JP2017070234A - おにぎり - Google Patents

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正記 渡辺
Masaki Watanabe
正記 渡辺
哲 西川
Satoru Nishikawa
哲 西川
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Abstract

【課題】炊飯米とフィリングとの味馴染みがよく、時間が経過しても乾燥具材のサクサク感を維持することができる、おにぎり。
【課題手段】乾燥具材入り非水系油脂フィリングを具材とするおにぎりであって、
前記非水系油脂フィリングが1)〜6)の特徴を有する、おにぎり。
1)乾燥具材を除く前記フィリングのかたさ(25℃)が5×10N/m以上10×10N/m以下である。
2)食用油脂、平均粒子径0.5mm以下の粉末調味料、長径2mm以上の乾
燥具材を含有する。
3)前記食用油脂の固体脂含有量(20℃)が5%以上90%以下である。
4)前記粉末調味料として、少なくとも食塩及び有機酸を含有する。
5)前記食用油脂100部に対する前記粉末調味料の合計含有割合が、5部以
上80部以下である。
6)前記食用油脂100部に対する前記乾燥具材の合計含有割合が、5部以上
50部以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、おにぎりに関する。より詳細には、炊飯米とフィリングとの味馴染みが良く、時間が経過しても乾燥具材のサクサク感を維持されたおにぎりに関する。
従来おにぎりの具材には、おかか、ツナマヨ、明太子、梅干し、昆布、海苔佃煮など定番の具材があり、近年もお客様の要望に応えて新規な味や具材のおにぎりが次々と開発されている。
しかし、乾燥具材のサクサク感を楽しむことができるおにぎりは、今までに提案されていない。それは、炊飯米の水分が乾燥具材に移行してしまうため、長時間サクサク感を維持することができないからである。特に、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で販売されるおにぎりの場合、長時間店頭に並べていることが通常であるため、更にサクサク感を維持することが困難である。
そこで、本発明は、炊飯米とフィリングとの味馴染みが良く、時間が経過しても乾燥具材のサクサク感を維持されたおにぎりを提供する。
本願発明者等は、上述の課題を解決するため、特定の食用油脂及び粉末調味料を特定割合で用いることでかたさを調整し、粉末調味料として食塩及び有機酸を少なくとも含有し、特定食用油脂と乾燥具材を特定の割合で含有させることにより、おにぎりとの味馴染みがよく、時間が経過しても乾燥具材のサクサク感をできることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)乾燥具材入り非水系油脂フィリングを具材とするおにぎりであって、
前記非水系油脂フィリングが1)〜6)の特徴を有する、おにぎり。
1)乾燥具材を除く前記フィリングのかたさ(25℃)が5×10N/m以上10×10N/m以下である。
2)食用油脂、平均粒子径0.5mm以下の粉末調味料、長径2mm以上の乾
燥具材を含有する。
3)前記食用油脂の固体脂含有量(20℃)が5%以上90%以下である。
4)前記粉末調味料として、少なくとも食塩及び有機酸を含有する。
5)前記食用油脂100部に対する前記粉末調味料の合計含有割合が、5部以
上80部以下である。
6)前記食用油脂100部に対する前記乾燥具材の合計含有割合が、5部以上
50部以下である。
(2)(1)記載のおにぎりであって、
非水系油脂フィリングに用いる前記粉末調味料として、乾燥卵黄を含有する、おにぎり、
である。
本発明によれば、炊飯米とフィリングとの馴染みが良く、時間が経過しても乾燥具材のサクサク感を維持されたおにぎりを提供できる。
