JP2011169609A - プラズモン励起センサを用いたアッセイ法 - Google Patents

プラズモン励起センサを用いたアッセイ法 Download PDF

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    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/63Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
    • G01N21/64Fluorescence; Phosphorescence
    • G01N21/645Specially adapted constructive features of fluorimeters
    • G01N21/648Specially adapted constructive features of fluorimeters using evanescent coupling or surface plasmon coupling for the excitation of fluorescence

Abstract

【課題】本発明は、プラズモン励起センサ表面上に存在する媒体として水より屈折率の小さい媒体を採用することにより測定装置の小型化を可能とするとともに、さらなる高感度な測定をも可能とする、SPFSに基づくアッセイ法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のアッセイ法は、工程(a):透明誘電体基板と、金属薄膜と、リガント等とからなるプラズモン励起センサに検体を接触させる工程;工程(b):工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、リガンドと蛍光分子とからなるコンジュゲートを反応させる工程;工程(c):工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、屈折率が水より小さい媒体を流しつつ接触させた状態で、前記透明誘電体基板の、前記金属薄膜とは反対側の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された前記蛍光分子から発光された蛍光量を測定する工程;および、工程(d):工程(c)で得られた測定結果から、検体中に含まれるアナライトの量を算出する工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、検体中のアナライトをプラズモン蛍光測定を用いて高感度に検出するとともに、測定系の小型化および低コスト化を可能とするアッセイ法に関する。
表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS)とは、照射したレーザ光が金薄膜表面で全反射減衰(ATR)する条件において、金属薄膜表面に粗密波(表面プラズモン)を発生させることによって、照射したレーザ光が有するフォトン量を数十倍〜数百倍に増やし(表面プラズモンの電場増強効果)、これにより金薄膜近傍の蛍光色素を効率良く励起させることによって、極微量および/または極低濃度のアナライトを検出することができる方法である。
このSPFSに基づくバイオセンサまたはバイオチップについて、高感度化を図ろうとする研究など種々の研究が多くの研究者等により行われてきた。例えば、特開2009−42096号公報(特許文献1)では、プリズム表面に設けられた金属膜と試料保持部と
の間に、表面グラフト重合法により金属膜表面と結合した高分子化合物からなるバリア膜を設けることによって、金属消光が生じない距離に試料を保持するとともに該バリア膜の膜厚を均一なものとし、蛍光検出感度を高める試みがなされている。ここで、この特許文献1に記載の表面プラズモン増強蛍光測定用プリズムでは、環状ポリオレフィンなどの光学用樹脂から形成されるプリズムが基体として用いられており、その表面に金属膜等が形成されている。
しかし、これらの研究において、バイオセンサ等の表面上に存在する媒体として、いずれもバッファー溶液などの水系媒体が用いられている。前記特許文献1において、実施例
では、表面プラズモン増強蛍光測定用プリズムへの抗体等の導入はPBSバッファー溶液の形でなされており、その後の蛍光測定の際に該プリズム表面上に存在する媒体として非水系媒体を用いる旨の記載はない。現在までのところ、このバイオセンサ等の表面上に存在する媒体の屈折率に着目した研究についての報告、特に、水系媒体に代えて、水よりも屈折率の低い溶液または気体を用いたSPFS系によるバイオアッセイについての報告はなされていない。
特開2009−42096号公報
SPFSに基づくバイオアッセイ法においては、測定対象となる蛋白質、核酸、糖鎖などの生体分子を安定且つ自然に存在する状態に保つ目的でバイオセンサ等への検体の導入及び/または固定化をバッファー溶液等の水系溶液中で行うことから、測定時においても、バイオセンサ等の表面上に存在する媒体としてバッファー溶液等の水系溶液が用いられている。ここで、SPFSを用いた測定は、照射したレーザ光が金薄膜表面で全反射減衰(ATR)する条件において行われる。
ここで、全反射減衰が起こるためには全反射が起こることが前提となるから、まず、全反射が生じる入射角について、図2を参照しつつ検討する。
まず、図2(A)に示すように、屈折率nを有する媒質Xを通過する光が、屈折率n'
を有する別の媒質Yに対して入射角θで進入するときの屈折角をθ'とすると、n,n',θ,θ'はスネルの法則に従い、下記式(1)
nsinθ = n'sinθ' (1)
を満たす関係にあることから、sinθ'は、下記式(2)
sinθ' = (n/n') sinθ (2)
の形で求められる。
ここで、媒質Yの屈折率n'が媒質Xの屈折率nより小さい場合には、sinθ'=1、す
なわち、屈折角θ'が90°であるような入射角θが存在し、このときの入射角θを臨界
角θcという。図2(B)に示すように、θ=θcのときには、屈折光が媒体Xと媒体Yとの界面に沿って進行する。この臨界角θcは、具体的には、下記式(3)
sinθc = n'/n (3)
あるいは、下記式(4)
θc = Sin-1(n'/n) (4)
の形で求められる。入射角θがこの臨界角θcより大きくなると、媒質Xを通過する光は
媒質Yに進入することができず、その全てが媒質Xと媒質Yとの界面で反射して再び媒質Xに戻る。このような現象を全反射という。
SPFSなどプラズモン励起に基づく測定方法においては、金属薄膜を有するプリズム(あるいは、金属薄膜を有さないプリズムと金属薄膜を有する透明平面基板とからなる金属薄膜を有するプリズム系)と、その金属薄膜をはさんでそのプリズムの反対側にある媒体とが全反射条件となるような角度で光源の入射が行われる。このとき、上記プリズムおよび媒体は、それぞれ上記媒質XおよびYとしての役割を果たすところ、プリズムの屈折率が高いほど、全反射が起こるために必要な光源の入射角を小さくすることができ、一方、プリズムの屈折率が低いほど、全反射が起こるために必要な光源の入射角が大きくなる。例えば、従来のSPFS系について、屈折率が1.47,1.52,1.72および1.90であるプリズムを用いた場合における臨界角θcを上記式(4)を用いてそれぞれ
概算すると、前記媒体が水系媒体であることからその媒体の屈折率を1.33として、それぞれ65°,61°,51°および44°と算出される。ここで、屈折率1.47のプリズムについての値は、PYREX(登録商標)などのホウケイ酸ガラス(可視光では屈折率1.47〜1.48程度)をプリズムとして用いる場合の値に相当する。一方、屈折率1.52,1.72および1.90のプリズムについての値は、光学ガラスをプリズムとして用いる場合の値に相当する。また、プリズムとして光学用樹脂が用いられている場合についてみると、例えば、特許文献1の実施例に記載の表面プラズモン増強蛍光測定用
プリズムに用いられる屈折率1.50の光学用樹脂製プリズムでは、その臨界角θcは同
様に62°と算出される。ただし、これらの数値は、あくまで臨界角θcであることから
、実際に全反射減衰(ATR)条件を実現させるためには、さらに大きな入射角が必要となる。また、従来のSPFSシステムにおいては、媒体としてバッファー溶液が用いられていることから、そのバッファー溶液中の塩類によりその媒体の屈折率が上記試算に用いた値より大きくなる場合があり、それに伴いさらに大きな入射角が必要となる場合もある。しかし、実際のSPFSシステムにおいては、90°に近い入射角をもって光源からの光をプリズムに導入することは困難であり、例えば、入射角が80°以上の場合には、流路上への入射光の形状が歪むため、SPRを正確に測定することができず、また、SPFSにおいても、測定エリアに対しての照射密度が落ちるため感度が低下するという問題点がある。これらの点を考慮すると、従来のSPFSシステムにおいては、ホウケイ酸ガラスなどの低屈折率材料をプリズムとして用いることは実際上困難であり、そのため、高屈折率の光学ガラスまたは光学用樹脂をプリズムとして用いる必要がある。
一方、SPFS装置の小型化を図るためには、光源の設置位置及びプリズムへの導光機
