JP2011127991A - プラズモン励起センサおよび該センサを用いたアッセイ法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高感度かつ高精度であり、イムノアッセイに必要不可欠である特異性に優れたプラズモン励起センサおよびそれを用いたアッセイ法、アッセイ用装置ならびにアッセイ用キットを提供することを目的とする。
【解決手段】透明支持体と、該支持体の一方の表面に形成された金属薄膜と、該薄膜の、該支持体とは接していないもう一方の表面の周端部を覆う(ただし、該表面の全部を覆うことはない。)ように形成されたマスク材からなる層と、該薄膜の、該支持体とは接していないもう一方の表面の、該層に覆われていない部分に固定化されたリガンドとを含むことを特徴とするプラズモン励起センサ。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラズモン励起センサ、該センサを用いたアッセイ法、アッセイ用装置およびアッセイ用キットに関する。さらに詳しくは、本発明は、表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS;Surface Plasmon−field enhanced Fluorescence Spectroscopy)の原理に基づき、表面プラズモンを利用するプラズモン励起センサ、該センサを用いたアッセイ法、アッセイ用装置およびアッセイ用キットに関する。
SPR(表面プラズモン共鳴)とは、照射したレーザ光が金薄膜表面で全反射減衰(ATR)する条件において、誘電体に接触した金属薄膜表面に発生させた粗密波(表面プラズモン)と、誘電率(または屈折率)の差異による影響を受け易いエバネッセント波との波数が一致したとき両者が共鳴して反射光が減衰する現象であって、センサ表面においてリガンドとアナライトとが相互作用することによって誘電体の誘電率(または屈折率)に差異が生じ、その結果、表面プラズモン共鳴が変化することによって、リガンドとアナライトとの相互作用を定量することができる。
SPRを利用したバイオセンサとして、特許文献1には、図3に示すように、基体2と金属層2と回折格子とを有するセンサチップ(表面プラズモン共鳴センサチップ)1が開示されており、照射範囲16内に表面プラズモン共鳴現象が起きるスポット(共鳴領域)6を覆うようにリガンド(結合物質)7をセンサ面1a上に塗布し、照射光を照射することによって、共鳴領域6の面積により測定点の面積を厳密に制御し、ばらつきのない均一なシグナルを得られることが記載されている。
しかしながら、このようなセンサチップを高感度なSPFS(表面プラズモン励起増強蛍光分光法)に利用した場合、微細構造体による電場増強度の不均一性が顕著になる点や光散乱が相対的に増加することによってノイズが増大する点などが懸念され、微弱な検出シグナルを測定する高感度かつ高精度なSPFS測定が実現できない虞がある。
特開2003−14622号公報
本発明は、高感度かつ高精度なSPFS測定を可能とするプラズモン励起センサおよびそれを用いたアッセイ法、アッセイ用装置ならびにアッセイ用キットを提供することを目的とする。
なお、SPFS(表面プラズモン励起増強蛍光分光法)とは、照射したレーザ光が金薄膜表面で全反射減衰(ATR)する条件において、誘電体に接触した金属薄膜表面に粗密波(表面プラズモン)を発生させることによって、照射したレーザ光が有するフォトン量を数十倍〜数百倍に増やし(表面プラズモンの電場増強効果)、これにより金薄膜近傍の蛍光色素を効率良く励起させることによって、極微量および/または極低濃度のアナライトを検出することができる方法である。
本発明者らは、上記の問題、および図2に示すような、現在広く用いられている、透明支持体(樹脂またはガラス製)4の一方の表面に金薄膜を形成したSPFS用測定センサ11が抱える問題、すなわち、微弱な検出シグナルがノイズに埋もれるという問題を解決すべく鋭意研究した結果、アッセイエリアを限定することによって、ノイズを低減できるのみならず、シグナルを増幅することができ、かつ測定ダイナミックレンジを調節することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のプラズモン励起センサは、透明支持体と、該支持体の一方の表面に形成された金属薄膜と、該薄膜の、該支持体とは接していないもう一方の表面の周端部を覆う(ただし、該表面の全部を覆うことはない。)ように形成されたマスク材からなる層と、該薄膜の、該支持体とは接していないもう一方の表面の、該層に覆われていない部分に固定化されたリガンドとを含むことを特徴とする。
本発明のプラズモン励起センサにおいて、上記マスク材の、波長633nmの光で測定した屈折率は、1.52〜4.2であることが好ましい。
また、上記マスク材は、ケイ素〔Si〕および/またはゲルマニウム〔Ge〕を含むことが好ましい。
さらに、上記マスク材の、波長633nmの光で測定した透過率は、0〜90%であることが好ましい。
上記金属薄膜の、上記透明支持体とは接していないもう一方の表面の、上記マスク材からなる層に覆われていない部分に、誘電体からなるスペーサ層が形成されていることが好ましく、該誘電体は、二酸化ケイ素(SiO2)または二酸化チタン(TiO2)を含むことが好ましい。
上記金属薄膜は、金、銀、アルミニウム、銅および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属から形成されていることが好ましく、該金属は、金からなることが好ましい。
本発明のアッセイ法は、下記工程(a)〜(d)を含むことを特徴とする。
工程(a):本発明のプラズモン励起センサに、検体を接触させる工程、
工程(b):該工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、さらに、該プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと蛍光色素とのコンジュゲートを反応させる工程、
工程(c):該工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、上記透明支持体の、上記金属薄膜を形成していないもう一方の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程、および
工程(d):該工程(c)で得られた測定結果から、検体中に含有されるアナライト量を算出する工程。
上記アナライトに、上記コンジュゲートが結合してもよく、上記アナライトとは異なるアナライトであって、上記アナライトと競合するアナライトが、上記コンジュゲートと予め結合していてもよい。