従来コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で販売されるおにぎりには、サクサクした食感を楽しめるおにぎりは世の中になかったため、これによって新食感のおにぎりを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<本発明の特徴>
本発明のおにぎりは、乾燥具材入り非水系油脂フィリングを具材とするおにぎりであり、当該乾燥具材入り非水系油脂フィリングが、特定の食用油脂及び粉末調味料を特定割合で用いることでかたさが調整されたものであり、更に粉末調味料として食塩及び有機酸を含有し、また更に特定の食用油脂と乾燥具材を特定の割合で含有させることにより、おにぎりと味馴染みがよく、時間が経過しても乾燥具材のサクサク感を得られる点に特徴を有する。
本発明は、主に乾燥具材入り非水系油脂フィリングであるので、当該非水系油脂フィリングを中心に詳述する。
<乾燥具材入り非水系油脂フィリング>
乾燥具材入り非水系油脂フィリングは、乾燥具材を含有し油脂を主体とした非水系油脂フィリングであり、以下6つの特徴を有する。
1)乾燥具材を除く当該フィリングのかたさ(25℃)が5×10N/m以上10×10N/m以下である。
2)食用油脂、平均粒子径0.5mm以下の粉末調味料、長径2mm以上の乾
燥具材を含有する。
3)前記食用油脂の固体脂含有量(20℃)が5%以上90%以下である。
4)前記粉末調味料として、少なくとも食塩及び有機酸を含有する。
5)前記食用油脂100部に対する前記粉末調味料の合計含有割合が、5部以
上80部以下である。
6)前記食用油脂100部に対する前記乾燥具材の合計含有割合が、5部以上
50部以下である。
また、乾燥具材入り非水系油脂フィリングは、乾燥具材と食用油脂とが、サクサク感が維持でき且つ両者が接している状態であればよい。例えば、乾燥具材が食用油脂に練り込まれた状態でもよいし、乾燥具材の表面に当該食用油脂が塗布された状態でもよい。
<フィリングのかたさ>
フィリングかたさは、乾燥具材入り非水系油脂フィリングから乾燥具材を除き得られるフィリングを品温25℃の時に測定した値であり、5×10N/m以上10×10N/m以下であり、下限は6×10N/m以上がよく、上限は9×10N/m以下、8×10N/m以下がよい。
フィリングのかたさが前記範囲より低いと、おにぎりの具として用いたとき、おにぎりの水分を乾燥具材が吸収してしまい、乾燥具材のサクサク感を維持できない。一方、かたさが前記範囲より高いと、固すぎて、炊飯米と味馴染み難い。
<かたさの測定方法>
前記かたさの測定は、テクスチャーアナライザーを用いて測定することができる。
以下は、測定条件である。
試料の調製:90cc容量のプリンカップに品温25℃の試料を満たし、表面をヘラなどで平らにする。
アダプター:粘弾性用太丸棒(直径20mm)
テーブル速度:10mm/sec
<フィリングに用いる食用油脂の種類>
フィリングに用いる食用油脂は、食用に供される油脂であり、且つ後述の固体脂含有量であればいずれのものでもよい。本発明で用いる食用油脂の原料となる食用油脂としては、例えば、ナタネ油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、ヤシ油、あるいはこれらを精製したものなどの植物油、牛脂、豚脂、卵黄油、魚油などの動物油等を用いることができる。これらの動植物油を原料として、構成脂肪酸をエステル交換、あるいは水素添加処理などにより製される。
<前記食用油脂の固形脂含有量>
乾燥具材入り非水系油脂フィリングには、品温20℃における固体脂含有量が5%以上90%以下の食用油脂を用いる。特に、固体脂含有量がの上限が85%以下、80%以下、70%以下、50%以下であるのが好ましい。
固体脂含有量が前記範囲より少ないと、おにぎりの具としてフィリングを用いた際に、乾燥具材のサクサクした食感が得られない。一方、固体脂含有量が前記範囲より多いと、炊飯米とフィリングとの味馴染みが悪くなってしまう。
