JP2017062186A - 油検出用素子、油検出装置及び油検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄処理後の鋼板等の検出対象物に残留した微量の油であっても、検出対象物を汚染することなく高感度での検出を可能にする。
【解決手段】油の吸着の有無により蛍光極大波長が変化する蛍光物質と、親水性ポリマー鎖と、支持基板とを備える油検出用素子であって、支持基板の表面に親水性ポリマー鎖の一端が化学的に結合されており且つ親水性ポリマー鎖の他端が蛍光物質と化学的に結合されていることを特徴とする油検出用素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼板等の検出対象物の表面に付着した油の検出方法及び検出装置、並びにそれに用いる油検出用素子に関するものである。
冷間圧延鋼板や表面処理鋼板には、防錆や潤滑を目的として油が塗布されている。しかし、接着剤や粘着テープにより鋼板を接合する場合において、油は接着を阻害することから、接着前に油の洗浄処理が行われている。油の洗浄処理は、一般に溶剤や洗浄剤を用いて洗浄装置や人の手によって行われているが、接着阻害を起こさない程度まで十分に油が除去されたかの定量的な評価はなされておらず、現状は作業者の目視により判断している。また、鋼板の種類やロットによって付着している油の種類や量が異なるため、目視では判断を誤る可能性が十分に考えられる。また、目視で確認できない程度の油であっても、接着を阻害することがあるため、洗浄処理後の油の残留の有無を評価する方法が求められる。
ここで、鋼板に付着した油を検出及び定量する従来の方法について説明する。
(1)重量法:塗油前後もしくは脱脂前後の鋼板の重量を測定する方法。鋼板を切断する必要があり、製造工程で用いるのは困難である。また、微量評価では天秤の精度が足りず測定が不可能である。
(2)赤外線吸収法:特定の波長の赤外線が、油に含まれるCH基の吸収帯によって吸収されることを利用する方法。油が微量の場合には油の吸収が極めて小さいため、検出が不可能である。
(3)蛍光法(油の蛍光を測定する方法):紫外線を照射し、油に含まれる芳香族化合物や共役系化合物由来の蛍光を検出する方法。十分な蛍光強度を得るには励起光の出力を上げる必要がある。そのため高出力のレーザー光や複雑な集光装置が必要となり、装置が大型化する問題がある(例えば、特許文献1参照)。また、油が微量の場合には検出が困難になる可能性がある。
(4)蛍光法(油に蛍光物質を添加する方法):油に蛍光物質を予め添加し、蛍光物質の蛍光強度を測定することにより、油量を測定する方法(例えば、特許文献2参照)。
以上の方法はいずれも油塗布時の塗油量の定量や漏洩時の油の検出が目的であるため、洗浄処理後に残留する微量な油の検出には不向きである。
特開平3−77003号公報 特開昭61−23695号公報
上記の(1)及び(2)の油量測定方法では、天秤精度不足や油の赤外吸収強度が小さいため、微量の油の検出が困難である。(3)の方法では、装置が大型化する問題に加え、防錆油や潤滑油の大部分を占める基油には芳香族化合物や共役化合物含まないパラフィン系油が用いられることから油自体の蛍光強度が小さく、さらに微量の油の場合は、十分な検出感度が得られない。(4)の方法では、油に蛍光物質を予め添加するため、洗浄処理時に油が除去され難くなる可能性があり、後の接着工程に悪影響を及ぼす恐れがある。
そこで、本発明は、洗浄処理後の鋼板等の検出対象物に残留した微量の油であっても、検出対象物を汚染することなく高感度での検出を可能にする油検出装置、油検出方法及びそれに用いる油検出用素子を提供することを目的としている。
本発明は、油の吸着の有無により蛍光極大波長が変化する蛍光物質と、親水性ポリマー鎖と、支持基板とを備える油検出用素子であって、該支持基板の表面に該親水性ポリマー鎖の一端が化学的に結合されており且つ該親水性ポリマー鎖の他端が該蛍光物質と化学的に結合されていることを特徴とする油検出用素子である。
また、本発明は、上記油検出用素子と、
検出対象物に載置された該油検出用素子の蛍光物質に励起光を照射する励起光照射部と、
該蛍光物質から発せられた蛍光のうち、油が吸着した蛍光物質から発せられた蛍光と、油が吸着していない蛍光物質から発せられた蛍光とを分離する蛍光分離部と、
該蛍光分離部で分離された該蛍光を検出する蛍光検出部と、
該蛍光検出部で検出された該蛍光それぞれの蛍光極大波長における蛍光強度の比と、予め作成した検量線とに基づいて、該検出対象物への油の付着の有無を判定する演算部と
を備えることを特徴とする油検出装置である。
更に、本発明は、検出対象物の表面に付着した油の検出方法であって、
上記油検出用素子を、該検出対象物の表面と該蛍光物質が接触するように該検出対象物上に載置する工程と、
該蛍光物質に励起光を照射する工程と、
