(第1の実施形態)
以下、添付図面を参照して、販売データ処理装置及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、係る販売データ処理装置及びプログラムを、前受商品を扱うメガネ店等のPOS端末へ適用した例を示す。ここで、「前受商品」とは、メガネレンズ等の商品のような、予め注文を受け付けておき、後日、商品の引渡と共に売り上げを行うもののことである。例えば、顧客が来店した際に、顧客の視力等を測定し、その顧客に合った度数のレンズや顧客が選択したメガネフレームなどのメガネセットを前受けする。後日、顧客が再び来店した際に、加工されたレンズをメガネフレームに装着して微調節されたものを顧客に納め、顧客による精算により、その前受した商品の売上を行う。
図1は、一例として示すPOS端末の外観斜視図である。図1に示すように、本例のPOS端末1は、本体1−1下部にドロワ1−2を備えている。更に、POS端末1は、クレジットカード等の決済処理を行うための入力パッド1−3を備えている。
本体1−1は、内部に制御ボード(図2参照)を備えている。本体1−1は、上面に、「0」〜「9」等の置数キーや一括処理キー等を含む複数の押下キーが配列されたキーボード10を備える。また、本体1−1は、上面に立設されたキャッシャ用の第1の表示デバイス11と、客用の第2の表示デバイス12と備える。
第1の表示デバイス11は、液晶等の表示パネル11aを備えた構成となっている。表示パネル11aにはタッチパネル11bが積層されている。第2の表示デバイス12は、液晶等の表示パネル(不図示)を備えた構成となっている。第2の表示デバイス12は、第1の表示デバイス11の背面側に表示パネルを客側に向けて設けられている。
更に、本体1−1は、キーボード10の左側にプリンタ13を備える。プリンタ13は本体1−1の内部に収納されている。プリンタ13は取引内容等を示す情報をレシート用紙に印字して、印字したレシート用紙をレシート排出口13aから排出する。
また、本体1−1は、スキャナを備える。本例では、ハンディータイプのハンドスキャナ14を備えた例を示している。ハンドスキャナ14は、一次元バーコードやQRコード(登録商標)等の二次元バーコード等のコードシンボルを読み取るスキャナである。ハンドスキャナ14は、CCD(Charge Coupled Device)等のセンサを備え、センサで読み取ったコードシンボルを複合化処理してコード情報に変換する。図1には、ハンドスキャナ14をプリンタ13の上面のハンドスキャナ載置エリア13bに置いた状態を示している。ハンドスキャナ14は本体1−1にコード14aを介して接続され、本体1−1からの制御により駆動する。なお、スキャナはハンドスキャナ14に限らず、ハンドフリースキャナであっても良い。
ドロワ1−2は、内部に紙幣や硬貨などを収納し、本体1−1からの制御により開放する。
入力パッド1−3は、クレジットカードの挿入スロットや暗証番号の入力ボタンを有する。入力パッド1−3は、本体1−1にコード接続されている。
本体1−1は、内部に制御ボード(図2参照)を備えている。キーボード10や、第1の表示デバイス11や、第2の表示デバイス12や、タッチパネル11bや、プリンタ13や、ハンドスキャナ14や、ドロワ1−2や、入力パッド1−3などは制御ボードと電気的に接続されている。
次に、POS端末1のハードウェア構成について説明する。
図2は、POS端末1の制御ボードのハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末1の制御ボードは、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、HDD24、プリンタコントローラ25、ドロワコントローラ26、キーボードコントローラ27、第1の表示コントローラ28、第2の表示コントローラ29、タッチパネルコントローラ30、スキャナコントローラ31、カード読取コントローラ32、通信インターフェース33などを有する。各部はバス34により相互接続されている。
CPU21は、POS端末1の全体の制御を司る中央演算処理装置である。ROM22はBIOS等の固定プログラムを格納する不揮発性メモリである。RAM23は、CPU21が作業エリアなどとして使用する揮発性メモリである。これらCPU21、ROM22、及びRAM23がマイクロコンピュータ2を構成する。
HDD24は、プログラムやデータを記憶するハードディスク等の記憶部である。プログラムには、前受等の登録処理、締め処理、一括処理等の商品の登録/売上/取消処理に係る制御プログラムP1が含まれる。制御プラグラムP1は、基本動作を行うOS(Operating System)や、各部を駆動するドライバや、各種アプリケーションプログラムなどにより構成される。データには、登録画面情報d1、締め画面情報d2、一括処理画面情報d3などの画面情報が含まれる。また、前受した商品についての顧客別の伝票データ(前受伝票データ)を対応付ける対応付けファイル(対応付け手段)d4や、顧客別の伝票データを登録するための登録ファイルd5や、顧客別の売上データを登録するための売上ファイルd6などが含まれる。
プリンタコントローラ25は、プリンタ13を制御し、マイクロコンピュータ2により出力された印字データをレシート用紙に印字して排出する。
ドロワコントローラ26は、マイクロコンピュータ2により出力された解放信号をトリガにドロワ1−2を解放制御する。
キーボードコントローラ27は、キーボード10上の押下キーの入力信号を所定のコードに変換するなどしてマイクロコンピュータ2に通知する。
第1の表示コントローラ28は、マイクロコンピュータ2により出力された画面情報に基づき、第1の表示デバイス11を制御して所定の画面を表示パネル11aに表示する。
第2の表示コントローラ29は、マイクロコンピュータ2により出力された画面情報に基づき、第2の表示デバイス12を制御して所定の画面を第2の表示デバイス12の表示パネルに表示する。
タッチパネルコントローラ30は、タッチパネル11b上のタッチ位置を検出して、その座標情報をマイクロコンピュータ2に通知する。
スキャナコントローラ31は、ハンドスキャナ14を駆動し、ハンドスキャナ14により読み取られたコードシンボル情報をマイクロコンピュータ2に通知する。