構を考慮すると、光源の入射角を小さくすることが好ましいが、従来のSPFSシステムにおいて光源の入射角を小さくするためには、より屈折率の高い光学ガラスをプリズムとして用いる必要がある。しかし、そのような屈折率の高い光学ガラスは一般に高価であることから、それに伴い、従来のSPFSシステムにはコストが上昇するという問題点もある。実際、従来のSPFSシステムにおいては、コストの面から、表面に直接金属薄膜を形成させたプリズムではなく、金属薄膜を有さないプリズムと、表面に金属薄膜を形成させた透明平面基板とを組み合わせたプリズム系が、金属薄膜を有するプリズムとして用いられている。
また、SPFS装置のさらなる小型化を行おうとすると、レーザ光を導光するための複雑なミラー機構などを導入する必要がさらに生じ、SPFSシステムが複雑になる問題点もある。
本発明は、従来のSPFSシステムにおけるこのような問題点を克服するため、プラズモン励起センサ表面上に存在する媒体として水より屈折率の小さい媒体を採用することにより測定装置の小型化を可能とするとともに、さらなる高感度な測定をも可能とする、SPFSに基づくアッセイ法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究した結果、表面プラズモン励起増強蛍光分光法を用いてアナライトの検出を行うに当たり、プラズモン励起センサの金属薄膜表面上に存在する媒体として、水系媒体の代わりに水より屈折率の小さい媒体を用いると、光源の入射角を小さくすることができるとともに高い電場増強効果を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のアッセイ法は、
工程(a):透明誘電体基板と、該基板の表面に形成された金属薄膜と、該金属薄膜の、該基板とは反対側の表面に形成された自己組織化単分子膜(以下「SAM」と称す。)と、該SAMの、該金属薄膜とは反対側の表面に固定化された第1のリガンドとからなるプラズモン励起センサに検体を接触させる工程;
工程(b):前記工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、第2のリガンドと蛍光分子とからなるコンジュゲートを接触させ、これらを反応させる工程;
工程(c):前記工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、屈折率が水より小さい媒体を流しつつ接触させ、該状態で、前記透明誘電体基板の、前記金属薄膜とは反対側の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された前記蛍光分子から発光された蛍光量を測定する工程;および、
工程(d):前記工程(c)で得られた測定結果から、前記検体中に含まれるアナライトの量を算出する工程
を含む。
本発明に係るアッセイ法において、波長633nmの光に対する前記媒体の屈折率が1〜1
.33であることが望ましい。また、このような媒体は、具体的には、空気またはメタノールであることが望ましい。
また、本発明に係るアッセイ法において、前記工程(a)に記載のプラズモン励起センサにおいて、誘電体からなるスペーサ層が前記金属薄膜と前記SAMとの間に配置されていることが望ましく、この誘電体が、二酸化ケイ素(SiO2)または二酸化チタン(T
iO2)を含むことが特に望ましい。
また、本発明に係るアッセイ法の対象となる典型的な検体は、血液、血清、血漿、尿、
鼻孔液および唾液からなる群から選択される少なくとも1種の体液である。
本発明は、プラズモン励起センサの金属薄膜表面上に存在する媒体として、水より屈折率の小さい媒体を用いることによって光源の入射角を小さくすることができ、これによって、測定装置の小型化を可能とするとともに、得られる高い電場増強効果による高感度化をも可能とするアッセイ法を提供することができる。また、屈折率の低い基板を用いることができるので、より多種多様な基板をプラズモン励起センサに用いることができ、コストの低減をも図ることができる。
本願発明に係るアッセイ法の模式図を示す。 屈折についての説明図を示す。 SPFSモデルによるシミュレーションから試算された、金属表面に存在する媒体の屈折率と電場増強効果との関係を示す。
以下、本発明について、図1を参照しながら具体的に説明する。
〔アッセイ法〕
本発明の第1の態様は、
工程(a):透明誘電体基板11と、該基板11の表面に形成された金属薄膜12と、該金属薄膜12の、該基板11とは反対側の表面に形成された自己組織化単分子膜(以下「SAM」と称す。)13と、該SAM13の、該金属薄膜12とは反対側の表面に固定化された第1のリガンド21とからなるプラズモン励起センサに検体を接触させる工程;
工程(b):前記工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、第2のリガンド23と蛍光分子24とからなるコンジュゲートを接触させ、これらを反応させる工程;
工程(c):前記工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、屈折率が水より小さい媒体を流しつつ接触させ、該状態で、前記透明誘電体基板11の、前記金属薄膜12とは反対側の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された前記蛍光分子24から発光された蛍光量を測定する工程;および、
工程(d):前記工程(c)で得られた測定結果から、前記検体中に含まれるアナライト22の量を算出する工程
を含むことを特徴とするアッセイ法である。
すなわち、本発明においては、図1における媒体31として、屈折率が水より小さい媒体が用いられることを最大の特徴とする。
<工程(a)>
本発明のアッセイ法において、工程(a)は、透明誘電体基板11と、該基板11の表面に形成された金属薄膜12と、該金属薄膜12の、該基板11とは反対側の表面に形成された自己組織化単分子膜(以下「SAM」と称す。)13と、該SAM13の、該金属薄膜12とは反対側の表面に固定化された第1のリガンド21とからなるプラズモン励起センサに検体を接触させる工程である。
本発明の1態様において、金属薄膜12とSAM13との間に、誘電体からなるスペーサ層を設けることが望ましい。
透明誘電体基板
本発明において、プラズモン励起センサの構造を支持する基板として透明誘電体基板1
1が用いられる。本発明において、平面基板として透明誘電体基板11を用いるのは、後述する金属薄膜12への光照射をこの平面基板を通じて行うからである。
本発明で用いられる透明誘電体基板11について、本発明の目的が達せられる限り、材質に特に制限はない。例えば、この透明誘電体基板11が、ガラス製であっても、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)などのプラスチック製であってもよい。
本発明で用いられる透明誘電体基板11は、金属薄膜12を形成するための表面として、少なくとも金属薄膜形成用平面を有する。このような透明誘電体基板11の例として、透明平面基板が挙げられる。本発明では、透明誘電体基板として透明平面基板を用いて作成されるプラズモン励起センサは、金属薄膜形成用平面とは反対側の平面を、後述するプリズムと密着させた態様で用いられる。この透明平面基板において、厚さが好ましくは0.01〜10mm、より好ましくは0.5〜5mmであれば、大きさ(縦×横)は特に限定されない。
また、透明誘電体基板11は、金属薄膜形成用平面のほかにプリズム部など他の構成要素をさらに含んでいてもよく、例えば、金属薄膜形成用平面およびプリズム部を含むプリズム一体化基板であってもよい。ここで、このプリズム一体化基板において、金属薄膜形成用平面は、プリズム部における光反射面に位置する。本発明で透明誘電体基板11としてプリズム一体化基板を用いる利点としては、金属薄膜形成用平面とプリズム部とが一体化された構造により金属薄膜形成用平面とプリズム部との界面における入射光の反射を抑制できる点などが挙げられる。なお、本発明で用いられるプリズム一体化基板では、金属薄膜形成用平面とプリズム部とが一体化されていることから大きさは特に限定されない。
ここで、本発明に係るアッセイ法のように、蛍光測定時に金属薄膜12等をはさんで透明誘電体基板11の反対側に存在する媒体(以下、単に「媒体」という場合がある。)31として水よりも屈折率の小さい媒体を用いる場合における全反射について検討する。後述するように、水よりも屈折率の小さい媒体の例としては空気が挙げられることから、ここでは、空気をこのような媒体31として用いた場合に検討する。この場合に、屈折率が1.47,1.52,1.72および1.90の透明誘電体基板における臨界角θcを計
算すると、空気の屈折率を1.00として、上記式(4)によりそれぞれ43°,41°,35°および32°と算出される。この計算結果は、従来のSPFSシステムで用いられているものと同様の高屈折率の光学ガラスを透明誘電体基板として用いた場合には、光源の入射角をより小さくすることができることを示している。これは、SPFS装置の小型化を図る上で有利な点である。一方、上記の計算結果はまた、PYREX(登録商標)に代表されるホウケイ酸ガラスのような低屈折率材料を透明誘電体基板として用いた場合には、光源の入射角を従来のSPFSシステムにおける入射角と同等の角度に抑えることができるので、SPFSシステムのコストを引き下げることが可能となることも示している。
本発明で用いられる透明誘電体基板11は、SPFS装置の小型化の観点からは、d線(588nm)に対する屈折率〔nd〕が好ましくは1.5〜2である。一方、コスト面