該蛍光物質から発せられた蛍光のうち、油が吸着した蛍光物質から発せられた蛍光と、油が吸着していない蛍光物質から発せられた蛍光とを分離する工程と、
分離された該蛍光それぞれの蛍光極大波長における蛍光強度の比を算出する工程と、
算出した該蛍光強度比と、予め作成されている検量線とを用いて、該検出対象物の表面への油の付着の有無を判定する工程と
を備えることを特徴とする油検出方法である。
本発明によれば、洗浄処理後の鋼板等の検出対象物に残留した微量の油を、検出対象物を汚染することなく、感度良く検出することができる。
本発明の実施の形態1に係る油検出用素子の模式断面図である。 本発明の実施の形態1に係る油検出用素子の一部の模式断面拡大図である。 本発明の実施の形態1に係る油検出用素子を作製する過程で得られる支持基板の状態を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1に係る油検出用素子を作製する過程で得られる支持基板の状態を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1に係る油検出用素子を作製する過程で得られる支持基板の状態を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1に係る油検出用素子を作製する過程で得られる支持基板の状態を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1に係る油検出用素子における蛍光物質、親水性ポリマー鎖及び支持基板の結合状態を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1に係る油検出用素子を用いて油を検出する方法の一例を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態2に係る油検出装置の構成を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態2に係る油検出装置において、蛍光物質として8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸を用いた場合の蛍光スペクトルの例である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る油検出用素子は、油の吸着の有無により蛍光極大波長が変化する蛍光物質と、親水性ポリマー鎖と、支持基板とを備え、該支持基板の表面に該親水性ポリマー鎖の一端が化学的に結合されており且つ該親水性ポリマー鎖の他端が該蛍光物質と化学的に結合されていることを特徴としている。
図1は、実施の形態1に係る油検出用素子の模式断面図である。図2は、実施の形態1に係る油検出用素子の一部の模式断面拡大図である。図1及び2に示されるように、油検出用素子10では、親水性ポリマー鎖11の一端が支持基板12の表面に化学的に結合されて固定化されており、更に、親水性ポリマー鎖11の他端(末端)の少なくとも一部に蛍光物質13が化学的に結合している。このように、支持基板12と親水性ポリマー鎖11とが化学的に結合し、且つ親水性ポリマー鎖11と蛍光物質13とが化学的に結合しているため、検出対象物の表面に存在する油が蛍光物質13や親水性ポリマー鎖11に吸着しても、油検出用素子10を取り外す際に蛍光物質13や親水性ポリマー鎖11が引きちぎれることがなく、検出対象物の表面を汚染することがない。
支持基板12としては、蛍光物質13を励起するための光の波長における透過率及び蛍光物質13から発せられた蛍光の蛍光極大波長における透過率が99%以上である材料が好ましい。また、鋼板等の検出対象物の表面に油検出用素子10を接触させ易いように、支持基板12として平滑性に優れる材料を用いることも好ましい。このような材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ガラス等が挙げられる。また、検出対象物が曲面を有するものである場合、油検出用素子10を湾曲させたり折り曲げたりして検出対象物の表面に追従させることができるように、可撓性を有するフィルム状支持基板12を用いることが好ましく、中でもポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム及び塩化ビニル樹脂フィルムを用いることがより好ましい。更に、検出対象物が複雑な形状を有するものである場合、熱収縮性を有するフィルム状支持基板12を用いることが好ましく、中でもポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム及びポリスチレン樹脂フィルムを用いることがより好ましい。熱収縮性を有するフィルム状支持基板12を用いることで、複雑な形状を有する検出対象物であっても、油検出用素子10を検出対象物上に載置した後、熱をかけることにより油検出用素子10と検出対象物とを隙間なく密着させることが可能となる。