上記アナライトは、腫瘍マーカーまたはがん胎児性抗原であってもよい。
また、本発明の装置は、少なくとも、本発明のプラズモン励起センサを含み、本発明の
アッセイ法に用いられることを特徴とする。
そして、本発明のアッセイ用キットは、透明支持体と、該支持体の一方の表面に形成された金属薄膜と、該薄膜の、該支持体とは接していないもう一方の表面の周端部を覆う(ただし、該表面の全部を覆うことはない。)ように形成されたマスク材からなる層とからなり、本発明のプラズモン励起センサに用いられるプラズモン励起センサ用基板を、少なくとも含むことを特徴とする。
本発明は、SPFS測定において、アッセイエリアを制限することによって、ノイズを低減し、かつシグナルを増幅し、S/N比を向上することができ、さらに測定のダイナミックレンジを調節できることを可能とするプラズモン励起センサ、該センサを用いたアッセイ法、アッセイ用装置およびアッセイ用キットを提供することができる。
図1は、リガンドを固定化していないプラズモン励起センサ(すなわち、プラズモン励起センサ用基板)の模式的な斜視図を示す。 図2は、現在広く用いられている、透明支持体(樹脂またはガラス製)の一方の表面に金薄膜を形成したSPFS用測定センサの模式的な斜視図を示す。なおアッセイエリアは、通常(縦)2mm×(横)14mmである。 図3は、多点同時測定におけるセンサチップの照射光の照射方法を示す模式的な斜視図を示す。
次に、本発明のプラズモン励起センサ、該センサを用いたアッセイ法、アッセイ用装置およびアッセイ用キットについて、詳細に説明する。
<プラズモン励起センサ>
本発明のプラズモン励起センサは、透明支持体と、該支持体の一方の表面に形成された金属薄膜と、該薄膜の、該支持体とは接していないもう一方の表面の周端部を覆う(ただし、該表面の全部を覆うことはない。)ように形成されたマスク材からなる層と、該薄膜の、該支持体とは接していないもう一方の表面の、該層に覆われていない部分に固定化されたリガンドとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明のプラズモン励起センサは、さらに、上記金属薄膜の、上記透明支持体とは接していないもう一方の表面の、上記マスク材からなる層に覆われていない部分(アッセイエリア)に、誘電体からなるスペーサ層が形成されていることが好ましい。
〔透明支持体〕
本発明において、プラズモン励起センサの構造を支持する基板として透明支持体が用いられる。本発明において、基板として透明支持体を用いるのは、後述する金属薄膜への光照射をこの透明支持体を通じて行うからである。
本発明で用いられる透明支持体について、本発明の目的が達せられる限り、材質に特に制限はない。例えば、この透明支持体が、ガラス製であってもよく、また、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)などのプラスチック製であってもよい。
また、d線(588nm)における屈折率〔nd〕が好ましくは1.40〜2.20で
あり、厚さが好ましくは0.01〜10mm、より好ましくは0.5〜5mmであれば、
大きさ(縦×横)は特に限定されない。
なお、ガラス製の透明支持体は、市販品として、ショット日本(株)製の「BK7」(屈折率〔nd〕1.52)および「LaSFN9」(屈折率〔nd〕 1.85)、(株)
住田光学ガラス製の「K−PSFn3」(屈折率〔nd〕1.84)、「K−LaSFn
17」(屈折率〔nd〕1.88)および「K−LaSFn22」(屈折率〔nd〕1.90)、ならびに(株)オハラ製の「S−LAL10」(屈折率〔nd〕1.72)などが
、光学的特性と洗浄性との観点から好ましい。
透明支持体は、その表面に金属薄膜を形成する前に、その表面を酸および/またはプラズマにより洗浄することが好ましい。
酸による洗浄処理としては、0.001〜1Nの塩酸中に、1〜3時間浸漬することが好ましい。
プラズマによる洗浄処理としては、例えば、プラズマドライクリーナー(ヤマト科学(株)製の「PDC200」)中に、0.1〜30分間浸漬させる方法が挙げられる。
〔金属薄膜〕
本発明に係るプラズモン励起センサでは、上記透明支持体の一方の表面に金属薄膜を形成する。この金属薄膜は、光源からの照射光により表面プラズモン励起を生じ、電場を発生させ、蛍光色素の発光をもたらす役割を有する。
上記透明支持体の一方の表面に形成された金属薄膜としては、金、銀、アルミニウム、銅、および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなることが好ましく、金からなることがより好ましい。これらの金属は、その合金の形態であってもよい。このような金属種は、酸化に対して安定であり、かつ表面プラズモンによる電場増強が大きくなることから好適である。
なお、透明支持体としてガラス製基板を用いる場合には、ガラスと上記金属薄膜とをより強固に接着するため、あらかじめクロム、ニッケルクロム合金またはチタンの薄膜を形成することが好ましい。
透明支持体上に金属薄膜を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法(抵抗加熱蒸着法、電子線蒸着法等)、電解メッキ、無電解メッキ法などが挙げられる。薄膜形成条件の調整が容易なことから、スパッタリング法または蒸着法によりクロムの薄膜および/または金属薄膜を形成することが好ましい。
金属薄膜の厚さとしては、金:5〜500nm、銀:5〜500nm、アルミニウム:5〜500nm、銅:5〜500nm、白金:5〜500nm、およびそれらの合金:5〜500nmが好ましく、クロムの薄膜の厚さとしては、1〜20nmが好ましい。
電場増強効果の観点から、金:20〜70nm、銀:20〜70nm、アルミニウム:10〜50nm、銅:20〜70nm、白金:20〜70nm、およびそれらの合金:10〜70nmがより好ましく、クロムの薄膜の厚さとしては、1〜3nmがより好ましい。
金属薄膜の厚さが上記範囲内であると、表面プラズモンが発生し易いので好適である。また、このような厚さを有する金属薄膜であれば、大きさ(縦×横)は特に限定されない。
〔マスク材からなる層〕
本発明で用いるマスク材からなる層は、上記金属薄膜の、上記透明支持体とは接していないもう一方の表面の周端部を覆う(ただし、該表面の全部を覆うことはない。)ように形成されたものであって、該薄膜の、該基板とは接していないもう一方の表面の、該層に覆われていない部分(すなわち、アッセイエリア)を制限することによって、本発明のプラズモン励起センサを本発明のアッセイ法に用いた際に、検出シグナル以外の励起光の拡散光、SPFS測定装置に含まれる部材の自家蛍光、励起レーザのふらつきなどに起因するノイズを低減することができる。また、アッセイエリアを制御することによって、SPFS測定の測定ダイナミックレンジを制御することもできる。これらの結果、SPFS測定のS/N比を向上させることができる。
