JP4632156B2 - 蛍光偏光解消法による分析方法 - Google Patents

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本発明は、新作物、新農薬、機能性食品、医薬品などの開発分野において、生体試料の挙動を研究する際に使用される分析方法に閲し、特に試料中の測定対象物を蛍光標識プローブと結合させ、その結合した測定対象物を試料中で蛍光偏光解消法により測定する分析方法に関する。
新作物、新農薬、機能性食品、医薬品などの開発分野において、高度な新製品を効率良く開発するために、物質が細胞に与える効果(例えば、遺伝子を導入した細胞が産生するタンパク質)を経時的に解析し、その効果が発現するメカニズムを捉えたいという要請がある。
経時的な細胞の応答を解析する方法の1つに蛍光偏光解消法がある。蛍光偏光解消法は蛍光プローブを使用し、励起光により励起された蛍光プローブから発生する蛍光の偏光性の解消により蛍光プローブで標識されたターゲットの運動性を知るものである。
蛍光偏光解消法は1950年代にPerinによって理論化されたもので、溶液中や膜内に固定化された状態の蛍光剤の運動性を評価できることから、蛍光標識を施した生体分子の運動性の変化を観測することにより生体分子の微量検出に応用されている。蛍光偏光解消法は、蛍光プローブを検出系から分離することなく溶液中における対象分子の相互作用を解析できる特徴がある(特許文献1、非特許文献1参照。)。
特開2004−279143号公報 T.Sakamoto et al.,Study on structure of ribosomal RNA by time-resolved luminescence anisotropy analysis, Nucleic Acids Research Supplement No.1, pp.143-144 Anal. Chem. Vol.70, No.3, pp.632-637,1998
蛍光偏光解消法で測定対象物の検出を行う場合には、「蛍光プローブの分子量」と「測定対象物と結合した蛍光プローブの分子量」各々の蛍光異方性の差が指標とされる。ここで、測定対象物質の分子量が蛍光プローブの分子量に比較して小さいほど、上記の蛍光異方性値の差は小さくなり、結果として感度が低く検出が困難となる。
もちろん、酵素免疫測定法(ELISA法)等の別法においては、これらの場合でもいわゆる競合法を用いることにより、低分子量の測定対象物質の検出を高感度に行うことは可能であるが、ELISA法は測定対象となる物質をサンプリングする必要がある。そのため、蛍光偏光解消法の1つの特徴である「経時的」な測定などは行なえない。
さらに、ELISA法を使用する際には相当量のサンプルが必要であり、例えばマイクロチップ中の微小空間における細胞の機能を解析する等の目的に対しては適用が困難である。
本発明は蛍光偏光解消法を用いた測定において、低分子量の測定対象物質の測定感度を高めることを目的とするものである。
本発明は、試料中の測定対象物を蛍光標識プローブと結合させ、その結合した測定対象物をその試料中で蛍光偏光解消法による測定により分析する方法を対象とするものである。そして、本発明では、測定対象物に特異的に結合し、かつ前記蛍光標識プローブには結合しない増分子量物質を前記試料中に添加して測定対象物と蛍光標識プローブの結合体の分子量を増大させることを特徴とする。
さらに、本発明で扱う試料は測定対象物を経時的に産生していくものであり、試料に励起光を照射し試料から発生した蛍光を検出することにより、試料中に産生された測定対象物に増分子量物質と蛍光標識プローブが結合して測定対象物と蛍光標識プローブの結合体の分子量が増大した状態での蛍光偏光解消法による測定を所定の時間にわたって続けることにより測定対象物の産生を経時的に測定することも特徴とする。
測定対象物の一例は抗原である。その場合、蛍光標識プローブと増分子量物質は抗体である。そして、それらの物質をサンドイッチ法により結合させる。
試料反応液の体積は1μL以下であることが好ましい。
