WO2013105612A1 - 血中の目的細胞の定量方法および該細胞を定量するシステムの評価方法 - Google Patents

血中の目的細胞の定量方法および該細胞を定量するシステムの評価方法 Download PDF

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Abstract

 本発明は、血液由来検体に含有されている可能性のある目的細胞を血液由来検体から分離し定量する際に、採血した直後から分離するまでの間の工程で目的細胞をロスしたため細胞数を少なく定量したり、目的細胞を検出する機器の調整が正確でないため細胞数を誤って定量したりすることなく正確に定量することを可能とする、目的細胞の定量方法を提供することを目的とする。本発明の定量方法は、血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する当該目的細胞の定量方法であって、(A)血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する樹脂粒子Pを既知数個(P0個)含有させた血液由来検体を、密度勾配遠心法により、赤血球の層と赤血球以外の層との少なくとも二層に分離する工程;(B)赤血球以外の層を抽出し、該目的細胞の数および該樹脂粒子の数(P1個)を計測する工程;(C)該目的細胞の数にP0/P1を乗じることによって、該目的細胞の数を校正する工程を含むことを特徴とする。

Description

血中の目的細胞の定量方法および該細胞を定量するシステムの評価方法
 本発明は、血液由来検体に含有されている可能性のある血中循環癌細胞〔CTC〕等の目的細胞を定量する方法および該目的細胞を定量するシステムの信憑性を評価する方法ならびにこれら定量方法と評価方法のそれぞれに用いるキットに関する。
 血中循環癌細胞〔CTC〕,循環幹細胞,循環内皮細胞など(まとめて以下「希少細胞」ともいう。)は、病態に応じて全血中に極めて稀に存在する細胞である。これら希少細胞の検出は臨床的に有用であることは自明であるが、全血サンプルからすべての希少細胞を検出することは未だに困難である。
 近年、様々な細胞分離手法を応用して希少細胞の検出が試みられ、製品化されているが、いずれにおいても対象の希少性が故、検出結果の有効性(希少細胞のロスや不要細胞の混入の有無)や保証手段が重要であると考えられている。
 一方、光学検出機器の検出速度向上に伴い、希少細胞を白血球とともに、密度勾配遠心法などのような比重分離法により分離後、すべての細胞を検出する手法が提案されている(図2)。これは、フィコール(GEヘルスケア・ジャパン(株)の登録商標)等特定の比重を有する重合体の溶液(すなわち分離媒体)を使用し、分離媒体を境にして赤血球群を下層に、希少細胞と白血球群とを上層に分離し、抽出された希少細胞と白血球とを光学検出機器によりスキャンすることによって、その中に含まれている希少細胞を同定する手法である。
 しかしながら、フィコールなどを含む分離媒体は周囲の環境(例えば温度)に依存して密度にばらつきを生じ、期待通りの分離がなされず検出結果の信頼性を損なう場合がある。また、分離以外の工程において、ロスに起因する希少細胞数の過小評価や、検出機器の経時劣化による調整のズレ等を見落とし、希少細胞数測定の誤差によって信頼性が低下する虞がある。
 そこで、特許文献1に記載の安定化細胞を、希少細胞を単離および同定する方法における内部対照として用いることが考えられている。この安定化細胞は、希少細胞をCTCとする場合、安定化細胞は、例えば乳癌細胞系SKBR-3を蛍光標識後パラホルムアルデヒド等により固定化することによって製造することができる。
 しかしながら、内部対照用の安定化細胞は、生細胞に特殊な処理を施すことから、希少細胞の比重分布とのズレが大きくなり、想定したとおりに分離することができない場合がある。
特表2004-534210号公報
 本発明は、血液由来検体に含有されている可能性のある血中循環癌細胞〔CTC〕等の目的細胞を血液由来検体から分離し定量する際に、採血した直後から分離するまでの間の工程で目的細胞をロスしたため細胞数を少なく定量したり、あるいは、目的細胞を検出する機器の調整が正確でないため細胞数を誤って定量したりすることなく、正確に定量することを可能とする、目的細胞の定量方法および定量するシステムの評価方法を提供することを目的とする。
 本発明者らは、特定の比重を有する分離液(例えば比重1.077のフィコール)を用いた密度勾配遠心法により、血液由来検体から、含有されている可能性のある目的細胞(例えばCTC)を分離する際に、例えば比重1.050のポリスチレン製ビーズなどの樹脂粒子の既知数を血液由来検体に予め含有させておくと、該樹脂粒子がCTC数を定量する内部対照としてほぼ正確に作用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
 すなわち、本発明の定量方法は、血液由来検体に含有されている可能性のある、血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する目的細胞を定量する方法であって、下記(A)~(C)の工程を含むことを特徴とする。
