JP6613792B2 - 波長変換装置、照明装置及びプロジェクター - Google Patents

波長変換装置、照明装置及びプロジェクター Download PDF

Info

Publication number
JP6613792B2
JP6613792B2 JP2015204369A JP2015204369A JP6613792B2 JP 6613792 B2 JP6613792 B2 JP 6613792B2 JP 2015204369 A JP2015204369 A JP 2015204369A JP 2015204369 A JP2015204369 A JP 2015204369A JP 6613792 B2 JP6613792 B2 JP 6613792B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
cooling gas
wavelength conversion
rotation
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015204369A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017076076A5 (ja
JP2017076076A (ja
Inventor
要 長谷
和也 臼田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2015204369A priority Critical patent/JP6613792B2/ja
Priority to PCT/JP2016/004572 priority patent/WO2017064866A1/ja
Priority to EP16855120.8A priority patent/EP3364245B1/en
Priority to CN201680051766.XA priority patent/CN107949806B/zh
Priority to US15/767,128 priority patent/US10648653B2/en
Publication of JP2017076076A publication Critical patent/JP2017076076A/ja
Publication of JP2017076076A5 publication Critical patent/JP2017076076A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6613792B2 publication Critical patent/JP6613792B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Projection Apparatus (AREA)
  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)

Description

本発明は、波長変換装置、照明装置及びプロジェクターに関する。
従来、光源から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、形成された画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射するプロジェクターが知られている。このようなプロジェクターとして、蛍光体層にレーザー光を照射して生じる黄色の蛍光を用いて、画像を形成するプロジェクターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のプロジェクターは、光源、コリメートレンズ、集光レンズ、蛍光体ホイール(波長変換部材)、ピックアップレンズ及び駆動部と、これらを内部に収容するケーシングと、を有する光源装置を備える。この光源装置では、光源から出射されたレーザー光は、コリメートレンズ及び集光レンズによって平行化及び集光され、駆動部によって回転される蛍光体ホイールの蛍光体層に入射される。これによって生じた蛍光は、ピックアップレンズにより集光され、照明光として出射される。
なお、ケーシングにおいて、蛍光体ホイールが収容される蛍光体ホイール収容部は、外部空間と遮断された密閉空間となっており、これにより、蛍光体層の表面に塵埃が直接付着することが抑制され、光の利用効率の低下が抑制される。
特開2014−146056号公報
近年、プロジェクターの小型化の要望に対して、当該プロジェクター内に配置される構成を小型化し、ひいては、プロジェクター全体の小型化を図る手法が提案されている。
このため、上記特許文献1に記載のプロジェクターにおいて、上記ケーシングの一部を、回転する基板の回転方向に沿う円弧状に形成して、当該ケーシングを小型化することが考えられる。しかしながら、このような構成では、蛍光体ホイールから放射状に排出される冷却気体の一部が、蛍光体ホイールとケーシングの円弧状部分との間で停滞して排出されづらくなり、蛍光体ホイールの冷却効率、ひいては、蛍光体層の冷却効率が低下するという問題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、小型化を図りつつ、冷却効率を向上させることができる波長変換装置、照明装置及びプロジェクターを提供することを目的の1つとする。
本発明の第1態様に係る波長変換装置は、第1方向に沿う回転軸を中心として回転する基板と、前記基板における一方の面である第1面に位置し、前記基板の中心側から外側に向かって延出する複数のフィンと、前記第1面、及び、前記第1面とは反対側の第2面のいずれかに位置する蛍光体層と、前記基板を回転させる回転装置と、前記第1面に冷却気体を送出する送出装置と、前記基板が内側に配置される筐体と、を備え、前記筐体は、前記第2面と対向する第1側面部と、前記第1側面部と交差し、前記第1方向に沿って見て、内側に配置される前記基板の回転時の周方向に沿う円弧状部を有する第2側面部と、を有し、前記円弧状部の円弧の半径は、前記基板の回転時の半径より大きく設定され、前記第1方向側から見て、前記基板の回転時の半径方向のうち12時方向を第2方向とし、3時方向及び9時方向のいずれかを第3方向とした場合に、前記円弧状部の円弧の中心は、前記回転軸に対して前記第3方向側に位置し、前記基板は、前記回転装置によって前記第1方向側から見て反時計回りに回転することを特徴とする。
上記第1態様によれば、基板の第1面に、当該基板の中心側から外側に向かって延出する複数のフィンが位置することにより、送出装置によって当該第1面に送出されて基板の冷却に供された冷却気体は、回転装置による基板に回転によって放射状に排出される。
ここで、第2側面部の円弧の半径が、前記基板の回転時の半径より大きく、第2側面部の円弧の中心が、基板の回転軸に対して第3方向側又は当該第3方向側とは反対側に位置せずに、第2方向側とは反対側にずれている場合には、回転される基板と第2側面部との距離が最も近くなる領域、すなわち、基板に対して第2方向側の領域(詳しくは、当該領域における基板の回転方向とは反対方向に偏った領域)に排出された冷却気体が、第2方向とは反対方向側に流通しづらくなり、その場に停滞しやすくなる。これは、第3方向側の第2側面部と基板との間の領域(第1領域)、及び、第3方向側とは反対側の第2側面部と基板との領域(第2領域)が同じ大きさになることが一因となっている。
これに対し、上記第1態様によれば、基板の回転時の半径より大きな半径を有する第2側面部の円弧の中心は、基板の回転軸に対して第3方向に位置している。このため、上記第1領域の大きさは、上記第2領域より大きくなり、基板から放射状に排出される冷却気体のうち、第1領域を通って上記第2方向とは反対方向側に流通する冷却気体の量は、第2領域を通って当該反対方向側に流通する冷却気体の量より多くなる。また、基板の回転方向は、第1方向側から見て反時計回りに回転することにより、基板から排出される冷却気体のうち、上記第1領域を流通する空気の流速の方が、上記第2領域に排出される空気の流速より高くなる。
これによれば、第1領域と第2領域とで、大きさ及び流通する冷却気体の流速が異なることから、回転される基板と第2側面部との距離が最も近くなる領域に当該基板から排出される冷却気体が、当該第1領域及び第2領域の一方に流通しやすくなる。このため、上記第1領域の大きさと上記第2領域の大きさとが均等になる場合に生じるような冷却気体の停滞箇所(基板から排出される冷却気体の停滞箇所)が生じることを抑制でき、発生する場合でも当該停滞箇所を小さくできる。これにより、基板の回転によって当該基板から排出される冷却気体を、第1領域及び第2領域から第2方向とは反対方向側に流通(排出)させやすくすることができ、基板を冷却した冷却気体を速やかに排出できる。従って、回転される基板の周方向に沿って筐体を構成できるので、筐体の小型化を図りつつ、基板の冷却効率、ひいては、蛍光体層の冷却効率を向上させることができる。
また、複数のフィンにより、基板における冷却気体との接触面積を大きくすることができ、基板の熱を冷却気体に効率よく伝導させることができる。
上記第1態様では、前記筐体は、前記基板を挟んで前記第1側面部と対向し、前記第2側面部と接続される隔壁を有し、前記隔壁は、前記第1面に前記冷却気体を流通させる開口部を有することが好ましい。
このような構成によれば、基板を冷却して放射状に排出された空気が、当該基板の回転によって吸引されて、熱を帯びたまま再度第1面側に流通されることを抑制できる。従って、熱を帯びた冷却気体が基板に流通することを抑制できるので、基板、ひいては、基板が有する蛍光体層の蛍光体を効率よく冷却できる。
上記第1態様では、前記複数のフィンのそれぞれは、前記中心側から前記外側に向かうに従って前記基板の回転方向とは反対側に反る形状を有することが好ましい。
このような構成によれば、複数のフィンのそれぞれが、上記形状を有することにより、基板の回転によって冷却気体を放射状に排出しやすくすることができる。従って、基板を冷却して熱を帯びた冷却気体が基板周囲に停滞することを確実に抑制できる。
なお、基板の或る部位における回転方向とは反対方向に、冷却気体が当該基板に沿って流通する場合には、当該部位において各フィンと冷却気体とが互いに対向するように衝突するので、当該各フィンを冷却気体により効率よく冷却できる。従って、基板、ひいては、蛍光体をより効率よく冷却できる。
上記第1態様では、前記筐体内に配置され、前記基板の回転によって排出された前記冷却気体から熱を受熱する受熱器を備え、前記受熱器は、前記基板の回転によって排出された前記冷却気体を流通させて前記送出装置に導く流路を有し、前記筐体は、密閉筐体であることが好ましい。
ここで、上記のように、蛍光体層に比較的強い励起光が入射されると、光集塵と呼ばれる現象が生じやすい。このように、塵埃が集まりやすくなると、励起光の利用効率が低下する他、回転装置による基板の回転に不具合が発生する可能性も高くなる。
これに対し、上記構成によれば、塵埃が筐体内に侵入することを抑制できる。従って、励起光の利用効率の低下を抑制できる他、信頼性の高い波長変換装置を構成できる。