親水性ポリマー鎖11を構成する親水性ポリマーとしては、蛍光物質13を励起するための光の波長及び蛍光物質13から発せられた蛍光の波長に対して吸収帯及び蛍光帯を有さない材料が好ましい。このような材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等が挙げられる。また、鋼板等の検出対象物の表面に蛍光物質13が追従し易いように、親水性ポリマー鎖11の長さは10μm〜30μmであることが好ましく、支持基板12に化学的に結合した親水性ポリマー鎖11の密度は、支持基板12 10μm当たり1本以上100本以下であることが好ましい。
蛍光物質13としては、油の吸着の有無により蛍光極大波長が変化する物質、すなわち、周囲が親水性環境である場合(水に囲まれた場合)と、周囲が疎水性環境である場合(油が吸着した場合)とで蛍光極大波長が異なる物質であればよい。油に吸着しやすいよう蛍光物質13は疎水性化合物であることが好ましい。このように周囲の環境によって蛍光挙動が変化する物質は、主に、分子内に、ベンゼン環やベンゼン環が縮合したもの(例えばナフタレン環)と、スルホ基、ニトロ基などの電子吸引性置換基と、アミノ基、メトキシ基などの電子供与性置換基とを有するものである。蛍光物質13由来の蛍光強度は油自身の蛍光強度よりも2桁以上大きいため、検出感度の向上が可能となる。更に、検出感度を向上させるために、モル吸光係数が10,000以上である蛍光物質13を用いることが好ましい。蛍光物質13の具体例としては、下記化学構造式で表される8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸(慣用名:ANS)、下記化学構造式で表される5−(ジメチルアミノ)−1−ナフタレンスルホンアミド(慣用名:ダンシルアミド)等が挙げられる。
Figure 2017062186
更に、蛍光物質13が疎水性化合物である場合には、蛍光物質13同士が吸着することが考えられる。この場合、油を検知していないのにもかかわらず、蛍光物質13の周囲が疎水性環境になるため蛍光波長が変化してしまい、油の付着の有無の判定を誤る可能性がある。これを防ぐため、蛍光物質13の密度は、支持基板12 10μm当たり1分子以上10分子以下であることが好ましい。
以上のように構成される油検出用素子10は、例えば、以下の3段階の反応で作製することができる。ピラニア溶液に浸漬する等により支持基板12の表面に水酸基を導入した後、その水酸基にシランカップリング反応を用いて原子移動ラジカル重合開始剤等の重合開始剤を導入する(1段階目)。次に、導入された重合開始剤を用いて親水性ポリマー鎖11を重合する(2段階目)。最後に、クリック反応を用いて親水性ポリマー鎖11の末端に蛍光物質13を化学的に結合させる(3段階目)。
より具体的には、油検出用素子10は以下のように作製される。
<1段階目:支持基板上への重合開始剤の導入>
(1−1)
支持基板12(例えばガラス基板)をピラニア溶液に浸漬し、純水で洗浄後、エアーを吹き付け乾燥させる。シランカップリング剤(例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン)をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させたシランカップリング剤溶液に支持基板12を浸漬し反応させる(例えば60℃で3時間)。反応後、支持基板12を取り出し、N,N−ジメチルホルムアミド及びエタノールで超音波洗浄を行う。その後、焼き付け乾燥(例えば80℃で1時間)を行い、図3に示されるような、シランカップリング剤で修飾された支持基板12を得る。
(1−2)
密閉された反応容器において、2−ブロモ−2−メチルプロピオニルブロミド及びトリエチルアミンをトルエンに溶解させた重合開始剤溶液をシリンジ等で支持基板12上に徐々に滴下し反応させる(例えば25℃で4時間)。反応後、支持基板12を取り出し、トルエン及びメタノールでそれぞれ洗浄後、真空下で乾燥させ、図4に示されるような、重合開始剤が導入された支持基板12を得る。
<2段階目:支持基板上に導入された重合開始剤を始点とするポリマー重合>
(2−1)
アクリル酸tert−ブチル、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン及び臭化銅(I)を蒸留水・エタノール混合溶液に溶解させた原料モノマー溶液を0℃まで冷却する。密閉された反応容器において、原料モノマー溶液に支持基板12を浸漬し重合開始剤を始点とするポリマー重合を行う(例えば25℃で2時間)。反応後、支持基板12を取り出し、純水に浸漬し超音波洗浄を行い、図5に示されるような、ポリマー鎖が固定化された支持基板12を得る。