 (A) 血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する樹脂粒子Pを既知数個(P0個)含有させた血液由来検体を、密度勾配遠心法により、赤血球が多く含まれる層と赤血球以外の細胞が多く含まれる層との少なくとも二層に分離する工程;
 (B) 赤血球以外の細胞が多く含まれる層を抽出し、該層に含まれる該目的細胞の数および該樹脂粒子の数(P1個)を計測する工程;ならびに
 (C) 該目的細胞の数にP0/P1を乗じることによって、該目的細胞の数を校正する工程。
 上記樹脂粒子Pは、水不溶性の樹脂から形成され、且つ、光学的に検出可能な色素Daによって標識されていることが好ましい。また上記樹脂粒子Pは、好ましくは1.040以上1.085以下、より好ましくは1.040以上1.077以下の比重を有する。
 上記目的細胞は、血中循環腫瘍細胞〔CTC〕,循環幹細胞および循環内皮細胞からなる群から選択される少なくとも一種の希少細胞であることが好ましい。
 また、本発明の評価方法は、血液由来検体に含有されている可能性のある、血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する目的細胞を定量するシステムの信憑性を評価する方法であって、下記(a)~(d)の工程を含むことを特徴とする。
 (a) 血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する樹脂粒子Pを既知数個(P0個)とともに、1.090以上1.120以下の比重を有する樹脂粒子Nを既知数個(N0個)含有させた血液由来検体を、密度勾配遠心法により、赤血球が多く含まれる層と赤血球以外の細胞が多く含まれる層との少なくとも二層に分離する工程;
 (b) 赤血球以外の細胞が多く含まれる層を抽出し、該層に含まれる該樹脂粒子Pの数(P1個)と該樹脂粒子Nの数(N1個)とを計測する工程;
 (c) (P1/P0)×100を算出して、所定の基準値と比較し、該システム全体がどの程度機能しているかを評価する工程;ならびに
 (d) N1/P1を算出して、所定の基準値と比較し、該密度勾配遠心法によりどの程度層が分離しているかを評価する工程。
 このような本発明の評価方法において、上記樹脂粒子Pおよび上記目的細胞は、上記本発明の定量方法における樹脂粒子Pおよび目的細胞とそれぞれ同じものを用いることができる。
 上記樹脂粒子Nは、水不溶性の樹脂から形成され、且つ、光学的に検出可能な色素Daとは発光波長の異なる光学的に検出可能な色素Dbによって標識されていることが好ましい。
 また、本発明の評価方法は、
 (e) P1個の該樹脂粒子PまたはN1個の該樹脂粒子Nに由来する発光シグナルを測定し、発光シグナル検出機器を校正する工程
をさらに含んでいることが好ましい。
 また、本発明のキットとして、
 上記樹脂粒子Pを既知数個有することを特徴とし、本発明の定量方法に用いるためのキット、および、
 上記樹脂粒子Pと上記樹脂粒子Nとをそれぞれ既知数個ずつ有することを特徴とし、本発明の評価方法に用いるためのキット
が挙げられる。
 本発明によれば、臨床検査等における各工程(特に密度勾配遠心分離工程)のエラーを検知することができ、目的細胞のロスを校正することができる。
図1は、密度勾配遠心法を適用する前後における血液由来検体の模式図を示す。
 以下、本発明の定量方法,評価方法およびキットについて具体的に説明する。
                <定量方法>
 本発明の定量方法は、血液由来検体に含有されている可能性のある、血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する目的細胞を定量する方法であって、下記(A)~(C)の工程を含むことを特徴とする。
 (A) 血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する樹脂粒子Pを既知数個(P0個)含有させた血液由来検体を、密度勾配遠心法により、赤血球が多く含まれる層と赤血球以外の細胞が多く含まれる層との少なくとも二層に分離する工程;
 (B) 赤血球以外の細胞が多く含まれる層を抽出し、該層に含まれる該目的細胞の数および該樹脂粒子の数(P1個)を計測する工程;ならびに
 (C) 該目的細胞の数にP0/P1を乗じることによって、該目的細胞の数を校正する工程。
 ここで、本発明に係る定量方法において「目的細胞」とは、本発明に係る定量方法によって定量されるべき対象となる細胞を指す。
 図1を用いて、本発明の定量方法をさらに詳細に説明する。
 〔工程(A)〕
 工程(A)は、血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する樹脂粒子Pを既知数個(P0個)含有させた血液由来検体を、密度勾配遠心法により、赤血球が多く含まれる層と赤血球以外の細胞が多く含まれる層との少なくとも二層に分離する工程である。ここで、本発明において、樹脂粒子Pは、後記「樹脂粒子P」の項で後述するように、目的細胞の内部標準として機能する。
