JP2017074828A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回走行においても操縦安定性及び耐久性に優れるランフラットタイヤの提供。【解決手段】この空気入りタイヤ2は、荷重支持層18とバンド22とを備えている。このバンド22は、赤道面を跨いで位置する中央部54と、中央部54の軸方向外側に位置する一対の中間部56と、中間部56の軸方向外側に位置する一対の側部58とを備えている。この中央部54、中間部56及び側部58のそれぞれは、コードとトッピングゴムとを備えている。それぞれのコードは、周方向の巻回されている。この中間部56のコードの圧縮弾性率Emは、中央部54のコードの圧縮弾性率Ecや側部58のコードの圧縮弾性率Esより大きくされている。赤道面から中間部56の中央までの距離Dmは、トレッド幅Wtの1/12倍以上1/4倍以下にされている。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、サイドウォールに荷重支持層を備えたランフラットタイヤに関する。
近年、サイドウォールの内側に荷重支持層を備えたランフラットタイヤが開発されている。この支持層には、高硬度な架橋ゴムが用いられている。このランフラットタイヤは、サイド補強タイプと称されている。このタイプのランフラットタイヤでは、パンクによって内圧が低下すると、支持層によって荷重が支えられる。この支持層は、パンク状態でのタイヤの撓みを抑制する。このランフラットタイヤでは、パンク状態でも、ある程度の距離の走行が可能である。ここでは、このパンク状態での走行をランフラット走行と称する。
ランフラット走行では、トレッドの中央部が半径方向内向き変形し易い。この変形では、トレッドの中央部が地面から浮き上がるように湾曲する。この現象は、所謂バックリング現象である。このバックリング現象の発生は、タイヤのグリップ力を低下させる。バックリング現象の発生は、操縦安定性を低下させる。更に、バックリング現象の発生は、タイヤの変形により、発熱を増大させ、タイヤの耐久性を低下させる。
特開平8−244422号公報には、トレッドの中央部にビードコアを配置したタイヤが開示されている。このタイヤは、ビードコアがトレッドの剛性を向上させている。このビードコアが、バックリング現象の発生を抑制している。特許第4270928号公報には、トレッドのショルダー部において、ベルトの外側に補強層を設けたタイヤが開示されている。このタイヤは、補強層により、曲げ剛性が高められている。このタイヤは、バックリング現象の発生を抑制している。これらのタイヤでは、操縦安定性及び耐久性が向上されうる。
特開8−244422号公報 特許第4270928号公報
これらのタイヤでは、主に直進走行でのバックリング現象の発生が抑制される。旋回走行では横力が発生する。旋回走行でのトレッドの変形は、直進走行でのそれと異なる。直進走行のみならず、旋回走行においても、バックリング現象の発生を十分に抑制することは容易ではない。
本発明の目的は、旋回走行においても操縦安定性及び耐久性に優れるランフラットタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれがトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれがサイドウォールの半径方向内側に位置する一対のビードと、トレッド及びサイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカスと、カーカスよりも軸方向内側に位置してトレッドとビードとの間に位置する荷重支持層と、トレッドに沿ってトレッドの半径方向内側に位置するバンドとを備えている。このバンドは、赤道面を跨いで位置する中央部と、中央部の軸方向外側に位置する一対の中間部と、中間部の軸方向外側に位置する一対の側部とを備えている。この中央部、中間部及び側部のそれぞれは、コードとトッピングゴムとを備えている。それぞれのコードは、周方向の巻回されている。この中間部のコードの圧縮弾性率Emは、中央部のコードの圧縮弾性率Ec及び側部のコードの圧縮弾性率Esより大きくされている。赤道面から中間部の中央までの軸方向の距離Dmは、トレッド幅Wtの1/12倍以上1/4倍以下にされている。
好ましくは、上記中間部の軸方向の幅Wmは、トレッド幅Wtの1/20倍以上1/10倍以下にされている。
好ましくは、上記圧縮弾性率Emは圧縮弾性率Ecの10倍以上である。この圧縮弾性率Emは圧縮弾性率Esの10倍以上である。
好ましくは、上記中間部のコードは金属からなっている。上記中央部のコードと側部のコードとは、それぞれ有機繊維からなっている。
