JP2010256161A - プラズモン励起センサおよびそれを用いたアッセイ法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高感度かつ高精度であり、イムノアッセイに必要不可欠である特異性に優れたプラズモン励起センサおよびそれを用いたアッセイ法、アッセイ用装置ならびにアッセイ用キットを提供する。
【解決手段】透明平面基板と、該基板の一方の表面に形成された複数個の金属突起と、該突起の先端部近傍を被覆するように形成されたSAM(自己組織化単分子膜)1と、該SAM1の、該突起とは接していないもう一方の表面に固定化されたリガンド2とを含むプラズモン励起センサであって、該SAM1が、該基板に対して略平行であることを特徴とするプラズモン励起センサ。
【選択図】図6

Description

本発明は、プラズモン励起センサおよびそれを用いたアッセイ法、該アッセイ用装置ならびに該アッセイ用キットに関する。さらに詳しくは、本発明は、複数個の金属突起を有する基板を含むプラズモン励起センサ、および表面プラズモン共鳴(SPR;Surface Plasmon Resonance)による電場増強効果を利用した該センサを用いたアッセイ法、該アッセイ用装置ならびに該アッセイ用キットに関する。
SPR(表面プラズモン共鳴)とは、照射したレーザ光が金薄膜表面で全反射減衰(ATR)する条件において、誘電体に接触した金属薄膜表面に発生させた粗密波(表面プラズモン)と、誘電率(または屈折率)の差異による影響を受け易いエバネッセント波との波数が一致したとき両者が共鳴して反射光が減衰する現象を言い、通常、金属中の電子は光と相互作用しないが、ナノオーダーレベルの微粒子や針状の突起物の先端部が周期的に並ぶような特殊な構造をとる場合、その微細な領域中で電子と光とが共鳴して、これまでの常識を覆すような極めて高い光出力をもたらすなどの効果を発現する。
SPR自体は、金属微粒子が着色する現象として知られている。ガラスの表面に金属微粒子を塗布した着色ガラスは鮮やかな色を呈し、ステンドガラスとして普及している。自動車の着色塗装にも応用されている。
これに対して、近年注目されているのが、光デバイスとして利用するという試みである。そのため、ナノ領域における光の挙動を研究する「ナノフォトニクス」という研究分野も確立されつつある。
光デバイスとして注目されている応用分野の1つが、高い光出力を持つ発光素子である。SPRにより数百倍〜数千倍もの光強度の増加現象が見られることから、これにより高出力な面発光レーザなどの発光デバイスを開発しようという検討が始まっている。ナノオーダーレベルの微細領域に光を閉じ込めることが可能なことから、ナノ光導波路としても有望視されている。
また、SPRが起こっている表面の領域は、わずかな分子が結合しただけで敏感に共鳴状態が変化することから、DNAなどの微小物質を検出するバイオセンサとして使用する検討も進んでいる。
このようなSPRの電場増強効果を利用したバイオセンサまたはバイオチップの例として、特許文献1には、光学基材の一面に、高さが100〜10000nm、幅が20〜1000nm、アスペクト比が2〜10である、多数の凸部が形成され、該凸部表面に厚さ40〜120nmの金属膜が積層され、該金属膜表面に誘電体層が積層され、該誘電体層表面に試料中の被測定物質と特異的に結合する抗体が固定されている局在プラズモン増強センサが開示されている。
上記局在プラズモン増強センサは、電場直接励起による強い蛍光シグナルが発せられるものの、依然としてノイズも大きいという問題がある。
また、非特許文献1には、ナノインプリント法により、ガラス基板上にピッチ180nm、高さ60nm程度の球体状突起樹脂を形成し、その上に厚み40nmの金薄膜を形成した局在プラズモンセンサが開示されている。
しかしながら、特異分子のシグナル増幅だけでなく、非特異分子などによるノイズも増幅してしまうことからS/Nに改善の余地が認められる。
特開2007−240361号公報
松下智彦、外2名、"局在SPRバイオセンサーの研究 ハイスループットに作製可能なバイオセンサーチップの実現"、平成19年9月14日、平成19年度マイクロ・ナノ融合加工技術研究会 第1回例会
本発明は、高感度かつ高精度であり、イムノアッセイに必要不可欠である特異性に優れたプラズモン励起センサおよびそれを用いたアッセイ法、アッセイ用装置ならびにアッセイ用キットを提供することを目的とする。
特許文献1に開示されている局在プラズモン増強センサは、センサ表面全体の平均的な電場増強だけを狙っているものであって、被測定物質の配置や位置などには創意工夫がみられず、したがって、電場の強い突起部だけでなく、電場の弱い凹部にも被測定物質が万遍なく配置されるため、シグナルが強いものもあれば弱いものもあり、効率の良いシグナルアップを望めるものではない。また、ノイズの原因となる非特異的な被測定物質が電場増強の強い部分に付着する可能性もあり、ノイズアップに繋がる問題も生じる。
そこで、本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意検討した結果、突起先端の平坦部にのみSAMを設け、そこに被測定物質(アナライト)を結合するリガンドを固定化し、多くの被測定物質を電場の強い突起先端部の近傍のみに配置することによって、効率良く安定にシグナルアップできること、さらに、突起先端部の近傍以外にはリガンドを固定化しないことによって、同時にノイズダウンできることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のプラズモン励起センサは、透明平面基板と、該基板の一方の表面に形成された複数個の金属突起と、該突起の先端部近傍を被覆するように形成されたSAM(自己組織化単分子膜)と、該SAMの、該突起とは接していないもう一方の表面に固定化されたリガンドとを含むことを特徴とする。
さらに、誘電体からなる層を含み、該層が、上記金属突起の先端部近傍を被覆するように形成され、上記透明平面基板に対して略平行であり、該層の、該突起とは接していないもう一方の表面にSAM(自己組織化単分子膜)が形成されていることが好ましい。
上記金属突起の形状は、1山突起形状であることが好ましい。
上記金属突起は、アクリル系樹脂もしくはエポキシ樹脂からなる突起の表面を金属からなる薄膜によって被覆されてなるか、または金属のみからなることが好ましい。
上記金属は、金、銀、アルミニウム、銅および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく、金がより好ましい。
上記誘電体は、二酸化ケイ素(SiO2)または二酸化チタン(TiO2)を含むことが好ましい。
上記SAM(自己組織化単分子膜)は、シランカップリング剤、またはチオール基もしくはジスルフィド基を有する分子からなることが好ましい。
上記リガンドは、腫瘍マーカーまたはがん胎児性抗原を認識し結合する抗体であってもよい。
また、本発明のアッセイ法は、下記工程(a)〜(d)を含むことを特徴とする。
工程(a):上記プラズモン励起センサに、検体を接触させる工程、
工程(b):該工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、さらに、該プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと蛍光色素とのコンジュゲートを反応させる工程、
工程(c):該工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、上記透明基板の、上記金属薄膜を形成していないもう一方の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程、および
工程(d):該工程(c)で得られた測定結果から、検体中に含有されるアナライト量を算出する工程。
上記アナライトに、上記コンジュゲートが結合することができる。
上記アナライトとは異なるアナライトであって、上記アナライトと競合するアナライトが、上記のプラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドとあらかじめ結合している複合体を、さらに用いることもできる。
上記アナライトは、腫瘍マーカーまたはがん胎児性抗原であってもよい。
本発明の装置は、上記プラズモン励起センサを含み、上記アッセイ法に用いられることを特徴とする。
また、本発明のアッセイ用キットは、透明平面基板と、該基板の一方の表面に形成された複数個の金属突起と、該突起の先端部近傍を被覆するように形成されたSAM(自己組織化単分子膜)とからなり、上記プラズモン励起センサに用いられるプラズモン励起センサ用基板を、少なくとも含むことを特徴とする。
本発明のプラズモン励起センサは、SPFSにおいて電場増強が著しく大きい突起を有することによって、該突起の先端部近傍に捕捉された蛍光色素からの発光を主に検出することができ、さらに該突起の先端部近傍以外の非特異的な吸着に由来する蛍光が少ないことから、バックグランドノイズも低減することができる。すなわち、本発明のプラズモン励起センサは、SPFSにおいて、電場増強(S;シグナル)アップだけでなく同時にノイズ(N)ダウンも行うことでS/N比アップを図ったものである。