 図1を用いて説明すると、血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する樹脂粒子P(3)をP0個(例えば、図1中では10個)含有させた血液由来検体(2)に対して、比重液(1)を用いて密度勾配遠心法を実施すると、比重液(1)の層を境にして、最も比重の大きい細胞の一つである赤血球が多く含まれる層(4)と、赤血球以外の細胞が多く含まれる層(5)とに分離される。ここで、「赤血球以外の細胞」として、例えば、血小板や白血球、CTC等の目的細胞が挙げられる。
 また、本発明で用いられる密度勾配遠心法として、後記「密度勾配遠心法」の項に記載したようなものを用いることができ、また、比重液(1)として、後記「密度勾配遠心法」の項に記載の分離液または分離媒体を用いることができる。
 具体的な手順としては、例えば、図1の左半分に示すように、遠心管に既知の比重を有する比重液(1)をいれ、この比重液(1)の上に、血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する樹脂粒子P(3)を既知数個(P0個)含有させた血液由来検体(2)を配置し、これに対して遠心分離を行うことにより工程(A)を行うことができる。このような遠心分離により、遠心管の内容物は、図1の右半分に示したように、密度勾配に応じて、赤血球が多く含まれる層(4)と、比重液(1)と、赤血球以外の細胞が多く含まれる層(5)とに分離することになる。
 〔工程(B)〕
 工程(B)は、赤血球以外の細胞が多く含まれる層を抽出し、この層に含まれる目的細胞の数および樹脂粒子Pの数(P1個)を計測する工程である。
 ここで、「赤血球以外の細胞が多く含まれる層」について、目的細胞の数のみならず樹脂粒子Pの数(P1個)をも計測するのは、血液由来検体に加えられた樹脂粒子Pの数(P1個)の数に対する「赤血球以外の細胞が多く含まれる層」に確認された樹脂粒子Pの数(P1個)の数の比率をもとに、血液由来検体に含有されている可能性のある目的細胞の数を推測するためである。
 図1を用いて説明すると、工程(B)では、血液由来検体(2)に含有されている可能性のある目的細胞のうち「赤血球以外の細胞が多く含まれる層(5)」に抽出することができた細胞の数、および「赤血球以外の細胞が多く含まれる層(5)」に抽出することができた樹脂粒子P(3)の数を、従来公知の何らかの手段で計測することによって得ることができ、これにより、該層(5)には該樹脂粒子P(3)がP1個(例えば、図1中では8個)含有されていることがわかる。
 ここで、目的細胞の数および樹脂粒子Pの数(P1個)を計測する具体的な方法は、後記「目的細胞数または樹脂粒子数の計測方法」の項に記載してある。
 〔工程(C)〕
 工程(C)は、工程(B)によって計測された目的細胞の数にP0/P1を乗じることによって、該目的細胞の数を校正する工程である。
 例えば、目的細胞をT0個含む血液由来検体に樹脂粒子PをP0個加えたものに密度勾配遠心法を適用して得られた「赤血球以外の細胞が多く含まれる層(5)」に目的細胞がT1個および樹脂粒子PがP1個それぞれ含まれていることが確認できた場合、本発明によれば、T0に対するT1の割合と、P0に対するP1の割合とが等しい、すなわち、
  T1/T0=P1/P0
の関係を満たすと見なすことができる。そうすると、血液由来検体に含有されていた目的細胞の数T0を、
  T0=T1×(P0/P1)
と算出することができる。
 図1を用いて説明すると、該層(5)に含有される目的細胞の数(例えば8個とする。)に、P0/P1(例えば、図1では10/8となる。)を乗じると8個×10/8=10個となる(工程(C))。この結果から、元の血液由来検体(2)に含有されていた目的細胞の数を10個であると定量でき、この密度勾配遠心法によってロスした目的細胞の数は2個であると予想される。
 すなわち、本発明は、該層(5)に含有される目的細胞数を校正することによって、血液由来検体(2)に含有されていた目的細胞数をより正確に定量することができる。
 ここで、本発明においては、密度勾配遠心法を用いるという原理上、樹脂粒子Pの比重が、目的細胞の比重に近いことが好ましく、目的細胞の比重に等しいことがより好ましい。密度勾配遠心法によれば、血液由来検体中の各成分はその比重に応じて分離されることから、本発明においては、樹脂粒子Pの比重が目的細胞の比重に近ければ近いほど、目的細胞の定量をより正確に行うことが可能となる。また、樹脂粒子Pおよび目的細胞と、赤血球との分離を充分に行うことができるよう、比重液の比重は、樹脂粒子Pおよび目的細胞の比重より大きく、赤血球の比重より小さいことが好ましい。血液由来検体中の各成分および樹脂粒子Pの比重の大きさとして、特に好ましくは、血漿<血小板<白血球および目的細胞=樹脂粒子P<比重液<赤血球、という関係になっている。
 〔血液由来検体〕
 本発明で用いる血液由来検体としては、例えば、血液そのものやその他の体液もしくはこれらを適切な緩衝液等で希釈したもの(すなわち、体液もしくは希釈体液)、または組織由来の細胞や培養細胞等が懸濁した液などが挙げられる。これらのうち、好ましい「血液由来検体」として、血液、および本発明の分野において常用される適当な希釈液、例えば緩衝液など、によって血液を希釈したもの、すなわち、血液および希釈血液が挙げられる。
 本発明において定量されるべき対象となる、血液由来検体に含有されている可能性のある「目的細胞」は、血漿の比重(1.025~1.029)より大きいが赤血球の比重(1.090~1.120)より小さい比重を有する細胞であり、このような「目的細胞」として、血中循環腫瘍細胞〔CTC〕,循環幹細胞および循環内皮細胞からなる群から選択される少なくとも一種の希少細胞が好ましく、特にCTCが好ましい。
