JP2011128060A - プラズモン励起センサ、並びにこれを用いた核酸検出装置および核酸検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のプラズモン励起センサは、透明平面基板の表面に金属薄膜が形成され、該金属薄膜の表面に、プローブ分子と消光状態の蛍光分子とからなる蛍光修飾プローブが配列され、該金属薄膜の表面が、表面処理によって対純水接触角90度以上の撥水性を有しており、本発明の核酸検出装置及び核酸検出方法は、前記プラズモン励起センサ上で前記蛍光修飾プローブと検体中のターゲット核酸との反応により形成される二本鎖の複合体を、プラズモン光によって励起された蛍光シグナルとして検出することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
号明細書(特許文献1)に示されており、モレキュラービーコンとは分子の両末端に蛍光分子と消光分子を有するものと定義されている。このモレキュラビーコンにおいては、通常、蛍光分子と消光分子とが近接しており、蛍光分子の励起エネルギーが消光分子に移動するために蛍光が消光している。ここで、モレキュラビーコンが別の分子と反応すると、ビーコンの立体構造が変化するために蛍光分子と消光分子が離れ、蛍光分子の発光が生じる。このため、モレキュラビーコンをプローブ分子として用いる場合には検体中の生体分子に蛍光分子等を別途付す必要がないので、モレキュラビーコンは溶液中で生体分子を検出する際の試薬として一般的によく用いられ始めている。
子を固定し、さらに一端に蛍光分子を修飾したループ型プローブ分子をこの金属微粒子に
固定した生体分子検出素子を用いて、検出用生体分子を非標識の状態で高感度に検出する方法を紹介している。この生体分子検出素子において、金属微粒子が蛍光増強効果を生じさせるとともに消光分子としての役割をも有している。この生体分子検出素子では、検体中のターゲット核酸との反応前においては、金属微粒子と蛍光分子とが近接しているのでプローブ分子上の蛍光分子が金属消光により消光しているが、反応後では蛍光分子と金属微粒子との距離が増大するので蛍光分子が蛍光を発生する。また、特許文献2には、検体中のターゲット核酸を検出する際に、金属微粒子の局在プラズモン共鳴による電場増強効果を利用して蛍光増強を行っているので、高感度な検出が可能であることが記載されている。
透明平面基板の表面に金属薄膜が形成され、該金属薄膜の表面に、プローブ分子と消光状態の蛍光分子とからなる蛍光修飾プローブが配列され、該金属薄膜の表面が、表面処理によって対純水接触角90度以上の撥水性を有するプラズモン励起センサを備えており、
前記プラズモン励起センサ上で前記蛍光修飾プローブと検体中のターゲット核酸との反応により形成される二本鎖の複合体を、プラズモン光によって励起された蛍光シグナルと
して検出する
ことを特徴とする。
工程(a):透明平面基板の表面に金属薄膜が形成され、該金属薄膜の表面に、プローブ分子と消光状態の蛍光分子とからなる蛍光修飾プローブが配列され、該金属薄膜の表面が、表面処理によって対純水接触角90度以上の撥水性を有するプラズモン励起センサに、検体を接触させる工程;
工程(b):前記工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに対して、前記透明平面基板の、前記金属薄膜とは反対側の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された前記蛍光分子から発光された蛍光量を測定する工程;および、
工程(c):前記工程(b)で得られた測定結果から、前記検体中に含まれる核酸の量を算出する工程
を含むことを特徴とする。
本発明の第1の態様は、
透明平面基板11の表面に金属薄膜12が形成され、金属薄膜12の表面に、プローブ分子31と消光状態の蛍光分子32とからなる蛍光修飾プローブ21が配列され、該金属薄膜12の表面が、表面処理によって対純水接触角90度以上の撥水性を有するプラズモン励起センサである。
本発明において、プラズモン励起センサの構造を支持する平面基板として透明平面基板11が用いられる。本発明において、平面基板として透明平面基板11を用いるのは、後述する金属薄膜12への光照射をこの平面基板を通じて行うからである。
あり、厚さが好ましくは0.01〜10mm、より好ましくは0.5〜5mmであれば、大きさ(縦×横)は特に限定されない。
