JP2000346846A - 生体由来物質の検出方法および装置 - Google Patents

生体由来物質の検出方法および装置

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JP2000346846A JP2000091711A JP2000091711A JP2000346846A JP 2000346846 A JP2000346846 A JP 2000346846A JP 2000091711 A JP2000091711 A JP 2000091711A JP 2000091711 A JP2000091711 A JP 2000091711A JP 2000346846 A JP2000346846 A JP 2000346846A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スポットのぼけ、にじみ等の異常がある場合
にも、正確に異常のある生体由来物質を検出する。 【解決手段】 2種類の検体A,Bの標識物質で標識さ
れたcDNAをハイブリダイズした試験片1,1′を用
いて、標識物質から放出される2種類の標識データによ
り表される画像G1,G2をモニタに表示する。オペレ
ータは画像G1,G2を見てスポットの異常箇所を閉領
域7で囲む。これにより、画像G1,G2において閉領
域7以外の領域において、互いに重複する領域に存在す
る標識データにのみ基づいて、解析が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DNAの解析や免
疫学的解析に用いられる試験片によって生体由来物質を
検出する方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、遺伝子工学分野における技術が急
速に発展し、10万個にも及ぶと考えられているヒトゲ
ノムの塩基配列を解読することを1つの目的とするヒト
ゲノムプロジェクトが展開されている。
【0003】一方、抗原抗体反応を利用する酵素免疫測
定法や蛍光抗体法等が診断や研究のために利用され、ま
た各種遺伝子疾患に影響を与えているDNAを探索する
研究も進んでおり、その1つの方法としてアレイ技術が
注目されている。
【0004】このアレイ技術は、図1に示すような、既
に解読されている互いに異なる既知の多数のcDNA
(特異的結合物質の一例)がメンブレンフィルタやスラ
イドガラス等の坦体2上にマトリックス状に高密度に予
め配置されたアレイチップ(DNAチップと称するもの
もあるが、ここでは総称してアレイチップとする)を試
験片1として用いる技術であり、例えば、蛍光色素や放
射性同位体からなる標識物質で標識された健常者Aの細
胞由来のDNA(生体由来物質の一例)および上記標識
物質で標識された、遺伝子疾患を有する検体Bの細胞由
来のDNAをそれぞれ別個のアレイチップに滴下して、
各検体A,BのcDNAとアレイチップ上のcDNAと
をハイブリダイズさせ、後に各アレイチップ上の各cD
NAに、各標識物質を励起するレーザ光を走査して各c
DNA毎に放出される蛍光や放射線を光検出器で検出
し、アレイチップ上における発光位置に対応付けられた
この検出結果を表す標識信号を得、各検体のcDNAが
いずれのcDNAとハイブリダイズされているかを求
め、両検体間において得られる標識信号の比あるいは差
を求めることにより、両検体間においてハイブリダイズ
されたcDNAを比較して、上記疾病により発現した遺
伝子または欠損した遺伝子(以下発現の変化とする)を
特定する技術である。具体的には、両検体から得られる
標識信号の比は、発現の変化がある位置において得られ
るものほど大きく(あるいは小さく)なることから、各
検体間における標識信号の比が大きい方から(あるいは
小さい方から)順に例えば50箇所分の標識信号の比
を、その信号が得られた位置と対応付けて表として抽出
し、この表に基づいて標識信号が得られた位置を求め、
発現の変化を特定するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、試験片
に生体由来物質を滴下する際に、生体由来物質のスポッ
トがぼけたりにじんでしまうことがあり、さらには生体