<固体脂含有量の測定方法>
食用油脂中の固体脂含有量は、AOS Official Method Cd16b−93(Revised 1999)に記載の方法で測定できる。
<フィリングに用いる平均粒子径0.5mm以下の粉末調味料>
非水系油脂フィリングには、粉末調味料全体の平均粒子径が0.5mm以下の粉末調味料を含有する。大きさが0.5mm超であると、おにぎりを喫食した際にざらざらとした食感が残るため0.5mm以下の粉末調味料を用いる。大きさの下限値は特に限定されないが、粉末原料として扱いやすい大きさであるとよく、10μm以上であるとよい。
<前記粉末調味料の種類>
粉末調味料としては、食塩、グルタミン酸ナトリウム、酵母エキス、核酸系旨味調味料、チキンエキス、ポークエキス、ビーフエキス、ホタテエキス、カツオエキス、昆布エキス、しいたけエキス、辛子粉、粉末醤油、粉末豆板醤等の調味料、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸等の有機酸粉末、リン酸、塩酸等の無機酸粉末、粉乳、脱脂粉乳、乾燥卵白、乾燥卵黄、大豆粉末等の蛋白質粉末、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、N−アセチルグルコサミン等の単糖類、ラクトース、マルトース、スクロース、セルビオース、トレハロース等の二糖類、3〜7個の単糖類が結合しているオリゴ糖等の粉末状の糖類、7個以上の単糖類が結合しているデキストリン類、これらの糖類を還元処理した糖アルコール、粉末油脂等が挙げられる。
これらの粉末調味料を1種類以上組合わせて用いることができる。
これらのうち、本発明のおにぎりに用いる乾燥具材入り非水系油脂フィリングには、少なくとも食塩及び有機酸を含むことで、得られるおにぎりはフィリングとの味馴染みが良い。更に、乾燥卵黄を含有させると、おにぎりとの味馴染みが良好となり、特に良い。
<粉末調味料の合計含有割合>
乾燥具材入り非水系油脂フィリングは、食用油脂100部に対し粉末調味料を合計で5部以上80部以下含有し、更に下限は10部以上がよく、上限は75部以下、70部以下がよい。粉末調味料の合計含有割合が前記範囲内とすることで、おにぎりはフィリングとの味馴染みが良いものとなる。一方、食用油脂100部に対する粉末調味料の含有量が80部を超えると、急激にフィリングが固くなり炊飯米との馴染みが悪くなる。
<食塩及び有機酸の合計含有割合>
粉末調味料全体に対し、食塩及び有機酸を合計で2%以上99%以下含有するのがよく、更に下限は3%以上、5%以上、上限は95%以下、90%以下、85%以下、80%以下がよい。食塩及び有機酸の含有割合を前記範囲内とすることで、更におにぎりとフィリングとの味馴染みが良好となる。
<乾燥卵黄の含有割合>
粉末調味料全体に対し、乾燥卵黄を10%以上50%以下含有するのがよく、更に15%以上、40%以下、35%以下がよい。乾燥卵黄の含有割合を前記範囲内とすることで、おにぎりとフィリングとの味馴染みが良好となる。
<フィリングに用いる2mm以上の乾燥具材>
乾燥具材入り非水系油脂フィリングには、長径が2mm以上の乾燥具材を含有する。本発明のおにぎりは、当該乾燥具材がおにぎりに包餡されたり、おにぎりの上にトッピングされた状態で時間が経過しても、サクサクとした食感を維持する点に特徴を有する。
そのため、乾燥具材の大きさは2mm未満だと乾燥具材の食感を楽しむことができない。乾燥具材の大きさの上限は特に限定されないが、おにぎりとの味馴染みの観点から15cm以下、10cm以下、5cm以下、3cm以下がよい。
<乾燥具材の種類>
乾燥具材としては、乾燥又は油ちょうされたタマネギ、人参、南瓜、じゃが芋、サツマイモ、ネギ、オクラ、インゲン、トマト、ゴーヤ、ゴボウ、レンコン等の乾燥野菜類、唐辛子、コショウ、ニンニク、生姜、ごま、マスタード、ゆず、山椒等の香辛料類、クルミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ等のナッツ類、干しエビ、ちりめんじゃこ、お茶漬けの素、ふりかけ類、スナック菓子、パン粉、コーンフレーク、クルトン、天かす、天ぷらが挙げられる。