(2−2)
支持基板12をテトラヒドロフランに浸漬した後、70%硫酸水溶液を加え撹拌する(例えば24時間)。反応後、支持基板12を純水で超音波洗浄し、真空乾燥させ、図6に示されるような、表面に親水性ポリマー鎖11が化学的に結合した支持基板12を得る。
<3段階目:親水性ポリマー鎖末端への蛍光物質の導入>
(3−1)
反応容器において、8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸ナトリウム及びトリエチルアミンをアセトンに溶解させ0℃まで冷却する。次に、アセトンに溶解させたアクリル酸2−ヒドロキシエチルを、反応容器内にゆっくり滴下し反応させる(例えば室温で3時間)。反応後、溶媒を減圧蒸留により除去し、真空乾燥することにより、下記化学構造式で表される8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸誘導体を得る。
Figure 2017062186
(3−2)
8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸誘導体、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン及び臭化銅(I)を蒸留水・エタノール混合溶液に溶解させた原料蛍光物質溶液を0℃まで冷却する。密閉された反応容器において、原料蛍光物質溶液に支持基板12を浸漬し反応させる(例えば25℃で1時間)。反応後、支持基板12を取り出し、純水に浸漬し超音波洗浄を行い、図7に示されるような、支持基板12の表面に親水性ポリマー鎖11の一端が化学的に結合されており且つ親水性ポリマー鎖11の末端が蛍光物質13と化学的に結合されている油検出用素子10を得る。
導入された8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸誘導体の量は、上記(1−2)で用いた2−ブロモ−2−メチルプロピオニルブロミドの量から算出することができる。例えば、100本の親水性ポリマー鎖11のうちの1本に8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸誘導体1分子を導入する場合、2−ブロモ−2−メチルプロピオニルブロミド1molに対して8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸誘導体0.01molを用いるといったようにモル比を制御すればよい。
次に、油検出用素子10を用いて、鋼板等の検出対象物の表面に付着した油を検出する方法について説明する。図8は、実施の形態1に係る油検出用素子10を用いて油を検出する方法の一例を説明するための模式図である。図8に示されるように、油検出用素子10を、洗浄処理後の検出対象物14の表面と油検出用素子10の蛍光物質13が接触するように検出対象物14上に載置し、励起光を照射する。励起光は、油検出用素子10の支持基板12及び親水性ポリマー鎖11を透過し、蛍光物質13を励起する。励起された蛍光物質13は、油15が存在する箇所と油が存在しない箇所とで蛍光極大波長の異なる蛍光を発する。この蛍光を目視などの観測手段により観測したり、蛍光検出器により検出して、油の付着の有無を判定する。
実施の形態1によれば、洗浄処理後の鋼板等の検出対象物に残留した微量の油を、検出対象物を汚染することなく、感度良く検出する油検出用素子を提供することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る油検出装置は、上述した実施の形態1に係る油検出用素子と、検出対象物に載置された該油検出用素子の蛍光物質に励起光を照射する励起光照射部と、該蛍光物質から発せられた蛍光のうち、油が吸着した蛍光物質から発せられた蛍光と、油が吸着していない蛍光物質から発せられた蛍光とを分離する蛍光分離部と、該蛍光分離部で分離された該蛍光を検出する蛍光検出部と、該蛍光検出部で検出された該蛍光それぞれの蛍光極大波長における蛍光強度の比と、予め作成した検量線とに基づいて、該検出対象物への油の付着の有無を判定する演算部と、を備えることを特徴としている。
図9は、本発明の実施の形態2に係る油検出装置の構成を説明するための模式図である。図9に示されるように、油検出装置20は、蛍光物質13、親水性ポリマー鎖11及び支持基板12からなる油検出用素子10と、励起光照射部としての励起光照射器21と、集光レンズ22と、蛍光分離部としての蛍光用カットフィルター23と、蛍光検出部としての蛍光検出器24と、演算部としての演算装置25と、蛍光測定用カバー26と、を備える。
油検出用素子10は、上述した実施の形態1に係る油検出用素子と同様であるので説明を省略する。