マスク材からなる層の厚さは、検出シグナル以外の励起光の拡散光、SPFS測定装置に含まれる部材の自家蛍光、励起レーザのふらつきなどに起因するノイズを低減するのに充分な厚さがあれば、本発明は特に限定するものではない。
マスク材からなる層の形成方法としては、例えば、スピンコータによる塗布法;フォトリソグラフィ技術を用いた方法;スパッタリング法、蒸着法;塗布法やスパッタリング法と併用するレーザーアブレーション法などが挙げられる。スパッタリング法として、より具体的には、アッセイエリアと同じ大きさの遮光板を金属薄膜表面上に置き、その上からケイ素のスパッタリング(Siスパッタ)を施し、その後遮光板を取り除く方法であってもよい。
これら形成方法のうち、面積がμmオーダーのアッセイエリアの制御に優れていることから、フォトレジストを用いるフォトリソグラフィ技術を用いた方法、およびマスク材からなる層を簡便に形成できることからスパッタリング法が好ましい。
アッセイエリア(マスク材からなる層に覆われていない部分)の面積は、1μm2〜3
0mm2が好ましい。アッセイエリアが30mm2より大きいと、ノイズを低減させる効果が顕著でない場合があり、またアッセイエリアが1μm2以上であると、アッセイエリア
の形成が容易であり、かつS/N比を向上させることができる。
またアッセイエリアの形状としては、例えば、円形、楕円形、長方形など種々の形状が挙げられ、これらのうち、アッセイの際、照射されるレーザ光の横断面が円形・長方形であることから、円形・楕円形が好ましい。
(マスク材)
マスク材からなる層に用いるマスク材は、検出面で使用する金属とは異なる光学特性を有し、検出(蛍光)波長領域での自家蛍光が少ないものが好ましく、検出(蛍光)波長領域において、金膜支持体基板よりも自家蛍光を発しないものがより好ましい。特に、アッセイエリア外の励起光のノイズや自家蛍光を低減する目的で、励起光の透過が少なく励起光(可視光;主に630〜635nm)を反射または吸収する材料、および/またはアッセイエリアとは屈折率が異なる材料を用いることが好ましい。なお、該検出(蛍光)波長領域とは、通常670〜680nmである。
また、マスク材は使用励起波長において、透明支持体の一方の表面に金属薄膜を形成した金膜支持体よりも屈折率の高いものがよい。マスク材の具体的な屈折率(波長633nmの光を用いて測定)は1.55〜4.2の範囲が好ましく、2.3〜4.2の範囲がより好ましい。
屈折率が上記範囲内であるマスク材としては、好ましくはケイ素〔Si〕および/またはゲルマニウム〔Ge〕を含み、硫化亜鉛〔ZnS〕,セレン化亜鉛〔ZnSe〕,酸化ケイ素(シリカ)〔SiO2〕などの半導体材料や、クロム〔Cr〕,チタン〔Ti〕,
金〔Au〕,銀〔Ag〕,白金〔Pt〕,アルミニウム〔Al〕などの金属またはこれらの混合物も含むことができる。ケイ素およびゲルマニウムは、屈折率が高く、可視光発光のとき、検出波長領域での自家蛍光量が少ないことから好適である。
また、マスク材は、アッセイエリア外をマスクすることでガラス製基板の自家蛍光量を抑えられるため、励起波長を吸収する材料が好ましく、該金膜支持体よりもマスク材の透過率が低いものが好ましい。具体的には、波長633nmの光を用いて測定した場合、0%〜90%の範囲の透過率を有することが好ましく、0〜80%の範囲がより好ましい。透過率は、マスク材の厚さによって適宜選択でき、厚いほど透過率は小さくなる。マスク材の厚さは、例えば、エリプソメーター,膜厚段差計を用いて測定することができる。
このようなマスク材としては、例えば、カーボンを含有したポリマーが挙げられ、このような「ポリマー」の具体例としては、天然ゴム,アクリルゴム,ニトリルゴム,イソプレンゴム,ウレタンゴム,エチレンプロピレンゴム,エピクロルヒドリンゴム,クロロプレンゴム,シリコーンゴム,スチレンブタジエンゴム,ブタジエンゴム,フッ素ゴム,ポリイソブチレン等の合成ゴムなどの絶縁材料が挙げられる。
「カーボン」の具体例として、カーボン粉,グラファイト,DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などが挙げられ、本発明では特に制限されない。
「カーボンを含有したポリマー」の総量を100重量%とするとき、カーボン含有率は、1〜50重量%が好ましい。カーボン含有率が1重量%未満であると、透過率が高くなるため遮光する効果が小さくなる場合があり、50重量%を超えるとカーボンがポリマー中に安定して分散することができない場合がある。
なお、透過率は、マスクする前の透明支持体に波長633nmの光を入射し、入射側と反対側の出射光量と、マスクした後の透明支持体の出射光量とを測定し、その比率から求めることができる。
〔誘電体からなる層〕
誘電体からなるスペーサ層の形成に用いられる誘電体としては、光学的に透明な各種無機物、天然または合成ポリマーを用いることもできる。その中で、化学的安定性、製造安定性および光学的透明性に優れていることから、二酸化ケイ素(SiO2)、二酸化チタ
ン(TiO2)または酸化アルミニウム(Al23)を含むことが好ましい。
誘電体からなるスペーサ層の厚さは、通常10nm〜1mmであり、共鳴角安定性の観点からは、好ましくは30nm以下、より好ましくは10〜20nmである。一方、電場増強の観点から、好ましくは200nm〜1mmであり、さらに電場増強の効果の安定性から、400nm〜1,600nmがより好ましい。
誘電体からなるスペーサ層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、電子線蒸着法、熱蒸着法、ポリシラザン等の材料を用いた化学反応による形成方法、またはスピンコータによる塗布などが挙げられる。
〔リガンド〕
本発明では、リガンドは、上記金属薄膜の、上記透明支持体とは接していないもう一方の表面の、上記のマスク材からなる層に覆われていない部分(アッセイエリア)に固定化
させるものであって、本発明のプラズモン励起センサを本発明のアッセイ法に用いた際に、検体中のアナライトを固定(捕捉)させる目的で用いられるものである。
本明細書において、本発明のアッセイ法に用いる「リガンドと蛍光色素とのコンジュゲート」のリガンドと区別するために、本発明のプラズモン励起センサで用いるリガンドを以下「第1のリガンド」とし、本発明のアッセイ法に用いるリガンドを以下「第2のリガンド」とする。なお、第1のリガンドと第2のリガンドは同じであっても異なっていてもよい。