本発明に係るランフラットタイヤは、バンドに中間部を備えている。このタイヤは、中間部により、ランフラット走行においてトレッドの変形が抑制されている。このタイヤは、直進時のみならず、旋回時にもトレッドの変形が抑制されている。このタイヤは、直進走行のみならず、旋回走行においても操縦安定性及び耐久性に優れている。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤが示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの使用状態が示された説明図である。 図3は、図1のタイヤの他の使用状態が示された説明図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。図1において、紙面と垂直な方向はタイヤ2の周方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、上下方向がタイヤ2の半径方向である。図1の一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。直線BLは、ビードベースラインを示す。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面CLに対して対称である。このビードベースラインBLは、タイヤ2が基づく規格で定められるビード径位置を通って、タイヤ2の軸方向に延びる直線である。
このタイヤ2は、トレッド6、ウィング8、サイドウォール10、クリンチ12、ビード14、カーカス16、荷重支持層としての支持層18、ベルト20、バンド22、エッジバンド23、インナーライナー24及びチェーファー26を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車に装着される。
トレッド6は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド6は、路面と接地するトレッド面28を形成する。トレッド面28には、溝30が刻まれている。この溝30により、トレッドパターンが形成されている。トレッド6は、ベース層32とキャップ層34とを備えている。キャップ層34は、ベース層32の半径方向外側に位置している。キャップ層34は、ベース層32に積層されている。ベース層32は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層32の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。キャップ層34は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
ウィング8は、トレッド6とサイドウォール10との間に位置している。ウィング8は、トレッド6及びサイドウォール10のそれぞれと接合している。ウィング8は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。
サイドウォール10は、トレッド6の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール10の半径方向外側端は、トレッド6及びウィング8と接合されている。このサイドウォール10の半径方向内側端は、クリンチ12と接合されている。このサイドウォール10は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。サイドウォール10は、軸方向においてカーカス16よりも外側に位置している。サイドウォール10は、カーカス16の損傷を防止する。
クリンチ12は、サイドウォール10の半径方向略内側に位置している。クリンチ12は、軸方向において、ビード14及びカーカス16よりも外側に位置している。クリンチ12は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ12は、図示されないリムに組み込まれたときに、リムのフランジと当接する。
ビード14は、サイドウォール10よりも半径方向内側に位置している。ビード14は、クリンチ12よりも軸方向内側に位置している。ビード14は、コア36と、第一エイペックス38と、第二エイペックス40とを備えている。
このコア36は、リング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。コア36の断面では、非伸縮性ワイヤーが軸方向に略等間隔に複数本並べられ、半径方向にも略等間隔に複数本並べられている。これらの並べられた非伸縮性ワイヤーはコーティングゴムで被覆されいる。このコア36の断面形状は、略矩形である。このビード14は、ストランドビード構造を備えている。コア36は、このストランドビード構造に限られず、所謂ケーブルビード構造であってもよい。
第一エイペックス38は、コア36から半径方向外向きに延びている。第一エイペックス38は、半径方向外向きに先細りである。第一エイペックス38は、高硬度な架橋ゴムからなる。
第二エイペックス40は、第一エイペックス38とカーカス16との軸方向外側に位置している。第二エイペックス40は、カーカス16とクリンチ12との間に位置している。この第二エイペックス40は、クリンチ12に接合されている。第二エイペックス40は、半径方向において、内向きに先細りであり外向きにも先細りである。第二エイペックス40は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス16は、カーカスプライ42からなる。カーカスプライ42は、両側のビード14の間に架け渡されている。カーカスプライ42は、トレッド6及びサイドウォール10に沿っている。カーカスプライ42は、コア36の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ42には、主部44と折り返し部46とが形成されている。折り返し部46は、第一エイペックス38と第二エイペックス40との間に積層されている。折り返し部46は、第一エイペックス38の半径方向外側で、主部44に重ね合わされている。