折率〔nd〕1.88)およびK−LaSFn22(屈折率〔nd〕1.90)、並びに(株)オハラ製のS−LAL10(屈折率〔nd〕1.72)などが、光学的特性と洗浄性
との観点から好ましい。
本発明に係るプラズモン励起センサでは、透明平面基板11の一方の表面に金属薄膜12を形成する。ここで、プラズモン励起センサを検体と接触させる前においては、図1(a)に示すように、金属薄膜12は、蛍光分子32と近接した状態にあるので、蛍光分子32の励起エネルギーを吸収することにより蛍光分子32に対して金属消光をもたらす役割を有する。一方、プラズモン励起センサを検体と接触させた後においては、図1(b)に示すように、金属薄膜12は、蛍光分子32から離れた状態にあるので、蛍光分子32に対して金属消光をもたらさない。その代わりに、金属薄膜12は、光源からの照射光により表面プラズモン励起を引き起こすことで電場を発生させることにより、蛍光分子32の発光をもたらし増強させる役割を有する。
タンの薄膜を形成することが好ましい。
本発明において、「蛍光分子」とは、本発明において、所定の励起光を照射する、または電界効果を利用して励起することによって蛍光を発光する分子を意味し、該「蛍光」は、燐光など各種の発光も含む。
994,063号、同第5,808,044号、同第5,880,287号、同第5,556,
959号および同第5,135,717号に記載の蛍光色素も本発明で用いることができる。
本発明では、前記金属薄膜12を形成後に得られる金属薄膜基板において、金属薄膜12の、基板11とは反対側の表面に、図1(a)に示すようにプローブ分子31と消光状
態の蛍光分子32とからなる蛍光修飾プローブ21を結合させる。この蛍光修飾プローブ21は、検体中の検出対象とする核酸(以下、「ターゲット核酸」ともいう。)をプラズモン励起センサに固定させる目的で用いられるものである。ここで、「消光状態」とは、金属薄膜12などによる金属消光のために、蛍光分子32からの蛍光の発光が、金属消光の影響を受けていない場合と比較して抑制されている状態をいう。
体22として剛直且つ安定な二本鎖の核酸が形成するからである。なお、相補的な配列とは、水素結合によって安定な塩基対を形成できる配列を意味し、DNAを例にとると、Aに対してはT、Tに対してはA、Cに対してはG、Gに対してはCがそれぞれ相補的な配列である。
(i) 3’末端に蛍光分子32、5’末端にチオール基を持つループ型の核酸プローブを、リン酸バッファー等の中性付近の水溶液に溶解させ、
(ii) この核酸プローブ溶液を金属薄膜12にスポッティングし、25〜40℃にて2
〜24時間、充分湿度を保った環境で、反応させ、
(iii) その後、必要に応じて未反応の核酸プローブを洗浄により除去する
方法などが挙げられる。なお、ループ型の核酸プローブとして5’末端に蛍光分子32、3’末端にチオール基を持つものを使用する場合においても、同様の方法を用いることができる。
本発明においては、前記蛍光修飾プローブ21を結合させた金属薄膜12の表面が、表面処理によって対純水接触角90度以上の撥水性を有する。ここで、本発明にいう「接触角」は、静的接触角であり、より具体的には、基板に溶液を滴下したときにこの液滴と基板とのなす角度、言い換えれば、液滴の気−液界面が基板と接する点においてこの気−液界面と基板表面とがなす角度である。一般に、基板の対純水接触角が0度に近いほどその基板の親水性が高く、一方、180度に近いほど撥水性が高い。この接触角は、従来公知の種々の方法により測定することができる。
)に記載されているような、パーフルオロアルキル基を末端に有する、チオール、ジスルフィドなどの硫黄含有炭化フッ素系化合物、具体的には、
CF3−(CF2)m−(CH2)n−SH、
CF3−(CF2)p−(CH2)q−SS−(CH2)r−(CF2)s−CF3、または、
CF3−(CF2)x−(CH2)y−S−CO−CH3
(m,p,s,xは、それぞれ独立に5〜13の整数を表し、n,q,r,yは、それぞれ独立に1〜5の整数を表す。)で表される硫黄含有炭化フッ素系化合物が好適に用いられる。このような化合物を撥水性物質として用いると、金−硫黄結合の形成により金薄膜に固定され、自己組織化単分子膜を形成するからである。このような化合物の一例としては、パーフルオロオクチルエチルメルカプタン(CF3−(CF2)7−(CH2)2−SH)などが挙げられる
。また、このような撥水性物質は、同時にブロッキング剤としての役割も有している。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様に示したプラズモン励起センサを備えた核酸検出装置である。具体的には、
