JP2005017081A - 抗がん作用物質のスクリーニング方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】抗がん作用物質に対するがん細胞の応答を迅速に求める。
【解決手段】細胞を培養したセンサチップを測定部にセットし、培地を測定部に満たして測定を開始し、その10分後に10、25、50、100μMのクェルセチン、レスベラトロール及びルチンをそれぞれ含む培地と、コントロールとしてDMSOを含む培地とに交換し、さらに測定を続ける。測定開始後、2700〜3000秒の5分間における表面プラズモン共鳴応答により得られたカーブの傾きを求め、細胞生存率との相関を求めると直線関係が得られた。この結果を検量線とすれば、所定の短時間での表面プラズモン共鳴応答の変化率を測定することにより、抗がん作用を定量的に評価することができる。
【選択図】 図9
【解決手段】細胞を培養したセンサチップを測定部にセットし、培地を測定部に満たして測定を開始し、その10分後に10、25、50、100μMのクェルセチン、レスベラトロール及びルチンをそれぞれ含む培地と、コントロールとしてDMSOを含む培地とに交換し、さらに測定を続ける。測定開始後、2700〜3000秒の5分間における表面プラズモン共鳴応答により得られたカーブの傾きを求め、細胞生存率との相関を求めると直線関係が得られた。この結果を検量線とすれば、所定の短時間での表面プラズモン共鳴応答の変化率を測定することにより、抗がん作用を定量的に評価することができる。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗がん作用物質等の生理活性成分に対する細胞応答を計測する方法と装置に関するものであり、特に抗がん作用の有無を判定するスクリーニング方法と装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、森林資源の有効活用に向け様々な取り組みがなされており、その中でも特に生理活性を有する抽出成分についてその有用性が期待されている。抽出成分のもつ多様な生理活性の評価法に求められるのは、汎用性の高いスクリーニング手法であるが、一般には動物や培養細胞に対する投与実験が最も汎用性の高い手法として用いられている。しかし、その活性を知るには多大な労力と時間が必要である。
【0003】
細胞動態のイメージ解析技術として近年確立されてきたものとして蛍光観察がある。蛍光観察では、細胞内のリアルタイムの変化を可視化することができ、しかも対象とする物質に対し特異性が高く反応機構を理解するのに非常に有効である。
【0004】
一方、表面プラズモン共鳴(SPR)という光学現象を利用したバイオセンサーは、分子同士の結合などによる誘電率の変化を捉えることで広範な現象をリアルタイムで計測することが可能なため、タンパク質の相互作用解析などで成果を上げている。
また、表面プラズモン共鳴測定と蛍光観察とを同時に行なえるようにした複合装置も提案されている(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−62255
【非特許文献1】
Michelle Mouria, Anna S.Gukovskaya, Int. j. Cancer. 98, 761−769 (2002)
【非特許文献2】
Lung−Ta Lee, Ying−Tang Huang,.Anticancer Research. 22, 1615−1628 (2002)
【非特許文献3】
Michihiro Hide, Tomoko Tsutsui, Analytical Biochemistry. 302, 28−37 (2002)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
抗がん作用物質のスクリーニング又は細胞動態解析を行なう手段として、細胞増殖試験のほか、特定分子の蛍光誘導体化による蛍光観察等が行なわれるが、測定に長時間を要する問題がある。
また表面プラズモン共鳴法は細胞動態の解析方法として利用可能であるが、スクリーニング方法としては利用されていない。
本発明の目的は、抗がん作用物質に対するがん細胞の応答を迅速に求められるスクリーニング方法とその装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、がん細胞に抗がん作用物質を作用させたとき、その抗がん作用と、表面プラズモン共鳴の時間に対する変化率が安定している時間帯におけるその変化率との間に相関関係があることを見出し、その関係を抗がん作用物質のスクリーニングに利用して本発明をなすに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明は目的とする試薬に抗がん作用があるか否か、及びその有効濃度を評価するスクリーニング方法であって、対象となるがん細胞を含む試料に目的とする試薬を作用させる工程と、前記試薬作用後の試料の表面プラズモン共鳴を測定する工程と、得られた表面プラズモン共鳴の時間に対する変化率が安定している時間帯におけるその変化率を求める工程と、得られた表面プラズモン共鳴変化率に基づいて対象がん細胞に対する前記目的試薬の抗がん作用の程度を評価する工程とを備えている。
【0009】
本発明ではスクリーニングのために必要な測定時間は表面プラズモン共鳴変化率を測定する時間だけである。その時間は例えば、1分から50分というような短時間ですみ、迅速な処理を行なうことができる。そのため、複数の試料を用意しておき、その時間だけ順次表面プラズモン共鳴測定を行なうようにすることにより、測定を自動化することが容易である。
【0010】
表面プラズモン共鳴の測定は、プリズム用いた光を全反射させる方法のほか、回折格子を用いて光の回折を利用する方法も使用することができる。