を重視する観点からは、透明誘電体基板11の屈折率が前記範囲より低くてもよく、例えば、屈折率が水より小さい媒体として空気を用いる場合には、d線(588nm)における屈折率〔nd〕が1.4〜2であってもよい。
ただ、SPFSシステムにおいて検出する目的物質である蛍光の増強度の観点からは、波長633nmの光に対する屈折率〔n633〕によって規定する方がより適切である。そ
の場合、SPFS装置の小型化の観点からは、透明誘電体基板11の屈折率として、〔n
633〕が1.5〜2であることが望ましい。一方、コスト面を重視する観点からは、前記
〔nd〕によって規定する場合と同様、透明誘電体基板11の屈折率が前記範囲より低く
てもよい。
透明誘電体基板11としてガラス製の透明平面基板を用いる場合、SPFS装置の小型化の観点からは、従来のSPFSシステムで用いられるものと同様の光学ガラスを透明誘電体基板11の材料として用いることができ、その市販品として、SCHOTT AG社製のBK7(屈折率〔nd〕1.52,〔n633〕1.52)およびLaSFN9(屈折率〔nd〕 1.85,〔n633〕1.84)、(株)住田光学ガラス製のK−PSFn3(
屈折率〔nd〕1.84,〔n633〕1.84)、K−LaSFn17(屈折率〔nd〕1
.88,〔n633〕1.88)およびK−LaSFn22(屈折率〔nd〕1.90,〔n633〕1.90)、並びに(株)オハラ製のS−LAL10(屈折率〔nd〕1.72,〔n633〕1.72)などが、光学的特性と洗浄性との観点から好ましい。
一方、コスト面を重視する観点からは、上記光学ガラスよりも屈折率の小さい材料を採用してもよく、例えば、屈折率が水より小さい媒体として空気を用いる場合には、コーニング社製のPYREX(登録商標)7740(屈折率〔nd〕1.47,〔n633〕1.47)などが好ましい。
一方、透明誘電体基板11としてプリズム一体化基板を用いる場合、このプリズム一体化基板は、上述の透明平面基板に用いられるガラスを材料とするものであってもよく、また樹脂製であってもよい。ただ、価格、成形性、成形による光学特性低下の少なさなどの理由から、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィンポリマー(COP)などの光学用樹脂製のものが好ましい。透明誘電体基板11として用いられるプリズム一体化基板は、例えば、原料樹脂を射出成形することにより形成することができるし、日本ゼオン株式会社製 ZEONEX(登録商標) 330R(屈折率〔nd〕1.50,〔n633〕1.50)などの市販品を使用することもできる。
透明誘電体基板11は、その表面に金属薄膜12を形成する前に、その表面を酸および/またはプラズマにより洗浄することが好ましい。
酸による洗浄処理としては、0.001〜1Nの塩酸中に、1〜3時間浸漬することが好ましい。
プラズマによる洗浄処理としては、例えば、プラズマドライクリーナー(ヤマト科学(株)製のPDC200)中に、0.1〜30分間浸漬させる方法が挙げられる。
金属薄膜
本発明に係るアッセイ法では、前記透明誘電体基板11の表面に金属薄膜12を形成する。この金属薄膜12は、光源からの照射光により表面プラズモン励起を生じ、電場を発生させ、蛍光分子24の発光をもたらす役割を有する。
上記透明誘電体基板11の表面に形成された金属薄膜12としては、金、銀、アルミニウム、銅、および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなることが好ましく、金からなることがより好ましい。これらの金属は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの金属は、その合金の形態であってもよい。このような金属種は、酸化に対して安定であり、かつ表面プラズモンによる電場増強が大きくなることから好適である。
なお、透明誘電体基板11としてガラス製平面基板またはガラス製プリズム一体化基板
を用いる場合には、ガラスと上記金属薄膜12とをより強固に接着するため、あらかじめクロム、ニッケルクロム合金またはチタンの薄膜を透明誘電体基板11の表面に形成することが好ましい。
透明誘電体基板11上に金属薄膜12を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法(抵抗加熱蒸着法、電子線蒸着法等)、電解メッキ、無電解メッキ法などが挙げられる。薄膜形成条件の調整が容易なことから、スパッタリング法または蒸着法によりクロムの薄膜および/または金属薄膜12を形成することが好ましい。
金属薄膜12の厚さとしては、金:5〜500nm、銀:5〜500nm、アルミニウム:5〜500nm、銅:5〜500nm、白金:5〜500nm、およびそれらの合金:5〜500nmが好ましく、クロムの薄膜の厚さとしては、1〜20nmが好ましい。
電場増強効果の観点から、金:20〜70nm、銀:20〜70nm、アルミニウム:10〜50nm、銅:20〜70nm、白金:20〜70nm、およびそれらの合金:10〜70nmがより好ましく、クロムの薄膜の厚さとしては、1〜3nmがより好ましい。
金属薄膜12の厚さが上記範囲内であると、表面プラズモンが発生し易いので好適である。また、このような厚さを有する金属薄膜12であれば、大きさ(縦×横)は特に限定されない。
誘電体からなるスペーサ層
本発明に係るアッセイ法では、この金属薄膜12による蛍光分子24の金属消光を防止することを目的として、誘電体からなるスペーサ層を形成することが望ましい。このスペーサ層は、金属薄膜12の、上記透明誘電体基板11と接していないもう一方の表面に形成される。
このスペーサ層の形成に用いられる誘電体としては、光学的に透明な各種無機物、天然または合成ポリマーを用いることもできる。その中で、化学的安定性、製造安定性および光学的透明性に優れていることから、二酸化ケイ素(SiO2)または二酸化チタン(T
iO2)を含むことが好ましい。
誘電体からなるスペーサ層の厚さは、通常10nm〜1mmであり、共鳴角安定性の観点からは、好ましくは30nm以下、より好ましくは10〜20nmである。一方、電場増強の観点から、好ましくは200nm〜1mmであり、さらに電場増強の効果の安定性から、400nm〜1,600nmがより好ましい。本発明のアッセイ法では、電場をより効果的に増強させる目的から、スペーサ層の厚さが10〜100nmであることが望ましい。
誘電体からなるスペーサ層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、電子線蒸着法、熱蒸着法、ポリシラザン等の材料を用いた化学反応による形成方法、またはスピンコータによる塗布などが挙げられる。
SAM
自己組織化単分子膜(Self Assembled Monolayer:SAM)13は、金属薄膜12、あるいは必要により金属薄膜12上に形成された前記スペーサ層の透明誘電体基板11とは反対側の面に形成される。本発明のアッセイ法では、後述する検体及び蛍光ラベルを後述するリガンド21および23を介して金属薄膜12(あるいは、その上に形成したスペーサ層)に固定した状態で、蛍光測定を行うが、このとき、リガ
ンド21を、SAM13を介して金属薄膜12等に固定する。すなわち、SAM13は、リガンド21を金属薄膜12等に固定する際の土台としての役割を有する。
本発明において、誘電体層からなるスペーサ層を有する場合では、SAM13がシランカップリング剤からなることが好ましく、このようなシランカップリング剤として、アミノ基またはカルボキシル基を有するシランカップリング剤であれば、特に限定せずに従来公知のものを用いることができる。このSAM13が含む単分子としては、通常、炭素原子数4〜20程度のカルボキシアルカンチオール(例えば、(株)同仁化学研究所、シグマ アルドリッチ ジャパン(株)などから入手可能)、特に好ましくは10−カルボキシ−1−デカンチオールが用いられる。炭素原子数4〜20のカルボキシアルカンチオールは、それを用いて形成されたSAM13の光学的な影響が少ない、すなわち透明性が高く、屈折率が低く、膜厚が薄いなどの性質を有していることから好適である。
また、後述するようにSAM13上にコーティング層を形成する場合には、SAM13が含む単分子として、炭素原子数4〜20程度のアミノアルカンチオール、例えば10−アミノ−1−デカンチオールを用いてもよい。このようにアミノ基を有する単分子をSAM13に使用すると、該SAM13上に形成するコーティング層を構成する分子としてカルボキシル基を有する親水性高分子を用いることができる。
SAM13の形成方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。具体例として、金属薄膜12がその表面に形成された透明誘電体基板11を、10−カルボキシ−1−デカンチオール((株)同仁化学研究所製)あるいは10−アミノ−1−デカンチオールを含むエタノール溶液に浸漬する方法などが挙げられる。このように、10−カルボキシ−1−デカンチオールあるいは10−アミノ−1−デカンチオールが有するチオール基が、金属と結合し固定化され、金薄膜の表面上で自己組織化し、SAM13を形成する。
コーティング層
本発明においては、リガンド21を前記SAM13を形成後に得られるプラズモン励起センサに固定化しやすくすると共に、アナライトのプラズモン励起センサへの非特異的吸着を抑制することを目的として、上記SAM13上にカルボキシメチルデキストラン、ポリエチレングリコールなどの親水性高分子からなるコーティング層を形成させてもよい。このコーティング層は、活性エステル化法などの従来公知の方法を用いて親水性高分子をSAM13に結合させることによって形成することができる。
