JP5459143B2 - Spfs(表面プラズモン励起増強蛍光分光法)により測定される蛍光シグナルの補正方法およびこれを用いたアッセイ方法、並びにこれらの方法に用いられる構造体および表面プラズモン共鳴センサー - Google Patents
Spfs(表面プラズモン励起増強蛍光分光法)により測定される蛍光シグナルの補正方法およびこれを用いたアッセイ方法、並びにこれらの方法に用いられる構造体および表面プラズモン共鳴センサー Download PDFInfo
- Publication number
- JP5459143B2 JP5459143B2 JP2010181364A JP2010181364A JP5459143B2 JP 5459143 B2 JP5459143 B2 JP 5459143B2 JP 2010181364 A JP2010181364 A JP 2010181364A JP 2010181364 A JP2010181364 A JP 2010181364A JP 5459143 B2 JP5459143 B2 JP 5459143B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- region
- metal thin
- fluorescent
- ligand
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Description
[1]
透明誘電体部材(Tm)上に、金属薄膜(Mm)を介して蛍光色素(Dm)が固定されてなる表面プラズモン共鳴センサーにつき、表面プラズモン蛍光分光法を用いて測定される蛍光色素(Dm)由来の蛍光シグナル(Sm)について、
(k-1) 透明誘電体部材(Ts)と、
該透明誘電体部材(Ts)上に、金属薄膜を介することなく蛍光分子層(Fsp)が形成された領域(P)と、
該透明誘電体部材(Ts)上に、金属薄膜(Msq)を介して、蛍光分子層(Fsq)が形成された領域(Q)と
を含み、
該蛍光分子層(Fsq)および該蛍光分子層(Fsp)がともに同一の蛍光色素(Ds)から構成されており、
該透明誘電体部材(Tm)および該透明誘電体部材(Ts)がともに同一の透明誘電体からなり、
該金属薄膜(Mm)および該金属薄膜(Msq)がともに同一の金属からなる
構造体(X)であって、該金属薄膜(Msq)が該金属薄膜(Mm)と同じ厚さを有する対象構造体(Xt)について、
(i)前記領域(P)に対して、
該透明誘電体部材(Ts)の、該蛍光分子層(Fsp)が存在する面とは反対側の表面から、全反射条件となる入射角で、該蛍光シグナル(Sm)の測定において蛍光分子(Dm)を励起するために用いられる入射光と同一波長の入射光を照射することにより、
該領域(P)で発光した蛍光の量を全反射蛍光シグナル(Sp)として検出する工程と、
(ii)該工程(i)の前に、該工程(i)と同時に、あるいは該工程(i)の後に、前記領域(Q)に対して、
該透明誘電体部材(Ts)の、該蛍光分子層(Fsq)が存在する面とは反対側の表面から、全反射条件となる入射角で該工程(i)の場合と同一波長の入射光を照射することにより、
該領域(Q)で発光した蛍光の量を電場増強蛍光シグナル(Sq)として検出する工程と
(iii)該工程(i)および(ii)を経て得られる該全反射蛍光シグナル(Sp)と該電場増強蛍光シグナル(Sq)を用いて下記式(1)
R = Sq / Sp (1)
に基づき電場増強比Rを算出する工程と、
を経て得られる該電場増強比RであるRtと、
(k-2)該構造体(X)であって、該対象構造体(Xt)以外の構造体である参照構造体(Xr)について、該対象構造体(Xt)の場合と同じ波長の入射光を用いて、上記工程(i)〜(iii)を経て得られる該電場増強比RであるRrと
を用いて、下記式(2)
Sm1 = Sm0 × (Rr / Rt) (2)
に基づき、補正前の蛍光シグナル(Sm)である未補正蛍光シグナル(Sm0)を補正蛍光シグナル(Sm1)に変換する
ことを特徴とする蛍光シグナルの補正方法。
前記対象構造体(Xt)を対象構造体部分として一体化している前記表面プラズモン共鳴センサーにつき測定される前記蛍光シグナル(Sm)についての前記変換が、該対象構造体部分につき前記工程(i)〜(iii)を経て得られる前記電場増強比Rを前記Rtとして用いることに行われる前記[1]に記載の補正方法。
(a)透明誘電体部材(Tm)上に、金属薄膜(Mm)を介して、第1のリガンドを含有する固定化リガンド含有層が形成された領域(Am)を有するプラズモンセンサー構造体において、該領域(Am)に、検体と、第2のリガンドと蛍光分子(Dm)とからなる蛍光修飾リガンドとを接触させることにより、表面プラズモン共鳴センサーを調製する工程と、
(b)該工程(a)の後、該領域(Am)に対して、該透明誘電体部材(Tm)の、該金属薄膜(Mm)とは反対側の表面から入射光を照射し、全反射条件となる入射角で入射光を照射し、これにより、該領域(Am)で発光した蛍光の量を蛍光シグナル(Sm)として検出する工程と、
(c)該工程(b)で検出された蛍光シグナル(Sm)を、補正する工程と、
(d)該工程(c)で補正された蛍光シグナル(Sm)に基づき検体中のアナライト量を評価する工程と
を含み;
該工程(c)における蛍光シグナル(Sm)の補正が、前記[1]に記載の補正方法を用いてなされることを特徴とするアッセイ方法。
前記(k-1)で用いられる対象構造体(Xt)が、
前記透明誘電体部材(Ts)上に、金属薄膜(Msa)を介して、第1のリガンドを含有する固定化リガンド含有層が形成された領域(As)をさらに含み、且つ、該金属薄膜(Msa)および前記金属薄膜(Msq)がともに同一の金属からなり且つ同じ厚さを有する構造体であり、
該領域(As)を前記領域(Am)として用いることにより、前記プラズモンセンサー構造体として供される
上記[3]に記載のアッセイ方法。
前記工程(c)における補正が、
前記対象構造体(Xt)についての上記工程(i)〜(iii)を前記工程(b)の直前、前記工程(b)と同時、および前記工程(b)の直後のいずれかにおいて行うことにより求められる前記Rtを用いて行われる
上記[4]に記載のアッセイ方法。
前記工程(c)における補正が、事前に算出済みの前記Rtを用いて行われる上記[3]または[4]に記載のアッセイ方法。
前記工程(c)における補正が、事前に算出済みの前記Rrを用いて行われる上記[5]または[6]に記載のアッセイ方法。
前記検体が、血液、血清、血漿、尿、鼻孔液および唾液からなる群から選択される少な
くとも1種の体液である上記[3]〜[7]のいずれかに記載のアッセイ方法。
透明誘電体部材(Ts)と、
該透明誘電体部材(Ts)上に、金属薄膜を介することなく蛍光分子層(Fsp)が形成された領域(P)と、
該透明誘電体部材(Ts)上に、金属薄膜(Msq)を介して、蛍光分子層(Fsq)が形成された領域(Q)と、
該透明誘電体部材(Ts)上に、金属薄膜(Msa)を介して、第1のリガンドを含有する固定化リガンド含有層が形成された領域(As)と
を含み、
該蛍光分子層(Fsp)および該蛍光分子層(Fsq)がともに同一の蛍光分子(Ds)から構成され、且つ、