 〔樹脂粒子P〕
 本発明で用いる樹脂粒子Pは、目的細胞の内部対照として用いるものであり、血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重、好ましくは1.040以上1.085以下の比重、より好ましくは1.040以上1.077以下の比重を有する。または、望ましくは比重1.040以上、密度勾配遠心法で用いる分離媒体の比重以下を有する。
 樹脂粒子Pは、血液由来検体中で懸濁状態を保持できる程度の大きさ以上、100μm程度の大きさ以下の略球形を有し、具体的には、平均粒子径として約0.2~20μmであることが好ましい。
 樹脂粒子Pは、水不溶性の樹脂から形成され、凝集塊を形成しない性質を有することが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリスチレンやポリメチルメタクリレート,ポリビニルトルエン,ポリアクリレートなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
 さらに、上記工程(B)および後述する評価方法における下記行程(b)において容易に個数を計測できるよう、樹脂粒子Pは、光学的に検出可能な色素Daによって標識されていることが好ましく、このとき用いられる色素Daは、蛍光色素であることがより好ましい。ここで色素Daによる標識は、粒子表面に結合もしくは付着している態様で行われていてもよく、あるいは、粒子内部に練り込まれている態様で行われていてもよい。
 また、樹脂粒子Pとして用いる樹脂の種類によっては、色素Daによる標識化を行うまでもなく、樹脂自身の自家蛍光によって樹脂粒子Pの個数を検出可能な場合がある。このような場合には、色素Daの導入を行わなくてもよい。
 蛍光色素Daとしては、例えば、フルオレセイン系蛍光色素、ローダミン系蛍光色素、シアニン系蛍光色素など特開2010-169519号公報に記載されている各種蛍光色素、キノキサリン系蛍光色素、その他の合成蛍光色素、並びに、生体由来の色素であるポルフィリン系色素やフィコビリン系色素なども挙げられる。ここで、フィコビリン系色素の例として、フィコエリスリン(Phycoerythrin:PE)が挙げられる。
 水不溶性の樹脂または自家蛍光を発する樹脂を用いた樹脂粒子Pの製造は、公知の種々の方法を用いて製造することができる。
 このような樹脂粒子Pとして、Spherotech社製のポリスチレン粒子(比重1.050;平均粒子径20μm)などの市販品も使用することができ、また比重を調整することができれば、特開平4-252957号公報に記載の蛍光微小粒子も使用することができる。
 〔密度勾配遠心法〕
 本発明の密度勾配遠心法は、従来のものを適宜利用することができる。密度勾配遠心法に用いられる分離液または分離媒体としては、例えば、市販のフィコールやパーコール(いずれもGEヘルスケア・ジャパン(株)の登録商標)またはショ糖溶液などが挙げられるが、血液由来検体に含有される赤血球と他の細胞とを分離することができる比重を有し、細胞を破壊することのない浸透圧およびpHに調節できる分離液または分離媒体であれば、本発明はこれらに限定されない。
 また、分離液または分離媒体は、比重の異なる二種以上(例えば、比重1.077と1.119)を併用することができる。このように比重の異なる二種以上の分離液または分離媒体を用いると、「赤血球以外の細胞が多く含まれる層」をさらに分離することができ、目的細胞以外の細胞をさらに排除できるため好ましい。
 〔目的細胞数または樹脂粒子数の計測方法〕
 上記(B)工程において目的細胞数を計測するには、例えば、樹脂粒子Pに標識した光学的に検出可能な色素と異なる発光波長を有する該色素により目的細胞のみを標識し、蛍光顕微鏡下でカウントする方法などが挙げられる。
 目的細胞を標識するために用いうる好適な色素として、上記「樹脂粒子P」の項で各種蛍光色素が挙げられる。本発明においては、樹脂粒子Pの標識に用いる色素または樹脂粒子P自体の蛍光と、目的細胞の標識に用いる色素とでは、発光波長が互いに異なっている限り、励起波長については同じでもよいし、あるいは互いに異なっていてもよい。
 目的細胞を標識する方法としては、従来公知の種々の手法を用いることができ、好適な方法の例として、適当な色素によって標識化された抗体との抗原-抗体反応を利用して標識化する方法が挙げられる。また、別の方法として、目的細胞が、他の細胞にはない特有の官能基を有している場合には、上記色素として、その官能基と結合可能な反応性官能基を有する色素を用い、共有結合や水素結合等の各種化学結合を通じて目的細胞への色素の導入を行ってもよい。
 一方、もし、目的細胞とする細胞がそれ自体で蛍光を発光する場合には、目的細胞に色素による標識を行うことなく、目的細胞それ自体の蛍光に基づいて目的細胞数の計測を行ってもよい。