また、表面プラズモン共鳴の時間に対する変化の測定は、表面プラズモン共鳴角の時間変化や、初期状態での表面プラズモン共鳴角における反射光強度の時間変化などとして求めることができる。
【0011】
ここで、表面プラズモン共鳴の原理を説明しておく。プリズムを用いた場合を説明すると、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)は、金属表面プラズモンをレーザー光などの光により得られるエバネッセント波を用いて共鳴励起することで起こる現象である。エバネッセント波はプリズム内で全反射を起こすことによりその反射面の反対側に発生させることができ、プリズム上に薄い金属層が存在するときエバネッセント波は金属層を抜けて金属反対面の表面プラズモンを共鳴励起する。共鳴を起こす条件を決定する要因として金属層と界面をなしている物質の誘電率等があり、分子間相互作用には誘電率等の変化が伴うことから、これにより共鳴条件が決定される。この時共鳴を誘起できるエバネッセント波の条件も変化するので、逆に共鳴を誘起するエバネッセント波の条件の変化を知ることで誘電率の変化、ひいては分子同士の結合などを知ることができる。実際には、エバネッセント波の条件は入射するレーザー光の入射角θにより変化する。入射角と反射角は等しく、図4(B)に図示されたように基板の法線に対する角度と定義する。共鳴現象が起こるとき、エバネッセント波は金属層上の物質により影響を受けるため、図4(A)に示すように、反射光強度の急激な減衰が起こる。この反射光強度の変化を検出器により検出し、反射光強度の減衰が起きた入射角度(共鳴角)をプロットしていくことにより、金属層上の微小な領域における変化を知ることができる。表面プラズモン共鳴はタンパク質の相互作用解析技術として幅広く用いられているが、通常は単分子膜などを金属薄膜表面に結合させたうえでタンパク質を固定化することで実用性、感度の向上を図っている。金属薄膜上に直接、細胞を培養しその細胞応答を測定した例も報告(非特許文献3参照。)されており、迅速、簡便、かつin situ での細胞応答を知ることのできる解析技術である。
【0012】
スクリーニングにおける抗がん作用の程度の評価を定量化するためには、検量線を用意しておくのが好ましい。そこで、対象がん細胞を含む試料に対し既知の抗がん作用物質を作用させたときの抗がん作用の程度と表面プラズモン共鳴変化率との関係を別途求めて検量線データとし、スクリーニングにおける評価工程ではその検量線データに基づいて対象がん細胞に対する目的試薬の抗がん作用の程度を評価するようにすればよい。
【0013】
検量線データを求めるための抗がん作用の程度を求めるために、対象がん細胞に抗がん作用物質を作用させたことによるがん細胞の減少を細胞数の計数によって、又は細胞からの蛍光の測定によって得ることができる。蛍光としては、細胞の自然蛍光を利用できる場合もあるが、より高感度な測定を行なうためにはがん細胞を蛍光誘導体化した蛍光試薬からの蛍光を測定するのが好ましい。
【0014】
本発明のスクリーニング方法を実現する装置は、図1に示されるように、表面プラズモン共鳴を測定する表面プラズモン共鳴測定装置(SPR)2と、対象となるがん細胞を含む試料に対し目的とする試薬を作用させた後の表面プラズモン共鳴測定装置2による所定の時間における表面プラズモン共鳴の変化率を求める表面プラズモン共鳴変化率算出部4と、表面プラズモン共鳴変化率算出部4が求めた表面プラズモン共鳴変化率に基づいて対象がん細胞に対する目的試薬の抗がん作用を評価するスクリーニング部8とを備えている。
【0015】
スクリーニングにおける抗がん作用の程度の評価を定量化するためには、対象がん細胞に対する抗がん作用の程度と表面プラズモン共鳴変化率との関係を示す検量線データを保持している検量線データ保持部6をさらに備えていることが好ましい。この場合、スクリーニング部8は表面プラズモン共鳴変化率算出部4が求めた表面プラズモン共鳴変化率と検量線データ保持部6に保持されている検量線データとに基づいて対象がん細胞に対する目的試薬の抗がん作用を評価する。
【0016】
表面プラズモン共鳴測定と同時に又は別個に細胞の動態計測を可能にするために、図2に示されるように、表面プラズモン共鳴測定装置2は蛍光顕微鏡10を一体として備えたものであることが好ましい。
ここで、細胞の動態とは生体分子である核酸、タンパク質及び糖鎖、並びに化学成分であるホルモンやリン酸などを指す。
【0017】
検量線データ保持部6は、対象がん細胞に既知の抗がん作用物質を作用させたときの、表面プラズモン共鳴変化率算出部4による結果と、抗がん作用物質を作用させたことによるがん細胞の減少を測定した結果とに基づいて別途求めた検量線データを保持することができる。
【0018】
検量線データ保持部6はまた、対象がん細胞に既知の抗がん作用物質を作用させたときの表面プラズモン共鳴変化率算出部4による結果と、対象がん細胞又は対象がん細胞を蛍光誘導体化した蛍光試薬を励起して発生した蛍光の強度を蛍光顕微鏡10で測定して抗がん作用物質を作用させたことによるがん細胞の減少を求めた結果とに基づいて作成した検量線データを保持することもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図3は一実施例のスクリーニング装置を概略的に示す図である。表面プラズモン共鳴は、試料台に設置されたセンサチップ20に対し、入射光24を全反射の条件で入射させる光源22と、その反射光26を受光する受光装置28を備え、入射光24を全反射させるために、プリズム30を備えている。光源22と受光装置28はセンサチップ20の入射面の垂直線に対する入射角θと反射角θを同時に変化させて反射光26の強度変化を測定することにより表面プラズモン共鳴を検出するように走査機構に支持されている。
【0020】