蛍光偏光解消法には、パルス光源を用いて偏光励起し、遅れて出てくる蛍光の偏光度の時間変化を10ナノ秒から数マイクロ秒の間に検出する「時間分解蛍光偏光解消法」と、光源に定常光を用いて偏光励起する「定常光励起による蛍光偏光解消法」とがある。時間分解蛍光偏光解消法では蛍光剤の蛍光寿命を測定することができ、定常光励起による蛍光偏光解消法では時間分解蛍光偏光解消法で得られる偏光度の時間平均値が得られる。本発明で使用する蛍光偏光解消法は、そのいずれの方法も含んでいる。
蛍光異方性rは、試料に特定の偏光方向の直線偏光の励起光を照射し、受光した蛍光のうち励起光の偏光方向と等しい偏光方向及びそれに直交する偏光方向のそれぞれの直線偏光成分に基づいて求める。蛍光異方性rは励起偏光と平行な成分と直交する成分との蛍光強度の差を全蛍光強度で除した値である。蛍光異方性rの時間変化関数r(t)と分子の回転運動を表す回転相関時間(閘)には以下に次に示すような関連があるため、蛍光標識プローブと結合した測定対象物の回転運動を読み取ることができる。ここで示したように、複数の回転運動成分が存在する場合でも、r(t)を多成分の指数関数で近似することで個々に評価することが可能となる。
r(t)=(IVV(t)−IVH(t))/(IVV(t)+2IVH(t))
=Σaiexp(−t/θi)
θ=1/6D
=ηV/kT
ここで、
VV:蛍光の縦偏光成分強度
VH:蛍光の横偏光成分強度
D:回転拡散係数
轗:粘度
V:分子の体積
k:ボルツマン定数
T:絶対温度(K)
i:個々の分子(又は結合部位)を表わし、上記の説明では回転運動成分
i:比例係数(存在割合の比)で、aiをすべて足すと1になる。
蛍光異方性rは分子の回転運動により減衰していくが、励起光の照射又は蛍光発生から一定時間後のそれらの値の変化は測定対象物量の増減を表わす。そこで、本発明の好ましい態様では、時間分解蛍光偏光解消法により励起光の照射又は蛍光発生から一定時間後に測定を行なう。
蛍光プローブの蛍光剤としては、フルオレセインのほか、種々のものを使用することができる。
測定対象物と蛍光プローブが相互作用した物質を経時的に検出することを目的とした場合、蛍光偏光解消法は相互作用を定量的に測定することが原理的に可能であるが、測定したい蛍光以外に試料中の培地やレンズから発生する自家蛍光(背景光)がノイズとして含まれることがあるため、これを除去することができれば好都合である。自家蛍光は寿命が短いものが多いことを利用して、自家蛍光が消滅した後に目的の蛍光を検出することにより自家蛍光によるノイズを除去することができる。
その方法として、時間分解蛍光偏光解消法を使用するのが好ましい。その際、蛍光プローブの蛍光剤として蛍光寿命が200ナノ秒から2マイクロ秒の範囲にあるものを使用してその蛍光寿命内で蛍光異方性の測定を行なうようにするのが好ましい。蛍光寿命が200ナノ秒から2マイクロ秒の範囲にある蛍光剤としては、Ru(ルテニウム)錯体をあげることができる。Ru錯体の一例として、[Ru(phen)3]Cl2(tris-1,10-Phenanthroline ruthenium(II)dichloride)などを挙げることができる。
本発明では、増分子量物質が測定対象物質に結合することにより測定対象物質のみかけの分子量が増大し、それにより蛍光偏光解消法による測定で得られる蛍光異方性が増大し、測定の高感度化が可能となる。
その結果、例えばサイトカイン類に代表される低分子量タンパク質の経時的な分析が可能となることで、細胞の経時的な機能解析が可能となる。
試料反応液の体積を1μL以下とすれば、測定対象物を不用意に薄めることがなくなり、微量測定が可能となる。微小空間を用いた分析における効果は大きく、細胞の機能解析、特にシグナル伝達分野における有効な分析手法となり、癌、アレルギーの態様究明や創薬に貢献することが期待できる。
蛍光偏光解消法として時間分解蛍光偏光解消法を採用し、蛍光プローブの蛍光剤として蛍光寿命が200ナノ秒から2マイクロ秒の範囲にあるものを使用してその蛍光寿命内で蛍光異方性の測定を行なうようにすれば、自家蛍光によるノイズを除去することができる。
蛍光異方性の測定を行なう装置について説明する。
蛍光偏光解消法には定常光励起による蛍光偏光解消法と時間分解蛍光偏光解消法があるが、前者の定常光励起による蛍光偏光解消法は通常の蛍光顕微鏡により実施することができる。そこで、本発明の好ましい蛍光偏光解消法としての時間分解蛍光偏光解消法を実施する装置の一例を図1に示す。
試料が収容された反応容器としてマイクロチップ2を使用する。マイクロチップ2は顕微鏡4の試料保持台に保持する。パルス励起光を出力するパルス励起光源部としてパルスレーザー装置6が設けられており、パルスレーザー装置6からのパルス励起光をマイクロチップ2の試料に照射するために、励起光波長の光を反射し、試料からの蛍光を透過させるダイクロイックミラー8が設けられている。パルスレーザー装置6から出力されたパルス励起光を特定の偏光方向、例えば縦方向の偏光方向をもつ直線偏光にする偏光手段として偏光板10が、パルスレーザー装置6とダイクロイックミラー8の間の光路上に配置されている。これにより、偏光板10により偏光方向が規定されたパルス励起光が顕微鏡4を通してマイクロチップ2中の微小空間内にある試料に照射される。ダイクロイックミラー8と顕微鏡4は照射光学系を構成している。
パルス励起光の照射により試料から発生した蛍光は、顕微鏡4を通ってダイクロイックミラー8を透過し、偏光板10と同一の偏光方向に設定された検光子(偏光素子)12を通過した後、励起光成分を除去するカットオフフィルタ14を経て検出手段のストリークスコープ16に導かれて検出される。顕微鏡4、検光子12及びカットオフフィルタ14は受光光学系を構成している。
演算手段(図示略)は、ストリークスコープ16で検出された検出信号のうち、蛍光発生から所定の時間後、例えば200ナノ秒から2マイクロ秒の範囲の検出信号を使用して蛍光偏光解消を評価するようになっている。演算手段はデータ処理装置の機能に含ませることもできる。
検出に用いるストリークスコープ16は、検出すべき光量が少ない場合には、フォトンカウンティングモードで高感度な検出が可能であり、光量が多い場合にはアナログ計測により高速の検出ができるという特徴をもっている。しかし、ストリークスコープ16に替えて、TAC(時間―電圧変換器)法を用いたTCSPC(時間相関単一格子計数法)方式の検出器を用いてよい。
検光子12を偏光板10と同方向に設置した場合に、IVVすなわち蛍光の縦偏光成分強度が得られ、検光子12を偏光板10と直交する方向に設置した場合にはIVHすなわち蛍光の横偏光成分強度が得られる。そこで、他の方法として、受光光学系に検光子12を回転させる回転機構を設けることができる。検光子12を回転させることによりIVVとIVHを得ることができる。検光子12の回転は手動と自動のどちらでもよい。
さらに他の方法として、検光子を用いずに、入射光の縦偏光と横偏光を分離することのできる偏光ビームスプリッターを受光光学系に設け、その偏光ビームスプリッターを使用して蛍光の縦偏光成分と横偏光成分を検出器に導いてIVVとIVHを同時に検出するようにしてもよい。この場合にはストリークスコープ等の検出器が2個必要となる。
得られたIVV、IVHを演算手段で演算することで蛍光異方性を求めることができる。この演算手段もデータ処理装置の機能に含ませることもできる。
好ましい形態では、測定対象物と蛍光標識核酸又は蛍光標識糖鎖との結合反応及び時間分解蛍光偏光解消法による測定を試料の体積が1μL以下の状態で行なう。そのために、試料の体積が1μL以下となるように形成されたマイクロチップを反応容器として使用することができる。そのような反応容器は、例えばシリコン基板に微細加工により反応室と流路を形成し、上下の底面に透明ガラス基板又は透明石英ガラスを用いて形成することができる。
そのようなマイクロチップに関しては、近年、μTAS(Micro Total Analysis Systems)、LOC(Laboratory on a Chip)と称される、マイクロマシニング技術を利用してガラスやシリコンの基板上に化学分析や化学合成の機能を集積しチップ化する研究が盛んに行われており、容易に作製したり入手したりすることができる。
μTASやLOCは、主として分析装置の超小型化や微小空間での化学反応が研究の対象であるが、最近は細胞操作に関する研究が注目されつつある。いずれも共通の特徴として、1)使用する試薬や試料の大幅な低減、2)分析や反応の高速化(短時間化)、3)並列処理による分析や合成操作件数のハイスループット化、4)機能の集積による高機能化・自動化・省力化、5)システム全体の小型化などがあり、様々な分野で将来の新市場を形成するものと期待されている。
マイクロチップ2の一例を図2に示す。(A)は平面図、(B)はその流路に沿った断面図である。
マイクロチップ2は3枚のガラス基板20,22,24が接合されて構成されている。ガラス基板20は厚みが1.0mmの石英ガラス、ガラス基板22は厚みが0.5mmの石英ガラス、ガラス基板24は厚みが0.17mmのカバーガラスである。カバーガラスの材質は限定されないが、石英、BK−7、パイレックス(登録商標)など、自家蛍光の少ないものが望ましい。
ガラス基板20の片面には、数百μm以下の幅と深さを持つ微小な流路溝26と、流路溝26の両端部に位置する試料導入(Inlet)及び排出(Outlet)のための貫通穴28,30が形成されている。ガラス基板22には流路溝26の中央部に該当する位置に直径が1mmの反応室用の貫通穴32があけられている。ガラス基板24は加工を施していない平坦な板である。
ガラス基板20の流路溝26が形成されている面とガラス基板22の片面とを向かい合わせて密着させ、さらにガラス基板22の裏面にガラス基板24を密着させた状態で、それぞれのガラス基板間を例えばフッ酸溶液による接合などの手段で液密に接合することにより、このマイクロチップ2が構成されている。
マイクロチップ2中の反応室32の形状は直径1mm、深さが0.5mmで、容量は約0.4μLである。
一実施の形態として、例えば、細胞が外部からの刺激により、I型アレルギーにおけるIgE産生と関わりが深いといわれるインターロイキン-4(IL-4)を産生することを経時的に検出する場合を取り上げて説明する。
まず、蛍光異方性rと分子量Mの関係は次式のように表わされる(非特許文献2参照。)。
r=r0/(1+τ/θ)、
θ=ηM(v+h)/RT、
r:蛍光異方性、
θ:回転相関時間、
τ:蛍光寿命、
M:分子量、
0:分子運動がない場合の異方性(非特許文献2から0.3と仮定)
η:粘度(非特許文献2から1cpと仮定)
v+h:水和体積(非特許文献2から1.9と仮定)
T:絶対温度(非特許文献2から293と仮定)
ここで、非特許文献2を参考に、r0=0.3、η=1cp、(v+h)=1.9、T=293°Kと仮定して、蛍光寿命τが5ナノ秒、500ナノ秒及び50μ秒の蛍光プローブのそれぞれについて蛍光異方性rと分子量Mの関係を図示すると、図3のようになる。
IL-4の分子量は約15,000である。IL-4と特異的に結合する市販の抗体は比較的容易に入手できるが、その分子量は約150,000である。認識部位によっては、Fab'フラグメントを切断して蛍光標識することで、蛍光プローブの分子量を抑えることは可能であるが、それでもその分子量は約50,000である。
いま、分子量約150,000の抗体を蛍光標識して蛍光プローブを調製するものとする。
まず、参考として、IL-4に蛍光プローブを結合させることにより蛍光異方性値rの変化からIL-4の存在を検出することを考える。蛍光プローブの分子量は約150,000、IL-4に蛍光プローブが結合したものの分子量は約165,000である。
その場合、蛍光寿命が約500ナノ秒の蛍光プローブを用いた場合の蛍光異方性値rを算出すると、図3から
蛍光プローブのみ:r=0.057(図3中のa)
蛍光プローブとIL-4の結合したもの:r=0.061(図3中のb)
となる。その結果、その差が小さいため、高感度な検出は困難であることがわかる。
なお、ここで蛍光寿命が5ナノ秒程度の蛍光プローブ、又は50μ秒程度の蛍光プローブを用いても、蛍光プローブのみの蛍光異方性値と結合体の蛍光異方性値との差はほとんどないため、この系では使用が困難である、また、蛍光寿命が5ナノ秒程度のものは培地等からの夾雑蛍光の影響を受けるため、経時的な計測には不向きである。
