JP2017071883A - 芯鞘複合バインダー繊維 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】構成繊維同士を接着するためのバインダー繊維であって、
バインダー繊維は、液晶ポリエステルが芯部を形成し、アルキレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルが鞘部を形成する芯鞘複合型の繊維であって、
芯部を形成する液晶ポリエステルの融点が230℃〜270℃であり、
鞘部を形成するポリエステルは、結晶融点を有し、その融点が230〜270℃であり、
鞘部は、熱接着成分として機能するものであることを特徴とする芯鞘複合バインダー繊維。
【選択図】 なし
Description
また、不織布において耐熱性を付与する手法としては、ガラス繊維の様な無機物の繊維状物を混合させて耐熱性を補う手法が知られているが、無機物を混合させるためリサイクルできないといった問題があり経済的に不利であり、環境負荷が大きいものとなる。
バインダー繊維は、液晶ポリエステルが芯部を形成し、アルキレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルが鞘部を形成する芯鞘複合型の繊維であり、
芯部を形成する液晶ポリエステルの融点が230℃〜270℃であり、
鞘部を形成するポリエスエルは、結晶融点を有し、その融点が230〜270℃であり、
鞘部は、熱接着成分として機能するものであることを特徴とする芯鞘複合バインダー繊維を要旨とするものである。
融点230〜270℃の液晶ポリエステルチップと、結晶融点を有し融点が230〜270℃であるアルキレンテレフタレートからなるポリエステルとを準備し、複合紡糸装置を用いて、液晶ポリエステルが芯部、アルキレンテレフタレートからなるポリエステルが鞘部となる芯鞘形状となるようにし、芯部の比率が鞘部の比率より少ない比率で供給し、紡糸速度800m/分以下の条件で紡糸し紡糸後は延伸工程を経ないことを特徴とする芯鞘複合バインダー繊維の製造方法を要旨とするものである。
(1)融点
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計(Diamond DSC)を用いて、昇温(降温)速度20℃/分で測定した。
(2)乾熱収縮率
芯鞘複合バインダー繊維の繊維長を無荷重で測定し、次に200℃で15分間熱処理を行い、熱処理後の繊維長を同様に測定する。そして熱処理前の繊維長(A)と熱処理後の繊維長(B)から下式にて乾熱収縮率を算出する。
乾熱収縮率(%)=〔(A−B)/A〕×100
(3)紡糸操業性
紡糸の状況により下記の2段階で評価した。
○:紡糸時の切れ糸回数が1回/トン以下である
×:紡糸時の切れ糸回数が1回/トンを超える。
(4)不織布の目付
JIS L 1913 6.2に準じて測定した。
(5)高温雰囲気下でのたわみ量(不織布の耐熱性)
得られた不織布を長さ250mm、幅50mmに裁断し不織布の一端(幅50mm側の部分)を高さ150mmの冶具に固定し(固定距離を50mm)、他方の端は自由の状態(固定されていない箇所(長さ200mm)は自由な状態)で、熱風乾燥機内に投入し、200℃×24時間高温雰囲気下に放置し、その後、乾燥機から取り出して、不織布のたわみ量(自重や熱の影響によって、固定されていない箇所がたわみを生じて垂れ下がった量)を測定した。本発明においては、たわみ量が35mm以下であると耐熱性が良好であり、熱により変形しにくく合格とした。なお、不織布作成の際に厚み調整を行い、得られる不織布の密度が100kg/m3以上となるようにした。
ポリエチレンテレフタレートの溶融オリゴマー(23モル%)を260℃に昇温された重合缶に仕込み、攪拌しながら220℃まで降温させ、これにp−ヒドロキシ安息香酸(77モル%)を6回に分けて15分間の間隔をおいて添加し、添加終了後、その温度を保ちながら30分間アシドリシス反応を行った。次いで、反応系の温度を140℃まで急冷させ無水酢酸を92モル%4回に分けて添加し、その温度を保ちつつ0.02MPa加圧化で1時間アセチル化反応をおこなった。次いで、反応系の温度を3時間かけて 280℃まで昇温し、1トル以下に減圧して重縮合反応を行い液晶ポリエステルを得た。得られた液晶ポリエステルは、液晶性を示し、融点が240℃であった。
芯鞘複合バインダー短繊維と主体繊維との混合比を30/70(重量%)としたこと以外、実施例1と同様にして短繊維不織布を得た。
芯鞘複合バインダー短繊維と主体繊維との混合比を20/80(重量%)としたこと以外、実施例1と同様にして短繊維不織布を得た。
芯鞘複合バインダー短繊維と主体繊維との混合比を10/90(重量%)としたこと以外、実施例1と同様にして短繊維不織布を得た。
実施例1において、芯鞘複合バインダー繊維を得る際に、芯部と鞘部の質量比を40/60とし、吐出量を630g/分、紡糸速度を630m/分としたこと以外は実施例1と同様にして芯鞘複合バインダー短繊維を得た。得られた芯鞘複合バインダー短繊維の単繊維繊度は8.0dtex、200℃における乾熱収縮率は、1.6%であった。
得られた芯鞘複合バインダー繊維を用いて実施例1と同様にして短繊維不織布を得た。
バインダー繊維として、実施例5で得られた芯鞘複合バインダー繊維を用いたこと以外は、実施例2と同様にして短繊維不織布を得た。