該金属薄膜(Msa)および前記金属薄膜(Msq)がともに同一の金属からなり且つ同じ厚さを有する
構造体。
上記[9]に記載の構造体と、アナライトと、第2のリガンドと蛍光分子(Dm)とからなる蛍光修飾リガンドとを含み、
前記領域(As)内の前記第1のリガンドに、該アナライトを介して該蛍光修飾リガンドが結合している表面プラズモン共鳴センサー。
[補正方法]
本発明に係る蛍光シグナルの補正方法は、
透明誘電体部材(Tm)上に、金属薄膜(Mm)を介して蛍光色素(Dm)が固定されてなる表面プラズモン共鳴センサーにつき、表面プラズモン蛍光分光法を用いて測定される蛍光色素(Dm)由来の蛍光シグナル(Sm)について、
(k-1) 対象構造体(Xt)について、以下の工程(i)〜(iii)を経て得られる電場増強比RであるRtと、
(k-2) 参照構造体(Xr)について、該対象構造体(Xt)の場合と同じ波長の入射光を用いて、以下の工程(i)〜(iii)を経て得られる該電場増強比RであるRrと
を用いて、下記式(2)
Sm1 = Sm0 × (Rr / Rt) (2)
に基づき、補正前の蛍光シグナル(Sm)である未補正蛍光シグナル(Sm0)を補正蛍光シグナル(Sm1)に変換する
ことを特徴とする。
透明誘電体部材(Ts)と、
該透明誘電体部材(Ts)上に、金属薄膜を介することなく蛍光分子層(Fsp)が形成された領域(P)と、
該透明誘電体部材(Ts)上に、金属薄膜(Msq)を介して、蛍光分子層(Fsq)が形成された領域(Q)と
を含み、
該蛍光分子層(Fsq)および該蛍光分子層(Fsp)がともに同一の蛍光色素(Ds)から構成されており、
該透明誘電体部材(Tm)および該透明誘電体部材(Ts)がともに同一の透明誘電体からなり、
該金属薄膜(Mm)および該金属薄膜(Msq)がともに同一の金属からなる
構造体(X)であって、該金属薄膜(Msq)が該金属薄膜(Mm)と同じ厚さを有する構造体である。
対象構造体(Xt)および参照構造体(Xr)となる構造体(X)は、具体的には、図1に示される構造体10のような構造を有している。
(i)領域(P)に対して、
透明誘電体部材(Ts)11の、蛍光分子層(Fsp)13aが存在する面とは反対側の表面から、全反射条件となる入射角で、該蛍光シグナル(Sm)の測定において蛍光分子(Dm)を励起するために用いられる入射光と同一波長の入射光61aを照射することにより、
領域(P)で発光した蛍光の量を全反射蛍光シグナル(Sp)として検出する工程と、
(ii)工程(i)の前に、工程(i)と同時に、あるいは該工程(i)の後に、領域(Q)に対して、
透明誘電体部材(Ts)11の、蛍光分子層(Fsq)13bが存在する面とは反対側の表面から、全反射条件となる入射角で工程(i)の場合と同一波長の入射光61bを照射することにより、
領域(Q)で発光した蛍光の量を電場増強蛍光シグナル(Sq)として検出する工程と
(iii)工程(i)および(ii)を経て得られる全反射蛍光シグナル(Sp)と電場増強蛍光シグナル(Sq)を用いて下記式(1)
R = Sq / Sp (1)
に基づき電場増強比Rを算出する工程と、
を経て得られる。
なお、本発明において、後述する領域(Am),(As)および(Q)のように金属薄膜を有する領域での蛍光検出は表面プラズモン共鳴条件で、後述する領域(P)のように金属薄膜を有さない領域での蛍光検出は全反射減衰条件でそれぞれ行われる。ただ、本発明では、金属薄膜を有する領域での蛍光検出にあたっても、入射光の照射は全反射減衰(ATR)が生じる入射角で行われることから、本明細書では、このような入射角についても「全反射条件となる入射角」という語を用いている。
本発明の補正方法を適用する対象となる表面プラズモン共鳴センサーは、透明誘電体部材(Tm)上に、金属薄膜(Mm)を介して蛍光色素(Dm)が固定されてなる表面プラズモン共鳴センサーであれば、特にその構成を問わず、一般に広く用いられている表面プラズモン共鳴センサーであってもよい。本発明の補正方法の適用対象となる表面プラズモン共鳴センサーにおける蛍光色素(Dm)の固定態様については、特に限定はなく、例えば、蛍光色素(Dm)が抗原−抗体反応を利用して固定化されていてもよいし、互いに相補的な配列を有する核酸における二重鎖形成反応やインターカレーションを利用して固定化されていてもよい。
本発明において、構造体(X)として用いられる構造体は、図2(a)に示すように、
透明誘電体部材(Ts)11と、
該透明誘電体部材(Ts)11上に、金属薄膜を介することなく蛍光分子層(Fsp)13aが形成された領域(P)と、
該透明誘電体部材(Ts)11上に、金属薄膜(Msq)12を介して、蛍光分子層(Fsq)13bが形成された領域(Q)と
を含み、
該蛍光分子層(Fsq)13aおよび該蛍光分子層(Fsp)13bがともに同一の蛍光色素(Ds)から構成されている構造体10である。
なお、以下の記載において、この構造体10は、一般的な意味で用いられる構造体との区別のため「電場増強評価構造体」と称される場合がある。
本発明で用いられる電場増強評価構造体10は、透明誘電体部材(Ts)11上に、金属薄膜を介することなく蛍光分子層(Fsp)13aが形成された領域(P)を有している。ここで、蛍光分子層(Fsp)13aは、蛍光分子(Ds)から構成される層である。この領域(P)は、図1に示される電場増強評価構造体10では左側に描かれている。
本発明で用いられる電場増強評価構造体10は、透明誘電体部材(Ts)11上に、金属薄膜(Msq)12を介して、蛍光分子層(Fsq)13bが形成された領域(Q)をも有している。ここで、蛍光分子層(Fsq)13bは、蛍光分子(Ds)から構成される層である。ここで、蛍光分子層(Fsq)13aおよび蛍光分子層(Fsp)13bは、ともに同一の蛍光分子(Ds)から構成されている。
本発明で用いられる電場増強評価構造体10は、図2(b)に示すように、好適な態様において、透明誘電体部材(Ts)11上に、金属薄膜(Msa)32を介して、第1のリガンド331を含有する固定化リガンド含有層33が形成された領域(As)をさらに含んでいる。この領域(As)は、表面プラズモン共鳴センサーとして用いられる領域であり、この領域(As)を有することにより、電場増強評価構造体10はプラズモンセンサー構造体としての機能を兼ね備えることとなる。言い換えれば、この態様において、電場増強評価構造体10は、透明誘電体部材(Tm)21上に、金属薄膜(Mm)22を介して、第1のリガンド231を含有する固定化リガンド含有層23が形成された領域(Am)を有するプラズモンセンサー構造体20と一体化した構造を有することになり、この領域(As)はこのプラズモンセンサー構造体20における領域(Am)と同等の機能を有するアッセイ測定領域として用いられる。
本発明で用いられる電場増強評価構造体10は、透明誘電体部材(Ts)11表面のうち領域(Q)となる領域および該当する場合には領域(As)となる領域に、金属薄膜(Msq)および金属薄膜(Msa)をそれぞれ形成させた後、領域(P)となる領域および領域(Q)となる領域に、蛍光分子層(Fsp)および(Fsq)をそれぞれ形成することにより作成される。ここで、領域(As)をさらに有する電場増強評価構造体10の場合には、領域(As)となる金属薄膜(Msa)を形成させた領域について、蛍光分子層に代えて固定化リガンド含有層33を形成することにより作成される。