カード読取コントローラ32は、入力パッド1−3を駆動し、挿入スロットに挿入されたクレジットカードからIC部のカード情報を読み取る。更に、カード読取コントローラ32は、暗証番号の入力ボタンから暗証番号を読み取る。そして、カード読取コントローラ32は、読み取った情報をマイクロコンピュータ2に通知する。
通信インターフェース33は、ストアコンピュータ(不図示)やカード会社のサーバ等とデータ通信を行う。ストアコンピュータは、店舗のバックヤード等に設置されたものである。
次に、POS端末1の機能ブロックの構成について説明する。CPU21がHDD24の制御プログラムP1の一部又は全てをRAM23にロードして実行することにより、マイクロコンピュータ2に次の機能部が実現される。
図3は、マイクロコンピュータ2に実現される機能ブロックの一構成例を示す図である。図3に示すように、マイクロコンピュータ2には、入力受付部40や、発番部41や、登録部42や、データ処理部43や、売上部44や、印字出力部45などの機能部が実現される。
入力受付部40は、キーボード10やタッチパネル11bに対して行われた店員等の操作者による入力操作をそれぞれのコントローラからデータや命令として受け付ける。入力受付部40は、所定の命令を受け付けると、登録画面情報d1、締め画面情報d2、又は一括処理画面情報d3などの画面情報をHDD24からRAM23に読み出して第1の表示コントローラ28に出力する。
入力受付部40は、登録画面情報d1、締め画面情報d2、又は一括処理画面情報d3を出力した場合、表示パネル11aに表示される画面の指定欄に対する操作者によるデータ入力を受け付ける。データ入力は、キーボード10やタッチパネル11bを介して行われる他、ハンドスキャナ14を介して行われても良い。ハンドスキャナ14の場合、コードシンボルをハンドスキャナ14で読み、スキャナコントローラ31から出力されるコードデータを入力受付部40で受け付ける。そして、入力受付部40は、受け付けた入力データを指定欄の識別情報などに対応付けてRAM23に一時的に保存し、画面の指定欄の表示を上記入力データに更新するための情報を第1の表示コントローラ28に出力する。更に、入力受付部40は、操作者が画面の操作ボタンを操作すると、その操作ボタンに対応付けられている命令を受け付け、画面やその表示内容などを更新するための情報を第1の表示コントローラ28に出力する。
ここで、入力受付部40の特徴的な機能の一つとして、後に説明する登録画面情報d1の出力画面(登録画面E1:図4参照)を例に登録画面E1の表示中の機能について説明する。操作者により登録画面E1の各種設定欄e1、e2、・・・(図4参照)へのデータ入力が全て終えられ、その後、次伝票ボタンB3(図4参照)の操作が行われると、入力受付部40は次のように機能する。入力受付部40は、各種の設定欄を示す識別情報とそれぞれの入力データとの組み合わせからなるデータ群に、データ入力時の登録画面E1のページ番号(ページ表示部e10のページ情報)を対応付けて、それを1伝票を示すデータ(顧客別の伝票データ)としてRAM23に保存する。そして、入力受付部40は、登録画面E1のページ番号を1つ増加させ、登録画面E1の各種設定欄のデータの表示をクリアする。
その後、操作者により、例えば別の顧客についての、登録画面E1の各種設定欄に対するデータ入力が行われ、更に次伝票ボタンB3(図4参照)の操作が行われるとする。その場合、入力受付部40は、新たに入力されたデータ群に、1増加させたページ番号を対応付けて、その別の顧客の伝票データを、前の顧客の伝票データと共にRAM23(図2参照)に保存する。その後は同様に、入力受付部40は、登録画面E1のページ表示部e10のページ番号を更に1つ増加させ、登録画面E1の各種設定欄の表示をクリアする。入力受付部40は登録画面E1の確定ボタンB4等の操作が行われるまで、この動作を所定回数(本例では9回とする)まで繰り返すことが可能である。従って、RAM23(図2参照)には、最大で9つ分の伝票データが保存される。
なお、指定欄は、操作者によるタッチパネル11bのタッチ操作や、キーボード10上の上下キーやTABキーの操作などによって、設定欄がアクティブになり、例えば入力のためのカーソルが表示された状態のものなどを差す。
このように、入力受付部40は、操作者により操作ボタンが操作されると、その操作ボタンに設定されている命令を受け付け、その命令に基づいて画面やその表示内容などを更新する情報を第1の表示コントローラ28に出力する。例えば、入力受付部40は、画面の各種設定欄のデータの表示をクリアするための情報や、各種設定欄のデータの表示をRAM23に一時的に保存されている別の伝票のデータで更新させる情報などを出力する。また、入力受付部40は、データ処理部43に処理を依頼し、各種又は一部の設定欄のデータの表示をデータ処理部43から得られたデータで更新させる情報を出力する。また、入力受付部40は、表示中のものとは異なる画面情報を出力する。
発番部41は、入力受付部40がRAM23上に順次生成した顧客別の各伝票データ(例えば、ページ番号「1」、「2」、・・・の伝票データ)を対応付ける処理を行う。具体的に、入力受付部40が所定の命令を受け付けるとする。すると、発番部41は、伝票毎に行う必要がある売上処理や取消処理を後に一括して指示するための共通の識別情報(以下、「一括処理番号」とする)を生成する。それから、発番部41は、対応付けファイルd4に、生成した一括処理番号と、各伝票のそれぞれの伝票識別情報(以下、「前受番号」とする)とを対応付ける。これにより、発番部41は各伝票データの対応付けを行う。なお、前受番号は、発番部41が自動発番しても良いし、操作者が手入力しても良い。ここでは、自動発番するものとして説明する。また、前受番号として、他の一括処理番号に対応付けられる伝票データと重複しないものを使用するものとする。
登録部42は、入力受付部40が所定の命令を受け付けると、入力受付部40がRAM23上に生成した顧客別のそれぞれの伝票データに、発番部41が自動発番した互いに異なる前受番号(例えば通し番号)を対応付ける。そして、登録部42は、それらの、互いに異なる前受番号を有する伝票データを、登録ファイルd5へ登録する。
データ処理部43は、入力受付部40の依頼により請求額、残金、つり銭などの計算を行い、計算結果を入力受付部40に渡す。また、データ処理部43は、入力受付部40が一括処理番号を受け付けると、対応付けファイルd4を参照し、一括処理番号に対応する伝票データを登録ファイルd5から抽出して入力受付部40に渡す。