本発明において、第1のリガンドとは、検体中に含有されるアナライトを特異的に認識し(または、認識され)結合し得る分子または分子断片をいう。このような「分子」または「分子断片」としては、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
「タンパク質」としては、例えば、抗体などが挙げられ、具体的には、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体((株)日本医学臨床検査研究所などから入手可能)、抗ガン胎児性抗原(CEA)モノクローナル抗体、抗CA19−9モノクローナル抗体、抗PSAモノクローナル抗体などが挙げられる。
なお、本発明において、「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体、遺伝子組換えにより得られる抗体、および抗体断片を包含する。
この第1のリガンドの固定化方法としては、例えば、カルボキシメチルデキストリンなどの反応性官能基を有する高分子が有するカルボキシル基を、水溶性カルボジイミド(WSC)(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)など)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)とにより活性エステル化し、このように活性エステル化したカルボキシル基と、第1のリガンドが有するアミノ基とを水溶性カルボジイミドを用いて脱水反応させ固定化させる方法;下記SAMが有するカルボキシル基を、上述のようにして第1のリガンドが有するアミノ基と脱水反応させ固定化させる方法などが挙げられる。
なお、後述する検体等がプラズモン励起センサに非特異的に吸着することを防止するため、上記リガンドを固定化させた後に、プラズモン励起センサの表面を牛血清アルブミン(BSA)等のブロッキング剤により処理することが好ましい。
(SAM)
SAM(Self−Assembled Monolayer;自己組織化単分子膜)は、アッセイエリア、好ましくは誘電体からなるスペーサ層を形成したアッセイエリアに形成されることが望ましい。
アッセイエリアに直接SAMを形成する場合、このSAMが含む単分子としては、通常、炭素原子数4〜20程度のカルボキシアルカンチオール(例えば、(株)同仁化学研究所、シグマ アルドリッチ ジャパン(株)などから入手可能)、特に好ましくは10−カルボキシ−1−デカンチオールが用いられる。炭素原子数4〜20のカルボキシアルカンチオールは、それを用いて形成されたSAMの光学的な影響が少ない、すなわち透明性が高く、屈折率が低く、膜厚が薄いなどの性質を有していることから好適である。
このようなSAMの形成方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。具体例として、金属薄膜がその表面に形成された透明支持体の該薄膜表面にマスク材からなる層が形成されたものを、10−カルボキシ−1−デカンチオール((株)同仁化学研究所製)を含むエタノール溶液に浸漬する方法などが挙げられる。このように、10−カルボキシ−1−デカンチオールが有するチオール基が、金属と結合し固定化され、金薄膜の表面上で自己組織化し、SAMを形成する。
また、アッセイエリアに誘電体からなるスペーサ層を形成した場合、このSAMが含む単分子としては、加水分解でシラノール基(Si-OH)を与えるエトキシ基(またはメ
トキシ基)を有し、他端にアミノ基やグリシジル基、カルボキシル基などの反応基を有するシランカップリング剤であれば特に限定されず、従来公知のシランカップリング剤を用いることができる。
このようなSAMの形成方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
<アッセイ法>
本発明のアッセイ法は、下記工程(a)〜(d)、好ましくはさらに洗浄工程を含むことを特徴とするものである。
工程(a):上記プラズモン励起センサに、検体を接触させる工程。
工程(b):該工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、さらに、該プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと蛍光色素とのコンジュゲートを反応させる工程。
工程(c):該工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、上記透明支持体の、上記金属薄膜を形成していないもう一方の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程。
工程(d):該工程(c)で得られた測定結果から、検体中に含有されるアナライト量を算出する工程。
洗浄工程:上記工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサの表面および/または上記工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサの表面を洗浄する工程。
〔工程(a)〕
工程(a)は、本発明のプラズモン励起センサに、検体を接触させる工程である。
(検体)
「検体」としては、例えば、血液(血清・血漿)、尿、鼻孔液、唾液、便、体腔液(髄液、腹水、胸水等)などが挙げられ、所望の溶媒、緩衝液等に適宜希釈して用いてもよい。これら検体のうち、血液、血清、血漿、尿、鼻孔液および唾液が好ましい。
(接触)
「接触」は、流路中に循環する送液に検体が含まれ、プラズモン励起センサの第1のリガンドが固定化されている片面のみが該送液中に浸漬されている状態において、プラズモン励起センサと検体とを接触させる態様が好ましい。
「流路」とは、上述のとおり角筒状または丸筒(管)状のものであって、プラズモン励起センサを設置する個所近傍は角筒状構造を有することが好ましく、薬液を送達する個所近傍は丸筒(管)状を有することが好ましい。
その材料としては、プラズモン励起センサ部または流路天板ではメチルメタクリレート、スチレン等を原料として含有するホモポリマーまたは共重合体;ポリエチレン等のポリオレフィンなどからなり、薬液送達部ではシリコーンゴム、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリマーを用いる。
プラズモン励起センサ部においては、検体との接触効率を高め、拡散距離を短くする観点から、プラズモン励起センサ部の流路の断面として、縦×横がそれぞれ独立に100nm〜1mm程度が好ましい。