本発明で、電場増強評価構造体10を構成する透明誘電体部材(Ts)11は、電場増強評価構造体10の構造の骨格を構成するとともに、電場増強評価構造体10において、金属薄膜(Msq)12が形成されている面に入射光を導く媒体としても機能する。
なお、後述する金属薄膜(Msq)12を形成する前に、当該透明誘電体部材(Ts)11の表面に対して酸またはプラズマによる洗浄処理を行うことが好ましい。
本発明で用いられる電場増強評価構造体10を構成する金属薄膜(Msq)12、および上記領域(As)が存在する場合にさらに含まれる金属薄膜(Msa)32について、一般的な表面プラズモン共鳴センサーを構成する金属薄膜として一般に用いられるものと同様の金属を用いることができる。その中で、金、銀、アルミニウム、銅、および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなることが好ましく、金からなることがより好ましい。これらの金属については、その合金の形態であってもよく、金属を積層したものであってもよい。このような金属種は、酸化に対して安定であり、かつ表面プラズモンによる電場増強が大きくなることから好適である。
本発明において、「蛍光分子」とは、本発明において、所定の励起光を照射する、または電界効果を利用して励起することによって蛍光を発光する分子を意味し、該「蛍光」は、燐光など各種の発光も含む。
これらの蛍光色素は1種単独で用いてもよく、また2種以上併用してもよい。
本発明で用いられる電場増強評価構造体10を構成する蛍光分子層(Fsp)13aおよび蛍光分子層(Fsq)13bは、上記「蛍光分子」から構成されるものであり、ともに同一の蛍光分子(Ds)からなる。
本発明で用いられる電場増強評価構造体10に領域(As)を形成する場合、図2(b)に示すように、前記金属薄膜(Msa)32上に固定化リガンド含有層33が形成されている。この固定化リガンド含有層33はリガンド331を含んでおり、このリガンド331は、検体に含まれるアナライト42が結合する土台となる。そして、このアナライト42に、後述する蛍光修飾リガンド41が結合することで、この領域(As)が、表面プラズモン共鳴センサーとしての機能を有することになる。
本発明において、電場増強評価構造体10に領域(As)が存在する場合、この電場増強評価構造体10には、必要に応じて、金属薄膜(Msa)による蛍光分子412の金属消光を防止するため、この金属薄膜と固定化リガンド含有層33(あるいは、後述するSAM)の間に誘電体からなるスペーサ層を形成してもよい。
本発明において、電場増強評価構造体10に領域(As)が存在する場合、この電場増強評価構造体10には、必要に応じて、金属薄膜(または上記スペーサ層)と固定化リガンド含有層33の間にSAM(Self-Assembled Monolayer:自己組織化単分子膜)を形成してもよい。
アナライトと特異的に結合し得る分子を「リガンド」と称する。本発明において、この「リガンド」は、本発明の補正方法を適用する対象となる表面プラズモン共鳴センサー50を構成するリガンド231,領域(As)を有する電場増強評価構造体10を構成するリガンド331、および後述する蛍光修飾リガンド41を構成するリガンド411として用いられる。特に、表面プラズモン共鳴センサー50の表面または領域(As)を有する電場増強評価構造体10の表面に固定化された、アナライトをセンサー表面に捕捉するためのリガンド(すなわち、リガンド231およびリガンド331)を「第1のリガンド」(リガンドが抗体であれば「第1の抗体」)、アナライトを標識するために液中に存在する、蛍光色素と結合したリガンド(すなわち、リガンド411)を「第2のリガンド」(リガンドが抗体であれば「第2の抗体」)と称する。なお、第1のリガンドと第2のリガンドのリガンド部分は、同じでもよいし、異なっていてもよい。ただし、第1のリガンドがポリクローナル抗体である場合、第2のリガンドはモノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよいが、第1のリガンドがモノクローナル抗体である場合、第2のリガンドはその第1のリガンドが認識しないエピトープを認識するモノクローナル抗体であるか、またはポリクローナル抗体であることが望ましい。
本発明において、上記領域(As)をさらに含む電場増強評価構造体10は、領域(As)に、検体と、第2のリガンド411と蛍光分子(Dm)412とからなる蛍光修飾リガンド41とを接触させることにより、表面プラズモン共鳴センサーとして使用することができる。図3を参照すると、領域(As)をさらに含む電場増強評価構造体10は、表面プラズモン共鳴センサー51として使用される。
この領域(As)内の前記第1のリガンド331に、該アナライト42を介して該蛍光修飾リガンド41が結合している表面プラズモン共鳴センサーが提供される。
本発明において「アナライト」42は、本発明の補正方法を適用する対象となる表面プラズモン共鳴センサー50を構成する透明誘電体部材(Tm)21表面に固定化された第1のリガンド231、または領域(As)をさらに含む電場増強評価構造体10を構成する透明誘電体部材(Ts)11の表面に固定化された第1のリガンド331を特異的に認識され(または、認識し)結合し得る分子または分子断片を意味する。このような「分子」または「分子断片」として、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などが挙げられ、具体的には、AFP(αフェトプロテイン)等のがん胎児性抗原や腫瘍マーカー、シグナル伝達物質、ホルモンなどであってもよく、特に限定されない。
上記「アナライト」42を含むまたは含んでいる可能性のある、SPFS等に供される物質を「検体」と称す。たとえば、ヒト、ヒト以外のほ乳類(モデル動物、ペット等)、その他の動物から採取される血液(血清・血漿)、尿、鼻孔液、唾液、便、体腔液(髄液、腹水、胸水等)などが検体として挙げられる。分析の際、検体は必要に応じて、純水、生理食塩水、緩衝液、試薬溶液などの各種の溶媒と混合して用いてもよい。このような検体の混合液または検体そのもの、あるいは所定の目的のために調製したアナライトを含有する溶液など、SPFS等によるシグナルを測定するために表面プラズモン共鳴センサーの所定の領域に送液される流体(溶液、懸濁液、ゾル、その他流動性を有する物質を含む。)をいずれも「試料」と総称する。
本発明で用いられる蛍光修飾リガンド41は、第2のリガンド411と蛍光分子(Dm)412からなるものであり、リガンドとして2次抗体を用いる場合、検体中に含有されるアナライト(標的抗原)を認識し結合し得る抗体であることが好ましい。この蛍光修飾リガンド41は、一般的な免疫染色法でも用いられているリガンドと蛍光色素との複合体(コンジュゲート)と同様にして作製することができる。たとえば、リガンドとアビジン(ストレプトアビジン等を含む)との複合体、および蛍光色素とビオチンとの複合体をそれぞれ作製し、これらを反応させることにより、アビジン/ビオチンを介してリガンドに蛍光色素が結合した複合体(1のアビジンに対し最大4のビオチンが結合しうる)が得られる。上述のようなビオチンとアビジンの反応以外にも、蛍光標識法で用いられている一次抗体−二次抗体の反応様式や、カルボキシル基とアミノ基、イソチオシアネートとアミノ基、スルホニルハライドとアミノ基、ヨードアセトアミドおよびチオール基などの反応を用いてもよい。