センサチップ20はガラス基板に金属層として、例えば金薄膜が蒸着などの方法により形成されたものであり、その金属層上に試料として細胞32が付着して設けられたものである。その細胞32に抗がん作用を評価しようとする試薬が作用させられたる。
【0021】
この表面プラズモン共鳴装置には蛍光顕微鏡が一体として設けられている。34はその蛍光顕微鏡の対物レンズであり、接眼レンズ36によって目視観察できるようになっている。蛍光顕微鏡は励起光源としてキセノンランプ(75W)を備え、励起波長と蛍光検出波長を選択するそれぞれの分光器を備えている。蛍光像はCCDカメラなどの撮像装置38によって撮像することができ、視野内の細胞数を計数したり、表面プラズモン共鳴の測定と同時、または別々に蛍光強度を検出できるようになっている。
【0022】
表面プラズモン共鳴装置の動作を制御して入射角と反射角θを変化させて表面プラズモン共鳴角を求めるために、制御装置40が備えられている。制御装置40はコンピュータからなり、図1及び図2に示された表面プラズモン共鳴変化率算出部4及びスクリーニング部8の機能も実現しており、検量線データ保持部6を実現する記憶装置も備えている。また制御装置40は、蛍光顕微鏡10を介して細胞数を計数したり、蛍光強度を検出したりする動作も制御して、検量線データを作成する機能も実現している。
【0023】
【実施例】
(試薬の抗増殖作用評価)
試薬として抗増殖作用を有するとされている抽出成分クェルセチン(quercetin)及びレスベラトロール(resveratrol)と、そのような抗増殖作用はないとされているルチン(rutin)とをそれぞれヒト膵臓がん細胞に投与し、それにより得られる細胞応答を表面プラズモン共鳴装置と蛍光顕微鏡により測定した。
【0024】
図5にそれら3種類の試薬の化学構造式を示す。
供試細胞はヒト膵臓ガン細胞(細胞株:MIA PaCa−2、ヒューマンサイエンス研究資源バンクより入手)を用いた。培地としてEMEM(Eagle’s minimum essential medium)、血清としてFMS(Fatal bovin serum)、その他抗生物質、非必須アミノ酸(NEAA)等を用いた。直径6cmのシャーレにコンフルエントの状態に培養された細胞を、EDTA−トリプシンによりシャーレから剥離し、遠心により細胞を集めた後、0.1%トリパンブルーにより染色し、血球計算盤を用いて細胞数を求め、5×104cells/mlの細胞濃度となるように調製して、継代した。
【0025】
継代後24時間経過してから、それぞれ10、25、50及び100μMのクェルセチン、レスベラトロール及びルチンをそれぞれ含む培地と交換した。コントロールとして、試薬の溶解に用いたDMSO(dimethyl sulfoxide)を同濃度(0.1%)培地に加えたものを用意し、試薬を含む培地と同様に使用した。
【0026】
培地交換から48時間後、継代時と同様にシャーレからEDTA−トリプシンにより細胞を剥離し、遠心により集めてから0.1%トリパンブルーによる染色の後、血球計算盤で細胞数を求めた。コントロールの細胞数を100%として生存率を求めた。
【0027】
結果を図6に示す。レスベラトロールによる抗増殖作用は濃度依存的な抗増殖作用を示し、クェルセチンによる抗増殖作用は10μM以下ではあまり認められないが、更に高い濃度では濃度依存的な抗増殖作用を示し、50μM以上でほぼ横ばいとなった。ルチンには抗増殖作用はみられない。
【0028】
報告によれば、クェルセチンは実施例で用いた細胞株を含め、多くのガン細胞に対し、アポトーシスを誘導することが分かっている(非特許文献1,2参照。)。しかしながら、図6に示したクェルセチン濃度と細胞生存率の相関と、報告されているクェルセチン濃度とアポトーシスした細胞数の相関を比較すると、必ずしも一致は見られず、この実施例で得られた結果はアポトーシスに限らずクェルセチンが供試細胞の増殖性に対し影響しているものと推測される。
【0029】
(表面プラズモン共鳴測定により細胞応答測定)
次に表面プラズモン共鳴測定により細胞応答測定を行なった。
上の測定と同様に継代された細胞を、細胞濃度2×106cells/mlとなるように調製し、金薄膜(膜厚50nm)が蒸着されたガラス基板(センサチップ)上に100μl滴下し、24時間、37℃、5%CO2濃度下で培養した。
【0030】
測定は、1時間行なった。センサチップを図3の装置の測定部にセットした後、直ちに培地を測定部に満たし測定を開始した。その10分後に10、25、50、100μMのクェルセチン、レスベラトロール及びルチンをそれぞれ含む培地と、コントロールとしてDMSOを含む培地とに交換し、さらに50分間測定を続けた。
【0031】
100μMのクェルセチン、レスベラトロール及びルチンをそれぞれ含む培地と交換したものの結果を図7に示す。測定結果は、共鳴を励起する入射角度の測定開始時からの時間変化として表した。クェルセチンとレスベラトロールについては、投与から数分後には明らかに表面プラズモン共鳴応答に変化が見られた。それに対してルチンを含む培地の投与では変化が見られなかった。
【0032】
本発明では、迅速な測定を目的とするため、測定開始後、2700〜3000秒の5分間における表面プラズモン共鳴応答により得られたカーブの傾きを求めた。その時間領域は、表面プラズモン共鳴角の時間変化が安定している領域である。その傾き、すなわち表面プラズモン共鳴の時間変化率と試薬濃度との相関を図8に示す。
【0033】
1時間以上の測定における表面プラズモン共鳴応答の変化量の大きさを比較しても同様の結果が得られたが、目的の一つに挙げている迅速なスクリーニングという観点から見た時、試薬投与後1500〜3000秒付近における表面プラズモン共鳴応答の傾きは、より長時間の測定による変化量の大きさを反映していることから、1〜10分間、例えば5分間という短時間の表面プラズモン共鳴応答の変化に着目した。