売上部44は、入力受付部40が一括処理番号に対応する全伝票の総請求額に対する全額入金を受け付けると、上記各伝票を個別に売上処理する。個別の売上処理では、各伝票に入金額を按分するなどして、各伝票の売上データを売上ファイルd6に登録する。
印字出力部45は、入力受付部40が所定の命令を受け付けると、プリンタコントローラ25に取引内容を示す印字データを出力し、レシート用紙への印字出力を指示する。
従って、主に、入力受付部40や登録部42が第1の受付手段を構成する。また、入力受付部40は、第2の受付手段も構成する。また、主に発番部41が生成手段を構成する。また、主に発番部41と対応付ファイルd4が対応付け手段を構成する。また、主にデータ処理部43や売上部44が売上手段を構成する。また、主に印字出力部45が印字出力手段を構成する。
続いて、入力受付部40が第1の表示コントローラ28に出力する登録画面情報d1、締め画面情報d2、一括処理画面情報d3について説明する。登録画面情報d1は、複数の顧客の前受商品について、操作者に顧客別に伝票を起こさせるための設定欄や操作ボタン等をUI画面として提供する情報である。締め画面情報d2は、顧客別の複数の伝票に渡って締めの宣言を行わせるための操作ボタン等をUI画面として提供する情報である。一括処理画面情報d3は、締め宣言の行われた顧客別の複数の伝票の、前受商品についての精算や売上や取消の指示を、操作者に一括して行わせるための設定欄や操作ボタン等をUI画面として提供する情報である。
図4は、登録画面情報d1の表示パネル11a上の画面構成例を示す図である。図4の登録画面E1には各種の設定欄と操作ボタンとを設けている。各種の設定欄は、取引区分欄e1や、前受No欄e2や、顧客No欄e3や、顧客名欄e4や、引渡店舗欄e5や、引渡予定欄e6や、箱No欄e7や、商品情報欄e8や、小計欄e9などである。
取引区分欄e1は、「前受」など、登録を行う商品の取引方法を指定するための設定欄である。商品情報欄e8は、取引区分欄e1に指定した取引方法で取引する商品の商品データを設定するための欄である。マイクロコンピュータ2は、ハンドスキャナ14によるバーコード読み取りやキーボード10などからのキー入力により、対応するコントローラから商品コードを受け付ける。マイクロコンピュータ2は、その商品コードに対応する商品データの一部又は全てを商品情報欄e8に表示する。図4に示す例では、商品データの表示項目として、「取扱」項目K1、「品番」項目K2、「商品名」項目K3、「単価」項目K4、「点数金額」項目K5などを設けている。小計欄e9は、商品情報欄e8に表示した各商品の「点数金額」項目K5の合計金額を表示するための欄である。小計欄e9に表示する合計金額は、マイクロコンピュータ2が各商品の「点数金額」項目K5の金額を累計して表示する。
各種の操作ボタンは、発券ボタンB1や、前伝票ボタンB2や、次伝票ボタンB3や、確定ボタンB4や、終了ボタンB5などである。発券ボタンB1は、レシートの印字出力をマイクロコンピュータ2に指示する操作ボタンである。前伝票ボタンB2は、操作者が各種設定欄にデータを設定するなどして生成された前受商品の伝票データを、その生成順に1点ずつ遡って各種設定欄に再表示することをマイクロコンピュータ2に指示する操作ボタンである。次伝票ボタンB3は、前受商品の伝票データを生成順に1点ずつ各種設定欄に再表示することをマイクロコンピュータ2に指示する操作ボタンである。一番最後に設定された伝票データ(1点目から8点目)の表示中に次伝票ボタンB3が操作された場合には、次の伝票データ(9点目を上限とする)の生成のために各種設定欄に設定されている設定データの表示がクリアされる。
確定ボタンB4は、生成された各伝票データの登録ファイルd5への登録と締め処理の開始をマイクロコンピュータ2に指示する操作ボタンである。なお、確定ボタンB4はキーボード10上の確定キーに対応している。終了ボタンB5は、登録処理の終了をマイクロコンピュータ2に指示する操作ボタンである。
また、登録画面E1には、ページ番号を示すページ表示部e10を設けている。マイクロコンピュータ2は、ページ表示部e10に全ページ中の現在のページ番号を表示させる。
図5は、締め画面情報d2の表示パネル11a上の画面構成例を示す図である。図5の締め画面E2は、登録画面E1(図4参照)で登録された前受商品の伝票データを引き継ぎ、これらの伝票データを対象に締めの処理や入金処理を受け付ける。締め画面E2には、直前に登録画面E1で登録された1又は複数の伝票(上限9点の伝票)のそれぞれの小計額を表示する小計欄e20−1〜e20−9を設けている。更に、小計欄e20−1〜e20―9の総額の税込金額を表示する請求額欄e21や、顧客の支払メディアや入金金額を入力により受け付ける支払方法設定欄e22−1〜e22−4を設けている。また、残金を表示する残金欄e23や、預り金額を入力により受け付ける預り金欄e24や、釣銭を表示する釣銭欄e25などを設けている。
また、操作ボタンとして、確定ボタンB20と戻るボタンB21を設けている。確定ボタンB20は、締め処理をマイクロコンピュータ2に宣言する操作ボタンである。確定ボタンB20の操作により、マイクロコンピュータ2は、登録画面E1(図4参照)で登録された前受商品の各伝票に個別に前受番号を発番し、それらの伝票に対して一つの一括処理番号を発番する。締め処理の宣言後は、確定ボタンB20は、支払方法設定欄e22−1〜e22−4や預り金欄e24へ入力されたデータを確定し、残金や釣銭等の算出をマイクロコンピュータ2に指示する操作ボタンとして機能する。戻るボタンB21は、締め処理を終了し、登録画面E1に戻ることをマイクロコンピュータ2に指示する操作ボタンである。
図6は、一括処理画面情報d3の表示パネル11a上の画面構成例を示す図である。図6の一括処理画面E3は、登録画面E1の表示中にキーボード10上の所定キー(以下、「一括処理キー」とする)が押下されることにより一括処理が開始され、表示される。
一括処理画面E3には、各種設定欄と操作ボタンを設けている。各種設定欄は、取引区分欄e31や、一括処理No欄e32や、一括商品情報欄e33や、支払方法設定欄e34−1〜e34−4や、請求額欄e35や、今回入金計欄e36や、前回入金計欄e37や、預り金欄e38や、残金欄e39や、釣銭欄e40、インプリンタ欄e41などである。
