JP2017073235A - 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極、及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極、及び非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電ヒステリシスが小さい非水電解質二次電池用正極活物質、これを用いた非水電解質二次電池用正極、及び、非水電解質二次電池を提供する。【解決手段】W及びFeを含むリチウム遷移金属複合酸化物であって、空間群C2/c又は空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を有する非水電解質二次電池用正極活物質を用いて非水電解質二次電池を製造する。前記W及びFeの原子比率がWyFe1−y(0.1≦y≦0.6)を満たすことが好ましい。【選択図】図3

Description

本発明は、非水電解質二次電池用正極活物質、その正極活物質を用いる非水電解質二次電池用正極、及びその正極を有する非水電解質二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、近年、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)などの自動車用電源としても用いられている。
LiWOは、全てのLiが充放電反応に寄与したと仮定した場合の理論容量が368mAh/gであるから、高容量のリチウム二次電池用正極活物質として期待できる。
非特許文献1には、LiOとWOをLi:W=4.4:1に混合し、950℃で28日間焼成し、徐冷してLiWOを作製したこと、MoKα線源を用いたエックス線回折測定の結果、LiWOは、空間群P−1に属する結晶構造を有し、結晶格子定数が、a=510.94(5)pm、b=771.59(7)pm、c=506.09(4)pm、α=101.804(8)°、β=101.78(1)°、γ=108.770(9)°であったことが記載されている(ABSTRUCT)。なお、前記「P−1」のバー”−”は本来「1」の上に付して記載される。
非特許文献2には、ハニカム型結晶構造を有するLiNiWO、LiMnWO及びLiNi0.6Mn0.2Co0.2WOを正極活物質として検討したことが記載されている。
Anorg.Allg.Chem.573(1989)157-169 228th ECS Meeting Abstract: "Li4MeWO6 (Me=Ni,Mn,Co) As Positive Electrode Materials for Li-ion Batteries", 2015.(https://ecs.int.confex.com/data/abstract/ecs/228/Paper_59127_abstract_27580_0.html)
優れた電池性能を備えた非水電解質二次電池を提供するための正極活物質には、充放電ヒステリシスが小さいことが求められる。充放電ヒステリシスが小さいとは、充電中の平均作動電位と放電中の平均作動電位との差が小さいことをいう。
(1)W及びFeを含むリチウム遷移金属複合酸化物であって、空間群c2/c又は空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を有する非水電解質二次電池用正極活物質。
(2)前記W及びFeの原子比率がWFe1−y(0.1≦y≦0.6)を満たす(1)の非水電解質二次電池用正極活物質。
(3)前記(1)又は(2)の非水電解質二次電池用正極活物質を備えた非水電解質二次電池用正極。
(4)前記(3)の非水電解質二次電池用正極、負極及び非水電解質を備えた非水電解質二次電池。
本発明によれば、充放電ヒステリシスが小さい非水電解質二次電池とすることのできる非水電解質二次電池用正極活物質を提供できる。また、充放電ヒステリシスが小さい非水電解質二次電池とすることのできる非水電解質二次電池用正極を提供できる。また、充放電ヒステリシスが小さい非水電解質二次電池を提供できる。
本発明に係る非水電解質二次電池の一実施形態を示す外観斜視図 本発明に係る非水電解質二次電池を複数個集合して構成した蓄電装置を示す概略図 本発明の一実施形態に係る正極活物質及び正極のエックス線回折図 図3の部分拡大図
(正極活物質)
本発明の正極活物質は、例えば、W、Fe及びLiをそれぞれ含む化合物を所定の割合で混合した原料を必要に応じて焼成することにより得ることができる。原料中のWとFeの比率は、WFe1−yで表したとき、0.1≦y≦0.6を満たすことが好ましい。原料中のW及びFeと、Liとの比率は、LiFe1−yで表したとき、1.2≦x≦2.8を満たすことが好ましい。本発明の正極活物質は、上記の原料を室温で遊星ボールミル等を用いてグラインドするだけで得られることもある。
原料中のW、Fe及びLiの比率、即ち、LiFe1−yにおけるx及びyの値は、式yLiWO−(1−y)LiFeO、又は、式yLiWO−(1−y)FeOを想定し、これを満たすように選択して決定することがより好ましい。式yLiWO−(1−y)LiFeOを想定してx及びyの値を選択し、400〜1000℃で焼成することにより、本発明に係る正極活物質とすることができるリチウム遷移金属複合酸化物を得ることができる。ここで、比較的高い焼成温度を採用すると空間群C2/cに帰属可能な結晶構造を含む化合物が得られ、比較的低い焼成温度を採用すると空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を含む化合物が得られる。式yLiWO−(1−y)FeOを想定してx及びyの値を選択し、400〜600℃で焼成することにより、本発明に係る正極活物質とすることができるリチウム遷移金属複合酸化物を得ることができる。この場合、空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を含む化合物が得られる。但し、式yLiWO−(1−y)FeOを想定してx及びyの値を選択し、650℃以上の温度で焼成すると、空間群C2/cにも空間群Fm−3mにも帰属できず、本発明に係る正極活物質とすることができるリチウム遷移金属複合酸化物が得られない場合がある。なお、前記「Fm−3m」のバー”−”は本来「3」の上に付して記載される。