第1のリガンド
本発明では、前記SAM13を形成後に得られるプラズモン励起センサ前駆基板のうち、SAM13を形成した側の表面に第1のリガンド21を結合させる。この第1のリガンド21は、プラズモン励起センサに、検体中のアナライト22を固定させる目的で用いられるものである。本発明において、工程(a)で用いられるリガンドを「第1のリガンド」21と称するのは、後述する工程(b)で用いられるリガンド(「第2のリガンド」)23)と区別するためである。
本発明において、「リガンド」とは、検体中に含有されるアナライト22を特異的に認識し(または、認識され)結合し得る分子または分子断片をいう。このような「分子」または「分子断片」としては、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
「タンパク質」としては、例えば、抗体などが挙げられ、具体的には、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体((株)日本医学臨床検査研究所などから入手可能)、抗ガン胎児性抗原(CEA)モノクローナル抗体、抗CA19−9モノクローナル抗体、抗PSAモノクローナル抗体などが挙げられる。
なお、本発明において、「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体、遺伝子組換えにより得られる抗体、および抗体断片を包含する。
この第1のリガンド21の固定化方法としては、例えば、上記SAM13を形成するシランカップリング剤などが有するカルボキシル基を、水溶性カルボジイミド(WSC)(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)など)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)とにより活性エステル化し、このように活性エステル化したカルボキシル基と、上記リガンドが有するアミノ基とを水溶性カルボジイミドを用いて脱水反応させ固定化させる方法などが挙げられる。SAM13上に上記コーティング層を形成させている場合には、このコーティング層を介してリガンド21をSAM13に固定化させてもよい。例えば、SAM13上のコーティング層に、活性エステル化法などの従来公知の方法を用いてリガンド21を結合させることによってリガンド21をSAM13に固定することができる。
なお、後述する検体等がプラズモン励起センサに非特異的に吸着することを防止するため、上記第1のリガンド21を固定化させた後に、プラズモン励起センサの表面を牛血清アルブミン(BSA)およびエタノールアミン塩等のブロッキング剤により処理することが好ましい。
検体
本発明において、「検体」とは、本発明のアッセイ法による測定対象となる種々の試料をいう。
「検体」としては、例えば、血液(血清・血漿)、尿、鼻孔液、唾液、便、体腔液(髄液、腹水、胸水等)などが挙げられ、所望の溶媒、緩衝液等に適宜希釈して用いてもよい。これら検体のうち、血液、血清、血漿、尿、鼻孔液および唾液が好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、また、2種以上を併用してもよい。
接触
本発明において、「接触」とは、プラズモン励起センサのリガンド21等が固定化されている面が送液中に浸漬されている状態で、この送液中に含まれる対象物をこのプラズモン励起センサと接触させることをいう。ただし、蛍光測定を行う際には、この送液の代わりに屈折率が水より小さい媒体が導入される。したがって、この「接触」という語は、後述するようにプラズモン励起センサのリガンド21等が固定化されている面を媒体31中に浸漬されている状態にする意味で用いられる場合もある。工程(a)では、上記検体とプラズモン励起センサとの「接触」は、流路中に循環する送液に検体が含まれ、プラズモン励起センサのリガンドが固定化されている片面のみが該送液中に浸漬されている状態において、プラズモン励起センサと検体とを接触させる態様が好ましい。
上記「流路」とは、微量な薬液の送達を効率的に行うことができ、反応促進を行うために送液速度を変化させたり、循環させたりすることができる直方体または管状のものである。さらに、本発明のアッセイ法においては、後述するように、蛍光測定時に導入される、水よりも屈折率の小さい媒体もまた、この流路を通じてプラズモン励起センサに送達さ
れる。ここで、この流路の形状として、プラズモン励起センサを設置する個所近傍は直方体構造を有することが好ましく、薬液を送達する個所近傍は管状を有することが好ましい。
その材料としては、プラズモン励起センサ部ではメチルメタクリレート、スチレン等を原料として含有するホモポリマーまたは共重合体;ポリエチレン等のポリオレフィンなどの光透過性の材質からなり、薬液送達部ではシリコーンゴム、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリマーを用いる。水よりも屈折率の小さい媒体としてメタノールなどの有機溶媒を用いる場合であっても、流路の材料として上記材料を用いることができる。
ただし、プラズモン励起センサ部については、蛍光測定時に流路が一定の形状に保たれ、且つプラズモン励起により発生した蛍光の検出が妨げられない限り、必ずしもその流路構造の全てを光透過性の材質のみから構成する必要はない。すなわち、プラズモン励起センサ部の流路のうち、プラズモン励起により発生した蛍光を透過させて検出部に導くために必要な部分、具体的には蛍光の集光に必要な透光窓を含む部分については、光透過性の材質で構成する必要があるが、その他の部分については、その一部または全部を光透過性の材質以外の化学的に安定な材質で構成してもよい。プラズモン励起センサ部の流路が直方体構造を有する場合、金属薄膜12およびSAM13が表面に存在するプラズモン励起センサの面を底面としたときに、例えば、この底面と対向する位置にある天井面を光透過性の材質で構成し、側面を光透過性の材質以外の化学的に安定な材質で構成してもよい。
ここで、前記その他の部分、例えば側面は、蛍光測定時に一定の形状が保たれる限り、必ずしも剛体である必要はなく、シール性を確保するために適度な弾性を有していてもよい。例えば、プラズモン励起センサ部の流路について、天井面をポリメチルメタクリレート(PMMA)で構成し、側面をシリコーンゴムで構成してもよい。
プラズモン励起センサ部においては、検体との接触効率を高め、拡散距離を短くする観点から、プラズモン励起センサ部の流路の断面として、縦×横がそれぞれ独立に100nm〜1mm程度が好ましい。
流路において、薬物送達部からプラズモン励起センサ部に送液を導入する送液導入口、及びその送液をプラズモン励起センサ部から排出する送液排出口の位置は、いずれも、蛍光測定の妨げとならない限り特に限定されない。例えば、プラズモン励起センサ部の流路が直方体構造を有する場合、前記送液導入口及び送液排出口とも天井面に設けるのが流路の作成上簡便であるが、この送液導入口と送液排出口とのうちいずれか一方、あるいはその両方を側面に設けてもよい。
流路にプラズモン励起センサを固定する方法は、流路が一定の形状に保たれ、且つ蛍光測定が妨げられない限り特に限定されない。
このような固定方法の例としては、小規模ロット(実験室レベル)では、まず、プラズモン励起センサの金属薄膜12が形成されている表面上に、一定の厚さを有するシリコーンゴム製シートまたはOリングを載せることによって流路の側面構造を形成し、次いで、その上に送液導入口及び送液排出口を設けてある光透過性の天板(例えば、PMMA基板)を配置することによって流路の天井面を形成し、その後、これらを圧着して適当な留め具により固定する方法などが挙げられる。このとき、側面構造を構成する材料として、その中央部に任意の形状および大きさを有する穴を開けてある、適当な厚さを有するシリコーンゴム製シートを用いると、この穴の内周がプラズモン励起センサ部の流路の側面構造となることから、所要の形状および大きさを有する流路を容易に形成することができるの
で好ましい。例えば、まず、該プラズモン励起センサの金属薄膜12が形成されている表面に、流路高さ0.5mmを有する穴あきポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートを該プラズモン励起センサの金属薄膜12が形成されている部位を囲むようにして配置し、次いで、このポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートの上に、予め送液導入口及び送液排出口を設けてあるPMMA基板を配置し、その後、該PMMA基板と該ポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートと該プラズモン励起センサとを圧着し、ビス等の留め具により固定する方法が好ましい。また、プラズモン励起センサに、シリコーンゴム製シートまたはOリングと光透過性の天板とを圧着し、固定するにあたっては、必要に応じて、シリコーンゴムまたはステンレスなどの材質でできた適当なスペーサを併用してもよい。
