JP2017066875A - タイミングチェーンの潤滑構造 - Google Patents
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Abstract
Description
図1,2を参照して、実施形態1のタイミングチェーンの潤滑構造1を説明する。実施形態1のタイミングチェーンの潤滑構造1を適用するエンジンは、エンジン本体と、オイルポンプと、エンジンの動弁機構と、オイルポンプの駆動機構と、を含んで構成される。
実施形態1のタイミングチェーンの潤滑構造1は、図1に示すように、シリンダブロック2と、チェーンカバー3と、タイミングチェーン4と、ドライブチェーン5と、潤滑油ガイド6と、を備える。チェーンカバー3は、シリンダブロック2の一端面に取り付けられて、タイミングチェーン4及びドライブチェーン5を収納する。潤滑油ガイド6は、シリンダブロック2とチェーンカバー3との間で、カム駆動用スプロケット32及びオイルポンプ駆動用スプロケット34をその周方向上側から覆うように配置される。本実施形態1のタイミングチェーンの潤滑構造1の主たる特徴とするところは、潤滑油ガイド6が、オイルポンプ駆動用スプロケット34と対向する領域に設けられる潤滑油の付着部64と、カム駆動用スプロケット32と対向する領域に付着部64に連続して設けられる滴下部62と、を備える点にある。本例では、クランクシャフト30に装着される二つのスプロケット32,34について、シリンダブロック2とチェーンカバー3との間で、シリンダブロック2側にオイルポンプ駆動用スプロケット34が配置され、チェーンカバー3側にカム駆動用スプロケット32が配置される。以下、詳細を説明する。
シリンダブロック2は、クランクシャフト30の上方であって、カム駆動用スプロケット32及びオイルポンプ駆動用スプロケット34の至近位置に、後述するチェーンカバー3に向かって突出する突出部2Aを備える。突出部2Aは、シリンダブロック2に一体に成形されている。
チェーンカバー3は、シリンダブロック2の一端面に取り付けた際に、シリンダブロック2の突出部2Aの端面に接触するように、シリンダブロック2に向かって突出する突出部3Aを備える。突出部3Aは、チェーンカバー3に一体に成形されている。
タイミングチェーン4は、無端状であり、吸気カムシャフト10に装着されるカムスプロケット12と、排気カムシャフト20に装着されるカムスプロケット22と、クランクシャフト30に装着されるカム駆動用スプロケット32と、に巻き掛けられる(図2を参照)。クランクシャフト30が時計回り(図2の矢印方向)に周回すると、タイミングチェーン4も時計回りに周回する。このタイミングチェーン4の周回によって、クランクシャフト30の回転運動が、吸気カムシャフト10及び排気カムシャフト20に伝達され、吸気カム及び排気カム(図示せず)の開閉が行われる。
ドライブチェーン5は、無端状であり、シリンダブロック2の下方のオイルパン50内に収納されるオイルポンプ(図示せず)のドライブシャフトに40装着されるオイルポンプスプロケット42と、クランクシャフト30に装着されるオイルポンプ駆動用スプロケット34と、に巻き掛けられる(図2を参照)。クランクシャフト30が時計回り(図2の矢印方向)に周回すると、ドライブチェーン5も時計回りに周回する。このドライブチェーン5の周回によって、クランクシャフト30の回転運動が、オイルポンプのドライブシャフト40に伝達される。
潤滑油ガイド6は、シリンダブロック2とチェーンカバー3との間で、カム駆動用スプロケット32及びオイルポンプ駆動用スプロケット34をその周方向上側から覆うように配置される。そして、潤滑油ガイド6は、オイルポンプ駆動用スプロケット34と対向する領域に設けられる潤滑油Lの付着部64と、カム駆動用スプロケット32と対向する領域に付着部64に連続して設けられると共に、付着部64に付着した潤滑油Lをカム駆動用スプロケット32の上部に滴下する滴下部62と、を備える。
シリンダブロック2の突出部2Aとチェーンカバー3の突出部3Aとは、ボルト7によって接合されている。このボルト7は、突出部2A,3Aを接合すると共に、チェーンカバー3の振動を抑制することもできる。チェーンカバー3は、一般的にアルミニウムで構成されて、非常に薄い。よって、エンジンの振動や、タイミングチェーン・ドライブチェーンの振動などによって、チェーンカバー3が共鳴(振動)することがある。そこで、ボルト7によってチェーンカバー3を固定することで、チェーンカバー3の振動を抑制することができる。
上記構成を備えるタイミングチェーンの潤滑構造1による作用を、図1,2を参照して説明する。
本実施形態1のタイミングチェーンの潤滑構造1は、潤滑油ガイド6が付着部64及び滴下部62を備えることで、オイルポンプスプロケット42及びドライブチェーン5によって巻き上げられた潤滑油Lが、潤滑油ガイド6の付着部64に付着し、カム駆動用スプロケット32の上部に位置する滴下部62の方に流れて、滴下部62に沿って滴下するため、潤滑油Lをタイミングチェーン4に確実に供給することができる。また、本例では、潤滑油ガイド6は、カム駆動用スプロケット32におけるタイミングチェーン4との噛合開始側が噛合終了側よりも下側となるように傾斜して配置されており、滴下部62の方に流れた潤滑油Lが上記噛合開始側に向かって滴下するため、潤滑油Lをタイミングチェーン4の噛合開始側に供給でき、良好な潤滑状態を可能とし易い。
実施形態1では、潤滑油ガイド6の付着部64と滴下部62とが、段差形状(付着部64を構成する面2uと滴下部62を構成する面3eとが直角)である形態を説明したが、突出部2Aの下面2uをシリンダブロック2側よりもチェーンカバー3側に低くすることで、付着部64を滴下部62に対して傾斜させたり、湾曲させたりすることもできる。また、突出部3Aの下面3uをチェーンカバー3側よりもシリンダブロック2側に低くすることもできる。この形態によれば、突出部3Aの下面3uに潤滑油が付着した場合であっても、下面3uの傾斜に沿って滴下部に潤滑油をガイドし易い。つまり、オイルポンプスプロケット42及びドライブチェーン5によって巻き上げられた潤滑油Lが、付着部に付着し、その後、付着部から滴下部の方に流れて、滴下部に沿ってカム駆動用スプロケット32の上部に滴下することができれば、付着部及び滴下部の形状は問わない。
実施形態1では、潤滑油ガイド6の付着部64と滴下部62とが、シリンダブロック2の突出部2Aとチェーンカバー3の突出部3Aとで構成される形態を説明したが、シリンダブロック2の突出部又はチェーンカバー3の突出部の一方で構成することもできる。例えば、シリンダブロック2に突出部を設ける場合、突出部をチェーンカバー3まで突出させると共に、この突出部のシリンダブロック2側に付着部と、この付着部に連続して付着部よりも下側に位置する滴下部を突出部のカム駆動用スプロケット32の上部の位置に設ければよい。同様に、チェーンカバー3に突出部を設ける場合、突出部をシリンダブロック2まで突出させると共に、この突出部のシリンダブロック2側に付着部と、この付着部に連続して付着部よりも下側に位置する滴下部を突出部のカム駆動用スプロケット32の上部の位置に設ければよい。
2 シリンダブロック 2A 突出部 2u 下面
2h ボルト穴
3 チェーンカバー 3A 突出部 3u 下面 3e 端面
3h ボルト孔
4 タイミングチェーン
5 ドライブチェーン
6 潤滑油ガイド
62 滴下部 64 付着部
7 ボルト
10 吸気カムシャフト 12 カムスプロケット
20 排気カムシャフト 22 カムスプロケット
30 クランクシャフト
32 カム駆動用スプロケット 34 オイルポンプ駆動用スプロケット
40 ドライブシャフト 42オイルポンプスプロケット
50 オイルパン L 潤滑油
Claims (1)
- シリンダブロックと、
カムシャフトに装着されるカムスプロケット、及びクランクシャフトに装着されるカム駆動用スプロケットに巻き掛けられるタイミングチェーンと、
前記シリンダブロックの下方のオイルパン内に収納されるオイルポンプのドライブシャフトに装着されるオイルポンプスプロケット、及び前記クランクシャフトに装着されるオイルポンプ駆動用スプロケットに巻き掛けられるドライブチェーンと、
前記タイミングチェーン及び前記ドライブチェーンが収納されて、前記シリンダブロックの一端面に取り付けられるチェーンカバーと、
前記シリンダブロックと前記チェーンカバーとの間で、前記カム駆動用スプロケット及び前記オイルポンプ駆動用スプロケットをその周方向上側から覆う潤滑油ガイドと、を備え、
前記潤滑油ガイドは、
前記オイルポンプ駆動用スプロケットと対向する領域に設けられる潤滑油の付着部と、
前記カム駆動用スプロケットと対向する領域に前記付着部に連続して設けられると共に、前記付着部よりも下側に位置し、前記付着部に付着した潤滑油を前記カム駆動用スプロケットの上部に滴下する滴下部と、を備えるタイミングチェーンの潤滑構造。
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