JP2005337805A - 抗体または抗原の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、測定対象分子を正確に再現性よく、迅速且つ簡便に測定でき、自動分析装置への適用が可能な、抗体または抗原の濃度の測定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、1分子動態を観測するための手法の1つとしてFCS(Fluorescence Correlation Spectroscopy)を解析手法とする1分子蛍光分光分析法によって分子の数、大きさ等の物理量を算出することができることを利用し、完成されるに至った。すなわち、本発明は、抗体または抗原の測定方法であって、抗体または抗原と反応する物質を、抗体または抗原を含有する溶液と混合する工程と、前記混合液に励起光を照射する工程と、前記励起光の照射によって発生する蛍光のゆらぎを検出する工程と、前記検出された蛍光のゆらぎに基づいて、前記抗体または抗原の存在を検出する工程とを有することを特徴とする抗体または抗原の測定方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、抗体または抗原の測定方法に関する。より詳細には、本発明は、分子間相互作用に関する情報を一分子レベルで計測する抗体または抗原の有無または濃度の測定方法に関する。
抗体の作製において、培養細胞等によって産生された抗体を培養上清から抽出することがある。たとえば、抗体の産生を確認するためには、培養上清を回収し、培養液中の抗体の存在を確認し、産生された抗体濃度の定量を行なう必要がある。
抗体濃度の測定を行なうための従来の技術では、抗体を産生する培養細胞の培養上清を回収して定量に用いられる。定量方法は、その上清中に存在する抗体をマイクロプレートなどに固相化し、その抗体に対する標識抗体などを用い酵素反応などによって反応の有無や反応の強さなどを確認するELISA法や、抗体に特異的に吸着する分子を担体に固相化したカラムを用いた液体クロマトグラフィーなどが用いられていた。
しかし、ELISA法の場合は、培養シャーレからの培養上清の取り出しや抗体のマイクロプレートへの固相化に手間がかかる。また、培養上清中には抗体のほかにもさまざまな血漿タンパク質なども含まれているため、これらの分子がプレートに対して非特異的な吸着をおこし、ELISA法におけるシグナルのバックグランドの上昇を生じてしまう場合がある。その他、ELISA法は、検出できる抗体濃度範囲も狭く、特に抗体濃度が100μg/ml以上の高濃度間では、分解能が低下してしまい、検出できなくなるなどダイナミックレンジという点でも制限されてしまう。そのため、複数種類の培養細胞から最も多くの抗体を産製する培養細胞をスクリーニングする場合には、最も多く抗体を産生する細胞を絞り込むことが困難となることがある。
特許文献1および特許文献2には、不溶性担体に抗原を固相化し、抗体を定量する方法が開示されている。この手法では、検出対象の抗体ごとにその抗体に対する抗原を固相化する必要がある。この手法は、目的抗体をスクリーニングするためには適しているが、複数の抗体をスクリーニングするためには、それぞれの抗体に対する抗原を固相化しなくてはならず手間がかかってしまう。
一方、液体クロマトグラフィーを使用して抗体濃度の測定を行なう場合は、一般的に、担体にプロテインAなどの抗体に親和性を持つ分子が固相化されているカラムが用いられる。この場合、抗体溶液をこのカラムに通し、抗原に抗体を結合させることによって定を行なわれる。通常、抗体の結合能は最大で20mg程度であり、ELISA法で問題となる高濃度の抗体溶液を用いる場合でも精度良く検出が可能である。しかし、カラムの通過のためにかなりの時間(10分から20分)がかかってしまい、定量に相当の計測時間が必要とされる。さらに、抗体の検出にも時間がかかり、また試料量も0.5〜1mlが必要である。また、カラムを使用して抗体濃度の測定する場合は、1つの試料を定量した後に、カラム体積の倍以上のバッファでカラムを洗浄を行なわなくてはならないため、使用するバッファ量も多くなってしまうことや、また時間および手間もかかるといった問題がある。特に、たとえば96ウェル培養シャーレなどを使用して多くの試料について定量を行なう場合には、計測時間が膨大となってしまう。