【0034】
図9に各濃度の試薬に対する生存率と表面プラズモン共鳴応答の傾きとの相関を示す。両者は直線的な相関関係にあることがわかる。この結果を検量線とすれば、所定の短時間での表面プラズモン共鳴応答の変化率を測定することにより、細胞の生存率、すなわち抗がん作用を定量的に評価することができる。
【0035】
(蛍光観察による細胞活性評価)
蛍光観察により細胞の活性を知る手段の一つとして細胞のエステラーゼ活性を利用したものがある。エステラーゼはエステルを加水分解する酵素である。細胞の活性低下にはエステラーゼ活性の低下を伴うため、エステル型の蛍光試薬を用いその蛍光強度の変化を測定することで細胞の活性変化を知ることができる。
上記の測定と同様に、2×106cells/mlの細胞懸濁液を、センサチップ上に150μl滴下し、24時間、37℃、5%CO2濃度下で培養した。
【0036】
測定開始1時間前に細胞活性の指示薬としてエステル型蛍光試薬である5−(and−6)−Carboxy SNAFL−1 Diacetateを最終濃度20μMとなるように培地により調製し、センサチップ上に150μl滴下した。その後1時間培養条件下に置いてから再び培地を交換して蛍光試薬を除いてから、測定を行なった。蛍光観察は、励起光源にキセノンランプ(75W)を使用し、励起波長460〜500nm、検出波長510〜560nmで行なった。測定開始の10分後に100μMのクェルセチンを含む培地と、コントロール培地とにそれぞれ交換した。
【0037】
結果を図10に示す。培地交換時(0秒)と3600秒経過時の蛍光象を示している。コントロール培地の場合は変化がみられないのに対し、100μMのクェルセチンを投与した細胞では明らかな蛍光強度の減少が観察され、クェルセチンによる細胞活性の低下が確認できる。同時に、この結果は表面プラズモン共鳴による測定の結果は細胞応答を捉えたものであることを裏付ける有力な証拠である。
【0038】
図9の横軸の全細胞数に対応するものとして、蛍光顕微鏡による蛍光強度を用いることもできる。その蛍光強度と表面プラズモン共鳴信号変化率との対応を求めて図9のような検量線を作成することもできる。
【0039】
実施例の測定から、抽出成分の生理活性評価において表面プラズモン共鳴による測定は、1分〜10分程度の短時間での測定により得られた結果で培養実験と良い相関を示すことができ、しかも誘電率の変化など、広範な反応に対する汎用性の高い測定対象を有していることから、汎用性の高さ、迅速性という点で非常に有力なスクリーニング手法となる。
【0040】
また、蛍光顕微鏡によって得られた結果は、表面プラズモン共鳴により得られた結果を支持するだけにとどまらず、測定対象を変えることで抽出成分の生理活性をより深く理解するための手段としても非常に有用である。
これらのことから、表面プラズモン共鳴と蛍光顕微鏡の組合わせはバイオ情報科学装置として有用である。
【0041】
【発明の効果】
本発明のスクリーニング方法と装置は、対象となるがん細胞を含む試料に目的とする試薬を作用させ、試薬作用後の試料の表面プラズモン共鳴を測定してその時間に対する変化率が安定している時間帯におけるその変化率を求めて対象がん細胞に対する目的試薬の抗がん作用の程度を評価するようにしたので、スクリーニングのために必要な測定時間は表面プラズモン共鳴変化率を測定する時間だけですみ、迅速な処理を行なうことができるようになる。
スクリーニングにおける抗がん作用の程度の評価を検量線を用いて行なうようにすれば、定量化することができる。
本発明のスクリーニング装置が表面プラズモン共鳴測定装置と蛍光顕微鏡を一体として備えたものとすれば、同時に又は別個に細胞の動態計測を行なうことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明装置の他の形態を概略的に示すブロック図である。
【図3】一実施例のスクリーニング装置を概略的に示す図である。
【図4】表面プラズモン共鳴の原理を説明するための図であり、(A)は反射率の入射角依存性を示すグラフ、(B)は入射角と反射角を示す図である。
【図5】実施例で使用した試薬を示す化学構造式である。
【図6】各試薬濃度と細胞の生存率の関係を示すグラフである。
【図7】各試薬投与後の表面プラズモン共鳴信号の時間変化を示すグラフである。
【図8】各試薬濃度と表面プラズモン共鳴信号変化率の関係を示すグラフである。
【図9】細胞の生存率と表面プラズモン共鳴信号変化率の関係を示すグラフである。
【図10】クェルセチンとコントロールに対するがん細胞の応答を示す蛍光画像である。
【符号の説明】
20 センサチップ
24 入射光
22 光源
26 反射光
28 受光装置
30 プリズム
32 細胞32
34 対物レンズ
36 接眼レンズ
38 撮像装置
40 制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗がん作用物質等の生理活性成分に対する細胞応答を計測する方法と装置に関するものであり、特に抗がん作用の有無を判定するスクリーニング方法と装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、森林資源の有効活用に向け様々な取り組みがなされており、その中でも特に生理活性を有する抽出成分についてその有用性が期待されている。抽出成分のもつ多様な生理活性の評価法に求められるのは、汎用性の高いスクリーニング手法であるが、一般には動物や培養細胞に対する投与実験が最も汎用性の高い手法として用いられている。しかし、その活性を知るには多大な労力と時間が必要である。
【0003】
細胞動態のイメージ解析技術として近年確立されてきたものとして蛍光観察がある。蛍光観察では、細胞内のリアルタイムの変化を可視化することができ、しかも対象とする物質に対し特異性が高く反応機構を理解するのに非常に有効である。