本発明において、表面プラズモン共鳴センサーについて測定される蛍光シグナル(Sm)の補正は、上記電場増強評価構造体10のうち、金属薄膜(Msq)が、この表面プラズモン共鳴センサーを構成する金属薄膜(Mm)を構成する金属と同一の金属からなるものを構造体(X)として用いることにより行われる。
まず、補正の第1段階として、この構造体(X)のうち、金属薄膜(Msq)が金属薄膜(Mm)と同じ厚さを有するものを対象構造体(Xt)として用い、該対象構造体(Xt)以外の任意の構造体(X)を参照構造体(Xr)として用いた上で、対象構造体(Xt)および参照構造体(Xr)についての電場増強比Rを、対象構造体(Xt)および参照構造体(Xr)の各々について、以下の(i)〜(iii)に示すステップを通じて、それぞれRtおよびRrとして求める。
本発明の補正方法においては、電場増強比Rを算出するための第1のステップとして、領域(P)に対して、透明誘電体部材(Ts)11の、蛍光分子層(Fsp)13aが存在する面とは反対側の表面(図1においては紙面下側にある面を指す。以下、透明誘電体部材(Ts)・(Tm)に対して蛍光分子層(Fsp)・(Fsq)や金属薄膜(Msq)・(Mm)・(Msa)などが存在する側を「上」と称し、これと反対側を「下」と称することがある。)から、全反射条件となる入射角で入射光61aを照射することにより、この領域(P)で発光した蛍光の量を全反射蛍光シグナル(Sp)として検出する工程が行われる。
ここで、蛍光分子層(Fsp)13aを構成する蛍光分子(Ds)を励起するために導入される入射光61aは、本発明の補正方法を適用する対象となる表面プラズモン共鳴センサー50における蛍光シグナル(Sm)の測定において蛍光分子(Dm)を励起するために用いられる入射光61cと同一波長のものである。
本発明の補正方法においては、電場増強比Rを算出するための第2のステップとして、領域(Q)に対して、透明誘電体部材(Ts)11の、蛍光分子層(Fsq)13bが存在する面とは反対側の表面から、全反射条件となる入射角で入射光61bを照射することにより、この領域(Q)で発光した蛍光の量を電場増強蛍光シグナル(Sq)として検出する工程が行われる。
この工程(ii)により、対象構造体(Xt)または参照構造体(Xr)における、金属薄膜による電場増強の影響を受けて増強された全反射蛍光が検出されることから、電場増強蛍光シグナル(Sq)は、対象構造体(Xt)または参照構造体(Xr)における電場増強の度合いを表すリファレンス値となる。
本発明の補正方法においては、電場増強比Rを算出するための第3のステップとして、上記工程(i)および(ii)を経て得られる全反射蛍光シグナル(Sp)と電場増強蛍光シグナル(Sq)を用いて下記式(1)
R = Sq / Sp (1)
に基づき電場増強比Rを算出する工程が行われる。この電場増強比Rは、対象構造体(Xt)または参照構造体(Xr)に形成されている金属薄膜(Msq)による表面プラズモンによって全反射蛍光がそれだけ増光したかを示す値、すなわち、金属薄膜(Msq)による電場増強の度合いを示す値であり、本発明の補正方法では、このRをもって、各対象構造体(Xt)および参照構造体(Xr)に固有の電場増強を評価するのである。すなわち、対象構造体(Xt)について算出される電場増強比RであるRtと、参照構造体(Xr)について算出される電場増強比RであるRrとを求めれば、各対象構造体(Xt)および参照構造体(Xr)に固有の電場増強特性をRtまたはRrの形で対比することができる。
上記工程(i)と上記工程(ii)とを異なる時にて行う場合、全反射蛍光シグナル(Sp)、電場増強蛍光シグナル(Sq)を、単一の光検出部を用いて検出するとともに、これらのシグナルを得るために用いられる各入射光(すなわち、図1における入射光61a,61b)を単一光源を用いて供給することができるので、測定系を簡素化できるとともに、光源および光検出部を構成する装置の性能における個体差によるばらつきを回避できる利点がある。
そして、補正の第2段階として、対象構造体(Xt)と参照構造体(Xr)とについてそれぞれ得られた電場増強比RであるRtとRrとを用いて、下記式(2)
Sm1 = Sm0 × (Rr / Rt) (2)
に基づき、補正前の蛍光シグナル(Sm)である未補正蛍光シグナル(Sm0)を補正蛍光シグナル(Sm1)に変換することにより、蛍光シグナル(Sm)の補正を行う。
本発明の補正方法で用いる光源は、領域(P)での全反射蛍光および領域(Q)での電場増強蛍光を生じさせることができるものであれば、特に制限がないものの、波長分布の単一性および光エネルギーの強さの点で、レーザ光を光源として用いることが好ましい。レーザ光は、光学フィルタを通して、プリズムに入射する直前のエネルギーおよびフォトン量を調節することが望ましい。
「カットフィルタ」は、外光(装置外の照明光)、励起光(励起光の透過成分)、迷光(各所での励起光の散乱成分)、プラズモンの散乱光(励起光を起源とし、プラズモン共鳴センサー表面上の構造体または付着物などの影響で発生する散乱光)、酵素蛍光基質の自家蛍光、などの各種ノイズ光を除去するフィルタであって、例えば、干渉フィルタ、色フィルタなどが挙げられる。
本発明に係るアッセイ方法は、
(a)透明誘電体部材(Tm)上に、金属薄膜(Mm)を介して、第1のリガンドを含有する固定化リガンド含有層が形成された領域(Am)を有するプラズモンセンサー構造体において、該領域(Am)に、検体と、第2のリガンドと蛍光分子(Dm)とからなる蛍光修飾リガンドとを接触させることにより、表面プラズモン共鳴センサーを調製する工程と、
(b)該工程(a)の後、該領域(Am)に対して、該透明誘電体部材(Tm)の、該金属薄膜(Mm)とは反対側の表面から入射光を照射し、全反射条件となる入射角で入射光を照射し、これにより、該領域(Am)で発光した蛍光の量を蛍光シグナル(Sm)として検出する工程と、
(c)該工程(b)で検出された蛍光シグナル(Sm)を、補正する工程と、
(d)該工程(c)で補正された蛍光シグナル(Sm)に基づき検体中のアナライト量を評価する工程と
を含む。
ここで、この工程(c)における蛍光シグナル(Sm)の補正は、上述した補正方法を用いて行われる。
本発明のアッセイ方法において、工程(a)は、透明誘電体部材(Tm)上に、金属薄膜(Mm)を介して、第1のリガンドを含有する固定化リガンド含有層が形成された領域(Am)を有するプラズモンセンサー構造体において、該領域(Am)に、検体と、第2のリガンドと蛍光分子(Dm)とからなる蛍光修飾リガンドとを接触させることにより、表面プラズモン共鳴センサーを調製する工程である。言い換えれば、この工程(a)は、本発明の補正方法を適用する対象となる表面プラズモン共鳴センサーを調製する工程であり、図1においては、表面プラズモン共鳴センサー50を調製する工程である。