また、受熱器が、基板を冷却した冷却気体から受熱し、受熱後の冷却気体を上記送出装置に導く流路を有することにより、基板に送出される冷却気体の温度を下げることができる。従って、基板の冷却効率を一層高めることができる。
上記第1態様では、前記第1方向に沿って見た場合に、前記基板に対して前記第2方向とは反対方向側に位置し、前記基板の回転によって排出された前記冷却気体を吸引する吸引装置を備えることが好ましい。
このような構成によれば、基板に対して第2方向とは反対方向側に位置する吸引装置が、当該基板を冷却した冷却気体を吸引するので、当該基板の冷却後の冷却気体の流通方向を第2方向とは反対方向に規定できる。従って、当該冷却後の冷却気体を、上記第1領域及び第2領域から第2方向とは反対方向に流通させやすくすることができ、当該冷却気体を速やかに排出できるので、上記効果をより好適に奏することができる。
なお、このような吸引装置と上記送出装置とは、筐体内に配置される1つのファンにより構成できる。このような場合には、部品点数を増加させることなく、上記効果を好適に奏することが可能となる。
本発明の第2態様に係る照明装置は、上記波長変換装置と、前記波長変換装置に入射される光を出射する光源部と、を備えることを特徴とする。
上記第2態様によれば、上記第1態様に係る波長変換装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の第3態様に係るプロジェクターは、上記照明装置と、前記照明装置から出射される光を用いて画像を形成する画像形成装置と、形成された前記画像を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とする。
上記第3態様によれば、上記第2態様に係る照明装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の一実施形態に係るプロジェクターを示す概要斜視図。 上記実施形態におけるプロジェクターの構成を示す模式図。 上記実施形態における照明装置の構成を示す模式図。 上記実施形態における波長変換装置の外観を示す斜視図。 上記実施形態における波長変換装置を示す断面図。 図5に示した波長変換装置のA−A線における断面図。 図5に示した波長変換装置のB−B線における断面図。 上記実施形態における筐体内の冷却気体の流れを示す模式図。 上記実施形態における比較例としての波長変換装置において波長変換素子が配置される空間を示す図。 上記実施形態における波長変換装置において波長変換素子が配置される空間を示す図。
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1を示す概要斜視図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、後述する照明装置31から出射される光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、当該画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する投射型表示装置である。このプロジェクター1は、図1に示すように、外装を構成する外装筐体2を備える。
このプロジェクター1は、詳しくは後述するが、照明装置31を構成する波長変換装置5を備え、当該波長変換装置5は、波長変換素子52、流通装置55及び吸熱装置56と、これらを内部に収容する密閉型の筐体51と、を備え、当該筐体51内の冷却気体を流通装置55が循環させることにより、波長変換素子52が有する蛍光体層522を冷却することを特徴の1つとしている。
以下、プロジェクター1の構成について説明する。
[外装筐体の構成]
外装筐体2は、略直方体形状に形成されており、当該外装筐体2は、天面部21、底面部22、正面部23、背面部24、左側面部25及び右側面部26を有する。
天面部21には、一対の把手部211が設けられ、底面部22には、図示を省略するが、プロジェクター1が載置される載置面と接触する脚部が設けられている。また、正面部23には、後述する投射光学装置36の一部を露出させる開口部231が形成されている。更に、図示を省略するが、右側面部26には、外部の空気を導入する導入口が形成され、左側面部25には、外装筐体2内を流通した空気を排出する排気口が形成されている。
図2は、本実施形態に係るプロジェクター1の構成を示す模式図である。
プロジェクター1は、上記外装筐体2の他、図2に示すように、当該外装筐体2内に収容される画像投射装置である光学ユニット3を備える。この他、図示を省略するが、プロジェクター1は、当該プロジェクター1を制御する制御装置、光学部品等の冷却対象を冷却する冷却装置、及び、電子部品に電力を供給する電源装置を備える。
[光学ユニットの構成]
光学ユニット3は、照明装置31、色分離装置32、平行化レンズ33、画像形成装置34、色合成装置35及び投射光学装置36を備える。
これらのうち、照明装置31は、照明光WLを出射する。なお、照明装置31の構成については、後に詳述する。
色分離装置32は、照明装置31から入射される照明光WLを赤、緑及び青の色光LR,LG,LBに分離する。この色分離装置32は、ダイクロイックミラー321,322、反射ミラー323,324,325及びリレーレンズ326,327を備える。
ダイクロイックミラー321は、上記照明光WLから青色光LBと他の色光(緑色光LG及び赤色光LR)とを分離する。分離された青色光LBは、反射ミラー323によって反射されて、平行化レンズ33(33B)に導かれる。また、分離された当該他の色光は、ダイクロイックミラー322に入射される。
ダイクロイックミラー322は、当該他の色光から緑色光LGと赤色光LRとを分離する。分離された緑色光LGは、平行化レンズ33(33G)に導かれる。また、分離された赤色光LRは、リレーレンズ326、反射ミラー324、リレーレンズ327及び反射ミラー325を介して、平行化レンズ33(33R)に導かれる。
なお、平行化レンズ33(赤、緑及び青の各色光用の平行化レンズを、それぞれ33R,33G,33Bとする)は、入射される光を平行化する。
画像形成装置34(赤、緑及び青の各色光用の画像形成装置を、それぞれ34R,34G,34Bとする)は、それぞれ入射される上記色光LR,LG,LBを変調して、画像情報に応じた各色光LR,LG,LBによる画像光を形成する。これら画像形成装置34のそれぞれは、例えば、入射される光を変調する光変調装置としての液晶パネルと、当該液晶パネルの入射側及び射出側に配置される一対の偏光板と、を備えて構成される。
色合成装置35には、各画像形成装置34R,34G,34Bから入射される各色光LR,LG,LBの画像光を合成する。このような色合成装置35は、本実施形態では、クロスダイクロイックプリズムにより構成されている。
投射光学装置36は、色合成装置35にて合成された画像光をスクリーンSC1等の被投射面に拡大投射する。このような投射光学装置36として、例えば、鏡筒と、当該鏡筒内に配置される複数のレンズとにより構成される組レンズを採用できる。
[照明装置の構成]
図3は、照明装置31の構成を示す模式図である。
照明装置31は、上記のように、照明光WLを色分離装置32に向けて出射する。この照明装置31は、図3に示すように、光源装置4及び均一化装置6を有する。
光源装置4は、光源部41、アフォーカル光学系42、ホモジナイザー光学系43、第1位相差板44、偏光分離装置45、第2位相差板46、第1ピックアップレンズ47、拡散反射素子48、第2ピックアップレンズ49及び波長変換装置5を備える。
光源部41、アフォーカル光学系42、ホモジナイザー光学系43、第1位相差板44、偏光分離装置45、第2位相差板46、第1ピックアップレンズ47及び拡散反射素子48は、照明光軸Ax1上に配置されている。なお、偏光分離装置45は、照明光軸Ax1と、当該照明光軸Ax1に直交する照明光軸Ax2との交差部分に配置される。
光源部41は、複数のLD(Laser Diode)411、及び、各LD411に応じた平行化レンズ412を有し、アフォーカル光学系42に向けて青色光である励起光を出射する。なお、本実施形態では、各LD411は、例えばピーク波長が440nmの励起光を射出するが、ピーク波長が446nmの励起光を出射するLDを採用してもよく、ピーク波長が440nm及び446nmの励起光をそれぞれ出射するLDを混在させてもよい。これらLD411から出射された励起光は、平行化レンズ412により平行化されてアフォーカル光学系42に入射される。なお、本実施形態では、各LD411から出射される励起光は、S偏光光である。
アフォーカル光学系42は、光源部41から入射される励起光の光束径を調整する。このアフォーカル光学系42は、レンズ421,422を備える。このアフォーカル光学系42を通過した励起光は、ホモジナイザー光学系43に入射される。
ホモジナイザー光学系43は、後述する各ピックアップレンズ47,49と協同して、拡散反射素子48及び波長変換装置5のそれぞれの被照明領域における励起光の照度分布を均一化する。このホモジナイザー光学系43は、それぞれ複数の小レンズが光軸直交面内にマトリクス状に配列された一対のマルチレンズアレイ431,432を備える。このホモジナイザー光学系43から射出された励起光は、第1位相差板44に入射される。
第1位相差板44は、1/2波長板である。この第1位相差板44は、入射された励起光を透過させる過程にて、S偏光光の一部をP偏光光に変換する。これにより、第1位相差板44に入射された励起光は、S偏光光とP偏光光とが混在した光となって出射される。このように変換された励起光は、偏光分離装置45に入射される。
偏光分離装置45は、プリズム型のPBS(Polarizing Beam Splitter)であり、それぞれ略三角柱状に形成されたプリズム451,452が斜辺に応じた界面にて貼り合わされ、これにより略直方体形状に形成されている。この界面は、照明光軸Ax1及び照明光軸Ax2のそれぞれに対して略45°傾斜している。そして、偏光分離装置45において第1位相差板44側(すなわち光源部41側)に位置するプリズム451の界面には、偏光分離層453が形成されている。
偏光分離層453は、波長選択性の偏光分離特性を有する。具体的に、偏光分離層453は、励起光に含まれるS偏光光及びP偏光光のうち、一方を反射し、他方を透過させて、これら偏光光を分離する特性を有する。また、偏光分離層453は、波長変換装置5にて生じる蛍光光を偏光状態にかかわらず透過させる特性を有する。
このような偏光分離装置45により、第1位相差板44から入射された励起光のうち、P偏光光は、照明光軸Ax1に沿って第2位相差板46側に透過され、S偏光光は、照明光軸Ax2に沿って第2ピックアップレンズ49側に反射される。
第2位相差板46は、1/4波長板であり、入射される光を透過させる過程にて、当該光の偏光方向を回転させる。このため、偏光分離装置45から入射されたP偏光光は、偏光方向が回転された状態で第1ピックアップレンズ47に入射される。
