JP5245125B2 - 表面プラズモンを利用したアッセイ法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面プラズモンを利用したアッセイ法、該アッセイ用装置および該アッセイ用キットに関する。さらに詳しくは、本発明は、表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS;Surface Plasmon−field enhanced Fluorescence Spectroscopy)の原理に基づき、表面プラズモンを利用したアッセイ法、該アッセイ用装置および該アッセイ用キットに関する。
表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS)とは、照射したレーザ光が金薄膜表面で全反射減衰(ATR)する条件において、金属薄膜表面に粗密波(表面プラズモン)を発生させることによって、照射したレーザ光が有するフォトン量を数十倍〜数百倍に増やし(表面プラズモンの電場増強効果)、これにより金薄膜近傍の蛍光色素を効率良く励起させることによって、極微量および/または極低濃度のアナライトを検出することができる方法である。
特許文献1では、センサ基板上でアポ酵素、ホロ酵素による反応と免疫反応とを複雑に組み合わせ、シグナル増幅および非特異反応低減を検討している。
しかしながら、このような測定系を成立させるためには、極めて精密な分子配向技術が前提となっていることから、免疫反応よりもアポ/ホロ酵素反応が優先的または支配的な場合、測定系そのものが成立しない危険性が高い。
特開2008−139245号公報
本発明は、高感度かつ高精度であり、イムノアッセイに必要不可欠である特異性に優れる表面プラズモンを利用したアッセイ法、アッセイ用装置ならびにアッセイ用キットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題および従来のサンドイッチイムノアッセイ法(図1)が抱える問題、すなわち、極微量のアナライトを検出する場合、通常のサンドイッチイムノアッセイ法を行っても、コンジュゲート自体も理論的に極微量なため、しばしば増強電場に見合う蛍光プローブ量が存在せず、感度的に満足するものとはならないという問題を解決すべく鋭意研究した結果、従来のサンドイッチイムノアッセイ法(図1)と、表面プラズモン励起増強蛍光分析法とを組み合わせ、さらにセンサとアナライトとの結合の有無により蛍光を消光する機構を設ける、すなわち発光と消光との機能を分担することによって、極微量のアナライト(例えば、標的抗原)であってもフォトン量に見合った蛍光発光と特異性とを両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のアッセイ法は、下記工程(a)〜(e)を含むことを特徴とする。
工程(a):透明平面基板と、該基板の一方の表面に形成された金属薄膜と、該金属薄膜の、該基板とは接していないもう一方の表面に形成された誘電体からなるスペーサ層と
、該スペーサ層の、該金属薄膜とは接していないもう一方の表面に形成された蛍光色素層と、該蛍光色素層の、該スペーサ層とは接していないもう一方の表面に固定化されたリガンドとを含むプラズモン励起センサに、検体を接触させる工程、
工程(b):該工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、さらに、該プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと酵素とのコンジュゲートを反応させる工程、
工程(c):該工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、消光剤基質を反応させ、消光剤が生成される工程、
工程(d):該工程(c)を経て得られたプラズモン励起センサに、上記透明平面基板の、上記金属薄膜を形成していないもう一方の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程、および
工程(e):該工程(d)で得られた測定結果から、検体中に含有されるアナライト量を算出する工程。
上記金属薄膜は、金、銀、アルミニウム、銅および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属から形成されていることが好ましく、該金属は、銀からなることが特に好ましい。
上記誘電体は、二酸化ケイ素(SiO4)または二酸化チタン(TiO2)を含むことが好ましい。
上記蛍光色素層は、上記スペーサ層の、上記金属薄膜とは接していないもう一方の表面に、蛍光色素とポリマーとを含有する組成物を塗工することによって形成されてもよく、または該蛍光色素層が、上記スペーサ層の、上記金属薄膜とは接していないもう一方の表面に、シランカップリング剤を介して結合することによって形成されてもよい。
上記リガンドは、腫瘍マーカーまたはがん胎児性抗原を認識し結合する1次抗体であってもよい。
上記検体は、血液、血清、血漿、尿、鼻孔液および唾液からなる群から選択される少なくとも1種の体液であることが好ましい。
上記酵素は、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼまたはグルコースオキシダーゼであることが好ましい。
上記アナライトに、上記コンジュゲートが結合することができる。
本発明の装置は、少なくとも、上記工程(c)を経て得られたプラズモン励起センサ、レーザ光の光源、光学フィルタ、プリズム、カットフィルタ、集光レンズおよび表面プラズモン励起増強蛍光検出部を含み、上記工程(d)に用いられることを特徴とする。
本発明のキットは、少なくとも、透明平面基板と上記金属薄膜と上記の誘電体からなるスペーサ層と上記蛍光色素層とを含むセンサ、上記酵素および消光剤基質を含み、上記アッセイ法に用いられることを特徴とする。
従来、極微量のアナライトを測定する超高感度な系において、表面プラズモンの電場増強(電場増強フォトン量の例)と微量な蛍光色素量(蛍光フォトン量の例)のミスマッチが起こり感度の限界が生じる。
それに対して、本発明のアッセイ法は、1リットル当り10-18モル(1amol/L)〜10-12モル(1pmol/L)レベルの濃度のアナライト(例えば、標的抗原)を含む検体から、高感度かつ高精度で該アナライトを検出できるプラズモン励起センサを提供することができる。
また、微量のアナライトを検出する際、従来のサンドイッチイムノアッセイ法では蛍光信号(蛍光シグナル)量が少なくシグナル変化量が劣化するが、本発明は、プラズモン励起センサ、およびリガンド(例えば、2次抗体)と消光剤を活性化する酵素とのコンジュゲートを用いて本発明のアッセイ法に適用した場合、標的抗原量と比例するのが消光剤であるためシグナル変化量が劣化しないプラズモン励起センサを提供することができる。
また、本発明は、消光剤の能力次第で蛍光信号量を調整できるため、本発明のアッセイ法が最適なシグナル変化量で実施可能なプラズモン励起センサを提供することができる。
