JP2017073325A - 非水電解質二次電池用炭素質材料、負極電極、及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用炭素質材料、負極電極、及び非水電解質二次電池 Download PDF

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健太 青木
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Abstract

【課題】本発明の目的は、電極密度が高く、優れた入出力特性及びサイクル特性を示す非水電解質二次電池を提供することである。【解決手段】前記課題は、本発明の(1)レーザー回折法で測定される体積基準での粒子径分布の頻度分布曲線において、0.1μm以上3.0μm未満の粒子径範囲に少なくとも1つの相対頻度の極大値を有し、3.0μm以上25μm以下の粒子径範囲に少なくとも1つの相対頻度の極大値を有し、(2)(002)面の平均面間隔が0.365nm〜0.400nmであり、そして(3)平均粒子径が0.5μm〜7.0μmである、ことを特徴とするアルカリ金属を挿入及び脱離可能な非水電解質二次電池用炭素質材料によって解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池用炭素質材料、負極電極、及び非水電解質二次電池に関する。本発明の負極電極は高い電極密度を有し、そして本発明の非水電解質二次電池は優れた入出力特性及びサイクル特性を示す。
高エネルギー密度の二次電池として、炭素質材料を負極として用いる非水電解質系リチウム二次電池が広く研究されている。非水電解質系リチウム二次電池は、携帯機器の電源用途として需要が拡大している。更に、新たな用途として、モーターのみで駆動する電気自動車(EV)、及び内燃エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド型電気自動車(HEV)などの自動車用の電池としての開発も活発になっている。
前記の車載用非水電解質系リチウム二次電池において、重要な特性は、耐久性、エネルギー密度、入出力特性である。これらの特性の向上のために、負極物質である炭素質材料単位重量あたりの挿入及び脱離されるリチウム量を増加させることに加え、二次電池内に多くの負極材料である炭素質材料を入れることが重要である。更に、耐久性の観点から、リチウムの挿入及び脱離に伴う炭素質材料の構造変化を抑制することが必要となる。そして、入出力特性の観点では、瞬間的なリチウムの挿入及び脱離量を増加させることが重要となる。
特開2005−108611号公報 特開2007−287622号公報 特開平4−82172号公報
特許文献1では、炭素質材料を高密度に充填するために、平均粒径が5〜25μmの第1黒鉛粒子と、平均粒子径20μm〜45μmの第2黒鉛粒子とを混合して非水電解質二次電池を形成する方法が開示されている。また、特許文献2では、非晶質炭素材料を負極活物質として用い、レーザー回折散乱法により測定した平均粒子径が7μm以上、20μm以下であり、かつ、レーザー回折散乱法により測定した粒子径分布において粒子径3μm以下の割合が1%以上、10%以下とする方法が開示されている。更に、特許文献3では、X線回折による格子面間隔(d002)が3.38Å〜3.56Åで、平均粒径0.8μmの粒子10〜35wt%、平均粒子径3μmの粒子90〜65wt%を混合する方法が提示されている。
しかしながら、特許文献1〜3に記載の炭素質材料を用いた非水電解質二次電池の電池特性は、充分なものではなかった。
本発明者らは、非水電解質二次電池の入出力特性を向上させるために、平均粒子径が小粒径の炭素質材料用いて二次電池を製造した。得られた二次電池は、入出力特性が向上した。しかしながら、サイクル特性が低下するという問題が発生した(比較例6)。車載用非水電解質系リチウム二次電池においては、入出力特性のみでなく、サイクル特性(耐久性)、及びエネルギー密度を向上させることが重要である。
従って、本発明の目的は、電極密度が高く、優れた入出力特性及びサイクル特性を示す非水電解質二次電池を提供することである。
本発明者は、電極密度が高く、優れた入出力特性及びサイクル特性を示す非水電解質二次電池に用いる炭素質材料について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、粒子径分布の頻度分布曲線の、0.1μm以上3.0μm未満の粒子径範囲及び3.0μm以上25μm以下の粒子径範囲にそれぞれ少なくとも1つの相対頻度の極大値を有する炭素質材料を用いた二次電池が優れた電池性能を示すことを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1](1)レーザー回折法で測定される体積基準での粒子径分布の頻度分布曲線において、0.1μm以上3.0μm未満の粒子径範囲に少なくとも1つの相対頻度の極大値を有し、3.0μm以上25μm以下の粒子径範囲に少なくとも1つの相対頻度の極大値を有し、(2)(002)面の平均面間隔が0.365nm〜0.400nmであり、そして(3)平均粒子径が0.5μm〜7.0μmである、ことを特徴とするアルカリ金属を挿入及び脱離可能な非水電解質二次電池用炭素質材料、
[2]前記0.1μm以上3.0μm未満の粒子径範囲の炭素質粒子と、3.0μm以上25μm以下の粒子径範囲の炭素質粒子との体積割合が、15:85〜85:15である、[1]に記載の非水電解質二次電池用炭素質材料、
[3]0.1〜1.0μmの粒子径範囲の炭素質粒子の体積割合が、炭素質粒子の全体積に対して10〜60積%である[1]又は[2]に記載の非水電解質二次電池用炭素質材料、
[4]0.2μm〜2.0μmの粒子径範囲に少なくとも1つの相対頻度の極大値を有し、そして3.0μm〜10μmの粒子径範囲に少なくとも1つの相対頻度の極大値を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の非水電解質二次電池用炭素質材料、
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の炭素質材料を含む非水電解質二次電池用負極電極、及び
[6][5]に記載の負極電極を含む非水電解質二次電池、
に関する。
本発明の炭素質材料を用いた負極電極は、高い電極密度を示す。また本発明の負極電極を用いた非水電解質二次電池は、優れた入出力特性及びエネルギー密度を示す。更に、本発明の非水電解質二次電池は、耐久性が高いという効果を奏する。