一括商品情報欄e33は、一括処理の対象に含まれる前受商品の伝票(最大9点の伝票)の詳細情報を表示する欄である。一括商品情報欄e33は、詳細情報を示す項目として、前受Noを示す項目K10、顧客Noを示す項目K11、顧客名を示す項目K12、引渡予定を示す項目K13、箱Noを示す項目K14、請求金額を示す項目K15、取引状態を示す項目K16などを有する。取引状態を示す項目K16は前受などの取引情報を表示する項目である。支払方法設定欄e34−1〜e34−4は、顧客の支払方法や入金金額を入力により受け付ける設定欄である。預り金欄e38は、顧客の預り金を入力により受け付ける設定欄である。インプリンタ欄e41は、顧客のクレジット情報を表示する欄である。
操作ボタンは、確定ボタンB30や、終了ボタンB31などである。確定ボタンB30は、一括処理対象の伝票のそれぞれの売上やそれぞれの取消の処理の実行を一括してマイクロコンピュータ2に指示する操作ボタンである。終了ボタンB31は、一括処理の終了をマイクロコンピュータ2に指示するための操作ボタンである。
次に、HDD24の対応付けファイルd4、登録ファイルd5、売上ファイルd6のデータ構造について説明する。
図7は、HDD24の対応付けファイルd4のデータ構造の一例を模式的に示す図である。図7に示すように、対応付けファイルd4は「一括処理番号」f1と「前受番号」f2が登録可能なデータ構造を有している。
図8は、HDD24の登録ファイルd5のデータ構造の一例を模式的に示す図である。図8に示すように、登録ファイルd5は「前受番号」f2、「顧客番号」f11、「顧客名」f12、「商品名」f13、「単価」f14、「点数金額」f15、「引渡予定」f16、「箱番号」f17、「取引状態」f18、「引渡店舗」f19などが登録可能なデータ構造を有している。
図9は、HDD24の売上ファイルd6のデータ構造の一例を模式的に示す図である。図9に示すように、売上ファイルd6は「前受番号」f2、「顧客番号」f11、「顧客名」f12、「商品名」f13、「単価」f14、「点数金額」f15、「引渡店舗」f19などが登録可能なデータ構造を有している。
次に、POS端末1の動作フローについて説明する。先ず、商品登録時の動作フローについて説明する。
図10は、前受商品の商品登録時におけるマイクロコンピュータ2の動作フローの一例を示す図である。ここでは、動作フローを理解し易くするために、登録画面E1の前伝票ボタンB2による動作を省略したものを示している。前伝票ボタンB2は、その使用により、生成順に遡って伝票データを表示し、設定内容の確認や修正などを行うためのものである。
先ず、操作者による所定のキー操作やタッチ入力により登録処理用のプログラムの起動が指示されると、マイクロコンピュータ2は、登録処理用のプログラムを実行し、第1の表示コントローラ28にHDD24の登録画面情報d1を出力する(S1)。これによって、表示パネル11aに登録画面E1(図4参照)が表示される。この後、マイクロコンピュータ2は、キーボード10上の「一括処理キー」が入力されたかの判定処理(図15のステップS31)を行うものとなる。なお、ここでは、図示を省略してその説明を第2の実施形態で行うものとする。
次に、マイクロコンピュータ2は、登録画面E1の各種設定欄に対する操作者による入力操作を受け付け、各種設定欄に入力データを表示可能に出力する(S2)。なお、マイクロコンピュータ2は、各種設定欄に対して受け付けたデータを、各種設定欄の識別情報に対応付けてRAM23に保存する。
図11は、登録画面E1(図4参照)における前受商品の伝票のデータ設定例を示す図である。マイクロコンピュータ2は、先ず取引区分欄e1にカーソルを移動し、操作者による区分情報の入力を受け付け、受け付けた情報を取引区分欄e1に表示させる。本処理は、前受商品の伝票データの登録を行う処理であるため、前受を示す前受コード(「1」)を受け付けてその情報を表示させる。更に、マイクロコンピュータ2は、操作者によるタッチ入力やTABキーによる入力を受け付けるなどして、他の設定欄へカーソルを移動する。そして、マイクロコンピュータ2は、カーソルを移動した先のアクティブの設定欄に対するデータ入力を受け付け、その設定欄に受け付けた入力データを表示させる。
マイクロコンピュータ2が受け付けるデータは、操作者がキーボード10上の置数キーを押下してキーボードコントローラ27から出力されるデータや、操作者がハンドスキャナ14でコードシンボルを読み取った際にスキャナコントローラ31から出力されるコードデータなどである。なお、前受No欄e2については、締め画面の処理で自動発番されるため、登録処理の段階においては、マイクロコンピュータ2がグレーアウトに設定するなどして入力の受け付けを行わないようにする。
図11には、商品情報欄e8の一行目L1に、1点分の前受商品の商品データを示している。この例では、1顧客当たり、最大6点分までの前受商品の設定が可能で、それらを1伝票で扱うことができる。なお、1顧客当たりの前受商品の設定数を6点に限定するものではない。設定数は適宜設定して良い。
ステップS2に続き、マイクロコンピュータ2は、次伝票ボタンB3が押下されたか判定する(S3)。
次伝票ボタンB3が押下された場合(ステップS3:Yes判定)、マイクロコンピュータ2は、次の伝票の受付準備処理を行う(S4)。
具体的に、マイクロコンピュータ2は、RAM23に保存した各種の設定欄を示す識別情報とそれぞれの入力データとの組み合わせからなるデータ群に、データ入力時の登録画面E1のページ番号を対応付ける。本例では、ページ表示部e10に示す(ページ番号)/(全ページ数)のページ番号(初回は「1」)を対応付ける。そして、マイクロコンピュータ2は、それを1伝票を示すデータ(顧客別の伝票データ)としてRAM23に保存する。更に、マイクロコンピュータ2は、登録画面E1のページ番号を1つ増加させて「2/2」とし、登録画面E1の各種設定欄の設定データの表示をクリアする。そして、ステップS2に戻り、次の伝票についての操作者による設定操作を受け付ける。ステップS2〜ステップS4の処理は、初回を含めて上限回数(本例では9回)まで繰り返し行うことができる。