また、本発明のプラズモン励起センサは、SPRにより電場増強を利用しているものであり、表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS;Surface Plasmon−field enhanced Fluorescence Spectroscopy)に用いることによって、さらなる電場増強が利用できる。
図1は、本発明のプラズモン励起センサが有する、1山突起形状の金属突起の斜視図(a)および断面図(b)を模式的に示し、さらに(c)は、その先端部近傍を誘電体からなる層27によって被覆するように形成されている該金属突起の一態様の断面模式図を表す。 図2は、透明平面基板の一方の表面に複数個有する1山突起タイプの金属突起が、隙間なく整列している態様を模式的に示す。 図3は、本発明のプラズモン励起センサを製造する方法(製造方法(I))のうち、センサ基板を製造するまでの工程(i)〜(vii)の一態様を模式的に示す。 図4は、本発明のプラズモン励起センサを製造する方法(製造方法(II))のうち、センサ基板を製造するまでの工程(i)〜(iv),(x)〜(xiii)の一態様を模式的に示す。 図5は、本発明のプラズモン励起センサを製造する方法(製造方法(III))のうち、センサ基板を製造するまでの工程(xiv)〜(xvi)の一態様を模式的に示す。 図6は、本発明のプラズモン励起センサを用いたアッセイ法を模式的に示したものであって、すなわち、図6は、金属突起の先端部近傍のSAM1が略平坦になっているプラズモン励起センサ10に固定化されているリガンド2に結合したアナライト3に、さらにリガンド2と同じであっても異なっていてもよいリガンド4と蛍光色素5とのコンジュゲートが結合している状態で、該センサのリガンド2を固定化していないもう一方の表面から入射光を照射することによって(図示なし)、金属突起の先端部近傍が強電場領域(3次元)となり、蛍光色素5が励起され強い蛍光を発しているため、励起散乱光ノイズ、余分の発光ノイズおよび/またはラマン散乱ノイズによるバックグランドノイズが相対的に弱くなり、S/N比が著しく向上していることを模式的に示す図である。
次に、本発明のプラズモン励起センサ、アッセイ法およびキットについて具体的に説明する。
<プラズモン励起センサ>
本発明のプラズモン励起センサは、「透明平面基板」と、該基板の一方の表面に形成された複数個の「金属突起」と、該突起の先端部近傍を被覆するように形成された「SAM」(自己組織化単分子膜)と、該SAMの、該突起とは接していないもう一方の表面に固定化された「リガンド」とを含むことを特徴とするものである。
本発明のプラズモン励起センサは、さらに、「誘電体からなる層」を含むことが好ましく、該層は、上記金属突起の先端部近傍を被覆するように形成され、上記透明平面基板に対して略平行であり、該層の、該突起とは接していないもう一方の表面にSAM(自己組織化単分子膜)が形成されていることが望ましい。
〔透明平面基板〕
本発明で用いられる透明平面基板としては、石英製やガラス製であっても、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)などのプラスチック製であってもよく、屈折率〔nd〕が好ましくは1.40〜2.20であり、厚さが好ましくは0.01〜10mm、より好ましくは0.5〜5mmであれば、大きさ(縦×横)は特に限定されない。
なお、ガラス製の透明平面基板は、市販品として、ショット日本(株)製の「BK7」(屈折率〔nd〕1.52)および「LaSFN9」(屈折率〔nd〕1.85)、(株)
住田光学ガラス製の「K−PSFn3」(屈折率〔nd〕1.84)、「K−LaSFn17」(屈折率〔nd〕1.88)および「K−LaSFn22」(屈折率〔nd〕1.90)、(株)オハラ製の「S−LAL10」(屈折率〔nd〕1.72)などが光学的特性と洗浄性との観点から好ましい。
透明平面基板は、その表面に金属突起を形成する前に、その表面を酸および/またはプラズマにより洗浄することが好ましい。
酸による洗浄処理としては、0.001〜1Nの塩酸中に、1〜3時間浸漬することが好ましい。
プラズマによる洗浄処理としては、例えば、プラズマドライクリーナー(ヤマト科学(株)製の「PDC200」)中に、0.1〜30分間浸漬させる方法が挙げられる。
〔金属突起〕
本発明で用いられる金属突起は、上記透明平面基板の一方の表面に複数個形成されており、金属突起の形状は、1山突起形状(例えば、図1(a)に示す。)が好ましい。
図1(b)に定義されている1山突起形状の金属突起の高さは、100〜2,000nmが好ましく、200〜1,000nmがより好ましい。また該金属突起の幅は、100〜2,000nmが好ましく、200〜1,000nmがより好ましい。
このような金属突起のアスペクト比(高さ/幅)は、1〜10が好ましく、2〜10がより好ましい。
金属突起の高さ、幅およびアスペクト比が上記範囲内であると、より強い電場増強が利用可能であることから好適である。
複数個の金属突起は、図2に示すように隙間なく整列するように透明平面基板の一方の表面に形成することが好ましい。なお、金属突起同士の間およびその近傍を、以下「谷部」ともいう。
このような1山突起形状の金属突起は、円錐状、または三角錐、四角錐などの角錐状の1山突起形状を有する金属突起であり、例えば、図1(a)に示す円錐などが挙げられる。
このような金属突起は、(イ)アクリル系樹脂またはエポキシ系樹脂からなる突起の表面を金属からなる薄膜によって被覆されてなるか、または(ロ)金属のみからなることが好ましい。
上記(イ),(ロ)は、電場増強度の観点から適宜選択することができ、例えば、金属種としてアルミニウムを用いた(ロ)である金属突起より、金属種として金を用いた(イ)である金属突起の方が、電場増強度がより大きいことから(イ)を選択することが好ましく、また例えば、(イ),(ロ)のいずれも用いる金属種が金である場合は、(ロ)を選択することが好ましい。
(金属からなる薄膜)
金属からなる薄膜としては、好ましくは、金、銀、アルミニウム、銅、および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなり、より好ましくは金からなることが望ましく、これら金属の合金であってもよい。このような金属種は、酸化に対して安定であ
り、かつ表面プラズモンによる電場増強が大きくなることから好適である。なお、金属突起が金属のみからなる場合、用いられる金属は、金属からなる薄膜を形成する金属種と同様である。
金属からなる薄膜を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法(抵抗加熱蒸着法、電子線蒸着法等)、電解メッキ、無電解メッキ法などが挙げられる。薄膜形成条件の調整が容易なことから、スパッタリング法または蒸着法により金属からなる薄膜を形成することが好ましい。
金属からなる薄膜の厚さとしては、金:5〜500nm、銀:5〜500nm、アルミニウム:5〜500nm、銅:5〜500nm、白金:5〜500nm、およびそれらの合金:5〜500nmが好ましい。
電場増強効果の観点から、金:20〜70nm、銀:20〜70nm、アルミニウム:10〜50nm、銅:20〜70nm、白金:20〜70nm、およびそれらの合金:10〜70nmがより好ましい。金属からなる薄膜の厚さが上記範囲内であると、表面プラズモンが発生し易いので好適である。
透明平面基板の一面に設けられた複数個の金属突起が、照射される光の波長以下の構造物であるため、透明平面基板は明確な全反射角を示すことなく、透明平面基板を透過してきた光はほぼ無反射で金属からなる薄膜上(または金属突起の表面上)の表面電子粗密波と相互作用し、金属膜微細構造に強く局在した増強電場を生じるとともに、唯一の周波数レベルにエネルギーが集中し、強い増強電場が形成される。
これに対して、平面や回折格子のような照射される光の波長よりも大きな構造をもつ透明平面基板上の金属からなる薄膜への光照射では、二次散乱光、三次散乱光、四次散乱光といったものが観測され、表面プラズモンの周波数は、多数のレベルに分散される。
形成された増強電場中に標識物質として蛍光分子を置くと、蛍光分子は電場直接励起により電子励起され、強い蛍光を発する。これは、(1)光吸収による励起とそれに続く蛍光ではなく、(2)増強電場による励起による蛍光である。前者(1)は、照射光強度に対する発光強度の比率が吸光度を上限とするのに対し、後者(2)では吸光度が上限ではない。
したがって、上記突起ような微細構造による配置をSPFSに利用することにより、蛍光分子を強く発光させることができる。
〔SAM〕
SAM(Self−Assembled Monolayer;自己組織化単分子膜)は、金属突起の先端部近傍を被覆するように形成されたものであり、透明平面基板に対して略平行であって、好ましくは誘電体からなる層の、金属突起とは接していないもう一方の表面に形成され、略平坦になっていることが望ましい。
本発明において、SAMは、(1)シランカップリング剤、または(2)チオール基もしくはジスルフィド基を有する分子からなることが好ましい。
(シランカップリング剤)
SAMとして、シランカップリング剤を用いるのは、誘電体からなる層が金属突起の先端部近傍を被覆するように形成されている場合が望ましく、このようなシランカップリング剤としては、アミノ基またはカルボキシル基を有するシランカップリング剤であれば、
特に限定されずに従来公知のものを用いることができる。
(チオール基またはジスルフィド基を有する分子)
