JP2005030950A - 固定化された物質の定量方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板に固定化されたタンパク質、DNA等の分子の密度を、既知密度の標準試料の測定を行うことなく定量化する。
【解決手段】 被測定物質を1分子当たり所定個の蛍光物質で標識した後に基板に固定化し(S1、S2)、全反射蛍光顕微鏡等で所定範囲の平均蛍光強度を測定する(S3)。その後、サンプルへのレーザ照射を継続して蛍光の褪色を促進させ、所定時間経った後に上記範囲内の平均蛍光強度と蛍光スポット数とを測定する(S4)。褪色前には隣接する蛍光の重なりが識別できず蛍光スポット数と分子個数との対応とが不正確であるが、褪色が進むと蛍光の重なりの影響が軽減される。そこで、その時点で測定した平均蛍光強度と蛍光スポット数との関係から検量線を作成し(S5)、これを参照して当初の平均蛍光強度から各分子に対応した真の蛍光スポット数を求め、分子密度を算出する(S6、S7)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、タンパク質やDNAなどの被測定物質を基板の表面に固定し、その物質の分子の数、密度又は濃度を定量的に測定するための、固定化された物質の定量方法に関する。
近年、生化学、分子生物学、臨床医学等の分野において、タンパク質、DNA、ペプチド、糖類などの各種生体成分の測定・解析が盛んに行われている。こうした測定の1つとして、タンパク質やDNA等の被測定物質を平面基板上に固定化し、その被測定物質に励起光を放射して該被測定物質から放出される蛍光を検出することにより、被測定物質を観察することが行われている(例えば特許文献1など参照)。
また、こうした蛍光測定を利用し、固定化された被測定物質の分子密度を測定する手法として次のようなものが知られている。すなわち、まず蛍光イメージャ、蛍光分光光度計等を用い、複数の既知密度(濃度)の標準試料の蛍光強度を測定し、密度と蛍光強度との関係を表す検量線を作成しておく。次に、上記標準試料の測定時と同一条件の下で測定対象であるサンプルの測定を行い、その結果として得られる蛍光強度を上記検量線に照らして、サンプルにおける分子密度を算出する。
こうした方法では、既知密度の標準試料が必要になるが、様々な測定条件に対応して多くの標準試料を用意することは非常に煩雑である。特に、希釈誤差等がきわめて小さい、安定した標準試料を用意することは困難である。また、標準試料測定時とサンプル測定時とで全く同一の測定条件を維持しないと信頼性に足る測定が行えないが、実際には、測定条件を同一に揃えることはかなり困難である。
特開2002−214232号公報(段落0004〜0006)
本発明はかかる課題に鑑みて成されたものであり、その主たる目的とするところは、既知濃度の標準試料を用いずに、基板に固定化された被測定物質の分子の密度(濃度)を高い精度で測定することができる固定化された物質の定量方法を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明は、基板表面に固定された被測定物質の分子数又は分子密度を定量的に求める方法であって、
a)前記被測定物質を基板に固定化する前又は固定化した後に、1分子当たり所定個数の蛍光物質で標識を行い、
b)前記基板全面又は該基板上の所定範囲にあって前記蛍光物質による蛍光が現れた画像を取得し、
c)前記画像に基づいて蛍光スポット数と各蛍光スポットの蛍光強度とを測定し、
d)その測定結果に基づいて被測定物質の分子数又は分子密度を推算する、
ようにしたことを特徴とする。
すなわち、本発明では、被測定物質の分子の個数を直接的に計数するために1分子蛍光イメージングの手法を導入する。従来、1分子蛍光イメージングは例えば生体の中の1分子に着目して特有の挙動を観察する等の目的で主に利用されているが、本発明においては、分子の計数を行うために利用する。蛍光標識に際しては、1分子当たり所定数個の蛍光物質を結合させるが、一般的には、1分子当たり1又は2個程度の蛍光物質が好適である。また、各分子に直接的に蛍光物質を結合させるようにしてもよいが、そのほかに、例えば被測定物質に特異的に反応する抗体等の他の物質に対して1分子当たり所定数個の蛍光物質で標識したものを反応させる等、被測定物質に対して間接的に蛍光標識を行うようにしてもよい。
上記蛍光標識処理は被測定物質を基板へ固定化した後でもよいが、通常は、蛍光標識を行った後に固定化を行う。基板への固定化の方法は特に限定されず、例えば被測定物質と結合し得る反応性官能基で基板表面を修飾して固定化を促進する方法や、非特異的な吸着による固定化など、各種の方法を採用し得る。
上記のように1分子蛍光イメージングの手法を利用したことにより、基本的には、蛍光スポットを計数することにより分子の個数を求めることができる。しかしながら、分子密度が比較的低く、蛍光がスポット状に見えている場合であっても、ごく近接した異なる分子の蛍光が重なってしまい、実際には複数の蛍光であるにも拘わらず1個の蛍光スポットとして見えてしまうという場合があり得る。複数分子の蛍光が重なって1個の蛍光スポットを形成している場合には、通常、単一分子の蛍光よりも蛍光強度が大きくなるから、こうした蛍光強度の情報を加味して分子の計数値を補正する等の処理を行い、精度を向上させることができる。
また、それ以外にも、蛍光物質による蛍光の減少を意図的に促進させる処理又は操作を導入することで、さらに一層の精度の向上を図ることができる。すなわち、具体的な一実施態様として、前記画像に基づいて初期的な蛍光スポット数と各蛍光スポットの蛍光強度とを測定した後に、該蛍光物質による蛍光の減少を促進させ、その蛍光減少の過程又は蛍光減少後において得られる蛍光強度の変化、蛍光スポット数の変化、又はその両方を考慮した上で、前記初期的な蛍光スポット数と各スポットの蛍光強度とに基づいて被測定物質の分子数又は分子密度を推算するとよい。こうした蛍光減少の過程では、初めの1個の蛍光スポットの元となっている分子の数に応じて蛍光強度が段階的に弱まるから、例えばこうした蛍光強度変化の情報を利用して分子の計数値を補正する等の処理を行うことができる。
また、被測定物質の固定化密度がかなり高い場合には、近接した異なる分子の蛍光の重なりが甚だしく、蛍光がスポット状に見えずに、基板全体又は或る領域全体が発光しているように見える場合さえある。こうした場合には、最初に蛍光スポット数を計数すること自体が困難である。この場合にも、上記のように蛍光物質による蛍光の減少を意図的に促進させる処理又は操作を導入し、それによって基板上の蛍光密度を下げることが有効である。
具体的な一実施態様として、前記画像に基づいて初期的な蛍光強度を測定した後に、前記蛍光物質による蛍光の減少を促進させ、その蛍光減少の後に蛍光スポット数と蛍光強度とを測定し、該蛍光減少後における蛍光スポット数と蛍光強度との関係を参照して、前記初期的な蛍光強度から被測定物質の分子数又は分子密度を推算するとよい。蛍光密度が減少すると、それまで分離できなかった複数の蛍光のうちの1個乃至複数個が消失して、蛍光スポットが明瞭になる。また、さらに蛍光減少が進めば1個の分子であることが明確になる。それによって蛍光スポット数と実際の分子数との対応の正確性が増すから、このような状態において蛍光強度と蛍光スポット数とを測定すれば、その両者の関係に基づいて、初期の蛍光強度から実際の分子個数に対応した初期の蛍光スポット数を推算することができ、これから分子個数を求めることができる。
好ましくは、蛍光の減少が促進された状態で少なくとも2回以上、蛍光強度と蛍光スポット数とを測定して、その測定結果から検量線を作成し、該検量線を参照して前記初期の蛍光強度から初期の蛍光スポット数を推算するとよい。これにより、蛍光スポット数の推算の精度が向上する。
なお、上述したように蛍光物質による蛍光を減少させる方法としては、例えば固定化された被測定物質に対してレーザ光を照射することで蛍光の褪色を促進させるもの、又は、化学的なクエンチング手法によって蛍光の消失を促進させるもの、などが有用である。
このように、本発明に係る固定化した物質の定量方法によれば、密度(濃度)が既知である標準試料の測定を行うことなく、測定対象である物質、具体的には例えばタンパク質やDNAなどの物質の分子の数又は分子密度を、高い精度で定量的に求めることが可能となる。したがって、煩雑な標準試料の調製が不要になり、測定作業が簡略化できる。また、測定サンプルと標準試料との測定時の条件を揃える必要がないので、測定条件の管理なども容易になって測定効率が向上する。
発明の実施の形態
以下、本発明の一実施形態である分子密度の算出方法を、図1に示すフローチャートに従って説明する。
まず、タンパク質、DNAなどの被測定物質を1分子当たり所定個数の蛍光物質で標識する(ステップS1)。通常は1分子当たり1個の蛍光標識でよい。このときの蛍光標識方法や蛍光物質の種類は、被測定物質の種類等に応じて適宜に選択すればよい。そうして蛍光標識した被測定物質を基板に固定化する(ステップS2)。基板への固定化の方法は従来知られている各種の方法を採用することができる。このようにして測定対象であるサンプルを作成する。
次に上記サンプルを蛍光測定装置にセットして測定を行うわけであるが、蛍光発光は微弱であるため、背景光などの影響を受けずに1個1個の蛍光をできる限り分離して高感度で検出することが必要となる。こうした要求を満たすために、例えば全反射蛍光顕微鏡や共焦点顕微鏡などが有用である。図2は全反射蛍光顕微鏡を用いた場合の測定系の構成図である。ここで、図2を参照して測定装置の構成と基本的な測定動作について説明する。
サンプル12としては、石英ガラス等から成る基板12b上に試料12a(上記蛍光標識された被測定物質)が固定化され、その試料12aはカバーガラス12cとマニュキュア等の封止材12dとによって封止されている。レーザ光源10から発せられたレーザ光はレンズ11を介して上記サンプル12に照射される。このとき、サンプル12においては、カバーガラス12cと試料12aとの境界面である測定面に対し、その臨界角度θよりも大きな全反射角度で以てレーザ光が入射する。このときの臨界角度θは、カバーガラス12cの屈折率と試料12aの屈折率とによって決まる。入射光は測定面で全反射するが、その際に光の一部は近接場のしみだしを生じ、この近接場光がカバーガラス12c近傍の試料12a中の蛍光物質を励起し、自発的な蛍光が放出される。
このときの蛍光を、分光器13及び対物レンズ14を介して検出部15により検出する。分光器13は特定波長の蛍光のみを透過させる機能を有しており、不要であれば取り除いてもよい。上述したように蛍光の強度は微弱であるため、検出部15は高感度であることが望ましく、例えばイメージインテンシファイア管と冷却したCCDセンサとの組み合わせなどが有用である。この検出部15で得られた撮像信号は画像処理部16に入力され、ここで2次元画像が構成されてモニタ17に画像が表示される。また、2次元画像信号はデータ処理部18に送られ、ここで後述するような被測定物質の分子密度を算出するための各種データ処理を実行する。
図1に戻って説明を続けると、上記蛍光測定装置においてサンプル12にレーザ光を照射し始めた直後に、検出部15は多数の蛍光スポットが現れている画像(例えば図4参照)を取得し、データ処理部18はこの画像信号に基づいて、画像全体(又は分子密度を算出したい特定の範囲)における平均蛍光強度U1を取得する。図4に示すように画像中には多数の蛍光スポットが出現するが、例えば1分子に1個の蛍光物質で標識を行った場合であっても、1個の蛍光スポットが1個の分子の存在を示しているとは限らない。何故なら、被測定物質の分子密度が比較的高い場合には、隣接する分子にそれぞれ結合している蛍光物質がきわめて近接していて、それら複数の蛍光物質の蛍光が重なって1個の蛍光スポットとして検出される場合が多いからである。そのため、この時点で蛍光スポットを計数したとしても、その計数値は分子の個数を充分に反映しているとは言えない。
そこで、蛍光スポットの数が減少するまで待って再度測定を行う。但し、自然に蛍光が消滅するまで待つのでは長い時間が掛かるため、積極的に蛍光密度を減らす処理を行う。例えば上記のような蛍光物質はレーザ照射を受け続けると或る時点で発光を停止する(つまり褪色する)ことが知られている。褪色までに要する時間は確率的な分布を有しているため、上記のように多数の蛍光物質が存在する場合には、時間の経過に伴って徐々に蛍光スポットの数が減少してゆき、或る時間が経過すると殆ど全ての蛍光が消失するという状態に至る。したがって、こうした褪色の進行の過程では、上述したような隣接した複数の蛍光物質の蛍光の重なりの影響は段々と小さくなり、蛍光スポットと蛍光物質(つまりは被測定物質の分子)との対応が明確になる。
こうしたことから、レーザ光をサンプル12に照射し始めた時点から所定時間が経過して、褪色によって蛍光スポットの数(密度)が適宜、減少した以降に、検出部15は蛍光スポットが現れている画像を取得する。データ処理部18はこの画像信号に基づいて、画像全体(又は分子密度を算出したい特定の範囲)における平均蛍光強度を取得するとともに、その画像中に出現している蛍光スポットを計数する。好ましくは、こうした測定を2回以上行う(ステップS4)。
いまここでは、少し時間を置いて2回の測定を行い、それぞれの測定時の平均蛍光強度がU2、U3、蛍光スポットの計数値がC2、C3であったものとする。この場合、データ処理部18はこれらの情報に基づいて、図3に示すような検量線を作成する(ステップS5)。蛍光スポットの計数値C2、C3がそれぞれの時点で発光している蛍光物質の数に対応していれば(つまり近接した蛍光の重なりの影響がなければ)、且つ、平均蛍光強度と蛍光スポット数との関係が線形を維持していれば、図3に描いたような検量線を参照して、平均蛍光強度から真の(つまり蛍光の重なりを補正した状態での)蛍光スポット数を推算することができる。そこで、データ処理部18は上記検量線を参照して、平均蛍光強度U1に対する真の蛍光スポット数C1を推算する(ステップS6)。
また、蛍光標識を行ったときに1分子当たり何個の蛍光物質を付けたかは既知であるから、その情報を基に、蛍光スポット数の推算値C1から分子の数を求め、そこから分子密度又は濃度を算出する(ステップS7)。1分子当たり1個の蛍光標識を行った場合には、真の蛍光スポット数が分子個数に対応するから、最も簡単に被測定物質の分子個数や分子密度を求めることができる。一方、1分子当たり2個以上の蛍光標識を行った場合には褪色が多段階に生じるから、後述するように時間経過と褪色状態との対応を示す褪色プロファイルを参考にして蛍光スポット数から分子個数を算出する際に適宜の補正を行うことが好ましい。
なお、褪色時の平均蛍光強度と蛍光スポット数との関係から比例関係を保って褪色前の蛍光スポット数を求めることができる場合には、褪色時の平均蛍光強度と蛍光スポット数との関係を1回のみ測定すればよい。一方、褪色時の平均蛍光強度と蛍光スポット数との関係を3回以上測定すれば、図3に示したような直線的な検量線でなく、より高次の関数による検量線を作成することができる。また、蛍光スポットの数を減少させるために、レーザ照射による褪色のほかに、化学的な処理によるクエンチング等の手法を用いてもよい。
次に、上記定量方法をDNAの密度測定に適用して実際の測定を試みた例について説明する。
まず、被測定物質であるDNA(20mer)の5'末端をCy-5で標識し、3'末端をビオチン(Biotin)で標識する。基板12bとしては背景光の小さい石英スライドガラスを使用し、洗浄した石英スライドガラスの表面にBSAを添加したビオチン(Biotin-BSA)を非特異吸着させ、これにストレプトアビジン(Streptavidin)を反応させる。そして、これを介して上記のように蛍光標識したDNA(濃度は100pM)を基板12bに固定化する。その後、この被測定物質12aをカバーガラス12cと封止材12dとしてのマニュキュアによって封入し、気密性を確保する。また、蛍光測定には、プリズム式全反射蛍光顕微鏡を使用する。励起光の光源としては波長が635nmであるレーザを使用し、サンプル12への入射角度は69°とする。また、検出部15はイメージインテンシファイアと冷却したCCDセンサとの組み合わせであり、CCDセンサの画素数は200×200である。
上記蛍光測定により観測される蛍光画像(Cy-5蛍光)の一例を図4に示す。また、サンプル12にレーザ光を照射し続けたときの、標識色素Cy-5による1個の蛍光スポット(3種類)の蛍光強度の経時的変化の状態、つまり褪色プロファイルを図5に示す。この図では、時間経過に伴って、蛍光強度が1段階でほぼゼロまで低下しているものと、2段階でほぼゼロまで低下しているものとがあることが判る。前者は初期の蛍光スポットが1個の蛍光物質による蛍光つまり1個の分子のものであることを示しており、一方、後者は、初期の蛍光スポットが実は2個の蛍光物質による蛍光つまり2個の分子のものであることを示している。すなわち、褪色プロファイルから、その蛍光スポットが1分子のものであるか2分子以上のものであるのかを判別できることが判る。
図6は、画像全体の中の或る規定領域内の各蛍光スポットの蛍光強度の分布を示すヒストグラムである。この図で判るように、各蛍光スポットの蛍光強度の分布はほぼ正規分布に従っている。これは、規定領域内全体の平均蛍光強度を算出したときに各蛍光スポットの蛍光強度のばらつきの影響が殆ど現れないことを意味しており、また同時に、上記のよう褪色による1分子と2分子以上(実際上は2分子)との識別が可能であることを意味している。すなわち、図5及び図6より、褪色による蛍光密度の減少を利用して1分子のもの由来の蛍光スポットと2分子以上のもの由来の蛍光スポットとを識別するとともに、平均蛍光強度から分子個数に対応した蛍光個数を求めることが可能であることが判る。
図7は、上記測定において、褪色による蛍光スポット数の減少と平均蛍光強度の減少との相関を示す図である。このように、平均蛍光強度と褪色時の蛍光スポット数との間にはきわめて良好な線形性があることが判る。一般に、蛍光標識された分子の個数とそれら全体の蛍光強度とは線形の関係を有することはよく知られており、分子密度が高い場合にもこの線形性が保たれることは高い確度で推定できる。したがって、上述したように、褪色時の蛍光スポット数と平均蛍光強度とから算出した検量線を利用すれば、分子密度が或る程度高い場合でもその密度をかなり正確に求めることができる。
なお、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行えることは明らかである。
本発明の一実施形態である測定方法の手順を示すフローチャート。 全反射蛍光顕微鏡を用いた場合の測定系の構成図。 検量線の一例を示す図。 実際に観測される蛍光画像(Cy-5蛍光)の一例を示す図。 1個の蛍光スポットの蛍光強度の経時的変化の状態を示す図。 画像全体の中での各蛍光スポットの蛍光強度の分布を示すヒストグラム。 褪色による蛍光スポット数の減少と平均蛍光強度の減少との相関を示す図。
符号の説明
10…レーザ光源
11…レンズ
12…サンプル
12a…試料(被測定物質)
12b…基板
12c…カバーガラス
12d…封止材
13…分光器
14…対物レンズ
15…検出部
16…画像処理部
17…モニタ
18…データ処理部

Claims (4)

  1. 基板表面に固定された被測定物質の分子数又は分子密度を定量的に求める方法であって、
    a)前記被測定物質を基板に固定化する前又は固定化した後に、1分子当たり所定個数の蛍光物質で標識を行い、
    b)前記基板全面又は該基板上の所定範囲にあって前記蛍光物質による蛍光が現れた画像を取得し、
    c)前記画像に基づいて蛍光スポット数と各蛍光スポットの蛍光強度とを測定し、
    d)その測定結果に基づいて被測定物質の分子数又は分子密度を推算する、
    ようにしたことを特徴とする固定化された物質の定量方法。
  2. 前記画像に基づいて初期的な蛍光スポット数と各蛍光スポットの蛍光強度とを測定した後に、該蛍光物質による蛍光の減少を促進させ、その蛍光減少の過程又は蛍光減少後において得られる蛍光強度の変化、蛍光スポット数の変化、又はその両方を考慮した上で、前記初期的な蛍光スポット数と各スポットの蛍光強度とに基づいて被測定物質の分子数又は分子密度を推算するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の固定化された物質の定量方法。
  3. 前記画像に基づいて初期的な蛍光強度を測定した後に、前記蛍光物質による蛍光の減少を促進させ、その蛍光減少の後に蛍光スポット数と蛍光強度とを測定し、該蛍光減少後における蛍光スポット数と蛍光強度との関係を参照して、前記初期的な蛍光強度から被測定物質の分子数又は分子密度を推算するようにしたことをことを特徴とする請求項1に記載の固定化された物質の定量方法。
  4. 固定化された被測定物質に対してレーザ光を照射することで蛍光の褪色を促進させることにより、又は化学的なクエンチング手法によって蛍光の消失を促進させることにより、前記蛍光物質による蛍光を減少させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固定化された物質の定量方法。
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