【0004】
一方、表面プラズモン共鳴(SPR)という光学現象を利用したバイオセンサーは、分子同士の結合などによる誘電率の変化を捉えることで広範な現象をリアルタイムで計測することが可能なため、タンパク質の相互作用解析などで成果を上げている。
また、表面プラズモン共鳴測定と蛍光観察とを同時に行なえるようにした複合装置も提案されている(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−62255
【非特許文献1】
Michelle Mouria, Anna S.Gukovskaya, Int. j. Cancer. 98, 761−769 (2002)
【非特許文献2】
Lung−Ta Lee, Ying−Tang Huang,.Anticancer Research. 22, 1615−1628 (2002)
【非特許文献3】
Michihiro Hide, Tomoko Tsutsui, Analytical Biochemistry. 302, 28−37 (2002)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
抗がん作用物質のスクリーニング又は細胞動態解析を行なう手段として、細胞増殖試験のほか、特定分子の蛍光誘導体化による蛍光観察等が行なわれるが、測定に長時間を要する問題がある。
また表面プラズモン共鳴法は細胞動態の解析方法として利用可能であるが、スクリーニング方法としては利用されていない。
本発明の目的は、抗がん作用物質に対するがん細胞の応答を迅速に求められるスクリーニング方法とその装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、がん細胞に抗がん作用物質を作用させたとき、その抗がん作用と、表面プラズモン共鳴の時間に対する変化率が安定している時間帯におけるその変化率との間に相関関係があることを見出し、その関係を抗がん作用物質のスクリーニングに利用して本発明をなすに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明は目的とする試薬に抗がん作用があるか否か、及びその有効濃度を評価するスクリーニング方法であって、対象となるがん細胞を含む試料に目的とする試薬を作用させる工程と、前記試薬作用後の試料の表面プラズモン共鳴を測定する工程と、得られた表面プラズモン共鳴の時間に対する変化率が安定している時間帯におけるその変化率を求める工程と、得られた表面プラズモン共鳴変化率に基づいて対象がん細胞に対する前記目的試薬の抗がん作用の程度を評価する工程とを備えている。
【0009】
本発明ではスクリーニングのために必要な測定時間は表面プラズモン共鳴変化率を測定する時間だけである。その時間は例えば、1分から50分というような短時間ですみ、迅速な処理を行なうことができる。そのため、複数の試料を用意しておき、その時間だけ順次表面プラズモン共鳴測定を行なうようにすることにより、測定を自動化することが容易である。
【0010】
表面プラズモン共鳴の測定は、プリズム用いた光を全反射させる方法のほか、回折格子を用いて光の回折を利用する方法も使用することができる。
また、表面プラズモン共鳴の時間に対する変化の測定は、表面プラズモン共鳴角の時間変化や、初期状態での表面プラズモン共鳴角における反射光強度の時間変化などとして求めることができる。
【0011】
ここで、表面プラズモン共鳴の原理を説明しておく。プリズムを用いた場合を説明すると、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)は、金属表面プラズモンをレーザー光などの光により得られるエバネッセント波を用いて共鳴励起することで起こる現象である。エバネッセント波はプリズム内で全反射を起こすことによりその反射面の反対側に発生させることができ、プリズム上に薄い金属層が存在するときエバネッセント波は金属層を抜けて金属反対面の表面プラズモンを共鳴励起する。共鳴を起こす条件を決定する要因として金属層と界面をなしている物質の誘電率等があり、分子間相互作用には誘電率等の変化が伴うことから、これにより共鳴条件が決定される。この時共鳴を誘起できるエバネッセント波の条件も変化するので、逆に共鳴を誘起するエバネッセント波の条件の変化を知ることで誘電率の変化、ひいては分子同士の結合などを知ることができる。実際には、エバネッセント波の条件は入射するレーザー光の入射角θにより変化する。入射角と反射角は等しく、図4(B)に図示されたように基板の法線に対する角度と定義する。共鳴現象が起こるとき、エバネッセント波は金属層上の物質により影響を受けるため、図4(A)に示すように、反射光強度の急激な減衰が起こる。この反射光強度の変化を検出器により検出し、反射光強度の減衰が起きた入射角度(共鳴角)をプロットしていくことにより、金属層上の微小な領域における変化を知ることができる。表面プラズモン共鳴はタンパク質の相互作用解析技術として幅広く用いられているが、通常は単分子膜などを金属薄膜表面に結合させたうえでタンパク質を固定化することで実用性、感度の向上を図っている。金属薄膜上に直接、細胞を培養しその細胞応答を測定した例も報告(非特許文献3参照。)されており、迅速、簡便、かつin situ での細胞応答を知ることのできる解析技術である。
【0012】
スクリーニングにおける抗がん作用の程度の評価を定量化するためには、検量線を用意しておくのが好ましい。そこで、対象がん細胞を含む試料に対し既知の抗がん作用物質を作用させたときの抗がん作用の程度と表面プラズモン共鳴変化率との関係を別途求めて検量線データとし、スクリーニングにおける評価工程ではその検量線データに基づいて対象がん細胞に対する目的試薬の抗がん作用の程度を評価するようにすればよい。
【0013】