流路にプラズモン励起センサを固定する方法としては、小規模ロット(実験室レベル)では、まず、プラズモン励起センサの金属薄膜が形成されている表面に、流路高さ0.5mmを有するポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートを該プラズモン励起センサの金属薄膜が形成されている部位を囲むようにして圧着し、次に、該ポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートとプラズモン励起センサとをビス等の閉め具により固定する方法が好ましい。
工業的に製造される大規模ロット(工場レベル)では、流路にプラズモン励起センサを固定する方法としては、プラスチックの一体成形品に銀基板を形成、または別途作製した銀基板を固定し、金表面に誘電体層、蛍光色素層およびリガンド固定化を行った後、流路天板に相当するプラスチックの一体成形品により蓋をすることで製造できる。必要に応じてプリズムを流路に一体化することもできる。
「送液」としては、検体を希釈した溶媒または緩衝液と同じものが好ましく、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、トリス緩衝生理食塩水(TBS)、Hepes緩衝生理食塩水(HBS)などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
送液を循環させる温度および時間としては、検体の種類などにより異なり、特に限定されるものではないが、通常20〜40℃×1〜60分間、好ましくは37℃×5〜15分間である。
送液中の検体中に含有されるアナライトの初期濃度は、100μg/mL〜0.001pg/mLであってもよい。
送液の総量、すなわち流路の容積としては、通常0.001〜20mL、好ましくは0.1〜1mLである。
送液の流速は、通常1〜2,000μL/min、好ましくは5〜500μL/min
である。
(洗浄工程)
洗浄工程とは、上記工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサの表面および/または下記工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサの表面を洗浄する工程である。
洗浄工程に使用される洗浄液としては、例えば、工程(a)および(b)の反応で用いたものと同じ溶媒または緩衝液に、Tween20、TritonX100などの界面活性剤を溶解させ、好ましくは0.00001〜1重量%含有するもの、または塩化ナトリ
ウムや塩化カリウムなどの塩を150〜500mM含有するものが望ましい。あるいは、低pHの緩衝液、例えば、10mM Glycine HClでpHが1.5〜4.0のものであってもよい。
洗浄液を循環させる温度および流速は、上記工程(a)の送液を循環させる温度および流速と同じであることが好ましい。
洗浄液を循環させる時間は、通常0.5〜180分間、好ましくは5〜60分間である。
〔工程(b)〕
工程(b)とは、上記工程(a)、好ましくは上記洗浄工程を経て得られたプラズモン励起センサに、さらに、該プラズモン励起センサに含まれるリガンド(第1のリガンド)とは同じであっても異なっていてもよいリガンド(第2のリガンド)と蛍光色素とのコンジュゲートを反応させる工程である。
(蛍光色素)
「蛍光色素」とは、本発明において、所定の励起光を照射する、または電界効果を利用して励起することによって蛍光を発光する物質の総称であり、該「蛍光」は、燐光など各種の発光も含む。
本発明で用いられる蛍光色素は、金属薄膜による吸光に起因する消光を受けない限りにおいて、その種類に特に制限はなく、公知の蛍光色素のいずれであってもよい。一般に、単色比色計(monochromometer)よりむしろフィルタを備えた蛍光計の使用をも可能にし、かつ検出の効率を高める大きなストークス・シフトを有する蛍光色素が好ましい。
このような蛍光色素としては、例えば、フルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(Integrated DNA Technologies社製)、ポリハロフルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(アプライドバイオシステムズジャパン(株)製)、ヘキサクロロフルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(アプライドバイオシステムズジャパン(株)製)、クマリン・ファミリーの蛍光色素(インビトロジェン(株)製)、ローダミン・ファミリーの蛍光色素(GEヘルスケア バイオサイエンス(株)製)、シアニン・ファミリーの蛍光色素、インドカルボシアニン・ファミリーの蛍光色素、オキサジン・ファミリーの蛍光色素、チアジン・ファミリーの蛍光色素、スクアライン・ファミリーの蛍光色素、キレート化ランタニド・ファミリーの蛍光色素、BODIPY(登録商標)・ファミリーの蛍光色素(インビトロジェン(株)製)、ナフタレンスルホン酸・ファミリーの蛍光色素、ピレン・ファミリーの蛍光色素、トリフェニルメタン・ファミリーの蛍光色素、Alexa Fluor(登録商標)色素シリーズ(インビトロジェン(株)製)などが挙げられ、さらに米国特許番号第6,406,297号、同第6,221,604号、同第5,
994,063号、同第5,808,044号、同第5,880,287号、同第5,556,
959号および同第5,135,717号に記載の蛍光色素も本発明で用いることができる。
これらファミリーに含まれる代表的な蛍光色素の吸収波長(nm)および発光波長(nm)を表1に示す。
また、蛍光色素は、上記有機蛍光色素に限られない。例えば、例えばEu、Tb等の希土類錯体系の蛍光色素も、本願発明に用いられる蛍光色素となりうる。希土類錯体は、一般的に励起波長(310〜340nm程度)と発光波長(Eu錯体で615nm付近、Tb錯体で545nm付近)との波長差が大きく、蛍光寿命が数百マイクロ秒以上と長い特徴がある。市販されている希土類錯体系の蛍光色素の一例としては、ATBTA−Eu3+が挙げられる。
本発明においては、後述する蛍光測定を行う際に、金属薄膜に含まれる金属による吸光の少ない波長領域に最大蛍光波長を有する蛍光色素を用いることが望ましい。例えば、金属薄膜として金を用いる場合には、金薄膜による吸光による影響を最小限に抑えるため、最大蛍光波長が600nm以上である蛍光色素を使用することが望ましい。したがって、この場合には、Cy5、Alexa Fluor(登録商標)647等近赤外領域に最大蛍光波長を有する蛍光色素を用いることが特に望ましい。このような近赤外領域に最大蛍光波長を有する蛍光色素を用いることは、血液中の血球成分由来の鉄による吸光の影響を最小限に抑えることができる点で、検体として血液を用いる場合においても有用である。一方、金属薄膜として銀を用いる場合には、最大蛍光波長が400nm以上である蛍光色素を使用することが望ましい。