図示されていないが、カーカスプライ42は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス16は、ラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、アラミド繊維及びポリケトン繊維が例示される。
支持層18は、サイドウォール10の軸方向内側に位置している。この支持層18は、カーカス16及びインナーライナー24の軸方向内側に位置している。この支持層18は、軸方向においてカーカス16とインナーライナー24との間に位置してもよい。この支持層18は、半径方向においてトレッド6とビード14との間に位置している。支持層18は、半径方向において、内向きに先細りであり外向きにも先細りである。この支持層18は、軸方向外向きに湾曲している。支持層18は、カーカス16に沿っている。この支持層18は、三日月に類似の形状を有する。支持層18は、高硬度な架橋ゴムからなる。
このタイヤ2がパンクしたとき、この支持層18が荷重を支える。このタイヤ2は、サイド補強タイプである。この支持層18により、パンク状態であっても、タイヤ2はある程度の距離を走行しうる。このタイヤ2は、ランフラット走行が可能にされている。
支持層18の架橋ゴムの複素弾性率Erが大きいタイヤ2は、パンク状態での縦撓みが抑制される。この観点から、支持層18の複素弾性率Erは、好ましくは5.0MPa以上であり、更に好ましくは6.0MPa以上であり、特に好ましくは7.2MPa以上である。一方で、支持層18の架橋ゴムの複素弾性率Erが小さいタイヤ2は、空気が充填された通常状態での乗り心地に優れる。この観点から複素弾性率Erは、好ましくは13.5MPa以下であり、更に好ましくは12.0MPa以下であり、特に好ましくは10.5MPa以下である。
ベルト20は、トレッド6の半径方向内側に位置している。ベルト20は、カーカス16と積層されている。ベルト20は、カーカス16を補強する。ベルト20は、内側層50及び外側層52からなる。内側層50の幅は、外側層52の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層50及び外側層52のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、通常は10°以上35°以下である。内側層50のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層52のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト20が、3以上の層を備えてもよい。
バンド22は、ベルト20の半径方向外側に位置している。軸方向において、バンド22の幅はベルト20の幅以上にされている。このバンド22は、中央部54、中間部56及び側部58を備えている。中央部54は、赤道面を跨いで軸方向中央に位置している。中間部56は、中央部56の軸方向外側に位置している。側部58は、中間部56の軸方向外側に位置している。このバンド22は、この中央部54と一対の中間部56と一対の側部58とが軸方向接合されて、一層にされている。この側部58は、バンド22の軸方向外端22aを形成している。
図示されていないが、この中央部54、中間部56及び側部58のそれぞれは、コードとトッピングゴムとからなる。これらのコードは、螺旋状に巻かれている。言い換えると、これらのコードは、実質的に周方向に巻回されている。これらのコードは、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト20が拘束される。このバンド22は、ベルト20のリフティングを抑制する。
中央部54及び側部58のそれぞれのコードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、アラミド繊維及びポリエチレンナフタレート繊維が例示される。中間部56のコードは、金属からなっている。この中間部56のコードは、例えばスチールからなっている。
この中間部56のコードの圧縮弾性率Emは、中央部54のコードの圧縮弾性率Ecより大きくされている。この圧縮弾性率Emは、側部58のコードの圧縮弾性率Esより大きくされている。