第1ピックアップレンズ47は、第2位相差板46を透過して入射される励起光を拡散反射素子48に集光させる。なお、本実施形態では、第1ピックアップレンズ47を構成するレンズの数は3としているが、これに限らず、当該レンズの数は問わない。
拡散反射素子48は、後述する波長変換装置5にて生成及び反射される蛍光光と同様に、入射される励起光を拡散反射させる。この拡散反射素子48としては、入射光束をランバート反射させる反射部材を例示できる。
このような拡散反射素子48にて拡散反射された励起光は、第1ピックアップレンズ47を介して再び第2位相差板46に入射される。この励起光の偏光方向は、第2位相差板46を透過する過程にて更に回転され、当該励起光は、S偏光光に変換される。そして、当該励起光は、偏光分離装置45の偏光分離層453によって反射され、均一化装置6に入射される。
第2ピックアップレンズ49及び波長変換装置5は、上記照明光軸Ax2上に配置されている。
第2ピックアップレンズ49は、第1位相差板44から偏光分離層453を介して励起光のS偏光成分が入射される。この第2ピックアップレンズ49は、当該励起光を、波長変換装置5に集光させる。なお、本実施形態では、第2ピックアップレンズ49を構成するレンズの数は、上記第1ピックアップレンズ47と同様に3としているが、これに限らず、当該レンズの数は問わない。
波長変換装置5は、入射される励起光によって蛍光光を生じさせるものである。このような波長変換素子52により生じた蛍光光は、第2ピックアップレンズ49を介して偏光分離装置45の偏光分離層453に入射される。この蛍光光は、非偏光光であるが、上記のように偏光分離層453は波長選択性の偏光分離特性を有することから、当該蛍光光は偏光分離層453を透過して、均一化装置6に入射される。なお、波長変換装置5の構成については、後に詳述する。
このように、光源部41から出射されて偏光分離装置45に入射された励起光のうちP偏光光は、上記拡散反射素子48に入射されることによって拡散されるとともに、第2位相差板46を2回透過する過程でS偏光光に変換され、偏光分離装置45によって均一化装置6側に反射される。
一方、上記励起光のうちS偏光光は、波長変換装置5によって蛍光光に波長変換された後、偏光分離装置45を介して均一化装置6側に出射される。
すなわち、励起光の一部である青色光と蛍光光(緑色光及び赤色光が含まれる光)とは、偏光分離装置45にて合成され、白色の照明光WLとして均一化装置6に入射される。
[均一化装置の構成]
図3に示す均一化装置6は、被照明領域である各画像形成装置34(34R,34G,34B)に入射される光束の光軸直交面内の照度を均一化する他、偏光方向を揃える機能を有する。この均一化装置6は、第1レンズアレイ61、第2レンズアレイ62、偏光変換素子63及び重畳レンズ64を備える。
第1レンズアレイ61は、第1レンズ611が光軸直交面内にてマトリクス状に配列された構成を有し、入射される光束(照明光WL)を複数の部分光束に分割する。
第2レンズアレイ62は、第1レンズ611に対応する第2レンズ621が光軸直交面内にてマトリクス状に配列された構成を有する。これら第2レンズ621は、各第1レンズ611により分割された複数の部分光束を、重畳レンズ64とともに各画像形成装置34に重畳させる。
偏光変換素子63は、第2レンズアレイ62と重畳レンズ64との間に配置され、上記複数の部分光束の偏光方向を揃える。この偏光変換素子63によって偏光方向が揃えられた複数の部分光束により形成される照明光WLは、重畳レンズ64を介して、上記色分離装置32に入射される。
[波長変換装置の構成]
図4は、波長変換装置5の外観を示す斜視図であり、図5は、波長変換装置5を示す断面図である。更に、図6は、図5における波長変換装置5のA−A線における断面図であり、図7は、図5における波長変換装置5のB−B線における断面図である。
波長変換装置5は、図3〜図7に示すように、筐体51を備える他、図4〜図7に示すように、当該筐体51内にそれぞれ配置される波長変換素子52、回転装置53、取付部材54及び流通装置55と、一部の構成が筐体51内に配置され、他の構成が筐体51外に配置される吸熱装置56と、を備える。
これらのうち、吸熱装置56は、受熱器561(図5及び図7)と、図4に示すように、複数のヒートパイプ562、ラジエター563及び冷却ファン564と、を有する。このような吸熱装置56の構成については、後に詳述する。
以下の説明では、波長変換装置5に対する上記励起光の進行方向を+Z方向とし、当該+Z方向にそれぞれ直交し、かつ、互いに直交する方向を+X方向及び+Y方向とする。これらのうち、+X方向を、筐体51に対してラジエター563が位置する方向とし、+Y方向を、+Z方向及び+X方向のそれぞれに直交し、かつ、+Z方向側から見て流通装置55及び受熱器561から波長変換素子52に向かう方向とする。また、説明の便宜上、+Z方向の反対方向を−Z方向とする。−X方向及び−Y方向も同様である。
なお、本実施形態では、波長変換素子52は、後述する回転装置53により+Z方向に沿う回転軸を中心として回転されるので、+Z方向は、本発明の第1方向に相当する。また、波長変換素子52を+Z方向側から見た場合に、当該+Z方向に直交する+Y方向を12時方向として見た場合に、+X方向は9時方向となる。このため、+Y方向は、本発明の第2方向に相当し、+X方向は、本発明の第3方向に相当する。
[筐体の外部構成]
筐体51は、波長変換素子52、回転装置53、取付部材54及び流通装置55と、吸熱装置56を構成する受熱器561と、を収容する収納空間Sが内部に形成された密閉筐体である。この筐体51は、図4に示すように、−Z方向側から見て+Y方向側が略半円形状に形成され、−Y方向側が略矩形に形成されている。
このような筐体51は、−Z方向側に位置する側面部51A、+Z方向側に位置する側面部51B、+X方向側に位置する側面部51C、−X方向側に位置する側面部51D、+Y方向側に位置する側面部51E、及び、−Y方向側に位置する側面部51Fを有する。これらのうち、側面部51Aは、第1側面部に相当し、当該側面部51Aに交差する側面部51C〜51Eは、第2側面部に相当する。
側面部51Aは、筐体51において光入射側の側面部である。この側面部51Aには、上記第2ピックアップレンズ49を構成する複数のレンズのうち、波長変換素子52に最も近いレンズが嵌め込まれる開口部511が形成されている。
側面部51Cには、後述する吸熱装置56を構成するヒートパイプ562が挿通される複数の孔512が形成されている。
側面部51Eは、−Z方向側から見て円弧状に形成された部分である。
[筐体の内部構成]
筐体51は、図5に示すように、収納空間Sを区画して空間S1〜S4を形成する第1隔壁513、第2隔壁514及び第3隔壁515を内部に有する。
第1隔壁513は、筐体51の内部において側面部51Aから所定の間隔を隔てた位置に、側面部51C〜51Fの内面と接続されるようにXY平面に沿って形成されている。この第1隔壁513と、側面部51A,51C〜51Fの内面とに囲まれる空間S3(第2空間)内には、+Y方向側の位置に波長変換素子52と回転装置53における−Z方向側の部位とが配置され、−Y方向側の位置に受熱器561における−Z方向側の部位が配置される。すなわち、第1隔壁513は、波長変換素子52を挟んで側面部51Aと対向配置され、側面部51C〜51Fの内面と接続される。
この第1隔壁513において波長変換素子52に応じた位置には、開口部5131が形成されている。この開口部5131の開口形状は、図6及び図7に示すように、基板521の回転範囲と略一致する。すなわち、開口部5131は、基板521の回転時の外形に応じた略円形状に形成されており、当該開口部5131の内径寸法は、波長変換素子52(基板521)の回転時の直径寸法と略一致する。そして、開口部5131の中心位置と、波長変換素子52(基板521)の中心位置とは略一致する。
第1隔壁513における−Y方向側の部位には、図7に示すように、受熱器561の外形形状と略一致する略矩形状の開口部5132が形成されている。この開口部5132の開口面積は、受熱器561の断面積と略一致しており、当該開口部5132には、当該受熱器561が嵌合される。
第2隔壁514は、図5に示すように、第1隔壁513に対する+Z方向側で、かつ、筐体51の+Y方向における略中央の位置に、XZ平面に沿って形成されている。すなわち、第2隔壁514は、第1隔壁513に対して略直交するように当該第1隔壁513と接続されている他、側面部51B〜51Dの内面に接続されている。この第2隔壁514と、第1隔壁513と、側面部51B〜51Eの内面とに囲まれる空間S2(第1空間)内には、回転装置53における+Z方向側の部位と取付部材54とが配置される他、図6に示すように、流通装置55における+Y方向側の一部が配置される。
ここで、側面部51C〜51Eの内面により、図6及び図7に示すように、+Z方向側から見て波長変換素子52の中心C1(略円形状の基板521の中心C1)から+X方向に位置した中心C2を中心とする円弧状部516が形成されている。すなわち、波長変換素子52を囲む側面部51C〜51Eは、当該中心C2を中心とする円弧状部516を有する。これら側面部51C〜51Eの内面と、上記第2隔壁514における+Y方向側の面と、側面部51Bの内面とによって、上記空間S2が形成されている。このため、当該空間S2は、+Z方向側から見て円形と矩形とを組み合わせたような形状の空間となる。
なお、側面部51Cの内面における+Y方向側の領域は、YZ平面に沿う平坦面であり、第2隔壁514と略直交している。また、当該側面部51Cと対向する側面部51Dの内面における+Y方向側の領域も、YZ平面に沿う平坦面であるが、当該内面には、第2隔壁514の+Y方向側の面と接続される円弧状の傾斜面51D1が形成されている。この傾斜面51D1は、波長変換素子52(基板521)の周方向に沿うものの、当該波長変換素子52から離間して形成されている。このため、波長変換素子52と側面部51D,51Eとが最も近接する領域から、当該波長変換素子52(基板521)を冷却した冷却気体が排出されやすくなっている。
第3隔壁515は、図5に示すように、第2隔壁514に対して−Y方向側の空間を、+Z方向側の空間S1と、−Z方向側の空間S4とに区画する。この第3隔壁515は、第2隔壁514に対して−Y方向側の位置で、第1隔壁513と側面部51Bの内面との間に、XY平面に沿って形成されている。すなわち、第3隔壁515は、第1隔壁513と平行に形成され、第2隔壁514と側面部51C,51D,51Fの内面とに接続されている。この第3隔壁515と、第1隔壁513及び第2隔壁514と、側面部51C,51D,51Fの内面とにより囲まれる空間S4には、図5及び図7に示すように、受熱器561における+Z方向側の部位が配置される。また、第3隔壁515と、第2隔壁514と、側面部51B〜51D,51Fの内面とにより囲まれる空間S1内には、図5及び図6に示すように、流通装置55における−Y方向側の部位が配置される。
なお、図5に示すように、第2隔壁514において上記受熱器561に応じた位置には、空間S2,S4を連通させる開口部5141が形成されている。