これら蛍光色素は1種単独でも、2種以上併用してもよい。
(第2のリガンドと蛍光色素とのコンジュゲート)
「本発明のプラズモン励起センサに含まれるリガンド(第1のリガンド)とは同じであっても異なっていてもよいリガンド(第2のリガンド)と蛍光色素とのコンジュゲート」は、リガンドとして2次抗体を用いる場合、検体中に含有されるアナライト(標的抗原)を認識し結合し得る抗体であることが好ましい。
本発明のアッセイ法において、第2のリガンドは、アナライトに蛍光色素による標識化を行う目的で用いられるリガンドであり、上記第1のリガンドと同じでもよいし、異なっていてもよい。ただし、第1のリガンドとして用いる1次抗体がポリクローナル抗体である場合、第2のリガンドとして用いる2次抗体は、モノクローナル抗体であってもポリク
ローナル抗体であってもよいが、該1次抗体がモノクローナル抗体である場合、2次抗体は、該1次抗体が認識しないエピトープを認識するモノクローナル抗体であるか、またはポリクローナル抗体であることが望ましい。
さらに、検体中に含有されるアナライト(標的抗原)と競合する第2のアナライト(競合抗原;ただし、標的抗原とは異なるものである。)と2次抗体とがあらかじめ結合した複合体を用いる態様も好ましい。このような態様は、蛍光信号(蛍光シグナル)量と標的抗原量とを比例させることができるため好適である。
第2のリガンドと蛍光色素とのコンジュゲートの作製方法としては、第2のリガンドとして2次抗体を用いる場合、例えば、まず蛍光色素にカルボキシル基を付与し、該カルボキシル基を、水溶性カルボジイミド(WSC)(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)など)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)とにより活性エステル化し、次いで活性エステル化したカルボキシル基と2次抗体が有するアミノ基とを水溶性カルボジイミドを用いて脱水反応させ固定化させる方法;イソチオシアネートおよびアミノ基をそれぞれ有する2次抗体および蛍光色素を反応させ固定化する方法;スルホニルハライドおよびアミノ基をそれぞれ有する2次抗体および蛍光色素を反応させ固定化する方法;ヨードアセトアミドおよびチオール基をそれぞれ有する2次抗体および蛍光色素を反応させ固定化する方法;ビオチン化された蛍光色素とストレプトアビジン化された2次抗体(あるいは、ストレプトアビジン化された蛍光色素とビオチン化された2次抗体)とを反応させ固定化する方法などが挙げられる。
このように作製された第2のリガンドと蛍光色素とのコンジュゲートの送液中の濃度は、0.001〜10,000μg/mLが好ましく、1〜1,000μg/mLがより好ま
しい。
送液を循環させる温度、時間および流速は、それぞれ上記工程(a)の場合と同様である。
〔工程(c)〕
工程(c)とは、上記工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、上記透明支持体の、上記金属薄膜を形成していないもう一方の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程である。
(光学系)
本発明のアッセイ法で用いる光源は、金属薄膜にプラズモン励起を生じさせることができるものであれば、特に制限がないものの、波長分布の単一性および光エネルギーの強さの点で、レーザ光を光源として用いることが好ましい。レーザ光は、光学フィルタを通して、プリズムに入射する直前のエネルギーおよびフォトン量を調節することが望ましい。
レーザ光の照射により、全反射減衰条件(ATR)において、金属薄膜の表面に表面プラズモンが発生する。表面プラズモンの電場増強効果により、照射したフォトン量の数十〜数百倍に増えたフォトンにより蛍光色素を励起する。なお、該電場増強効果によるフォトン増加量は、透明支持体の屈折率、金属薄膜の金属種およびその膜厚に依存するが、通常、金では約10〜20倍の増加量となる。
蛍光色素は、光吸収により分子内の電子が励起され、短時間のうちに第一電子励起状態に移動し、この状態(準位)から基底状態に戻る際、そのエネルギー差に相当する波長の蛍光を発する。
「レーザ光」としては、例えば、波長200〜900nm、0.001〜1,000mWのLD、波長230〜800nm(金属薄膜に用いる金属種によって共鳴波長が決まる。)、0.01〜100mWの半導体レーザなどが挙げられる。
「プリズム」は、各種フィルタを介したレーザ光が、プラズモン励起センサに効率よく入射することを目的としており、屈折率が透明支持体と同じであることが好ましい。本発明は、全反射条件を設定できる各種プリズムを適宜選択することができることから、角度、形状に特に制限はなく、例えば、60度分散プリズムなどであってもよい。このようなプリズムの市販品としては、上述した「ガラス製の透明支持体」の市販品と同様のものが挙げられる。
「光学フィルタ」としては、例えば、減光(ND)フィルタ、ダイアフラムレンズなどが挙げられる。「減光(ND)フィルタ」(または、中性濃度フィルタ)は、入射レーザ光量を調節することを目的とするものである。特に、ダイナミックレンジの狭い検出器を使用するときには精度の高い測定を実施する上で用いることが好ましい。
「偏光フィルタ」は、レーザ光を、表面プラズモンを効率よく発生させるP偏光とするために用いられるものである。
「カットフィルタ」は、外光(装置外の照明光)、励起光(励起光の透過成分)、迷光(各所での励起光の散乱成分)、プラズモンの散乱光(励起光を起源とし、プラズモン励起センサ表面上の構造体または付着物などの影響で発生する散乱光)などの光学ノイズ、および蛍光色素の自家蛍光を除去するフィルタであって、例えば、干渉フィルタ、色フィルタなどが挙げられる。
「集光レンズ」は、検出器に蛍光シグナルを効率よく集光することを目的とするものであり、任意の集光系でよい。簡易な集光系として、顕微鏡などで使用されている、市販の対物レンズ(例えば、(株)ニコン製またはオリンパス(株)製等)を転用してもよい。対物レンズの倍率としては、10〜100倍が好ましい。
「SPFS検出部」としては、超高感度の観点からは光電子増倍管(浜松ホトニクス(株)製のフォトマルチプライヤー)が好ましい。また、これらに比べると感度は下がるが、画像として見ることができ、かつノイズ光の除去が容易なことから、多点計測が可能なCCDイメージセンサも好適である。
〔工程(d)〕