由来物質が滴下されない箇所が生じることがある。ま
た、非常に強い信号値が得られるスポットにおいては、
その位置から放出される蛍光あるいは放射線が隣接する
スポットにも広がり、隣接する位置から得られる信号値
に影響を及ぼすことがある。さらには、ハイブリダイズ
後にスポットに結合した生体由来物質のみを残すために
試験片を所定の液体により洗浄するが、この際に試験片
を完全に洗浄することができず、その結果チップ上に不
要な生体由来物質が残ってしまうおそれがある。このよ
うに、試験片に、スポットのぼけ、にじみ、残存生体由
来物質等の異常箇所があると、この異常箇所から得られ
る信号値が極端に大きくなってしまい、上述したように
両検体間の標識信号の比の大きい方(あるいは小さい
方)から順に50箇所分を表として抽出すると、抽出さ
れた標識信号が全て異常箇所から得られたものとなり、
異常のあるDNAを特定することができなくなってしま
う。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、スポットの異常箇所がある場合にも、正確に異常の
ある生体由来物質を検出することができる生体由来物質
の検出方法および装置を提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による生体由来物
質の検出方法は、坦体上の所定の複数位置に互いに異な
る複数の既知の特異的結合物質が配置された少なくとも
2つの試験片における前記特異的結合物質に、互いに異
なる少なくとも2つの検体の、標識物質で標識された生
体由来物質をそれぞれ結合せしめ、該結合した前記生体
由来物質の標識物質から放出される標識信号を前記各試
験片の各位置毎に検出し、該各試験片間において、前記
標識信号の検出結果を比較して比較結果を算出する生体
由来物質の検出方法において、予め選択された位置から
放出される標識信号にのみ基づいて、前記比較結果を算
出することを特徴とするものである。
【0008】ここで、「担体」とは、特異的結合物質を
安定に結合、点着できるものであればよく、例えばメン
ブレンフィルタやスライドガラス板等である。これらの
担体は特異的結合物質を安定に結合するために、前処理
がなされているものであってもよい。
【0009】「特異的結合物質」とは、ホルモン類、腫
瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他の
タンパク、核酸、cDNA、DNA、RNA等であっ
て、生体由来物質と特異的に結合可能な物質を意味す
る。「既知の」とは、特異的結合物質によって異なる
が、例えば核酸であればその塩基配列や塩基の長さ等
が、タンパクであればアミノ酸の組成等が分かっている
ことを意味する。ここで、担体の所定の複数位置に配置
される特異的結合物質は、各位置毎に1種類の特異的結
合物質が配置されていることを意味する。なお、各試験
片における互いに対応する位置には同一の特異的結合物
質が配置される。
【0010】「生体由来物質」とは、担体上の所定の位
置に配置された既知の特異的結合物質と特異的に結合す
る物質であって、生体から抽出、単離等された物質を意
味するが、生体から直接抽出されたものだけでなく、こ
れらを化学処理、化学修飾等したものも含まれる。例え
ばホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブ
ザイム、その他のタンパク、核酸、cDNA、DNA、
mRNA等の物質である。
【0011】「標識物質」とは、生体由来物質から情報
を得るためにこれらの一部を改変し、あるいはこれらに
直接付加される、目印となる物質を意味する。標識物質
は、標識物質から放出される標識信号が検出でき、かつ
生体由来物質に取り込まれる規則性が予め分かっている
ものであれば特に限定されるものではない。例えばサイ
バーグリーンII、Cy5、フルオレセインイソチオシア
ネート等の蛍光色素や 32P、33P等の放射性同位体
を用いることが好ましい。
【0012】「標識信号」とは、例えば標識物質が蛍光
色素である場合には蛍光、標識物質が放射性同位体であ
る場合には放射線のように、標識物質から放出、あるい
は出力されるものを光検出器あるいは放射線検出器にお
いて検出することにより得られる信号のことをいう。