工程(a)で用いられるプラズモンセンサー構造体20は、透明誘電体部材(Tm)上に、金属薄膜(Mm)を介して、第1のリガンドを含有する固定化リガンド含有層が形成された領域(Am)を有するプラズモンセンサー構造体である。このようなプラズモンセンサー構造体は、従来公知の方法により調製することができる。
本発明で、プラズモンセンサー構造体20を構成する透明誘電体部材(Tm)21は、プラズモンセンサー構造体20の構造の骨格を構成するとともに、プラズモンセンサー構造体20から調製される表面プラズモン共鳴センサー50において、金属薄膜(Mm)22が形成されている面に入射光61cを導く媒体としても機能する。
なお、後述する金属薄膜(Mm)22を形成する前に、当該透明誘電体部材(Tm)21の表面に対して酸またはプラズマによる洗浄処理を行うことが好ましい。
本発明で、プラズモンセンサー構造体20を構成する金属薄膜(Mm)22について、前述した金属薄膜(Msq)12および金属薄膜(Msa)32と同様、一般的な表面プラズモン共鳴センサーを構成する金属薄膜として一般に用いられるものと同様の金属を用いることができ、その金属種として、前記「金属薄膜(Msq)・(Msa)」の項で挙げた各種金属種および形態のものを用いることができる。
金属薄膜(Mm)22の厚さの絶対値についても、前記「金属薄膜(Msq)・(Msa)」の項に挙げた範囲とすることができる。
本発明で、プラズモンセンサー構造体20を構成する固定化リガンド含有層23は、第1のリガンド231を含んでいる。このような固定化リガンド含有層23は、領域(As)をさらに含む電場増強評価構造体10を構成する固定化リガンド含有層33と同様の構成とすることができ、また、同様の方法により形成される。
本発明で、表面プラズモン共鳴センサー50は、前記プラズモンセンサー構造体20の領域(Am)に、検体と、第2のリガンド411と蛍光分子(Dm)412とからなる蛍光修飾リガンド41とを接触させることにより調製される。
本発明において、「接触」とは、表面プラズモン共鳴センサーのリガンド等が固定化されている面が送液中に浸漬されている状態で、この送液中に含まれる対象物をこの表面プラズモン共鳴センサーと接触させることをいう。ここで、この項および次に示す「流路」の項で言及される「表面プラズモン共鳴センサー」は、図1に示される表面プラズモン共鳴センサー50および図3に示される表面プラズモン共鳴センサー51を包含する概念である。
本発明で用いられる「送液」としては、後述する「検体」を希釈した溶媒または緩衝液と同じものが好ましく、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、トリス緩衝生理食塩水(TBS)などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明において、「流路」とは、微量な薬液の送達を効率的に行うことができ、反応促進を行うために送液速度を変化させたり、循環させたりすることができる直方体または管状のものである。また、この流路の形状として、表面プラズモン共鳴センサーを設置する個所近傍は直方体構造を有することが好ましく、薬液を送達する個所近傍は管状を有することが好ましい。
流路に表面プラズモン共鳴センサーを固定する方法は、流路が一定の形状に保たれ、且つ蛍光測定が妨げられない限り特に限定されない。
本発明で、表面プラズモン共鳴センサーを調製するために用いられる検体として、前記「≪表面プラズモン共鳴センサーとしての使用≫」の項で挙げたものを用いることができる。ここで、この項で言及される「表面プラズモン共鳴センサー」は、図1に示される表面プラズモン共鳴センサー50および図3に示される表面プラズモン共鳴センサー51を包含する概念である。
送液の総量、すなわち流路の容積としては、通常0.0001〜20mL、好ましくは0.01〜1mLである。
送液の流速は、通常1〜2,000μL/min、好ましくは5〜500μL/minである。
本発明で、表面プラズモン共鳴センサーを調製するために用いられる蛍光修飾リガンド41として、前記「≪表面プラズモン共鳴センサーとしての使用≫」の項で挙げたものを用いることができる。ここで、この項で言及される「表面プラズモン共鳴センサー」は、図1に示される表面プラズモン共鳴センサー50および図3に示される表面プラズモン共鳴センサー51を包含する概念である。
蛍光修飾リガンド41の送液中の濃度は、0.001〜10,000μg/mLが好ましく、1〜1,000μg/mLがより好ましい。
送液を循環させる温度、時間および流速は、それぞれ上記検体を含む送液の場合と同様である。
洗浄工程とは、プラズモンセンサー構造体20の表面、および表面プラズモン共鳴センサー50の表面のうち少なくともいずれか一方を洗浄する工程である。この洗浄工程のうち少なくともいずれか一方が工程(a)に含まれることが好ましい。
洗浄液を循環させる時間は、通常0.5〜180分間、好ましくは5〜60分間である。
本発明のアッセイ方法において、工程(b)は、前述の工程(a)の後、該領域(Am)に対して、該透明誘電体部材(Tm)の、該金属薄膜(Mm)とは反対側の表面から入射光を照射し、全反射条件となる入射角で入射光を照射し、これにより、該領域(Am)で発光した蛍光の量を蛍光シグナル(Sm)として検出する工程である。
本発明のアッセイ方法において、工程(c)は、前述の工程(b)で検出された蛍光シグナル(Sm)を、上述した補正方法を用いて補正する工程である。この工程により、SPFS検出部で検出されたばかりの蛍光シグナル(Sm)である未補正蛍光シグナル(Sm0)を補正蛍光シグナル(Sm1)に変換することにより、表面プラズモン共鳴センサーを構成する金属薄膜(すなわち、図1に示す表面プラズモン共鳴センサー50を構成する金属薄膜(Mm)22、または図3に示す表面プラズモン共鳴センサー51を構成する金属薄膜(Msa)32)における電場増強のばらつきを除去することができる。
本発明のアッセイ方法において、工程(d)は、前述の工程(c)で補正された蛍光シグナル(Sm)、すなわち、補正蛍光シグナル(Sm1)に基づき検体中のアナライト量を評価する工程である。具体的には、前記工程(c)で補正された蛍光シグナル(Sm)をもとに、検量線を作成し、作成された検量線に基づいて被測定検体中の標的抗原量もしくは標的抗体量を測定シグナルから算出する工程である。
工程(d)においては、上記工程(b)の前に測定した"ブランク蛍光シグナル"、上記工程(b)での測定により得られた"アッセイ蛍光シグナル"、および何も修飾していない金属基板(本発明では、表面に金属薄膜を形成しただけで、さらなる修飾処理を行っていない透明誘電体基板も含む。)を流路に固定し、超純水を流しながらSPFSを測定して得られたシグナルを"初期ノイズ"としたとき、下記式(3a)で表されるアッセイS/N比を算出することができる:
アッセイS/N比=|Ia/Io|/In (3a)
(上記式(3a)において、Iaはアッセイ蛍光シグナル、Ioはブランク蛍光シグナル、Inは初期ノイズである)。
アッセイS/N比=|Ia|/|Ian| (3b)