ここで、マイクロコンピュータ2が次の伝票として受け付けるデータの条件を説明する。次の伝票として受け付けできるものは、前の伝票に設定した顧客と支払を共にする顧客の前受商品についてのデータである。例えば、家族で来店し、父親、母親、子などがそれぞれ前受対象のメガネセット(レンズ込み)を購入した場合がそれに当たる。先ず初回のサイクルにおいて、支払者である父親の名前で、父親のメガネセットについてのデータを設定して伝票を起こしたとする。すると、2回目のサイクルにおいて、母親の名前で、母親のメガネセットについてのデータを設定して伝票を起こすことになる。更に3回目のサイクルにおいて、子の名前で、子のメガネセットについてのデータを設定して伝票を起こすことになる。なお、父親、母親、子の伝票を起こす順番は任意であって良い。このように、ステップS2〜ステップS4の繰り返しにより、マイクロコンピュータ2は、支払を共にする各顧客のそれぞれの伝票データをRAM23上に蓄積する。
なお、次伝票ボタンB3が押下されない場合(ステップS3:No判定)、マイクロコンピュータ2は、続いて確定ボタンB4が押下されたか判定する(S5)。確定ボタンB4も押下されない場合は(ステップS5:No判定)、マイクロコンピュータ2は、続いて終了ボタンB5が押下されたか判定する(S6)。終了ボタンB5も押下されない場合は(ステップS6:No判定)、マイクロコンピュータ2は、ステップS3に戻って次伝票ボタンB3についての判定処理を再び行う。
ここで、確定ボタンB4が押下された場合(ステップS5:Yes判定)、マイクロコンピュータ2は、RAM23に保存されている全ての伝票データをHDD24の登録ファイルd5に登録する(S7)。そして、マイクロコンピュータ2は、締め処理用のプログラムを実行し、第1の表示コントローラ28にHDD24の締め画面情報d2を出力する(S8)。これにより、表示パネル11aに締め画面E2(図5)が表示され、マイクロコンピュータ2は、締め画面E2に対しての操作者の操作入力を受け付ける。
終了ボタンB5が押下された場合(ステップS6:Yes判定)は、RAM23に保存されている全ての伝票データを消去し、登録処理のプログラムを終了する。
図12は、ステップS8で表示される締め画面E2のデータ設定例を示す図である。図12には、図11のページ番号「1」の商品情報欄e8に示す前受商品の商品データが、次伝票ボタンB3の操作によりページ番号「2」と「3」の商品情報欄(不図示)において同様に設定された場合のものを、一例として示している。マイクロコンピュータ2は、RAM23に保存されている家族3人(父親、母親、子)のそれぞれの伝票データに含まれている小計額を、それぞれ、小計欄e20−1、e20−2、e20−3に表示させる。
ステップS8に続き、マイクロコンピュータ2は、確定ボタンB20が押下されたか判定する(S9)。確定ボタンB20が押下されない場合(ステップS9:No判定)、マイクロコンピュータ2は、続いて戻るボタンB21が押下されたか判定する(S10)。戻るボタンB21も押下されない場合(ステップS10:No判定)、マイクロコンピュータ2は、ステップS9に戻って確定ボタンB20についての判定処理を再び行う。
戻るボタンB21が押下された場合(ステップS10:Yes判定)、マイクロコンピュータ2は、締め処理を終了して登録画面E1に1伝票目を出力させるなどして、ステップS3の処理に戻る。
確定ボタンB20が押下された場合(ステップS9:Yes判定)、マイクロコンピュータ2は、締め処理を行う(S11)。具体的に、マイクロコンピュータ2は、小計欄e20−1、e20−2、e20−3に出力した金額を合計し、消費税の計算を行うなどして、請求額欄e21に税込金額を表示させる。また、マイクロコンピュータ2は、各伝票に対して個別に前受番号を発番し、それらの伝票に対して一つの一括処理番号を発番する。そして、マイクロコンピュータ2は、RAM23上の各伝票データに発番した各前受番号を対応付ける。また、マイクロコンピュータ2は、発番した一括処理番号と各前受番号とをHDD24の対応付けファイルd4に登録する。これにより、本処理の終了後の所定期間、マイクロコンピュータ2は、一括処理番号と各前受番号とを対応付けておく。
マイクロコンピュータ2は、ステップS11の処理後、支払方法設定欄e22−1〜e22−4や確定ボタンB20に対する、操作者によるキーボード10やタッチパネル11b等からの設定操作を受け付ける(S12)。
ステップS12で確定ボタンB20が押下されると、マイクロコンピュータ2は、計算を行った請求額欄e21の金額と、支払方法設定欄e22−1〜e22−4に入力された入金金額(デフォルトは「0(円)」とする)などから残金額や釣銭額などを計算する。そして、マイクロコンピュータ2は、その計算結果を残金欄e23や釣銭欄e25などに表示させる。本例では、前受した商品の注文時の入金額(頭金)を0円とし、支払方法設定欄e22−1〜e22−4の設定をデフォルトのまま変更しないものとする。従って、確定ボタンB20が押下されると、マイクロコンピュータ2は、残金欄e23に請求額欄e21の金額をそのまま出力し、釣銭欄e25等には「0(円)」を出力する。
ステップS12の処理後、マイクロコンピュータ2は、戻るボタンB21が押下されたか判定する(S13)。戻るボタンB21が押下されない場合(ステップS13:No判定)、マイクロコンピュータ2は、締め画面E2を表示させたまま待機する。戻るボタンB21が押下されると(ステップS13:Yes判定)、締め処理を終了し、登録画面E1の1伝票目を表示させる(S14)。この際に、マイクロコンピュータ2は、前受No欄e2のグレーアウトの設定を解除し、発番した1伝票目の前受番号をそこに表示させ、1伝票目の伝票データを各種設定欄に表示させる。
ステップS14の処理後、マイクロコンピュータ2は、発券ボタンB1が押下されたか判定する(S15)。発券ボタンB1が押下されない場合(ステップS15:No判定)、マイクロコンピュータ2は、次伝票ボタンB3が押下されたか判定する(S16)。次伝票ボタンB3も押下されない場合(ステップS16:No判定)、マイクロコンピュータ2は、ステップS15に戻り、同様の判定を繰り返す。
次伝票ボタンB3が押下された場合(ステップS16:Yes判定)、マイクロコンピュータ2は、次の伝票の前受番号や各種データを登録画面E1の各種設定欄に表示させる(S17)。ステップS17の処理後、マイクロコンピュータ2は、ステップS15の判定処理に戻る。
発券ボタンB1が押下された場合(ステップS15:Yes判定)、マイクロコンピュータ2は、RAM23に保存した「1」〜最大「9」までの一括処理対象の各伝票についてのレシート発行をプリンタコントローラ25に指示する(S18)。