【0013】「生体由来物質を特異的結合物質に結合」
とは、例えばDNAやRNA等で見られる相補的なヌク
レオチド配列の間に安定な二重鎖が形成されるような場
合(ハイブリダイゼーション)や、抗原と抗体、ビオチ
ンとアビジン等のように、特定の物質とのみ選択的に反
応する極めて特異性の高い結合を意味する。なお、各試
験片における互いに対応する位置の特異的結合物質には
同一種類の生体由来物質が結合される。
【0014】「標識信号の検出結果を比較する」とは、
各試験片において互いに対応する位置から得られる標識
信号の比あるいは差を求めることであり、この求められ
た比あるいは差が比較結果となる。具体的には、試験片
全体において得られる標識信号に対して、特異的結合物
質が配置された位置を特定するためのテンプレートを用
いて、各位置における信号値を求め、試験片間において
互いに対応する位置における信号値の比あるいは差を求
め、これを比較して比較結果を算出するものである。な
お、比較結果は例えば比の大きいものから順に、標識信
号が得られた位置と対応付けられて表として出力され
る。
【0015】「予め選択された位置」とは、各試験片に
おける特異的結合物質が配置されたすなわち生体由来物
質がスポットされる全位置から得られる標識信号をCR
T等のモニタに表示し、スポットの異常箇所をオペレー
タが選択することにより得られる。この場合、予め選択
された位置とはオペレータが選択した位置以外の位置と
なる。また、各試験片においてオペレータが選択した位
置が互いに異なる位置となる場合には、オペレータが選
択した以外の位置が各試験片において互いに重複する位
置が予め選択された位置となる。なお、スポットの異常
がない位置をオペレータが選択した場合には、予め選択
された位置はオペレータが選択した位置となる。なお、
選択する位置は複数のスポットを含む領域としてもよ
く、各位置をそれぞれ個別に選択するようにしてもよ
い。
【0016】本発明による生体由来物質の検出装置は、
坦体上の所定の複数位置に互いに異なる複数の既知の特
異的結合物質が配置された少なくとも2つの試験片にお
ける前記特異的結合物質に、互いに異なる少なくとも2
つの検体の、標識物質で標識された生体由来物質をそれ
ぞれ結合せしめ、該結合した前記生体由来物質の標識物
質から放出される標識信号を前記各試験片の各位置毎に
検出する検出手段と、該各試験片間において、前記標識
信号の検出結果を比較して比較結果を算出する解析手段
とを備えた生体由来物質の検出装置において、前記各試
験片における前記複数位置から所望とする位置を選択す
る選択手段を備え、前記解析手段は、前記選択された位
置から放出される標識信号にのみ基づいて、前記比較結
果を算出する手段であることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、予め選択された位置か
ら放出される標識信号にのみ基づいて、各試験片から得
られる標識信号の比較結果を算出するようにしたため、
スポットのぼけ、にじみ、信号の広がり、生体由来物質
残存等のスポットの異常箇所から放出される標識信号は
比較結果の算出から除去されることとなる。このため、
正常にスポットされた位置から放出される標識信号にの
み基づいて比較結果を得ることができることとなり、例
えば異常のあるDNA等の生体由来物質を精度よく特定
することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
形態について説明する。
【0019】図1は本発明の実施形態に用いられる試験
片を示す図である。図1に示すように、本実施形態に用
いられる試験片1は、メンブレンフィルタやスライドガ
ラス等の坦体2の所定の複数位置に互いに異なる複数の
既知のcDNA(特異的結合物質として)が配置されて
なるものである。なお、坦体2に配置されるcDNAは
既にその塩基配列が解読されている互いに異なるDNA
にそれぞれ対応したものであり、坦体2上におけるその
配置位置(以下スポット位置とする)は予め定められて
いる。
【0020】次に図2を用いて、図1に示した試験片1
の読取装置について説明する。図示の読取装置100
は、後述する2種類の試験片1,1′の読取装置の一実
施形態であり、上述した多数の既知の互いに異なるcD