さらに、上記のような手法では、定量に使用した培養上清が無菌操作ではなくなってしまうため、定量後の培養上清を、再度培養に使用することはできなかった。そのため、特に、複数の種類の培養細胞に由来する抗体をスクリーニングおよび定量するための方法として、検出対象の分子の固相化もしく標識または洗浄などの作業が不要であり、簡便な操作によって短時間で検出することができ、高感度でありと、広いダイナミックレンジであり、細胞培養を妨げず、低価格で実施可能である方法が望まれている。
特開平7-260788号公報 特開平10-197533号公報
上記した状況に鑑み、本発明は、測定対象分子を正確に再現性よく、迅速且つ簡便に測定でき、自動分析装置への適用が可能な、抗体または抗原の濃度の測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、鋭意研究の結果、培養上清中に産生された抗体または抗原の濃度を、培養上清から直接測定する方法の開発に成功した。本発明は、1分子動態を観測するための手法の1つとして、FCS(Fluorescence Correlation Spectroscopy)を解析手法とする1分子蛍光分光分析法(Oliver Meissner and Hanns Haberlein、“Biochemistry”、2003年、42巻、p.1667-1672)に着目し、この方法により、分子の数、大きさ等の物理量を算出することができることを利用して、完成されるに至った。
すなわち、本発明は、抗体または抗原の測定方法であって、抗体または抗原と反応する物質を、抗体または抗原を含有する溶液と混合する工程と、前記混合液に励起光を照射する工程と、前記励起光の照射によって発生する蛍光のゆらぎを検出する工程と、前記検出された蛍光のゆらぎに基づいて、前記抗体または抗原の存在を検出する工程とを有することを特徴とする抗体または抗原の測定方法を提供する。
また、本発明は、上記方法であって、前記抗体または抗原の存在を検出する工程の後、さらに検量線から前記抗体または抗原の濃度を算出する工程を含む方法を提供する。
さらに、本発明は、上記方法であって、前記抗体または抗原を含有する溶液は、細胞培養液であり、前記蛍光標識からの蛍光のゆらぎを検出は、前記細胞培養液中の蛍光のゆらぎの検出であることを特徴とする抗体または抗原の測定方法を提供する。
さらに、本発明は、上記方法であって、前記抗体と反応する物質は、タンパク質であることを特徴とする抗体または抗原の測定方法を提供する。
さらに、本発明は、上記方法であって、前記抗体と反応するタンパク質は、抗体末端結合タンパク質であることを特徴とする抗体の測定方法を提供する。
さらに、本発明は、上記方法であって、前記抗体または抗原と反応するタンパク質は、蛍光標識がなされていることを特徴とする抗体または抗原の測定方法を提供する。
さらに、本発明は、上記方法であって、前記蛍光標識の検出波長は、540nm以上であることを特徴とする抗体または抗原の測定方法を提供する。
さらに、本発明は、上記方法であって、前記抗体または抗原の存在を検出する工程は、前記検出された蛍光を蛍光強度分布解析を使用して分子の回転拡散時間、分子の数、もしくは一分子あたりの蛍光強度を測定することによって、または自己相関関数解析を使用して分子の並進拡散時間を測定することによって行われることを特徴とする抗体または抗原の測定方法を提供する。
本発明は、試料中の抗体または抗原について、外交帯または抗原に特異的に結合する物質を用いて、該物質からのシグナルを検出し抗体または抗原の濃度計測を行なうものである。
以下、本発明に従って抗体または抗原の濃度の測定する方法の概略を説明する。
本方法では、検出対象の抗体または抗原を認識し結合する物質を使用する。このような分子を、測定したい抗体または抗原を含む溶液に添加する。また、添加は、検出対象の抗体または抗原とこれらを認識して結合する物質との結合に適した条件下で行うことが好ましい。
検出対象の抗体または抗原を認識し結合する物質は、たとえば、検出対象の抗体または抗原を特異的に認識して結合することが可能なタンパク質であってもよく、特に、検出対象が抗体の場合は、該抗体によって認識される抗原であり、また、検出対象が抗原の場合は、該抗原に対する抗体が想定される。
検出対象の抗体または抗原を認識し結合する物質として、具体的には、抗体を認識し結合するプロテインAやプロテインG等の抗体末端結合タンパク質が想定される。これらの抗体末端結合タンパク質は、産生される抗体の宿主細胞の動物種を選ばないため汎用性があり、マウスやウサギなどの抗体に使用Sすることができるので好ましい。これらの分子は、ナカライテスクなどから入手可能な市販品であってもよく、プロテインAに限らず検出対象の抗体と親和性をもつ分子であればいずれを使用することもできる。