(上記式(3b)において、Ianはアッセイノイズシグナル、Iaは上記式(3a)の場合と同様にアッセイ蛍光シグナルである)。
本発明で用いられるアナライト検出装置は、本発明の補正方法に用いられるとともに、上記表面プラズモン共鳴センサーを用いて、本発明のアッセイ方法を実施するためのものである。
抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(1D5、2.5mg/mL、(株)日本医学臨床検査研究所製)を、市販のビオチン化キット((株)同仁化学研究所製)を用いてビオチン化した。手順は、該キットに添付のプロトコールに従った。
アッセイ測定領域(A)、全反射蛍光リファレンス領域(P)および電場増強蛍光リファレンス領域(Q)を形成する基板A,B,C,D,E,Fを以下の要領で作製した。
以上の工程を6枚の基板それぞれについて行うことにより、金属薄膜およびSAMが形成された(反応層は未形成の)基板A,B,C,D,E,Fを作製した。
上記のようにして作製された基板A,B,C,D,E,Fそれぞれについて、下記工程[1]によりセンサチップの構成とした後、下記工程[2]によりアッセイ測定領域(A)を、下記工程[3]により全反射蛍光リファレンス領域(P)を、下記工程[4]により電場増強蛍光リファレンス領域(Q)を作製し、それぞれセンサチップA,B,C,D,E,Fとした。
基板の金属薄膜およびSAMが形成された側の面に、アッセイ測定領域(A)、全反射蛍光リファレンス領域(P)および電場増強蛍光リファレンス領域(Q)を形成するための、それぞれ流路長10mm、幅5mmの3個の穴があいた、厚さ0.5mmのポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートを載せた。さらに、このPDMS製シートの周囲にシリコーンゴム製スペーサを配置した(このシリコーンゴム製スペーサは送液に触れない状態にある。)。このPDMS製シートおよびシリコーンゴム製スペーサの上に、上記領域(A)、(P)および(Q)それぞれの内側に位置するよう、送液導入用の穴(送液導入口)および送液排出用の穴(送液排出口)が形成されたポリメチルメタクリレート(PMMA)製天板を載せた。これらセンサー基板、PDMS製シート、およびPMMA製天板の積層物を外周部で圧着してビスで固定し、センサチップとした。
センサチップの領域(A)の送液導入口および送液排出口に、シリコーンゴム製のチューブおよびペリスタポンプを連結した(以下に記載する各種流体の送液および循環はすべて、同様のチューブおよびペリスタポンプを用いて行った)。
以下の手順により、領域(P)および(Q)の表面に蛍光分子層を形成した。
まず、丸底フラスコに湯浴を付し、酢酸エチル100gを加熱還流し、さらにステアリルメタクリレート20g、メチルメタクリレート50g及び2−アセトアセトキシエチルメタクリレート30g、N,N′−アゾビスイソバレロニトリル0.1gを各々溶解した混合液を2時間かけて滴下し、同温度にて10時間反応させて樹脂R−1の酢酸エチル溶液を得た。この樹脂溶液R−1を1ml計量し、更に蛍光色素Cy5(蛍光色素)モノNHS体を同モルのラウリルアミンと反応させたアミド体(F−1)を20mM/ml含む酢酸エチル溶液を1ml加え撹拌して、蛍光剤塗布液を調製した。
上記のようにして作製されたセンサチップA,B,C,D,E,Fそれぞれについて、下記工程[4]により測定領域(A)におけるシグナル(Sa)の測定を、下記工程[5]により測定領域(P)におけるシグナル(Sp)の測定を、下記工程[6]により領域(Q)におけるシグナル(Sq)の測定を行った。ここで、測定領域(A)におけるシグナル(Sa)および領域(Q)におけるシグナル(Sq)の測定は表面プラズモン共鳴条件下で、領域(P)におけるシグナル(Sp)の測定は全反射減衰(ATR)条件下でそれぞれ行われた。
測定領域(A)に、まず、AFP(2.0mg/mL溶液、Acris Antibodies GmbH社)が10ng/mLとなるようPBSバッファー(pH7.4)で希釈した溶液を、10μL/minにて20分間フローさせた。つづいて、前述のようにして調製した標識抗体:「Alexa Fluor 647」標識抗AFPモノクローナル抗体が2.5μg/mLとなるよう1%BSA−PBSバッファー(pH7.4)で希釈した溶液を、10μL/minにて20分間フローさせた。洗浄工程として、0.005%Tween20を含んだTBS溶液(pH7.4)を10μL/minにて10分間フローさせて、表面プラズモン共鳴センサーとした。その後、PBSバッファー(pH7.4)で流路を満たした状態にして、表面プラズモン共鳴センサーの裏側からプリズムを経由してレーザ光(635nm、40μW)を照射し、センサー表面から発せられる蛍光量をCCDで測定した。この測定値をシグナル(Sa)とした。
領域(P)にPBSバッファー(pH7.4)を送液し、流路をこのバッファーで満たした状態にして、表面プラズモン共鳴センサーの裏側からプリズムを経由してレーザ光(635nm、40μW)を照射し、センサー表面から発せられる蛍光量をCCDで測定した。
この測定値をシグナル(Sp)とした。
領域(Q)にPBSバッファー(pH7.4)を送液し、流路をこのバッファーで満たした状態にして、表面プラズモン共鳴センサーの裏側からプリズムを経由してレーザ光(635nm、40μW)を照射し、センサー表面から発せられる蛍光量をCCDで測定した。
この測定値をシグナル(Sq)とした。
センサチップA,B,C,D,E,Fそれぞれについて、下記のようにして補正されたシグナル(Sa′)を算出した。
R = Sq / Sp (1)
次に、センサチップA,B,C,D,E,Fについて算出した電場増強比Rについて、センサチップAについて算出した電場増強比Rでそれぞれ除算した値である補正係数kを算出した。
11・・・透明誘電体部材(Ts)
12・・・金属薄膜(Msq)
13a・・・蛍光分子層(Fsp)
13b・・・蛍光分子層(Fsq)
20・・・プラズモンセンサー構造体
21・・・透明誘電体部材(Tm)
22・・・金属薄膜(Mm)
32・・・金属薄膜(Msa)
23,33・・・固定化リガンド含有層
231,331・・・リガンド(第1のリガンド)
41・・・蛍光修飾リガンド
411・・・第2のリガンド
412・・・蛍光色素(Dm)
42・・・アナライト
50,51・・・表面プラズモン共鳴センサー
61a,61b,61c・・・入射光
Claims (10)
- 透明誘電体部材(Tm)上に、金属薄膜(Mm)を介して蛍光色素(Dm)が固定されてなる表面プラズモン共鳴センサーにつき、表面プラズモン蛍光分光法を用いて測定される蛍光色素(Dm)由来の蛍光シグナル(Sm)について、
(k-1) 透明誘電体部材(Ts)と、
該透明誘電体部材(Ts)上に、金属薄膜を介することなく蛍光分子層(Fsp)が形成された領域(P)と、
該透明誘電体部材(Ts)上に、金属薄膜(Msq)を介して、蛍光分子層(Fsq)が形成された領域(Q)と
を含み、
該蛍光分子層(Fsq)および該蛍光分子層(Fsp)がともに同一の蛍光色素(Ds)から構成されており、
該透明誘電体部材(Tm)および該透明誘電体部材(Ts)がともに同一の透明誘電体からなり、