2.6μm前後の平均粒子径を有する、本発明の炭素質材料(実施例1)及び従来の炭素質材料(比較例1)の粒子径分布の頻度分布曲線(A)及び積算分布曲線(B)を示したグラフである。 3.0μm前後の平均粒子径を有する、本発明の炭素質材料(実施例2)及び従来の炭素質材料(比較例2)の粒子径分布の頻度分布曲線(A)及び積算分布曲線(B)を示したグラフである。 4.0μm前後の平均粒子径を有する、本発明の炭素質材料(実施例3)及び従来の炭素質材料(比較例3)の粒子径分布の頻度分布曲線(A)及び積算分布曲線(B)を示したグラフである。 3.4μm前後の平均粒子径を有する、本発明の炭素質材料(実施例4)及び従来の炭素質材料(比較例4)の粒子径分布の頻度分布曲線(A)及び積算分布曲線(B)を示したグラフである。 9.0μm及び1.5μmの平均粒子径を有する、従来の炭素質材料(比較例5及び6)の粒子径分布の頻度分布曲線(A)及び積算分布曲線(B)を示したグラフである。
[1]非水電解質二次電池用炭素質材料
本発明のアルカリ金属を挿入及び脱離可能な非水電解質二次電池用炭素質材料は、(1)レーザー回折法で測定される体積基準での粒子径分布の頻度分布曲線において、0.1μm以上3.0μm未満の粒子径範囲に少なくとも1つの相対頻度の極大値を有し、3.0μm以上25μm以下の粒子径範囲に少なくとも1つの相対頻度の極大値を有し、(2)(002)面の平均面間隔が0.365nm〜0.400nmであり、そして(3)平均粒子径が0.5μm〜7.0μmである。前記アルカリ金属としては、リチウム又はナトリウムを挙げることができ、従って本発明の炭素質材料は、リチウム又はナトリウムを、挿入及び脱離することができる。
《小粒子極大値及び大粒子極大値》
本発明の炭素質材料は、レーザー回折法で測定される体積基準での粒子径分布の頻度分布曲線において、0.1μm以上3.0μm未満の粒子径範囲(以下、「小粒子径範囲」と称することがある)に少なくとも1つの相対頻度の極大値(以下、「小粒子極大値」と称することがある)を有し、そして3.0μm以上25μm以下の粒子径範囲(以下、「大粒子径範囲」と称することがある)に少なくとも1つの相対頻度の極大値(以下、「大粒子極大値」と称することがある)を有する。前記粒子径分布の頻度分布曲線は、粒子径とそれぞれの粒子径ごとの相対頻度を示したものであり、粒子径分布測定機によって得ることができる。従来の炭素質材料の粒子径分布の頻度分布曲線は、通常、大きな1つの相対頻度の極大値を有しているものである。これに対して、本発明の炭素質材料は、前記小粒子極大値及び大粒子極大値の2つの極大値を有する。前記2つの極大値を有することによって、小粒子径範囲の粒子が、大粒子径範囲の粒子の間隙に効率的に充填されるため、電極密度が向上する。電極密度の向上によって、電極を薄くすることが可能であり、入出力特性を向上させることができる。また、電極密度の向上によって、体積当たりの充放電容量を向上させることができる。
なお、本明細書において、「極大値」は、相対頻度が増加から減少に変わる点を意味する。
前記小粒子極大値は、小粒子径範囲における0.2μm〜2.0μmの粒子径範囲に存在するのが好ましい。また、前記大粒子極大値は大粒子径範囲における3.0μm〜10μmの粒子径範囲に存在するのが好ましい。
また、前記小粒子極大値と大粒子極大値との差は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは1.5μm以上であり、更に好ましくは2μm以上であり、更に好ましくは2.5μm以上である。小粒子極大値と大粒子極大値との差の上限は、特に限定されるものではないが、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、更に好ましくは10μm以下である。前記範囲に小粒子極大値及び大粒子極大値が存在することによって、また小粒子極大値と大粒子極大値との差が前記範囲であることによって、小粒子径範囲の粒子が、大粒子径範囲の粒子の間隙に効率的に充填されるため、電極密度が向上する
なお、小粒子極大値は小粒子径範囲に2つ以上存在することがある。また、大粒子極大値も、大粒子径範囲に2つ以上存在することがある。小粒子極大値及び/又は大粒子極大値が2つ以上存在する場合において、「小粒子極大値と大粒子極大値との差」は、最も相対頻度の高い小粒子極大値と、最も相対頻度の高い大粒子極大値との差を意味する。
また、小粒子極大値と大粒子極大値との比は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではない。しかしながら、前記小粒子極大値は、大粒子極大値を1とした場合に、好ましくは0.15〜1.5の範囲であり、より好ましくは0.2〜1.3であり、更に好ましくは0.3〜1.0である。大粒子極大値に対して、小粒子極大値が前記の比を示すことにより、大粒子径範囲の粒子の間隙の体積と小粒子の体積が近接するため、大粒子径範囲の粒子の間隙に効率的に充填され、電極密度が向上する。
なお、小粒子極大値は小粒子径範囲に2つ以上存在することがある。また、大粒子極大値も、大粒子径範囲に2つ以上存在することがある。小粒子極大値及び/又は大粒子極大値が2つ以上存在する場合において、「大粒子極大値を1とした場合の小粒子極大値の比」は、最も相対頻度の高い大粒子極大値を1とした場合の最も相対頻度の高い小粒子極大値との比を意味する。
《体積割合》
本発明の炭素質材料において、小粒子径範囲に含まれる炭素質粒子と、大粒子径範囲に含まれる炭素質粒子との体積割合は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではない。しかしながら、小粒子径範囲の炭素質粒子と、大粒子径範囲の炭素質粒子との体積割合は、好ましくは20:80〜80:20であり、より好ましくは25:75〜75:25であり、更に好ましくは30:70〜70:30である。小粒子径範囲の炭素質粒子と、大粒子径範囲の炭素質粒子との体積割合が前記の範囲であることによって、小粒子径範囲の粒子が、大粒子径範囲の粒子の間隙に効率的に充填されるため、電極密度が向上し、電極が薄膜化するため、入出力特性を向上させることができる。また、大粒子径範囲の粒子量を低減させ、サイクル特性を低下させることなく小粒子径範囲の粒子量を増加させることができるため、入出力特性を向上させせることができる。すなわち、小粒子径範囲の炭素質粒子が20%未満であると、電極を作製した際、大粒子径範囲の炭素質粒子が形成する隙間に、十分に小粒子径範囲の炭素質粒子を充填することが難しくなり、電極密度を向上させることが困難となる。
なお、本発明の炭素質材料は、前記小粒子径範囲及び大粒子径範囲以外の粒子径を有する炭素質粒子を含んでもよい。すなわち、0.1μm未満の粒子径を有する炭素質粒子及び25μmを超える粒子径を有する炭素質粒子を含んでもよい。しかしながら、これらの炭素質粒子は、炭素質粒子の全体積に対して、好ましくは10体積%以下であり、より好ましくは5体積%以下であり、更に好ましくは2体積%以下である。
(0.1〜1.0μmの粒子径範囲の炭素質粒子の体積割合)