また、検出対象の抗体または抗原を認識し結合する物質は、以下の工程において検出対象の抗体または抗原の検出を容易にするために、予め蛍光標識で標識してあることが好ましい。たとえば、あらかじめ蛍光標識されたプロテインAなどがモレキュラープローブス社などから発売されているので、これらを用いてもよい。また、当業者に周知の技術を使用して、所望の抗体もしくは抗原を蛍光標識することもできる。また、分子生物学的な手法を用いて、検出対象の抗体もしくは抗原と蛍光タンパク質との融合タンパク質として発現させたものを使用することもできる。
蛍光標識のために用いる蛍光色素は、たとえばRhodamineGreen、TAMRA、Alexa647などを使用することができる。特に、培養液にpH指示薬のフェノールレッドが添加されている場合は、580nm付近に吸収を持つため、使用する蛍光色素は、それより長い波長(600nm)の蛍光特性を持つ色素、たとえばAlexa647、Cy5、DY631などを使用することが好ましい。フェノールレッドを添加していない培養液を用いる場合は、488nmなどの短い波長で励起すると血清の自家蛍光が検出されてしまうため、540nmより長い吸収をもつTAMRAやTRITCを使用することが好ましい。蛍光タンパク質は、GFPなどの他、長波長に吸収を持つRFPなどを発現させて使用することもできる。
上記のように検出対象の抗体または抗原と、これらを認識して結合する物質とを結合させた後、試料溶液に光を照射して、試料からのシグナルの解析を行なう。
シグナルの解析は、光を照射した試料から発生する蛍光シグナルを自己相関関数解析(FCS)もしくは蛍光強度分布解析を使用して行うことができる。あるいは、散乱光を検出して散乱解析を行なうことができる。
自己相関関数解析法FCSによって解析を行う場合、まず、上記蛍光標識を励起することが可能な励起光を試料溶液に照射する。次いで、上記蛍光物質からの蛍光を検出する。検出に使用する光学系は、たとえば、蛍光検出のための検出器を有する通常の光学系であってもよい。蛍光物質を励起する光源は、レーザなどであってもよく、波長は紫外から可視、赤外までのどの波長であってもよい。励起光は、対物レンズを介して絞り込まれ試料に照射される。蛍光物質からの蛍光は、集光レンズによって集められ、ピンホールによってノイズを除去する。蛍光は、光学フィルターを透過することによって特定の波長の蛍光のみを取り出される。この蛍光を検出器によって検出し、信号解析を行う。検出した蛍光に基づいて自己相関関数解析を行い共焦点領域に蛍光分子が滞在する時間(並進拡散時間)を算出することができる。
自己相関関数解析では、大きさの変化をモニターすることができ、分子の相互作用や分解などによる分子の大きさの変化を検出することができる。したがって、試料溶液中に検出対象の抗体または抗原が存在していれば、これらと、該抗体または抗原を認識し結合する蛍光標識物質とが結合して分子量が増大されるため、蛍光標識からの蛍光を指標に検出対象の抗体または抗原が存在するか否かを決定することができる。
一方、蛍光強度分布解析FIDAを使用することにより、1分子あたりの蛍光強度及び分子数を求めることができる。さらに、蛍光偏光について解析を行なうと分子の回転拡散状態を知ることが可能である(FIDA-pol)。回転拡散の状態を蛍光偏光度Pで表す。これは、分子の大きさを反映しているので自己相関関数解析と同様に分子の相互作用や分解などにいよる大きさの変化を知ることができる。この手法を用いることにより、検出対象の抗体または抗原を認識し結合する蛍光標識物質した物質が、抗体または抗原と結合することによる分子量の増大を検出することができる。したがって、分子量の増大が観測されれば、被検溶液中に検出対象の抗体または抗原が存在しているか否かがわかる。
上記のような、蛍光物質の励起、蛍光の検出、およびFCS/FIDAによる解析に使用する装置は、市販の1分子蛍光分析システム、たとえばMS20/10S装置(オリンパス株式会社)を使用して行うことができる。
また、検出対象の抗体または抗原の濃度を測定するためには、各濃度の検出対象の抗体または抗原について並進拡散時間や蛍光偏光度を測定し、予め検量線を作製しておくことが好ましい。