また、第3隔壁515の略中央で受熱器561及び流通装置55の吸気口552に応じた位置には、空間S4と空間S1とを連通させる開口部5151が形成されている。
更に、図5及び図6に示すように、第2隔壁514において開口部5141より+Z方向側の位置で、かつ、+X方向側の位置には、流通装置55の吐出部553が配置される開口部5142が形成されている。
[波長変換素子の構成]
波長変換素子52は、励起光の入射に応じて上記蛍光光を生成及び出射する。この波長変換素子52は、図5に示すように、側面部51Aの内面との間に所定の隙間が形成されるように上記空間S3内に配置される。
このような波長変換素子52は、図3及び図5に示すように、後述する回転装置53によって回転される基板521を有し、当該基板521は、蛍光体層(波長変換層)522、反射層523、接続部524及び複数のフィン525を有する。
これらのうち、基板521は、図6及び図7に示すように、+Z方向側から見て略円形状に形成されている。この基板521は、熱伝導性を有する部材によって形成されており、本実施形態では金属により形成されている。
蛍光体層522及び反射層523は、図3及び図5に示すように、基板521おいて励起光の入射側(−Z方向側)の面521A(第2面)にそれぞれ位置する。
蛍光体層522は、入射された励起光により励起されて蛍光光(例えば500〜700nmの波長域の光)を出射する蛍光体を含む。この蛍光体層522に励起光が入射されると、当該蛍光光の一部は、上記第2ピックアップレンズ49側に出射され、他の一部は、反射層523側に出射される。
反射層523は、蛍光体層522と基板521との間に配置され、当該蛍光体層522から入射される蛍光光を第2ピックアップレンズ49側に反射させる。
接続部524及び複数のフィン525は、図5〜図7に示すように、上記面521Aとは反対側(+Z方向側)の面521B(第1面)に位置する。
接続部524は、面521Bの中央に位置し、回転装置53が接続される部位である。
複数のフィン525は、接続部524の周囲に形成されている。詳述すると、複数のフィン525は、面521Bにおいて接続部524の外側の領域に、中央側の位置から外側に向かってそれぞれ延出するように形成されている。これらフィン525は、基板521の中心から外側に向かって直線状に形成されているのではなく、当該外側に向かうに従って、回転装置53による基板521の回転方向(D方向)とは反対側に反るように湾曲する円弧状に形成されている。すなわち、各フィン525は、放射状に延出しているのではなく、基板521を半周しない程度にD方向とは反対方向に渦を巻く渦巻状に形成されている。これらフィン525には、基板521を介して、上記蛍光体層522にて生じた熱が伝導される。そして、当該フィン525は、後述する流通装置55によって流通される冷却気体との間で熱交換が行われ、これにより、当該フィン525、ひいては、蛍光体層522が冷却される。
[回転装置の構成]
回転装置53は、図5〜図7に示すように、波長変換素子52の中心C1を通り、かつ、+Z方向に沿う回転軸RAを中心として回転させるモーター等により構成されている。この回転装置53は、波長変換素子52に対して+Z方向側に位置して上記接続部524と接続され、図6及び図7に示すように、当該波長変換素子52を+Z方向側から見て反時計回りの方向であるD方向に回転させる。この波長変換素子52の回転により、蛍光体層522において上記励起光が入射される位置が変更されることにより、当該蛍光体層522にて熱が生じる部位が分散され、当該蛍光体層522において局所的に高熱が生じることが抑制される他、冷却気体との熱交換が促進される。
[取付部材の構成]
取付部材54は、一端が回転装置53と接続され、他端が筐体51における+Z方向側の側面部51Bの内面に固定され、これにより、筐体51内に回転装置53を取り付ける。この取付部材54は、図6及び図7に示すように、後述する流通装置55によって吐出される冷却気体の流通を妨げないように、+Z方向に沿う中心軸を有する円柱状に形成されている他、+Z方向側から見て、上記フィン525の内側に位置するように配置される。なお、取付部材54は、角柱状に形成されていてもよく、この場合には、当該取付部材54の断面は、冷却気体の流通を妨げない点で言うと、より角部が多い多角形状であることが好ましい。
[流通装置の構成]
流通装置55は、本発明の送出装置及び吸引装置に相当し、筐体51内の冷却気体を循環させて、当該冷却気体を波長変換素子52(詳しくは上記複数のフィン525)に流通させる。この流通装置55は、+Z方向側から見て、波長変換素子52に対して−Y方向側に位置し、本実施形態ではシロッコファンにより構成されている。
流通装置55は、図5及び図6に示すように、上記空間S1,S2に跨って配置される。具体的に、流通装置55は、第3隔壁515と当接される面551に位置して冷却気体を吸引する吸気口552が、第3隔壁515の開口部5151に応じた位置となるように、当該第3隔壁515に対向配置される。そして、当該流通装置55において、冷却気体を吐出する吐出口554を有する吐出部553は、図6に示すように、空間S2内に位置する。
このような流通装置55により、後述する受熱器561が位置する空間S4から吸引された冷却気体は、空間S2内に位置する吐出口554から吐出されて当該空間S2内を流通し、上記開口部5131を介して、波長変換素子52の面521Bに流通される。
ここで、上記吐出部553(吐出口554)は、図6に示すように、上記波長変換素子52の中心C1を通り、かつ、+Y方向に沿って延出して上記円弧状部516と交差する仮想線VLに対して+X方向にずれて配置されている。このため、+Z方向側から見て矢印ALに示すように、冷却気体は、波長変換素子52に対して+X方向側に偏って吐出口554から送出された後、円弧状部516と波長変換素子52の面521Bに沿って時計回りに流通する。すなわち、面521Bに沿って流通する冷却気体の流通方向は、基板521の回転方向とは反対方向である。そして、当該冷却気体は、上記複数のフィン525に取り込まれ、当該複数のフィン525を冷却した後、基板521の回転によって空間S3内に放射状に排出される。
なお、波長変換素子52を冷却した冷却気体は、流通装置55の吸引力によって空間S3を−Y方向側に流通し、吸熱装置56を構成する受熱器561内を流通する。
[吸熱装置の構成]
吸熱装置56は、上記流通装置55によって筐体51内を循環する冷却気体から吸熱し、吸熱した熱を筐体51外に放出して、筐体51内の温度を低くするものである。この吸熱装置56は、図5及び図7に示すように、受熱器561(図6及び図7)及び複数のヒートパイプ562を備える他、図4に示すように、それぞれ筐体51外に配置されるラジエター563及び冷却ファン564と、を有する。
受熱器561は、冷却気体の熱を受熱(吸熱)するものであり、上記のように、筐体51内の空間S3,S4に跨るように配置されている。詳述すると、受熱器561は、図5に示すように、−Z方向側の部位が上記開口部5132に嵌め込まれ、+Z方向側の端部が上記第3隔壁515における−Z方向側の面に接触している。このように、流通装置55によって吸引される冷却気体の略全ては、受熱器561内を流通した冷却気体である。
このような受熱器561は、図7に示すように、Y方向(詳しくはYZ平面)に沿って延出する板状の複数のフィン5611により構成されている。これらフィン5611は、所定の隙間を隔てて+X方向に沿って並列配置されており、各フィン5611間には、冷却気体が流通する流路が形成されている。そして、受熱器561は、当該冷却気体から受熱し、当該冷却気体を冷却する。
ここで、受熱器561における+Y方向側の部位は、上記第1隔壁513の開口部5132の端縁のうち+Y方向側の端縁と接触している。また、受熱器561に対する+Y方向側に位置し、かつ、第1隔壁513と略直交する第2隔壁514は、受熱器561に応じた位置に開口部5141を有する。このため、流通装置55の吸引力によって、受熱器561には、空間S2内の冷却気体の一部が流入する他、空間S3から波長変換素子52を冷却した冷却気体が流入する。そして、これら冷却気体は、流通装置55によって吸引される。すなわち、受熱器561は、空間S2内の冷却気体の一部が流入して、流通装置55側に流通する第1流路FP1と、空間S3から波長変換素子52を冷却した冷却気体が流入して、流通装置55側に流通する第2流路FP2と、を有する。
なお、第2流路FP2の流路長は、第1流路FP1の流路長より長い。このことから、第2流路FP2を流通する比較的温度が高い冷却気体から十分に受熱可能な流路長を確保できる。
複数のヒートパイプ562(5621,5622)は、受熱器561に伝導された熱をラジエター563に伝導する熱伝導部材である。これらヒートパイプ562は、図5及び図7に示すように、一端が筐体51内の受熱器561と接続され、図4に示すように、他端が筐体51外のラジエター563と接続される。本実施形態では、ヒートパイプ562は3本設けられているが、ヒートパイプ562の数は適宜変更可能である。
ここで、上記第2流路FP2を流通する冷却気体の温度は、上記第1流路FP1を流通する冷却気体の温度より高い。このため、第2流路FP2に伝導される熱量は、第1流路FP1に伝導される熱量より高い。このことから、第1流路FP1より第2流路FP2に伝導された熱を、筐体51外により効率よく伝導させる必要がある。
これに対し、本実施形態では、第2流路FP2に設けられるヒートパイプ562(第2流路FP2にて伝導された熱を筐体51外に伝導するヒートパイプ562)の受熱器561に対する接触面積を、第1流路FP1に設けられるヒートパイプ562(第1流路FP1にて伝導された熱を筐体51外に伝導するヒートパイプ562)の受熱器561に対する接触面積より大きくしている。
具体的に、第2流路FP2に設けられるヒートパイプ5622の数は、第1流路FP1に設けられるヒートパイプ5621の数より多い。詳述すると、第1流路FP1には1本のヒートパイプ5621が設けられるのに対し、第2流路FP2には2本のヒートパイプ5622が設けられる。これにより、第1流路FP1及び第2流路FP2に伝導された熱を、少ないヒートパイプ562の数で筐体51外に効率よく伝導できる。
ラジエター563は、図4に示すように、ヒートパイプ562を介して伝導される受熱器561の熱を筐体51外にて放熱する。このラジエター563は、熱伝導性を有する金属により形成された複数のフィン5631を有し、上記ヒートパイプ562の他端は、これらフィン5631を貫通するように配置される。
冷却ファン564は、ラジエター563に冷却気体(外装筐体2内に導入された外気)を流通させて当該ラジエター563に伝導された熱を放出させるものであり、本実施形態では軸流ファンにより構成されている。この冷却ファン564が駆動されると、冷却気体が吸引されることにより、当該冷却気体がラジエター563に供給され、当該ラジエター563が冷却される。このようなラジエター563の冷却に供された冷却気体は、冷却ファン564によって吸引されて排出され、図示しないファンにより、外装筐体2に形成された排気口を介して当該外装筐体2外に排出される。なお、冷却ファン564は、シロッコファンにより構成されてもよい。