これらの乾燥具材を1種類以上組み合わせて用いることができる。
特に、揚げ物のサクサク感をおにぎりで実現できるため、パン粉、天かす、天ぷら等の揚げ物の衣や揚げ物が良い。
<乾燥具材の合計含有割合>
食用油脂100部に対し、前記乾燥具材を合計で1部以上50部以下含有するのがよく、更に3部以上、5部以上、45部以下、40部以下がよい。乾燥具材の含有割合が前記範囲より少ないと、乾燥具材のサクサクとした食感を楽しむことができない。一方、乾燥具材の含有割合が前記範囲より多いと、おにぎりとの馴染みが悪くなり、炊飯米の水分を吸った具材が増えるためサクサクとした食感が得られない。
<水分を含む具材や調味料>
乾燥具材入り非水系油脂フィリングには、乾燥具材以外の水分を20%以上含む具材や調味料を併用して用いることもできる。乾燥具材入り非水系油脂フィリングであれば、当該水分を20%以上含む具材や調味料と併用しても、乾燥具材のサクサク感を維持することができるため、好適である。当該水分を20%以上含む具材としては、ツナ、サケ、おかか、昆布、明太子、たらこ、高菜、チーズ、梅干し等が挙げられる。また、水分を20%以上含む調味料としては、マヨネーズ、ウスターソース、とんかつソース、中濃ソース、ケチャップ、ホワイトソース、トマトソース等が挙げられる。
<乾燥具材入り非水系油脂フィリングの製造方法>
非水系油脂フィリングは、上述の特定の食用油脂、平均粒子径0.5mm以下の粉末調味料、長径2mm以上の具材を均一になるまで、混合させることで製することができる。また、この時、均一混合する際は、食用油脂中の固体脂が液状化しないよう、25℃以下で均一混合させるのが好ましく、更に5℃以以上、20℃以下であると更によい。
<おにぎり>
本発明のおにぎりは、上述の乾燥具材入り非水系油脂フィリングを具材としたおにぎりであれば、特に限定されるものではなく、当該フィリングが炊飯米に包餡されたおにぎり、おにぎりの形に成形された炊飯米の上にフィリングをトッピングしたおにぎり、具材を炊飯米に載せ握らずに包んだおにぎり、サンドウィッチの用に成形した炊飯米に具材を挟み込んだおにぎりなどが挙げられる。
<おにぎりの製造方法>
炊飯米の品温が25℃以下の状態で、上述の乾燥具材入り非水系油脂フィリングを具として用いれば、特に限定されるものではなく、常法に従って製造すればよい。具体的には、精白米、玄米、雑穀米等を炊飯してご飯を製造し、得られたご飯の品温を25℃以下に調整し、得られたご飯で具となる乾燥具材入り非水系油脂フィリングを包み、当該フィリングがご飯の中心部にくるように任意の形に成形することができる。
フィリングを包む際の炊飯米の品温が25℃以上であると、フィリングにおける食用油脂中の固体脂が液状化してしまい、おにぎりを喫食すると、乾燥具材のサクサクした食感が得られ難い場合がある。
<おにぎりに対する乾燥具材入り非水系油脂フィリングの含有割合>
本発明のおにぎりにおける乾燥具材入り非水系油脂フィリングの含有割合は、具として当該フィリングの味及び存在感が発揮できる料であれば、特に限定されるものではないが、炊飯米100部に対して3部以上、4部以上、65部以下、60部以下、50部以下であるとよい。
次に、本発明を実施例、比較例及び試験例に基づき、更に説明する。
[実施例1]
(1.具材入り非水系油脂フィリングの調製)
下記配合割合に従って非水系油脂フィリングを調製した。
即ち、粉末調味料の配合表に従って、粉体混合させた。得られた粉末調味料の平均粒子径は0.5mm以下であった。次いで、粉末調味料と食用油脂とを食用油脂100部に対し粉末調味料25部を均一となるよう攪拌混合した。得られた非水系油脂フィリングのかたさを段落[0012]記載の方法で測定したところ、6×10N/mであった。