SAMとしてチオール基またはジスルフィド基を有する分子を用いるのは、金属突起の先端部近傍に誘電体からなる層が形成されずに、直接SAMを金属突起の先端部近傍を被覆する場合が望ましい。
チオール基を有する分子としては、例えば、炭素原子数4〜20程度のカルボキシアルカンチオール(例えば、(株)同仁化学研究所、シグマ アルドリッチ ジャパン(株)などから入手可能)などが挙げられ、これらのうち、炭素原子数4〜20のカルボキシアルカンチオールが好ましい。
ジスルフィド基を有する分子として、例えば、5−カルボキシペンチル ジスルフィド、7−カルボキシヘプチル ジスルフィド、10−カルボキシデンシル ジスルフィドなどが挙げられ、これらのうち、5−カルボキシペンチル ジスルフィドが好ましい。
チオール基またはジスルフィド基を有する分子のうち、好ましくは炭素原子数4〜20のカルボキシアルカンチオール、特に好ましくは10−カルボキシ−1−デカンチオールである。炭素原子数4〜20のカルボキシアルカンチオールは、それを用いて形成されたSAMの光学的な影響が少ない、すなわち透明性が高く、屈折率が低く、膜厚が薄いなどの性質を有していることから好適である。
金属突起の先端部近傍に形成されているSAMの表面形状が、透明平面基板に対して略平行になっていると、金属突起同士の間(谷部)に固定化されるリガンド濃度より、金属突起の先端近傍に固定化されるリガンド濃度を高くすることができ、これによって金属突起の先端近傍に捕捉される蛍光色素を効率良く励起することができる。
なお、このようなSAMの表面の面積は、1,000〜40,000nm2、かつ金属
突起の底面積の1/100〜1/10であることが好ましい。
SAMを形成する方法としては、例えば、下記(A)〜(F)の方法などが挙げられる。
(A)エッチング法(フォトレジスト法):
方法(A)は、まず、金属突起全面にSAMを形成し、次に、突起の先端部のみをマスクすることができるマスク板により、該先端部をマスクし、次にエッチングを行う方法である。これによって、谷部のSAMが除去される。
(B)レーザアブレーション法:
方法(B)は、まず、金属突起全面にSAMを形成し、次に、谷部にエキシマレーザー集光ビームを照射する方法である。これにより、谷部のSAMがアブレーション(蒸発・微粒子化)され、除去される。
(C)インクジェット法:
方法(C)は、金属突起の先端部近傍のみにインクジェットによりシランカップリング剤を吹付ける方法である。これによって、金属突起の先端部近傍のみにSAMが形成される。
(D)斜めから吹付けるか、または蒸着する方法:
方法(D)は、シランカップリング剤を、金属突起に対して斜め上方向から吹付けるか
、または斜め上方向から蒸着する方法である。これにより、金属突起の先端部近傍のみに選択的にSAMが形成される。
(E)紫外線照射法:
方法(E)は、まず、金属突起全面にSAMを形成し、次に、200〜300nmの波長域の紫外光を谷部に照射する方法である。これによって、谷部のSAMが除去される。なお、この方法は、詳しくは、特開2002−023356号公報に記載されている。
(F)ナノリソグラフィー法:
方法(F)は、金属突起の先端部近傍のみにSAMを形成する方法であって、極微細なパターニングを可能にする方法である。また、この方法によれば、金属突起の先端部近傍に形成されるSAMを略平坦とすることができるため好ましい。
なお、詳細は、Beomjoon KIMら,“自己組織化単分子膜のマイクロマシニングへの応用”,
生産研究,54巻3号(第38〜43頁),2002年、および金長吉,“機能性自己組織化単分子膜を用いたナノパターニング”,生産研究,55巻6号(第25〜30頁),2003年に記載されている。
〔リガンド〕
リガンドとは、検体中に含有されるアナライトを特異的に認識し(または、認識され)結合し得る分子または分子断片であって、このような「分子」または「分子断片」としては、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などであれば、特に限定されない。
「タンパク質」としては、例えば、抗体などが挙げられ、具体的には、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体((株)日本医学臨床検査研究所などから入手可能)、抗ガン胎児性抗原(CEA)モノクローナル抗体、抗CA19−9モノクローナル抗体、抗PSAモノクローナル抗体などの腫瘍マーカーまたはがん胎児性抗原を認識し結合する抗体が挙げられるが、本発明では特に制限されるものではない。
なお、本発明において、「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体、遺伝子組換えにより得られる抗体、および抗体断片を包含する。
〔誘電体からなる層〕
本発明のプラズモン励起センサは、金属突起による蛍光色素の金属消光を防止することを目的として、金属突起とSAMとの間に、さらに誘電体からなる層を含むことが好ましい。
用いられる誘電体としては、光学的に透明な各種無機物、天然または合成ポリマーを用いることもできるが、化学的安定性、製造安定性および光学的透明性に優れていることから二酸化ケイ素(SiO2)または二酸化チタン(TiO2)を含むことが好ましい。
誘電体からなる層の厚さ(透明平面基板を水平に置いた際、金属突起の先端部から誘電体からなる層の表面までの垂直方向の距離とする。)は、通常10nm〜1mmであり、共鳴角安定性の観点からは、30nm以下が好ましく、10〜20nmがより好ましい。また、電場増強の観点からは、200nm〜1mmが好ましく、電場増強効果の安定性の
観点からは、400〜1,600nmが好ましい。本発明のプラズモン励起センサが、今
後、大量生産される際、該センサが有する誘電体からなる層の厚さが変動することが想定され、特に400nm以上の厚さを有すると共鳴角の変動が一層大きくなる可能性があるため、測定の安定性を確保する目的から、誘電体からなる層の厚さとして、特に10〜20nmが好ましい。
<プラズモン励起センサの製造方法>
本発明のプラズモン励起センサを製造する方法として、例えば、以下の製造方法(I)〜(III)などが挙げられる。ただし、本発明は、これら製造方法に限定されるものではない。
〔製造方法(I)〕
本発明のプラズモン励起センサの製造方法(I)は、下記工程(i)〜(ix)を含むことが好ましい。
工程(i):シリコン製または石英製の基板の一方の表面にレジスト用樹脂を塗布し、該レジスト用樹脂を光照射することによって、金属突起底面の形状にくりぬいたマスクパターンを形成する工程、
工程(ii):該工程(i)で得られたマスクパターンの上からウェットエッチングを施すことによって、金属突起の形状に対応する溝を形成する工程、
工程(iii):該工程(i)で得られたマスクパターンを除去し、該工程(ii)で得られた溝にアクリル系またはエポキシ系の光硬化性樹脂を満たし、その上から透明平面基板を乗せ、該透明平面基板の上から光照射し、アクリル系またはエポキシ系の光硬化性樹脂を硬化させることによって樹脂型を形成する工程、
工程(iv):該工程(iii)で得られた樹脂型からシリコン製または石英製の基板を外し、アクリル系樹脂またはエポキシ系樹脂からなる突起の表面に金属からなる薄膜を形成することによって金属突起を有するホットサイト基板を得る工程、
工程(v):該工程(iv)で得られたホットサイト基板が有する金属突起の表面に誘電体からなる層を形成する工程、
工程(vi):該工程(v)で得られた誘電体からなる層の、金属突起とは接していないもう一方の表面にレジスト用樹脂を塗布し、レジスト用樹脂を光照射することによって、誘電体からなる層の所望する形状にくりぬいたマスクパターンを形成する工程、
工程(vii):該工程(vi)で得られたマスクパターンの上からドライエッチングを施すことによって、金属突起の先端部近傍を被覆するように誘電体からなる層を形成したセンサ基板を得る工程、
工程(viii):該工程(vii)で得られたセンサ基板が有する誘電体からなる層の略平坦となっている表面にSAMを形成する工程、および
工程(ix):該工程(viii)で得られたSAMの表面にリガンドを固定化する工程。
〔製造方法(II)〕
本発明のプラズモン励起センサの製造方法(II)は、上記工程(i)〜(iv)、下記工程(x)〜(xiii)および上記工程(viii)、(ix)を含むことが好ましい。
工程(x):上記(iv)で得られたホットサイト基板の金属突起が形成されている一方の表面に対して、垂直方向を基準として10〜60度傾いた方向から誘電体を蒸着することによって、誘電体からなる層を形成する工程、
工程(xi):該工程(x)で得られたセンサ基板の、誘電体からなる層の金属突起とは接していないもう一方の表面を、光硬化性樹脂によって被覆し、該樹脂を光照射により
硬化させることによって被覆層を形成する工程、
工程(xii):該工程(xi)で得られた被覆層の表面を、ケミカルメカニカルエッチングを施すことによって化学機械研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)し、誘電体からなる層を露出させる工程、および
工程(xiii):該工程(xii)において誘電体からなる層を露出させたセンサ基板の被覆層のみを除去することによって、金属突起の先端部近傍を被覆するように誘電体からなる層を形成したセンサ基板を得る工程。
〔製造方法(III)〕