[筐体内における冷却気体の循環流路]
図8は、筐体51内における冷却気体の循環流路を示す模式図である。
上記のように、筐体51内の冷却気体は、流通装置55によって循環される。
具体的に、空間S1内に位置する流通装置55から空間S2内に吐出された冷却気体は、図8における矢印F1に示すように、空間S3内に位置する波長変換素子52における+Z方向側の面521Bに、第1隔壁513の開口部5131を介して流通する。
波長変換素子52に流通した冷却気体は、当該面521Bに位置する複数のフィン525間に侵入する。この際、各フィン525に伝導された蛍光体層522の熱が、当該冷却気体に伝導され、当該各フィン525、ひいては、蛍光体層522が冷却される。
波長変換素子52を冷却した冷却気体は、矢印F2に示すように、回転装置53による波長変換素子52の回転によって、+Z方向側から見て上記中心C1を中心として放射状に、各フィン525の間から空間S3内に放出される。
波長変換素子52から空間S3内に放出された冷却気体は、第1隔壁513によって、空間S2側に流通することが妨げられる一方で、流通装置55の吸引力によって、当該空間S3内を−Y方向側に流通し、受熱器561内に流入される。この冷却気体は、矢印F3に沿って上記第2流路FP2を流通し、空間S4と空間S1とを連通させる開口部5151を介して、流通装置55に流入される。
また、当該流通装置55の吸引力によって、空間S2内の一部の冷却気体は、矢印F4に添って、第2隔壁514の開口部5141を介して空間S4に位置する受熱器561内に流入される。そして、当該一部の冷却気体は、上記第1流路FP1を流通し、上記開口部5151を介して、流通装置55に流入される。これにより、流通装置55から吐出されて波長変換素子52に流通する冷却気体の温度をより下げることができる。
なお、上記のように、受熱器561に伝導された熱は、ヒートパイプ562を介してラジエター563に伝導されて、筐体51外に放出される。
[波長変換素子が位置する空間に排出された冷却気体の流れ]
図9は、波長変換装置5の比較例としての波長変換装置5Xにおいて、空間S3を+X方向側から見た図である。
ここで、本実施形態における波長変換装置5の比較例となる波長変換装置5Xにおいて、波長変換素子52(基板521)を冷却した冷却気体の流れを、図9を用いて説明する。なお、以下の説明では、基板521の冷却に供されて当該基板521から排出される冷却気体を、冷却後気体と略す。
波長変換装置5Xは、詳しい図示を省略するが、波長変換素子52、回転装置53及び取付部材54の配置位置が異なる他は、上記波長変換装置5と同様の構成を有する。
この波長変換装置5Xでは、図9に示すように、波長変換素子52(基板521)の中心C1と、円弧状部516の円弧の中心C2とは、+Y方向に沿う同一の仮想線VLY上に位置する。すなわち、中心C2は、中心C1に対して+X方向及び−X方向のいずれにも位置しておらず、当該中心C1に対して−Y方向側に位置している。なお、側面部51Eの円弧の半径r2は、基板521の回転時の半径r1より大きく設定されており、基板521は、+Z方向側から見て反時計回りの方向であるD方向に回転される。
このような波長変換装置5Xでは、空間S3において、中心C1に対して+X方向側に位置する側面部51E,51Cと基板521との間の領域である第1領域AR1と、中心C1に対して−X方向側に位置する側面部51E,51Dと基板521との間の領域である第2領域AR2とは、大きさが同じとなる。具体的に、第1領域AR1における+X方向に沿う寸法L1と、第2領域AR2における−X方向に沿う寸法L2とは、同じ寸法となる。
このため、流通装置55による冷却後気体の吸引方向である−Y方向に沿って第1領域AR1を流通する冷却後気体の流速が、第2領域AR2を流通する冷却後気体の流速より高くなるものの、基板521と側面部51C〜51Eとの間の距離が最も短くなる領域AR3(基板521に対して+Y方向側の領域AR3)に、冷却後気体は、停滞しやすく、−Y方向に流通しにくい。このような停滞箇所である領域AR3の冷却後気体が排出されないと、比較的温度が高い冷却後気体に基板521が常に晒されることとなり、当該基板521の冷却効率が低下する。
図10は、波長変換装置5において、空間S3を+X方向側から見た図である。
これに対し、波長変換装置5では、図10に示すように、側面部51Eの円弧の半径r2は、基板521の回転時の半径r1より大きく設定されている。
そして、波長変換素子52(基板521)の中心C1と、側面部51Eの円弧の中心C2とは、+X方向に沿う同一の仮想線VLX上に位置する。すなわち、中心C2は、中心C1に対して+X方向側に位置している。このため、基板521と、当該基板521を囲む側面部51C〜51Eとが最も近接する領域は、当該基板521に対して−X方向側に位置する領域AR2と少なくとも一部が重なる。
また、空間S3において上記寸法L1は、寸法L2より大きくなり、上記第1領域AR1は、上記第2領域AR2より大きくなる一方で、第2領域AR2は、−Y方向側に開いた領域となる。更に、基板521が、+Z方向側から見て反時計回りの方向であるD方向に回転されること、及び、流通装置55による冷却後気体の吸引方向が−Y方向であることから、第1領域AR1を流通する冷却後気体の流速は、第2領域AR2を流通する冷却後気体の流速より高くなる。
これによれば、第1領域AR1と第2領域AR2とで、大きさ及び流通する冷却後気体の流速が異なることから、基板521と側面部51C〜51Eとの距離が最も近くなる領域に排出される冷却後気体が、当該第1領域AR1及び第2領域AR2の一方に流通しやすくなる。本実施形態では、当該冷却後気体は、停滞しやすい箇所と少なくとも一部が重なり、かつ、−Y方向側に開いた第2領域AR側に流通しやすくなる。このため、上記領域AR3のような停滞箇所が生じることを抑制でき、発生する場合でも当該停滞箇所を小さくできる。これにより、冷却後気体を、第1領域AR1及び第2領域AR2から−Y方向側に流通させやすくすることができ、当該冷却後気体を速やかに排出できる。従って、筐体51の小型化を図りつつ、基板521、ひいては、蛍光体層522の冷却効率を向上させることができる。
[実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1によれば、以下の効果がある。
側面部51C〜51Eが有する円弧状部516の円弧の半径r2は、波長変換素子52の基板521の回転時の半径r1より大きく設定され、当該円弧状部516の円弧の中心C2は、波長変換素子52の基板521の中心C1に対して+X方向側に位置している。これによれば、上記のように、基板521と側面部51C〜51Eとの間で冷却後気体が停滞することを抑制できる。従って、回転される基板521の周方向に沿うように側面部51C〜51Eを形成して、筐体51の小型化を図りつつ、基板521、ひいては、蛍光体層522の蛍光体の冷却効率を向上させることができる。
筐体51は、基板521を挟んで側面部51Aと対向し、側面部51C〜51Eと接続される第1隔壁513を有し、当該第1隔壁513は、フィン525が形成された基板521の面521Bに冷却気体を流通させる開口部5131を有する。この開口部5131の開口形状は、基板521の回転範囲と略一致する。これによれば、基板521を冷却して放射状に排出された空気が、当該基板521の回転によって吸引されて、熱を帯びたまま再度、面521B側に流通されることを抑制できる。従って、熱を帯びた冷却気体が基板521に流通することを抑制できるので、基板521、ひいては、蛍光体層522の蛍光体を効率よく冷却できる。
基板521が複数のフィン525を有することにより、当該複数のフィン525が無い場合に比べて、基板521における冷却気体との接触面積を大きくすることができる。従って、基板521の熱を冷却気体に効率よく伝導させることができ、基板521の冷却効率を一層向上させることができる。
また、複数のフィン525のそれぞれは、基板521の中心側から外側に向かうに従って、当該基板521の回転方向とは反対側に反る形状を有する。これによれば、熱を帯びた冷却気体を基板521から放射状に排出させやすくすることができる。
なお、冷却気体は、基板521の回転方向とは反対方向に流通するので、例えば、上記部位521C,521Dにて、冷却気体は、各フィン525と対向するように衝突する。これによれば、各フィン525を冷却気体により効率よく冷却できる。従って、基板521、ひいては、蛍光体をより効率よく冷却できる。
筐体51は密閉筐体であるので、塵埃が筐体51内に侵入することを抑制できる。従って、光源部41から出射された励起光の利用効率の低下を抑制できる他、信頼性の高い波長変換装置5を構成できる。
また、筐体51内に設けられた受熱器561が、基板521を冷却した冷却気体から受熱することにより、密閉筐体である筐体51内の冷却気体の温度を下げることができ、ひいては、基板521に流通される冷却気体の温度を下げることができる。従って、基板521の冷却効率を一層高めることができる。
吸熱装置としても機能する流通装置55は、+Z方向側から見た場合に、基板521に対して−Y方向側に位置し、当該基板521の回転によって排出された冷却後気体を吸引する。これによれば、基板521から排出されて空間S3を流通する冷却後気体の流通方向を−Y方向に規定できる。従って、冷却後気体を、上記第1領域AR1及び第2領域AR2から−Y方向に流通させやすくすることができ、当該冷却後気体を速やかに排出できるので、上記効果をより好適に奏することができる。
また、流通装置55は、送出装置としての機能だけでなく、吸引装置としての機能も有することにより、部品点数を増加させることなく、筐体51内の冷却気体を循環させることができ、上記効果を好適に奏することが可能となる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
側面部51C〜51Eにより形成される円弧状部516の円弧の中心C2は、波長変換素子52(基板521)の中心C1に対して、+X方向側にずれているとした。換言すると、波長変換素子52(基板521)は、中心C2に対して中心C1が−X方向側にずれるように、側面部51C〜51Eによって囲まれる空間S3内に配置されるとした。しかしながら、中心C1に対して中心C2は、−X方向側にずれていてもよい。更に、当該中心C2は、中心C1に対して+Y方向側及び−Y方向側のいずれかにずれていてもよい。
波長変換装置5は、第2ピックアップレンズ49から励起光が入射されることによって蛍光体層522にて生成された蛍光光を当該第2ピックアップレンズ49に反射させる反射層523を有する構成とした。すなわち、波長変換装置5は、励起光の入射によって生成された蛍光光を反射させる反射型の波長変換装置であった。これに対し、上記波長変換装置5を、生成された蛍光光が波長変換素子52に入射される励起光の進行方向に沿って出射される透過型の波長変換素子として構成してもよい。この場合、例えば、反射層523に代えて、励起光を透過し、蛍光光を反射させる波長選択性の反射層を、蛍光体層522に対する励起光の入射側に配置させ、基板521を光透過性の基板とする他、面521Bにおいて励起光の入射位置に応じた部位に上記フィン525を設けずに、更に、+Z方向側の側面部51Bに、生成された蛍光光が出射される開口部を形成する。なお、蛍光体層522は、フィン525が位置する面521Bに位置していてもよい。このような構成とすることにより、当該透過型の波長変換装置を構成できる。なお、このような波長変換装置では、蛍光光が出射される側面部51Bの開口部を透光性部材によって閉塞することにより、筐体51の密閉性が保たれる。