該金属薄膜(Mm)および該金属薄膜(Msq)がともに同一の金属からなる
構造体(X)であって、該金属薄膜(Msq)が該金属薄膜(Mm)と同じ厚さを有する対象構造体(Xt)について、
(i)前記領域(P)に対して、
該透明誘電体部材(Ts)の、該蛍光分子層(Fsp)が存在する面とは反対側の表面から、全反射条件となる入射角で、該蛍光シグナル(Sm)の測定において蛍光分子(Dm)を励起するために用いられる入射光と同一波長の入射光を照射することにより、
該領域(P)で発光した蛍光の量を全反射蛍光シグナル(Sp)として検出する工程と、
(ii)該工程(i)の前に、該工程(i)と同時に、あるいは該工程(i)の後に、前記領域(Q)に対して、
該透明誘電体部材(Ts)の、該蛍光分子層(Fsq)が存在する面とは反対側の表面から、全反射条件となる入射角で該工程(i)の場合と同一波長の入射光を照射することにより、
該領域(Q)で発光した蛍光の量を電場増強蛍光シグナル(Sq)として検出する工程と
(iii)該工程(i)および(ii)を経て得られる該全反射蛍光シグナル(Sp)と該電場増強蛍光シグナル(Sq)を用いて下記式(1)
R = Sq / Sp (1)
に基づき電場増強比Rを算出する工程と、
を経て得られる該電場増強比RであるRtと、
(k-2)該構造体(X)であって、該対象構造体(Xt)以外の構造体である参照構造体(Xr)について、該対象構造体(Xt)の場合と同じ波長の入射光を用いて、上記工程(i)〜(iii)を経て得られる該電場増強比RであるRrと
を用いて、下記式(2)
Sm1 = Sm0 × (Rr / Rt) (2)
に基づき、補正前の蛍光シグナル(Sm)である未補正蛍光シグナル(Sm0)を補正蛍光シグナル(Sm1)に変換する
ことを特徴とする蛍光シグナルの補正方法。 - 前記対象構造体(Xt)を対象構造体部分として一体化している前記表面プラズモン共鳴センサーにつき測定される前記蛍光シグナル(Sm)についての前記変換が、該対象構造体部分につき前記工程(i)〜(iii)を経て得られる前記電場増強比Rを前記Rtとして用いることに行われる請求項1に記載の補正方法。
- (a)透明誘電体部材(Tm)上に、金属薄膜(Mm)を介して、第1のリガンドを含有する固定化リガンド含有層が形成された領域(Am)を有するプラズモンセンサー構造体において、該領域(Am)に、検体と、第2のリガンドと蛍光分子(Dm)とからなる蛍光修飾リガンドとを接触させることにより、表面プラズモン共鳴センサーを調製する工程と、
(b)該工程(a)の後、該領域(Am)に対して、該透明誘電体部材(Tm)の、該金属薄膜(Mm)とは反対側の表面から入射光を照射し、全反射条件となる入射角で入射光を照射し、これにより、該領域(Am)で発光した蛍光の量を蛍光シグナル(Sm)として検出する工程と、
(c)該工程(b)で検出された蛍光シグナル(Sm)を、補正する工程と、
(d)該工程(c)で補正された蛍光シグナル(Sm)に基づき検体中のアナライト量を評価する工程と
を含み;
該工程(c)における蛍光シグナル(Sm)の補正が、請求項1に記載の補正方法を用いてなされることを特徴とするアッセイ方法。 - 前記(k-1)で用いられる対象構造体(Xt)が、
前記透明誘電体部材(Ts)上に、金属薄膜(Msa)を介して、第1のリガンドを含有する固定化リガンド含有層が形成された領域(As)をさらに含み、且つ、該金属薄膜(Msa)および前記金属薄膜(Msq)がともに同一の金属からなり且つ同じ厚さを有する構造体であり、
該領域(As)を前記領域(Am)として用いることにより、前記プラズモンセンサー構造体として供される
請求項3に記載のアッセイ方法。 - 前記工程(c)における補正が、
前記対象構造体(Xt)についての上記工程(i)〜(iii)を前記工程(b)の直前、前記工程(b)と同時、および前記工程(b)の直後のいずれかにおいて行うことにより求められる前記Rtを用いて行われる
請求項4に記載のアッセイ方法。 - 前記工程(c)における補正が、事前に算出済みの前記Rtを用いて行われる請求項3または4に記載のアッセイ方法。
- 前記工程(c)における補正が、事前に算出済みの前記Rrを用いて行われる請求項5または6に記載のアッセイ方法。
- 前記検体が、血液、血清、血漿、尿、鼻孔液および唾液からなる群から選択される少な
くとも1種の体液である請求項3〜7のいずれかに記載のアッセイ方法。 - 透明誘電体部材(Ts)と、
該透明誘電体部材(Ts)上に、金属薄膜を介することなく蛍光分子層(Fsp)が形成された領域(P)と、
該透明誘電体部材(Ts)上に、金属薄膜(Msq)を介して、蛍光分子層(Fsq)が形成された領域(Q)と、
該透明誘電体部材(Ts)上に、金属薄膜(Msa)を介して、第1のリガンドを含有する固定化リガンド含有層が形成された領域(As)と
を含み、
該蛍光分子層(Fsp)および該蛍光分子層(Fsq)がともに同一の蛍光分子(Ds)から構成され、且つ、
該金属薄膜(Msa)および前記金属薄膜(Msq)がともに同一の金属からなり且つ同じ厚さを有する
構造体。 - 請求項9に記載の構造体と、アナライトと、第2のリガンドと蛍光分子(Dm)とからなる蛍光修飾リガンドとを含み、
前記領域(As)内の前記第1のリガンドに、該アナライトを介して該蛍光修飾リガンドが結合している表面プラズモン共鳴センサー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010181364A JP5459143B2 (ja) | 2010-08-13 | 2010-08-13 | Spfs(表面プラズモン励起増強蛍光分光法)により測定される蛍光シグナルの補正方法およびこれを用いたアッセイ方法、並びにこれらの方法に用いられる構造体および表面プラズモン共鳴センサー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010181364A JP5459143B2 (ja) | 2010-08-13 | 2010-08-13 | Spfs(表面プラズモン励起増強蛍光分光法)により測定される蛍光シグナルの補正方法およびこれを用いたアッセイ方法、並びにこれらの方法に用いられる構造体および表面プラズモン共鳴センサー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012042233A JP2012042233A (ja) | 2012-03-01 |
JP5459143B2 true JP5459143B2 (ja) | 2014-04-02 |
Family
ID=45898753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010181364A Expired - Fee Related JP5459143B2 (ja) | 2010-08-13 | 2010-08-13 | Spfs(表面プラズモン励起増強蛍光分光法)により測定される蛍光シグナルの補正方法およびこれを用いたアッセイ方法、並びにこれらの方法に用いられる構造体および表面プラズモン共鳴センサー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5459143B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6286966B2 (ja) * | 2013-09-18 | 2018-03-07 | コニカミノルタ株式会社 | 蛍光標識用樹脂粒子およびその製造方法、並びに、これを含む免疫染色用蛍光標識剤 |