まず、検出対象の抗体または抗原を認識し結合する蛍光標識物質のみの場合の蛍光を計測し、並進拡散時間や蛍光偏光度を計測しておく。次いで、あらかじめ抗体または抗原濃度の判明している試料(複数種類の抗体または抗原濃度)を準備し、検出対象の抗体または抗原を認識し結合する蛍光標識物質と反応させる。次いで、抗体または抗原の濃度の割合毎に、拡散時間や蛍光偏光度を算出しておく。抗体または抗原の濃度の割合によって、算出される拡散時間や蛍光偏光度が異なり、たとえば、抗体または抗原濃度が低い場合は、抗体または抗原分子と結合している蛍光標識分子の割合は少ないので、平均的な並進拡散時間は短く、蛍光偏光度は小さい。抗体または抗原濃度が高くなると抗体または抗原と結合している蛍光標識分子の割合が高くなるので、平均的な並進拡散時間は長くなり、蛍光偏光度は高くなる。このデータに基づいて、種々の抗体または抗原濃度における並進拡散時間、もしくは蛍光偏光度をプロットし検量線を作成することができる。
次に、検量線を参照して、上記工程によって得られたデータ(並進拡散時間、蛍光偏光度)から検出対象の抗体または抗原の濃度を求める。
上記工程において散乱解析を使用する場合は、物質に光を照射し、その散乱のゆらぎを解析する。上記FCSを使用して解析する場合と同様に、物質の大きさの変化をモニターすることが可能である。また、散乱解析では、物質を蛍光標識せずに検出可能なため、標識の手間がなくなること、標識の細胞毒性を考慮する必要がなくなるので好ましい。検出対象の抗体または抗原とこれらを認識して結合する物質とを結合を検出するための散乱解析は、当業者に周知の方法を使用して行うことができる。
本発明の方法に従って培養細胞の細胞上清中の抗体濃度を定量するためには、培養上清を取り出しガラスボトムプレートへ分注し蛍光標識した分子を反応させる。培養上清の分注を行なわず培養プレートをそのまま用いて定量を行なうことも可能である。そのためには細胞培養を行なう際に培養プレートを底面がカバーガラスである、ガラスボトムプレートを使用し培養を行なう。上述したような共焦点光学系を使用すれば、光源からの励起光を対物レンズを介して試料のある特定の場所を照射することが可能である。対物レンズまたは試料台を光軸方向に動かすことにより、焦点位置をガラスボトムプレートの底面に存在する細胞の上部に合わせることが可能である。したがって、たとえば細胞が培養されているプレートの各ウェルにあらかじめ滅菌しておいた蛍光標識プロテインAを直接添加して、該プレートをそのまま共焦点光学系において計測することが可能である。この場合、計測後の細胞培養液は無菌状態のままであり、そのまま培養を続けることも可能である。また、計測試料から抗体のみを抽出する場合は、培養上清を取り出して、培養シャーレ中で定量を行なった試料を抗体として使用する場合には、バッファを中性から弱酸性の0.1M リン酸ナトリウム(Sodium phosphate)(pH4.5)などで置換し抗体と蛍光標識プロテインAとの結合をはがし、検出対象の抗体として使用することができる。
検量線の作製
検量線を作成するためには、まず既知の濃度の抗体試料で約10ng/ml〜10mg/mlくらいまでの濃度の抗体溶液を作製しておく。バッファは、当該技術分野において通常用いられているものを使用することができ、たとえばリン酸緩衝液やあるいは計測する培養上清と同じ組成の培養液を使用する。次いで、各抗体濃度の溶液に一定の濃度の蛍光標識プロテインAを添加し反応させる。反応は、室温(24℃)で30分または4℃で1晩など、一般的な反応条件で行えばよい。
次いで、このような抗体濃度が既知の試料について、各抗体濃度における並進拡散時間または蛍光偏光度の計測を行なう。計測は、FCS、FIDA-polの定量に用いる手法にて行う。各抗体濃度での並進拡散時間または蛍光偏光度を算出し、各抗体濃度に対して、これらの値をプロットし、検量線を作成する(以下のフロー1およびフロー2を参照されたい)。
以下、抗体を認識する分子としてプロテインAを用いる場合(フロー1)、抗体に対する抗原を用いる場合(フロー2)の検量線を作成する手順をそれぞれ示す。
検量線作成のフロー
フロー1(プロテインAを用いる場合)
1. 試料として、Alexa647-proteinA(Molecular Probes P-21462)を使用する。
2. ヒト抗体は(カルビオケムCat.No. 400120,Lot No.B50218)を使用する。
3. バッファは、細胞培養で汎用性の高い培養液D-MEMとする。
4. ヒト抗体を0.1〜1mg/mlまで希釈系列を作っておく。
5. Alexa647-proteinAを10nMに調整しヒト抗体溶液と混合する。