本発明の炭素質材料において、0.1〜1.0μmの粒子径範囲の炭素質粒子の全体積に対する体積割合は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではない。しかしながら、0.1〜1.0μmの粒子径範囲の炭素質粒子の体積割合は、炭素質粒子の全体積に対して、好ましくは10〜60体積%であり、より好ましく10〜50体積%である。0.1〜1.0μmの粒子径範囲の炭素質粒子の体積割合が前記範囲であることによって、炭素質材料の外表面積を向上させることができる。従って、本発明の炭素質材料を用いた二次電池において、直流抵抗を低減させることが可能であり、優れた入出力特性を示すことができる。
《(002)面の平均面間隔》
[粉末X線回折法により測定された(002)面の平均面間隔]
炭素質材料の(002)面の平均面間隔は、結晶性が高いほど小さな値を示し、理想的な黒鉛構造のそれは、0.3354nmの値を示し、構造が乱れるほどその値が増加する傾向がある。従って、平均面間隔は、炭素の構造を示す指標として有効である。
本実施形態に係る非水電解質二次電池用炭素質材料は、難黒鉛性炭素質材料である。従って、粉末X線回折法により測定した(002)面の平均面間隔は、限定されるものではないが、好ましくは0.365nm〜0.400nmであり、更に好ましくは0.370nm〜0.400nmであり、特に好ましくは、0.375nm〜0.400nmである。平均面間隔が0.365nm未満であると、黒鉛化が進行しており、耐久性に課題がある。
《平均粒子径(Dv50)》
本発明の非水電解質二次電池用炭素質材料の平均粒子径(Dv50)は、0.5μm〜7.0μmであり、好ましくは1μm〜6.5μmであり、更に好ましくは1.5μm〜6μmである。平均粒子径が0.5μm未満であると、表面積の増加により、電解液との反応性が高くなり、不可逆容量が増加する。一方、7.0μm以上であると、炭素粒子内におけるリチウムの拡散における自由度が増加するため、急速な充放電が困難となる。
《ブタノール法により求めた真密度》
理想的な構造を有する黒鉛質材料の真密度が2.2g/cmであり、結晶構造が乱れるに従い真密度が小さくなる傾向がある。従って、真密度は炭素の構造を表す指標として用いることができる。
本発明の炭素質材料のブタノール真密度ρBtは、1.40g/cm〜1.70g/cmが好ましい。真密度の上限は、好ましくは1.68g/cm以下であり、より好ましくは1.65g/cm以下である。真密度の下限は、好ましくは1.42g/cm以上である。真密度が1.7g/cmを超える炭素質材料は、リチウムを格納できるサイズの細孔が少なくドープ及び脱ドープ容量が小さくなるため好ましくない。また、真密度の増加は炭素六角平面の選択的配向性を伴うため、リチウムのドープ・脱ドープ時に炭素質材料が膨張収縮を伴う場合が多いため好ましくない。一方、1.40g/cm未満の炭素質材料は、閉孔が多くなる場合があり、ドープ及び脱ドープ容量が小さくなることがあるので好ましくない。更に、電極密度が低下するため体積エネルギー密度の低下をもたらすので好ましくない。
なお、「難黒鉛化性炭素」とは、3000℃程度の超高温で熱処理しても黒鉛構造に変化しない非黒鉛質炭素の総称であるが、本明細書においては、真密度が1.40g/cm〜1.70g/cmの炭素質材料を難黒鉛化性炭素と称する。
《比表面積》
比表面積は、窒素吸着によるBETの式から誘導された近似式で求めることができる。本発明の全固体電池用負極に用いる炭素質材料の比表面積は、限定されるものではないが、好ましくは0.5〜50m/gである。BET比表面積の上限は、好ましくは45m/g以下であり、より好ましくは40m/g以下である。BET比表面積の下限は、好ましくは1m/g以上である。比表面積が、50m/gを超えると電解液との分解反応が増加し、不可逆容量の増加に繋がり、従って電池性能が低下する可能性がある。また、BET比表面積が0.5m/g未満であると、電解液との反応面積が低下することにより入出力特性が低下する可能性がある。
《非水電解質二次電池用炭素質材料の製造方法》
本発明の非水電解質二次電池用炭素質材料は、0.1μm以上3.0μm未満の粒子径範囲に少なくとも1つの相対頻度の極大値を有し、3.0μm以上25μm以下の粒子径範囲に少なくとも1つの相対頻度の極大値を有するものである。従って、限定されるものではないが、例えば異なる平均粒子径を有する2つの炭素質材料を混合することにより、得ることができる。しかしながら、後述のように、粉砕方法を工夫することにより、2種類の炭素質材料を混合することなく、本発明の非水電解質二次電池用炭素質材料を得ることもできる。
以下に、混合方法による本発明の炭素質材料の製造方法を説明する。
本発明の炭素質材料は、限定されるものではないが、例えば平均粒子径0.1μm以上、3.0μm未満の難黒鉛化炭素粒子(以下、第1難黒鉛化炭素粒子と称することがある)、及び平均粒子径3.0μm以上、25μm以下の難黒鉛化炭素粒子(以下、第2難黒鉛化炭素粒子と称することがある)を混合することによって得ることができる。
(第1難黒鉛化炭素粒子)
第一難黒鉛化炭素粒子は、限定されるものではないが、好ましくは平均粒子径0.1μm以上、3.0μm以下の難黒鉛化炭素粒子である。平均粒子径は、好ましくは0.5〜2.5μmであり、更に好ましくは0.8〜2.0μmである。平均粒子径が0.1μm未満であると、比表面積の増大を招き、電解液との反応面積が増加し不可逆容量が増加するため好ましくない。また3.0μmを超えると、第二難黒鉛化炭素粒子が形成する間隙に第一難黒鉛化炭素粒子が入ることが困難となり、電極密度が低くなるため好ましくない。
(第2難黒鉛化炭素粒子)
第2難黒鉛化炭素粒子は、限定されるものではないが、好ましくは平均粒子径3.0μm以上、25μm以下の難黒鉛化炭素粒子である。平均粒子径は、好ましくは3.2〜20μmであり、更に好ましくは3.5〜15μmである。平均粒子径が3.0μm未満であると、第二難黒鉛化性炭素粒子が作り出す間隙が小さく、第一難黒鉛化炭素粒子が間隙に入ることができないため、電極密度が低下し好ましくない。また25μmを超えると、粒子内でのリチウムの拡散自由工程が増加するため、急速な充放電が困難となり、入出力特性の低下を生じる。
(第1難黒鉛化炭素粒子と第2難黒鉛化炭素粒子との混合)
第1難黒鉛化炭素粒子と第2難黒鉛化炭素粒子の混合比率は、本発明の効果が得られる限りにおいて限定されるものではないが、重量比で20:80〜80:20であることが好ましく、より好ましくは25:75〜75:25であり、更に好ましくは30:70〜70:30である。第一難黒鉛化炭素粒子が20重量%以下になると、第二難黒鉛化炭素粒子が形成する隙間に、第一難黒鉛化炭素粒子が十分に入らず、電極を作製した際、高電極密度化が困難となる。一方、第一難黒鉛化炭素粒子が80重量%を超えると、微粉の増加により表面積が増加するため、電解液との反応性が高くなり、充電しても放電しない容量である不可逆容量が増加するため好ましくない。更に、粒子径の小さな炭素質材料のみを使用する場合、バインダーの使用量を増やすことになるため、負極のエネルギー密度が低下するという問題が生じるため好ましくない。