波長変換装置5では、波長変換素子52(基板521)を回転させる回転装置53は、筐体51内に収容されるとした。これに対し、例えば、回転装置53を構成するモーターのモーター本体を筐体51外に配置し、当該モーター本体から延出して基板521の接続部524に接続されるスピンドルを筐体51内に配置してもよい。
流通装置55は、空間S1,S2内に配置されるシロッコファンにより構成され、空間S4に位置する受熱器561を流通した冷却気体を吸引し、空間S2を介して、空間S3に位置する波長変換素子52(基板521)に冷却気体を流通させるとした。しかしながら、流通装置55の配置位置は筐体51内のどこでもよく、例えば空間S2内でもよい。
また、流通装置55は、シロッコファンでなくてもよく、波長変換素子52(基板521)に冷却気体を流通させることができれば、軸流ファン等、他の送出手段を有する構成であってもよい。
更に、流通装置55は、送出装置及び吸引装置として機能するとしたが、送出装置及び吸引装置をそれぞれ個別に設けてもよい。
筐体51は、当該筐体51内の収納空間Sを、空間S1〜S4に区画する隔壁513〜515を有するとした。しかしながら、第2隔壁514及び第3隔壁515は無くてもよい。この場合、冷却気体の循環方向において、流通装置55から波長変換素子52までの空間が第1空間となり、波長変換素子52から流通装置55までの空間が第2空間となる。また、筐体51が第3隔壁515を有し、かつ、第1隔壁513に受熱器561における+Y方向側の端縁、更に、+X方向側及び−X方向側の端縁が接する場合には、当該第1隔壁513は、側面部51Fの内面に接続されていなくてもよい。更に、波長変換素子52(基板521)に流通する冷却気体と、当該波長変換素子52から排出される冷却気体とが衝突しなければ、第1隔壁513は無くてもよい。
加えて、筐体51は、密閉筐体であるとしたが、密閉筐体でなくてもよい。
第1隔壁513が有する開口部5131の開口形状は、基板521の回転範囲と略一致するとした。すなわち、開口部5131の中心は、+Z方向側から見て基板521の中心C1と略一致し、開口部5131の内径寸法は、基板521の回転時の直径寸法と略一致するとした。しかしながら、開口部5131の内径寸法は、基板521の回転時の直径寸法より小さくてもよく、開口部5131の中心と基板521の中心C1とは、ずれていてもよい。更に、開口部5131の開口面の大きさ(開口部5131の端縁によって囲まれる仮想面の面積)は、基板521の回転範囲より小さくても大きくてもよい。例えば、開口部5131の端縁と基板521との間の隙間から、当該基板521を冷却した冷却気体が面521B側に再度流通しなければ、開口部5131の内径寸法は、基板521の回転時の直径寸法より大きくてもよい。
基板521において、流通装置55により冷却気体が流通される面521Bには、当該基板521の中心側から外側に向けて延出する複数のフィン525が配置されていた。これに対し、基板521を冷却した気体を放射状に排出できれば、このようなフィン525は無くてもよい。また、フィン525の形状は、外側に向かうに従って基板521の回転方向(D方向)とは反対方向に反る形状でなくてもよい。例えば、各フィン525は、中心側から外側に向かって直線状に延出していてもよい。
筐体51内には、流通する冷却気体から受熱する受熱器561が空間S4に配置され、受熱器561に伝導された熱は、熱伝導部材としてのヒートパイプ562によって、筐体51外に配置されたラジエター563に伝導されるとした。このような受熱器561は、他の位置に配置されてもよく、例えば空間S3内に配置されていてもよい。更に、熱伝導部材として採用されるヒートパイプ562の数は適宜変更可能であり、第1流路FP1及び第2流路FP2に同数のヒートパイプ562を配置してもよく、第1流路FP1に多くのヒートパイプ562を配置してもよい。加えて、ヒートパイプ562に代えてペルチェ素子(熱電素子)を採用してもよい。
また、受熱器561は、空間S2内の冷却気体が流通する第1流路FP1と、波長変換素子52を冷却して空間S3から冷却気体が流通する第2流路FP2とを有するとした。しかしながら、これに限らず、第1流路FP1は無くてもよい。
波長変換装置5では、第2流路FP2に配置される第2熱伝導部材としてのヒートパイプ5622の受熱器561に対する接触面積を、第1流路FP1に配置される第1熱伝導部材としてのヒートパイプ5621の受熱器561に対する接触面積より大きくするために、ヒートパイプ5622の数を、ヒートパイプ5621の数より多くした。これに対し、ヒートパイプ5622の径寸法をヒートパイプ5621より大きくすることにより、受熱器561との接触面積を調整してもよい。
また、熱伝導部材として上記ペルチェ素子が採用される場合には、当該ペルチェ素子の大きさ及び数を調整することにより、第2流路FP2に配置されるペルチェ素子の受熱器561に対する接触面積を、第1流路FP1に配置されるペルチェ素子の受熱器561に対する接触面積より大きくしてもよい。
波長変換装置5、筐体51内を循環する冷却気体の温度を下げる吸熱装置56を備え、当該吸熱装置56は、受熱器561、ヒートパイプ562、ラジエター563及び冷却ファン564を有する構成とした。このような吸熱装置56の構成は、他の構成でもよく、更に、温度が比較的低い冷却気体を波長変換素子52に供給し続けることが可能であれば、吸熱装置56は無くてもよい。
波長変換素子52を冷却する冷却気体は、基板521の回転方向とは反対方向に、当該基板521の面521Bに沿って流通するとした。これに対し、波長変換装置が、基板521に流通する冷却気体と、当該基板521を冷却した冷却気体とを隔てる第1隔壁513を有する場合には、当該基板521に流通する冷却気体の流通方向は問わない。
また、波長変換素子52が、第1隔壁513と同様に、基板521に冷却気体を導く開口部を有し、かつ、回転装置53側から流通して基板521を冷却した気体が、当該基板521の回転に伴って再度回転装置53側に流通することを抑制する隔壁を備える構成としてもよい。
筐体51は、上記回転軸RAに沿って+Z方向側から波長変換素子52を見た場合に、波長変換素子52の外側に位置し、かつ、波長変換素子52の中心C1から+X方向に位置した中心C2を中心とする半円形状の円弧状部516を有するとした。この円弧状部516は、回転時の波長変換素子52の周方向に沿う冷却気体の流通を補助する機能を有するが、当該円弧状部516の形状は、半円形状でなくてもよく1/4円形状等の円弧状に形成されていてもよい。
流通装置55の吐出口554は、上記仮想線VLに対して+X方向側にずれて配置されているとした。これに対し、吐出口554は、当該仮想線VLに対して−X方向側にずれていてもよく、この場合、波長変換素子52の回転方向を上記D方向とは反対方向とすればよい。また、吐出口554を上記仮想線VL上に配置し、当該吐出口554による冷却気体の吐出方向を、波長変換素子52に向かう方向である+Y方向に向かうに従って+X方向側にずれるように傾けてもよい。なお、波長変換素子52の回転方向がD方向とは反対方向である場合に、吐出口554が上記仮想線VL上に位置する場合には、当該吐出口554による冷却気体の吐出方向を、+Y方向に向かうに従って−X方向側にずれるように傾けてもよい。
回転装置53を筐体51に取り付ける取付部材54は、円柱状に形成されて、+Z方向側から見て、基板521において複数のフィン525が形成された領域の内側に配置されるとした。しかしながら、上記のように、取付部材54の形状は、角柱状でもよく、他の形状でもよい。また、筐体51に対する取付部材54の固定位置は、側面部51Bの内面に限らず、側面部51C〜51Eのいずれかの内面でもよく、第2隔壁514でもよい。すなわち、+Z方向側から見た場合の取付部材54の位置は、基板521において複数のフィン525が形成された領域の内側に限らず、一部が当該フィン525を覆うように配置されてもよい。
プロジェクター1は、光変調装置としての液晶パネルを有する3つの画像形成装置34(34R,34G,34B)を備えるとした。しかしながら、2つ以下、あるいは、4つ以上の画像形成装置を有するプロジェクターにも、本発明を適用可能である。
また、画像形成装置34は、光変調装置として、光束入射面と光束射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。この他、入射光束を変調して画像情報に応じた画像を形成可能な光変調装置であれば、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
光学ユニット3は、図2及び図3に示した光学部品及び配置を有する構成を例示したが、これに限らず、他の構成及び配置を採用してもよい。
例えば、照明装置31では、第1位相差板44及び偏光分離装置45により、光源部41から出射された励起光の一部を分離し、当該一部の励起光を青色光として蛍光光に合成して照明光WLを生成していた。これに対し、光源部41から出射された励起光の一部を分離して青色光として用いるのではなく、当該光源部41に加えて、青色光を出射する別の光源部を採用してもよい。この場合、光源部41から出射された励起光により生成される蛍光光と、当該他の光源部から出射された青色光とを合成して照明光WLを生成してもよく、当該蛍光光から分離した緑色光LG及び赤色光LRをそれぞれ画像形成装置34G,34Rに入射させ、上記他の光源部から出射された青色光を画像形成装置34Bに入射させてもよい。
上記波長変換装置5及び照明装置31は、プロジェクター1に適用されていた。これら波長変換装置5及び照明装置31を、例えば照明器具や自動車の光源装置に適用することも可能である。
1…プロジェクター、31…照明装置、34(34B,34G,34R)…画像形成装置、36…投射光学装置、41…光源部、5…波長変換装置、51…筐体、51A…側面部(第1側面部)、51C〜51E…側面部(第2側面部)、51D1…傾斜面、513…第1隔壁(隔壁)、5131…開口部、516…円弧状部、521…基板、521A…面(第2面)、521B…面(第1面)、522…蛍光体層、525…フィン、53…回転装置、55…流通装置(送出装置、吸引装置)、561…受熱器、AR1…第1領域、AR2…第2領域、C1…中心(基板の中心)、C2…中心(円弧状部の円弧の中心)、D…方向(基板の回転方向)、FP2…第2流路(流路)、L1,L2…寸法、r1…半径(基板の回転時の半径)、r2…半径(円弧状部の円弧の半径)、RA…回転軸、VLX…仮想線、+X…方向(第3方向)、+Y…方向(第2方向)、+Z…方向(第1方向)。