検量線データを求めるための抗がん作用の程度を求めるために、対象がん細胞に抗がん作用物質を作用させたことによるがん細胞の減少を細胞数の計数によって、又は細胞からの蛍光の測定によって得ることができる。蛍光としては、細胞の自然蛍光を利用できる場合もあるが、より高感度な測定を行なうためにはがん細胞を蛍光誘導体化した蛍光試薬からの蛍光を測定するのが好ましい。
【0014】
本発明のスクリーニング方法を実現する装置は、図1に示されるように、表面プラズモン共鳴を測定する表面プラズモン共鳴測定装置(SPR)2と、対象となるがん細胞を含む試料に対し目的とする試薬を作用させた後の表面プラズモン共鳴測定装置2による所定の時間における表面プラズモン共鳴の変化率を求める表面プラズモン共鳴変化率算出部4と、表面プラズモン共鳴変化率算出部4が求めた表面プラズモン共鳴変化率に基づいて対象がん細胞に対する目的試薬の抗がん作用を評価するスクリーニング部8とを備えている。
【0015】
スクリーニングにおける抗がん作用の程度の評価を定量化するためには、対象がん細胞に対する抗がん作用の程度と表面プラズモン共鳴変化率との関係を示す検量線データを保持している検量線データ保持部6をさらに備えていることが好ましい。この場合、スクリーニング部8は表面プラズモン共鳴変化率算出部4が求めた表面プラズモン共鳴変化率と検量線データ保持部6に保持されている検量線データとに基づいて対象がん細胞に対する目的試薬の抗がん作用を評価する。
【0016】
表面プラズモン共鳴測定と同時に又は別個に細胞の動態計測を可能にするために、図2に示されるように、表面プラズモン共鳴測定装置2は蛍光顕微鏡10を一体として備えたものであることが好ましい。
ここで、細胞の動態とは生体分子である核酸、タンパク質及び糖鎖、並びに化学成分であるホルモンやリン酸などを指す。
【0017】
検量線データ保持部6は、対象がん細胞に既知の抗がん作用物質を作用させたときの、表面プラズモン共鳴変化率算出部4による結果と、抗がん作用物質を作用させたことによるがん細胞の減少を測定した結果とに基づいて別途求めた検量線データを保持することができる。
【0018】
検量線データ保持部6はまた、対象がん細胞に既知の抗がん作用物質を作用させたときの表面プラズモン共鳴変化率算出部4による結果と、対象がん細胞又は対象がん細胞を蛍光誘導体化した蛍光試薬を励起して発生した蛍光の強度を蛍光顕微鏡10で測定して抗がん作用物質を作用させたことによるがん細胞の減少を求めた結果とに基づいて作成した検量線データを保持することもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図3は一実施例のスクリーニング装置を概略的に示す図である。表面プラズモン共鳴は、試料台に設置されたセンサチップ20に対し、入射光24を全反射の条件で入射させる光源22と、その反射光26を受光する受光装置28を備え、入射光24を全反射させるために、プリズム30を備えている。光源22と受光装置28はセンサチップ20の入射面の垂直線に対する入射角θと反射角θを同時に変化させて反射光26の強度変化を測定することにより表面プラズモン共鳴を検出するように走査機構に支持されている。
【0020】
センサチップ20はガラス基板に金属層として、例えば金薄膜が蒸着などの方法により形成されたものであり、その金属層上に試料として細胞32が付着して設けられたものである。その細胞32に抗がん作用を評価しようとする試薬が作用させられたる。
【0021】
この表面プラズモン共鳴装置には蛍光顕微鏡が一体として設けられている。34はその蛍光顕微鏡の対物レンズであり、接眼レンズ36によって目視観察できるようになっている。蛍光顕微鏡は励起光源としてキセノンランプ(75W)を備え、励起波長と蛍光検出波長を選択するそれぞれの分光器を備えている。蛍光像はCCDカメラなどの撮像装置38によって撮像することができ、視野内の細胞数を計数したり、表面プラズモン共鳴の測定と同時、または別々に蛍光強度を検出できるようになっている。
【0022】
表面プラズモン共鳴装置の動作を制御して入射角と反射角θを変化させて表面プラズモン共鳴角を求めるために、制御装置40が備えられている。制御装置40はコンピュータからなり、図1及び図2に示された表面プラズモン共鳴変化率算出部4及びスクリーニング部8の機能も実現しており、検量線データ保持部6を実現する記憶装置も備えている。また制御装置40は、蛍光顕微鏡10を介して細胞数を計数したり、蛍光強度を検出したりする動作も制御して、検量線データを作成する機能も実現している。
【0023】
【実施例】
(試薬の抗増殖作用評価)
試薬として抗増殖作用を有するとされている抽出成分クェルセチン(quercetin)及びレスベラトロール(resveratrol)と、そのような抗増殖作用はないとされているルチン(rutin)とをそれぞれヒト膵臓がん細胞に投与し、それにより得られる細胞応答を表面プラズモン共鳴装置と蛍光顕微鏡により測定した。
【0024】
図5にそれら3種類の試薬の化学構造式を示す。
供試細胞はヒト膵臓ガン細胞(細胞株:MIA PaCa−2、ヒューマンサイエンス研究資源バンクより入手)を用いた。培地としてEMEM(Eagle’s minimum essential medium)、血清としてFMS(Fatal bovin serum)、その他抗生物質、非必須アミノ酸(NEAA)等を用いた。直径6cmのシャーレにコンフルエントの状態に培養された細胞を、EDTA−トリプシンによりシャーレから剥離し、遠心により細胞を集めた後、0.1%トリパンブルーにより染色し、血球計算盤を用いて細胞数を求め、5×104cells/mlの細胞濃度となるように調製して、継代した。
【0025】