上記xの好ましい値は、あくまでも本発明に係る正極活物質となるリチウム遷移金属複合酸化物を合成する際に用いる原料を構成するLiの比率に関するものである。本発明に係る正極活物質を正極に用いて非水電解質二次電池を製造し、これを充放電すると、LiとWFe1−yとの比率は大きく変動することがある。従って、電池から取り出した正極活物質のLiとWFe1−yとの比率が上記xの値から乖離していることをもって本発明の技術的範囲に属さないと判断してはならない。
(負極活物質)
本発明の非水電解質二次電池を構成する負極に使用する負極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば、特に制限はなく、炭素質材料、酸 化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる 。 炭素質材料としては、グラファイト(黒鉛)、コークス類、難黒鉛化 性炭素、低温焼成易黒鉛化性炭素、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、活性炭等が挙げられる。これらの中でもグラファイトは、金属リチウムに極めて近い作動電位を有し、高い作動電圧での充放電を実現できるため負極活物質として好ましく、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛が好ましい。特に、負極活物質粒子表面を不定形炭素等で修飾してあるグラファイトは、充電中のガス発生が少ないことから望ましい。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。なかでも炭素質材料又はリチウム複合酸化物が安全性の点から好ましく用いられる。
(正極・負極)
正極活物質、及び負極活物質は正極及び負極の主要成分であるが、前記正極及び負極には、前記主要構成成分の他に、導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等が、他の構成成分として含有されてもよい。
導電剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば限定されないが、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,土状黒鉛等)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、金属(銅,ニッケル,アルミニウム,銀,金等)粉、金属繊維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種またはそれらの混合物として含ませることができる。
これらの中で、導電剤としては、電子伝導性及び塗工性の観点よりアセチレンブラックが好ましい。導電剤の添加量は、正極または負極の総質量に対して0.1質量%〜50質量%が好ましく、特に0.5質量%〜30質量%が好ましい。特にアセチレンブラックを0.1〜0.5μmの超微粒子に粉砕して用いると必要炭素量を削減できるため好ましい。正極活物質に導電剤を十分に混合するために、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、遊星ボールミル等の粉体混合機を乾式、あるいは湿式で用いることが可能である。
前記結着剤としては、通常、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリエチレン,ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM),スルホン化EPDM,スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のゴム弾性を有するポリマー、ポリアミドイミド、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアクリル酸等を1種または2種以上の混合物として用いることができる。結着剤の添加量は、正極または負極の総質量に対して1〜50質量%が好ましく、特に2〜30質量%が好ましい。
フィラーとしては、電池性能に悪影響を及ぼさない材料であれば限定されない。通常、ポリプロピレン,ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、無定形シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス、炭素等が用いられる。フィラーの添加量は、正極または負極の総質量に対して添加量は30質量%以下が好ましい。
正極及び負極は、前記主要構成成分(正極活物質又は負極材料)を含有し、N−メチルピロリドン,トルエン等の有機溶媒又は水を分散溶媒とする塗布液を作製し、正極集電体に塗布し、前記分散溶媒を加熱除去すること等により好適に作製される。前記塗布方法については、例えば、アプリケーターロールなどのローラーコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレード方式、スピンコーティング、バーコータ等の手段を用いて任意の厚さ及び任意の形状に塗布することが好ましいが、これらに限定されるものではない。
集電体としては、Al箔、Cu箔等の集電箔を用いることができる。正極の集電箔としてはAl箔が好ましい。集電箔の厚みは10〜30μmが好ましい。また、合剤層の厚みはプレス後において、40〜150μm(集電箔厚みを除く)が好ましい。
(非水電解質)
本発明に係る非水電解質二次電池に用いる非水電解質は、限定されず、一般にリチウム電池等への使用が提案されているものが使用可能である。非水電解質に用いる非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