 目的細胞数の計測方法として、従来公知の種々の方法を用いることができる。そのような方法として、目的細胞などを含む液を平面に広げ、この平面を二次元的にスキャンして目的細胞由来の蛍光を検出し、カウントする方法が好適に挙げられる。このような方法は、蛍光顕微鏡下でカウントする方法などであってもよく、例えば、細胞培養用ディッシュなどの適当な平面に、目的細胞を含む液を広げ、この平面を二次元的にスキャンして、目的細胞由来の蛍光をカウントすることができる。ただ、本発明では、目的細胞数の計測は、蛍光顕微鏡下でカウントする方法によっておこなうものに限られない。例えば、適当な励起光を照射した上記平面に、光電子増倍管などの適当な光電変換素子を二次元的に走査させて、蛍光の強度及び位置に基づいて目的細胞の所在を評価し、これに基づいて目的細胞数の計測を行ってもよい。あるいは、適当な励起光を照射した上記平面を、撮像素子を複数、一列にあるいは二次元的に配列してなる従来公知のイメージセンサを介して撮影して蛍光画像を取得し、この蛍光画像に分布する蛍光の数をカウントすることによって、目的細胞数の計測を行ってもよい。
 なお、後述する本発明の評価方法において、下記(b)の工程で、樹脂粒子Pおよび樹脂粒子Nの数のほかに、目的細胞数も計測する場合においても、以上に記載したものと同様の方法により目的細胞数の計測を行うことができる。この場合、樹脂粒子Pの標識に用いる色素または樹脂粒子P自体の蛍光と、樹脂粒子Nの標識に用いる色素または樹脂粒子N自体の蛍光と、目的細胞の標識に用いる色素とでは、発光波長が互いに異なっている限り、励起波長については同じでもよいし、あるいは互いに異なっていてもよい。
 一方、上記(B)工程において樹脂粒子Pの数を計測する方法、及び、下記(b)の工程において樹脂粒子Pおよび樹脂粒子Nの数をそれぞれ計測する方法として、上記のような二次元的な手法により目的細胞数を計測する方法の他に、例えばフローサイトメトリー法なども挙げられる。
 ここで、目的細胞数の計測、樹脂粒子Pの数の計測、および樹脂粒子Nの数の計測は、同時に行ってもよく、あるいは、別々に行ってもよい。また、これらの計測を行う手段は、全て同一でもよく、あるいは、互いに異なっていてもよい。さらには、目的細胞数の計測、樹脂粒子Pの数の計測、および樹脂粒子Nの数の計測を蛍光に基づいて行う場合、これらの計測を全て同一波長の励起光を用いて行ってもよく、あるいは、互いに異なる波長の励起光を用いて行ってもよい。また、必要により、適当なフィルターを用いて蛍光の波長を分離してもよい。
                <評価方法>
 本発明の評価方法は、血液由来検体に含有されている可能性のある、血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する目的細胞を定量するシステムの信憑性を評価する方法であって、下記(a)~(d)の工程を含むことを特徴とする。
 (a) 血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する樹脂粒子Pを既知数個(P0個)とともに、1.090以上1.120以下の比重を有する樹脂粒子Nを既知数個(N0個)含有させた血液由来検体を、密度勾配遠心法により、赤血球が多く含まれる層と赤血球以外の細胞が多く含まれる層との少なくとも二層に分離する工程;
 (b) 赤血球以外の細胞が多く含まれる層を抽出し、該層に含まれる該樹脂粒子Pの数(P1個)と該樹脂粒子Nの数(N1個)とを計測する工程;
 (c) (P1/P0)×100を算出して、所定の基準値と比較し、該システム全体がどの程度機能しているかを評価する工程;ならびに
 (d) N1/P1を算出して、所定の基準値と比較し、該密度勾配遠心法によりどの程度層が分離しているかを評価する工程。
 ここで、本発明の評価方法は、
 (e) P1個の該樹脂粒子PまたはN1個の該樹脂粒子Nに由来する発光シグナルを測定し、発光シグナル検出機器を校正する工程
をさらに含むことが好ましい。
 なお、本発明に係る評価方法において「目的細胞」とは、本発明の評価方法によって評価されるべき「定量するシステム」によって、定量されるべき対象となる細胞を指す。
 〔樹脂粒子N〕
 本発明で用いる樹脂粒子Nは、赤血球の内部対照として用いるものであり、赤血球と同程度の比重、すなわち1.090以上1.120以下の比重を有する。
 樹脂粒子Nは、好ましくは、光学的に検出可能な色素Daとは発光波長の異なる光学的に検出可能な色素Db、より好ましくは、光学的に検出可能な色素Daとは発光波長の異なる光学的に検出可能な蛍光色素Dbによって標識されている。標識化の態様は上述した樹脂粒子Pと同じである。蛍光色素Dbとして用いうる蛍光色素として、蛍光色素Daとして上記したものと同様の蛍光色素を例示できる。
 樹脂粒子Nは、血液由来検体中で懸濁状態を保持できる程度の大きさ以上、100μm程度の大きさ以下であり、具体的には、平均粒子径として約0.2~20μmであることが好ましい。
 なお、樹脂粒子Nを形成する樹脂の種類および樹脂粒子の製造方法として、上記「樹脂粒子P」の項で上述したものと同様のものが挙げられる。
 このような樹脂粒子Nは、積水化成品工業(株)製の架橋ポリメタクリル酸ブチルの真球状微粒子(BM30X-5;比重1.100;平均粒子径5μm)などの市販品も使用することができ、また比重を1.090以上1.120以下とすることができれば、特開平4-252957号公報に記載の蛍光微小粒子も使用することができる。
 〔工程(a)〕