NAが配置されている2つの試験片1,1′のそれぞれ
に、互いに異なる2つの検体A,Bの蛍光色素で標識さ
れたcDNA(生体由来物質として)をハイブリダイズ
させたものを載置して所定の位置に設置する透明な試料
台20と、蛍光色素を励起するのに適した発光波長のレ
ーザ光L1を発光するレーザ光源21と、試験片1,
1′の蛍光色素が励起されて発光した蛍光を光電的に検
出するフォトマルチプライヤ(以下PMTという)90
と、レーザ光源21から出射されたレーザ光L1を、試
料台20に載置された試験片1,1′に照射させるとと
もに、この照射により試験片1,1′から出射する蛍光
K1,K2をPMT90に導光させる光学ヘッド50
と、光学ヘッド50を矢印X方向に等速移動させる主走
査手段60と、レーザ光源21、光学ヘッド50および
PMT90を一体的に矢印Y方向(矢印X方向に直行す
る方向)に移動させる副走査手段70と、PMT90に
より検出された検出信号を対数増幅する増幅器91と、
この増幅された検出信号をA/D変換して標識データS
1,S2を得るA/D変換器92と、試験片1,1′間
において、互いに対応するスポット位置における標識デ
ータS1,S2を比較して比較結果を算出し、これをモ
ニタ94に表示する解析装置93と、レーザ光L1を出
射させる制御を行うコントロールユニット95とを備え
た構成である。なお、標識データS1,S2は試験片
1,1′における検体A,Bがハイブリダイズされた各
スポット位置において得られる信号値の全体を総称する
ものである。また、解析装置93にはキーボード、マウ
ス等からなる入力手段96が接続されている。
【0021】検体Aは健常者であり、検体Bは所定の遺
伝子疾病を有する者である。各試験片1,1′には上述
したように、多数の既知の互いに異なるcDNAが所定
スポット位置に配置されており、さらにこの試験片1,
1′に上記各検体A,Bの細胞由来の各cDNAがピペ
ット等でスポットされ、試験片1,1′上の多数のcD
NAのうち、各検体A,Bの各cDNAに対応する(相
補的な)cDNAはこれらのcDNAとハイブリダイズ
されている。そして所定の溶液で、いずれかの検体のc
DNAとハイブリダイズされたcDNAを残して、いず
れの検体のcDNAともハイブリダイズされていないc
DNAは洗浄されている。
【0022】ここで、レーザ光源21は例えば波長633n
mのレーザ光L1を出射するHe−Neレーザ、波長532nmの
レーザ光L1を出射するSHGレーザ、波長473nmのレ
ーザ光L1を出射するSHGレーザを用いることができ
る。波長633nmのレーザ光L1は、例えばCy5という
蛍光色素を励起するのに適し、波長532nmのレーザ光L
1は、例えばCy3という蛍光色素を励起するのに適
し、波長473nmのレーザ光L1は、例えばFloresceinと
いう蛍光色素を励起するのに適している。
【0023】次に本実施形態の読取装置100の動作に
ついて説明する。
【0024】試料台20上に、検体Aの蛍光色素で標識
されたcDNAがハイブリダイズされた試験片1が載置
され、コントロールユニット95はレーザ光L1を出射
させるようにレーザ光源21を制御し、これにより、レ
ーザ光源21からレーザ光L1が出射される。レーザ光
源21から出射されたレーザ光L1は矢印X方向に進
む。光学ヘッド50の平面ミラー51に入射したレーザ
光L1は図示上方に反射され、孔開きミラー52の小孔
52aを通過してレンズ53に入射し、レンズ53を通
って試料台20上に載置された試験片1の微小領域を照
射する。このとき光学ヘッド50は、主走査手段60に
より高速にかつ等速度で矢印X方向に移動させられてお
り、レーザ光L1は試験片1を矢印X方向に主走査する
ため、この主走査中に、レーザ光L1が照射された微小
領域に存在するcDNAに対しては、照射されたレーザ
光L1により蛍光色素が励起されて蛍光K1を発光す
る。
【0025】レーザ光L1で発光した蛍光K1は試験片
1の下面から広がって出射し、出射した蛍光K1は、光
学ヘッド50のレンズ53により図示下方のビームとさ
れ、同じく光学ヘッド50の孔開きミラー52に入射す
る。蛍光K1は孔開きミラー52の反射面で反射され、
矢印X方向に沿った方向に進行する。矢印X方向に進行