非水電解質に用いる電解質塩としては、限定されない。例えば、LiClO,LiBF,LiAsF,LiPF,LiSCN,LiBr,LiI,LiSO,Li10Cl10,NaClO,NaI,NaSCN,NaBr,KClO,KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCFSO,LiN(CFSO,LiN(CSO,LiN(CFSO)(CSO),LiC(CFSO,LiC(CSO,(CHNBF,(CHNBr,(CNClO,(CNI,(CNBr,(n−CNClO,(n−CNI,(CN−maleate,(CN−benzoate,(CN−phthalate、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム等の有機イオン塩等が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。
さらに、LiPF又はLiBFと、LiN(CSOのようなパーフルオロアルキル基を有するリチウム塩とを混合して用いることにより、さらに電解質の粘度を下げることができるので、低温特性をさらに高めることができ、また、自己放電を抑制することができ、より好ましい。
また、非水電解質として常温溶融塩やイオン液体を用いてもよい。
非水電解質における電解質塩の濃度としては、高い電池特性を有する非水電解質電池を確実に得るために、0.1mol/L〜5mol/Lが好ましく、さらに好ましくは、0.5mol/L〜2.5mol/Lである。
(セパレータ)
セパレータとしては、優れた高率放電性能を示す多孔膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。非水電解質電池用セパレータを構成する材料としては、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を挙げることができる。
セパレータの空孔率は強度の観点から98体積%以下が好ましい。また、充放電特性の観点から空孔率は20体積%以上が好ましい。
また、セパレータは、例えばアクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルメタアクリレート、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーと電解質とで構成されるポリマーゲルを用いてもよい。非水電解質を上記のようにゲル状態で用いると、漏液を防止する効果がある点で好ましい。
さらに、セパレータは、上述したような多孔膜や不織布等とポリマーゲルを併用して用いると、電解質の保液性が向上するため好ましい。即ち、ポリエチレン微孔膜の表面及び微孔壁面に厚さ数μm以下の親溶媒性ポリマーを被覆したフィルムを形成し、前記フィルムの微孔内に電解質を保持させることで、前記親溶媒性ポリマーがゲル化する。
前記親溶媒性ポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデンの他、エチレンオキシド基やエステル基等を有するアクリレートモノマー、エポキシモノマー、イソシアナート基を有するモノマー等が架橋したポリマー等が挙げられる。該モノマーは、電子線(EB)照射、又はラジカル開始剤を添加して加熱若しくは紫外線(UV)照射を行う等により、架橋反応を行わせることが可能である。
(非水電解質二次電池の構成)
本発明の非水電解質二次電池の構成については特に限定されるものではなく、正極、負極及びロール状のセパレータを有する円筒型電池、角型電池、扁平型電池等が一例として挙げられる。
図1に角型電池の一例を示す。セパレータを挟んで巻回された正極及び負極よりなる電極群2が角型の電池容器3に収納され、正極リード4’を介して正極端子4が、負極リード5’を介して負極端子5が電池容器外に導出されている。
(蓄電装置の構成)
本発明の非水電解質二次電池は、特に電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)などの自動車用電源として用いる場合に、複数の非水電解質二次電池を集合して構成した蓄電装置(バッテリーモジュール)として搭載することができる。
図2に、非水電解質二次電池1が集合した蓄電ユニット20をさらに集合した蓄電装置30の一例を示す。
以下の実施例及び比較例にて合成された全ての化合物は、以下の装置及び条件にて粉末エックス線回折測定による結晶構造解析を行った。また、これらの化合物を正極活物質として用いた非水電解質二次電池を作製し、充放電試験を行った。
(エックス線回折測定)
エックス線回折装置(Rigaku社製、型名:MiniFlex II)を用い、線源はCuKα線、管電圧及び管電流はそれぞれ30kV及び15mAとし、回折エックス線は厚み30μmのKβフィルターを通り高速一次元検出器(型番:D/teX Ultra 2)にて検出される。サンプリング幅は0.01°、スキャンスピードは5°/min、発散スリット幅は0.625°、受光スリット幅は13mm(OPEN)、散乱スリット幅は8mmとする。得られたエックス線回折図及びエックス線回折データについて、統合粉末エックス線解析ソフトウェア「PDXL」(Rigaku社製)を用いて解析を実施した。
(非水電解質二次電池の作製)
正極活物質2.275gとアセチレンブラック(AB)0.700gをそれぞれ秤取し、直径5mmのジルコニア製ボール(商品名:YTZボール)が90g(約250個)入った内容積80mLのジルコニア製ポットに投入した。このポットにさらにエタノール10mLを投入し、蓋をして、遊星型ボールミル(FRITSCH社製、型番pulverisette 5)にセットし、公転回転数300rpmで9分混合した後に1分間の休止を入れる操作を計6回繰り返した。この混合物を75℃の乾燥機で3時間以上乾燥することで、混合粉体を調製した。この混合粉体にポリフッ化ビニリデン(PVdF)のN−メチルピロリドン(NMP)溶液を、正極活物質、AB及びPVdFの質量比が65:20:15となるように混合した。この混合物を、分散媒としてN−メチルピロリドンを加えて混練分散し、塗布液を調製した。なお、PVdFについては、固形分が溶解分散された液を用いることによって、固形質量換算した。該塗布液を厚さ20μmのアルミニウム箔集電体に塗布した後、分散媒を蒸発させるために80℃のホットプレート上で60分の乾燥を行い、ロールプレスを行うことで正極板を作製した。合剤層のプレス後の厚みは13μm、塗布重量は2.5mg/cmであった。ここで、合剤層の厚みを実用電池として好ましい範囲(40〜150μm)よりも薄くしたのは、正極活物質としての挙動をより正確に捉えるためである。
前記正極を作用極として非水電解質二次電池を組立て、正極としての挙動を評価した。単独挙動を正確に観察する目的のため、負極には金属リチウムをニッケル箔集電体に密着させて用いた。ここで、非水電解質二次電池の容量が負極によって制限されないよう、十分な量の金属リチウムを配置した。
電解液として、エチレンカーボネート(EC)/エチルメチルカーボネート(EMC)/ジメチルカーボネート(DMC)が体積比6:7:7である混合溶媒に濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解させた溶液を用いた。セパレータとして、ポリアクリレートで表面改質したポリプロピレン製の微孔膜を用いた。外装体には、ポリエチレンテレフタレート(15μm)/アルミニウム箔(50μm)/金属接着性ポリプロピレンフィルム(50μm)からなる金属樹脂複合フィルムを用い、正極端子及び負極端子の開放端部が外部露出するように電極を収納し、前記金属樹脂複合フィルムの内面同士が向かい合った融着代を注液孔となる部分を除いて気密封止し、前記電解液を注液後、注液孔を封止した。以上の手順にて非水電解質二次電池(リチウム二次電池)を作製した。
充放電試験では、正極と負極との間で電圧制御を行ったが、負極における金属リチウムの溶解・析出反応抵抗が極めて低いことから、充放電中の端子間電圧は、正極に対する作用極の電位と等しいとみなすことができる。
上記非水電解質二次電池について、25℃環境下で、2サイクルの充放電を実施した。充電は定電流定電位充電とし、充電上限電位は4.8V(vs.Li/Li)とし、充電終止条件は、充電電流が1mA/gに減衰した時点とした。放電は定電流放電とし、放電終止電位は1.0V(vs.Li/Li)とした。充電電流の定電流値及び放電電流は、正極板が含有する正極活物質の質量に対して4mA/gとした。充電後に10分間の休止時間を設定した。1サイクル目の放電容量を「初回放電容量(mAh/g)」として記録した。また、2サイクル目の充電時の平均充電電位と、2サイクル目の放電時の平均放電電位との差を算出し、「充放電ヒステリシス(V)」として記録した。なお、平均充電電位及び平均放電電位は、通電電気量(例えばmAh)に対する電位変化をプロットしたグラフにおいて、グラフの横軸及び縦軸と電位変化曲線によって囲まれる面積を充電電気量又は放電電気量に相当する積算通電電気量(例えばmAh)で除した値に相当する。
<実施例1>
11.400gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製),8.845gの蓚酸鉄(FeC・2HO)( ナカライテスク社製),及び9.083gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、直径5mmのジルコニア製ボール(商品名:YTZボール)が90g(約250個)入った内容積80mLのジルコニア製ポットに投入した。このポットにさらにエタノール10mLを投入し、蓋をして、遊星型ボールミル(FRITSCH社製、型番pulverisette 5)にセットし、公転回転数300rpmで9分混合した後に1分間の休止を入れる操作を計6回繰り返した。この混合物を75℃の乾燥機で3時間以上乾燥し、混合粉体を調製した。この混合粉体を、容量30mLのアルミナ製るつぼ(型番:1−7745−07)に載置し、卓上真空・ガス置換炉(型番:KDF75)に設置し、空気気流中、常圧下、常温から950℃まで5hかけて昇温し、950℃で4h保持した後、自然放冷した。焼成後の粉末を取り出し、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、組成式LiFeWOで表される実施例1に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<実施例2>
9.274gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製)、3.194gの酸化第二鉄(Fe)(ナカライテスク社製)及び7.389gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、常温から550℃まで5hかけて昇温し、550℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式LiFeWOで表される実施例2に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<比較例1>
12.150gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製)、9.379gの蓚酸マンガン(MnC・2HO)(キシダ化学社製)及び7.744gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、窒素気流中で合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式LiMnWOで表される比較例1に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<比較例2>
11.427gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製)、3.891gの酸化マンガン(III)(Mn)(高純度化学社製)及び9.104gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、窒素気流中、常温から750℃まで5hかけて昇温し、750℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式LiMnWOで表される比較例2に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<比較例3>