なお、混合工程における、混合方法は特に限定されるものではなく、予備焼成工程後に混合しても、本焼成工程後に混合しても良い。また、後述する負極材の製造時に混合しても良い。
また、本発明における炭素質材料は、難黒鉛化炭素であるため、黒鉛や結晶化度の高い炭素質材料から成る負極材活物質と比較して、耐久性やサイクル特性に優れる。
前記第1難黒鉛化炭素粒子及び第2難黒鉛化炭素粒子は、平均粒子径がそれぞれの粒子径範囲に存在することを除いては、従来の炭素質材料の製造方法によって製造することができる。以下に、炭素質材料の製造方法の例を示す。
(非水電解質二次電池用炭素質材料の製造方法)
非水電解質二次電池負極用炭素質材料は、限定されるものではないが、(1)炭素源を500℃以上で予備焼成し、炭素質前駆体を得る予備焼成工程、(2)炭素質前駆体をジェットミルで粉砕し、粉砕炭素質前駆体を得る粉砕工程、(3)粉砕炭素質前駆体を800℃以上で、本焼成し炭素質材料を得る本焼成工程、を含む製造方法によって得ることができる。
(炭素質材料の原料)
難黒鉛化性炭素質材料の炭素源は、難黒鉛化性炭素が製造できる限りにおいて限定されるものではなく、例えば石油系ピッチ、石炭系ピッチ、熱可塑性樹脂(例えば、ケトン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリアクリロニトリル、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体、ポリイミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアミドイミド、アラミド樹脂、又はポリエーテルエーテルケトン)、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、ポリアセタール樹脂、ナイロン樹脂、フラン樹脂、又はアルデヒド樹脂(例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂及びアミド樹脂))を挙げることができる。なお、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、又は熱可塑性樹脂は、酸化処理などにより不融化することによって、難黒鉛化性炭素の炭素源として用いることができる。
(酸化工程)
炭素源が石油系ピッチ、又は石炭系ピッチにおいては、酸化工程を必要とする。石油系ピッチ、又は石炭系ピッチは、エチレン製造時に複製する石油タール又はピッチ、石炭乾留時に生成するコールタール、及びコールタールの低沸点成分を蒸留除去した重質成分又はピッチ、石炭の液化により得られるタール又はピッチなどの石油又は石炭のタール又はピッチが使用できる。また、これらのタール及びピッチの2種類以上を混合してもよい。
酸化工程においては、石油系ピッチ、又は石炭系ピッチなどの多孔性ピッチが架橋されるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、酸化剤を用いて行う方法や、架橋剤を用いる方法がある。酸化剤も特に限定されるものではないが、気体としては、O、O、若しくはNOを、空気若しくは窒素等で希釈したガス、又はそれらの混合ガス、あるいは空気等の酸化性気体を用いることができる。また、液体としては、硫酸、硝酸、若しくは過酸化水素等の酸化性液体、又はそれらの混合物を用いることができる。酸化温度も、特に限定されるものではないが、例えば50℃以上、400℃以下であり、好ましくは100℃以上、400℃以下であり、より好ましくは、120℃以上300℃以下又は150℃以上、350℃以下であり、更に好ましくは150℃以上、300℃以下であり、最も好ましくは200℃以上、300℃以下である。
(予備焼成工程)
本発明の炭素質材料に用いる第1難黒鉛化炭素粒子及び第2難黒鉛化炭素粒子の製造においては、予備焼成を行ってもよく、予備焼成を行わなくてもよい。予備焼成工程を実施する場合は、炭素源を300℃以上900℃未満で焼成することによって行う。予備焼成は、揮発分、例えばCO、COCH、及びHなどと、タール分とを除去し、本焼成において、それらの発生を軽減し、焼成器の負担を軽減することができる。予備焼成温度が500℃未満であると脱タールが不十分となり、粉砕後の本焼成工程で発生するタール分やガスが多く、粒子表面に付着する可能性があり、粉砕したときの表面性を保てず電池性能の低下を引き起こすので好ましくない。一方、予備焼成温度が900℃以上であるとタール発生温度領域を超えることになり、使用するエネルギー効率が低下するため好ましくない。更に、発生したタールが二次分解反応を引き起こしそれらが炭素前駆体に付着し、電池性能の低下を引き起こすことがあるので好ましくない。予備焼成工程は、不活性ガス雰囲気中で行い、不活性ガスとしては、例えば、窒素、又はアルゴンなどを挙げることができる。また、予備焼成は、減圧下で行うこともでき、例えば、10KPa以下で行うことができる。予備焼成の時間も特に限定されるものではないが、例えば0.5〜10時間で行うことができ、1〜5時間がより好ましい。
(粉砕工程)
本実施形態に係る、粉砕工程は、難黒鉛化性炭素前駆体の粒径を、均一にするために行うものである。粉砕機は、粉砕後の粒子径分布が第一難黒鉛化炭素粒子において0.1μm以上、3.0μm以下、第二難黒鉛化炭素粒子において3.0μm以上、25μm以下の範囲となれば、特に限定されるものではなく、例えばジェットミル、ボールミル、ハンマーミル、又はロッドミルなどを使用することができる。また、粉砕様式として、乾式、湿式、いずれを使用することができる。また、平均粒子径を調整するため、粉砕後に分級を行うことも可能である。
分級として、篩による分級、湿式分級、又は乾式分級を挙げることができる。湿式分級機としては、例えば重力分級、慣性分級、水力分級、又は遠心分級などの原理を利用した分級機を挙げることができる。また、乾式分級機としては、沈降分級、機械的分級、又は遠心分級の原理を利用した分級機を挙げることができる。
また、粉砕工程において、粉砕と分級は1つの装置を用いて行うこともできる。例えば、乾式の分級機能を備えたジェットミルを用いて、粉砕と分級を行うことができる。
更に、粉砕機と分級機とが独立した装置を用いることもできる。この場合、粉砕と分級とを連続して行うこともできるが、粉砕と分級とを不連続に行うこともできる。
本実施形態に係る粉砕工程は、不融化工程後や本焼成工程後等、どの段階で行っても良く、特に限定されるものではない。