このコードの圧縮弾性率Em、Ec及びEsは、以下のように求められる。その中心軸に沿って1本のコードが架橋ゴムに埋設された円柱形状の試験片が準備される。この試験片の外径は18mmで、高さは48mmである。この試験片が高さ方向に圧縮される。速度20mm/minで圧縮されて、この試験片の圧縮力−歪み曲線が得られる。この試験片に用いた架橋ゴムが試験片と同じ大きさで同じ形状にされたゴム試験片が準備される。この試験片と同じ試験条件で、このゴム試験片の圧縮力−歪み曲線が得られる。試験片の圧縮力−歪み曲線とゴム試験片の圧縮力−歪み曲線との圧縮力差が求められる。縦軸をこの圧縮力差とし横軸を歪みとして、圧縮力差−歪み曲線が得られる。この圧縮力差−歪み曲線は、コードの圧縮力−歪み曲線とみなされる。このコードの圧縮力とコードの断面積とから、コードの圧縮応力が得られる。このコードの圧縮力−歪み曲線から、このコードの圧縮応力−歪み曲線が得られる。このコードの圧縮応力−歪み曲線の弾性域(圧縮応力と歪みが正比例する領域)から、このコードの圧縮弾性率が求められる。
ベルト20及びバンド22は、補強層を構成している。ベルト20のみから、補強層が構成されてもよい。バンド22のみから、補強層が構成されてもよい。
それぞれのエッジバンド23は、ベルト20の半径方向外側であって、かつベルト20の端の近傍に位置している。図示されていないが、このエッジバンド23は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このエッジバンド23は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト20の端が拘束されるので、ベルト20のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
インナーライナー24は、カーカス16の内面に接合されている。インナーライナー24は、軸方向において、支持層18の外面に接合されている。インナーライナー24は、支持層18とカーカス16との間に積層されている。インナーライナー24は、支持層18の内面に接合されてもよい。インナーライナー24は、支持層18とカーカス16との軸方向内側に位置しててもよい。インナーライナー24は、架橋ゴムからなる。インナーライナー24には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー24は、タイヤ2の内圧を保持する。
チェーファー26は、ビード14の近傍に位置している。チェーファー26は、コア36の軸方向内側から半径方向内向きに延びて、ビートトウBtに至っている。チェーファー26は、ビードトウBtからコア36の半径方向内側を軸方向外向きに延びている。チェーファー26は、折り返し部46に積層されている。折り返し部46に積層されたチェファー26の外端は、折り返し部46の軸方向外側に位置している。このチェ−ファー26は、コア36周りに積層されたカーカスプライ42の折り返し部46を保護している。
タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー26がリムと当接する。この当接により、ビード14の近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー26は、布とこの布に含浸したゴムとからなる。このチェーファー26が、クリンチ12と一体とされてもよい。この場合、チェーファー26の材質は、クリンチ12の材質と同じにされる。
図1の点Ptは、トレッド端を表している。このタイヤ2のように、トレッド端Ptが外観上識別が困難な場合には、以下の様にしてトレッド端Ptが決定される。タイヤ2が正規リムに組み込まれて正規内圧にされる。この状態で、タイヤ2が正規荷重でキャンバー角0゜で平面に当接される。このとき、最も軸方向外側で平面に接地する接地端が、トレッド端Ptとされる。また、外観上明瞭にトレッド面28のエッジが識別されうるときには、このエッジがトレッド端Ptとされる。
図1の片矢印Wtは、一方のトレッド端Ptから他方のトレッド端Ptまでの幅を表している。この幅Wtは、トレッド幅である。このトレッド幅Wtは、トレッド面28に沿って測定される。両矢印Wmは、バンド22の中間部56の幅を表している。この中間部56の幅Wmは、図1の断面において中間部56に沿って測定される。一点鎖線Lmは、中間部56の軸方向の中点を通って半径方向の延びる直線である。両矢印Dmは、赤道面から直線Lmまでの距離を表している。この距離Dmは、赤道面から中間部56の中央までの軸方向の距離である。この距離Dmは、中間部56の軸方向の位置を表している。この距離Dmは、トレッド面28に沿って測定される。
図2には、ランフラット走行のタイヤ2が示されている。このタイヤ2は、直進走行での状態が示されている。このタイヤ2は、説明の便宜上、誇張されたバックリングの状態で示されている。この図2では、このタイヤ2は、トレド6のショルダー領域6sが路面60に接地している。トレッド6のセンター領域6cは、半径方向内向きに変形して、路面60から離れている。
このタイヤ2では、一対の中間部56のコードは周方向に巻回されている。トレッド6が半径方向内向きに変形するときに、この中間部56のコードは圧縮される。このコードの圧縮弾性率Emが大きくされている。このコードは、好ましくは金属からなっている。このコードは、例えばスチールからなっている。これにより、軸方向において中間部56が位置するトレッド6の部分が半径方向内向きに変形することが抑制される。このトレッド6の変形が抑制されることで、中央部54が位置するトレッド6の部分も、半径方向内向きに変形することが抑制される。側部58が位置するトレッド6の部分も、半径方向内向きに変形することが抑制される。一対の中間部56を備えることで、トレッド6全体の半径方向内向きの変形が抑制される。この中間部56は、ランフラット走行におけるバックリング現象の発生を抑制する。このタイヤ2は、直進走行における十分なグリップ力を発揮する。このタイヤ2は、操縦安定性に優れている。このタイヤ2は、変形が抑制されており、発熱が抑制される。このタイヤ2は、耐久性にも優れている。
このタイヤ2では、中央部54のコードの圧縮弾性率Ecは、圧縮弾性率Emより小さい。この中央部54のコードの材料として、軽量な有機繊維を用いることができる。この中央部54は、タイヤ2の軽量化に寄与する。この中央部54は、タイヤ2の転がり抵抗の低減に寄与する。同様に、側部58のコードの圧縮弾性率Esは、圧縮弾性率Emより小さい。この側部58のコードの材料として、軽量な有機繊維を用いることができる。この側部58は、タイヤ2の転がり抵抗の低減に寄与する。
図3には、ランフラット走行のタイヤ2が示されている。このタイヤ2は、旋回走行での状態が示されている。このタイヤ2は、横力Fを受けて変形している。旋回走行でのタイヤ2は、直進走行でのタイヤ2と異なる変形をする。
旋回走行では、半径方向に最も内向きに変形するトレッド6の位置は、赤道面の位置から軸方向外側にずれる。このタイヤ2では、中間部56は、中央部54の軸方向外側に位置している。旋回走行においても、この中間部56により、トレッド6が半径方向内向きに変形することが抑制される。この中間部56は、旋回時のランフラット走行におけるバックリング現象の発生を抑制する。このタイヤ2は、旋回走行における十分なグリップ力を発揮する。このタイヤ2は、旋回走行での操縦安定性に優れている。旋回走行での、発熱が抑制される。このタイヤ2は、耐久性に優れている。
ランフラット走行では、旋回する車両には最大で0.4Gの横力Fが発生する。この横力Fが発生するときに、半径方向に最も内向きに変形するトレッド6の位置に、中間部56が位置することが好ましい。これにより、旋回走行でのトレッド6の変形を効果的に抑制しうる。この観点から、中間部56の距離Dmは、トレッド幅Wtの1/12倍以上にされる。この距離Dmは、好ましくは1/6倍以上にされる。この距離Dmは、トレッド幅Wtの1/4倍以下にされる。
この中間部56の幅Wmが大きいタイヤ2は、バックリング現象の発生が抑制される。この観点から、この幅Wmは、好ましくはトレッド幅Wtの1/20倍以上であり、更に好ましくは1/15倍以上である。一方で、この幅Wmが小さいタイヤ2は、軽量化されうる。このタイヤ2は、転がり抵抗が低減される。この観点から、この幅Wmは、好ましくはトレッド幅Wtの1/10倍以下である。
この中間部56の圧縮弾性率Emが大きいタイヤ2は、バックリング現象の発生が抑制される。一方で、中央部54の圧縮弾性率Ecを小さくすることは、タイヤ2の軽量化に寄与する。側部58の圧縮弾性率Esを小さくすることは、タイヤ2の軽量化に寄与する。これらの観点から、圧縮弾性率Emは、好まくは、圧縮弾性率Ecの10倍以上である。圧縮弾性率Emは、好ましくは圧縮弾性率Esの10倍以上である。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法は、特に言及されない限り、図1に示されるように、タイヤ2から切り出された断面で測定される。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。本明細書において正規荷重とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
本発明において、複素弾性率は、「JIS K 6394」の規定に準拠して、測定される。測定条件は、以下の通りである。
粘弾性スペクトロメーター:岩本製作所の「VESF−3」
初期歪み:10%
動歪み:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備えた実施例1の空気入りタイヤ(ランフラットタイヤ)を得た。このタイヤのサイズは、245/40RF19であった。赤道面から中間部の中央までの距離Dmの、トレッド幅Wtに対する比(Dm/Wt)が表1に示される様にされた。中間部の幅Wmの、トレッド幅Wtに対する比(Wm/Wt)が、表1に示される様にされた。このバンドでは、コードが周方向に巻回されている。このバンドは、所謂ジョイントレス構造(JLB構造)を備えていた。このタイヤでは、バンドの中間部のコードは、スチールからなっていた。中央部のコードと側部のコードは、アラミド繊維からなっていた。この中間部のコードの圧縮弾性率Emは、中央部のコードの圧縮弾性率Ecや側部のコードの圧縮弾性率Esに対して、10倍以上であった。
[比較例1]
比較例1は、従来のランフラットタイヤである。このタイヤのバンドのコードは、アラミド繊維からなっていた。このコードは、トレッドの一方端から他方端まで周方向に巻回されていた。このタイヤは、バンドに圧縮弾性率が高くされた中間部を備えていない他は、実施例1のタイヤと同様の構成を備えていた。
[実施例2−3及び比較例2]
比(Dm/Wt)が表1に示される様にされた。その他は、実施例1のタイヤと同様にして、タイヤが得られた。
[実施例4−6]
比(Wm/Wt)が、表2に示される様にされた。その他は、実施例1のタイヤと同様にして、タイヤが得られた。
[実施例7]
中間部のコードがアラミド繊維からなっていた。その他は、実施例1のタイヤと同様にして、タイヤが得られた。この中間部のコードの圧縮弾性率Emは、中央部のコードの圧縮弾性率Ecや側部のコードの圧縮弾性率Esより大きくされた。圧縮弾性率Emは、圧縮弾性率Ecや圧縮弾性率Esの、10倍未満であった。
[比較例4]
バンドの中間部のコードをJLB構造に代えて、カットベルト構造にした。このカットベルト構造では、このバンドの中間部は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。各コードは、周方向に不連続である。その他は、実施例1のタイヤと同様にして、タイヤが得られた。
[操縦安定性]
タイヤを8.5×19の正規リムに組み込み、このタイヤに内圧が250kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを試験車両に装着した。ドライバーに、この試験車両をドライ路面で運転させて、操縦安定性を評価させた。この結果が、指数として下記の表1及び2に示されている。この評価結果は、比較例1のタイヤを3点として指数で表されている。この数値が大きいほど好ましい。この指数は5点満点であり、4点以上のタイヤは特に操縦安定性に優れることを表している。
[耐久性の評価]
タイヤを8.5×19の正規リムに組み込み、後輪のタイヤの内圧は大気圧とされた。後輪のタイヤのパンク状態が再現された。この試験車両は、FR車(フロントエンジン−リアドライブ車)であった。この試験車両をテストコースで90km/hの速度で走行させた。この結果が、指数として下記の表1及び2に示されている。この評価結果は、比較例1のタイヤの走行距離を100として指数で表されている。この数値が大きいほど好ましい。この指数が110以上のタイヤは特に耐久性に優れることを表している。
[転がり抵抗の評価]
転がり抵抗試験機を用い、下記の測定条件で転がり抵抗係数(RRC)を測定した。
使用リム:8.5J×19
内圧:250kPa
荷重:4.3kN
速度:80km/h
この結果が、比較例1が100とされた指数として、下記の表1及び2に示されている。この評価結果は、数値が大きいほど好ましい。
Figure 2017074828
Figure 2017074828
表1及び2に示されるように、実施例のタイヤは、操縦安定性及び耐久性に優れている。実施例のタイヤでは、従来のタイヤとほぼ同等に良好な転がり抵抗が得られている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤは、ランフラットタイヤとして、種々の車両に適用されうる。
2・・・タイヤ
6・・・トレッド
10・・・サイドウォール
14・・・ビード
16・・・カーカス
18・・・支持層
20・・・ベルト
22・・・バンド
28・・・トレッド面
54・・・中央部
56・・・中間部
58・・・側部

Claims (4)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれがトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれがサイドウォールの半径方向内側に位置する一対のビードと、トレッド及びサイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカスと、カーカスよりも軸方向内側に位置してトレッドとビードとの間に位置する荷重支持層と、トレッドに沿ってトレッドの半径方向内側に位置するバンドとを備えており、
    このバンドが赤道面を跨いで位置する中央部と、中央部の軸方向外側に位置する一対の中間部と、中間部の軸方向外側に位置する一対の側部とを備えており、
    この中央部、中間部及び側部のそれぞれがコードとトッピングゴムとを備えており、このコードが周方向の巻回されており、
    この中間部のコードの圧縮弾性率Emが中央部のコードの圧縮弾性率Ec及び側部のコードの圧縮弾性率Esより大きくされており、
    赤道面から中間部の中央までの軸方向の距離Dmがトレッド幅Wtの1/12倍以上1/4倍以下にされている空気入りタイヤ。
  2. 上記中間部の軸方向の幅Wmがトレッド幅Wtの1/20倍以上1/10倍以下にされている請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記圧縮弾性率Emが圧縮弾性率Ecの10倍以上であり、
    この圧縮弾性率Emが圧縮弾性率Esの10倍以上である請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 上記中間部のコードが金属からなっており、
    上記中央部のコードと側部のコードとが有機繊維からなっている請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
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