 工程(a)は、血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する樹脂粒子Pを既知数個(P0個)とともに、1.090以上1.120以下の比重を有する樹脂粒子Nを既知数個(N0個)含有させた血液由来検体を、密度勾配遠心法により、赤血球が多く含まれる層と赤血球以外の細胞が多く含まれる層との少なくとも二層に分離する工程である。
 本発明において、この工程(a)は、密度勾配遠心法を適用する血液由来検体に、血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する樹脂粒子Pを既知数個(P0個)に加えて、さらに、1.090以上1.120以下の比重を有する樹脂粒子Nを既知数個(N0個)加えることを除いては、上記工程(A)と同様の手法により行うことができる。
 〔工程(b)〕
 工程(b)は、赤血球以外の細胞が多く含まれる層を抽出し、該層に含まれる該樹脂粒子Pの数(P1個)と該樹脂粒子Nの数(N1個)とを計測する工程である。
 本発明において、この工程(b)における樹脂粒子Pの数および樹脂粒子Nの数の計測は、いずれも、上記「目的細胞数または樹脂粒子数の計測方法」の項に記載したものと同様の方法により行うことができる。
 ここで、工程(b)においては、目的細胞の数の計測も併せて行ってもよく、このときの目的細胞の数の計測もまた、上記「目的細胞数または樹脂粒子数の計測方法」の項に記載したものと同様の方法により行うことができる。
 〔工程(c)〕
 工程(c)は、(P1/P0)×100を算出して、所定の基準値と比較し、上記システム全体がどの程度機能しているかを評価する工程である。すなわち、工程(c)は、評価対象とするシステムが、血液由来検体に含まれる目的細胞のうち、どれだけ多くの目的細胞を定量のために抽出することができるかを評価する工程であると見ることもできる。例えば、(P1/P0)×100が100%である場合、すなわち、P1=P0の場合、当該システムによって得られる定量結果は、血液由来検体に含まれる目的細胞の量を完全に反映していると判断することができる。
 工程(c)における「所定の基準値」は、システムに応じて適宜設定することができ特に限定されるものではないが、例えば次のように設定することができる。(P1/P0)×100=90~100%である場合、上記システムは充分に機能していると判断し、(P1/P0)×100=80%以上90%未満である場合、上記システムはほぼ問題なく機能していると判断し、(P1/P0)×100=70%以上80%未満である場合、上記システムは何かしらの不備を有すると判断し、(P1/P0)×100=70%未満である場合、上記システムは満足に機能していないと判断する。工程(c)で実際に算出された(P1/P0)が上記のどの範囲にあるかによって、それぞれに記載したように判断することができる。
 〔工程(d)〕
 工程(d)は、N1/P1を算出して、所定の基準値と比較し、密度勾配遠心法によりどの程度層が分離しているかを評価する工程である。
 工程(d)における「所定の基準値」は、システムに応じて適宜設定することができ特に限定されるものではないが、例えば次のように設定することができる。N1/P1=0.005未満である場合、密度勾配遠心法による単離は大きな問題がないと判断し、N1/P1=0.005以上である場合、密度勾配遠心法による単離は何かしらの問題があると判断する。工程(d)で実際に算出されたN1/P1が上記のどの範囲にあるかによって、それぞれに記載したように判断することができる。
 〔工程(e)〕
 本発明において任意に行うことができる工程(e)は、P1個の樹脂粒子PまたはN1個の樹脂粒子Nに由来する発光シグナルを測定し、発光シグナル検出機器を校正する工程である。
 この工程(e)において、樹脂粒子PまたはNの数(P1個またはN1個)はフローサイトメトリー法により計測することができる。ここで、工程(e)における樹脂粒子PまたはNの数の計測は、発光量をも計測可能である限りフローサイトメトリー法に限定されることはなく、可能な場合には、上記「目的細胞数または樹脂粒子数の計測方法」の項に記載したような上記二次元的な手法によって行ってもよい。
 樹脂粒子PまたはN1個に標識されている色素に由来する発光量を予め計測し、この1個当りの発光量と対応する樹脂粒子の数とを乗じた数値と、実際に発光シグナル検出機器が計測した数値とを比較することによって、発光シグナル検出機器を校正する(それらの数値が一致するようにする)ことができる。したがって、本発明の評価方法は、この工程(e)をさらに含むことが好ましい。
                <キット>
 本発明の定量方法に用いるためのキットは、上記樹脂粒子Pを既知数個有することを特徴とし、また本発明の評価方法に用いるためのキットは、上記樹脂粒子Pと上記樹脂粒子Nとをそれぞれ既知数個ずつ有することを特徴とする。
 これらのキットは、上記の樹脂粒子P、または上記樹脂粒子Pおよび上記樹脂粒子N以外に、例えば、本発明の定量方法および評価方法で用いる血液等を希釈するための希釈剤や緩衝液,密度勾配遠心法で用いる分離媒体,目的細胞を蛍光標識するための蛍光色素が結合した抗体、さらには取扱説明書やフローサイトメータおよび蛍光顕微鏡,これら機器を用いて得られた数値を処理するためのコンピュータなども含めることができる。