また、工業的に製造される大ロット(工場レベル)では、流路にプラズモン励起センサを固定する方法としては、プラスチックの一体成形品に直接金基板を形成するか或いは別途作製した金基板を固定し、金表面に誘電体層、SAM層およびリガンド固定化を行った後、流路の天板に相当するプラスチックの一体成形品により蓋をすることで製造できる。必要に応じてプリズムを流路に一体化することもできる。
本発明においては、送液等のほか、水よりも屈折率の小さい媒体もまた流路を通じてプラズモン励起センサ部に導入される。このとき、空気などの気体を媒体として用いる場合においても、水などの液体を媒体として用いる場合と同様に流路を通じてプラズモン励起センサ部に導入される。
「送液」としては、検体を希釈した溶媒または緩衝液と同じものが好ましく、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、トリス緩衝生理食塩水(TBS)などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
送液を循環させる温度および時間としては、検体の種類などにより異なり、特に限定されるものではないが、通常20〜40℃×1〜60分間、好ましくは37℃×5〜15分間である。
送液中の検体中に含有されるアナライト22の初期濃度は、100μg/mL〜0.0001pg/mLであってもよい。
送液の総量、すなわち流路の容積としては、通常0.0001〜20mL、好ましくは0.01〜1mLである。
送液の流速は、通常1〜2,000μL/min、好ましくは5〜500μL/min
である。
洗浄工程
洗浄工程とは、工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサの表面、および後述する工程(b)を経て得られるプラズモン励起センサの表面のうち少なくともいずれか一方を洗浄する工程である。この洗浄工程は、工程(b)の前後のうち少なくともいずれか一方に含まれることが好ましい。
洗浄工程に使用される洗浄液としては、例えば、Tween20、TritonX100などの界面活性剤を、工程(a)および(b)の反応で用いたものと同じ溶媒または緩衝液に溶解させ、好ましくは0.00001〜1重量%含有するものが望ましい。洗浄液を循環させる温度および流速は、上記工程(a)の「送液を循環させる温度および流速」と同じであることが好ましい。
洗浄液を循環させる時間は、通常0.5〜180分間、好ましくは5〜60分間である。
<工程(b)>
本発明のアッセイ法において、工程(b)は、工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサ、好ましくは工程(a)の後に上記洗浄工程をさらに経て得られたプラズモン励起センサに、第2のリガンド23と蛍光分子24とからなるコンジュゲートを接触させ、これらを反応させる工程である。
蛍光分子
「蛍光分子」とは、本発明において、所定の励起光を照射する、または電界効果を利用して励起することによって蛍光を発光する分子を意味し、該「蛍光」は、燐光など各種の発光も含む。
本発明で蛍光分子24として用いられる蛍光色素は、その種類に特に制限はなく、公知の蛍光色素のいずれであってもよい。一般に、単色比色計(monochromometer)よりむしろフィルタを備えた蛍光計の使用をも可能にし、かつ検出の効率を高める大きなストークス・シフトを有する蛍光色素が好ましい。
このような蛍光色素としては、例えば、フルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(Integrated DNA Technologies社製)、ポリハロフルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(アプライドバイオシステムズジャパン(株)製)、ヘキサクロロフルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(アプライドバイオシステムズジャパン(株)製)、クマリン・ファミリーの蛍光色素(インビトロジェン(株)製)、ローダミン・ファミリーの蛍光色素(GEヘルスケア バイオサイエンス(株)製)、シアニン・ファミリーの蛍光色素、インドカルボシアニン・ファミリーの蛍光色素、オキサジン・ファミリーの蛍光色素、チアジン・ファミリーの蛍光色素、スクアライン・ファミリーの蛍光色素、キレート化ランタニド・ファミリーの蛍光色素、BODIPY(登録商標)・ファミリーの蛍光色素(インビトロジェン(株)製)、ナフタレンスルホン酸・ファミリーの蛍光色素、ピレン・ファミリーの蛍光色素、トリフェニルメタン・ファミリーの蛍光色素、Alexa Fluor(登録商標)色素シリーズ(インビトロジェン(株)製)などが挙げられ、さらに米国特許番号第6,406,297号、同第6,221,604号、同第5,
994,063号、同第5,808,044号、同第5,880,287号、同第5,556,
959号および同第5,135,717号に記載の蛍光色素も本発明で用いることができる。
これらファミリーに含まれる代表的な蛍光色素の吸収波長(nm)および発光波長(nm)を表1に示す。
また、蛍光分子24として用いられる蛍光色素は、上記有機蛍光色素に限られない。例えば、例えばEu、Tb等の希土類錯体系の蛍光色素も、本願発明に用いられる蛍光分子24となりうる。希土類錯体は、一般的に励起波長(310〜340nm程度)と発光波長(Eu錯体で615nm付近、Tb錯体で545nm付近)との波長差が大きく、蛍光寿命が数百マイクロ秒以上と長い特徴がある。市販されている希土類錯体系の蛍光色素の一例としては、ATBTA−Eu3+が挙げられる。
本発明においては、例えば、金属薄膜12として金を用いる場合には、最大蛍光波長が600〜700nmの範囲にある蛍光色素を使用することが望ましい。このような蛍光色素として、例えば、Cy5、Alexa 647などが挙げられ、特にAlexa 647を使用することが望ましい。一方、金属薄膜12として銀を用いる場合には、最大蛍光波長が400〜700nmの範囲にある蛍光色素を使用することが望ましい。
これら蛍光色素は1種単独でも、2種以上併用してもよい。
第2のリガンドと蛍光分子とからなるコンジュゲート
「第2のリガンドと蛍光分子からなるコンジュゲート」は、リガンドとして2次抗体を用いる場合、検体中に含有されるアナライト(標的抗原)22を認識し結合し得る抗体であることが好ましい。
本発明のアッセイ法において、第2のリガンド23は、アナライト22に蛍光分子24による標識化を行う目的で用いられるリガンドであり、前記第1のリガンド21と同じでもよいし、異なっていてもよい。ただし、第1のリガンド21として用いる1次抗体がポリクローナル抗体である場合、第2のリガンド23として用いる2次抗体は、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよいが、該1次抗体がモノクローナル抗体である場合、2次抗体は、該1次抗体が認識しないエピトープを認識するモノクローナル抗体であるか、またはポリクローナル抗体であることが望ましい。
さらに、検体中に含有されるアナライト(標的抗原)22と競合する第2のアナライト(競合抗原;ただし、標的抗原とは異なるものである。)と2次抗体とがあらかじめ結合した複合体を用いる態様も好ましい。このような態様は、蛍光信号(蛍光シグナル)量と標的抗原量とを比例させることができるため好適である。
「第2のリガンドと蛍光分子とからなるコンジュゲート」の作製方法としては、第2の
リガンド23として2次抗体を用いる場合、例えば、まず蛍光色素にカルボキシル基を付与し、該カルボキシル基を、水溶性カルボジイミド(WSC)(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)など)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)とにより活性エステル化し、次いで活性エステル化したカルボキシル基と2次抗体が有するアミノ基とを水溶性カルボジイミドを用いて脱水反応させ固定化させる方法;イソチオシアネートおよびアミノ基をそれぞれ有する2次抗体および蛍光色素を反応させ固定化する方法;スルホニルハライドおよびアミノ基をそれぞれ有する2次抗体および蛍光色素を反応させ固定化する方法;ヨードアセトアミドおよびチオール基をそれぞれ有する2次抗体および蛍光色素を反応させ固定化する方法;ビオチン化された蛍光色素とストレプトアビジン化された2次抗体(あるいは、ストレプトアビジン化された蛍光色素とビオチン化された2次抗体)とを反応させ固定化する方法などが挙げられる。
このように作製された「第2のリガンドと蛍光分子とからなるコンジュゲート」の送液中の濃度は、0.001〜10,000μg/mLが好ましく、1〜1,000μg/mL
がより好ましい。
送液を循環させる温度、時間および流速は、それぞれ上記工程(a)の場合と同様である。
<工程(c)>
本発明のアッセイ法において、工程(c)は、工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、屈折率が水より小さい媒体を流しつつ接触させ、該状態で、前記透明誘電体基板11の、前記金属薄膜12とは反対側の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された前記蛍光分子24から発光された蛍光量を測定する工程である。
屈折率が水より小さい媒体
本発明に係るアッセイ法においては、プラズモン励起センサの金属薄膜表面上に存在する媒体31として、屈折率が水より小さい媒体が用いられる。具体的には、屈折率が水より小さい媒体を測定系内に導入し、工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに流しつつ接触させた状態で蛍光測定が行われる。本発明において、媒体31として屈折率が水より小さい媒体を用いるのは、プラズモン励起センサの基板部分である透明誘電体基板11と金属薄膜12をはさんで透明誘電体基板11の反対側に存在する媒体31との間で全反射減衰(ATR)を成立させたときに生じる電場増強効果が、媒体31の屈折率が低いほど強く生じるからである。
このことを、本発明に係るアッセイ法における条件を模擬したSPFSモデルによるシミュレーションによって説明する。ここでは、屈折率1.72の透明誘電体基板11、厚さ50nmの金である金属薄膜12、および屈折率1.45かつ厚さ1nmのSAM13からなるモデルプラズモン励起センサと媒体31とからなるSPFSシステムについて、波長633nmの入射光を照射した場合における媒体31の屈折率変化と電場増強効果との関係についてシミュレーションを行い、その結果を図3に示す。ここで、図3に記載されている「金属表面屈折率」は媒体31の屈折率に対応する値であり、図3で「電場増強効果」として示してある値は、金属表面屈折率を固定しながら入射角を変化させたときの、電場増強効果の最大値を各金属表面屈折率について示している。具体的には、照射したフォトン量を基準としたときの電場増強効果によるフォトン増加量を、「電場増強効果」として示している。なお、各金属表面屈折率において、最大の電場増強効果を与える入射角を増強角という(増強角については、図示せず。)。
図3に示されるように、金属表面屈折率、すなわち媒体31の屈折率が小さいほど金膜
表面における電場増強効果が大きい傾向にある。また、具体的な数値について言及すると、例えば、金属表面屈折率が1.335(これは、媒体31が水である場合に相当する。)の場合には電場増強効果が17.1倍であり、このときの増強角が57.3°である。これに対して、金属表面屈折率が1.00(これは、媒体31が空気である場合に相当する。)の場合には電場増強効果が25.6倍であり、このときの増強角が37.55°である。
このように、金属表面屈折率、すなわち媒体31の屈折率が小さいほど、電場増強効果が大きくなり、かつ増強角が小さくなることが分かる。
このように、媒体31として屈折率が水よりも小さい媒体を用いると、媒体31として水を用いた場合と比べて、より小さな入射角のもとで、より大きな電場増強効果を得ることができる。そのため、媒体31として屈折率が水よりも小さい媒体を用いる本発明においては、向上した電場増強効果のもと、蛍光測定における蛍光シグナル強度が増大し、そのため高感度な測定が可能となる。
この「屈折率が水より小さい媒体」は、本発明の目的が達成される限り、屈折率が水より低いどのような媒体であってもよく、液体、気体、および該当する場合には超臨界流体のいずれの形態を有していてもよい。ここで、本発明において「屈折率が水より低い」とは、測定を行う温度において、測定に用いる入射光の波長に対する屈折率が純水より低いことをいう。そのため、測定温度および光源として用いる入射光の波長によって「屈折率が水より低い」に該当する具体的な屈折率の範囲は変化しうる。
まず、測定温度による変化をみると、水のd線(588nm)に対する屈折率〔nd
は、15℃,20℃および35℃においてそれぞれ1.3338,1.3333および1.3316であり、測定温度が高くなるほど水の屈折率が低くなる傾向にある。ただ、本発明に係るアッセイ法は、多くのバイオアッセイ法と同様に通常常温で行われるものであり、大抵の場合20℃付近で行われる。これらを考慮すると、「屈折率が水より小さい媒体」のd線(588nm)に対する屈折率〔nd〕は、1.33未満が目安となる。
一方、入射光の波長による変化をみると、20℃における水の屈折率〔n20〕は、波長405nm,486nmおよび656nmの入射光に対してそれぞれ1.3428,1.3371および1.3311であり、入射光の波長が大きくなるほど水の屈折率が低くなる傾向にある。ここで、約500nm以上の波長領域では、波長の変化による水の屈折率の変化の度合いは比較的小さく、例えば、20℃における水の波長633nmの光に対する屈折率は、上記各入射光の波長に対する屈折率の数値を基にして1.332と見積もることができる。これを考慮すると、「屈折率が水より小さい媒体」の波長633nmの光に対する屈折率〔n633〕もまた、1.33未満が目安となる。
これらの点を考慮すると、本発明に係るアッセイ法で用いられる屈折率が水より小さい媒体が有する屈折率は、d線(588nm)に対する屈折率〔nd〕として1.0以上か
つ1.33未満の範囲にあり、また、波長633nmの光に対する屈折率〔n633〕とし
て1.0以上かつ1.33未満の範囲にある。なお、前記屈折率に下限値が存在するのは、真空中での屈折率が1であることによる。
このような屈折率が水より小さい媒体の例としては、上記空気(屈折率〔nd〕:1.
00,〔n633〕:1.00)、酸素、二酸化炭素などの気体のほか、メタノール(屈折
率〔nd〕:1.32,〔n633〕:1.32)などの屈折率が水より小さい液体も挙げられる。また、屈折率が水より小さい媒体が水蒸気であってもよい。このような屈折率が水より小さい媒体は、1種単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。ここで、2種以上を組み合わせる場合においては、全体として単一の屈折率を有する透明な相をなす限り、混合媒体が、物質の三態として同じ状態にある媒体の組み合わせに限定されるものではない。例えば、気体が液体中に溶解した混合媒体、あるいは液体が気体中に凝集することなく分散した混合媒体であってもよい。
上記「屈折率が水より小さい媒体」は、上記流路を通じてプラズモン励起センサに送達され、媒体31としてプラズモン励起センサとの接触がなされる。工程(c)では、「接触」という語は、プラズモン励起センサのリガンド21等が固定化されている面を媒体31中に浸漬されている状態にすることをいう。本発明によるアッセイ法においては、蛍光測定は、この屈折率が水より小さい媒体が媒体31として、常に流動しながら、プラズモン励起センサと接触している状態で行われる。
ここで、本発明においては、前記工程(a)における検体22の接触、並びに前記工程(b)における第2のリガンド23と蛍光分子24とからなるコンジュゲートの接触および反応をバッファー溶液等の水系溶液を用いて行うことから、「屈折率が水より小さい媒体」をプラズモン励起センサに接触させるためには、前記工程(b)で用いた反応液または洗浄液などの水系溶液を除去するとともに、屈折率が水より小さい媒体を導入する必要がある。例えば、空気等の気体を「屈折率が水より小さい媒体」として用いる場合には、流路内に空気を送ることによって前記工程(b)で用いた水系溶液を除去し、次いで、「屈折率が水より小さい媒体」を導入する。この場合、当該「屈折率が水より小さい媒体」を直接流路内に送ることによって、前記工程(b)で用いた水系溶液を除去しても良い。一方、メタノール等の液体を「屈折率が水より小さい媒体」として用いる場合も同様に、流路内に空気を送ることによって前記工程(b)で用いた水系溶液を除去し、次いで、「屈折率が水より小さい媒体」である所要の液体を導入し、必要により当該液体によるプラズモン励起センサ表面の洗浄を行う。
本発明では、より小さな入射角のもとで、より大きな電場増強効果を得るという効果を最大限に得るためには、前記工程(b)で用いた水系溶液の除去を完全に行うことにより、プラズモン励起センサ表面が直接、屈折率が水より小さい媒体上に接していることが望ましい。すなわち、図1に示すように、プラズモン励起センサ表面に形成されているSAM13が、直接媒体31である屈折率が水より小さい媒体に接していることが望ましい。
ところが、屈折率が水より小さい媒体として空気等の気体を用いる場合には、水系溶液を除去しかつ屈折率が水より小さい媒体を導入するための上記操作を行っても、少量の水系溶液が、プラズモン励起センサ表面(特にSAM13上、あるいはSAM13表面に形成されたコーティング層上)に薄膜状に付着した状態で残存する場合がある。この場合には、空気を送液するか、あるいは、このプラズモン励起センサを一旦流路系から外し、エアガンなどによる水分除去の操作を行うことにより、薄膜状の水系溶液を除去または減少させることが望ましい。少量の水系溶液が、プラズモン励起センサ表面(特にSAM13上)に薄膜状に付着していても、蛍光分子24が、この薄膜状の水系溶液中ではなく屈折率が水より小さい媒体中に存在していれば、従来のSPFSシステムによるアッセイ法の場合と比べてより小さな入射角のもとで、より大きな電場増強効果を得るという効果を得ることができる。具体的には、SAM13上、あるいはSAM13表面に形成されたコーティング層上に残存する少量の水系溶液による薄膜からの厚さが10nm以下であれば、本発明による上記の効果を得ることができる。
屈折率が水より小さい媒体の流速は、通常10〜1000μL/min、好ましくは100〜1000μL/minである。
光学系
本発明で用いる光源は、前記金属薄膜12にプラズモン励起を生じさせることができるものであれば、特に制限がないものの、波長分布の単一性および光エネルギーの強さの点で、レーザ光を光源として用いることが好ましい。レーザ光は、光学フィルタを通して、プリズムに入射する直前のエネルギーおよびフォトン量を調節することが望ましい。
レーザ光の照射により、全反射減衰条件(ATR)において、金属薄膜12の表面に表面プラズモンが発生する。表面プラズモンの電場増強効果により、照射したフォトン量の数十〜数百倍に増えたフォトンにより蛍光分子24を励起する。なお、該電場増強効果によるフォトン増加量は、透明誘電体基板11の屈折率、金属薄膜12の金属種および膜厚に依存するが、通常、金では約10〜20倍の増加量となる。
蛍光分子24は、光吸収により分子内の電子が励起され、短時間のうちに第一電子励起状態に移動し、この状態(準位)から基底状態に戻る際、そのエネルギー差に相当する波長の蛍光を発する。
「レーザ光」としては、例えば、波長200〜900nm、0.001〜1,000mWのLD(laser diode)レーザ、波長230〜800nm(金属薄膜12に用いる金属種
によって共鳴波長が決まる。)、0.01〜100mWの半導体レーザなどが挙げられる。
「プリズム」は、各種フィルタを介したレーザ光が、プラズモン励起センサに効率よく入射することを目的としており、屈折率が透明誘電体基板11と同じであることが好ましい。本発明は、全反射条件を設定できる各種プリズムを適宜選択することができることから、角度、形状に特に制限はなく、例えば、60度分散プリズムなどであってもよい。このようなプリズムの市販品としては、上述した「ガラス製の透明平面基板」の市販品と同様のものが挙げられる。なお、プリズムは、プリズム一体化基板のプリズム部として上記透明誘電体基板11に組み込まれていてもよい。
「光学フィルタ」としては、例えば、減光(ND)フィルタ、ダイアフラムレンズなどが挙げられる。「減光(ND)フィルタ」(または、中性濃度フィルタ)は、入射レーザ光量を調節することを目的とするものである。特に、ダイナミックレンジの狭い検出器を使用するときには精度の高い測定を実施する上で用いることが好ましい。
「偏光フィルタ」は、レーザ光を、表面プラズモンを効率よく発生させるP偏光とするために用いられるものである。
「カットフィルタ」は、外光(装置外の照明光)、励起光(励起光の透過成分)、迷光(各所での励起光の散乱成分)、プラズモンの散乱光(励起光を起源とし、プラズモン励起センサ表面上の構造体または付着物などの影響で発生する散乱光)、酵素蛍光基質の自家蛍光、などの各種ノイズ光を除去するフィルタであって、例えば、干渉フィルタ、色フィルタなどが挙げられる。
「集光レンズ」は、検出器に蛍光シグナルを効率よく集光することを目的とするものであり、任意の集光系でよい。簡易な集光系として、顕微鏡などで使用されている、市販の対物レンズ(例えば、(株)ニコン製またはオリンパス(株)製等)を転用してもよい。対物レンズの倍率としては、10〜100倍が好ましい。
「SPFS検出部」としては、超高感度の観点からは光電子増倍管(浜松ホトニクス(株)製のフォトマルチプライヤー)が好ましい。また、これらに比べると感度は下がるが、画像として見ることができ、かつノイズ光の除去が容易なことから、多点計測が可能な
CCDイメージセンサも好適である。
駆動装置
本発明において、上記光学系は「駆動装置」の形で統合されていてもよい。本発明の駆動装置は、上記プラズモン励起センサを用いて、本発明を実施するためのものである。
「駆動装置」としては、少なくとも光源、各種光学フィルタ、プリズム、カットフィルタ、集光レンズおよびSPFS検出部を含むものとする。なお、検体液、洗浄液などを取り扱う際に、プラズモン励起センサと組み合った送液系を有することが好ましい。送液系としては、本発明の目的が達せられる限り、その種類を問わない。例えば、液ポンプと連結したマイクロ流路デバイスなどでもよい。
また、表面プラズモン共鳴(SPR)検出部、すなわちSPR専用の受光センサとしてのフォトダイオード、SPRおよびSPFSの最適角度を調製するための角度可変部(サーボモータで全反射減衰(ATR)条件を求めるためにフォトダイオードと光源とを同期して、30〜85°の角度変更を可能とする。分解能は0.01°以上が好ましい。)、SPFS検出部に入力された情報を処理するためのコンピュータなども含んでもよい。
光源、光学フィルタ、カットフィルタ、集光レンズおよびSPFS検出部の好ましい態様は上述したものと同様である。
「送液ポンプ」としては、例えば、送液が微量な場合に好適なマイクロポンプ、送り精度が高く脈動が少なく好ましいが循環することができないシリンジポンプ、簡易で取り扱い性に優れるが微量送液が困難な場合があるチューブポンプなどが挙げられる。
<工程(d)>
本発明のアッセイ法において、工程(d)は、前記工程(c)で得られた測定結果から、前記検体中に含まれるアナライト22の量を算出する工程である。
より具体的には、既知濃度の標的抗原もしくは標的抗体での測定を実施することで検量線を作成し、作成された検量線に基づいて被測定検体中の標的抗原量もしくは標的抗体量を測定シグナルから算出する工程である。
アナライト
アナライト22としては、上記SAM13に固定化された第1のリガンド21を特異的に認識され(または、認識し)結合し得る分子または分子断片であって、このような「分子」または「分子断片」としては、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などが挙げられ、具体的には、AFP(αフェトプロテイン)等のがん胎児性抗原や腫瘍マーカー、シグナル伝達物質、ホルモンなどであってもよく、特に限定されない。
アッセイS/N比
さらに、工程(d)においては、上記工程(c)の前に測定した“ブランク蛍光シグナル”、上記工程(c)で得られた“測定蛍光シグナル”、および何も修飾していない金属基板を流路に固定し、超純水を流しながらSPFSを測定して得られたシグナルを“初期ノイズ”としたとき、下記式(5a)で表されるアッセイS/N比を算出することができる:
アッセイS/N比=|Ia/Io|/In (5a)
(上記式(5a)において、Iaはアッセイ蛍光シグナル、Ioはブランク蛍光シグナル、Inは初期ノイズである)。
ただし、アッセイS/N比を算出するにあたっては、実用上、上記式(5a)に代えて、検体中に含まれるアナライト22の濃度が0の場合における"アッセイノイズシグナル"を基準として、下記式(5b)にしたがって算出してもよい:
アッセイS/N比=|Ia|/|Ian| (5b)
(上記式(5b)において、Ianはアッセイノイズシグナル、Iaは上記式(5a)の場
合と同様にアッセイ蛍光シグナルである)。
<標識抗体:「Alexa Fluor 647」標識抗AFPモノクローナル抗体の調製>
抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(6D2、2.5mg/mL、ミクリ免疫研究所(株)製)を、市販のAlexa Fluor647ラベリングキット(Molecular Probes社製)により調製し、Alexa Fluor 647標識抗AFPモノクローナル抗体溶液を得た。
得られた抗体溶液はタンパク質、蛍光色素濃度を吸光度測定器により定量後、4℃で保存した。
以下の実施例および比較例で用いた標識抗体は、すべて同様の方法により調製されたものである。
[実施例1]
(工程1:金属薄膜の形成)
厚さ1mmのガラス製の透明平面基板「S-LAL 10」((株)オハラ製。屈折率〔nd〕=
1.72)を、プラズマドライクリーナーでプラズマ洗浄した。プラズマ洗浄された基板表面に金薄膜をスパッタリング法により形成した。金薄膜の厚さは44〜52nmであった。
(工程2:カルボキシメチルデキストランの結合)
前記工程1により得られた基板を、10−アミノ−1−デカンチオールを1mM含むエタノール溶液に24時間以上浸漬し、金薄膜の片面にSAM(Self Assembled Monolayer;自己組織化単分子膜)を形成した。この基板を、前記エタノール溶液から取り出し、エタノールおよびイソプロパノールでそれぞれ洗浄した後、エアガンを用いて乾燥させた。得られたSAMがパターニングされた金属基板をカルボキシメチルデキストラン(名糖産業(株)製、分子量50万、置換度1.08)50mg/ml水溶液に浸漬した。更に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC:(株)同人化学研究所製)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS:Thermo Scientific社製)をそれぞれ100mMになるように加え1時間室温で反応さ
せ、アミノ基末端のSAMとデキストランのカルボキシル基とのアミドカップリングを行うことによりデキストランが固定化されたプラズモン励起センサ前駆基板を得た。
(工程3:センサチップの構築)
工程2で得られたプラズモン励起センサ前駆基板のうちの金属薄膜およびSAMが形成された側の面に、測定領域を形成するための、流路長10mm、幅5mmの穴のあいた厚さ0.5mmのポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートを載せた。さらに、このPDMS製シートの周囲にシリコーンゴム製スペーサを配置した(このシリコーンゴム製スペーサは送液に触れない状態にある。)。このPDMS製シートおよびシリコーンゴム製スペーサの上に、送液導入用の穴(送液導入口)および送液排出用の穴(送液排出口)が上記測定領域内に位置するように形成されたPMMA製天板を載せた。これらセンサ基板
、PDMS製シート、およびPMMA製天板の積層物を外周部で圧着してビスで固定し、センサチップとした。
(工程4:抗体の結合)
センサチップの送液導入口および送液排出口に、シリコーンゴム製のチューブおよびペリスタポンプを連結した(以下、特に記載しない限り、各種流体の送液および循環をすべてこのようなチューブおよびペリスタポンプを用いて行った)。
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC:(
株)同人化学研究所製)400mMと、N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS:Thermo Scientific社製)100mMとを含む25mM MES(2−モルホリノエタンスルホン酸) バッファー(pH5.0)混合液を、流速500μL/minにて10分間フローして、センサチップに組み込まれた前駆基板の表面に固定されたカルボキシメチルデキストランを活性エステル化した。
続いて、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(1D5、2.5mg/mL、ミクリ免疫研究所(株)製)を、当該抗体が20μg/mLとなるよう10mM酢酸バッファー(pH5.0)にて希釈して得られた溶液を、500μL/minにて30分間フローして、当該抗体を前記カルボキシメチルデキストランに連結した。
最後に、1Mエタノールアミン塩酸塩(SIGMA社製;pH8.5)水溶液を500μL/minにて10分間フローすることによってブロッキング処理をし、表面プラズモン励起センサを完成させた。
(工程5:シグナルの測定)
前記工程1〜4により作製された表面プラズモン励起センサに、まず、AFP(2.0mg/mL溶液、Acris Antibodies GmbH社)が0.1ng/mLとなるようPBSバッ
ファー(pH7.4)で希釈した溶液を、500μL/minにて20分間フローさせた。
つづいて、前述のようにして調製した標識抗体:「Alexa Fluor 647」標識抗AFPモ
ノクローナル抗体が2.5μg/mLとなるよう1%BSA−PBSバッファー(pH7.4)で希釈した溶液を、500μL/minにて20分間フローさせた。洗浄工程として、0.005%Tween20を含んだTBS溶液(pH7.4)を500μL/minにて10分間フローさせた。
その後、空気を流速500μL/minにて20分間フローして乾燥させた状態にして、表面プラズモン励起センサの裏側からプリズムを経由してレーザ光(640nm、40μW)を照射し、センサ表面から発せられる蛍光量をCCDで測定した。この測定値を「アッセイシグナル」とした。
一方、前記工程1〜4により作製された別の表面プラズモン励起センサについて、上記最初のステップでAFPを全く含まない(0ng/mL)PBSバッファー(pH7.4)をフローさせた以外は上記と同じ手順で蛍光量を測定し、その測定値を「ブランクシグナル」とした。
[実施例2]
工程5を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして表面プラズモン励起センサを作製し、ブランクシグナルおよびアッセイシグナルを測定した。
前記工程1〜4により作製された表面プラズモン励起センサに、まず、AFP(2.0mg/mL溶液、Acris Antibodies GmbH社)が0.1ng/mLとなるようPBSバッ
ファー(pH7.4)で希釈した溶液を、500μL/minにて20分間フローさせた。
つづいて、前述のようにして調製した標識抗体:「Alexa Fluor 647」標識抗AFPモ
ノクローナル抗体が2.5μg/mLとなるよう1%BSA−PBSバッファー(pH7.4)で希釈した溶液を、500μL/minにて20分間フローさせた。洗浄工程として、0.005%Tween20を含んだTBS溶液(pH7.4)を500μL/minにて10分間フローさせた。
その後、メタノールを流速500μL/minにて20分間フローし、メタノールで流路を満たした状態で表面プラズモン励起センサの裏側からプリズムを経由してレーザ光(640nm、40μW)を照射し、センサ表面から発せられる蛍光量をCCDで測定した。この測定値を「アッセイシグナル」とした。
一方、前記工程1〜4により作製された別の表面プラズモン励起センサについて、上記最初のステップでAFPを全く含まない(0ng/mL)PBSバッファー(pH7.4)をフローさせた以外は上記と同じ手順で蛍光量を測定し、その測定値を「ブランクシグナル」とした。
[比較例1]
工程5を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして表面プラズモン励起センサを作製し、ブランクシグナルおよびアッセイシグナルを測定した。
前記工程1〜4により作製された表面プラズモン励起センサに、まず、AFP(2.0mg/mL溶液、Acris Antibodies GmbH社)が0.1ng/mLとなるようPBSバッ
ファー(pH7.4)で希釈した溶液を、500μL/minにて20分間フローさせた。
つづいて、前述のようにして調製した標識抗体:「Alexa Fluor 647」標識抗AFPモ
ノクローナル抗体が2.5μg/mLとなるよう1%BSA−PBSバッファー(pH7.4)で希釈した溶液を、500μL/minにて20分間フローさせた。洗浄工程として、0.005%Tween20を含んだTBS溶液(pH7.4)を500μL/minにて10分間フローさせた。
その後、PBSバッファー(pH7.4)を流速500μL/minにて20分間フローし、PBSバッファー(pH7.4)で流路を満たした状態にして、表面プラズモン励起センサの裏側からプリズムを経由してレーザ光(640nm、40μW)を照射し、センサ表面から発せられる蛍光量をCCDで測定した。この測定値を「アッセイシグナル」とした。
一方、前記工程1〜4により作製された別の表面プラズモン励起センサについて、上記最初のステップでAFPを全く含まない(0ng/mL)PBSバッファー(pH7.4)をフローさせた以外は上記と同じ手順で蛍光量を測定し、その測定値を「ブランクシグナル」とした。
以上の実施例および比較例それぞれについて、ブランクシグナルおよびアッセイシグナルから下記式によりS/N比を算出した。
S/N比=|(アッセイシグナル)|/|(ブランクシグナル)|
ここで、前記「アッセイシグナル」および「ブランクシグナル」は、それぞれ上記式(5b)における「アッセイ蛍光シグナル」および「アッセイノイズシグナル」に相当する。
また、実施例、比較例についてフォトダイオード、角度可変部(サーボモータ)によりで全反射減衰(ATR)条件を求め、SPFSアッセイに必要な共鳴角を求めた。
<S/N比および共鳴角>
以上の実施例および比較例それぞれのアッセイシグナル、ブランクシグナル、S/N比および共鳴角(比較例1のS/N比に対する比の値)は表2に示す通りである。本発明による実施例1、2の表面プラズモン励起センサは比較例1に示すような従来のSPFSセンサよりもS/N比が高く、SPFS測定の感度が改善されていることが分かる。また、共鳴角が低下していることから装置の小型化にも寄与できると言える。
11・・・透明誘電体基板
12・・・金属薄膜
13・・・SAM
21・・・第1のリガンド
22・・・アナライト
23・・・第2のリガンド
24・・・蛍光分子
31・・・媒体

Claims (6)

  1. 下記工程(a)〜(d)を含むことを特徴とするアッセイ法:
    工程(a):透明誘電体基板と、該基板の表面に形成された金属薄膜と、該金属薄膜の、該基板とは反対側の表面に形成された自己組織化単分子膜(以下「SAM」と称す。)と、該SAMの、該金属薄膜とは反対側の表面に固定化された第1のリガンドとからなるプラズモン励起センサに検体を接触させる工程;
    工程(b):前記工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、第2のリガンドと蛍光分子とからなるコンジュゲートを接触させ、これらを反応させる工程;
    工程(c):前記工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、屈折率が水より小さい媒体を流しつつ接触させ、該状態で、前記透明誘電体基板の、前記金属薄膜とは反対側の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された前記蛍光分子から発光された蛍光量を測定する工程;および、
    工程(d):前記工程(c)で得られた測定結果から、前記検体中に含まれるアナライトの量を算出する工程。
  2. 波長633nmの光に対する前記媒体の屈折率が1〜1.33である請求項1に記載のアッセイ法。
  3. 前記媒体が空気またはメタノールである請求項1に記載のアッセイ法。
  4. 前記工程(a)に記載のプラズモン励起センサにおいて、誘電体からなるスペーサ層が前記金属薄膜と前記SAMとの間に配置されている請求項1〜3のいずれかに記載のアッセイ法。
  5. 前記誘電体が、二酸化ケイ素(SiO2)または二酸化チタン(TiO2)を含む請求項4に記載のアッセイ法。
  6. 前記検体が、血液、血清、血漿、尿、鼻孔液および唾液からなる群から選択される少なくとも1種の体液である請求項1〜5のいずれかに記載のアッセイ法。
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