なお、本発明の炭素質材料は、前記の通り、第1難黒鉛化炭素粒子と第2難黒鉛化炭素粒子とを混合することによって製造することができる。しかしながら、混合を用いることなく、例えば粉砕方法を工夫することによって、小粒子極大値及び大粒子極大値を有する本発明の炭素質材料を製造することができる。例えば、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル、又はロッドミルなどを用いて粉砕する場合に、粉砕条件を粉砕の途中で、変更することによって、小粒子及び大粒子を含む炭素質材料を製造することが可能である。
(本焼成工程)
本発明の製造方法における本焼成工程は、通常の本焼成の手順に従って行うことができ、本焼成を行うことにより、非水電解質二次電池負極用炭素質材料を得ることができる。本焼成工程での焼成温度は、900〜1600℃である。本焼成温度が900℃未満では、炭素質材料に官能基が多く残存してH/Cの値が高くなり、リチウムとの反応により不可逆容量が増加するため好ましくない。本発明の本焼成温度の下限は900℃以上であり、より好ましくは1000℃以上であり、特に好ましくは1100℃以上である。一方、本焼成温度が1600℃を超えると炭素六角平面の選択的配向性が高まり放電容量が低下するため好ましくない。本発明の本焼成温度の上限は1600℃以下であり、より好ましくは1500℃以下であり、特に好ましくは1450℃以下である。
本焼成は、非酸化性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。非酸化性ガスとしては、ヘリウム、窒素又はアルゴンなどを挙げることができ、これらを単独或いは混合して用いることができる。更に、塩素などのハロゲンガスを上記非酸化性ガスと混合したガス雰囲気中で本焼成を行うことも可能である。また、本焼成は、減圧下で行うこともでき、例えば、10KPa以下で行うことも可能である。更に、本焼成工程の焼成時間は、特に限定されるものではないが、例えば0.1〜10時間で行うことができ、0.3〜8時間が好ましく、0.4〜6時間がより好ましい。
[2]非水電解質二次電池用負極電極
本発明の炭素質材料を用いる負極電極は、炭素質材料に結合剤(バインダー)を添加し適当な溶媒を適量添加、混練し、電極合剤とした後に、金属板等からなる集電板に塗布・乾燥後、加圧成形することにより製造することができる。本発明の炭素質材料を用いることにより特に導電助剤を添加しなくとも高い導電性を有する電極を製造することができるが、更に高い導電性を賦与することを目的に必要に応じて電極合剤を調製時に、導電助剤を添加することができる。導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、又はカーボンファイバーなどを用いることができ、添加量は使用する導電助剤の種類によっても異なるが、添加する量が少なすぎると期待する導電性が得られないので好ましくなく、多すぎると電極合剤中の分散が悪くなるので好ましくない。このような観点から、添加する導電助剤の好ましい割合は0.5〜15重量%(ここで、活物質(炭素質材料)量+バインダー量+導電助剤量=100重量%とする)であり、更に好ましくは0.5〜7.0重量%、特に好ましくは0.5〜5.0重量%である。結合剤としては、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリテトラフルオロエチレン、およびSBR(スチレン・ブタジエン・ラバー)とCMC(カルボキシメチルセルロース)との混合物等の電解液と反応しないものであれば特に限定されない。中でもPVDFは、活物質表面に付着したPVDFがリチウムイオン移動を阻害することが少なく、良好な入出力特性を得るために好ましい。PVDFを溶解しスラリーを形成するためにN−メチルピロリドン(NMP)などの極性溶媒が好ましく用いられるが、SBRなどの水性エマルジョンやCMCを水に溶解して用いることもできる。結合剤の添加量が多すぎると、得られる電極の抵抗が大きくなるため、電池の内部抵抗が大きくなり電池特性を低下させるので好ましくない。また、結合剤の添加量が少なすぎると、負極材料粒子相互および集電材との結合が不十分となり好ましくない。結合剤の好ましい添加量は、使用するバインダーの種類によっても異なるが、PVDF系のバインダーでは好ましくは3.0〜13.0重量%であり、更に好ましくは3.0〜10.0重量%である。一方、溶媒に水を使用するバインダーでは、SBRとCMCとの混合物など、複数のバインダーを混合して使用することが多く、使用する全バインダーの総量として0.5〜5.0重量%が好ましく、更に好ましくは1.0〜4.0重量%である。電極活物質層は集電板の両面に形成するのが基本であるが、必要に応じて片面でもよい。電極活物質層が厚いほど、集電板やセパレータなどが少なくて済むため高容量化には好ましいが、対極と対向する電極面積が広いほど入出力特性の向上に有利なため活物質層が厚すぎると入出力特性が低下するため好ましくない。好ましい活物質層(片面当たり)の厚みは、限定されるものではなく10μm〜1000μmの範囲内であるが、好ましくは10〜80μmであり、更に好ましくは20〜75μm、特に好ましくは20〜60μmである。
負極電極は、通常集電体を有する。負極集電体としては、例えば、SUS、銅、ニッケル又はカーボンを用いるができ、中でも、銅又はSUSが好ましい。
[3]非水電解質二次電池
本発明の負極材料を用いて、非水電解質二次電池用負極電極を形成した場合、正極材料、セパレータ、及び電解液など電池を構成する他の材料は特に限定されることなく、非水電解質二次電池として従来使用され、あるいは提案されている種々の材料を使用することが可能である。
なお、本発明における電池は、特に限定されるものではなく、例えばコイン形、角形またはペーパー形電池であっても良い。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
なお、以下に炭素質材料の物性値(「粒子径分布(平均粒子径)」、「比表面積」、「炭素材の平均面間隔d002」、「ブタノール真密度ρBt」)の測定法を記載するが、実施例を含めて、本明細書中に記載するこれらの物性値は、以下の方法により求めた値に基づくものである。
《粒子径分布》
試料約0.1gに対し、分散剤(カチオン系界面活性剤「SNウェット366」(サンノプコ社製))を3滴加え、試料に分散剤を馴染ませる。次に、純水30mLを加え、超音波洗浄機で約3分間分散させたのち、粒子径分布測定器(日機装株式会社「Microtrac MT3300EXII」)で、粒径0.02〜2000μmの範囲の粒径分布を求めた。測定条件において、透過性は吸収、粒子屈折率は1.81、形状は非球形を選択した。
得られた粒径分布から、累積容積が50%となる粒径をもって平均粒径Dv50(μm)とした。
《比表面積》
JIS Z8830に定められた方法に準拠し、比表面積を測定した。概要を以下に記す。
BETの式から誘導された近似式vm=1/(v(1−x))を用いて液体窒素温度における、窒素吸着による1点法(相対圧力x=0.2)によりvmを求め、次式により試料の比表面積を計算した:比表面積=4.35×vm(m/g)