一方、サンドイッチELISA法では経時的な観測はできないものの、本発明ではIL-4を抗原とする2種類の抗体で、抗体どおしは互いには結合しないものを用いることにより、IL-4の検出が可能になる。多くの場合、このサンドイッチELISA法に用いる抗体は市販の試薬で入手可能であり、例えばIL-4を対象としたものから、固相化用の抗IL-4抗体と増分子量物質である検出用抗IL-4抗体を準備する。
そして、固相化用の抗IL-4抗体を、例えばRu錯体蛍光剤にて標識して蛍光プローブとし、試料中には増分子量物質である検出用抗IL-4抗体を予め添加し、測定対象物質であるIL-4と結合させておく。この場合、蛍光プローブの分子量は約150,000、蛍光プローブがIL-4と結合した際のサンドイッチ結合体の分子量は、IL-4に検出用抗IL-4抗体が結合しているために315,000となる。
前述と同様にして蛍光寿命が約500ナノ秒の蛍光プローブを用いた場合の蛍光異方性値を算出すると、図4に示されるように、
蛍光プローブのみ:r=0.057(図4中のa)
蛍光プローブとIL-4の結合したもの:0.099(図4中のB)
となり、その差が増大し、より高感度な検出が可能となることがわかる。
本発明が適用される測定対象物、蛍光標識プローブ及び増分子量物質は、実施例に示したものに限らず、他の生体物質であっても特異的に結合して分子量を増加させることができるものであれば、同様に適用することができる。例えば、抗体や抗体の一部、タンパク質、アプタマー等が挙げられる。また、直接測定対象物に結合する適当な分子量のタンパク質等を結合させた物質でもよい。測定対象物質を検出するために蛍光標識する物質(抗体、抗体の一部等)と増分子量物質との組合せについては、サンドイッチELISAで用いられる「固相用抗体と検出用抗体」の組合せが良い例である。この時、増分子量物質である検出用抗体と測定対象物が結合した物質を、蛍光標識した固相用抗体とさらに結合させて蛍光異方性を測定することとなる。「固相用抗体と検出用抗体」の組合せは逆でも勿論かまわない。
本発明は、新作物、新農薬、機能性食品、医薬品などの開発分野において、生体試料の挙動を研究する際に利用することができる。
本発明の実施に使用する分析装置の一例を示す概略構成図である。 同分析装置において使用することのできる一実施例のマイクロチップを示す図であり、(A)は平面図、(B)はその流路に沿った断面図である。 参考例においてIL-4を検出する場合を説明するグラフである。 一実施例においてIL-4を検出する場合を説明するグラフである。
符号の説明
2 マイクロチップ
20,22,24 ガラス基板
26 流路溝
28,30 試料導入又は排出のための貫通穴
32 反応室用の貫通穴

Claims (5)

  1. 試料中の測定対象物を蛍光標識プローブと結合させ、その結合した前記測定対象物を前記試料中で蛍光偏光解消法による測定により分析する方法であって、
    前記試料は前記測定対象物を経時的に産生していくものであり、
    (A)前記測定対象物に特異的に結合しかつ前記蛍光標識プローブには結合しない増分子量物質と、前記蛍光標識プローブとを前記試料中に添加する工程と、
    (B)前記試料に励起光を照射し試料から発生した蛍光を検出することにより、前記試料中に産生された測定対象物に前記増分子量物質と前記蛍光標識プローブが結合して測定対象物と蛍光標識プローブの結合体の分子量が増大した状態での蛍光偏光解消法による測定を行う工程と、を備え、
    前記工程(B)を所定の時間にわたって続けることにより前記測定対象物の産生を経時的に測定することを特徴とする分析方法。
  2. 前記測定対象物は抗原、前記蛍光標識プローブと増分子量物質は抗体であり、それらの物質をサンドイッチ法により結合させる請求項1に記載の分析方法。
  3. 前記試料液の体積を1μL以下とする請求項1又は2に記載の分析方法。
  4. 前記蛍光偏光解消法は時間分解蛍光偏光解消法である請求項1から3のいずれかに記載の分析方法。
  5. 前記蛍光標識プローブの蛍光剤として蛍光寿命が200ナノ秒から2マイクロ秒の範囲にあるものを使用してその蛍光寿命内で前記測定を行なう請求項4に記載の分析方法。
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