レシート発行後、マイクロコンピュータ2は、締め処理で生成したRAM23上のデータを登録ファイルd5や売上ファイルd6などに追加登録し、RAM23上の各種データを消去して登録画面E1の各種設定欄の設定データの表示をクリアする(S19)。登録ファイルd5には、前受番号を追加登録する。売上ファイルd6には、締め処理で入金があった場合にその分の売上データを登録する。
続いて、マイクロコンピュータ2は、終了ボタンB5が押下されたか判定する(S20)。終了ボタンB5が押下されない場合(ステップS20:No判定)、マイクロコンピュータ2は、ステップS2に戻り、前の家族とは異なる家族の商品登録を受け付ける。終了ボタンB5が押下された場合(ステップS20:Yes判定)、マイクロコンピュータ2は、登録処理のプログラムを終了する。
図13、図14は、ステップS18の指示によりプリンタ13が発行する家族3人分のレシートの出力イメージ図である。図13に示すレシートR1〜R3は、顧客に渡す父親、母親、子の個別のレシートである。図14に示すレシートR4〜R6は、店控え用の父親、母親、子の個別のレシートである。顧客に渡すレシートR1〜R3には、共通の一括処理番号r1と、伝票別の前受番号r2を印字する。また、店控え用のレシートR4〜R6には、一括処理番号を示すコードシンボルとしてQRコード(登録商標)r3と、前受番号を示すコードシンボルとしてQRコードr4を印字する。
次に、顧客別に前受した商品の一括売上時の動作フローについて説明する。
図15は、顧客別に前受した商品の一括売上時のマイクロコンピュータ2の動作フローの一例を示す図である。先ず、ステップS1(図10参照)と同様に、マイクロコンピュータ2は、登録処理用のプログラムを実行し、第1の表示コントローラ28にHDD24の登録画面情報d1を出力する。
続いて、マイクロコンピュータ2は、キーボード10上の「一括処理キー」が入力されたか判定する(S31)。「一括処理キー」が入力されると(ステップS31:Yes判定)、マイクロコンピュータ2は、一括処理用のプログラムを実行し、第1の表示コントローラ28にHDD24の一括処理画面情報d3を出力する(S32)。これにより、一括処理画面E3(図6参照)が表示パネル11aに表示される。「一括処理キー」が入力されない場合(ステップS31:No判定)、マイクロコンピュータ2は、ステップS2(図10参照)以下の処理を実行する。
ステップS32に続き、マイクロコンピュータ2は、一括処理画面E3の各種設定欄に対する操作者による入力操作を受け付け、各種設定欄に入力データを表示可能に出力する(S33)。なお、マイクロコンピュータ2は、各種設定欄に対して受け付けたデータを、各種設定欄の識別情報に対応付けてRAM23に保存する。
図16は、一括処理画面E3におけるデータ設定例を示す図である。マイクロコンピュータ2は、先ず取引区分欄e31にカーソルを移動し、操作者による区分情報の入力を受け付け、受け付けた情報を取引区分欄e31に表示させる。本処理は、前受した商品の一括売上を行う処理であるため、売上を示す売上コード(「2」)を受け付けてその情報を表示させる。更に、マイクロコンピュータ2は、操作者によるタッチ入力やTABキーによる入力を受け付けるなどして、他の設定欄へカーソルを移動する。
マイクロコンピュータ2は、先ず、一括処理No欄e32にカーソルを移動し、操作者による一括処理番号の入力を受け付けて、その番号を表示する。一括処理番号の入力は、操作者が顧客からレシートR1〜R3(図13参照)を受け取って、それらに印字されている共通の一括処理番号を操作者が目で読み取りキーボード10の置数キーなどを押下するなどして行う。この場合、マイクロコンピュータ2は、キーボードコントローラ27から出力される一括処理番号を受け付けることになる。この他、一括処理番号の入力を、店控え用のレシートR4〜R6(図14参照)に印字されているQRコードr3を操作者がハンドスキャナ14で読み取るなどして行っても良い。この場合、マイクロコンピュータ2は、スキャナコントローラ31から出力される一括処理番号を受け付けることになる。
マイクロコンピュータ2は、一括処理番号を受け付けると、対応付けファイルd4を参照し、一括処理番号に対応する前受商品の伝票データを登録ファイルd5等から抽出して、それぞれの伝票データや、前回の入金額等の情報を対応する設定欄に表示させる。
具体的には、一括商品情報欄e33に、一括処理番号に対応する複数の前受番号の伝票データを一覧で表示させる。また、マイクロコンピュータ2は、支払方法設定欄e34−1〜e34−4の金額欄にデータ入力を可能にしてデフォルトの「0」を表示させる。また、マイクロコンピュータ2は、請求額欄e35に、一括商品情報欄e33の請求金額の項目に示す伝票別の請求金額を合計したものを表示させる。また、マイクロコンピュータ2は、商品の前受時に頭金の入金処理を行っている場合に、前回入金計欄e37に頭金の入金金額を表示させる。
また、マイクロコンピュータ2は、今回入金計欄e36に、支払方法設定欄e34−1〜e34−4の金額欄の合計金額を表示させる。また、マイクロコンピュータ2は、残金欄e39に、請求額欄e35の請求額から前回入金計欄e37と今回入金計欄e36の合計金額を差し引いた残金を表示させる。また、マイクロコンピュータ2は、預り金欄e38にデータ入力を可能にしてデフォルトの「0」を表示させ、釣銭欄e40に、預り金欄e38の金額から支払方法設定欄e34−1〜e34−4の現金の入金金額を差し引いた金額を表示させる。
操作者は図16に示す一括処理画面E3において、支払方法設定欄e34−1〜e34−4に現金やクレジットカードなどの支払方法や入金金額を入力し、預り金欄e38に顧客からの預かり金額を入力する。これにより、マイクロコンピュータ2は、それぞれの欄に入力値を表示し、今回入金計欄e36、残金欄e39、及び釣銭欄e40に再計算した値を表示する。操作者は、残金欄e39の残金が「0」になるように、支払方法設定欄e34−1〜e34−4の金額欄に金額を設定する。
ステップS33の後、マイクロコンピュータ2は、確定ボタンB30が押下されたか判定する(S34)。確定ボタンB30が押下されない場合(ステップS34:No判定)、マイクロコンピュータ2は、一括処理画面E3を表示させたまま待機する。確定ボタンB30が押下された場合(ステップS34:Yes判定)、マイクロコンピュータ2は、当該一括処理番号に対応する複数の伝票データのそれぞれの売上処理を実行する(S35)。