透明平面基板11の表面に金属薄膜12が形成され、該金属薄膜12の表面に、プローブ分子31と消光状態の蛍光分子32とからなる蛍光修飾プローブ21が配列され、該金属薄膜12の表面が、表面処理によって対純水接触角90度以上の撥水性を有するプラズモン励起センサを備えており、
そのセンサ上で前記蛍光修飾プローブ21と検体中のターゲット核酸33との反応により形成される二本鎖の複合体22を、プラズモン光によって励起された蛍光シグナルとして検出する
ことを特徴とする核酸検出装置である。
本発明において、「検体」とは、本発明の核酸検出方法による測定対象となる種々の試料をいう。
ターゲット核酸33は、上記プローブ分子31によって特異的に認識され(または、上記プローブ分子31を特異的に認識し)結合し得る分子または分子断片としての核酸であり、DNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子などが挙げられる。
本発明において、「複合体」とは、図1(b)に示すように、上記蛍光修飾プローブ2
1とターゲット核酸33とのハイブリダイゼーションにより形成された複合体22であり、通常は二本鎖の核酸である。ターゲット核酸33と蛍光修飾プローブ21に含まれるプローブ分子31とが相補的な配列を有する場合には、安定な二本鎖の核酸を形成するので、蛍光分子32が金属薄膜12から離れることになり、金属薄膜12による金属消光の影響を受けなくなる。これに基づき、本発明においては、金属消光の消失により蛍光の発光が生じたことをもって、検体中にターゲット核酸33が存在すると判断するのである。
本発明で用いる光源は、前記金属薄膜12にプラズモン励起を生じさせることができるものであれば、特に制限がないものの、波長分布の単一性および光エネルギーの強さの点で、レーザ光を光源として用いることが好ましい。レーザ光は、光学フィルタを通して、プリズムに入射する直前のエネルギーおよびフォトン量を調節することが望ましい。
起センサ表面上の構造体または付着物などの影響で発生する散乱光)、酵素蛍光基質の自家蛍光、などの各種ノイズ光を除去するフィルタであって、例えば、干渉フィルタ、色フィルタなどが挙げられる。
本発明において、上記光学系は「駆動装置」の形で統合されていてもよい。本発明の駆動装置は、上記プラズモン励起センサを用いて、本発明を実施するためのものである。
本発明の第3の態様は、上記第1の態様に示したプラズモン励起センサを用いた核酸検出方法であり、上記第2の態様に示した核酸検出装置に対応する核酸検出方法である。具体的には、
工程(a):透明平面基板11の表面に金属薄膜12が形成され、該金属薄膜12の表面に、プローブ分子31と消光状態の蛍光分子32とからなる蛍光修飾プローブ21が配列され、該金属薄膜12の表面が、表面処理によって対純水接触角90度以上の撥水性を有するプラズモン励起センサに、検体を接触させる工程;
工程(b):前記工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに対して、前記透明平面基板11の、前記金属薄膜12とは反対側の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された前記蛍光分子32から発光された蛍光量を測定する工程;および、
工程(c):前記工程(b)で得られた測定結果から、前記検体中に含まれるターゲット核酸33の量を算出する工程
を含むことを特徴とする核酸検出方法である。
本発明の核酸検出方法において、工程(a)は、上記第1の態様として示したプラズモン励起センサ、すなわち、透明平面基板11の表面に金属薄膜12が形成され、該金属薄膜12の表面に、プローブ分子31と消光状態の蛍光分子32とからなる蛍光修飾プローブ21が配列され、該金属薄膜12の表面が、表面処理によって対純水接触角90度以上の撥水性を有するプラズモン励起センサに、検体を接触させる工程である。
本発明において、「接触」とは、プラズモン励起センサのうち蛍光修飾プローブ21が固定化されている面が送液中に浸漬されている状態で、この送液中に含まれる対象物をこのプラズモン励起センサと接触させることをいう。本発明において、上記検体とプラズモン励起センサとの「接触」は、流路中に循環する送液に検体が含まれ、プラズモン励起センサのリガンドが固定化されている片面のみが該送液中に浸漬されている状態において、プラズモン励起センサと検体とを接触させる態様が好ましい。
である。