図1は、従来のサンドイッチイムノアッセイ法を模式的に示す図である。 図2は、本発明のアッセイ法の一態様(酵素は(A)の場合である。)を模式的に示す図である。 図3は、それぞれ実施例1,2および比較例1,2で得られたブランクシグナルおよびアッセイシグナルをグラフにしてまとめた図である。
次に本発明について具体的に説明する。
<アッセイ法>
本発明のアッセイ法は、下記工程(a)〜(e)を含むことを特徴とするものである。
工程(a):透明平面基板と、該基板の一方の表面に形成された金属薄膜と、該金属薄膜の、該基板とは接していないもう一方の表面に形成された誘電体からなるスペーサ層と、該スペーサ層の、該金属薄膜とは接していないもう一方の表面に形成された蛍光色素層と、該蛍光色素層の、該スペーサ層とは接していないもう一方の表面に固定化されたリガンドとを含むプラズモン励起センサに、検体を接触させる工程、
工程(b):該工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、さらに、該プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと酵素とのコンジュゲートを反応させる工程、
工程(c):該工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、消光剤基質を反応させ、消光剤が生成される工程、
工程(d):該工程(c)を経て得られたプラズモン励起センサに、上記透明平面基板の、上記金属薄膜を形成していないもう一方の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程、および
工程(e):該工程(d)で得られた測定結果から、検体中に含有されるアナライト量を算出する工程。
本発明のアッセイ法は、さらに洗浄工程を適宜含むことが好ましい。
また、本発明のアッセイ法は、一定の温度を保ちながら実施することが好ましい。
[工程(a)]
工程(a)とは、「透明平面基板」と、該基板の一方の表面に形成された「金属薄膜」と、該金属薄膜の、該基板とは接していないもう一方の表面に形成された「誘電体からな
るスペーサ層」と、該スペーサ層の、該金属薄膜とは接していないもう一方の表面に形成された「蛍光色素層」と、該蛍光色素層の、該スペーサ層とは接していないもう一方の表面に固定化された「リガンド」とを含む“プラズモン励起センサ”に、「検体」を「接触」させる工程である。
(透明平面基板)
本発明で用いられる透明平面基板としては、ガラス製であっても、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)などのプラスチック製であってもよく、屈折率〔nd〕が好ましくは1.40〜2.20であり、厚さが好ましくは0.01〜10mm、より好ましくは0.5〜5mmであれば、大きさ(縦×横)は特に限定されない。
なお、ガラス製の透明平面基板は、市販品として、SCHOTT AG社製のBK7(屈折率〔nd〕1.52)およびLaSFN9(屈折率〔nd〕1.85)、(株)住田光
学ガラス製のK−PSFn3(屈折率〔nd〕1.84)、K−LaSFn17(屈折率〔nd〕1.88)およびK−LaSFn22(屈折率〔nd〕1.90)、(株)オハラ製のS−LAL10(屈折率〔nd〕1.72)などが光学的特性と洗浄性との観点から好ましい。
透明平面基板は、その表面に金属薄膜を形成する前に、その表面を酸および/またはプラズマにより洗浄することが好ましい。
酸による洗浄処理としては、0.001〜1Nの塩酸中に、1〜3時間浸漬することが好ましい。
プラズマによる洗浄処理としては、例えば、プラズマドライクリーナー(ヤマト科学(株)製のPDC200)中に、0.1〜30分間浸漬させる方法が挙げられる。
(金属薄膜)
上記「透明平面基板」の一方の表面に形成された金属薄膜としては、好ましくは、金、銀、アルミニウム、銅、および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなり、より好ましくは銀からなることが望ましく、これら金属の合金であってもよい。このような金属種は、酸化に対して安定であり、かつ表面プラズモンによる電場増強が大きくなることから好適である。
なお、上記「透明平面基板」としてガラス製平面基板を用いる場合に限り、ガラスと上記金属薄膜とをより強固に接着することができることから、あらかじめクロム、ニッケルクロム合金またはチタンの薄膜を形成することが好ましい。
透明平面基板上に金属薄膜を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法(抵抗加熱蒸着法、電子線蒸着法等)、電解メッキ、無電解メッキ法などが挙げられる。薄膜形成条件の調整が容易なことから、スパッタリング法または蒸着法によりクロムの薄膜および/または金属薄膜を形成することが好ましい。
金属薄膜の厚さとしては、金:5〜500nm、銀:5〜500nm、アルミニウム:5〜500nm、銅:5〜500nm、白金:5〜500nm、およびそれらの合金:5〜500nmが好ましく、クロムの薄膜の厚さとしては、1〜20nmが好ましい。
電場増強効果の観点から、金:20〜70nm、銀:20〜70nm、アルミニウム:10〜50nm、銅:20〜70nm、白金:20〜70nm、およびそれらの合金:10〜70nmがより好ましく、クロムの薄膜の厚さとしては、1〜3nmがより好ましい
金属薄膜の厚さが上記範囲内であると、表面プラズモンが発生し易いので好適である。また、このような厚さを有する金属薄膜であれば、大きさ(縦×横)は特に限定されない。
(誘電体からなるスペーサ層)
「誘電体からなるスペーサ層」は、上記「金属薄膜」による蛍光色素の金属消光を防止することを目的として、該金属薄膜の、上記「透明平面基板」と接していないもう一方の表面に形成したものであって、該誘電体としては、光学的に透明な各種無機物、天然または合成ポリマーを用いることもできるが、化学的安定性、製造安定性および光学的透明性に優れていることから二酸化ケイ素(SiO2)または二酸化チタン(TiO2)を含むことが好ましい。
該スペーサ層の厚さは、通常10nm〜1mmであり、共鳴角安定性の観点からは、30nm以下が好ましく、10〜20nmがより好ましい。また、電場増強の観点からは、200nm〜1mmが好ましく、電場増強効果の安定性の観点からは、400〜1,60
0nmが好ましい。本発明のプラズモン励起センサが、今後、大量生産される際、該センサが有するスペーサ層の厚さが変動することが想定され、特に400nm以上の厚さを有すると共鳴角の変動が一層大きくなる可能性があるため、測定の安定性を確保する目的から、該スペーサ層の厚さとして、特に10〜20nmが好ましい。
該スペーサ層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、電子線蒸着法、熱蒸着法、ポリシラザン等の材料を用いた化学反応による形成方法、またはスピンコータによる塗布などが挙げられる。
(蛍光色素層)
「蛍光色素層」とは、上記「スペーサ層」の、上記「金属薄膜」とは接していないもう一方の表面に、蛍光色素を固定化した層であって、(A)蛍光色素とポリマーとを含有する組成物を該スペーサ層上に塗工することによって形成することもでき、(B)シランカップリング剤を介して、蛍光色素を該スペーサ層上に結合することによって形成することもできる。
(A)の場合、蛍光色素とポリマーとは化学的結合をしていても、していなくてもよく、また(A’)重合性基を有するシランカップリング剤を上記スペーサ層に結合させて、他の重合性モノマー、蛍光色素および重合開始剤を加えて共重合させることにより蛍光色素とポリマーとを含有する組成物を形成することもできる。
(B)の場合、アミノ基またはカルボキシル基を有するシランカップリング剤と、それらの基と反応して共有結合する基を有するリガンドとを結合することによって、蛍光色素を上記スペーサ層に固定化することができる。
このように、蛍光色素とポリマーとを含有してなる層を形成する(A)の場合は、固定化できる蛍光色素量が多く、得られる層の強度が高いことから好ましい。
「蛍光色素」とは、本発明において、所定の励起光を照射する、または電界効果を利用して励起することによって蛍光を発光する物質の総称であり、該「蛍光」は、燐光など各種の発光も含む。
本発明で用いられる「蛍光色素」としては、例えば、テルビウム(Tb)キレート(蛍
光波長:490nm)、強化シアン蛍光タンパク質(ECFP)(蛍光波長:475nm)、下記式で表される2−Me−4−OMe TG、2−OMe−5−Me TG、2−OMe TGなどが挙げられる。
このような蛍光色素は、水溶性が高いものが多く、これら蛍光色素を蛍光色素層としてポリマー中に分子間相互作用で固定化するためには、蛍光色素が有するカルボキシル基に、疎水性の芳香族環が有するアミノ基やアルコールを反応させて水に不溶性の構造にするか、または疎水性ポリマーと蛍光色素の活性エステルとの反応によって化学的に結合する必要がある。ポリマーと蛍光色素とが化学的な結合を有しない場合、ポリマーの溶解パラメータ(Solubility Parameter;SP)に近い構造となるように蛍光色素を修飾することが好ましい。
これら蛍光色素は1種単独でも、2種以上併用してもよい。
「ポリマー」としては、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン-アクリレート、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリエステルなどが挙げられ
る。これらのうち、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルブチラールは、蛍光色素との相溶性に優れ、非特異的な吸着(例えば、蛋白質(アルブミン、フィブリノーゲン、免疫グロブリン)、脂質、糖類(グルコース))を抑制することができるため好適である。
「組成物」は、蛍光色素およびポリマー以外に、溶媒、必要に応じて酸化防止剤などの添加剤も含有することができる。
「溶媒」としては、揮発性が高ければ特に限定されず、例えば、含ハロゲン系炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラフルオロプロパン等)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ターシャリブタノール、テトラフルオロプロパノール)、芳香族類(例えば、トルエン、キシレン等)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、グリコール類(例えば、エチレングリコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)などが挙げられる。これらのうち、用いられるポリマーの溶解安定性の観点から、芳香族類、含ハロゲン系炭化水素類、エステル類、ケトン類が好ましい。
「酸化防止剤」としては、例えば、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが挙げられる。
組成物の総量(100重量%)に対して、蛍光色素は1〜75重量%が好ましく、30〜70重量%がより好ましく、ポリマーは25〜99重量%が好ましく、70〜30重量%がより好ましい。蛍光色素およびポリマーが上記含有量であると、消光の効率が良好である。
また、溶媒は、組成物100重量部に対して、100〜1,000重量部が好ましく、
100〜500重量部がより好ましい。添加剤は、組成物100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、1〜5重量部がより好ましい。溶媒または添加剤が上記配合量であると、塗布性が良く、蛍光量子収率の低下を起さないため好適である。
「塗工」する方法としては、特に限定されないが、例えば、スピンコート法、ワイヤーコート法、バーコート法、ロールコート法、ブレードコート法、カーテンコート法、スクリーン印刷法などで塗布後、通常20〜100℃で、5〜30分間乾燥させる。
(リガンド)
リガンドとは、検体中に含有されるアナライトを特異的に認識し(または、認識され)結合し得る分子または分子断片であって、このような「分子」または「分子断片」としては、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などであれば、特に限定されない。
「タンパク質」としては、例えば、抗体などが挙げられ、具体的には、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体((株)日本医学臨床検査研究所などから入手可能)、抗ガン胎児性抗原(CEA)モノクローナル抗体、抗CA19−9モノクローナル抗体、抗PSAモノクローナル抗体などが挙げられる。
なお、本発明において、「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体、遺伝子組換えにより得られる抗体、および抗体断片を包含する。
リガンドの固定化方法としては、上記(A)の場合、ポリマーが有する水酸基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基等の官能基(好ましくは、水酸基、アミノ基およびカルボキシル基)とリガンドが有する官能基(免疫反応促進能や非特異吸着反応抑制能を勘案し、ポリマーが有する官能基と適宜組み合わせることが好ましい。)とで反応させて化学結合を形成する方法、または2感応性反応基を有する化合物(例えば、シランカップリング剤など)を介して上記蛍光色素層に固定化する方法が挙げられる。
2感応性反応基を有するシランカップリング剤としては、加水分解でシラノール基(Si-OH)を与えるエトキシ基(またはメトキシ基)を有し、他端にアミノ基やグリシジ
ル基、カルボキシル基などの反応基を有するシランカップリング剤であれば特に限定されず、従来公知のシランカップリング剤を用いることができる。
「2感応性反応基を有するシランカップリング剤」以外に、リガンドの固定化能に優れることから、例えば、カルボキシメチルデキストラン、ポリエチレングリコール、イミノジ酢酸誘導体((N−5−amino−1−carboxypentyl)iminod
iacetic acid等)、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、プロテインA、プロテインGなども好適である。
(A)のうち、2感応性反応基を有する化合物としてシランカップリング剤を用いる場合、リガンドの固定化方法の具体例として、まず金薄薄膜、誘電体からなるスペーサ層および蛍光色素層が、その一方の表面に順に形成された透明平面基板を、シランカップリング剤を通常0.1〜10%、好ましくは0.5%の濃度で含む水溶液に、30分〜2時間浸漬後、室温の場合、通常1〜24時間、好ましくは10時間、100℃の場合、通常10分〜1時間、好ましくは30分の乾燥を行い、この後、通常、上記基板を水で洗浄する。この時点で、シランカップリング剤の一方の末端が加水分解して得られたシラノール基(Si−OH)を蛍光色素層側にして並べた単分子膜が形成されている。シランカップリング剤からなる単分子膜の外側には、シランカップリング剤が有するアミノ基やカルボキシル基が露出している状態となっている。
次に、リガンドが有するカルボキシル基を、水溶性カルボジイミド(WSC)(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)など)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)とにより活性エステル化し、このように活性エステル化したカルボキシル基と、上記シランカップリング剤が有するアミノ基とを水溶性カルボジイミドを用いて脱水反応させ固定化させる。
その他の好ましい方法の具体例としては、蛍光色素層内のポリマーのカルボキシル基を水溶性カルボジイミド(WSC)(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)など)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)とにより活性エステル化し、上記リガンドが有するアミノ基とを水溶性カルボジイミドを用いて脱水反応させ固定化させる。
リガンドの固定化方法として、上記(B)の場合、リガンド(例えば、1次抗体など)を蛍光色素層に物理吸着で固定化する方法が挙げられる。
(検体)
「検体」としては、例えば、血液(血清・血漿)、尿、鼻孔液、唾液、便、体腔液(髄液、腹水、胸水等)などが挙げられ、所望の溶媒、緩衝液等に適宜希釈して用いてもよい。これら検体のうち、血液、血清、血漿、尿、鼻孔液および唾液が好ましい。
(接触)
「接触」は、流路中に循環する送液に検体が含まれ、プラズモン励起センサの蛍光色素およびリガンドが固定化されている片面のみが該送液中に浸漬されている状態において、プラズモン励起センサと検体とを接触させる態様が好ましい。
上記「流路」とは、微量な薬液の送達を効率的に行うことができ、反応促進を行うために送液速度を変化させたり、循環させたりすることができる直方体または管状のものであって、プラズモン励起センサを設置する個所近傍は直方体構造を有することが好ましく、薬液を送達する個所近傍は管状を有することが好ましい。
その材料としては、プラズモン励起センサ部ではメチルメタクリレート、スチレン等を原料として含有するホモポリマーまたは共重合体;ポリエチレン等のポリオレフィンなどからなり、薬液送達部ではシリコンゴム、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリマーを用いる。
プラズモン励起センサ部においては、検体との接触効率を高め、拡散距離を短くする観
点から、プラズモン励起センサ部の流路の断面として、縦×横がそれぞれ独立に100nm〜1mm程度が好ましい。
流路にプラズモン励起センサを固定する方法としては、小規模ロット(実験室レベル)では、まず、該プラズモン励起センサの金属薄膜が形成されている表面に、流路高さ0.5mmを有するポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートを該プラズモン励起センサの金属薄膜が形成されている部位を囲むようにして圧着し、次に、該ポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートと該プラズモン励起センサとをビス等の閉め具により固定する方法が好ましい。
工業的に製造される大ロット(工場レベル)では、流路にプラズモン励起センサを固定する方法としては、プラスチックの一体成形品に銀基板を形成、または別途作製した銀基板を固定し、金表面に誘電体層、蛍光色素層およびリガンド固定化を行った後、流路の天板に相当するプラスチックの一体成形品により蓋をすることで製造できる。必要に応じてプリズムを流路に一体化することもできる。
このような「送液」としては、検体を希釈した溶媒または緩衝液と同じものが好ましく、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、トリス緩衝生理食塩水(TBS)、Hepes緩衝生理食塩水(HBS)などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
送液を循環させる温度および時間としては、検体の種類などにより異なり、特に限定されるものではないが、通常20〜40℃×1〜60分間、好ましくは37℃×5〜15分間である。
送液中の検体中に含有されるアナライトの初期濃度は、100μg/mL〜0.001pg/mLであってもよい。
送液の総量、すなわち流路の容積としては、通常0.001〜20mL、好ましくは0.1〜1mLである。
送液の流速は、通常1〜2,000μL/min、好ましくは5〜500μL/min
である。
(洗浄工程)
洗浄工程とは、下記工程(b)の前および/または後に含まれることが好ましく、上記工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサの表面および/または下記工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサの表面を洗浄する工程である。
洗浄工程に使用される洗浄液としては、例えば、工程(a)および(b)の反応で用いたものと同じ溶媒または緩衝液にTween20、TritonX100などの界面活性剤を溶解させ、好ましくは0.00001〜1重量%含有するもの、または塩化ナトリウムや塩化カリウムなどの塩を150〜500mM含有するものが望ましい。あるいは、低pHの緩衝液、例えば10mM Glycine HClでpHが1.5〜4.0のものであってもよい。
洗浄液を循環させる温度および流速は、上記工程(a)の「送液を循環させる温度および流速」と同じであることが好ましい。
洗浄液を循環させる時間は、通常0.5〜180分間、好ましくは5〜60分間である。
[工程(b)]
工程(b)とは、上記工程(a)、好ましくは上記洗浄工程を経て得られたプラズモン励起センサに、さらに、「該プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと酵素とのコンジュゲート」を反応させる工程である。
(酵素)
「酵素」は、(A)保護基によってブロックされている下記「消光剤基質」を、酵素反応によって消光剤を活性化したり、(B)後述する特定の「消光剤基質」を用いた酵素反応によって活性化した消光剤によりpHを低下させたりするために用いられる。
(A)の酵素反応に用いる「酵素」としては、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼなどが挙げられる。
β−ガラクトシダーゼは、消光剤基質としてTG−βGalからβGalを脱離させる反応を触媒する。また、β−グルコシダーゼは、消光剤基質としてTG−βGluからβGluを脱離させる反応を触媒する。なお、遊離のTGは励起波長が490nmであり、蛍光波長が475〜495nmである蛍光色素とFluorescence Resonance Energy Transfer(FRET;蛍光共鳴エネルギー移動)を起すので、テルビウム(Tb)キレートの蛍光(蛍光波長:495nm)または強化シアン蛍光タンパク質(Enhanced Cyan Fluorescence Protein;ECFP)(蛍光波長:475nm)などの蛍光を消光することができる。
アルカリフォスファターゼは、AttoPhos(登録商標)基質を加水分解する反応を触媒し、蛍光物質であるBBT(2’−[2−benzthiazoyl]−6’−hydroxyl−benzthiazole)を生成させる。ここで、生成した励起波長482nmの蛍光物質は、上述のTGと同様、テルビウム(Tb)キレートまたはECFPとFRETを起し、それぞれ消光することができる。
(B)の酵素反応に用いる「酵素」としては、例えば、グルコースオキシダーゼなどが挙げられる。
グルコースオキシダーゼは、グルコースを消光剤基質とする酵素反応により、グルコノラクトンと過酸化水素とを生成する。なお、水分に溶解した過酸化水素によってその水分のpHが低下するにともない、蛍光色素として用いている2−Me−4−OMe TG、2−OMe−5−Me TGまたは2−OMe TGなどの蛍光強度が小さくなる。
(A)、(B)ともに、これらの酵素は1種単独で用いることもでき、また2種以上併用することもできる。
(プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと酵素とのコンジュゲート)
「プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと酵素とのコンジュゲート」とは、上記「酵素」により標識されたリガンドであって、該リガンドは、上記「リガンド」と同じであっても異なっていてもよい。
「プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと酵素とのコンジュゲート」の作製方法としては、例えば、まず酵素が有するカルボキシル基を、水溶性カルボジイミド(WSC)(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)など)とN−ヒドロキシコハク酸
イミド(NHS)とにより活性エステル化し、次いで活性エステル化したカルボキシル基とリガンドが有するアミノ基とを水溶性カルボジイミドを用いて脱水反応させ固定化させる方法;イソチオシアネートおよびアミノ基をそれぞれ有するリガンドおよび酵素を反応させ固定化する方法;スルホニルハライドおよびアミノ基をそれぞれ有するリガンドおよび酵素を反応させ固定化する方法;ヨードアセトアミドおよびチオール基をそれぞれ有するリガンドおよび酵素を反応させ固定化する方法;ビオチン化された酵素とストレプトアビジン化されたリガンドとを反応させ固定化する方法などが挙げられる。
このように作製された「プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと酵素とのコンジュゲート」の送液中の濃度は、0.001
〜10,000μg/mLが好ましく、1〜1,000)μg/mLがより好ましい。
送液を循環させる温度、時間および流速は、それぞれ上記工程(a)の場合と同様である。
[工程(c)]
工程(c)とは、上記工程(b)、好ましくは上記洗浄工程を経て得られたプラズモン励起センサに、消光剤基質を反応させる工程である。
(消光剤基質)
消光剤基質としては、上述したように、例えば、TG−βGal、TG−βGlu、AttoPhos(登録商標)基質、グルコースなどが挙げられる。
(A)の消光剤基質として、TG−βGalおよびTG−βGluは、蛍光色素であるTokyoGreen(TG)に、保護基としてそれぞれβ−ガラクトースおよびβ−グルコース1分子が付加されており、この状態では蛍光はほとんど観察されないが、β−ガラクトシダーゼおよびβ−グルコシダーゼにより保護基が脱離することによって強い蛍光を発するようになる。
なお、TGは、本発明において、下記式で表される2−Me TGや、上述の2−Me−4−OMe TGなども包含する。
AttoPhos(登録商標)基質は、pH9.5の溶液中であっても基質はほとんど蛍光を発しないが、アルカリフォスファターゼによる酵素反応の結果、強い蛍光を発するようになる。
(B)の消光剤基質としては、例えば、グルコースオキシダーゼの基質となるグルコースおよび酸素などが挙げられる。
本発明において、酵素、消光剤基質、消光剤および蛍光色素の好ましい組み合わせとして、下表に示すものが挙げられる。
このような消光剤基質の送液中の濃度は、0.001〜10,000μg/mLが好ましく、1〜1,000μg/mLがより好ましい。
送液を循環させる温度、時間および流速は、それぞれ上記工程(a)の場合と同様である。
[工程(d)]
工程(d)とは、上記工程(c)を経て得られたプラズモン励起センサに、上記透明平面基板の、上記金属薄膜を形成していないもう一方の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程である。
レーザ光は、光学フィルタおよび偏光フィルタを通して、プリズムに入射する直前のエネルギーおよびフォトン量を調節することが望ましい。
レーザ光の照射により、全反射減衰条件(ATR)において、金属薄膜の表面に表面プラズモンが発生する。表面プラズモンの電場増強効果により、照射したフォトン量の数十〜数百倍に増えたフォトンにより蛍光色素を励起する。なお、該電場増強効果によるフォトン増加量は、基板となるガラスの屈折率、金属薄膜の金属種および膜厚に依存するが、通常、銀では約40〜100倍の増加量となる。
蛍光色素は光吸収により分子内の電子が励起され、短時間のうちに第一電子励起状態に移動し、この状態(準位)から基底状態に戻る際、そのエネルギー差に相当する波長の蛍光を発する。
「レーザ光」としては、波長200〜900nm、0.001〜1,000mWのLDレーザ、または波長230〜800nm、0.01〜100mWの半導体レーザが好ましい。
「プリズム」は、各種フィルタを介したレーザ光が、プラズモン励起センサに効率よく入射することを目的としており、屈折率が上記「透明平面基板」と同じであることが好ましい。本発明は、全反射条件を設定できる各種プリズムを適宜選択することができることから、角度、形状に特に制限はなく、例えば、60度分散プリズムなどであってもよい。このようなプリズムの市販品としては、上述した「ガラス製の透明平面基板」の市販品と同様のものが挙げられる。
「光学フィルタ」としては、例えば、減光(ND)フィルタ、ダイアフラムレンズなど
が挙げられる。
「減光(ND)フィルタ」(または、中性濃度フィルタ)は、入射レーザ光量を調節することを目的とするものである。特に、ダイナミックレンジの狭い検出器を使用するときには精度の高い測定を実施する上で用いることが好ましい。
「偏光フィルタ」は、レーザ光を、表面プラズモンを効率よく発生させるP偏光とするために用いられるものである。
「カットフィルタ」は、外光(装置外の照明光)、励起光(励起光の透過成分)、迷光(各所での励起光の散乱成分)、プラズモンの散乱光(励起光を起源とし、プラズモン励起センサ表面上の構造体または付着物などの影響で発生する散乱光)、酵素蛍光基質の自家蛍光、などの各種ノイズ光を除去するフィルタであって、例えば、干渉フィルタ、色フィルタなどが挙げられる。
「集光レンズ」は、検出器に蛍光シグナルを効率よく集光することを目的とするものであり、任意の集光系でよい。簡易な集光系として、顕微鏡などで使用されている、市販の対物レンズ((株)ニコン製またはオリンパス(株)製)を転用してもよい。対物レンズの倍率としては、10〜100倍が好ましい。
「SPFS検出部」としては、超高感度の観点からは光電子増倍管(浜松ホトニクス(株)製のフォトマルチプライヤー)が好ましい。また、これらに比べると感度は下がるが、画像として見ることができ、かつノイズ光の除去が容易なことから、多点計測が可能なCCDイメージセンサも好適である。
[工程(e)]
工程(e)とは、上記工程(d)で得られた測定結果から、検体中に含有される「アナライト」量を算出する工程である。
より具体的には、工程(e)は、既知濃度の標的抗原もしくは標的抗体での測定を実施することで検量線を作成し、作成された検量線に基づいて被測定検体中のアナライト(標的抗原量もしくは標的抗体)量を測定シグナルから算出する工程である。
(アナライト)
「アナライト」としては、上記「蛍光色素層」に固定化されたリガンドに特異的に認識され(または、認識し)結合し得る分子または分子断片であって、このような「分子」または「分子断片」としては、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などが挙げられ、具体的には、AFP(αフェトプロテイン)等のがん胎児性抗原や腫瘍マーカー、シグナル伝達物質、ホルモンなどであってもよく、特に限定されない。
(アッセイシグナル変化量)
さらに、工程(e)は、上記工程(d)の前に測定したシグナルを“ブランクシグナル”、としたとき、下記式で表されるアッセイシグナル変化量を算出することができる。
シグナル変化量=|(アッセイ蛍光シグナル)−(ブランク蛍光シグナル)|
<装置>
本発明の装置は、少なくとも、上記工程(c)を経て得られたプラズモン励起センサ、レーザ光の光源、光学フィルタ、プリズム、カットフィルタ、集光レンズおよび表面プラズモン励起増強蛍光検出部を含み、上記工程(d)に用いられることを特徴とするものである。
すなわち、本発明の装置は、上記プラズモン励起センサを用いて、本発明のアッセイ法を実施するためのものである。
「装置」としては、少なくともレーザ光の光源、各種光学フィルタ、プリズム、カットフィルタ、集光レンズおよび表面プラズモン励起増強蛍光(SPFS)検出部を含むものとし、検体液、洗浄液または標識抗体液などを取り扱う際に、プラズモン励起センサと組み合った送液系を有することが好ましい。送液系としては、例えば、送液ポンプと連結したマイクロ流路デバイスなどでもよい。
また、表面プラズモン共鳴(SPR)検出部、すなわちSPR専用の受光センサとしてのフォトダイオード、SPRおよびSPFSの最適角度を調製するための角度可変部(サーボモータで全反射減衰(ATR)条件を求めるためにフォトダイオードと光源とを同期して、45〜85°の角度変更を可能とする。分解能は0.01°以上が好ましい。)、SPFS検出部に入力された情報を処理するためのコンピュータなども含んでもよい。
光源、光学フィルタ、カットフィルタ、集光レンズおよびSPFS検出部の好ましい態様は上述したものと同様である。
「送液ポンプ」としては、例えば、送液が微量な場合に好適なマイクロポンプ、送り精度が高く脈動が少ないが循環することができないシリンジポンプ、簡易で取り扱い性に優れるが微量送液が困難な場合があるチューブポンプなどが挙げられる。
<キット>
本発明のキットは、少なくとも、透明平面基板と上記金属薄膜と上記の誘電体からなるスペーサ層と上記蛍光色素層とを含むセンサ、上記酵素および消光剤基質を含み、本発明のアッセイ法に用いられることを特徴とするものであって、本発明のアッセイ法を実施するにあたり、1次抗体、抗原などのリガンド、検体および2次抗体以外に必要とされるすべてのものを含むことが好ましい。
例えば、本発明のキットと、検体として血液、血漿または血清と、特定の腫瘍マーカーに対する抗体とを用いることによって、特定の腫瘍マーカーの含有量を、高感度かつ高精度で検出することができる。この結果から、触診などによって検出することができない前臨床期の非浸潤癌(上皮内癌)の存在も高精度で予測することができる。
このような「キット」としては、具体的に、透明平面基板の一方の表面に金属薄膜を形成したプラズモン励起センサ;検体を溶解または希釈するための溶解液または希釈液;プラズモン励起センサと検体とを反応させるための各種反応試薬および洗浄試薬が挙げられ、本発明のアッセイ法を実施するために必要とされる各種器材または資材や上記「装置」を含めることもできる。
さらに、キット要素として、検量線作成用の標準物質、説明書、多数検体の同時処理ができるマイクロタイタープレートなどの必要な器材一式などを含んでもよい。
次に、本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによっ
て限定されるものではない。
[作製例1](2次抗体とβ−ガラクトシダーゼとのコンジュゲートの作製)
β−ガラクトシダーゼを、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(6D2、2.5mg/mL、(株)日本医学臨床検査研究所製)に固定化した。
具体的には、酵素のカルボキシル基と抗体のアミノ基とをアミノカップリング法により固定化した。
[作製例2](2次抗体とグルコースオキシダーゼとのコンジュゲートの作製)
作製例1と同様の手順に従い、グルコースオキシダーゼを、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(6D2、2.5mg/mL、(株)日本医学臨床検査研究所製)に固定化した。
[作製例3](2次抗体とダーククエンチャーとのコンジュゲートの作製)
作製例1と同様の手順に従い、ダーククエンチャーであるEclipse(登録商標)(Epoch Biosciences社製)を、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(6D2、2.5mg/mL、(株)日本医学臨床検査研究所製)に固定化した。
[作製例4](Alexa Fluor(登録商標)647標識2次抗体の作製)
ビオチン化抗AFPモノクローナル抗体の溶液とストレプトアビジン標識Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes社製)溶液とを混合し、4℃で60分間、攪拌混合することで反応させた。
次に、未反応抗体および未反応酵素を、分子量カットフィルタ(日本ミリポア(株)製)を用いて精製することで、Alexa Fluor(登録商標)647標識抗AFPモノクローナル抗体溶液を得た。得られた抗体溶液はタンパク定量後、4℃で保存した。
[実施例1]
(プラズマ励起センサの作製)
屈折率〔nd〕1.52、厚さ1mmで外形が20mm×20mmのガラス製の透明平面基板(SCHOTT AG社製のBK7)をプラズマ洗浄し、該基板の片面にクロム薄膜をスパッタリング法により形成した後、その表面にさら銀薄膜をスパッタリング法により形成した。クロム薄膜の厚さは1nm、銀薄膜の厚さは45nmであった。
銀薄膜の、クロム薄膜とは接していない片面に対して、誘電体として二酸化ケイ素(SiO2)からなるスペーサ層をスパッタリング法により形成した。該スペーサ層の厚さは
、15nmであった。
該スペーサ層の、銀薄膜とは接していない片面に対して、蛍光色素としてテルビウム(Tb)キレート5重量部、ポリマーとして積水化学工業(株)製のBL−S(ポリビニルブチラール)5重量部、および溶媒としてメチルエチルケトン25重量部を含有する組成物をスピンコータ法により塗布し、暗所にて50℃で10分間乾燥させ、溶媒を揮散させた。得られた蛍光色素層の厚さは10nmであった。
このようにして得られた基板の蛍光色素層の上に、3−アミノプロピルトリエトキシシランを5重量%含む水溶液をスピンコータで塗布し、室温で2時間自然乾燥させた後、50℃で10分間加熱した。
蛍光色素層のシランカップリング剤処理を行った表面に、2mm×10mmの穴を有する、外形が20mm×20mm、厚さ0.5mmのポリジメチルシロキサン(PDMS)製スペーサを設け、蛍光色素層表面が流路の内側となるように、基板を流路に配置した。そして、流路の外側から基板を覆うように厚さ4mmでPDMS製スペーサと同外形のポリメチルメタクリレート板を乗せ圧着し、ビスで流路と該ポリメチルメタクリレート板とを固定した。
送液として超純水を10分間、その後PBSを30分間、ペリスタポンプにより、30℃、流速500μL/minで循環させた。送液の総量は15mLである。
ここで、光源としてLDレーザを用いて、波長340nmのレーザ光を照射し、光学フィルタとして減光フィルタ(中性濃度フィルタ)を用いてフォトン量を調節し、シグマ光機(株)製の60度プリズムを通して、流路に固定されているリガンド固定化前のプラズモン励起センサに照射し、表面プラズモンの測定を開始した。
さらに、N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)を50mMと、水溶性カルボジイミド(WSC)を100mMとを含むPBSを5mL添加し(終濃度はそれぞれNHS:50mM、WSC:100mM)、20分間循環させた後に、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(1D5、2.5mg/mL、(株)日本医学臨床検査研究所製)40μL、を2時間循環させて、プラズモン励起センサを作製した。
表面プラズモンで共鳴角のシフトを測定し、リガンドの固定化を確認した。固定化量は3ng/mm2であった。
また、1重量%の牛血清アルブミン(BSA)を含むPBS緩衝生理食塩水にて30分間循環送液することで、非特異吸着防止処理を行った。
(アッセイ法の実施)
工程(a):送液をPBSに代え、AFPを1ng/mL含むPBSを0.5mL添加し、25分間循環させた。
洗浄工程:Tween20を0.05重量%含むTBSを送液として10分間循環させ
ることによって洗浄した。ここでブランクの蛍光を、光源としてLDレーザを用いて、波長340nmのレーザ光を、光学フィルタ:(シグマ光機(株))によりフォトン量を調節し、プリズム:((株)オハラ製のS−LAL10(屈折率〔n〕=1.72))を通して、流路に固定されているプラズモン励起センサに照射し、カットフィルタとして(シグマ光機(株))、集光レンズとして20倍の対物レンズ((株)ニコン製)を用いてCCDイメージセンサ(テキサスインスツルメント(株)製)により検出した。
工程(b):作製例1で得られたβ−ガラクトシダーゼ修飾二次抗体を1,000ng
/mL含むPBSを5mL添加し、20分間循環させた。
洗浄工程:Tween20を0.05重量%含むTBSを送液として20分間循環させ
ることによって洗浄した。
工程(c):上記洗浄工程を経て得られたプラズモン励起センサに、TBSで調整した酵素消光基質溶液(TG−bGal)を導入し、反応させた。
工程(d):該酵素消光基質溶液導入から20分後のCCDから観察したときのシグナル値を計測しアッセイシグナルとした。なお、AFPを0ng/mL時のSPFS測定シ
グナルをブランクシグナルとした。
工程(e):本発明のプラズモン励起センサにおけるアッセイシグナル変化量を以下の式で評価した。
シグナル変化量=|(アッセイ蛍光シグナル)−(ブランクシグナル)|
得られた結果を、表2および図3に示す。
[実施例2]
(プラズマ励起センサの作製)
蛍光色素をテルビウムキレートの代わりに、2−Me−4−OMe TGを、さらに波長490nmのレーザ光を用いた以外は、実施例1と同様の方法で行った。
(アッセイ法の実施)
作成例2で得られたグルコースオキシダーゼ修飾2次抗体、酵素消光基質溶液としてグ
ルコースおよび酸素を、さらに波長490nmのレーザ光を用いた以外は、実施例1と同様の方法で行った。
得られた結果を、表2および図3に示す。
[比較例1]
(プラズマ励起センサの作製)
実施例1と同様の方法でプラズマ励起センサを作製した。
(アッセイ法の実施)
作製例3で得られたダーククエンチャー修飾2次抗体を用い、工程(c)を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法で行った。
得られた結果を、表2および図3に示す。
[比較例2]
(プラズマ励起センサの作製)
屈折率〔nd〕1.72、厚さ1mmのガラス製の透明平面基板((株)オハラ製のS−LAL 10)をプラズマ洗浄し、該基板の片面にクロム薄膜をスパッタリング法により形成した後、その表面にさらに金薄膜をスパッタリング法により形成した。クロム薄膜の厚さは1〜3nm、金薄膜の厚さは44〜52nmであった。
このようにして得られた基板を、10−カルボキシ−1−デカンチオールを1mM含むエタノール溶液に24時間以上浸漬し、金薄膜の片面にSAM(Self Assembled Monolayer;自己組織化単分子膜)を形成した。基板を該溶液から取り出し、エタノールおよびイソプロパノールで洗浄した後、エアガンで乾燥させた。
SAMの表面に、流路高さ0.5mmを有するポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートを設け、SAM表面が流路の内側となるように基板を配置し(ただし、該シリコンゴムスペーサは送液に触れない状態とする。)、流路の外側から圧着し、ビスで流路シートと該プラズモン励起センサとを固定した。
(アッセイ法の実施)
得られたプラズモン励起センサを流路に固定し、送液として超純水を10分間、その後PBSを20分間、ペリスタポンプにより、室温、流速500μL/minで循環させ、
その表面を平衡化した。
続いて、N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)を50mMと、水溶性カルボジイミド(WSC)を100mMとを含むPBSを5mL送液し、20分間循環送液させた後に、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(1D5、2.5mg/mL、(株)日本医学臨床検査研究所製)溶液2.5mLを30分間循環送液することで、SAM
上に1次抗体を固相化した。なお、1重量%牛血清アルブミン(BSA)を含むPBS緩衝生理食塩水にて30分間循環送液することで、非特異的吸着防止処理を行った。
送液をPBSに代え、AFPを1ng/mL含むPBS溶液を0.5mL添加し、25分間循環させた。
Tween20を0.05重量%含むTBSを送液として10分間循環させることによ
って洗浄した。
作製例4で作製したAlexa Fluor(登録商標)647を標識した2次抗体(1,000ng/mLとなるように調製したPBS溶液)を2.5mL添加し、20分間
循環させた。
その後、Tween20を0.05重量%含むTBSを送液として20分間循環させる
ことによって洗浄した。
CCDから観察したときのシグナル値を計測しアッセイシグナルとした。なお、AFPを0ng/mL時のSPFS測定シグナルをブランクシグナルとした。アッセイ評価としては実施例1と同様のアッセイシグナル変化量を算出することで評価した。
得られた結果を、表2および図3に示す。
発明のプラズモン励起センサ上では基盤に蛍光色素層を形成しているため、ブランク状態で極めて高い蛍光シグナルが得られており、比較例2の従来の蛍光標識SPFS測定と較べて、桁違いの極めて高感度な測定が可能であることがわかった。さらに、消光剤の酵素増幅機構を設けることで、比較例1の2次抗体に直接消光剤が修飾されている場合と較べて、高いシグナル変化量を達成できることがわかった。
本発明のアッセイ法は、高感度かつ高精度に検出することができる方法であるから、例えば、血液中に含まれる極微量の腫瘍マーカーであっても検出することができ、この結果から、触診などによって検出することができない前臨床期の非浸潤癌(上皮内癌)の存在も高精度で予測することができる。
1・・・透明平面基板および、該基板の一方の表面に形成された金薄膜
2・・・蛍光色素層
3・・・リガンドとしての1次抗体
4・・・アナライトとしての標的抗原
5・・・リガンドとしての2次抗体
6・・・2次抗体に標識された酵素
7・・・表面プラズモンにより励起された蛍光
8・・・消光剤基質
9・・・活性化された消光剤

Claims (12)

  1. 下記工程(a)〜(e)を含むことを特徴とするアッセイ法。
    工程(a):透明平面基板と、該基板の一方の表面に形成された金属薄膜と、該金属薄膜の、該基板とは接していないもう一方の表面に形成された誘電体からなるスペーサ層と、該スペーサ層の、該金属薄膜とは接していないもう一方の表面に形成された蛍光色素層と、該蛍光色素層の、該スペーサ層とは接していないもう一方の表面に固定化されたリガンドとを含むプラズモン励起センサに、検体を接触させる工程、
    工程(b):該工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、さらに、該プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと酵素とのコンジュゲートを反応させる工程、
    工程(c):該工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、消光剤基質を反応させ、消光剤が生成される工程、
    工程(d):該工程(c)を経て得られたプラズモン励起センサに、上記透明平面基板の、上記金属薄膜を形成していないもう一方の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程、および
    工程(e):該工程(d)で得られた測定結果から、検体中に含有されるアナライト量を算出する工程。
  2. 上記金属薄膜が、金、銀、アルミニウム、銅および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属から形成されている請求項1に記載のアッセイ法。
  3. 上記金属が、銀からなる請求項2に記載のアッセイ法。
  4. 上記誘電体が、二酸化ケイ素(SiO4)または二酸化チタン(TiO2)を含む請求項1〜3のいずれかに記載のアッセイ法。
  5. 上記蛍光色素層が、上記スペーサ層の、上記金属薄膜とは接していないもう一方の表面に、蛍光色素とポリマーとを含有する組成物を塗工することによって形成される請求項1〜4のいずれかに記載のアッセイ法。
  6. 上記蛍光色素層が、上記スペーサ層の、上記金属薄膜とは接していないもう一方の表面に、シランカップリング剤を介して結合することによって形成される請求項1〜4のいずれかに記載のアッセイ法。
  7. 上記リガンドが、腫瘍マーカーまたはがん胎児性抗原を認識し結合する1次抗体である請求項1〜6のいずれかに記載のアッセイ法。
  8. 上記検体が、血液、血清、血漿、尿、鼻孔液および唾液からなる群から選択される少なくとも1種の体液である請求項1〜7のいずれかに記載のアッセイ法。
  9. 上記酵素が、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼまたはグルコースオキシダーゼである請求項1〜8のいずれかに記載のアッセイ法。
  10. 上記アナライトに、上記コンジュゲートが結合する請求項1〜9のいずれかに記載のアッセイ法。
  11. 少なくとも、上記工程(c)を経て得られたプラズモン励起センサ、レーザ光の光源、光学フィルタ、プリズム、カットフィルタ、集光レンズおよび表面プラズモン励起増強蛍光検出部を含み、請求項1に記載の工程(d)に用いられることを特徴とする装置。
  12. 少なくとも、透明平面基板と上記金属薄膜と上記の誘電体からなるスペーサ層と上記蛍光色素層とを含むセンサ、上記酵素および消光剤基質を含み、請求項1〜11のいずれかに記載のアッセイ法に用いられることを特徴とするキット。
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