具体的に、マイクロコンピュータ2は、支払方法設定欄e34−1〜e34−4の支払方法にクレジットカードが設定されている場合、入力パッド1−3からクレジットカードのカード情報や暗証番号を受け付ける。顧客は挿入スロットに顧客のクレジットカードを挿入して入力パッド1−3にカード情報を読み取らせる。続いて、顧客は暗証番号の入力ボタンで暗証ボタンを入力する。マイクロコンピュータ2は、受け付けたカード情報や、支払方法設定欄e34−1〜e34−4のクレジットカードによる入金金額を通信インターフェース33を介してカード会社のサーバに送信し、承認番号を得て取引を成立させる。
取引成立後、マイクロコンピュータ2は、承認番号やクレジットカードの簡易情報を一括処理画面E3のインプリンタ欄e41に表示させ、クレジットによる取引のレシートを発行する。更に、マイクロコンピュータ2は、当該一括処理番号に対応する複数の伝票データのそれぞれに、現金やクレジットカードなどの各種メディアで取引された取引額を按分する。そして、マイクロコンピュータ2は、その按分後の各伝票データに基づくレシートをそれぞれ発行し、按分後の各伝票データの購買実績を売上ファイルd6に個別に登録する。
なお、按分とは、必ずしも比例関係になくても良く、所定の条件に基づいて各伝票データのそれぞれに取引額を割り当てれば良い。例えば、3人家族の父親、母親、子のそれぞれの伝票データに取引額を按分する場合を考える。父親が現金とクレジットにより全額を支払った場合、例えば父親の伝票に含まれる前受商品の全額をクレジットで支払ったものとしてクレジットの支払額の一部を割り当てる。更に、母親の伝票に含まれる前受商品の一部をクレジットで支払い、その残りを現金で支払ったものとして、クレジットによる支払額の残り分と現金による支払額の一部を割り当てる。そして、子の伝票に含まれる前受商品の全額を現金で支払ったものとして現金による支払い分の残り分を割り当てる。
図17、図18は、ステップS35の売上処理においてプリンタ13が発行する顧客用のレシートの出力イメージ図である。一例として、父親、母親、子の家族3人にクレジットと現金の支払総額を按分した場合の出力イメージ図を示している。図17に示すレシートR11〜R13は、父親、母親、子に渡すレシートである。図18に示すレシートR14は、父親に渡す家族全体の取引を示すレシートである。各レシートの前受No項目K50と一括処理No項目K51に、それぞれ、前受番号と一括処理番号とが印字される。
父親のレシートR11には、クレジット払いの項目K52に示されるように、クレジット払いの総額(「¥15,000」とする)が按分された金額「¥12,960」が印字される。一例の按分方式では、合計項目K53に示される、父親が受け取った商品の総額が「¥12,960」であるため、その上限額「¥12,960」がクレジット払いの総額から割り当てられる。
母親のレシートR12には、クレジット払いの項目K52に示されるように、クレジット払いの残り分「¥2,040」が印字される。また、現金払いの項目K54に示されるように、現金払いの総額(「¥38,880」とする)が按分された金額「¥10,920」が印字される。一例の按分方式では、商品項目K53に示される、母親が受け取った商品の総額が「¥12,960」であるため、クレジット払いの不足分に現金払いの総額の一部が割り当てられる。
子のレシートR13には、現金払いの項目K54に示されるように、現金払いの残り分「¥12,960」が印字される。一例の按分方式では、現金払いの総額の残り分の全てが割り当てられる。
全体の取引を示すレシートR14には、レシートR11〜レシートR13の印字内容と、総合的な取引の内容とが印字される。総合的な取引の内容は、家族3人分の商品総額や、クレジット払いの総額や、現金払いの総額などである。家族3人分の商品総額は、合計額の項目K55に示される。また、クレジット払いの総額と現金払いの総額は、それぞれ、クレジット払いの項目K56と現金払いの項目K57に示される。
図19は、クレジット決済を行った場合に出力されるクレジット払いについての明細を示すレシートのイメージ図である。図19に示すようにレシートR15には、承認番号r5が印字される。
ステップS35の後、マイクロコンピュータ2は、終了ボタンB31が押下されたか判定する(S36)。終了ボタンB31が押下されない場合(ステップS36:No判定)、マイクロコンピュータ2は、ステップS33に戻り、別の一括処理番号の入力を受け付ける。そして、マイクロコンピュータ2は、別の一括処理番号についての処理を同様に行う。終了ボタンB31が押下された場合(ステップS36:Yes判定)、マイクロコンピュータ2は、一括処理のプログラムを終了し、ステップS31に戻る。
本実施形態では、登録ファイルd5や売上ファイルd6をPOS端末1に備える構成のものを示したが、登録ファイルd5や売上ファイルd6の一部又は全てを外部装置に設けても良い。例えば、ストアコンピュータや本部などのサーバ装置の記憶装置に登録ファイルd5や売上ファイルd6を記憶させる。その場合、POS端末1のマイクロコンピュータ2は、対応付けファイルd4の一括処理番号に対応する前受番号を用いて、サーバ装置の登録ファイルや売上ファイルのデータの抽出・更新・削除等を行う。
以上のように、本実施形態の販売データ処理装置は、複数の前受伝票データの入力を受け付ける。そして、それらの前受伝票データに共通の識別情報を発番し、共通の識別情報に前受伝票データ(一例として前受番号)を対応付ける。これにより、操作者は、売上処理の対象として一括識別番号を指定することで、一括識別番号に対応する全ての前受伝票データの売上処理を個別に自動実行させることが可能になる。つまり、前受した商品についての複数の伝票処理を操作者が一括操作(本例では1回分の指示)で実行させることが可能になる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、前受商品の一括処理として一括取消処理について説明する。なお、以下では第1の実施形態と重複する部分の説明について適宜省略するものとする。