12.018gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製)、3.884gの酸化コバルト(III)(CoO)(高純度化学社製)及び7.660gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、窒素気流中、常温から750℃まで5hかけて昇温し、750℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式LiCoWOで表される比較例3に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<比較例4>
12.026gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製)、9.478gの蓚酸ニッケル(NiC・2HO)(三津和化学社製)及び7.665gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、常温から850℃まで5hかけて昇温し、850℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式LiNiWOで表される比較例4に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<比較例5>
13.272gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製)、2.307gの酸化マグネシウム(MgO)(ナカライテスク社製)及び8.459gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、常温から750℃まで5hかけて昇温し、750℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式LiMgWOで表される比較例5に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<比較例6>
18.547gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製)及び11.822gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式LiWO5.0で表される比較例6に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<比較例7>
15.969gの酸化第二鉄(Fe)(ナカライテスク)及び7.389gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、常温から550℃まで5hかけて昇温し、550℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式LiFeO2.0で表される比較例7に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
以上の結果を表1に示す。
実施例1及び比較例1〜5の化合物は、いずれもLiMgReO型結晶相を有し、空間群C2/cに帰属可能な結晶構造が確認された。実施例1及び比較例1〜7の結果からわかるように、Li及びW以外の金属元素としてFeを選択して作製されたリチウム遷移金属複合酸化物は、Li及びW以外の金属元素としてMn、Co、Ni又はMgを選択した場合に比べて、十分な放電容量を備え、充放電ヒステリシスが小さい正極活物質とすることができることがわかった。また、実施例2の化合物は、NaCl型結晶相を有し、空間群Fm−3m帰属可能な結晶構造が確認された。実施例2の結果からわかるように、Li及びW以外の金属元素としてFeを選択して作製されたリチウム遷移金属複合酸化物は、結晶構造が異なる場合であっても、十分な放電容量を備え、充放電ヒステリシスが小さい正極活物質とすることができることがわかった。
次に、リチウム遷移金属複合酸化物を構成する金属元素の比率を変化させて検討を行った。実施例3〜5及び比較例8、9では、式yLiWO−(1−y)LiFeOを想定してLiFe1−yにおけるx及びyの値を選択した。
<実施例3>
4.612gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製)、11.119gの酸化第二鉄(Fe)(ナカライテスク)及び8.084gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、常温から550℃まで5hかけて昇温し、550℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式Li1.4Fe0.880.132.4で表される実施例3に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<実施例4>
7.648gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製)、7.902gの酸化第二鉄(Fe)(ナカライテスク)及び8.530gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、常温から550℃まで5hかけて昇温し、550℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式Li1.8Fe0.750.252.8で表される実施例4に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<実施例5>