Claims (9)

  1. 転軸を中心として回転する基板と、
    前記基板における第1面に位置し、前記基板の中心側から外側に向かって延出する複数のフィンと、
    前記第1面、及び、前記第1面とは反対側の第2面のうち一方の面に位置する蛍光体層と、
    前記基板を回転させる回転装置と、
    冷却気体を吐出する吐出口を有し、前記第1面に前記冷却気体を送出する送出装置と、
    前記基板及び前記送出装置を収容する筐体と、
    を備え、
    前記筐体は、前記回転軸に沿って前記基板を見た場合に、前記基板の外側に位置し、前記基板の回転時の周方向に沿う円弧状部有し、
    前記円弧状部の円弧の半径は、前記基板の回転時の半径より大き
    前記吐出口は、前記回転軸に沿って前記基板を見た場合に、前記基板の中心を通りかつ前記円弧状部に交差する仮想線に対して、前記回転軸に直交する所定方向側にずれて配置され、
    記円弧状部の円弧の中心は、前記回転軸に沿って前記基板を見た場合に、前記回転軸に対して、前記吐出口が前記仮想線に対してずれて配置される前記所定方向側にずれて配置され
    前記基板に流通する前記冷却気体は、前記基板の回転方向とは反対方向に流通することを特徴とする波長変換装置。
  2. 請求項1に記載の波長変換装置において、
    前記回転軸に沿って前記基板を見た場合に、前記回転軸に対して前記所定方向側に位置する前記円弧状部と前記基板との間の第1領域の大きさは、前記回転軸に対して前記所定方向とは反対方向側に位置する前記円弧状部と前記基板との間の第2領域の大きさよりも大きいことを特徴とする波長変換装置。
  3. 請求項1または2に記載の波長変換装置において、
    前記回転軸に沿って前記基板を見た場合に、前記回転軸に対して前記所定方向側に位置する前記円弧状部と前記基板との間の前記所定方向に沿う第1寸法は、前記回転軸に対して前記所定方向とは反対方向側に位置する前記円弧状部と前記基板との間の前記所定方向とは反対方向に沿う第2寸法よりも大きいことを特徴とする波長変換装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の波長変換装置において、
    前記筐体は、前記円弧状部と接続される隔壁を有し、
    前記隔壁は、前記第1面に前記冷却気体を流通させる開口部を有することを特徴とする波長変換装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の波長変換装置において、
    前記複数のフィンのそれぞれは、前記中心側から前記外側に向かうに従って前記基板の前記回転方向とは反対側に反る形状を有することを特徴とする波長変換装置。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載の波長変換装置において、
    前記筐体内に配置され、前記基板の回転により送出された前記冷却気体から受熱する受熱器を備え、
    前記受熱器は、前記基板の回転により送出された前記冷却気体を流通させて前記送出装置に導く流路を有し、
    前記筐体は、密閉筐体であることを特徴とする波長変換装置。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載の波長変換装置において、
    記基板の回転により送出された前記冷却気体を吸引する吸引装置を備えることを特徴とする波長変換装置。
  8. 請求項1からのいずれか一項に記載の波長変換装置と、
    前記波長変換装置に入射される光を出射する光源部と、
    を備えることを特徴とする照明装置。
  9. 請求項に記載の照明装置と、
    前記照明装置から出射される光を用いて画像を形成する画像形成装置と、
    形成された前記画像を投射する投射光学装置と、
    を備えることを特徴とするプロジェクター。
JP2015204369A 2015-10-16 2015-10-16 波長変換装置、照明装置及びプロジェクター Active JP6613792B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015204369A JP6613792B2 (ja) 2015-10-16 2015-10-16 波長変換装置、照明装置及びプロジェクター
PCT/JP2016/004572 WO2017064866A1 (ja) 2015-10-16 2016-10-13 波長変換装置、照明装置及びプロジェクター
EP16855120.8A EP3364245B1 (en) 2015-10-16 2016-10-13 Wavelength conversion device, illumination device, and projector
CN201680051766.XA CN107949806B (zh) 2015-10-16 2016-10-13 波长转换装置、照明装置以及投影仪
US15/767,128 US10648653B2 (en) 2015-10-16 2016-10-13 Wavelength conversion device, illumination device, and projector