工程(d)とは、上記工程(c)で得られた測定結果から、検体中に含有されるアナライト量を算出する工程である。
より具体的には、工程(d)は、既知濃度の標的抗原もしくは標的抗体での測定を実施することで検量線を作成し、作成された検量線に基づいて被測定検体中のアナライト(標的抗原量もしくは標的抗体)量を測定シグナルから算出する工程である。
(アナライト)
「アナライト」としては、第1のリガンドに特異的に認識され(または、認識し)結合し得る分子または分子断片であって、このような「分子」または「分子断片」としては、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれら
の修飾分子、複合体などが挙げられ、具体的には、AFP(αフェトプロテイン)等のがん胎児性抗原や腫瘍マーカー、シグナル伝達物質、ホルモンなどであってもよく、特に限定されない。
(アッセイシグナル変化量)
さらに、工程(d)は、上記工程(b)の前に測定したシグナルを“ブランクシグナル”、としたとき、下記式で表されるアッセイシグナル変化量を算出することができる。
シグナル変化量=|(アッセイ蛍光シグナル)−(ブランク蛍光シグナル)|
<装置>
本発明の装置は、少なくとも、上記プラズモン励起センサを含み、上記アッセイ法に用いられることを特徴とするものである。
このような装置としては、上記プラズモン励起センサ以外に、例えば、レーザ光の光源、各種光学フィルタ、プリズム、カットフィルタ、集光レンズ、表面プラズモン励起増強蛍光(SPFS)検出部なども含むものとし、検体液、洗浄液または標識抗体液などを取り扱う際に、プラズモン励起センサと組み合った送液系を有することが好ましい。送液系としては、例えば、送液ポンプと連結したマイクロ流路デバイスなどでもよい。
また、表面プラズモン共鳴(SPR)検出部、すなわちSPR専用の受光センサとしてのフォトダイオード、SPRおよびSPFSの最適角度を調製するための角度可変部(サーボモータで全反射減衰(ATR)条件を求めるためにフォトダイオードと光源とを同期して、45〜85°の角度変更を可能とする。分解能は0.01°以上が好ましい。)、SPFS検出部に入力された情報を処理するためのコンピュータなども含んでもよい。
光源、光学フィルタ、カットフィルタ、集光レンズおよびSPFS検出部の好ましい態様は上述したものと同様である。
「送液ポンプ」としては、例えば、送液が微量な場合に好適なマイクロポンプ、送り精度が高く脈動が少ないが循環することができないシリンジポンプ、簡易で取り扱い性に優れるが微量送液が困難な場合があるチューブポンプなどが挙げられる。
<アッセイ用キット>
本発明のアッセイ用キットは、透明支持体と、該支持体の一方の表面に形成された金属薄膜と、該薄膜の、該支持体とは接していないもう一方の表面の周端部を覆う(ただし、該表面の全部を覆うことはない。)ように形成されたマスク材からなる層とからなり、上記プラズモン励起センサに用いられるプラズモン励起センサ用基板を、少なくとも含むことを特徴とするものであって、アッセイ法を実施するにあたり、抗原などのアナライト、検体および2次抗体以外に必要とされるすべてのものを含むことが好ましい。
また、本発明のアッセイ用キットは、該プラズモン励起センサ用基板の該マスク材からなる層が形成されていない部分(アッセイエリア)に特定の1次抗体が予め固定化されていてもよい。
本発明のアッセイ用キットと、検体として、例えば、血液、血漿または血清と、特定の腫瘍マーカーに対する抗体とを用いることによって、特定の腫瘍マーカーの含有量を、高感度かつ高精度で検出することができる。この結果から、触診などによって検出することができない前臨床期の非浸潤癌(上皮内癌)の存在も高精度で予測することができる。
このようなアッセイ用キットとしては、プラズモン励起センサ用基板以外に、例えば、
SAMを形成するための炭素原子数4〜20程度のカルボキシアルカンチオール;蛍光色素;検体を溶解または希釈するための溶解液または希釈液;プラズモン励起センサと検体とを反応させるための各種反応試薬および洗浄試薬などが挙げられ、本発明のアッセイ法を実施するために必要とされる各種器材または資材や上記「装置」を含めることもできる。
さらに、キット要素として、検量線作成用の標準物質、説明書、多数検体の同時処理ができるマイクロタイタープレートなどの必要な器材一式などを含んでもよい。
次に、本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[作製例1](Alexa Fluor(登録商標)647標識2次抗体の作製)
2次抗体として、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(6D2、2.5mg/mL、(株)日本医学臨床検査研究所製)を、市販のビオチン化キット((株)同仁化学研究所製)を用いてビオチン化した。その手順は、該キットに添付のプロトコールに従った。
次に、得られたビオチン化抗AFPモノクローナル抗体の溶液とストレプトアビジン標識Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes社製)溶液とを混合し、4℃で60分間、攪拌混合することで反応させた。
最後に、未反応抗体および未反応酵素を、分子量カットフィルタ(日本ミリポア(株)製)を用いて精製することで、Alexa Fluor(登録商標)647標識抗AFPモノクローナル抗体溶液を得た。
[実施例1](プラズモン励起センサの製造)
ガラス製の透明支持体として、屈折率〔nd〕1.52、厚さ1mmの「BK7」(シ
ョット日本(株)製)を用い、その一方の表面に、スパッタリング法により金薄膜を形成した。
この金薄膜を形成したガラス製基板の、金薄膜側の表面(縦:2mm,横:14mm)に、アッセイエリアの大きさと等しい矩形の遮光板(縦:1mm,横:1.8mm,面積:1.8mm2)を置き、Siスパッタを施した。その後、遮光板を取り除いた。このと
きのSi膜厚は2.5μm、透過率は55%であった。
このようにして得られたプラズモン励起センサ用基板を、10−カルボキシ−1−デカンチオールを1mM含むエタノール溶液に24時間以上浸漬し、アッセイエリアとして露出している金薄膜にSAMを形成した。その後、該基板を該溶液から取り出し、エタノールおよびイソプロパノールで洗浄した後、エアガンで乾燥させた。
ガラス製基板の表面に、流路高さ0.5mmを有するポリジメチルシロキサン(PDMS)製シートを設け、SAM表面が流路の内側となるように基板を配置し(ただし、該シリコンゴムスペーサは送液に触れない状態とする。)、流路の外側から圧着し、ビスで流路シートと該プラズモン励起センサとを固定した。