9.798gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製)、5.624gの酸化第二鉄(Fe)(ナカライテスク)及び8.847gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、常温から550℃まで5hかけて昇温し、550℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式Li2.1Fe0.630.383.1で表される実施例5に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<比較例8>
13.910gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製)、1.597gの酸化第二鉄(Fe)(ナカライテスク)及び9.606gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、常温から550℃まで5hかけて昇温し、550℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式Li3.3Fe0.250.754.3で表される比較例8に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<比較例9>
16.229gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製)、0.799gの酸化第二鉄(Fe)(ナカライテスク)及び10.714gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、常温から550℃まで5hかけて昇温し、550℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式Li3.6Fe0.130.884.6で表される比較例9に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
これらの結果を実施例2の結果と併せて表2に示す。
実施例6、7及び比較例10〜12では、式yLiWO−(1−y)FeOを想定してLiFe1−yにおけるx及びyの値を選択した。
<実施例6>
14.027gのタングステン酸鉄(FeWO)(高純度化学社製)、2.212gの酸化鉄(FeO)(高純度化学社製)及び6.825gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、常温から550℃まで5hかけて昇温し、550℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式Li1.5Fe0.620.382.5で表される実施例6に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<実施例7>
12.147gのタングステン酸鉄(FeWO)(高純度化学社製)及び5.911gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、常温から550℃まで5hかけて昇温し、550℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式LiFeWOで表される実施例7に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<比較例10>
9.274gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製)、6.074gのタングステン酸鉄(FeWO)(高純度化学社製)及び8.867gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、常温から550℃まで5hかけて昇温し、550℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式Li3.0Fe0.250.754.0で表される比較例10に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<比較例11>
13.911gの三酸化タングステン(WO)(高純度化学社製)、3.304gのタングステン酸鉄(FeWO)(高純度化学社製)及び10.344gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、常温から550℃まで5hかけて昇温し、550℃で4h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式Li3.5Fe0.130.884.5で表される比較例11に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
<比較例12>
12.112gの酸化タングステン(WO)(高純度化学社製),9.403gの蓚酸鉄(FeC・2HO)( ナカライテスク社製),及び7.725gの炭酸リチウム(LiCO)(ナカライテスク社製)を秤量し、常温から650℃まで5hかけて昇温し、650℃で48h保持して合成したことを除いては実施例1と同様の手順で、組成式LiFeWOで表される比較例12に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
これらの結果を表3に示す。
式yLiWO−(1−y)LiFeOを想定してx及びyの値を選択し、950℃又は550℃で焼成することにより、表1、2に示すように、十分な放電容量を備え、充放電ヒステリシスが小さい正極活物質とすることができるリチウム遷移金属複合酸化物を得ることができることがわかった。また、950℃で焼成した場合には空間群C2/cに帰属可能な結晶構造を含む化合物が得られ、550℃で焼成した場合には空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を含む化合物が得られることがわかった。