(ここで、vmは試料表面に単分子層を形成するに必要な吸着量(cm/g)、vは実
測される吸着量(cm/g)、xは相対圧力である。)
具体的には、MICROMERITICS社製「Flow Sorb II2300」を用いて、以下のようにして液体窒素温度における炭素質物質への窒素の吸着量を測定した。
炭素材料を試料管に充填し、窒素ガスを20モル%濃度で含有するヘリウムガスを流しながら、試料管を−196℃に冷却し、炭素材に窒素を吸着させる。次に試験管を室温に戻す。このとき試料から脱離してくる窒素量を熱伝導度型検出器で測定し、吸着ガス量vとした。
《炭素質材料の平均層面間隔d002
炭素質材料粉末を試料ホルダーに充填し、PANalytical社製X’PertPROを用いて、対称反射法にて測定した。走査範囲は8<2θ<50°で印加電流/印加電圧は45kV/40mAの条件で、Niフィルターにより単色化したCuKα線(λ=1.5418Å)を線源とし、X線回折図形を得た。回折図形の補正は、ローレンツ変更因子、吸収因子、及び原子散乱因子などの関する補正を行わず、標準物質用高純度シリコン粉末の(111)面の回折線を用いて、回折角を補正した。CuKα線の波長を0.15418nmとし、Braggの公式によりd002を計算した。
《ブタノール法により求めた真密度》
JIS R7212に定められた方法に準拠し、ブタノールを用いて測定した。概要を以下に記す。
内容積約40mLの側管付比重びんの質量(m)を正確に量る。次に、その底部に試料を約10mmの厚さになるように平らに入れた後、その質量(m)を正確に量る。これに1−ブタノールを静かに加えて、底から20mm程度の深さにする。次に比重びんに軽い振動を加えて、大きな気泡の発生がなくなったのを確かめた後、真空デシケーター中に入れ、徐々に排気して2.0〜2.7kPaとする。その圧力に20分間以上保ち、気泡の発生が止まった後取り出して、更に1−ブタノールで満たし、栓をして恒温水槽(30±0.03℃に調節してあるもの)に15分間以上浸し、1−ブタノールの液面を標線に合わせる。次に、これを取り出して外部をよくぬぐって室温まで冷却した後、質量(m)を正確に量る。次に同じ比重びんに1−ブタノールだけを満たし、前記と同じようにして恒温水槽に浸し、標線を合わせた後、質量(m)を量る。また、使用直前に沸騰させて溶解した気体を除いた蒸留水を比重びんにとり、前と同様に恒温水槽に浸し、標線を合わせた後質量(m)を量る。ブタノール真密度(ρBt)は次の式により計算する。
(ここでdは水の30℃における比重(0.9946)である。)
《実施例1》
(1)多孔性球状ピッチ多孔体の製造
軟化点205℃、キノリン不溶分0.4%、H/C原子比0.65の石油系ピッチ70kgと、ナフタレン30kgとを、撹拌翼及び出口ノズルのついた内容積300Lの耐圧容器に仕込み、加熱溶融混合を行った。その後、加熱溶融混合した石油系ピッチを冷却し、粉砕を行った。得られた粉砕物を90〜100℃の水中に投入し、撹拌分散、冷却して球状ピッチ成形体を得た。大部分の水を濾過により除いた後、球状ピッチ成形体の約6倍量のn−ヘキサンでピッチ成形体中のナフタレンを抽出除去した。
(2)炭素質材料の製造
このようにして得た多孔性球状ピッチ多孔体を、加熱空気を通じながら加熱酸化し、熱に対して不融性の多孔性球状酸化ピッチを得た。
得られた多孔性球状酸化ピッチ成形態を、窒素ガス雰囲気中600℃で1時間保持して予備焼成工程を実施した後、ジェットミル(ホソカワミクロン社AIR JET MILL;MODEL 100AFG)により、平均粒子径がおよそ3.5μmの第1難黒鉛化炭素粒子を得た。また同時に、粉砕時に分級器(サイクロン)にて捕集された平均粒子径がおよそ1.5μmの第2難黒鉛化炭素粒子を得た。
次に、得られた第一難黒鉛化炭素粒子及び第二難黒鉛化炭素粒子を重量比50:50で混合し、混合した炭素前駆体10gを横型管状炉に入れ、窒素雰囲気中、1200℃で1時間本焼成を行った。なお、実施例1で得られた炭素質材料の平均粒子径は2.7μmであった。得られた炭素質材料の粒子径分布の頻度分布曲線及び積算分布曲線を図1に示す。約0.6μmに小粒子極大値が見られ、約3.9μmに大粒子極大値が見られた。
《比較例1》
平均粒子径2.5μmの難黒鉛化炭素粒子のみを使用した以外は、実施例1と同様にして、炭素質材料を得た。得られた炭素質材料の粒子径分布の頻度分布曲線及び積算分布曲線を図1に示す。約0.6μm及び約2.5μmに2つの極大値が見られた。
《実施例2》
第1難黒鉛化炭素粒子及び第2難黒鉛化炭素粒子を重量比70:30で混合した以外は、実施例1と同様にして炭素質材料を得た。なお、実施例2で得られた炭素質材料の平均粒子径は3.1μmであった。得られた炭素質材料の粒子径分布の頻度分布曲線及び積算分布曲線を図2に示す。約0.6μmに小粒子極大値が見られ、約3.9μmに大粒子極大値が見られた。
《比較例2》
平均粒子径2.8μmの難黒鉛化炭素粒子のみを使用した以外は、比較例1と同様にして、炭素質材料を得た。得られた炭素質材料の粒子径分布の頻度分布曲線及び積算分布曲線を図2に示す。約0.6μm及び約2.9μmに1つの極大値が見られた。
《実施例3》
約4.4μmの平均粒子径を有する第1難黒鉛化炭素粒子及び約1.5μmの平均粒子径を有する第2難黒鉛化炭素粒子を重量比70:30で混合した以外は、実施例1と同様にして炭素質材料を得た。なお、実施例3で得られた炭素質材料の平均粒子径は4.1μmであった。得られた炭素質材料の粒子径分布の頻度分布曲線及び積算分布曲線を図3に示す。約1.2μmに小粒子極大値が見られ、約5.0μmに大粒子極大値が見られた。
《比較例3》
平均粒子径3.7μmの難黒鉛化炭素粒子のみを使用した以外は、比較例1と同様にして、炭素質材料を得た。得られた炭素質材料の粒子径分布の頻度分布曲線及び積算分布曲線を図3に示す。約3.9μmに1つの極大値が見られた。
《実施例4》
約9.7μmの平均粒子径を有する第1難黒鉛化炭素粒子及び約1.5μmの平均粒子径を有する第2難黒鉛化炭素粒子を重量比50:50で混合した以外は、実施例1と同様にして炭素質材料を得た。なお、実施例4で得られた炭素質材料の平均粒子径は3.3μmであった。得られた炭素質材料の粒子径分布の頻度分布曲線及び積算分布曲線を図4に示す。約1.5μmに小粒子極大値が見られ、約10.1μmに大粒子極大値が見られた。
《比較例4》
平均粒子径3.5μmの難黒鉛化炭素粒子のみを使用した以外は、比較例1と同様にして、炭素質材料を得た。得られた炭素質材料の粒子径分布の頻度分布曲線及び積算分布曲線を図4に示す。約3.5μmに1つの極大値が見られた。
《比較例5》
平均粒子径9.0μmの難黒鉛化炭素粒子のみを使用した以外は、比較例1と同様にして、炭素質材料を得た。得られた炭素質材料の粒子径分布の頻度分布曲線及び積算分布曲線を図5に示す。約11.0μmに1つの極大値が見られた。