その後、乾燥具材として乾燥ベーコン(長径5mm)、フライドオニオン(8mm〜1cm)を攪拌混合して、乾燥具材入り非水系油脂フィリングを得た。
(2.おにぎりの調製)
予め炊飯後品温25℃に冷却した炊飯米100部に対し、上記得られた乾燥具材入り非水系油脂フィリング30部をご飯の中心部にくるように成形させ、本発明のおにぎりを得た。
<粉末調味料の配合割合>
食塩 15%
砂糖 15%
グルタミン酸Na等の粉末調味料 16%
粉末酢 7%
乾燥卵黄 15%
デキストリン 32%
―――――――――――――――――――――
合計 100%

<乾燥具材入り非水系油脂フィリング>
食用油脂(品温20℃における固体脂含有量15%) 100部
上記粉末調味料 25部
乾燥ベーコン(長径5mm) 20部
フライドオニオン(長径8mm〜1cm) 20部
[実施例2]
食用油脂100部に対する粉末調味料の混合割合を43部に変更し、
食用油脂100部に対する乾燥具材の配合割合を乾燥ベーコン25部、フライドオニオン25部に変更した以外は、実施例1に準じて乾燥具材入り非水系油脂フィリングを製し、得られたフィリングを用いておにぎりを製した。
乾燥具材を配合する前に、得られた非水系油脂フィリングのかたさを実施例1に準じて測定したところ、6×10N/mであった。
[実施例3]
食用油脂100部に対する粉末調味料の混合割合を61部に変更し、
食用油脂100部に対する乾燥具材の配合割合を乾燥ベーコン2部、フライドオニオン2部に変更した以外は、実施例1に準じて乾燥具材入り非水系油脂フィリングを製し、得られたフィリングを用いておにぎりを製した。
乾燥具材を配合する前に、得られた非水系油脂フィリングのかたさを実施例1に準じて測定したところ、6×10N/mであった。
[比較例1]
食用油脂100部に対し粉末調味料100部を混合した以外は、実施例1に準じて乾燥具材入り非水系油脂フィリングを製し、得られたフィリングを用いておにぎりを製した。
乾燥具材を配合する前に、得られた非水系油脂フィリングのかたさを実施例1に準じて測定したところ、12×10N/mであった。
[比較例2]
食用油脂100部に対し乾燥具材を80部混合した以外は、実施例1に準じて乾燥具材入り非水系油脂フィリングを製し、得られたフィリングを用いておにぎりを製した。
[試験例1]
実施例1〜3及び比較例1〜2で得られたおにぎりについて、炊飯米とフィリングとの馴染み及び乾燥具材のサクサク感を以下の評価方法で評価した。結果を表1に示す。
<評価方法>
おにぎりを25℃で24時間保管した後喫食して、炊飯米とフィリングとの馴染み及び乾燥具材のサクサク感を評価した。
[馴染み]
A:炊飯米とフィリングとが、味馴染みが良かった。
B:炊飯米とフィリングとが、若干味馴染みが劣るが、問題ない程度であった。
C:炊飯米とフィリングとが、味馴染みが悪かった。
[サクサク感]
A:乾燥具材がサクサクしており、おにぎりとして新しい食感を感じられた。
B:乾燥具材が炊飯米の水分を吸ったためか、サクサク感が若干劣っていた。
C:サクサク感が失われていた。
表1より、
乾燥具材を除くフィリングのかたさ(25℃)が5×10〜10×10N/mであり、
品温20℃における固体脂含有量が5〜90%、
粉末調味料として有機酸及び食塩を含有し、
食用油脂100部に対する粉末調味料の含有割合が5〜80部、
食用油脂100部に対する乾燥具材の含有割合が1〜50部である乾燥具材入り非水系油脂フィリングを用いたおにぎりは、炊飯米とフィリングとの味馴染みがよく、乾燥具材のサクサク感が維持されており、良好であった。
一方、食用油脂100部に対して粉末調味料が多すぎる場合や食用油脂100部に対して乾燥具材が多すぎると、乾燥具材のサクサク感が失われていた。
[実施例4]
品温20℃における固体脂含有量が75%の食用油脂に変更した以外は、実施例1に準じて、乾燥具材入り非水系油脂フィリングを製し、得られたフィリングを用いておにぎりを製した。
乾燥具材を除くフィリングのかたさ(25℃)は、5×10〜10×10N/mであった。