継代後24時間経過してから、それぞれ10、25、50及び100μMのクェルセチン、レスベラトロール及びルチンをそれぞれ含む培地と交換した。コントロールとして、試薬の溶解に用いたDMSO(dimethyl sulfoxide)を同濃度(0.1%)培地に加えたものを用意し、試薬を含む培地と同様に使用した。
【0026】
培地交換から48時間後、継代時と同様にシャーレからEDTA−トリプシンにより細胞を剥離し、遠心により集めてから0.1%トリパンブルーによる染色の後、血球計算盤で細胞数を求めた。コントロールの細胞数を100%として生存率を求めた。
【0027】
結果を図6に示す。レスベラトロールによる抗増殖作用は濃度依存的な抗増殖作用を示し、クェルセチンによる抗増殖作用は10μM以下ではあまり認められないが、更に高い濃度では濃度依存的な抗増殖作用を示し、50μM以上でほぼ横ばいとなった。ルチンには抗増殖作用はみられない。
【0028】
報告によれば、クェルセチンは実施例で用いた細胞株を含め、多くのガン細胞に対し、アポトーシスを誘導することが分かっている(非特許文献1,2参照。)。しかしながら、図6に示したクェルセチン濃度と細胞生存率の相関と、報告されているクェルセチン濃度とアポトーシスした細胞数の相関を比較すると、必ずしも一致は見られず、この実施例で得られた結果はアポトーシスに限らずクェルセチンが供試細胞の増殖性に対し影響しているものと推測される。
【0029】
(表面プラズモン共鳴測定により細胞応答測定)
次に表面プラズモン共鳴測定により細胞応答測定を行なった。
上の測定と同様に継代された細胞を、細胞濃度2×106cells/mlとなるように調製し、金薄膜(膜厚50nm)が蒸着されたガラス基板(センサチップ)上に100μl滴下し、24時間、37℃、5%CO2濃度下で培養した。
【0030】
測定は、1時間行なった。センサチップを図3の装置の測定部にセットした後、直ちに培地を測定部に満たし測定を開始した。その10分後に10、25、50、100μMのクェルセチン、レスベラトロール及びルチンをそれぞれ含む培地と、コントロールとしてDMSOを含む培地とに交換し、さらに50分間測定を続けた。
【0031】
100μMのクェルセチン、レスベラトロール及びルチンをそれぞれ含む培地と交換したものの結果を図7に示す。測定結果は、共鳴を励起する入射角度の測定開始時からの時間変化として表した。クェルセチンとレスベラトロールについては、投与から数分後には明らかに表面プラズモン共鳴応答に変化が見られた。それに対してルチンを含む培地の投与では変化が見られなかった。
【0032】
本発明では、迅速な測定を目的とするため、測定開始後、2700〜3000秒の5分間における表面プラズモン共鳴応答により得られたカーブの傾きを求めた。その時間領域は、表面プラズモン共鳴角の時間変化が安定している領域である。その傾き、すなわち表面プラズモン共鳴の時間変化率と試薬濃度との相関を図8に示す。
【0033】
1時間以上の測定における表面プラズモン共鳴応答の変化量の大きさを比較しても同様の結果が得られたが、目的の一つに挙げている迅速なスクリーニングという観点から見た時、試薬投与後1500〜3000秒付近における表面プラズモン共鳴応答の傾きは、より長時間の測定による変化量の大きさを反映していることから、1〜10分間、例えば5分間という短時間の表面プラズモン共鳴応答の変化に着目した。
【0034】
図9に各濃度の試薬に対する生存率と表面プラズモン共鳴応答の傾きとの相関を示す。両者は直線的な相関関係にあることがわかる。この結果を検量線とすれば、所定の短時間での表面プラズモン共鳴応答の変化率を測定することにより、細胞の生存率、すなわち抗がん作用を定量的に評価することができる。
【0035】
(蛍光観察による細胞活性評価)
蛍光観察により細胞の活性を知る手段の一つとして細胞のエステラーゼ活性を利用したものがある。エステラーゼはエステルを加水分解する酵素である。細胞の活性低下にはエステラーゼ活性の低下を伴うため、エステル型の蛍光試薬を用いその蛍光強度の変化を測定することで細胞の活性変化を知ることができる。
上記の測定と同様に、2×106cells/mlの細胞懸濁液を、センサチップ上に150μl滴下し、24時間、37℃、5%CO2濃度下で培養した。
【0036】
測定開始1時間前に細胞活性の指示薬としてエステル型蛍光試薬である5−(and−6)−Carboxy SNAFL−1 Diacetateを最終濃度20μMとなるように培地により調製し、センサチップ上に150μl滴下した。その後1時間培養条件下に置いてから再び培地を交換して蛍光試薬を除いてから、測定を行なった。蛍光観察は、励起光源にキセノンランプ(75W)を使用し、励起波長460〜500nm、検出波長510〜560nmで行なった。測定開始の10分後に100μMのクェルセチンを含む培地と、コントロール培地とにそれぞれ交換した。
【0037】
結果を図10に示す。培地交換時(0秒)と3600秒経過時の蛍光象を示している。コントロール培地の場合は変化がみられないのに対し、100μMのクェルセチンを投与した細胞では明らかな蛍光強度の減少が観察され、クェルセチンによる細胞活性の低下が確認できる。同時に、この結果は表面プラズモン共鳴による測定の結果は細胞応答を捉えたものであることを裏付ける有力な証拠である。
【0038】
図9の横軸の全細胞数に対応するものとして、蛍光顕微鏡による蛍光強度を用いることもできる。その蛍光強度と表面プラズモン共鳴信号変化率との対応を求めて図9のような検量線を作成することもできる。
【0039】
実施例の測定から、抽出成分の生理活性評価において表面プラズモン共鳴による測定は、1分〜10分程度の短時間での測定により得られた結果で培養実験と良い相関を示すことができ、しかも誘電率の変化など、広範な反応に対する汎用性の高い測定対象を有していることから、汎用性の高さ、迅速性という点で非常に有力なスクリーニング手法となる。
【0040】
また、蛍光顕微鏡によって得られた結果は、表面プラズモン共鳴により得られた結果を支持するだけにとどまらず、測定対象を変えることで抽出成分の生理活性をより深く理解するための手段としても非常に有用である。
これらのことから、表面プラズモン共鳴と蛍光顕微鏡の組合わせはバイオ情報科学装置として有用である。
【0041】
【発明の効果】
本発明のスクリーニング方法と装置は、対象となるがん細胞を含む試料に目的とする試薬を作用させ、試薬作用後の試料の表面プラズモン共鳴を測定してその時間に対する変化率が安定している時間帯におけるその変化率を求めて対象がん細胞に対する目的試薬の抗がん作用の程度を評価するようにしたので、スクリーニングのために必要な測定時間は表面プラズモン共鳴変化率を測定する時間だけですみ、迅速な処理を行なうことができるようになる。
スクリーニングにおける抗がん作用の程度の評価を検量線を用いて行なうようにすれば、定量化することができる。
本発明のスクリーニング装置が表面プラズモン共鳴測定装置と蛍光顕微鏡を一体として備えたものとすれば、同時に又は別個に細胞の動態計測を行なうことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明装置の他の形態を概略的に示すブロック図である。
【図3】一実施例のスクリーニング装置を概略的に示す図である。
【図4】表面プラズモン共鳴の原理を説明するための図であり、(A)は反射率の入射角依存性を示すグラフ、(B)は入射角と反射角を示す図である。
【図5】実施例で使用した試薬を示す化学構造式である。
【図6】各試薬濃度と細胞の生存率の関係を示すグラフである。
【図7】各試薬投与後の表面プラズモン共鳴信号の時間変化を示すグラフである。
【図8】各試薬濃度と表面プラズモン共鳴信号変化率の関係を示すグラフである。
【図9】細胞の生存率と表面プラズモン共鳴信号変化率の関係を示すグラフである。
【図10】クェルセチンとコントロールに対するがん細胞の応答を示す蛍光画像である。
【符号の説明】
20 センサチップ
24 入射光
22 光源
26 反射光
28 受光装置
30 プリズム
32 細胞32
34 対物レンズ
36 接眼レンズ
38 撮像装置
40 制御装置
Claims (11)
- 対象となるがん細胞を含む試料に目的とする試薬を作用させる工程と、
前記試薬作用後の試料の表面プラズモン共鳴を測定する工程と、
得られた表面プラズモン共鳴の時間に対する変化率が安定している時間帯におけるその変化率を求める工程と、
得られた表面プラズモン共鳴変化率に基づいて対象がん細胞に対する前記目的試薬の種類の選択と濃度により抗がん作用の程度を評価する工程と、を備えたことを特徴とする抗がん作用物質のスクリーニング方法。 - 前記表面プラズモン共鳴変化率は前記時間帯における1分から50分の時間における表面プラズモン共鳴変化の勾配である請求項1に記載のスクリーニング方法。
- 対象がん細胞を含む試料に対し既知の抗がん作用物質を作用させたときの抗がん作用の程度と前記表面プラズモン共鳴変化率との関係を別途求めて検量線データとし、前記評価工程では検量線データに基づいて対象がん細胞に対する目的試薬の抗がん作用の程度を評価する請求項1又は2に記載のスクリーニング方法。
- 検量線データを求めるための抗がん作用の程度を求めるために、対象がん細胞に抗がん作用物質を作用させたことによるがん細胞の減少を細胞数の計数によって得る請求項3に記載のスクリーニング方法。
- 検量線データを求めるための抗がん作用の程度を求めるために、対象がん細胞に抗がん作用物質を作用させたことによるがん細胞の減少をがん細胞からの蛍光の測定によって得る請求項3に記載のスクリーニング方法。
- 前記蛍光はがん細胞を蛍光誘導体化した蛍光試薬からの蛍光である請求項5に記載のスクリーニング方法。
- 表面プラズモン共鳴を測定する表面プラズモン共鳴測定装置と、
対象となるがん細胞を含む試料に対し目的とする試薬を作用させた後の前記表面プラズモン共鳴測定装置による所定の時間における表面プラズモン共鳴の変化率を求める表面プラズモン共鳴変化率算出部と、
前記表面プラズモン共鳴変化率算出部が求めた表面プラズモン共鳴変化率に基づいて対象がん細胞に対する目的試薬の抗がん作用を評価するスクリーニング部と、
を備えたことを特徴とする抗がん作用物質のスクリーニング装置。 - 対象がん細胞に対する抗がん作用の程度と表面プラズモン共鳴変化率との関係を示す検量線データを保持している検量線データ保持部をさらに備え、
前記スクリーニング部は前記表面プラズモン共鳴変化率算出部が求めた表面プラズモン共鳴変化率と前記検量線データ保持部に保持されている検量線データとに基づいて対象がん細胞に対する目的試薬の抗がん作用を評価するものである請求項7に記載のスクリーニング装置。 - 前記表面プラズモン共鳴測定装置は蛍光顕微鏡を一体として同一試料を同時に計測する機能を備えたものである請求項7又は8に記載のスクリーニング装置。
- 前記検量線データ保持部は、対象がん細胞に既知の抗がん作用物質を作用させたときの、前記表面プラズモン共鳴変化率算出部による結果と、前記抗がん作用物質を作用させたことによるがん細胞の減少を測定した結果とに基づいて別途求めた検量線データを保持する請求項7から9のいずれかに記載のスクリーニング装置。
- 前記検量線データ保持部は、対象がん細胞に既知の抗がん作用物質を作用させたときの前記表面プラズモン共鳴変化率算出部による結果と、対象がん細胞又は対象がん細胞を蛍光誘導体化した蛍光試薬を励起して発生した蛍光の強度を前記蛍光顕微鏡で同時にまたは別々に測定して前記抗がん作用物質を作用させたことによるがん細胞の減少を求めた結果とに基づいて作成した検量線データを保持する請求項9に記載のスクリーニング装置。
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