JP2015025820A (ja) * | 2014-11-04 | 2015-02-05 | 株式会社東芝 | 光導波路型測定システムおよび糖化ヘモグロビンの測定方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SE462408B (sv) * | 1988-11-10 | 1990-06-18 | Pharmacia Ab | Optiskt biosensorsystem utnyttjande ytplasmonresonans foer detektering av en specific biomolekyl, saett att kalibrera sensoranordningen samt saett att korrigera foer baslinjedrift i systemet |
JP2007263736A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Fdk Corp | 表面プラズモン共鳴センサを用いた測定システム |
JP5190945B2 (ja) * | 2008-07-14 | 2013-04-24 | 富士フイルム株式会社 | 検出方法、検出装置、検出用試料セルおよび検出用キット |
WO2010084953A1 (ja) * | 2009-01-22 | 2010-07-29 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | プラズモン励起センサおよびそれを用いたアッセイ法 |
-
2010
- 2010-08-13 JP JP2010181364A patent/JP5459143B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012042233A (ja) | 2012-03-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20130034863A1 (en) | Apparatus and Methods for Detecting Inflammation Using Quantum Dots | |
JP5652393B2 (ja) | Spfs−lpfs系による測定方法に供するプラズモン励起センサおよびアッセイ法 | |
JP5428322B2 (ja) | プラズモン励起センサを用いたアッセイ法 | |
JP5720248B2 (ja) | 表面プラズモンおよび蛍光共鳴エネルギー転移を利用した免疫アッセイ | |
WO2011096394A1 (ja) | アナライト検出プローブおよびこれを用いたアナライトの検出方法 | |
JP5772612B2 (ja) | 表面プラズモン励起増強蛍光分光法を利用する蛍光測定装置用センサチップを用いたアッセイ方法、およびアッセイ用キット | |
JP5958339B2 (ja) | 近接場増強蛍光センサチップ | |
US20160282359A1 (en) | Microfabricated qlida biosensors with an embedded heating and mixing element | |
US20230375547A1 (en) | Methods, devices, and related aspects for detecting ebola virus | |
JP2008224561A (ja) | 表面プラズモン増強蛍光センサ | |
WO2010123073A1 (ja) | 刺激応答性ポリマーを有するプラズモン励起センサを用いたアッセイ法 | |
JP2013145138A (ja) | Spfs(表面プラズモン励起増強蛍光分光法)を用いたトロポニンの免疫学的測定法 | |
JP5459143B2 (ja) | Spfs(表面プラズモン励起増強蛍光分光法)により測定される蛍光シグナルの補正方法およびこれを用いたアッセイ方法、並びにこれらの方法に用いられる構造体および表面プラズモン共鳴センサー | |
JP5516198B2 (ja) | プラズモン励起センサチップおよびこれを用いたプラズモン励起センサ、並びにアナライトの検出方法 | |
JP5660035B2 (ja) | 融合タンパク質含有集合体、その製造方法及び該集合体を用いたアッセイ法 | |
JP2013145139A (ja) | Spfs(表面プラズモン励起増強蛍光分光法)を用いたミオグロビンの免疫学的測定法 | |
EP2607888B1 (en) | Spfs sensor equipped with non-specific adsorption type purification mechanism | |
JP7300201B2 (ja) | 蛍光検出用生体分子検査チップ | |
JP5565125B2 (ja) | Spfs(表面プラズモン励起増強蛍光分光法)またはそれを利用した測定方法ならびにそれらの測定方法用の表面プラズモン共鳴センサ | |
JP2011169609A (ja) | プラズモン励起センサを用いたアッセイ法 | |
JP2011127991A (ja) | プラズモン励起センサおよび該センサを用いたアッセイ法 | |
JP2013181889A (ja) | Spfs(表面プラズモン励起増強蛍光分光法)を用いたck−mb(クレアチンキナーゼアイソザイムmb)の免疫学的測定法 | |
JP2013053902A (ja) | 表面プラズモン励起増強蛍光分光法を利用して蛍光量を測定する定量分析方法ならびにそれに用いられる定量分析用キットおよびアナライト解離抑制剤 | |
JP5516197B2 (ja) | プラズモン励起センサおよび該センサを用いたアッセイ法 | |
JP2011232149A (ja) | プラズモン励起センサおよびその製造方法、ならびにアナライトの検出方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130621 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131211 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131217 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131230 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5459143 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |