JP4076698B2 - 生体由来物質の検出方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、DNAの解析や免疫学的解析に用いられる試験片によって生体由来物質を検出する方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、遺伝子工学分野における技術が急速に発展し、10万個にも及ぶと考えられているヒトゲノムの塩基配列を解読することを1つの目的とするヒトゲノムプロジェクトが展開されている。
【0003】
一方、抗原抗体反応を利用する酵素免疫測定法や蛍光抗体法等が診断や研究のために利用され、また各種遺伝子疾患に影響を与えているDNAを探索する研究も進んでおり、その1つの方法としてアレイ技術が注目されている。
【0004】
このアレイ技術は、図1に示すような、既に解読されている互いに異なる既知の多数のcDNA(特異的結合物質の一例)がメンブレンフィルタやスライドガラス等の坦体2上にマトリックス状に高密度に予め配置されたアレイチップ(DNAチップと称するものもあるが、ここでは総称してアレイチップとする)を試験片1として用いる技術であり、例えば、蛍光色素や放射性同位体からなる標識物質で標識された健常者Aの細胞由来のDNA(生体由来物質の一例)および上記標識物質で標識された、遺伝子疾患を有する検体Bの細胞由来のDNAをそれぞれ別個のアレイチップに滴下して、各検体A,BのcDNAとアレイチップ上のcDNAとをハイブリダイズさせ、後に各アレイチップ上の各cDNAに、各標識物質を励起するレーザ光を走査して各cDNA毎に放出される蛍光や放射線を光検出器で検出し、アレイチップ上における発光位置に対応付けられたこの検出結果を表す標識信号を得、各検体のcDNAがいずれのcDNAとハイブリダイズされているかを求め、両検体間において得られる標識信号の比あるいは差を求めることにより、両検体間においてハイブリダイズされたcDNAを比較して、上記疾病により発現した遺伝子または欠損した遺伝子(以下発現の変化とする)を特定する技術である。具体的には、両検体から得られる標識信号の比は、発現の変化がある位置において得られるものほど大きく(あるいは小さく)なることから、各検体間における標識信号の比が大きい方から(あるいは小さい方から)順に例えば50箇所分の標識信号の比を、その信号が得られた位置と対応付けて表として抽出し、この表に基づいて標識信号が得られた位置を求め、発現の変化を特定するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、試験片に生体由来物質を滴下する際に、生体由来物質のスポットがぼけたりにじんでしまうことがあり、さらには生体由来物質が滴下されない箇所が生じることがある。また、非常に強い信号値が得られるスポットにおいては、その位置から放出される蛍光あるいは放射線が隣接するスポットにも広がり、隣接する位置から得られる信号値に影響を及ぼすことがある。さらには、ハイブリダイズ後にスポットに結合した生体由来物質のみを残すために試験片を所定の液体により洗浄するが、この際に試験片を完全に洗浄することができず、その結果チップ上に不要な生体由来物質が残ってしまうおそれがある。このように、試験片に、スポットのぼけ、にじみ、残存生体由来物質等の異常箇所があると、この異常箇所から得られる信号値が極端に大きくなってしまい、上述したように両検体間の標識信号の比の大きい方(あるいは小さい方)から順に50箇所分を表として抽出すると、抽出された標識信号が全て異常箇所から得られたものとなり、異常のあるDNAを特定することができなくなってしまう。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、スポットの異常箇所がある場合にも、正確に異常のある生体由来物質を検出することができる生体由来物質の検出方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による生体由来物質の検出方法は、坦体上の所定の複数位置に互いに異なる複数の既知の特異的結合物質が配置された少なくとも2つの試験片における前記特異的結合物質に、互いに異なる少なくとも2つの検体の、標識物質で標識された生体由来物質をそれぞれ結合せしめ、該結合した前記生体由来物質の標識物質から放出される標識信号を前記各試験片の各位置毎に検出し、
該各試験片間において、前記標識信号の検出結果を比較して比較結果を算出する生体由来物質の検出方法において、
予め選択された位置から放出される標識信号にのみ基づいて、前記比較結果を算出することを特徴とするものである。
【0008】
ここで、「担体」とは、特異的結合物質を安定に結合、点着できるものであればよく、例えばメンブレンフィルタやスライドガラス板等である。これらの担体は特異的結合物質を安定に結合するために、前処理がなされているものであってもよい。
【0009】
「特異的結合物質」とは、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク、核酸、cDNA、DNA、RNA等であって、生体由来物質と特異的に結合可能な物質を意味する。「既知の」とは、特異的結合物質によって異なるが、例えば核酸であればその塩基配列や塩基の長さ等が、タンパクであればアミノ酸の組成等が分かっていることを意味する。ここで、担体の所定の複数位置に配置される特異的結合物質は、各位置毎に1種類の特異的結合物質が配置されていることを意味する。なお、各試験片における互いに対応する位置には同一の特異的結合物質が配置される。
【0010】
「生体由来物質」とは、担体上の所定の位置に配置された既知の特異的結合物質と特異的に結合する物質であって、生体から抽出、単離等された物質を意味するが、生体から直接抽出されたものだけでなく、これらを化学処理、化学修飾等したものも含まれる。例えばホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク、核酸、cDNA、DNA、mRNA等の物質である。
【0011】
「標識物質」とは、生体由来物質から情報を得るためにこれらの一部を改変し、あるいはこれらに直接付加される、目印となる物質を意味する。標識物質は、標識物質から放出される標識信号が検出でき、かつ生体由来物質に取り込まれる規則性が予め分かっているものであれば特に限定されるものではない。例えばサイバーグリーンII、Cy5、フルオレセインイソチオシアネート等の蛍光色素や32P、33P等の放射性同位体を用いることが好ましい。
【0012】
「標識信号」とは、例えば標識物質が蛍光色素である場合には蛍光、標識物質が放射性同位体である場合には放射線のように、標識物質から放出、あるいは出力されるものを光検出器あるいは放射線検出器において検出することにより得られる信号のことをいう。
【0013】
「生体由来物質を特異的結合物質に結合」とは、例えばDNAやRNA等で見られる相補的なヌクレオチド配列の間に安定な二重鎖が形成されるような場合(ハイブリダイゼーション)や、抗原と抗体、ビオチンとアビジン等のように、特定の物質とのみ選択的に反応する極めて特異性の高い結合を意味する。なお、各試験片における互いに対応する位置の特異的結合物質には同一種類の生体由来物質が結合される。
【0014】
「標識信号の検出結果を比較する」とは、各試験片において互いに対応する位置から得られる標識信号の比あるいは差を求めることであり、この求められた比あるいは差が比較結果となる。具体的には、試験片全体において得られる標識信号に対して、特異的結合物質が配置された位置を特定するためのテンプレートを用いて、各位置における信号値を求め、試験片間において互いに対応する位置における信号値の比あるいは差を求め、これを比較して比較結果を算出するものである。なお、比較結果は例えば比の大きいものから順に、標識信号が得られた位置と対応付けられて表として出力される。
【0015】
「予め選択された位置」とは、各試験片における特異的結合物質が配置されたすなわち生体由来物質がスポットされる全位置から得られる標識信号をCRT等のモニタに表示し、スポットの異常箇所をオペレータが選択することにより得られる。この場合、予め選択された位置とはオペレータが選択した位置以外の位置となる。また、各試験片においてオペレータが選択した位置が互いに異なる位置となる場合には、オペレータが選択した以外の位置が各試験片において互いに重複する位置が予め選択された位置となる。なお、スポットの異常がない位置をオペレータが選択した場合には、予め選択された位置はオペレータが選択した位置となる。なお、選択する位置は複数のスポットを含む領域としてもよく、各位置をそれぞれ個別に選択するようにしてもよい。
【0016】
本発明による生体由来物質の検出装置は、坦体上の所定の複数位置に互いに異なる複数の既知の特異的結合物質が配置された少なくとも2つの試験片における前記特異的結合物質に、互いに異なる少なくとも2つの検体の、標識物質で標識された生体由来物質をそれぞれ結合せしめ、該結合した前記生体由来物質の標識物質から放出される標識信号を前記各試験片の各位置毎に検出する検出手段と、
該各試験片間において、前記標識信号の検出結果を比較して比較結果を算出する解析手段とを備えた生体由来物質の検出装置において、
前記各試験片における前記複数位置から所望とする位置を選択する選択手段を備え、
前記解析手段は、前記選択された位置から放出される標識信号にのみ基づいて、前記比較結果を算出する手段であることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、予め選択された位置から放出される標識信号にのみ基づいて、各試験片から得られる標識信号の比較結果を算出するようにしたため、スポットのぼけ、にじみ、信号の広がり、生体由来物質残存等のスポットの異常箇所から放出される標識信号は比較結果の算出から除去されることとなる。このため、正常にスポットされた位置から放出される標識信号にのみ基づいて比較結果を得ることができることとなり、例えば異常のあるDNA等の生体由来物質を精度よく特定することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0019】
図1は本発明の実施形態に用いられる試験片を示す図である。図1に示すように、本実施形態に用いられる試験片1は、メンブレンフィルタやスライドガラス等の坦体2の所定の複数位置に互いに異なる複数の既知のcDNA(特異的結合物質として)が配置されてなるものである。なお、坦体2に配置されるcDNAは既にその塩基配列が解読されている互いに異なるDNAにそれぞれ対応したものであり、坦体2上におけるその配置位置(以下スポット位置とする)は予め定められている。
【0020】
次に図2を用いて、図1に示した試験片1の読取装置について説明する。図示の読取装置100は、後述する2種類の試験片1,1′の読取装置の一実施形態であり、上述した多数の既知の互いに異なるcDNAが配置されている2つの試験片1,1′のそれぞれに、互いに異なる2つの検体A,Bの蛍光色素で標識されたcDNA(生体由来物質として)をハイブリダイズさせたものを載置して所定の位置に設置する透明な試料台20と、蛍光色素を励起するのに適した発光波長のレーザ光L1を発光するレーザ光源21と、試験片1,1′の蛍光色素が励起されて発光した蛍光を光電的に検出するフォトマルチプライヤ(以下PMTという)90と、レーザ光源21から出射されたレーザ光L1を、試料台20に載置された試験片1,1′に照射させるとともに、この照射により試験片1,1′から出射する蛍光K1,K2をPMT90に導光させる光学ヘッド50と、光学ヘッド50を矢印X方向に等速移動させる主走査手段60と、レーザ光源21、光学ヘッド50およびPMT90を一体的に矢印Y方向(矢印X方向に直行する方向)に移動させる副走査手段70と、PMT90により検出された検出信号を対数増幅する増幅器91と、この増幅された検出信号をA/D変換して標識データS1,S2を得るA/D変換器92と、試験片1,1′間において、互いに対応するスポット位置における標識データS1,S2を比較して比較結果を算出し、これをモニタ94に表示する解析装置93と、レーザ光L1を出射させる制御を行うコントロールユニット95とを備えた構成である。なお、標識データS1,S2は試験片1,1′における検体A,Bがハイブリダイズされた各スポット位置において得られる信号値の全体を総称するものである。また、解析装置93にはキーボード、マウス等からなる入力手段96が接続されている。
【0021】
検体Aは健常者であり、検体Bは所定の遺伝子疾病を有する者である。各試験片1,1′には上述したように、多数の既知の互いに異なるcDNAが所定スポット位置に配置されており、さらにこの試験片1,1′に上記各検体A,Bの細胞由来の各cDNAがピペット等でスポットされ、試験片1,1′上の多数のcDNAのうち、各検体A,Bの各cDNAに対応する(相補的な)cDNAはこれらのcDNAとハイブリダイズされている。そして所定の溶液で、いずれかの検体のcDNAとハイブリダイズされたcDNAを残して、いずれの検体のcDNAともハイブリダイズされていないcDNAは洗浄されている。
【0022】
ここで、レーザ光源21は例えば波長633nmのレーザ光L1を出射するHe−Neレーザ、波長532nmのレーザ光L1を出射するSHGレーザ、波長473nmのレーザ光L1を出射するSHGレーザを用いることができる。波長633nmのレーザ光L1は、例えばCy5という蛍光色素を励起するのに適し、波長532nmのレーザ光L1は、例えばCy3という蛍光色素を励起するのに適し、波長473nmのレーザ光L1は、例えばFloresceinという蛍光色素を励起するのに適している。
【0023】
次に本実施形態の読取装置100の動作について説明する。
【0024】
試料台20上に、検体Aの蛍光色素で標識されたcDNAがハイブリダイズされた試験片1が載置され、コントロールユニット95はレーザ光L1を出射させるようにレーザ光源21を制御し、これにより、レーザ光源21からレーザ光L1が出射される。レーザ光源21から出射されたレーザ光L1は矢印X方向に進む。光学ヘッド50の平面ミラー51に入射したレーザ光L1は図示上方に反射され、孔開きミラー52の小孔52aを通過してレンズ53に入射し、レンズ53を通って試料台20上に載置された試験片1の微小領域を照射する。このとき光学ヘッド50は、主走査手段60により高速にかつ等速度で矢印X方向に移動させられており、レーザ光L1は試験片1を矢印X方向に主走査するため、この主走査中に、レーザ光L1が照射された微小領域に存在するcDNAに対しては、照射されたレーザ光L1により蛍光色素が励起されて蛍光K1を発光する。
【0025】
レーザ光L1で発光した蛍光K1は試験片1の下面から広がって出射し、出射した蛍光K1は、光学ヘッド50のレンズ53により図示下方のビームとされ、同じく光学ヘッド50の孔開きミラー52に入射する。蛍光K1は孔開きミラー52の反射面で反射され、矢印X方向に沿った方向に進行する。矢印X方向に進行した蛍光K1はPMT90に入射する。PMT90に入射した蛍光K1は、それぞれPMT90により増幅されて光電検出され、対応する電気信号として読み取られ、対数増幅器91により増幅され、A/D変換器92によりデジタル信号化される。
【0026】
このようにして1主走査による読取りが終了すると、光学ヘッド50は主走査手段60により元の位置まで戻され、一方その間に、副走査手段70がレーザ光源21、光学ヘッド50およびPMT90を一体的に矢印Y方向に副走査させる。そして、以上の主走査と副走査とを繰り返すことにより、試験片1の全面に亘ってレーザ光L1が照射され、試験片1の各スポット位置に対応した蛍光K1がデジタル信号化され標識データS1として取得され、解析装置93に入力される。
【0027】
主走査、副走査を終え試験片1から標識データS1が取得されると、光学ヘッド50は最初の位置まで戻され、次に検体Bの蛍光色素で標識されたcDNAがハイブリダイズされた試験片1′が試料台20上に載置され、試験片1と同様に読取りが行われて標識データS2が取得され、解析装置93に入力される。
【0028】
解析装置93に入力された標識データS1,S2はモニタ94に可視像として表示される。図3はモニタ94に表示された標識データS1,S2を示す図である。図3に示すようにモニタ94には標識データS1により表される画像G1と、標識データS2により表される画像G2とが表示される。ここで、画像G1,G2には検体A,Bを試験片1,1′にスポットした際のスポットのぼけ、にじみ、蛍光の発光量が大きいこと、上述したように所定の溶液で洗浄した際に残存する検体のむら等に起因して、各位置の信号値に異常を有する異常箇所(斜線部)が存在する。オペレータはモニタ94に表示された画像G1,G2を観察し、図4に示すように入力手段96により異常箇所を閉領域7として囲む。なお、この閉領域7としてはポリゴン図形であってもフリーハンド図形であってもよい。また、異常箇所のスポット位置を指定するものであってもよい。
【0029】
このようにオペレータにより閉領域7が指定されると、解析装置93は画像G1,G2において閉領域7以外の互いに重複する領域における標識データS1,S2の比を求める。すなわち、図5に示すように画像G1,G2において、両画像G1,G2に存在する閉領域7以外の領域(斜線部)にある標識データS1,S2における信号値の比を求める。具体的には、試験片1,1′の選択された領域における標識データS1,S2に対して、スポット位置を特定するためのテンプレートを用いて各スポット位置における信号値を求め、試験片1,1′間において互いに対応するスポット位置における信号値の比(S2/S1)を求めるものである。そして、この比が大きい順に例えば50箇所分のスポット位置と比の値とを対応付けた表を作成し、これをモニタ94に表示する。この比は健常者の検体Aと、遺伝子疾病を有する検体Bとの標識データS1,S2の比であり、これにより遺伝子疾病による発現の変化を特定することができる。なお、上記比の小さい順に50箇所分のスポット位置と比の値とを対応付けた表においては、遺伝子疾病により欠損した異常のある遺伝子を特定することができる。
【0030】
このように、本実施形態においては、オペレータにより選択された閉領域7以外の領域における標識データS1,S2にのみ基づいて、各試験片1,1′から得られる標識データS1,S2の比較結果を算出するようにしたため、スポットのぼけ、にじみ、信号の広がり、検体残存等のスポットの異常箇所から放出される信号値は比較結果の算出から除去されることとなる。このため、正常にスポットされた位置から放出される信号値からなる標識データS1,S2にのみ基づいて比較結果を得ることができるため、異常のある遺伝子等の特定の生体由来物質を精度よく検出することができる。
【0031】
なお、上記実施形態においては、特異的結合物質としてcDNAを、生体由来物質として細胞から抽出したcDNAを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
また、上記実施形態においては、解析装置93において標識データS1,S2の比を求めているが、標識データS1,S2の差を求め、この差が大きい順に50箇所分のスポット位置と差の値とを対応付けた表を作成してもよい。
【0033】
さらに、上記実施形態においては、2つの試験片1,1′を用いて解析を行っているが、多数の既知の互いに異なるcDNAが2組配置された1つの試験片を用いて2種類の検体A,Bについて解析を行うようにしてもよい。
【0034】
さらにまた、上記実施形態においては、2種類の検体A,Bについて解析を行っているが、3種類以上の検体についても上記と同様に試験片の読取り、領域の設定および解析を行うことが可能である。
【0035】
また、上記実施形態においては、標識物質として蛍光色素を用いたが、放射性同位体を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に用いられる試験片を示す図
【図2】本実施形態に用いられる読取装置の構成を示す図
【図3】モニタに表示される画像を示す図
【図4】閉領域を設定した状態を示す図
【図5】解析に用いられる標識データの領域を示す図
【符号の説明】
1,1′ 試験片
2 坦体
93 解析装置(解析手段)
94 モニタ
100 読取装置
Claims (2)
- 坦体上の所定の複数位置に互いに異なる複数の既知の特異的結合物質が配置された少なくとも2つの試験片における前記特異的結合物質に、互いに異なる少なくとも2つの検体の、標識物質で標識された生体由来物質をそれぞれ結合せしめ、該結合した前記生体由来物質の標識物質から放出される標識信号を前記各試験片の各位置毎に検出し、
該各試験片間において、前記標識信号の検出結果を比較して比較結果を算出する生体由来物質の検出方法において、
前記少なくとも2つの試験片のそれぞれから検出した前記標識信号により表される少なくとも2つの画像を表示し、
該少なくとも2つの画像のそれぞれについて異常箇所を表す領域の指定を受け付け、
前記少なくとも2つの画像のそれぞれの前記異常箇所を表す領域以外の互いに重複する領域における標識信号にのみ基づいて、前記比較結果を算出することを特徴とする生体由来物質の検出方法。 - 坦体上の所定の複数位置に互いに異なる複数の既知の特異的結合物質が配置された少なくとも2つの試験片における前記特異的結合物質に、互いに異なる少なくとも2つの検体の、標識物質で標識された生体由来物質をそれぞれ結合せしめ、該結合した前記生体由来物質の標識物質から放出される標識信号を前記各試験片の各位置毎に検出する検出手段と、
該各試験片間において、前記標識信号の検出結果を比較して比較結果を算出する解析手段とを備えた生体由来物質の検出装置において、
前記少なくとも2つの試験片のそれぞれから検出した前記標識信号により表される少なくとも2つの画像を表示する表示手段と、
該少なくとも2つの画像のそれぞれについて異常箇所を表す領域の指定を受け付ける入力手段とを備え、
前記解析手段は、前記少なくとも2つの画像のそれぞれの前記異常箇所を表す領域以外の互いに重複する領域における標識信号にのみ基づいて、前記比較結果を算出する手段であることを特徴とする生体由来物質の検出装置。
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