yLiWO−(1−y)FeOを想定してx及びyの値を選択し、550℃で焼成することにより、表3に示すように、式空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を含み、十分な放電容量を備え、充放電ヒステリシスが小さい正極活物質とすることができるリチウム遷移金属複合酸化物を得ることができることがわかった。但し、650℃以上の温度で焼成して得られた化合物は、空間群C2/cにも空間群Fm−3mにも帰属できず、本発明の効果を奏さないものであった。
(充放電前後における正極活物質の結晶構造解析)
前記正極に用いた正極活物質、及び、充放電後の非水電解質二次電池から取り出した正極について、エックス線回折測定を行った。充放電後の非水電解質二次電池から取り出した正極は、ジメチルカーボネート(DMC)にて洗浄した後、十分に乾燥させた。これを、アルゴン雰囲気を維持するための専用の装置(汎用雰囲気セパレータ)(Rigaku社製)に設置し、エックス線回折装置(Rigaku社製、型名:MiniFlex II)を用いて粉末エックス線回折測定を行った。線源はCuKα線、管電圧及び管電流はそれぞれ30kV及び15mAとし、回折エックス線は厚み30μmのKβフィルターを通り高速一次元検出器(型番:D/teX Ultra 2)にて検出される。サンプリング幅は0.01°、スキャンスピードは5°/min、発散スリット幅は0.625°、受光スリット幅は13mm(OPEN)、散乱スリット幅は8mmとする。得られたエックス線回折図及びエックス線回折データについて、統合粉末エックス線解析ソフトウェア「PDXL」(Rigaku社製)を用いて解析を実施した。
その結果、いずれの実施例においても、正極活物質について確認された結晶構造が、充放電後も維持されていることがわかった。代表して実施例2に関する測定結果を図3に示す。図4は図3の部分拡大図である。各図において、(1)は正極板に用いた正極活物質の粉末エックス線回折図、(2)は1サイクルの充放電後に放電状態で取出した正極板のエックス線回折図、(3)は4サイクルの充放電後に放電状態で取出した正極板エックス線回折図である。但し、▼印はアルミニウム製正極集電体に由来するピークである。図4からわかるように、正極活物質において確認された空間群Fm−3mに帰属されるNaCl型結晶相型結晶相に特徴的な37°、43°及び63°の回折ピークが、充放電後も維持されていることがわかる。
なお、本発明者は、空間群C2/cに帰属可能な結晶構造を有するLiNiWO及び空間群C2/cに帰属可能な結晶構造を有するLiCoWOを合成して正極活物質として用いて非水電解質二次電池を作製し、充放電操作を行った後に取出した正極についてエックス線回折測定を行った際、空間群Fm−3mに帰属可能なNaCl型結晶構造を示すピークが出現する場合があることを知見している。このことから、例えば空間群C2/cに帰属可能な結晶構造を有するLiFeWO等を正極活物質として用いた非水電解質二次電池であっても、充放電操作を経た後に取出した正極についてエックス線回折測定を行うと、空間群Fm−3mに帰属可能な回折ピークが観察される可能性があると考えている。そのような非水電解質二次電池についても本発明の技術的範囲に属することはいうまでもない。
1 非水電解質二次電池
2 電極群
3 電池容器
4 正極端子
4’正極リード
5 負極端子
5’負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置
(1)W及びFeを含むリチウム遷移金属複合酸化物であって、空間群2/c又は空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を有する非水電解質二次電池用正極活物質。
(2)前記W及びFeの原子比率がWFe1−y(0.1≦y≦0.6)を満たす(1)の非水電解質二次電池用正極活物質。
(3)前記(1)又は(2)の非水電解質二次電池用正極活物質を備えた非水電解質二次電池用正極。
(4)前記(3)の非水電解質二次電池用正極、負極及び非水電解質を備えた非水電解質二次電池。
原料中のW、Fe及びLiの比率、即ち、LiFe1−yにおけるx及びyの値は、式yLiWO−(1−y)LiFeO、又は、式yLiWO−(1−y)FeOを想定し、これを満たすように選択して決定することがより好ましい。式yLiWO−(1−y)LiFeOを想定してx及びyの値を選択し、400〜1000℃で焼成することにより、本発明に係る正極活物質とすることができるリチウム遷移金属複合酸化物を得ることができる。ここで、比較的高い焼成温度を採用すると空間群C2/cに帰属可能な結晶構造を含む化合物が得られ、比較的低い焼成温度を採用すると空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を含む化合物が得られる。式yLiWO−(1−y)FeOを想定してx及びyの値を選択し、400〜600℃で焼成することにより、本発明に係る正極活物質とすることができるリチウム遷移金属複合酸化物を得ることができる。この場合、空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を含む化合物が得られる。但し、式yLiWO−(1−y)FeOを想定してx及びyの値を選択し、650℃以上の温度で焼成すると、空間群C2/cにも空間群Fm−3mにも帰属できない化合物が得られ場合がある。なお、前記「Fm−3m」のバー”−”は本来「3」の上に付して記載される。

Claims (4)

  1. W及びFeを含むリチウム遷移金属複合酸化物であって、空間群c2/c又は空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を有する非水電解質二次電池用正極活物質。
  2. 前記W及びFeの原子比率がWFe1−y(0.1≦y≦0.6)を満たす請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  3. 請求項1又は2記載の非水電解質二次電池用正極活物質を備えた非水電解質二次電池用正極。
  4. 請求項3記載の非水電解質二次電池用正極、負極及び非水電解質を備えた非水電解質二次電池。
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