得られたおにぎりを試験例1に準じて評価したところ、炊飯米とフィリングとが馴染んでおり、乾燥具材もサクサクとした食感で良好であった。
[実施例5]
品温20℃における固体脂含有量が35%の食用油脂に変更した以外は、実施例1に準じて、乾燥具材入り非水系油脂フィリングを製し、得られたフィリングを用いておにぎりを製した。
乾燥具材を除くフィリングのかたさ(25℃)は、5×10〜10×10N/mであった。
得られたおにぎりを試験例1に準じて評価したところ、炊飯米とフィリングとが馴染んでおり、乾燥具材もサクサクとした食感で良好であった。
[比較例3]
品温20℃における固体脂含有量が95%の食用油脂に変更した以外は、実施例1に準じて、具材入り非水系油脂フィリングを製し、得られたフィリングを用いておにぎりを製した。
得られたおにぎりを試験例1に準じて評価したところ、炊飯米とフィリングとが全く馴染んでいなかった。
[比較例4]
品温20℃における固形脂含有量が0%の液状油(菜種油)に変更した以外は、実施例1に準じて、具材入り非水系油脂フィリングを製し、得られたフィリングを用いておにぎりを製した。
得られたおにぎりを試験例1に準じて評価したところ、炊飯米の水分を吸収したためか、乾燥具材がサクサクせず萎びていた。
[比較例5]
粉末酢をデキストリンに置換えた以外は、実施例1に準じて乾燥具材入り非水系油脂フィリングを製し、得られたフィリングを用いておにぎりを製した。
乾燥具材を除くフィリングのかたさ(25℃)は、5×10〜10×10N/mであった。
得られたおにぎりを試験例1に準じて評価したところ、炊飯米とフィリングとの味馴染みが悪かった。
[比較例6]
食酢をデキストリンに置換えた以外は、実施例1に準じて乾燥具材入り非水系油脂フィリングを製し、得られたフィリングを用いておにぎりを製した。
乾燥具材を除くフィリングのかたさ(25℃)は、5×10〜10×10N/mであった。
得られたおにぎりを試験例1に準じて評価したところ、炊飯米とフィリングとの味馴染みが悪かった。
[実施例6]
(1.具材入り非水系油脂フィリングの調製)
下記配合割合に従って具材入り非水系油脂フィリングを調製した。即ち、粉末調味料の配合表に従って、粉体混合させた。得られた粉末調味料の平均粒子径は0.5mm以下であった。次いで、粉末調味料と食用油脂とを、食用油脂100部に対し粉末調味料25部を均一となるよう攪拌混合した。得られた非水系油脂フィリングのかたさを段落[0012]記載の方法で測定したところ、8〜9×10N/mであった。
その後、乾燥具材としてパン粉(長径2mm)を攪拌混合して、乾燥具材入り非水系油脂フィリングを得た。
(2.おにぎりの調製)
マッシュポテト20gを俵型に成形しその表面に上記得られた乾燥具材入り非水系油脂フィリング5gを均一になるよう塗布した。
次いで、予め炊飯し品温25℃に冷却した炊飯米100gに、上記乾燥具材入り非水系油脂フィリングを塗布したマッシュポテト25g及び中濃ソース2gとが、炊飯米の中心部にくるように成形させ、本発明のおにぎりを得た。
<粉末調味料の配合割合>
食塩 15%
砂糖 15%
グルタミン酸Na等の粉末調味料 16%
粉末酢 7%
リンゴ酸粉末 3%
クエン酸粉末 3%
乾燥卵黄 15%
デキストリン 26%
――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%

<乾燥具材入り非水系油脂フィリング>
食用油脂(品温20℃における固体脂含有量35%) 100部
上記粉末調味料 80部
乾燥パン粉(長径2mm) 30部
得られたおにぎりを試験例1に準じて評価したところ、炊飯米とフィリングとが馴染んでおり、乾燥具材もサクサクとした食感でコロッケのような食感と味であり、良好であった。
[実施例7]
(1.具材入り非水系油脂フィリングの調製)