6. 24℃にて30分反応させる。
7. 反応液の蛍光を計測する。
8. FCS計測(1試料あたり10秒)を行う。
9. 並進拡散時間を算出する。
10. ヒト抗体濃度を横軸、並進拡散時間を縦軸にとり各ヒト抗体濃度での並進拡散時間データをプロットし検量線を作成する。
11. FIDA-pol計測(1試料あたり1秒)を行う。
12. 蛍光偏光度を算出する。
13.ヒト抗体濃度を横軸、蛍光偏光度を縦軸にとり各ヒト抗体濃度での蛍光偏光度データをプロットする。
フロー2(蛍光標識した検出対象の抗体に対する抗原を用いる場合)
1. Alexa647-抗原(蛍光標識された市販品、もしくは蛍光標識を行なう)を使用する。
2. 抗体は、抗原に対する抗体(市販品でもよい)を使用する。
3. バッファは、細胞培養で汎用性の高い培養液D-MEMとする。
4. 抗体を0.1〜1mg/mlまで希釈系列を作っておく。
5. Alexa647-抗原を10nMに調整しヒト抗体溶液と混合する。
6. 24℃にて30分反応させる。
7. 反応液の蛍光を計測する。
8. FCS計測(1試料あたり10秒)
9. 並進拡散時間を算出する。
10. 抗体濃度を横軸、並進拡散時間を縦軸にとり各抗体濃度での並進拡散時間データをプロットし検量線を作成する。
11. FIDA-pol計測(1試料あたり1秒)する。
12. 蛍光偏光度を算出する。
13. ヒト抗体濃度を横軸、蛍光偏光度を縦軸にとり各ヒト抗体濃度での蛍光偏光度データをプロットする。
図1および図2は、実際に、ヒト抗体の濃度希釈系列を作製し、Alexa647標識プロテインAと反応させて、励起光を照射したときの蛍光を測定し、FCS計測およびFIDA-pol計測を行なって、得られたデータをプロットして作成した検量線である。
試料は、Alexa647-proteinA(Molecular Probes P-21462)、ヒト抗体は(カルビオケムCat.No. 400120,Lot No.B50218)、バッファは細胞培養で汎用性の高い培養液D-MEMを用いた。ヒト抗体を0.1〜1mg/mlまで希釈系列を作っておく。Alexa647-proteinAを10nMに調整しヒト抗体溶液と混合し、24℃にて30分反応させた。
次に、抗体を定量するための手順を示す。培養上清を分注して用いる場合(フロー3)、培養プレートをそのまま用いる場合(フロー4)をそれぞれ示す。培養上清を分注して用いる場合のフローは血清や腹水内に含まれる抗体の定量にも用いることができる。
抗体の定量フロー プロテインAを用いる場合
フロー3(培養上清を分注して用いる場合)
1. 細胞培養上清を取り出す(10μl程度)。
2. 蛍光標識プロテインA 10nM(培養液)を10μl混合する。
3. 計測プレート、もしくは反応チューブにて24℃ 30分反応させる。
4. 反応液の蛍光を計測する。
5. 計測を行う。
FCS計測(10秒)
並進拡散時間を算出
FIDA-pol計測(1秒)
蛍光偏光度を算出
6. 計測データを検量線にプロットする。
7. 検量線から抗体濃度を参照する。参照法は、図3,4に記載。
8. 計測データが検量線の範囲の低濃度、もしくは高濃度の場合は、以下の処置を行う。
高濃度の場合培養上清を培養液にて希釈する。
低濃度の場合、スピンカラム(たとえばmillipore microcon)にて濃縮する。たとえば、1000gを20分程度で遠心処理を行い上清を回収する。
フロー4(培養プレートをそのまま用いる場合)
1. ガラスボトムプレートを用いて細胞培養を行なう。
2. 培養プレートに滅菌した蛍光標識プロテインAの濃度が、最終的に5nMとなるように添加する。
3. 細胞に負担をかけないように37℃30分CO2インキュベータで反応させる。
4. 培養プレートから直接蛍光を計測する。
FCS計測(10秒)
並進拡散時間を算出
FIDA-pol計測(1秒)
蛍光偏光度を算出
5. 計測データを検量線にプロットする。
6. 検量線から抗体濃度を参照する。参照法は、図3,4に記載。
図3および図4は、実際に、図1および図2の検量線を参照して抗体濃度を測定した場合の例を示す。FCS計測(図3)では、Alexa647プロテインAの並進拡散時間、FIDA-pol計測(図4)では、Alexa647プロテインAの蛍光偏光度を、各ヒト抗体濃度ごとにプロットした。
計測時間は、通常1試料あたりFCSで15秒、FIDA-pol計測は1秒であることが多い。これをもとに、未知の濃度の抗体溶液についての計測データを 検量線をもとに抗体濃度の参照を行い、試料の抗体濃度を決定する。
ガラスボトムプレートを使用して細胞を培養した培養上清中の抗体を定量した。抗体の定量には、ガラスボトムプレートをそのまま使用した。ガラスボトムプレート内の培養上清へ蛍光標識プロテインAを1nMとなるように添加し、37℃で30分間反応させた。この試料をに励起光を照射し、蛍光を測定し、次いでFCS計測およびFIDA-pol計測を行なった。使用した光源は、633nm He-Neレーザである。得られた解析結果から、FCSの場合は並進拡散時間を、FIDA-polの場合は蛍光偏光度を算出した。その結果に基づいて図1および図2の検量線を参照し、抗体の濃度を調べた。
本実施例では、蛍光標識プロテインAを用いた抗体の定量を行なっているが、本方法をに使用するために適した蛍光標識は、Alexa647やTAMRAなどであってもよい。これらを使用する際には、該蛍光標識で標識された抗原と、該抗原に対する抗体を使用して新たに検量線を作成する。この場合は、蛍光標識抗原を最終濃度1nM程度となるように細胞培養上清中に添加し、24℃もしくは37℃にて30分抗体と反応させて、本発明の方法に従って並進拡散時間または蛍光偏光度を算出することにより、検量線を作製することができる。
この手法での抗体の定量は、1試料あたりの計測時間が1〜10秒と短く、また固相化や色素を用いた標識なども必要としない、反応過程でも洗浄など特別な工程を含まない。また、培養シャーレに直接試薬を添加するだけで計測可能であるので、培養上清の分注なども不要であり、計測後そのまま培養を続けることができる。また、必要な蛍光標識分子は96ウェル培養シャーレで1試料あたり1nM程度の濃度のものを10μl程度でよく、低価格で計測ができる。
FCS計測による抗体濃度決定のための検量線。 FIDA-pol計測による抗体濃度決定のための検量線。 FCS計測による検量線を使用したサンプルの抗体濃度決定の結果を示すグラフ。 FIDA-pol計測による検量線を使用した抗体濃度決定の結果を示すグラフ。

Claims (8)

  1. 抗体または抗原の測定方法であって、
    抗体または抗原と反応する物質を、抗体または抗原を含有する溶液と混合する工程と、
    前記混合液に励起光を照射する工程と、
    前記励起光の照射によって発生する蛍光のゆらぎを検出する工程と、
    前記検出された蛍光のゆらぎに基づいて、前記抗体または抗原の存在を検出する工程と、
    を有することを特徴とする抗体または抗原の測定方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記抗体または抗原の存在を検出する工程の後、さらに検量線から前記抗体または抗原の濃度を算出する工程を含む方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法であって、
    前記抗体または抗原を含有する溶液は、細胞培養液であり、
    前記蛍光標識からの蛍光のゆらぎを検出は、前記細胞培養液中の蛍光のゆらぎの検出であること、
    を特徴とする抗体または抗原の測定方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、前記抗体と反応する物質は、タンパク質であることを特徴とする抗体または抗原の測定方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、前記抗体と反応するタンパク質は、抗体末端結合タンパク質であることを特徴とする抗体の測定方法。
  6. 請求項4または5に記載の方法であって、前記抗体または抗原と反応するタンパク質は、蛍光標識がなされていることを特徴とする抗体または抗原の測定方法。
  7. 請求項6に記載の方法であって、前記蛍光標識の検出波長は、540nm以上であることを特徴とする抗体または抗原の測定方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法であって、前記抗体または抗原の存在を検出する工程は、前記検出された蛍光を蛍光強度分布解析を使用して分子の回転拡散時間、分子の数、もしくは一分子あたりの蛍光強度を測定することによって、または自己相関関数解析を使用して分子の並進拡散時間を測定することによって行われることを特徴とする抗体または抗原の測定方法。
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