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015204369A JP6613792B2 (ja) 2015-10-16 2015-10-16 波長変換装置、照明装置及びプロジェクター

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017076076A JP2017076076A (ja) 2017-04-20
JP2017076076A5 JP2017076076A5 (ja) 2018-11-15
JP6613792B2 true JP6613792B2 (ja) 2019-12-04

Family

ID=58551316

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015204369A Active JP6613792B2 (ja) 2015-10-16 2015-10-16 波長変換装置、照明装置及びプロジェクター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6613792B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114011680B (zh) * 2021-12-14 2023-09-29 山东博拓新材料科技股份有限公司 一种用于环保spc地板生产用uv固化装置及其使用方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8678597B2 (en) * 2009-03-30 2014-03-25 Nec Display Solutions, Ltd. Projection type display device
JP5429079B2 (ja) * 2010-06-30 2014-02-26 株式会社Jvcケンウッド 光源装置および投射型表示装置
DE102011002961A1 (de) * 2011-01-21 2012-07-26 Osram Ag Leuchtstoffvorrichtung mit Innenkühlung und Reflektorleuchtenanordnung mit dieser Leuchtstoffvorrichtung
JP2012181309A (ja) * 2011-03-01 2012-09-20 Seiko Epson Corp 回転ホイール光学システム、およびプロジェクター
JP2012181431A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Seiko Epson Corp 光源装置及びプロジェクター
JP2014092599A (ja) * 2012-11-01 2014-05-19 Panasonic Corp 光変換装置及び光変換装置を備えた投写表示装置
CN105135365A (zh) * 2013-04-25 2015-12-09 深圳市光峰光电技术有限公司 波长转换装置及相关发光装置
JP6206989B2 (ja) * 2013-12-11 2017-10-04 Necディスプレイソリューションズ株式会社 冷却構造、照明光学系、投写型表示装置および冷却方法
DE102014102350B4 (de) * 2014-02-24 2016-03-03 Schott Ag Konverteranordnung mit Kühlung für Lichtquellen mit hoher Leuchtdichte
JP2015194716A (ja) * 2014-03-17 2015-11-05 セイコーエプソン株式会社 冷却装置、プロジェクター
JP5804130B2 (ja) * 2014-04-16 2015-11-04 セイコーエプソン株式会社 光源装置およびプロジェクター

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017076076A (ja) 2017-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017064866A1 (ja) 波長変換装置、照明装置及びプロジェクター
US9664986B2 (en) Projection-type image display device with single fan
US10678121B2 (en) Projector with detachable cooling
CN108541297B (zh) 光转换装置、光源装置以及投射型显示装置
US9733556B2 (en) Wavelength conversion device, illumination device, and projector
US9817303B2 (en) Light source device, illumination device and projector
CN111736412B (zh) 波长转换装置、照明装置和投影仪
JP2018054975A (ja) 回転冷却装置、波長変換装置、光拡散装置、光源装置及びプロジェクター
JP2018004668A (ja) 光源装置及びプロジェクター
JP2017138376A (ja) 光源装置及びプロジェクター
CN210401984U (zh) 投影仪
JP2018055054A (ja) 回転冷却装置、波長変換装置、光拡散装置、光源装置及びプロジェクター
JP6613792B2 (ja) 波長変換装置、照明装置及びプロジェクター
JP2017151213A (ja) 光学装置、照明装置及びプロジェクター
JP6686364B2 (ja) 波長変換装置、照明装置及びプロジェクター
JP7107351B2 (ja) 照明装置及びプロジェクター
JP6651784B2 (ja) 波長変換装置、照明装置及びプロジェクター
JP2017215536A (ja) 光源装置及びプロジェクター
US11811974B2 (en) Light source device, projector, and cooling plate
JP2017215537A (ja) 光源装置及びプロジェクター
JP2022066074A (ja) 投射装置
CN115542647A (zh) 光源装置以及投影仪
JP2020159599A (ja) 冷却装置及びプロジェクター
JP2018106115A (ja) 冷却装置、光源装置及びプロジェクター

Legal Events

Date Code Title Description
RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20180906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181005

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181005

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191021

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6613792

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150