バインダー繊維として、実施例5で得られた芯鞘複合バインダー繊維を用いたこと以外は、実施例3と同様にして短繊維不織布を得た。
ポリエチレンテレフタレートの溶融オリゴマーの仕込み量を35.0モル% 、p−ヒドロキシ安息香酸の添加量を65.0モル%に変更した以外は実施例1と同様に液晶ポリエステルを得た。得られた液晶ポリエステルの融点は220℃であった。
また、得られた芯鞘複合バインダー繊維を用いて、実施例1と同様にして短繊維不織布を得た。
主体繊維として用いたユニチカ社製ポリエチレンテレフタレート短繊維<14V>3.3T38のみを用い、バインダー繊維を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして短繊維不織布を得た。なお、主体繊維は、200℃における乾熱収縮率は60.0%であった。
Claims (15)
- 構成繊維同士を接着するためのバインダー繊維であって、
バインダー繊維は、液晶ポリエステルが芯部を形成し、アルキレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルが鞘部を形成する芯鞘複合型の繊維であって、
芯部を形成する液晶ポリエステルの融点が230℃〜270℃であり、
鞘部を形成するポリエステルは、結晶融点を有し、その融点が230〜270℃であり、
鞘部は、熱接着成分として機能するものであることを特徴とする芯鞘複合バインダー繊維。 - 鞘部を形成するアルキレンテレフタレートが、エチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1記載の芯鞘複合バインダー繊維。
- 鞘部を形成するポリエステルが、ホモポリエステルであることを特徴とする請求項1または2記載の芯鞘複合バインダー繊維。
- 芯部を形成する液晶ポリエステルが、エチレンテレフタレート単位とp−ヒドロキシ安息香酸残基単位とからなる共重合ポリエステルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の芯鞘複合バインダー繊維。
- 芯部の液晶ポリエステル中にp−ヒドロキシ安息香酸残基単位が67モル%〜78モル%共重合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の芯鞘複合バインダー繊維。
- 200℃における乾熱収縮率が2.0%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の芯鞘複合バインダー繊維。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の芯鞘複合バインダー繊維と、主体繊維とによって構成される不織布であり、構成繊維同士は、芯鞘複合バインダー繊維の鞘部のポリエステルにより接着して一体化していることを特徴とする不織布。
- 不織布中における芯鞘複合バインダー繊維の含有量が、5〜50質量%であることを特徴とする請求項7記載の不織布。
- 主体繊維が、ポリエチレンテレフタレート繊維であることを特徴とする請求項7または8に記載の不織布。
- 主体繊維を構成するポリエチレンテレフタレートの複屈折率が0.01〜0.10であることを特徴とする請求項9記載の不織布。
- 請求項1記載の芯鞘複合バインダー繊維の製造方法であって、
融点230〜270℃の液晶ポリエステルと、結晶融点を有し融点が230〜270℃であるアルキレンテレフタレートからなるポリエステルとを準備し、複合紡糸装置を用いて、液晶ポリエステルが芯部、アルキレンテレフタレートからなるポリエステルが鞘部となる芯鞘形状となるようにし、芯部の比率が鞘部の比率より少ない比率で供給し、紡糸速度800m/分以下の条件で紡糸し紡糸後は延伸工程を経ないことを特徴とする芯鞘複合バインダー繊維の製造方法。 - 芯部の比率が少なくとも20%以上であって、かつ鞘部の比率より少ない比率であることを特徴とする請求項11記載の芯鞘複合バインダー繊維の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の芯鞘複合バインダー繊維と、主体繊維とを混合して不織ウェブを形成し、芯鞘複合バインダー繊維の鞘部のポリエステルの融点よりも20〜40℃低い温度で熱処理し、鞘部のポリエステルを軟化させてバインダーとして機能させ、構成繊維同士を接着して一体化して不織布を得ることを特徴とする不織布の製造方法。
- 芯鞘複合バインダー繊維の鞘部がポリエチレンテレフタレートであり、主体繊維がポリエチレンテレフタレート繊維であることを特徴とする請求項13記載の不織布の製造方法。
- 主体繊維を構成するポリエチレンテレフタレートの複屈折率が0.01〜0.10であり、不織ウェブを温度220〜240℃で熱処理することにより、鞘部のポリエステルを軟化させるとともに、主体繊維を構成する少なくとも表面のポリエチレンテレフタレートを軟化させて、構成繊維同士を接着して一体化して不織布を得ることを特徴とする請求項14記載の不織布の製造方法。
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JP2020525658A (ja) * | 2017-05-11 | 2020-08-27 | カール・フロイデンベルク・カーゲーCarl Freudenberg KG | 電気絶縁用のテキスタイルシート状構造物 |
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