図20は、第2の実施形態のマイクロコンピュータ2に実現される機能ブロックの一構成例を示す図である。図20に示す機能ブロックは、第1の実施形態の機能ブロック(図3参照)に更に取消部50(取消手段)を設けたものである。取消部50は伝票データの取消処理を行う。一括取消処理では、マイクロコンピュータ2は、図15に示す動作フローのステップS32の出力処理により表示される一括処理画面E3において、操作者により、取引区分欄e31への取消コード(「4」)の入力を受け付ける。従って、第2の実施形態では、入力受付部40は第2の受付手段に代わって第3の受付手段として機能する。
図21は、顧客別に前受した商品の一括取消時のマイクロコンピュータ2の動作フローの一例を示す図である。先ず、マイクロコンピュータ2は、一括処理画面E3の各種設定欄に対する操作者による入力操作を受け付け、各種設定欄に入力データを表示可能に出力する(S43)。具体的に、マイクロコンピュータ2は、先ず、一括処理画面E3での、操作者による取引区分欄e31への取消コード(「4」)の入力を受け付ける。続いて、マイクロコンピュータ2は、操作者による一括処理No欄e32への一括処理番号の入力を受け付ける。マイクロコンピュータ2は、一括処理番号を受け付けると、対応付けファイルd4を参照し、一括処理番号に対応する前受商品の伝票データを登録ファイルd5や売上ファイルd6などから抽出して、それぞれの伝票データや、前回の入金額等の情報を対応する設定欄に表示させる。
ステップS43の後、マイクロコンピュータ2は、確定ボタンB30が押下されたか判定する(S44)。確定ボタンB30が押下された場合(ステップS44:Yes判定)、マイクロコンピュータ2は、当該一括処理番号に対応する複数の伝票データの個別の取消処理を実行する(S45)。
具体的に、マイクロコンピュータ2は、HDD24の登録ファイルd5や売上ファイルd6などを対象に、当該一括処理番号に対応する伝票データのそれぞれに取消情報を設定する処理を行う。なお、登録ファイルd5や売上ファイルd6には、取消フラグを格納する項目が設けられているものとする。更に、インプリンタ欄e41に承認番号が設定されている場合、マイクロコンピュータ2は、通信インターフェース33を介して、承認番号等の取引情報を含めた取消指示情報をカード会社のサーバに送信する。そして、マイクロコンピュータ2は、プリンタコントローラ25に取消情報を出力してプリンタ13から取消レシートを発行させる。取消レシートは、既に発行した前受時又は売上時のレシートに対応したものを発行する。なお、頭金などが現金により入金されている場合は、操作者がドロワ1−2から入金額を取り出して顧客に返金する。
ステップS45の後、マイクロコンピュータ2は、終了ボタンB31が押下されたか判定する(S46)。終了ボタンB31が押下されない場合(ステップS46:No判定)、マイクロコンピュータ2は、ステップS43に戻り、別の一括処理番号の入力を受け付ける。そして、マイクロコンピュータ2は、別の一括処理番号についての処理を同様に行う。終了ボタンB31が押下された場合(ステップS46:Yes判定)、マイクロコンピュータ2は、一括処理のプログラムを終了し、ステップS31に戻る。
これにより、操作者は、取消処理の対象として一括識別番号を指定することで、一括識別番号に対応する全ての前受伝票データの取消処理を個別に自動実行させることが可能になる。つまり、前受した商品についての複数の伝票処理を操作者が一括操作(本例では1回分の指示)で実行させることが可能になる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、即売上の商品を混在させた一括取消処理について説明する。即売上とは、前受と異なり、顧客が購入する商品を、その場で精算処理して売り上げることを差す。
先ず、マイクロコンピュータ2は、登録画面E1において、即売上の商品を前受の商品と共に受け付ける。例えば、マイクロコンピュータ2は、前受商品の商品データを受け付けた後、次伝票ボタンB3の押下により、続けて即売上の商品データを受け付ける。ここでは、マイクロコンピュータ2は、登録画面E1の取引区分欄e1において即売上を示す即売上コード「3」の入力を受け付けることにより、各種設定欄の設定データを即売上の商品データとして認識する。この受け付けは入力受付部40が行うものとする。
続いて、マイクロコンピュータ2は、締め画面E2において、一括処理番号、各前受商品の前受番号を発番する。更にマイクロコンピュータ2は、即売上の商品を識別するための番号を前受番号として発番する。そして、マイクロコンピュータ2は、対応付けファイルd4に前受商品の前受番号と即売上商品の前受番号とを一括処理番号に対応付ける。
続いて、マイクロコンピュータ2は、一括処理画面E3において、取消コード「4」を受け付ける。更に、マイクロコンピュータ2は、上記一括処理番号を受け付ける。これにより、マイクロコンピュータ2は、一括取消番号に対応する前受商品と即売上商品のデータを一括処理画面E3に表示させる。
図22は、一括処理番号に前受の商品と即売上の商品の商品データが対応付けられている場合の、一括処理画面(取消画面)の表示例である。
図22に示すように、前受商品と共に即売上のデータL10が表示される。また、取引状態を示す項目K16に「即売」と表示されるため、前受と即売とを識別できる。ここで、マイクロコンピュータ2は、確定ボタンB30の操作を受け付けると、表示中の前受商品と即売上商品の取消処理を実行する。なお、取消処理については、第2の実施形態で説明しているため、ここでの説明を省略する。
以上のように、第3の実施形態の販売データ処理装置は、前受商品に限らず、即売上商品を含め、複数の伝票処理を操作者が一括操作で実行させることが可能になる。
本実施形態及びその変形の販売データ処理装置で使用する各種プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供し、販売データ処理装置のHDDやフラッシュROMなどに読み込ませて実行してもよい。
また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
以上の各実施形態及びその変形において、販売データ処理装置及びプログラムについての構成を説明したが、実施形態及びその変形は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態及び変形は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。