洗浄工程とは、上記「接触」を経て得られたプラズモン励起センサの表面を洗浄する工程である。この洗浄工程は、工程(a)に含まれることが好ましい。
本発明の核酸検出方法において、工程(b)は、工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサについて、透明平面基板11の、金属薄膜12とは反対側の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光分子32から発光された蛍光量を測定する工程である。
工程(c)とは、上記工程(b)で得られた測定結果から、検体中に含有されるターゲット核酸33の量を算出する工程である。
工程(c)においては、上記工程(b)の前に測定した“ブランク蛍光シグナル”、上記工程(b)で得られた“測定蛍光シグナル”、および何も修飾していない金属基板を流路に固定し、超純水を流しながらSPFSを測定して得られたシグナルを“初期ノイズ”としたとき、下記式(1a)で表されるアッセイS/N比を算出することができる:
アッセイS/N比=|Ia/Io|/In (1a)
(上記式(1a)において、Iaはアッセイ蛍光シグナル、Ioはブランク蛍光シグナル、Inは初期ノイズである)。
ナル"を基準として、下記式(1b)にしたがって算出してもよい:
アッセイS/N比=|Ia|/|Ian| (1b)
(上記式(1b)において、Ianはアッセイノイズシグナル、Iaは上記式(1a)の場
合と同様にアッセイ蛍光シグナルである)。
本発明のキットは、本発明の核酸検出方法に用いられることを特徴とするものであって、本発明の核酸検出方法を実施するにあたり、プローブ分子31、蛍光分子32および検体以外に必要とされるすべてのものを含むことが好ましい。
以下の手順により、撥水性プラズモン励起センサを作製し、そのセンサを用いて接触角およびSPFS検出シグナルの測定を行った。
工程A−1:ガラス製透明基板への金薄膜形成
透明平面基板としてSCHOTT AG社製のBK7ガラスを用い、その透明平面基板上に、スパッタ装置を用いてクロム薄膜(厚さ2〜3nm)及び金薄膜(厚さ44〜52nm)をこの順番に積層させて形成した。
プローブDNAの3'末端をチオール修飾し、5'末端を蛍光分子Alexa 647で修飾
したプローブDNA((株)ニッポンジーン製)をリン酸バッファー pH7.2(シグマ社製)
に溶解し、5μMプローブDNA溶液とした。このプローブDNA溶液を、上記工程A−1で金薄膜を形成した基板に滴下し、約15時間自然乾燥させ、プローブDNAを上記基板に固定した
。
ACGCCxxxxxxxxGGCGT
なる配列を有しており、右端と左端の5塩基はループ型プローブのステム部分にあたる。
ここで、「xxxxxxxx」で示される部位にある塩基配列が、検出対象の遺伝子の相補的部分配列となる。
ACGCCCTCCATCATCCAACATATCAGGCGT (配列番号1)
なる塩基配列で示されるプローブDNAを用いた。
した。
上記工程A−1〜2により作製したプラズモン励起センサ前駆基板に対して、エタノールに溶解した50μM パーフルオロオクチルエチルメルカプタン[CF3−(CF2)7−CH2
CH2−SH](シグマ社製)を滴下した。その後、15時間自然乾燥させ、プラズモン励起センサAとした。
上記工程A−1〜3を経て作製したプラズモン励起センサAに4μlの純水を滴下した
ときの接触角(静的接触角)を、接触角測定装置(FTA社製接触角計、型番:FTA125)を
用いて測定した。
上記工程A−1〜3を経て作製したプラズモン励起センサAを用いて、SPFSによる核酸検出を行った。
GAGGTAGGTTGTATAGT (配列番号2)
を(株)ニッポンジーンより購入し、リン酸バッファー pH7.2で100nmol/mlに希釈することによりターゲット核酸原液として調製したものを使用した。
100nmol/mlの上記ターゲット核酸原液をHBS-EPランニングバッファー(0.01M HEPES pH
7.4、0.15M NaCl、3mM EDTA)で希釈し、1nmol/mlの試料溶液を調製した。
上記工程B−1で調製した試料溶液1mlを、プラズモン励起センサAに流速500μl/min
で送液し、90分間循環させた。この試料溶液の循環中に上記プラズモン励起センサAに対して、プリズム(シグマ光機(株)製)経由でレーザー光(640nm、40μW)を照射し、発した蛍光シグナルをCCDを用いて測定した。なお、試料溶液を送液させる前の上
記ランニングバッファーのみを送液した場合におけるシグナル値を、アッセイノイズシグナルとした。試料溶液についての蛍光シグナルからアッセイノイズシグナルを差し引いて、検出シグナルを得た。
上記工程A−1、2を経て作製したプラズモン励起センサ前駆基板に対して、工程A−3で用いたパーフルオロオクチルエチルメルカプタンの代わりに、疎水性を付与するためにオクタデカンチオール[CH3−(CH2)17−SH]を用いて表面処理を行い、プラズモン励起センサBとした。
上記工程A−1、2を経て作製したプラズモン励起センサ前駆基板に対して、上記工程A−3による疎水処理を施すことなく、純水に対する接触角の測定およびSPFSによる核酸検出を行った。なお、SPFSによる核酸検出において、工程B−1および工程B−2を上記実施例1の場合と同様に行った。
シグナル強度が得られた。従って、この発明において行った撥水性付与のための表面処理がモレキュラービーコンを用いたSPFS検出に有効であり、より高感度な核酸検出を可能とする。
12・・・金属薄膜
13・・・撥水処理膜
21・・・蛍光修飾プローブ
22・・・複合体
31・・・プローブ分子
32・・・蛍光分子
33・・・ターゲット核酸
実施例で用いたプローブDNA
配列番号2
実施例で用いたターゲットDNA
Claims (11)
- 透明平面基板の表面に金属薄膜が形成され、該金属薄膜の表面に、プローブ分子と消光状態の蛍光分子とからなる蛍光修飾プローブが配列され、該金属薄膜の表面が、表面処理によって対純水接触角90度以上の撥水性を有するプラズモン励起センサ。
- 透明平面基板の表面に金属薄膜が形成され、該金属薄膜の表面に、プローブ分子と消光状態の蛍光分子とからなる蛍光修飾プローブが配列され、該金属薄膜の表面が、表面処理によって対純水接触角90度以上の撥水性を有するプラズモン励起センサを備えており、
前記プラズモン励起センサ上で前記蛍光修飾プローブと検体中のターゲット核酸との反応により形成される二本鎖の複合体を、プラズモン光によって励起された蛍光シグナルとして検出する
ことを特徴とする核酸検出装置。 - 前記表面処理が、炭化フッ素系化合物による撥水処理である請求項2に記載の核酸検出
装置。 - 前記蛍光修飾プローブにおいて、前記プローブ分子の一方の末端が前記金属薄膜に固定されており、他方の末端が前記蛍光分子と結合している請求項2または3に記載の核酸検出装置。
- 前記プローブ分子が、ループ型の構造を有する核酸である請求項2〜4のいずれかに記載の核酸検出装置。
- 下記工程(a)〜(c)を含むことを特徴とする核酸検出方法:
工程(a):透明平面基板の表面に金属薄膜が形成され、該金属薄膜の表面に、プローブ分子と消光状態の蛍光分子とからなる蛍光修飾プローブが配列され、該金属薄膜の表面が、表面処理によって対純水接触角90度以上の撥水性を有するプラズモン励起センサに、検体を接触させる工程;
工程(b):前記工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに対して、前記透明平面基板の、前記金属薄膜とは反対側の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された前記蛍光分子から発光された蛍光量を測定する工程;および、
工程(c):前記工程(b)で得られた測定結果から、前記検体中に含まれるターゲット核酸の量を算出する工程。 - 前記表面処理が、炭化フッ素系化合物による撥水処理である請求項6に記載の核酸検出
方法。 - 前記蛍光修飾プローブにおいて、前記プローブ分子の一方の末端が前記金属薄膜に固定されており、他方の末端が前記蛍光分子と結合している請求項6または7に記載の核酸検出方法。
- 前記プローブ分子が、ループ型の構造を有する核酸である請求項6〜8のいずれかに記載の核酸検出方法。
- 前記検体が、血液、血清、血漿、尿、鼻孔液および唾液からなる群から選択される少なくとも1種の体液である請求項6〜9のいずれかに記載の核酸検出方法。
- 透明平面基板の表面に金属薄膜が形成された基板、撥水処理剤、検体を溶解または希釈するための溶解液または希釈液、該基板と検体との反応の際に用いる溶液、および洗浄試
薬を含むキット。
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CN104009137A (zh) * | 2014-05-30 | 2014-08-27 | 中国科学院物理研究所 | 高速率、定向发射的单光子源器件 |
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