 次に、本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
 [所定の基準値]
 以下の実施例において、「所定の基準値」を以下のように規定した。
 *工程(c)における(P1/P0)×100:
  90~100%:システムは充分に機能している。
  80%以上90%未満:システムはほぼ問題なく機能している。
  70%以上80%未満:システムは何かしらの不備を有する。
  70%未満:システムは満足に機能していない。
 *工程(d)における(N1/P1):
  0.005未満:密度勾配遠心法による単離は大きな問題がない。
  0.005以上:密度勾配遠心法による単離は何かしらの問題がある。
 [実施例1]
 CTCのモデルとして培養細胞であるMCF7を100個と、フルオレセインイソチオシアネート〔FITC〕により標識された樹脂粒子P(Spherotech社製のFICP-80-2)(比重:1.050)を100個(すなわちP0=100)とを全血2mL中に添加し混合した後、密度勾配遠心法を実施した。具体的には、分離液としてフィコール(比重:1.077)3mLに、当該全血2mLを重層し、400×gで40分間遠心した。
 培養細胞を含む上清約1.2mLを抽出し、細胞培養ディッシュの平面上に展開し、PE標識済み抗体(Anti EpCAM(ベクトンディッキンソン社製))を添加し、培養細胞のみをPEで染色した。
 検出機器によりPEおよびFITCの蛍光シグナルをそれぞれスキャンした結果、PE標識が68個(すなわち、密度勾配遠心分離後の培養細胞数=68)、FITC標識が70個(すなわち、P1=70)検出された。ここで、蛍光シグナルの測定は、具体的には、35mm細胞培養用ディッシュに懸濁液を垂らし、数分静置後蛍光倒立顕微鏡(carl zeiss社 Observer D1)を用いてディッシュ全面に対して蛍光画像撮影を行ないビーズの数を判定することによって行った。
 P0/P1である100/70を、密度勾配遠心分離後の培養細胞数に乗ずると、68×100/70=97と算出された。これは、密度勾配遠心分離する前の全血2mLに含まれる培養細胞の推定数を表し、実際に全血に含まれていた培養細胞数100とほぼ一致するものであった。
 [実施例2]
 CTCのモデルとして実施例1と同様の培養細胞を100個と、FITC標識された樹脂粒子Pを10,000個(すなわちP0=10,000)とを全血2mL中に添加し混合した後、実施例1と同様にして密度勾配遠心法を実施した。
 培養細胞を含む上清約1.2mLを抽出し、さらに400×gで40分間の遠心分離を実施し、1mLまでボリュームダウンし、その1/10量(=100μL)を採取し、細胞培養ディッシュの平面上に展開した。
 実施例1と同様の手法で、検出機器によりFITCの蛍光をスキャンした結果、FITC標識が990個(すなわち、P1×1/10=990)検出された。
 システム全体がどの程度機能しているかを示す指標である(P1/P0)×100は、[(990×10)/10,000]×100=99%と算出された。これは所定の基準値と比較しても有意に高い数値であることから、このシステムは充分に機能していると判断できた。
 [実施例3]
 CTCのモデルとして実施例1と同様の培養細胞を100個と、FITC標識された樹脂粒子Pを10,000個(すなわちP0=10,000)と、赤血球のモデルとしてDMEQ-ヒドラジド標識樹脂粒子N(積水化成品工業(株)製のカルボキシル基が付与されたBM30X-5とDMEQ-ヒドラジド(和光純薬工業(株))とを反応させて作製)(比重:1.10)を10,000個(すなわちN0=10,000)とを全血2mL中に添加し混合した後、実施例1と同様にして密度勾配遠心法を実施した。
 培養細胞を含む上清約1.2mLを抽出し、さらに遠心分離を実施し、1mLまでボリュームダウンし、その1/10量(=100μL)を採取し、細胞培養ディッシュ平面上に展開した。
 実施例1と同様の手法で、検出機器によりFITCとDMEQ-ヒドラジドの蛍光をスキャンした結果、それぞれFITC標識が990個(すなわち、P1×1/10=990)、DMEQが2個(すなわち、N1×1/10=2)検出された。
 密度勾配遠心法によりどの程度層が分離しているかを示す指標であるN1/P1は、(2×10)/(990×10)=0.002と算出された。これは所定の基準値の範囲内であることから、この密度勾配遠心法による単離は大きな問題がないと判断することができた。
 なお、本実施例における(P1/P0)×100は、[(990×10)/10,000]×100=99%と算出できる。
 [比較例1]
 比較例1では、樹脂粒子Pに代えて安定化細胞を内部参照として用いてCTCの定量をおこなった。
 CTCのモデルとして実施例1と同様の培養細胞100個と、内部対照用粒子として特殊な処理(パラホルムアルデヒド処理およびFITC染色)を施した実施例1と同様の培養細胞100個とを全血2mL中に添加し混合した後、実施例1と同様にして密度勾配遠心法を実施した。
 培養細胞を含む上清を抽出し、平面に展開し、培養細胞のみを染色する蛍光色素(Alexa Fluor 647)を添加した。