本発明のプラズモン励起センサの製造方法(III)は、ワイヤグリッド偏光子作製法を利用したものであって、下記工程(xiv)〜(xvi)および上記工程(viii)、(ix)を含むことが好ましい。
工程(xiv):アルミニウムからなる薄膜の一方の表面に、順に誘電体からなる層およびレジスト用樹脂からなる層を形成する工程、
工程(xv):該工程(xiv)で得られたレジスト用樹脂からなる膜を光照射することによって、金属突起底面の形状にくりぬいたマスクパターンを形成する工程、および
工程(xvi):該工程(xv)で得られたマスクパターンの上から、ウェットエッチングまたはドライエッチングを施し、該マスクパターンを除去することによって、センサ基板を得る工程。
これら製造方法(I)〜(III)のうち、金属突起の先端部近傍を被覆するように形成した誘電体からなる層の化学機械研磨(CMP)による平坦化が容易なことから、製造方法(II)が好ましい。
以下、各工程について図3〜5を用いて詳細に説明する。
(工程(i))
工程(i)とは、図3(2)に示すように「シリコン製または石英製の基板21」の一方の表面に「レジスト用樹脂」を塗布し、該レジスト用樹脂を光照射する(すなわち、紫外光(UV光)または電子線を照射する。)ことによって、金属突起底面の形状にくりぬいた「マスクパターン22」を形成する工程である。
「シリコン製または石英製の基板21」が特にシリコン製である場合、レジスト用樹脂を塗布する表面は、異方性エッチングする観点から(1,0,0)面が好ましい。
「レジスト用樹脂」としては、例えば、電子線レジストの場合、日本ゼオン(株)製の「ZEP520A」、東京応化工業(株)製の「OEBR100」などの市販品が好適である。
「マスクパターン22」を形成する際、紫外光(UV光)を照射する場合、紫外光を透過しない金属性のマスクであるレクチルを用い、または電子線を照射する場合、スキャニングすることが好ましい。
(工程(ii))
工程(ii)とは、図3(3)に示すように、上記工程(i)で得られたマスクパターン22の上から「ウェットエッチング」を施すことによって、金属突起の形状に対応する溝を形成する工程である。
「ウェットエッチング」は、基板21がシリコン製である場合、例えば、TMAH(T
etramethyl ammonium hydroxide;水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液など、基板21が石英製である場合、例えば、BHF(バッファードフッ酸)などを用いて行うことができる。
(工程(iii))
工程(iii)とは、上記工程(i)で得られた「マスクパターン22」を除去し、図3(4)に示すように上記工程(ii)で得られた溝に「アクリル系またはエポキシ系の光硬化性樹脂230」を満たし、図3(5)に示すようにその上から「透明平面基板24」を乗せ、該透明平面基板の上から紫外線(UV)照射し、アクリル系またはエポキシ系の光硬化性樹脂を硬化させることによって樹脂型(図3(5)の23および24の複合体)を形成する工程である。
「マスクパターン22」を除去する方法としては、例えば、UV照射法、酸素アッシング法、UVオゾン法等のドライプロセス法;各種溶剤用いるウェットプロセス法などが挙げられる。これら方法は、適宜選択することができ、本発明は特に限定されないが、本発明のプラズモン励起センサを量産する場合、大量にバッチ処理することができるウェットプロセス法が好ましく、処理の容易性という観点からは、ドライプロセス法が好適である。
「アクリル系またはエポキシ系の光硬化性樹脂230」は、紫外線を照射することによって硬化し、アクリル系樹脂またはエポキシ系樹脂23となるものであって、市販品として、例えば、東洋合成工業(株)製の「PAK−01」などが好適である。
「透明平面基板24」は、上述したものと同様のものを用いることが望ましい。
(工程(iv))
工程(iv)とは、図3(6)に示すように、上記工程(iii)で得られた樹脂型からシリコン製または石英製の基板21を外し、アクリル系樹脂またはエポキシ系樹脂23からなる突起の表面に「金属からなる薄膜25」を形成することによって金属突起を有する「ホットサイト基板26」を得る工程である。
「金属からなる薄膜25」は、上述したものと同様にして形成することができる。
「ホットサイト基板26」とは、すなわち、透明平面基板24と、該基板24の一方の表面に形成された複数個の突起を有するアクリル系樹脂23からなる層と、該層の、該基板24とは接していないもう一方の表面に形成された金属からなる薄膜25とからなるものであり、金属からなる薄膜25で被覆された突起を金属突起という。
(工程(v))
工程(v)とは、図3(7)に示すように、上記工程(iv)で得られたホットサイト基板が有する金属突起の上に「誘電体からなる層27」を形成する工程である。
「誘電体からなる層27」の誘電体の好ましい態様は上述したものと同様である。
「誘電体からなる層27」の形成方法としては、例えば、材料としてメチルシルセスキシオキサン(MSQ)を用いる有機SOG(Spin On Glass)または無機SOGにより形成する方法などが挙げられる。
(工程(vi))
工程(vi)とは、図3(8)に示すように、上記工程(v)で得られた誘電体からな
る層27の、金属突起とは接していないもう一方の表面に「レジスト用樹脂」を塗布し、該レジスト用樹脂を光照射することによって、「誘電体からなる層の所望する形状」にくりぬいたマスクパターン22を形成する工程である。
「レジスト用樹脂」は、上述したものと同様のものを用いることができる。
誘電体からなる層も上述した通りであり、「誘電体からなる層の所望する形状」は、略円形状であっても略正方形状であってもよい。
(工程(vii))
工程(vii)とは、図3(9)に示すように、上記工程(vi)で得られたマスクパターン22の上から「ドライエッチング」を施すことによって、金属突起の先端部近傍を被覆するように誘電体からなる層27を形成した「センサ基板28」を得る工程である。
「ドライエッチング」を施す装置として、例えば、RIE(平行平板型)プラズマエッチング装置、ICP(誘導結合型)プラズマエッチング装置などが挙げられる。
これらの装置を用いてSiO2(誘電体からなる層27)をドライエッチングする際、
通常フルオロカーボン系(CF系)のエッチングガスを使用する。このエッチングガスを真空中で分解させることによって生成したイオンがSiO2と反応し、SiO2をエッチングすることができる。なお、イオンの生成と同時にフッ素ラジカルも生成し、フッ素ラジカルもSiO2をエッチングすることができるが、SiO2のみならずマスクパターン22をもエッチングするおそれがあることから、フッ素ラジカルの生成を抑える(すなわち、イオン/フッ素ラジカルの比を大きくする。)ことが好ましい。
ICPプラズマエッチング装置は、バイアス電力制御によってエッチャントイオンを加工対象に引き込むエネルギーを制御できることから、RIEプラズマエッチング装置よりパラメータの選択性に優れている。ただし、ICPプラズマエッチング装置は、RIEプラズマエッチング装置より電子密度が高く(すなわち、解離率(電離率)が高い。)、SiO2をドライエッチングする際、必要以上にフッ素ラジカルが発生するおそれがあるこ
とから、RIEプラズマエッチング装置を用いることが好ましい。
「センサ基板」とは、すなわち、ホットサイト基板26と、該ホットサイト基板26が有する金属突起の先端部近傍を被覆するように形成された誘電体からなる層27とからなるものである。
(工程(viii))
工程(viii)とは、上記工程(vii)で得られたセンサ基板が有する誘電体からなる層の略平坦となっている表面に「SAM」を形成する工程である。
「SAM」(自己組織化単分子膜)は、上述した通りである。
SAMを形成する方法としては、金属突起同士の間(谷部)には誘電体からなる層が形成されていないことから、上述したSAMの形成方法の(C)インクジェット法または(D)斜めから吹付けるか、または蒸着する方法が好ましい。
(工程(ix))
工程(ix)とは、上記工程(viii)で得られたSAMの表面に「リガンド」を固定化する工程である。
「リガンド」は、上述した通りである。
リガンドの固定化方法としては、例えば、リガンドが有するカルボキシル基を、水溶性カルボジイミド(WSC)(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)など)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)とにより活性エステル化し、このように活性エステル化したカルボキシル基と、上記「SAM」を形成するシランカップリング剤が有するアミノ基とを水溶性カルボジイミドを用いて脱水反応させ固定化させる方法などが挙げられる。
(工程(x))
工程(x)とは、図3(6)に示すように上記(iv)で得られたホットサイト基板26の金属突起が形成されている一方の表面に対して、垂直方向を基準として10〜60度傾いた方向(金属突起の形状、大きさ、該突起の配置の粗密などによって所望する角度を選択できる。)から「誘電体」を蒸着することによって、図4(1)に示すような「誘電体からなる層27」を形成する工程である。
「誘電体」および「誘電体からなる層27」は上述した通りであるが、図4(1)に示すように、誘電体からなる層27は金属突起の先端部および谷部にのみ形成され、図3(7)に示すように、金属突起は誘電体からなる層27に埋没すような態様とは明らかに異なる。