励起光照射器21は、紫外領域の光を発する水銀ランプやキセノンランプ等の光源27と、蛍光物質を励起させるために必要な波長の光のみを通過させるための励起光用カットフィルター28とから構成される。また、励起光照射器21として、レーザー光源を用いてもよい。この場合は、単一の波長のみを照射することが可能であるため、励起光用カットフィルター28は不要となる。また、レーザー光で励起する際にスキャンすることにより、各箇所での蛍光強度を測定することが可能となり、油量分布のマッピングが可能となる。
集光レンズ22は、蛍光物質13から発せられた蛍光を集光できるものであればよく、公知のものを用いることができる。
蛍光用カットフィルター23は、蛍光物質13から発せられ集光レンズ22で集光された蛍光のうち、油が吸着した(周囲に油が存在する)蛍光物質13から発せられた蛍光及び油が吸着していない(周囲に油が存在しない)蛍光物質13から発せられた蛍光という、異なる蛍光極大波長を含む波長域の蛍光のみを通過させる(油が吸着した蛍光物質から発せられた蛍光と、油が吸着していない蛍光物質から発せられた蛍光とを分離する)。場合によっては、複数種の蛍光用カットフィルター23を組み合わせることにより、通過する蛍光を限定する。例えば、蛍光物質13として8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸を用いる場合、油が吸着していない蛍光物質13からは、蛍光極大波長が約530nmの蛍光が発せられるが、油が吸着している蛍光物質13からは、蛍光極大波長が約390nmの蛍光が発せられる。そのため、この場合には、蛍光を360〜560nmのバンドパスフィルターを通過させ、360〜560nmの波長域に絞り込んだ後、420〜500nmの波長域の蛍光を蛍光フィルターによりカットすることによって、360〜420nmの波長域の蛍光及び500〜560nmの波長域の蛍光のみを通過させる(360〜420nmの波長域の蛍光と、500〜560nmの波長域の蛍光とを分離する)ことが可能となる。
蛍光検出器24は、蛍光用カットフィルター23を通過した蛍光を検出し、電気信号へと変換するものである。蛍光検出器24としては、例えば、光電子増倍管等を用いることができる。
蛍光測定用カバー26は、蛍光測定時に鋼板等の検出対象物14と油検出用素子10とを覆うことで励起光及び蛍光の光漏れを防ぎ、検出感度の低下を防止するものである。より多くの蛍光が蛍光検出器24に入るように、蛍光測定用カバー26の材質は、蛍光が吸収されず且つ高反射率を有する鏡面ステンレス等が望ましい。蛍光測定用カバー26の材質が金属でない場合は、内壁をアルミニウム等の金属でコーティングして反射しやすい形態とすることが望ましい。
演算装置25は、蛍光検出器24で変換された電気信号(蛍光強度データ)に基づいて、油が吸着した蛍光物質13から発せられた蛍光の蛍光極大波長における蛍光強度と、油が吸着していない蛍光物質13から発せられた蛍光の蛍光極大波長における蛍光強度との比を算出し、この蛍光強度比と、予め作成した検量線とを用いて、検出対象物14における油の付着の有無を判定するものである。
次に、油検出装置20を用いた油の検出方法について説明する。
洗浄工程後の鋼板等の検出対象物14上に、蛍光物質13が検出対象物14と接触するように油検出用素子10を載置し、検出対象物14及び油検出用素子10を囲うように蛍光測定用カバー26を設置する。励起光照射器21から油検出用素子10に向けて励起光を照射すると、励起光は油検出用素子10の支持基板12及び親水性ポリマー鎖11を通過し、蛍光物質13を励起する。励起された蛍光物質13は、周囲の環境に応じた蛍光極大波長の蛍光を発する。蛍光物質13から発せられた蛍光は集光レンズ22で集光され、蛍光用カットフィルター23を通過する。ここでは、油が吸着した(周囲に油が存在する)蛍光物質13から発せられた蛍光及び油が吸着していない(周囲に油が存在しない)蛍光物質13から発せられた蛍光という、異なる蛍光極大波長を含む波長域の蛍光のみが通過する。蛍光用カットフィルター23を通過した蛍光は、蛍光検出器24により電気信号に変換され蛍光強度データとして保存される。演算装置25では、蛍光検出器24からの電気信号(蛍光強度データ)に基づいて、油が吸着した蛍光物質13から発せられた蛍光の蛍光極大波長における蛍光強度と、油が吸着していない蛍光物質13から発せられた蛍光の蛍光極大波長における蛍光強度との比を算出し、算出した蛍光強度比と、予め作成した検量線とを用いて、検出対象物14における油の付着の有無を判定することができる。測定終了後、蛍光測定用カバー26を外し、検出対象物14から油検出用素子10を取り外す。