した蛍光K1はPMT90に入射する。PMT90に入
射した蛍光K1は、それぞれPMT90により増幅され
て光電検出され、対応する電気信号として読み取られ、
対数増幅器91により増幅され、A/D変換器92によ
りデジタル信号化される。
【0026】このようにして1主走査による読取りが終
了すると、光学ヘッド50は主走査手段60により元の
位置まで戻され、一方その間に、副走査手段70がレー
ザ光源21、光学ヘッド50およびPMT90を一体的
に矢印Y方向に副走査させる。そして、以上の主走査と
副走査とを繰り返すことにより、試験片1の全面に亘っ
てレーザ光L1が照射され、試験片1の各スポット位置
に対応した蛍光K1がデジタル信号化され標識データS
1として取得され、解析装置93に入力される。
【0027】主走査、副走査を終え試験片1から標識デ
ータS1が取得されると、光学ヘッド50は最初の位置
まで戻され、次に検体Bの蛍光色素で標識されたcDN
Aがハイブリダイズされた試験片1′が試料台20上に
載置され、試験片1と同様に読取りが行われて標識デー
タS2が取得され、解析装置93に入力される。
【0028】解析装置93に入力された標識データS
1,S2はモニタ94に可視像として表示される。図3
はモニタ94に表示された標識データS1,S2を示す
図である。図3に示すようにモニタ94には標識データ
S1により表される画像G1と、標識データS2により
表される画像G2とが表示される。ここで、画像G1,
G2には検体A,Bを試験片1,1′にスポットした際
のスポットのぼけ、にじみ、蛍光の発光量が大きいこ
と、上述したように所定の溶液で洗浄した際に残存する
検体のむら等に起因して、各位置の信号値に異常を有す
る異常箇所(斜線部)が存在する。オペレータはモニタ
94に表示された画像G1,G2を観察し、図4に示す
ように入力手段96により異常箇所を閉領域7として囲
む。なお、この閉領域7としてはポリゴン図形であって
もフリーハンド図形であってもよい。また、異常箇所の
スポット位置を指定するものであってもよい。
【0029】このようにオペレータにより閉領域7が指
定されると、解析装置93は画像G1,G2において閉
領域7以外の互いに重複する領域における標識データS
1,S2の比を求める。すなわち、図5に示すように画
像G1,G2において、両画像G1,G2に存在する閉
領域7以外の領域(斜線部)にある標識データS1,S
2における信号値の比を求める。具体的には、試験片
1,1′の選択された領域における標識データS1,S
2に対して、スポット位置を特定するためのテンプレー
トを用いて各スポット位置における信号値を求め、試験
片1,1′間において互いに対応するスポット位置にお
ける信号値の比(S2/S1)を求めるものである。そ
して、この比が大きい順に例えば50箇所分のスポット
位置と比の値とを対応付けた表を作成し、これをモニタ
94に表示する。この比は健常者の検体Aと、遺伝子疾
病を有する検体Bとの標識データS1,S2の比であ
り、これにより遺伝子疾病による発現の変化を特定する
ことができる。なお、上記比の小さい順に50箇所分の
スポット位置と比の値とを対応付けた表においては、遺
伝子疾病により欠損した異常のある遺伝子を特定するこ
とができる。
【0030】このように、本実施形態においては、オペ
レータにより選択された閉領域7以外の領域における標
識データS1,S2にのみ基づいて、各試験片1,1′
から得られる標識データS1,S2の比較結果を算出す
るようにしたため、スポットのぼけ、にじみ、信号の広
がり、検体残存等のスポットの異常箇所から放出される
信号値は比較結果の算出から除去されることとなる。こ
のため、正常にスポットされた位置から放出される信号
値からなる標識データS1,S2にのみ基づいて比較結
果を得ることができるため、異常のある遺伝子等の特定
の生体由来物質を精度よく検出することができる。
【0031】なお、上記実施形態においては、特異的結
合物質としてcDNAを、生体由来物質として細胞から
抽出したcDNAを用いて説明したが、本発明はこれに
限定されるものではない。
【0032】また、上記実施形態においては、解析装置
93において標識データS1,S2の比を求めている
が、標識データS1,S2の差を求め、この差が大きい