下記配合割合に従って具材入り非水系油脂フィリングを調製した。即ち、粉末調味料の配合表に従って、粉体混合させた。得られた粉末調味料の平均粒子径は0.5mm以下であった。得られた粉末調味料と食用油脂とを食用油脂100部に対し粉末調味料25部を均一となるよう攪拌混合した。得られた非水系油脂フィリングのかたさを段落[0012]記載の方法で測定したところ、5〜6×10N/mであった。
その後、得られたフィリングを乾燥具材のかき揚げ(長径5cm)の表面に塗布し、乾燥具材入り非水系油脂フィリングを得た。
(2.おにぎりの調製)
予め炊飯し品温25℃に冷却した炊飯米100gを等分し、バンズ様に成形した。次いで、炊飯米のバンズに、上記乾燥具材入り非水系油脂フィリングはさみ、本発明のおにぎりを得た。
<粉末調味料の配合割合>
食塩 15%
砂糖 15%
グルタミン酸Na等の粉末調味料 16%
粉末酢 7%
リンゴ酸粉末 3%
クエン酸粉末 3%
乾燥卵黄 15%
デキストリン 26%
――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%

<乾燥具材入り非水系油脂フィリング>
食用油脂(品温20℃における固体脂含有量10%) 100部
上記粉末調味料 25部
かき揚げ 50部
得られたおにぎりを試験例1に準じて評価したところ、炊飯米とフィリングとが馴染んでおり、乾燥具材もサクサクとした食感でかき揚げ丼のような食感と味馴染みで、良好であった。
[実施例8]
(1.具材入り非水系油脂フィリングの調製)
下記配合割合に従って非水系油脂フィリングを調製した。即ち、粉末調味料の配合表に従って、粉体混合させた。得られた粉末調味料の平均粒子径は0.5mm以下であった。得られた粉末調味料と食用油脂とを食用油脂100部に対し粉末調味料25部を均一となるよう攪拌混合した。得られた非水系油脂フィリングのかたさを段落[0012]記載の方法で測定したところ、5×10〜10×10N/mであった。
その後、乾燥具材としてクルトン(長径1.5cm)を攪拌混合して、乾燥具材入り非水系油脂フィリングを得た。
(2.おにぎりの調製)
予め炊飯し、品温25℃に冷却した炊飯米100部に対し、上記得られた非水系油脂フィリング60部をご飯の中心部にくるように成形させ、本発明のおにぎりを得た。
<粉末調味料の配合割合>
食塩 15%
砂糖 15%
グルタミン酸Na等の粉末調味料 16%
粉末酢 10%
チキンエキス 3%
バター風味粉末 2%
デキストリン 9%
――――――――――――――――――――-――
合計 100%

<乾燥具材入り非水系油脂フィリングの配合割合>
食用油脂(品温20℃における固体脂含有量41%) 100部
上記粉末調味料 25部
クルトン(長径1cm) 30部
得られたおにぎりを試験例1に準じて評価したところ、炊飯米とフィリングとが若干味馴染みが足りないが、問題ない程度であり、乾燥具材もサクサクとした食感で良好であった。



Claims (2)

  1. 乾燥具材入り非水系油脂フィリングを具材とするおにぎりであって、
    前記非水系油脂フィリングが1)〜6)の特徴を有する、おにぎり。
    1)乾燥具材を除く前記フィリングのかたさ(25℃)が5×10N/m以上10×10N/m以下である。
    2)食用油脂、平均粒子径0.5mm以下の粉末調味料、長径2mm以上の乾
    燥具材を含有する。
    3)前記食用油脂の固体脂含有量(20℃)が5%以上90%以下である。
    4)前記粉末調味料として、少なくとも食塩及び有機酸を含有する。
    5)前記食用油脂100部に対する前記粉末調味料の合計含有割合が、5部以
    上80部以下である。
    6)前記食用油脂100部に対する前記乾燥具材の合計含有割合が、5部以上
    50部以下である。
  2. 請求項1記載のおにぎりであって、
    非水系油脂フィリングに用いる前記粉末調味料として、乾燥卵黄を含有する、おにぎり。



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