《比較例6》
平均粒子径1.5μmの難黒鉛化炭素粒子のみを使用した以外は、比較例1と同様にして、炭素質材料を得た。得られた炭素質材料の粒子径分布の頻度分布曲線及び積算分布曲線を図5に示す。約0.6μm及び約2.1μmに2つの極大値が見られた。
実施例及び比較例で得られた電極を用いて、以下の(a)〜(c)の操作により非水電解質二次電池を作成し、そして電極及び電池性能の評価を行った。
(a)電極作製
上記炭素材97重量部、SBR(分子量25万〜30万)2重量部、CMC(第一工業製薬製セロゲン4H)1重量部に超純水を加えてペースト状にし、銅箔上に均一に塗布した。乾燥した後、銅箔より直径15mmの円板状に打ち抜き、これをプレスして電極とした。なお、電極中の炭素材料の量は約10mgになるように調整した。
(b)試験電池の作製
本発明の炭素材は非水電解質二次電池の負極電極を構成するのに適しているが、電池活物質の放電容量(脱ドープ量)及び不可逆容量(非脱ドープ量)を、対極の性能のバラツキに影響されることなく精度良く評価するために、特性の安定したリチウム金属を対極として、上記で得られた電極を用いてリチウム二次電池を構成し、その特性を評価した。
リチウム極の調製は、Ar雰囲気中のグローブボックス内で行った。予め2016サイズのコイン型電池用缶の外蓋に直径16mmのステンレススチール網円盤をスポット溶接した後、厚さ0.8mmの金属リチウム薄板を直径15mmの円盤状に打ち抜いたものをステンレススチール網円盤に圧着し、電極(対極)とした。
このようにして製造した電極の対を用い、電解液としてはエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートを容量比で1:2:2で混合した混合溶媒に1.4mol/Lの割合でLiPFを加えたものを使用し、直径19mmの硼珪酸塩ガラス繊維製微細細孔膜のセパレータとして、ポリエチレン製のガスケットを用いて、Arグローブボックス中で、2016サイズのコイン型非水電解質系リチウム二次電池を組み立てた。
(c)電池容量の測定
上記構成のリチウム二次電池について、充放電試験装置(東洋システム製「TOSCAT」)を用いて充放電試験を行った。炭素極へのリチウムのドープ反応を定電流定電圧法により行い、脱ドープ反応を定電流法で行った。ここで、正極にリチウムカルコゲン化合物を使用した電池では、炭素極へのリチウムのドープ反応が「充電」であり、本発明の試験電池のように対極にリチウム金属を使用した電池では、炭素極へのドープ反応が「放電」と呼ぶことになり、用いる対極により同じ炭素極へのリチウムのドープ反応の呼び方が異なる。そこでここでは、便宜上炭素極へのリチウムのドープ反応を「充電」と記述することにする。逆に「放電」とは試験電池では充電反応であるが、炭素材からのリチウムの脱ドープ反応であるため便宜上「放電」と記述することにする。ここで採用した充電方法は定電流定電圧法であり、具体的には端子電圧が25mVになるまで0.50mA/cmで定電流充電を行い、端子電圧が25mVに達した後、端子電圧25mVで定電圧充電を行い電流値が20μAに達するまで充電を継続した。このとき、供給した電気量を電極の炭素材の重量で除した値を炭素材の単位重量当たりの充電容量(Ah/kg)と定義した。充電終了後、30分間電池回路を開放し、その後放電を行った。放電は0.50mA/cmで定電流放電を行い、終止電圧を1.5Vとした。このとき放電した電気量を電極の炭素材の重量で除した値を炭素材の単位重量当たりの放電容量(Ah/kg)と定義する。さらに、単位重量当たりの放電容量と電極密度の積を体積当たりの放電容量(Ah/L)とした。また、重量当たりの放電容量を重量当たりの充電容量で除し、充放電効率を求めた。充放電効率は、百分率(%)で表記した。
同一試料を用いて作製した試験電池についてのn=3の測定値を平均して充放電容量及
び充放電効率を計算した。
(d)電極密度の測定
本実施形態に係る電極密度は、集電体に塗工された炭素材物質の重量を表している。本発明においては、以下のように計算することができる。
電極密度[g/cm]=(W/S−W)/(t−t
ここで、厚さがt[cm]、単位面積あたりの質量がW[g/cm]である集電体上に、加圧して製造した厚さt[cm]の負極電極を、所定の面積S[cm]で打抜き、この打抜き後の負極電極の質量をW[g]としたものである。
(e)入出力特性の測定
正極は、LiCoO(日本化学工業(株)製「セルシードC5−H」)94重量部、アセチレンブラック3重量部、ポリフッ化ビニリデン(クレハ製KF#1300)3重量部にNMPを加えてペースト状にし、アルミニウム箔上に均一に塗布した。乾燥した後、塗工電極を直径14mmの円板上に打ち抜き、これをプレスし電極とした。
負極は、負極活物質の充電容量の95%となるよう負極電極中の炭素材料の重量を調整し、以下の手法により負極電極を調製した。
炭素質材料97重量部、SBR(分子量25万〜30万)2重量部、CMC(第一工業製薬製セロゲン4H)1重量部に超純水を加えてペースト状にし、銅箔上に均一に塗布した。これを乾燥した後、銅箔より直径15mmの円板状に打ち抜き、これをプレスして電極とした。なお、電極中の炭素質材料の量は約10mgになるように調整した。
なお、LiCoOの容量を150mAh/gとして計算し、1C(Cは時間率を表す)を1.8495mAとした。
このようにして調製した電極の対を用い、電解液としてはエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートを容量比で1:2:2で混合した混合溶媒に1.4mol/Lの割合でLiPFを加えたものを使用し、直径17mmの硼珪酸塩ガラス繊維製微細細孔膜のセパレータとして、ポリエチレン製のガスケットを用いて、Arグローブボックス中で、CR2032サイズのコイン型非水電解質系リチウム二次電池を組み立てた。
(f)50%充電状態の入出力特性試験および直流抵抗値試験
上記(e)の構成の非水電解質二次電池について、充放電試験機(東洋システム製「TOSCAT」)を用いて電池試験を行った。はじめにエージングを行った後、50%充電状態で入出力試験および直流抵抗値試験を開始した。以下にエージング手順(f−1)〜(f−3)を示す。
エージング手順(f−1)
定電流定電圧法を用いて、電池電圧が4.2VになるまではC/10の電流値で定電流充電を行い、その後、電池電圧を4.2Vに保持するように(定電圧に保持しながら)電流値を減衰させて電流値がC/100以下になるまで充電を継続した。充電終了後、30分間電池回路を開放した。
エージング手順(f−2)
電池電圧が2.75Vに達するまでC/10の定電流値で放電を行った。充電終了後、30分間電池回路を開放した。
エージング手順(f−3)
エージング手順(f−1)〜(f−2)をさらに2回繰り返した。