(工程(xi))
工程(xi)とは、図4(2)に示すように、上記工程(x)で得られたセンサ基板の、誘電体からなる層27の金属突起とは接していないもう一方の表面を、「光硬化性樹脂」によって被覆し、該樹脂を光照射により硬化させることによって「被覆層29」を形成する工程である。
「光硬化性樹脂」は、紫外線などの光によって硬化し、その後容易に除去できるものであれば、特に限定されず、上述のアクリル系またはエポキシ系の光硬化性樹脂であってもよい。
「被覆層」の厚さは、特に限定されるものではなく、誘電体からなる層27を完全に埋没できる厚さであればよい。
(工程(xii))
工程(xii)とは、図4(3)に示すように、上記工程(xi)で得られた被覆層29の、誘電体からなる層27とは接していないもう一方の表面を、化学機械研磨(CMP)、またはドライエッチングもしくはウェットエッチングを施すことによって「誘電体からなる層27を露出」させる工程である。
研磨によって「誘電体からなる層27を露出」させる程度は、金属突起の先端部近傍に形成された誘電体からなる層27が露出し始め、露出した誘電体からなる層27の面積が1,000〜40,000nm2、かつ金属突起の底面積の1/100〜1/10の範囲
を満たすか、または誘電体からなる層27の厚さが10〜20nmとなるときに、研磨を停止することが好ましい
(工程(xiii))
工程(xiii)とは、図4(4)に示すように、上記工程(xii)において誘電体からなる層27を露出させたセンサ基板の「被覆層29のみを除去」することによって、金属突起の先端部近傍を被覆するように誘電体からなる層27を形成したセンサ基板30を得る工程である。
「被覆層29のみを除去」する方法として、例えば、(1)メチルエチルケトンで溶解させる、(2)酸素アッシング(ドライエッチング)を施す、(3)UVオゾン洗浄を施すことなどが挙げられる。これらのうち、短時間のバッチ処理が容易なことから、(1)が好適である。
(工程(xiv))
工程(xiv)とは、「アルミニウムからなる薄膜」の一方の表面に、順に「誘電体からなる層27」および「レジスト用樹脂」からなる層を形成する工程である。
「アルミニウムからなる薄膜」は、アルミニウム以外の金属を用いて薄膜を形成することもできるが、アルミニウム以外の金属よりアルミニウムの方がエッチングにおける腐食性が高いことから、アルミニウムが特に好ましい。ただし、アルミニウムを用いる場合、アルゴンなどの不活性ガスを使用して物理的にエッチングする際、選択比(=アルミニウムのエッチング量/マスクパターンのエッチング量)が小さいことがあるので、マスクパターンをより厚く形成することが好ましい。
「誘電体からなる層27」および「レジスト用樹脂」は、上述した態様と同様である。
なお、図5(1)に示すように、誘電体からなる層27とレジスト用樹脂からなる層220との間に、クロムからなる層31を設けてもよい。
これらの層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法(抵抗加熱蒸着法、電子線蒸着法等)、電解メッキ、無電解メッキ法などが挙げられる。薄膜形成条件の調整が容易なことから、スパッタリング法または蒸着法によりこれらの層を形成することが好ましい。
それぞれの層の好ましい厚さは、誘電体からなる層27:10〜20nm、クロムからなる層31:50〜5,000nm(クロムはエッチング耐性に優れているのでレジスト用樹脂からなる層220の半分程度が好ましい。)、およびレジスト用樹脂からなる層220:100〜10,000nm(アルミニウムからなる薄膜と同程度またはそれ以上の厚さを有することが好ましい。)である。
(工程(xv))
工程(xv)とは、上記工程(xiv)で得られたレジスト用樹脂からなる膜を光照射することによって、金属突起底面の形状にくりぬいたマスクパターン22を形成する工程である。
なお、図5(2)には、工程(xv)のクロムからなる層31を設けた態様を示す。
(工程(xvi))
工程(xvi)とは、上記工程(xv)で得られたマスクパターン22の上から、「ウェットエッチング」または「ドライエッチング」を施し、該マスクパターン22を除去することによって、センサ基板を得る工程である。
クロムからなる層31を設けた場合、工程(xvi)は、図5(3)に示すように、上記工程(xv)で得られたマスクパターン22の上からドライエッチングを施すことによって、クロムからなる層31からマスクパターンを形成し、図5(4)に示すように、さらに該マスクパターン22の上からウェットエッチングドまたはライエッチングを施し、該マスクパターン22を除去することによって、金属突起33の先端部近傍を被覆するよ
うに誘電体からなる層27を有するセンサ基板34を得る工程である。
「ウェットエッチング」および「ドライエッチング」は、適宜選択することができるが、ナノレベルの加工の場合、微細加工に有利なドライエッチングが好適である。
<アッセイ法>
本発明のアッセイ法は、下記工程(a)〜(d)を含み、好ましくはさらに洗浄工程を含むことを特徴とするものである。
工程(a):上述したプラズモン励起センサに、検体を接触させる工程。
工程(b):該工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、さらに、該プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと蛍光色素とのコンジュゲートを反応させる工程。
工程(c):該工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、上記透明基板の、上記金属薄膜を形成していないもう一方の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程。
工程(d):該工程(c)で得られた測定結果から、検体中に含有されるアナライト量を算出する工程。
洗浄工程:該工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサの表面および/または該工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサの表面を洗浄する工程。
〔工程(a)〕
工程(a)とは、上述したプラズモン励起センサに、「検体」を「接触」させる工程である。
(検体)
「検体」としては、例えば、血液(血清・血漿)、尿、鼻孔液、唾液、便、体腔液(髄液、腹水、胸水等)などが挙げられ、所望の溶媒、緩衝液等に適宜希釈して用いてもよい。これら検体のうち、血液、血清、血漿、尿、鼻孔液および唾液が好ましい。
(接触)
「接触」は、流路中に循環する送液に検体が含まれ、プラズモン励起センサのリガンドが固定化されている片面のみが該送液中に浸漬されている状態において、プラズモン励起センサと検体とを接触させる態様が好ましい。
上記「流路」とは、微量な薬液の送達を効率的に行うことができ、反応促進を行うために送液速度を変化させたり、循環させたりすることができる角筒状または円筒(管)状のものであって、プラズモン励起センサを設置する個所近傍は角筒状構造を有することが好ましく、薬液を送達する個所近傍は円筒(管)状を有することが好ましい。
その材料としては、プラズモン励起センサ部ではメチルメタクリレート、スチレン等を原料として含有するホモポリマーまたは共重合体;ポリエチレン等のポリオレフィンなどからなり、薬液送達部ではシリコンゴム、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリマーを用いる。
プラズモン励起センサ部においては、検体との接触効率を高め、拡散距離を短くする観
点から、プラズモン励起センサ部の流路の断面として、縦×横がそれぞれ独立に100nm〜1mm程度が好ましい。
流路にプラズモン励起センサを固定する方法としては、小規模ロット(実験室レベル)では、まず、該プラズモン励起センサの金属薄膜が形成されている表面に、流路高さ0.5mmを有するポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートを該プラズモン励起センサの金属薄膜が形成されている部位を囲むようにして圧着し、次に、該ポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートと該プラズモン励起センサとをビス等の閉め具により固定する方法が好ましい。
工業的に製造される大ロット(工場レベル)では、流路にプラズモン励起センサを固定する方法としては、プラスチックの一体成形品に金基板を形成、または別途作製した金基板を固定し、金表面に誘電体層、蛍光色素層およびリガンド固定化を行った後、流路の天板に相当するプラスチックの一体成形品により蓋をすることで製造できる。必要に応じてプリズムを流路に一体化することもできる。
このような「送液」としては、検体を希釈した溶媒または緩衝液と同じものが好ましく、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、トリス緩衝生理食塩水(TBS)などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
送液を循環させる温度および時間としては、検体の種類などにより異なり、特に限定されるものではないが、通常20〜40℃×1〜60分間、好ましくは37℃×5〜15分間である。
送液中の検体中に含有されるアナライトの初期濃度は、100μg/mL〜0.001pg/mLであってもよい。
送液の総量、すなわち流路の容積としては、通常0.001〜20mL、好ましくは0.1〜1mLである。
送液の流速は、通常1〜2,000μL/min、好ましくは5〜500μL/min
である。
(洗浄工程)
洗浄工程とは、下記工程(b)の前および/または後に含まれることが好ましく、上記工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサの表面および/または下記工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサの表面を洗浄する工程である。
洗浄工程に使用される洗浄液としては、例えば、Tween20、TritonX100などの界面活性剤を、工程(a)および(b)の反応で用いたものと同じ溶媒または緩衝液に溶解させ、好ましくは0.00001〜1重量%含有するものが望ましい。
洗浄液を循環させる温度および流速は、上記工程(a)の「送液を循環させる温度および流速」と同じであることが好ましい。
洗浄液を循環させる時間は、通常0.5〜180分間、好ましくは5〜60分間である。
〔工程(b)〕
工程(b)とは、上記工程(a)、好ましくは上記洗浄工程を経て得られたプラズモン
励起センサに、さらに、「該プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと蛍光色素とのコンジュゲート」を反応させる工程である。
(蛍光色素)
「蛍光色素」とは、本発明において、所定の励起光を照射する、または電界効果を利用して励起することによって蛍光を発光する物質の総称であり、該「蛍光」は、燐光など各種の発光も含む。
本発明で用いられる「蛍光色素」は、特に限定されず、公知の蛍光色素のいずれであってもよい。一般に、単色比色計(monochromometer)よりむしろフィルタを備えた蛍光計の使用をも可能にし、かつ検出の効率を高める大きなストークス・シフトを有する蛍光色素が好ましい。
このような「蛍光色素」としては、例えば、フルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(Integrated DNA Technologies社製)、ポリハロフルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(アプライドバイオシステムズジャパン(株)製)、ヘキサクロロフルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(アプライドバイオシステムズジャパン(株)製)、クマリン・ファミリーの蛍光色素(インビトロジェン(株)製)、ローダミン・ファミリーの蛍光色素(GEヘルスケア バイオサイエンス(株)製)、シアニン・ファミリーの蛍光色素、インドカルボシアニン・ファミリーの蛍光色素、オキサジン・ファミリーの蛍光色素、チアジン・ファミリーの蛍光色素、スクアライン・ファミリーの蛍光色素、キレート化ランタニド・ファミリーの蛍光色素、BODIPY(登録商標)・ファミリーの蛍光色素(インビトロジェン(株)製)、ナフタレンスルホン酸・ファミリーの蛍光色素、ピレン・ファミリーの蛍光色素、トリフェニルメタン・ファミリーの蛍光色素、Alexa Fluor(登録商標)色素シリーズ(インビトロジェン(株)製)などが挙げられ、さらに米国特許番号第6,406,297号、同第6,221,604号、同第5,994,063号、同第5,808,044号、同第5,880,287号、同第5,55
6,959号および同第5,135,717号に記載の蛍光色素も本発明で用いることがで
きる。
これらファミリーに含まれる代表的な蛍光色素の吸収波長(nm)および発光波長(nm)を表1に示す。
Figure 2010256161
これら蛍光色素は1種単独でも、2種以上併用してもよい。
(リガンドと蛍光色素とのコンジュゲート)
「プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと蛍光を消光または吸収し得る化合物とのコンジュゲート」は、リガンドとして2次抗体を用いる場合、検体中に含有されるアナライト(標的抗原)を認識し結合し得る抗体であることが好ましい。ただし、本発明のプラズモン励起センサに固定化されているリガンドとして用いる1次抗体抗がポリクローナル抗体である場合、2次抗体は、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよいが、該1次抗体がモノクローナル抗体である場合、2次抗体は、該1次抗体が認識しないエピトープを認識するモノクローナル抗体であるか、またはポリクローナル抗体であることが望ましい。
さらに、検体中に含有されるアナライト(標的抗原)と競合するアナライト(競合抗原;ただし、標的抗原とは異なるものである。)と2次抗体とがあらかじめ結合した複合体を用いる態様も好ましい。このような態様は、蛍光信号(蛍光シグナル)量と標的抗原量とを比例させることができるため好適である。
「プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと蛍光色素とのコンジュゲート」の作製方法としては、リガンドとして2次抗体を用いる場合、例えば、まず蛍光色素にカルボキシル基を付与し、該カルボキシル基を、水溶性カルボジイミド(WSC)(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)など)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)とにより活性エステル化し、次いで活性エステル化したカルボキシル基と2次抗体が有するアミノ基とを水溶性カルボジイミドを用いて脱水反応させ固定化させる方法;イソチオシアネートおよびアミノ基をそれぞれ有する2次抗体および蛍光色素を反応させ固定化する方法;スルホニルハライドおよびアミノ基をそれぞれ有する2次抗体および蛍光色素を反応させ固定化する方法;ヨードアセトアミドおよびチオール基をそれぞれ有する2次抗体および蛍光色素を反応させ固定化する方法;ビオチン化された蛍光色素とストレプトアビジン化された2次抗体とを反応させ固定化する方法などが挙げられる。
このように作製された「プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても
異なっていてもよいリガンドと蛍光色素とのコンジュゲート」の送液中の濃度は、0.0
01〜10,000μg/mLが好ましく、1〜1,000)μg/mLがより好ましい。
送液を循環させる温度、時間および流速は、それぞれ上記工程(a)の場合と同様である。
〔工程(c)〕
工程(c)とは、上記工程(b)、好ましくは上記洗浄工程を経て得られた「プラズモン励起センサ」に、上記透明基板の、上記金属薄膜を形成していないもう一方の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程である。
レーザ光は、光学フィルタを通して、プリズムに入射する直前のエネルギーおよびフォトン量を調節することが望ましい。
「レーザ光」としては、例えば、波長400〜840nm、入射光量として1mW程度のLD、波長230〜800nm(金属薄膜に用いる金属種によって共鳴波長が決まる。)、0.01〜100mWの固体レーザおよびガスレーザなどが挙げられる。これらのうち、小型かつ安価であることからLDが好ましい。
「プリズム」は、各種フィルタを介したレーザ光が、プラズモン励起センサに効率よく入射することを目的としており、屈折率が上記「透明基板」と同じであることが好ましい。本発明は、全反射条件を設定できる各種プリズムを適宜選択することができることから、角度、形状に特に制限はなく、例えば、60度分散プリズムなどであってもよい。このようなプリズムの市販品としては、上述した「ガラス製の透明平面基板」の市販品と同様のものが挙げられる。また、プリズムは、プラスチックなども含む誘電体からなる。
「光学フィルタ」としては、例えば、減光(ND)フィルタ、ダイアフラムレンズなどが挙げられる。
「減光(ND)フィルタ」(または、中性濃度フィルタ)は、入射レーザ光量を調節することを目的とするものである。特に、ダイナミックレンジの狭い検出器を使用するときには精度の高い測定を実施する上で用いることが好ましい。
「偏光フィルタ」は、レーザ光を、表面プラズモンを効率よく発生させるP偏光とするために用いられるものである。
「カットフィルタ」は、外光(装置外の照明光)、励起光(励起光の透過成分)、迷光(各所での励起光の散乱成分)、プラズモンの散乱光(励起光を起源とし、プラズモン励起センサ表面上の構造体または付着物などの影響で発生する散乱光)、酵素蛍光基質の自家蛍光、などの各種ノイズ光を除去するフィルタであって、例えば、干渉フィルタ、色フィルタなどが挙げられる。
「集光レンズ」は、検出器に蛍光シグナルを効率よく集光することを目的とするものであり、任意の集光系でよい。簡易な集光系として、顕微鏡などで使用されている、市販の対物レンズ(例えば、(株)ニコン製またはオリンパス(株)製等)を転用してもよい。対物レンズの倍率としては、10〜100倍が好ましい。
「SPFS検出部」としては、超高感度の観点からは光電子増倍管(浜松ホトニクス(株)製のフォトマルチプライヤー)が好ましい。また、これらに比べると感度は下がるが
、画像として見ることができ、かつノイズ光の除去が容易なことから、多点計測が可能なCCDイメージセンサも好適である。
〔工程(d)〕
工程(d)とは、上記工程(c)で得られた測定結果から、検体中に含有されるアナライト量を算出する工程である。
より具体的には、工程(d)は、既知濃度の標的抗原もしくは標的抗体での測定を実施することで検量線を作成し、作成された検量線に基づいて被測定検体中のアナライト(標的抗原量もしくは標的抗体)量を測定シグナルから算出する工程である。
(アナライト)
「アナライト」としては、上記「SAM」に固定化されたリガンドに特異的に認識され(または、認識し)結合し得る分子または分子断片であって、このような「分子」または「分子断片」としては、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などが挙げられ、具体的には、AFP(αフェトプロテイン)等のがん胎児性抗原や腫瘍マーカー、シグナル伝達物質、ホルモンなどであってもよく、特に限定されない。
(アッセイS/N比)
さらに、工程(d)は、上記工程(c)の前に測定した“ブランク蛍光シグナル”、上記工程(c)で得られた“アッセイ蛍光シグナル”、および何も修飾していない金基板を流路に固定し、超純水を流しながらSPRを測定して得られたシグナルを“初期ノイズ”としたとき、下記式で表されるアッセイS/N比を算出することができる。
アッセイS/N比=|(アッセイ蛍光シグナル)−(ブランク蛍光シグナル)|/(初期ノイズ)
<装置>
本発明の装置は、少なくとも、上記プラズモン励起センサを含み、上記アッセイ法に用いられることを特徴とするものである。
「装置」としては、例えば、レーザ光の光源、各種光学フィルタ、プリズム、カットフィルタ、集光レンズおよび表面プラズモン励起増強蛍光(SPFS)検出部を含むものとし、検体液、洗浄液または標識抗体液などを取り扱う際に、センサチップと組み合った送液系を有することが好ましい。送液系としては、例えば、送液ポンプと連結したマイクロ流路デバイスなどでもよい。
また、表面プラズモン共鳴(SPR)検出部、すなわちSPR専用の受光センサとしてのフォトダイオード、SPRおよびSPFSの最適角度を調製するための角度可変部(サーボモータで全反射減衰(ATR)条件を求めるためにフォトダイオードと光源とを同期して、45〜85°の角度変更を可能とする。分解能は0.01°以上が好ましい。)、SPFS検出部に入力された情報を処理するためのコンピュータなども含んでもよい。
光源、光学フィルタ、カットフィルタ、集光レンズおよびSPFS検出部の好ましい態様は上述したものと同様である。
「送液ポンプ」としては、例えば、送液が微量な場合に好適なマイクロポンプ、送り精
度が高く脈動が少ないが循環することができないシリンジポンプ、簡易で取り扱い性に優れるが微量送液が困難な場合があるチューブポンプなどが挙げられる。
<アッセイ用キット>
本発明のアッセイ用キットは、透明平面基板と、該基板の一方の表面に形成された複数個の金属突起と、該突起の先端部近傍を被覆するように形成されたSAM(自己組織化単分子膜)とからなり、上記プラズモン励起センサに用いられるプラズモン励起センサ用基板を、少なくとも含むことを特徴とするものであって、本発明のアッセイ法を実施するにあたり、1次抗体や抗原などのリガンド、検体および2次抗体以外に必要とされるすべてのものを含むことが好ましい。
例えば、本発明のアッセイ用キットと、検体として血液または血清と、特定の腫瘍マーカーに対する抗体とを用いることによって、特定の腫瘍マーカーの含有量を、高感度かつ高精度で検出することができる。この結果から、触診などによって検出することができない前臨床期の非浸潤癌(上皮内癌)の存在も高精度で予測することができる。
このような「アッセイ用キット」としては、具体的に、透明平面基板の一方の表面に複数個の金属突起を形成し、該突起の先端部近傍を被覆するように形成されたSAMからなるプラズモン励起センサ用基板;検体を溶解または希釈するための溶解液または希釈液;プラズモン励起センサと検体とを反応させるための各種反応試薬および洗浄試薬が挙げられ、本発明のアッセイ法を実施するために必要とされる各種器材または資材や上記「装置」を含めることもできる。
さらに、キット要素として、検量線作成用の標準物質、説明書、多数検体の同時処理ができるマイクロタイタープレートなどの必要な器材一式などを含んでもよい。
次に、本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[作製例1]
まず、シリコン製基板の一方の表面((1,0,0)面)に、レジスト用樹脂を塗布し、その上から光照射することによって略円形状にくりぬいたマスクパターンを形成した。マスクパターンの上からウェットエッチングを行い、略円錐形の溝を形成した。このシリコン製基板にアクリル系光硬化性樹脂である「PAK−01」(東洋合成工業(株)製)を満たし、透明平面基板として光学ガラスである「BK7」(ショット日本(株)製)で蓋をして光硬化により樹脂型を作製した。樹脂型を蒸着装置に入れて50nmの膜厚で金蒸着を行い1山突起タイプの金属突起を有するホットサイト基板を作製した。
得られた基板は、10mm×10mmの面積を有し、ガラス厚が0.1mm、樹脂厚50μm、金薄膜の厚さが50nm、金属突起部の直径が200nm、アスペクト比2の略円錐が間隔200nmで前後左右に配列したアレイ構造となっている。
次に、得られた基板にスピンコータで、材料としてメチルシルセスキシオキサン(MSQ)を用いて、有機SOGにより金薄膜の上にSiO2を底面から410nmの膜厚で形
成した。フォトレジストで金薄膜の突起部構造に合わせてマスクパターンを形成し、ドライエッチングによりマスクパターン以外の部分をエッチングして基板の金属突起部に略平面の誘電体からなる層を形成することによって、センサ基板を得た。なお、誘電体からなる層の厚さは約0.01μmであった。
続いて、センサ基板の上に、3−アミノプロピルトリエトキシシランを5重量%含む水溶液をスピンコータで塗布し、室温で2時間自然乾燥させた後、50℃で10分間加熱してリガンドを固定化するためのSAMを形成することによって、SAMを有するセンサ基板を作製した。
[作製例2]
作製例1で得られたホットサイト基板を蒸着装置内で水平面から30度の角度で傾斜させて固定し、蒸着でSiO2膜を形成した。得られたSiO2膜は金属突起部と平坦部とに形成された構造を有する。さらに、アクリル系光硬化性樹脂「PAK−01」(東洋合成工業(株)製)で被覆膜を形成した。この膜厚は500nmであった。ケミカルメカニカルエッチングにより表面を研磨してSiO2の最表面を略平坦に加工した。
被覆膜をメチルエチルケトンで溶解し、金属突起部に略平坦の誘電体からなる層を形成することによってセンサ基板を作製した。
なお、作製例1および2で得られたセンサ基板が有する誘電体からなる層の平坦性を、走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope;SPM)(エスアイアイナノテクノロジー社製「Nano Navi ステーション」)を用いて以下の基準により評価した。
○:平坦部の傾き範囲が、0度(水平)〜15度である。
△:平坦部の傾きの範囲が、15度を超え30度以内である。
×:平坦部の傾きの範囲が、30度を超える。
得られた結果を表2に示す。
Figure 2010256161
[作製例3]
作製例1において、ウェットエッチングにより略円錐形の溝を形成しなかった以外は作製例1と同様にして、SAMを有するセンサ基板を作製した。
[作製例4]
作製例1において、ドライエッチングを行わなかった以外は作製例1と同様にして、SAMを有するセンサ基板を作製した。
[作製例5]
ビオチン化抗AFPモノクローナル抗体の溶液とストレプトアビジン標識HiLyte
Fluor(登録商標)647(ANASPEC,INC社製)溶液とを混合し、4℃で60分間、攪拌混合することで反応させた。
次に、未反応抗体および未反応酵素を、分子量カットフィルタ(日本ミリポア(株)製)を用いて精製することで、HiLyte Fluor(登録商標)647標識抗AFPモノクローナル抗体溶液を得た。得られた抗体溶液はタンパク定量後、4℃で保存した。
なお、作製例1〜4で得られた、SAMを有するセンサ基板それぞれを用いて、以下のようにして電場増強度を求めた。
SAMを有するセンサ基板に、(縦)2mm×(横)10mmの穴を有する、外形が(縦)10mm×(横)20mm、(厚さ)0.5mmのポリジメチルシロキサン(PDMS)製スペーサを設け、流路を配置した。そして、流路の外側から基板を覆うように厚さ4mmで同外形のポリメチルメタクリレート板を乗せ圧着し、ビスで流路と該ポリメチルメタクリレート板とを固定した。超純水をペリスタポンプにより、30℃、流速500μL/minで循環させた。ここで、光源として波長633nmのレーザ光を照射し、光学フィルタとして減光フィルタ(中性濃度フィルタ)を用いてフォトン量を調節し、シグマ光機(株)製の60度プリズムを通して、流路に固定されたセンサ基板に照射し、フォトダイオードを受光センサとしてSPRの測定を開始した。最大共鳴角に光源と受光センサを固定した後、電場増強度を測定した。電場増強測定に用いた光学系は、カットフィルタとして(日本真空光学社製)、集光レンズとして20倍の対物レンズ((株)ニコン製)、CCDイメージセンサ(テキサスインスツールメント社製)である。
表面プラズモンにおける電場増強は、観測できない非伝播光であるから、蛍光色素液を流して観測した。蛍光色素としてHiLyte Fluor(登録商標)647(ANASPEC,INC社製)1μgを10mlのPBSバッファーに溶解した溶液をペリスタ
ポンプで流速50μL/minの速度で循環させた。
電場増強度を測定するにあたり、電場増強がないブランクとして通常の伝播光である励起光を金属表面に照射させて蛍光色素溶液の測定を行った。SPFSによる蛍光を検出して下記式により電場増強度を求めた。
電場増強度={(蛍光色素を流した時の増強非伝播光でのシグナル)−(初期ノイズ)}/{(蛍光色素を流した時の伝播光でのシグナル)−(初期ノイズ)}
なお、蛍光色素を流す前の超純水フロー状態でのシグナルを「初期ノイズ」とした。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2010256161
[実施例1]
作製例1で得られた、SAMを有するセンサ基板に、送液として超純水を10分間、その後PBSを30分間、ペリスタポンプにより、30℃、流速500μL/minで循環させた。送液の総量は15mLである。
さらに、N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)を50mMと、水溶性カルボジイミド(WSC)を100mMとを含むPBSを5mL添加し(終濃度はそれぞれNHS:50mM、WSC:100mM)、20分間循環させた後に、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(1D5、2.5mg/mL、(株)日本医学臨床検査研究所製)40μLを2時間循環させて、抗AFP抗体をセンサ基板に固定化した。表面プラズモンで共鳴角のシフトを測定し、リガンドの固定化を確認した。固定化量は5ng/mm2
であった。また、1重量%の牛血清アルブミン(BSA)を含むPBS緩衝生理食塩水にて30分間循環送液することで、非特異吸着防止処理を行った。
(アッセイ法の実施)
工程(a):送液をPBSに代え、AFPを1ng/mL含むPBSを5mL添加し、30分間循環させた。
洗浄工程:Tween20を0.05重量%含むPBSを送液として、10分間循環さ
せることによって洗浄した。
工程(b):作製例5で得られたHiLyte Fluor(登録商標)647標識抗AFPモノクローナル抗体を1,000ng/mL含むPBSを5mL添加し、30分間
循環させた。
洗浄工程:Tween20を0.05重量%含むPBSを送液として20分間循環させ
ることによって洗浄した。
工程(c):洗浄開始から20分後のCCDから観察したときのSPFSシグナル値を計測し「アッセイ蛍光シグナル」とした。なお、金基板に何も修飾していないもう一方の流路をSPFSに別途設置し、超純水を流しながら表面プラズモン測定を元に共鳴角を再設定し、SPFSを測定して得られたシグナルを「ブランク蛍光シグナル」とした。
下記式から「アッセイS/N比」を評価した。アッセイS/N比は、抗原量に比例するコンジュゲート量により変化するアッセイ蛍光シグナルの数値の絶対値が大きく、かつブランク蛍光シグナルに対して数値的に充分大きい場合、アッセイシグナルの信頼性が高いことを意味する。なお、蛍光色素を流す前の超純水フロー状態でのシグナルを「初期ノイズ」とした。
アッセイS/N比={(アッセイ蛍光シグナル)−(初期ノイズ)}/{(ブランク蛍光シグナル)-(初期ノイズ)}
得られた結果を表4に示す。
[比較例1]
実施例1において、作製例1で得られた、SAMを有するセンサ基板の代わりに、作製例3で得られた、SAMを有するセンサ基板を用いた以外は、実施例1と同様にしてアッセイ法を実施した。
得られた結果を表4に示す。
[比較例2]
実施例1において、作製例1で得られた、SAMを有するセンサ基板の代わりに、作製例4で得られた、SAMを有するセンサ基板を用いた以外は、実施例1と同様にしてアッセイ法を実施した。
得られた結果を表4に示す。
Figure 2010256161
本発明のプラズモン励起センサを用いるアッセイ法は、高感度かつ高精度に検出することができる方法であるから、例えば、血液中に含まれる極微量の腫瘍マーカーであっても検出することができ、この結果から、触診などによって検出することができない前臨床期の非浸潤癌(上皮内癌)の存在も高精度で予測することができる。
1・・・・・・・・・SAM
2・・・・・・・・・リガンド
3・・・・・・・・・アナライト
4・・・・・・・・・リガンド2と同じであっても異なっていてもよいリガンド
5・・・・・・・・・蛍光色素
21・・・・・・・・・シリコン製または石英製の基板
220・・・・・・・・レジスト用樹脂からなる層
22・・・・・・・・・マスクパターン
230・・・・・・・・アクリル系またはエポキシ系の光硬化性樹脂
23・・・・・・・・・アクリル系樹脂またはエポキシ系樹脂
24・・・・・・・・・透明平面基板
25・・・・・・・・・金属からなる薄膜
26・・・・・・・・・ホットサイト基板
27・・・・・・・・・誘電体からなる層
28,30,34・・・センサ基板
29・・・・・・・・・被覆層
31・・・・・・・・・クロムからなる層
32・・・・・・・・・アルミニウムからなる薄膜
33・・・・・・・・・金属突起

Claims (15)

  1. 透明平面基板と、
    該基板の一方の表面に形成された複数個の金属突起と、
    該突起の先端部近傍を被覆するように形成されたSAM(自己組織化単分子膜)と、
    該SAMの、該突起とは接していないもう一方の表面に固定化されたリガンドと
    を含むことを特徴とするプラズモン励起センサ。
  2. さらに、誘電体からなる層を含み、
    該層が、上記金属突起の先端部近傍を被覆するように形成され、上記透明平面基板に対して略平行であり、
    該層の、該突起とは接していないもう一方の表面にSAM(自己組織化単分子膜)が形成されている請求項1に記載のプラズモン励起センサ。
  3. 上記金属突起の形状が、1山突起形状である請求項1または2に記載のプラズモン励起センサ。
  4. 上記金属突起が、アクリル系樹脂もしくはエポキシ系樹脂からなる突起の表面を金属からなる薄膜によって被覆されてなるか、または金属のみからなる請求項1〜3のいずれかに記載のプラズモン励起センサ。
  5. 上記金属が、金、銀、アルミニウム、銅および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属である請求項1〜4のいずれかに記載のプラズモン励起センサ。
  6. 上記金属が、金である請求項5に記載のプラズモン励起センサ。
  7. 上記誘電体が、二酸化ケイ素(SiO2)または二酸化チタン(TiO2)を含む請求項2〜6のいずれかに記載のプラズモン励起センサ。
  8. 上記SAM(自己組織化単分子膜)が、シランカップリング剤、またはチオール基もしくはジスルフィド基を有する分子からなる請求項1〜7のいずれかに記載のプラズモン励起センサ。
  9. 上記リガンドが、腫瘍マーカーまたはがん胎児性抗原を認識し結合する抗体である請求項1〜8のいずれかに記載のプラズモン励起センサ。
  10. 下記工程(a)〜(d)を含むことを特徴とするアッセイ法;
    工程(a):請求項1〜9のいずれかに記載のプラズモン励起センサに、検体を接触させる工程、
    工程(b):該工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、さらに、該プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと蛍光色素とのコンジュゲートを反応させる工程、
    工程(c):該工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、上記透明基板の、上記金属薄膜を形成していないもう一方の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程、および
    工程(d):該工程(c)で得られた測定結果から、検体中に含有されるアナライト量を算出する工程。
  11. 上記アナライトに、上記コンジュゲートが結合する請求項10に記載のアッセイ法。
  12. 上記アナライトとは異なるアナライトであって、上記アナライトと競合するアナライトが、上記のプラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドとあらかじめ結合している複合体を、さらに用いる請求項10または11に記載のアッセイ法。
  13. 上記アナライトが、腫瘍マーカーまたはがん胎児性抗原である請求項10〜12のいずれかに記載のアッセイ法。
  14. 少なくとも、請求項1〜9のいずれかに記載のプラズモン励起センサを含み、請求項10〜13のいずれかに記載のアッセイ法に用いられることを特徴とする装置。
  15. 透明平面基板と、該基板の一方の表面に形成された複数個の金属突起と、該突起の先端部近傍を被覆するように形成されたSAM(自己組織化単分子膜)とからなり、請求項1〜9に記載のプラズモン励起センサに用いられるプラズモン励起センサ用基板を、少なくとも含むことを特徴とするアッセイ用キット。
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