順に50箇所分のスポット位置と差の値とを対応付けた
表を作成してもよい。
【0033】さらに、上記実施形態においては、2つの
試験片1,1′を用いて解析を行っているが、多数の既
知の互いに異なるcDNAが2組配置された1つの試験
片を用いて2種類の検体A,Bについて解析を行うよう
にしてもよい。
【0034】さらにまた、上記実施形態においては、2
種類の検体A,Bについて解析を行っているが、3種類
以上の検体についても上記と同様に試験片の読取り、領
域の設定および解析を行うことが可能である。
【0035】また、上記実施形態においては、標識物質
として蛍光色素を用いたが、放射性同位体を用いること
も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に用いられる試験片を示す図
【図2】本実施形態に用いられる読取装置の構成を示す
【図3】モニタに表示される画像を示す図
【図4】閉領域を設定した状態を示す図
【図5】解析に用いられる標識データの領域を示す図
【符号の説明】 1,1′ 試験片 2 坦体 93 解析装置(解析手段) 94 モニタ 100 読取装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 G01N 1/00 101K 4B063 G01N 1/00 101 33/53 M 1/28 33/58 A 33/53 35/02 F 33/58 C12N 11/00 35/02 G01N 33/60 Z // C12N 11/00 C12N 15/00 A G01N 33/60 G01N 1/28 U Fターム(参考) 2G045 AA25 AA26 AA34 AA35 DA12 DA13 DA14 DA36 FA12 FB02 FB03 FB07 FB08 FB12 FB17 GC15 HA10 HA20 JA01 JA07 2G058 AA09 CC09 EA11 GA01 GD01 4B024 AA11 CA04 HA14 4B029 AA07 AA21 BB20 CC03 CC08 CC10 FA10 FA12 FA15 4B033 NA45 NB25 NB34 NB63 NC02 ND05 ND08 ND12 NE02 4B063 QA01 QA12 QA13 QA18 QA19 QQ43 QR32 QR84 QS03 QS14 QS34 QS36 QX02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坦体上の所定の複数位置に互いに異な
    る複数の既知の特異的結合物質が配置された少なくとも
    2つの試験片における前記特異的結合物質に、互いに異
    なる少なくとも2つの検体の、標識物質で標識された生
    体由来物質をそれぞれ結合せしめ、該結合した前記生体
    由来物質の標識物質から放出される標識信号を前記各試
    験片の各位置毎に検出し、 該各試験片間において、前記標識信号の検出結果を比較
    して比較結果を算出する生体由来物質の検出方法におい
    て、 予め選択された位置から放出される標識信号にのみ基づ
    いて、前記比較結果を算出することを特徴とする生体由
    来物質の検出方法。
  2. 【請求項2】 坦体上の所定の複数位置に互いに異な
    る複数の既知の特異的結合物質が配置された少なくとも
    2つの試験片における前記特異的結合物質に、互いに異
    なる少なくとも2つの検体の、標識物質で標識された生
    体由来物質をそれぞれ結合せしめ、該結合した前記生体
    由来物質の標識物質から放出される標識信号を前記各試
    験片の各位置毎に検出する検出手段と、 該各試験片間において、前記標識信号の検出結果を比較
    して比較結果を算出する解析手段とを備えた生体由来物
    質の検出装置において、 前記各試験片における前記複数位置から所望とする位置
    を選択する選択手段を備え、 前記解析手段は、前記選択された位置から放出される標
    識信号にのみ基づいて、前記比較結果を算出する手段で
    あることを特徴とする生体由来物質の検出装置。
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