次に、油の付着の有無の判定方法について、蛍光物質13として8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸を用いた場合を例に説明する。8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸は、図10に示されるように、親水性環境に存在する(周囲に油が存在しない)場合、蛍光極大波長が約530nmの蛍光を発するが、疎水性環境に存在する(周囲に油が存在する)場合、蛍光極大波長が約390nmの蛍光を発する。
そのため、まず、塗油量の異なる複数のサンプルを用いて、波長530nmにおける蛍光強度F530及び波長390nmにおける蛍光強度F390を測定し、これらの蛍光強度比F530/F390と油量との関係についての検量線を予め作成する。接着阻害が起こらない油量における蛍光強度比をF530’/F390’とする。この接着阻害が起こらない油量における蛍光強度比F530’/F390’は、実際に接着阻害を起こしている不良サンプルと接着阻害を起こさないサンプルとでデータを取得し、閾値をF530’/F390’と設定してもよいし、あるいは油付着面積の異なる複数のサンプルを作製し、それぞれの接着強度を測定し、接着強度に問題がないサンプルのF530/F390と接着強度に問題があるサンプルのF530/F390との間の閾値をF530’/F390’と設定してもよい。
次に、検出対象物の蛍光強度F530及びF390を測定し、蛍光強度比F530/F390を算出する。算出した蛍光強度比F530/F390が、接着阻害が起こらない油量における蛍光強度比F530’/F390’以上(F530/F390≧F530’/F390’)であれば、接着阻害が起こらない程度まで油の洗浄処理が完了した(すなわち、油の付着が無い)と判定する。
ここで、上述した判定方法において、蛍光波長及び蛍光強度に対する油膜の厚さ依存性を考慮しない理由を以下に説明する。実施の形態2に係る油検出装置及び油検出方法では、表面に目視で容易に確認できるような油は残留しておらず、一般的な油洗浄処理では取り除くことが困難な微量の油が付着した検出対象物を測定対象としている。検出対象物表面に付着した微量の油が厚さ0.1μmもの厚い油膜を形成するとしても、蛍光物質の大きさは数nm程度であるため、油膜の厚さに対して非常に小さいので蛍光物質が油と接触すれば蛍光波長及び蛍光強度が十分に変化すると考えられる。従って、十分に薄い油膜であっても検出することが可能であることから、蛍光波長及び蛍光強度に対する油膜の厚さ依存性を考慮する必要がない。つまり、実施の形態2に係る油検出装置及び油検出方法では、油膜の厚さの影響は排除して考えることができ、蛍光強度比F530/F390の値は油の付着面積を表していると言える。
10 油検出用素子、11 親水性ポリマー鎖、12 支持基板、13 蛍光物質、14 検出対象物、20 油検出装置、21 励起光照射器、22 集光レンズ、23 蛍光用カットフィルター、24 蛍光検出器、25 演算装置、26 蛍光測定用カバー、27 光源、28 励起光用カットフィルター。

Claims (4)

  1. 油の吸着の有無により蛍光極大波長が変化する蛍光物質と、親水性ポリマー鎖と、支持基板とを備える油検出用素子であって、該支持基板の表面に該親水性ポリマー鎖の一端が化学的に結合されており且つ該親水性ポリマー鎖の他端が該蛍光物質と化学的に結合されていることを特徴とする油検出用素子。
  2. 前記支持基板が、可撓性を有するフィルム状支持基板である請求項1に記載の油検出用素子。
  3. 請求項1又は2に記載の油検出用素子と、
    検出対象物に載置された該油検出用素子の蛍光物質に励起光を照射する励起光照射部と、
    該蛍光物質から発せられた蛍光のうち、油が吸着した蛍光物質から発せられた蛍光と、油が吸着していない蛍光物質から発せられた蛍光とを分離する蛍光分離部と、
    該蛍光分離部で分離された該蛍光を検出する蛍光検出部と、
    該蛍光検出部で検出された該蛍光それぞれの蛍光極大波長における蛍光強度の比と、予め作成した検量線とに基づいて、該検出対象物への油の付着の有無を判定する演算部と
    を備えることを特徴とする油検出装置。
  4. 検出対象物の表面に付着した油の検出方法であって、
    請求項1又は2に記載の油検出用素子を、該検出対象物の表面と該蛍光物質が接触するように該検出対象物上に載置する工程と、
    該蛍光物質に励起光を照射する工程と、
    該蛍光物質から発せられた蛍光のうち、油が吸着した蛍光物質から発せられた蛍光と、油が吸着していない蛍光物質から発せられた蛍光とを分離する工程と、
    分離された該蛍光それぞれの蛍光極大波長における蛍光強度の比を算出する工程と、
    算出した該蛍光強度比と、予め作成されている検量線とを用いて、該検出対象物の表面への油の付着の有無を判定する工程と
    を備えることを特徴とする油検出方法。
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