エージング終了後、定電流定電圧法を用いて電池電圧が4.2Vになるまでは1Cの電流値で定電流充電を行い、その後、電池電圧を4.2Vに保持するように(定電圧に保持しながら)電流値を減衰させて電流値がC/100以下になるまで充電を継続した。放電は電池電圧が2.75Vに達するまで電流値を1Cで1回行った。充電終了後、30分間電池回路を開放した。その後、電池電圧が2.75Vに達するまで1Cの定電流値で放電を行い、このときの放電容量を放電容量100%とした。
入出力試験および直流抵抗値試験は、松下電池工業 平成17年度〜平成18年度 NEDO成果報告書 燃料電池自動車等用リチウム電池技術開発 車載用リチウム電池技術開発(高入出力・長寿命リチウムイオン電池の技術開発)の3)−1を参考に行った。以下に入出力試験および直流抵抗値試験手順(f−4)〜(f−11)を示す。なお、直流抵抗値試験は−10℃の環境下で行った。
入出力試験および直流抵抗値試験手順(f−4)
上記放電容量に対する50%の充電状態において、1Cの電流値で放電を10秒間行った後、10分間電池回路を開放した。
入出力試験および直流抵抗値試験手順(f−5)
1Cの電流値で充電を10秒間行った後、10分間電池回路を開放した。
入出力試験および直流抵抗値試験手順(f−6)
入出力試験手順(f−4)と(f−5)における充放電の電流値を、2C、3Cに変更して、同様に入出力試験手順(f−4)〜(f−5)を行った。
入出力試験および直流抵抗値試験手順(f−7)
充電側において10秒目の電圧を各電流値に対してプロットし、最小二乗法によって近似直線を得た。この近似直線を外挿して充電側の上限電圧を4.2Vとした際の電流値を算出した。
入出力試験および直流抵抗値試験手順(f−8)
得られた電流値(A)と上限電圧(V)との積を入力値(W)とし、正極および負極の体積(両方の集電体の体積を除く)で除したW/cmを単位として、体積当たりの入力値を算出した。
入出力試験および直流抵抗値試験手順(f−9)
充電側において電流印加停止から10分後までの電圧差を各電流値に対してプロットし、最小二乗法によって近似直線を得た。この近似直線の傾きを入力側の直流抵抗値(Ω)とした。
入出力試験および直流抵抗値試験手順(f−10)
同様に、放電側において10秒目の電圧を各電流値に対してプロットし、最小二乗法によって近似直線を得た。この近似直線を外挿して放電側の下限電圧を2.75Vとした際の電流値を算出した。
入出力試験および直流抵抗値試験手順(f−11)
得られた電流値(A)と下限電圧(V)との積を出力値(W)とし、正極および負極の体積(両方の集電体の体積を除く)で除したW/cmを単位として、体積当たりの出力値を算出した。
入出力試験および直流抵抗値試験手順(f−12)
放電側において電流印加停止から10分後までの電圧差を各電流値に対してプロットし、最小二乗法によって近似直線を得た。この近似直線の傾きを出力側の直流抵抗値(Ω)とした。
(g)15サイクル後の放電容量維持率
15サイクル後の放電容量維持率は、(c)の電池容量の測定後、得られた放電容量の値を1Cとし、Cレートに相当する電流密度(mA/cm)を変えて、1Cで3回(1〜3サイクル)、2Cで3回(4〜6サイクル)、3Cで3回(7〜9サイクル)、5Cで3回(10〜12サイクル)行った後、再度1Cで3回(13〜15サイクル)充放電を行った以外は、(c)の測定方法と同様に測定を行った。15サイクル後の放電容量維持率の算出方法は、15サイクル目に相当する1Cでの充放電後の放電容量を、1サイクル目に相当する1Cでの充放電後の放電容量で除し、15サイクル後の放電容量維持率(%)とした。
図1〜5及び表1に示すように、実施例1〜4の炭素質粒子は小粒子極大値及び大粒子極大値を有しているが、比較例1〜6の炭素質粒子は、いずれかの極大値を有さなかった。また、実施例1〜4の炭素質粒子は、粒子体積全体に対する0.1〜1μmの粒子割合が、10〜60体積%であった。
表2に示すように、実施例1〜4の炭素質材料を用いた負極電極は、比較例1〜4の炭素質材料を用いた負極電極と比較して、電極密度が増加していることがわかる。
更に、実施例1〜4で得られた炭素質材料を用いたリチウムイオン二次電池は、−10℃における直流抵抗値が入力側、出力側共に低い値を示した。一方、比較例1〜4で得られた炭素質材料を用いたリチウムイオン二次電池は、電極密度が低く、−10℃における直流抵抗値が入力側、出力側共に高い値を示している。
これらの結果から、本実施形態に係る炭素質材料は、平均粒子径の異なる炭素質材料を混合することで、電極密度が向上し、第1難黒鉛化炭素粒子を含むことにより炭素質材料同士の接触性が向上する。これに伴い、本発明により得られる負極材料は、体積当たり容量が向上し、更に保液性が向上すると考えられる。
本発明の非水電解質二次電池電極は電極密度を有し、そして本発明の非水電解質二次電池は優れた入出力特性及びサイクル特性を示す。従って高い入出力特性が求められる、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド(PHEV)及び電気自動車(EV)、に対して有効に用いることができる

Claims (6)

  1. (1)レーザー回折法で測定される体積基準での粒子径分布の頻度分布曲線において、0.1μm以上3.0μm未満の粒子径範囲に少なくとも1つの相対頻度の極大値を有し、3.0μm以上25μm以下の粒子径範囲に少なくとも1つの相対頻度の極大値を有し、
    (2)(002)面の平均面間隔が0.365nm〜0.400nmであり、そして
    (3)平均粒子径が0.5μm〜7.0μmである、
    ことを特徴とするアルカリ金属を挿入及び脱離可能な非水電解質二次電池用炭素質材料。
  2. 前記0.1μm以上3.0μm未満の粒子径範囲の炭素質粒子と、3.0μm以上25μm以下の粒子径範囲の炭素質粒子との体積割合が、15:85〜85:15である、請求項1に記載の非水電解質二次電池用炭素質材料。
  3. 0.1〜1.0μmの粒子径範囲の炭素質粒子の体積割合が、炭素質粒子の全体積に対して10〜60体積%である請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池用炭素質材料。
  4. 0.2μm〜2.0μmの粒子径範囲に少なくとも1つの相対頻度の極大値を有し、そして3.0μm〜10μmの粒子径範囲に少なくとも1つの相対頻度の極大値を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用炭素質材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭素質材料を含む非水電解質二次電池用負極電極。
  6. 請求項5に記載の負極電極を含む非水電解質二次電池。
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