これに対し、波長変換装置が、基板521に流通する冷却気体と、当該基板521を冷却した冷却気体とを隔てる第1隔壁513を有する場合には、当該基板521に流通する冷却気体の流通方向は問わない。
また、波長変換素子52が、第1隔壁513と同様に、基板521に冷却気体を導く開口部を有し、かつ、回転装置53側から流通して基板521を冷却した気体が、当該基板521の回転に伴って再度回転装置53側に流通することを抑制する隔壁を備える構成としてもよい。
筐体51は、上記回転軸RAに沿って+Z方向側から波長変換素子52を見た場合に、波長変換素子52の外側に位置し、かつ、波長変換素子52の中心Cを中心とする円形状の円弧状部516を有するとした。この円弧状部516は、回転時の波長変換素子52の周方向に沿う冷却気体の流通を補助する機能を有するが、このような円弧状部516は無くてもよい。また、円弧状部516は、上記円形状に形成されていなくてもよく、半円形状や1/4円形状等の円弧状に形成されていてもよい。
流通装置55の吐出口554は、上記仮想線VLに対して+X方向側にずれて配置されているとした。これに対し、吐出口554は、当該仮想線VLに対して−X方向側にずれていてもよく、この場合、波長変換素子52の回転方向を上記D方向とは反対方向とすればよい。また、吐出口554を上記仮想線VL上に配置し、当該吐出口554による冷却気体の吐出方向を、波長変換素子52に向かう方向である+Y方向に向かうに従って+X方向側にずれるように傾けてもよい。なお、波長変換素子52の回転方向がD方向とは反対方向である場合に、吐出口554が上記仮想線VL上に位置する場合には、当該吐出口554による冷却気体の吐出方向を、+Y方向に向かうに従って−X方向側にずれるように傾けてもよい。
回転装置53を筐体51に取り付ける取付部材54は、円柱状に形成されて、+Z方向側から見て、基板521において複数のフィン525が形成された領域の内側に配置されるとした。しかしながら、上記のように、取付部材54の形状は、角柱状でもよく、他の形状でもよい。また、筐体51に対する取付部材54の固定位置は、側面部51Bの内面に限らず、側面部51C〜51Eのいずれかの内面でもよく、第2隔壁514でもよい。すなわち、+Z方向側から見た場合の取付部材54の位置は、基板521において複数のフィン525が形成された領域の内側に限らず、一部が当該フィン525を覆うように配置されてもよい。
プロジェクター1は、光変調装置としての液晶パネルを有する3つの画像形成装置34(34R,34G,34B)を備えるとした。しかしながら、2つ以下、あるいは、4つ以上の画像形成装置を有するプロジェクターにも、本発明を適用可能である。
また、画像形成装置34は、光変調装置として、光束入射面と光束射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。この他、入射光束を変調して画像情報に応じた画像を形成可能な光変調装置であれば、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
光学ユニット3は、図2及び図3に示した光学部品及び配置を有する構成を例示したが、これに限らず、他の構成及び配置を採用してもよい。
例えば、照明装置31では、第1位相差板44及び偏光分離装置45により、光源部41から出射された励起光の一部を分離し、当該一部の励起光を青色光として蛍光光に合成して照明光WLを生成していた。これに対し、光源部41から出射された励起光の一部を分離して青色光として用いるのではなく、当該光源部41に加えて、青色光を出射する別の光源部を採用してもよい。この場合、光源部41から出射された励起光により生成される蛍光光と、当該他の光源部から出射された青色光とを合成して照明光WLを生成してもよく、当該蛍光光から分離した緑色光LG及び赤色光LRをそれぞれ画像形成装置34G,34Rに入射させ、上記他の光源部から出射された青色光を画像形成装置34Bに入射させてもよい。
上記波長変換装置5及び照明装置31は、プロジェクター1に適用されていた。これら波長変換装置5及び照明装置31を、例えば照明器具や自動車の光源装置に適用することも可能である。
1…プロジェクター、31…照明装置、34(34B,34G,34R)…画像形成装置、36…投射光学装置、41…光源部、5…波長変換装置、51…筐体、513…第1隔壁(隔壁)、5131…開口部、514…第2隔壁、5142…開口部、515…第3隔壁、51C,51D,51E,51F…側面部、516…円弧状部、52…波長変換素子、521…基板、521B…面、521C,521D…部位、522…蛍光体層、524…接続部、525…フィン、53…回転装置、54…取付部材、55…流通装置、553…吐出部、554…吐出口、56…吸熱装置、AL…矢印、C…中心、D…方向(回転方向)、S…収納空間、S1…空間、S2…空間(第1空間)、S3…空間(第2空間)、S4…空間、VL…仮想線。

Claims (10)

  1. 蛍光体が含まれる蛍光体層を有する基板と、
    前記基板を回転させる回転装置と、
    前記基板に冷却気体を流通させる流通装置と、
    前記基板及び前記流通装置を収容する筐体と、を備え、
    前記流通装置により流通される前記冷却気体は、前記基板の回転軸に沿って当該基板を見た場合に、前記基板の周方向における一部において、当該一部での前記基板の回転方向とは反対方向に流通することを特徴とする波長変換装置。
  2. 請求項1に記載の波長変換装置において、
    前記筐体は、前記回転軸に沿って前記基板を見た場合に、前記基板の外側に位置し、前記基板の回転時の周方向に沿う円弧状部を有することを特徴とする波長変換装置。
  3. 請求項2に記載の波長変換装置において、
    前記流通装置は、前記冷却気体を吐出する吐出口を有し、
    前記吐出口は、前記回転軸に沿って前記基板を見た場合に、前記基板の中心を通り、かつ、前記円弧状部に交差する仮想線に対してずれて配置されていることを特徴とする波長変換装置。
  4. 請求項3に記載の波長変換装置において、
    前記筐体内に配置され、前記回転装置を前記筐体に取り付ける取付部材を有し、
    前記基板は、前記流通装置から前記冷却気体が流通される面に、当該基板の中心側から外側に向けて延出する複数のフィンを有し、
    前記取付部材は、前記回転軸に沿って前記基板を見た場合に、前記基板において前記複数のフィンより前記基板の中心側の位置に配置されることを特徴とする波長変換装置。
  5. 請求項4に記載の波長変換装置において、
    前記取付部材は、柱状を有することを特徴とする波長変換装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の波長変換装置において、
    前記筐体は、前記流通装置により前記冷却気体が前記基板に流通する第1空間と、前記基板から放射状に送出される前記冷却気体が流通する第2空間とを隔てる隔壁を有することを特徴とする波長変換装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の波長変換装置において、
    前記筐体は、密閉筐体であることを特徴とする波長変換装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の波長変換装置において、
    前記冷却気体の熱を吸熱する吸熱装置を備えることを特徴とする波長変換装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の波長変換装置と、
    前記波長変換装置に入射される光を出射する光源部と、を備えることを特徴とする照明装置。
  10. 請求項9に記載の照明装置と、
    前記照明装置から出射された光を用いて画像を形成する画像形成装置と、
    形成された前記画像を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
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