 検出機器によりAlexa Fluor 647およびFITCの蛍光シグナルをそれぞれスキャンした結果、Alexa Fluor 647標識が69個(すなわち、密度勾配遠心分離後の培養細胞数=69)、FITC標識が20個(すなわち、密度勾配遠心分離後の内部対照用粒子数=20)検出された。
 (密度勾配遠心分離前の内部対照用粒子数)/(密度勾配遠心分離後の内部対照用粒子数)である100/20を、実施例1と同様にして密度勾配遠心分離後の培養細胞数に乗じると、69×100/20=345と算出された。これは、密度勾配遠心分離する前の全血2mLに含まれる培養細胞の推定数を表し、実際に全血に含まれていた培養細胞数100とは大きく異なるものであった。
 1・・・比重液
 2・・・血液由来検体
 3・・・血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する樹脂粒子P
 4・・・赤血球が多く含まれる層
 5・・・赤血球以外の細胞が多く含まれる層

Claims (14)

  1.  血液由来検体に含有されている可能性のある、血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する目的細胞を定量する方法であって、下記(A)~(C)の工程を含むことを特徴とする定量方法:
     (A) 血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する樹脂粒子Pを既知数個(P0個)含有させた血液由来検体を、密度勾配遠心法により、赤血球が多く含まれる層と赤血球以外の細胞が多く含まれる層との少なくとも二層に分離する工程;
     (B) 赤血球以外の細胞が多く含まれる層を抽出し、該層に含まれる該目的細胞の数および該樹脂粒子の数(P1個)を計測する工程;ならびに
     (C) 該目的細胞の数にP0/P1を乗じることによって、該目的細胞の数を校正する工程。
  2.  上記樹脂粒子Pが、水不溶性の樹脂から形成され、且つ、光学的に検出可能な色素Daによって標識されている、請求項1に記載の定量方法。
  3.  上記樹脂粒子Pが、1.040以上1.085以下の比重を有する、請求項1または2に記載の定量方法。
  4.  上記樹脂粒子Pが、1.040以上1.077以下の比重を有する、請求項1または2に記載の定量方法。
  5.  上記目的細胞が、血中循環腫瘍細胞〔CTC〕,循環幹細胞および循環内皮細胞からなる群から選択される少なくとも一種の希少細胞である、請求項1~4のいずれか一項に記載の定量方法。
  6.  血液由来検体に含有されている可能性のある、血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する目的細胞を定量するシステムの信憑性を評価する方法であって、下記(a)~(d)の工程を含むことを特徴とする評価方法:
     (a) 血漿の比重より大きいが赤血球の比重より小さい比重を有する樹脂粒子Pを既知数個(P0個)とともに、1.090以上1.120以下の比重を有する樹脂粒子Nを既知数個(N0個)含有させた血液由来検体を、密度勾配遠心法により、赤血球が多く含まれる層と赤血球以外の細胞が多く含まれる層との少なくとも二層に分離する工程;
     (b) 赤血球以外の細胞が多く含まれる層を抽出し、該層に含まれる該樹脂粒子Pの数(P1個)と該樹脂粒子Nの数(N1個)とを計測する工程;
     (c) (P1/P0)×100を算出して、所定の基準値と比較し、該システム全体がどの程度機能しているかを評価する工程;ならびに、
     (d) N1/P1を算出して、所定の基準値と比較し、該密度勾配遠心法によりどの程度層が分離しているかを評価する工程。
  7.  上記樹脂粒子Pが、水不溶性の樹脂から形成され、光学的に検出可能な色素Daによって標識されている、請求項6に記載の評価方法。
  8.  上記樹脂粒子Pが、1.040以上1.085以下の比重を有する、請求項6または7に記載の評価方法。
  9.  上記樹脂粒子Pが、1.040以上1.077以下の比重を有する、請求項6または7に記載の評価方法。
  10.  該樹脂粒子Nが、水不溶性の樹脂から形成され、且つ、光学的に検出可能な色素Daとは発光波長の異なる光学的に検出可能な色素Dbによって標識されている、請求項6~9のいずれか一項に記載の評価方法。
  11.  上記目的細胞が、血中循環腫瘍細胞〔CTC〕,循環幹細胞および循環内皮細胞からなる群から選択される少なくとも一種の希少細胞である、請求項6~10のいずれか一項に記載の評価方法。
  12.  下記(e) の工程をさらに含むことを特徴とする請求項6~11のいずれか一項に記載の評価方法:
     (e) P1個の該樹脂粒子PまたはN1個の該樹脂粒子Nに由来する発光シグナルを測定し、発光シグナル検出機器を校正する工程。
  13.  上記樹脂粒子Pを既知数個有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の定量方法に用いるためのキット。
  14.  上記樹脂粒子Pと上記樹脂粒子Nとをそれぞれ既知数個ずつ有することを特徴とする、請求項6~12のいずれか一項に記載の評価方法に用いるためのキット。
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