続いて、N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)を50mMと、水溶性カルボジイミド(WSC)を100mMとを含むPBSを5mL送液し、20分間循環送液させた後に、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(1D5、2.5mg/mL、(
株)日本医学臨床検査研究所製)溶液2.5mLを30分間循環送液することで、SAM
上に1次抗体を固相化した。
なお、1重量%牛血清アルブミン(BSA)を含むPBS緩衝生理食塩水にて30分間循環送液することで、非特異的吸着防止処理を行った。
[実施例2](プラズモン励起センサの製造)
実施例1において、マスク材としてSiの代わりにZnSを用いた以外は実施例1と同様にしてプラズモン励起センサを製造した。ZnSの膜厚は5μmであった。
[実施例3](プラズモン励起センサの製造)
実施例1において、Siスパッタする代わりに、「カーボンを含有したポリマー」(溶媒を含まない総量を100重量%とする。)として、三菱化学(株)製のカーボンブラック(10重量%)と東亜合成(株)製のアクリルポリマー(90重量%)とをMEK(メチルエチルケトン)に溶解し、スピンコータにて塗布を行った後100℃で30分間の乾燥を行いマスク材からなる層を形成した以外は実施例1と同様にしてプラズモン励起センサを製造した。
[実施例4](マスク材の透過率が大きい場合のプラズモン励起センサの製造)
実施例1において、Siスパッタの代わりにSiO2スパッタを施してマスク材からな
る層を形成した以外は実施例1と同様にしてプラズモン励起センサを製造した。
[実施例5](実施例1で得られたプラズモン励起センサを用いたアッセイ)
工程(a)として、まず、実施例1で得られたプラズモン励起センサが固定された流路に、標的抗原としてAFPを1ng/mL含むPBS溶液を0.5mL添加し、25分間循環させた。
工程(b)として、Tween20を0.05重量%含むトリス緩衝生理食塩水(TB
S)を送液として10分間循環させることによって洗浄した後、作製例1で得られたAlexa Fluor(登録商標)647標識2次抗体(1,000ng/mLとなるよう
に調製したPBS溶液)を2.5mL添加し、20分間循環させた。
工程(c)として、まず、Tween20を0.05重量%含むTBSを送液として1
0分間循環させることによって洗浄した。プラズモン励起センサに、ガラス製の透明支持体の、金薄膜を形成していないもう一方の表面から、プリズム(シグマ光機(株)製)を経由してレーザ光(640nm、40μW)を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量をCCDから観察したときのシグナル値を計測し「アッセイ蛍光シグナル」とした。
なお、AFPが0ng/mLの場合におけるSPFSシグナルを「アッセイノイズシグナル」とした。
工程(d)として、上記工程(c)で得られた測定結果から、アッセイS/N比を以下の式を用いて算出し、各条件での感度に関して、マスクしない測定結果(比較例2)を基準とした規格値(S/N増倍率)により評価した。
アッセイS/N比=|(アッセイ蛍光シグナル)|/|(アッセイノイズシグナル)|
すなわち、規格値(S/N増倍率)が大きければアッセイS/N比が向上していることを意味し、イムノアッセイ測定の信頼性が高いことがわかる。
得られた結果を表2に示す。
[実施例6](実施例2で得られたプラズモン励起センサを用いたアッセイ)
実施例5において、実施例1で得られたプラズモン励起センサの代わりに実施例2で得られたプラズモン励起センサを用いた以外は実施例5と同様にしてアッセイS/N比を算出した。得られた結果を表2に示す。
[実施例7](実施例3で得られたプラズモン励起センサを用いたアッセイ)
実施例5において、実施例1で得られたプラズモン励起センサの代わりに実施例3で得られたプラズモン励起センサを用いた以外は実施例5と同様にしてアッセイS/N比を算出した。得られた結果を表2に示す。
[実施例8](実施例4で得られたプラズモン励起センサを用いたアッセイ)
実施例5において、実施例1で得られたプラズモン励起センサの代わりに実施例4で得られたプラズモン励起センサを用いた以外は実施例5と同様にしてアッセイS/N比を算出した。得られた結果を表2に示す。
[比較例1](マスク材からなる層を設けないプラズモン励起センサの製造)
実施例1において、金薄膜形成後にSiスパッタを施さなかった以外は実施例1と同様にしてプラズモン励起センサを製造した。
[比較例2](比較例1で得られたプラズモン励起センサを用いたアッセイ)
実施例5において、実施例1で得られたプラズモン励起センサの代わりに比較例1で得られたプラズモン励起センサを用いた以外は実施例5と同様にしてアッセイS/N比を算出した。得られた結果を表2に示す。
本発明のプラズモン励起センサを用いたアッセイ法は、高感度かつ高精度に検出することができる方法であるから、例えば、血液中に含まれる極微量の腫瘍マーカーであっても
検出することができ、この結果から、触診などによって検出することができない前臨床期の非浸潤癌(上皮内癌)の存在も高精度で予測することができる。
1・・・・・センサチップ(表面プラズモン共鳴センサチップ)
1a・・・・センサ面
2・・・・・基体
3・・・・・金属層
4・・・・・透明支持体
5・・・・・金属薄膜
6・・・・・スポット(共鳴領域)
7・・・・・リガンド(結合物質)
8・・・・・マスク層
9・・・・・アッセイエリア
10・・・・・プラズモン励起センサ
11・・・・・SPFS用測定センサ
16・・・・・照射範囲

Claims (14)

  1. 透明支持体と、
    該支持体の一方の表面に形成された金属薄膜と、
    該薄膜の、該支持体とは接していないもう一方の表面の少なくとも周端部を覆う(ただし、該表面の全部を覆うことはない。)ように形成されたマスク材からなる層と、
    該薄膜の、該支持体とは接していないもう一方の表面の、該層に覆われていない部分に固定化されたリガンドと
    を含むことを特徴とするプラズモン励起センサ。
  2. 上記マスク材の、波長633nmの光で測定した屈折率が、1.52〜4.2である請求項1に記載のプラズモン励起センサ。
  3. 上記マスク材が、ケイ素〔Si〕および/またはゲルマニウム〔Ge〕を含む請求項1または2に記載のプラズモン励起センサ。
  4. 上記マスク材の、波長633nmの光で測定した透過率が、0〜90%である請求項1〜3のいずれかに記載のプラズモン励起センサ。
  5. さらに、上記金属薄膜の、上記透明支持体とは接していないもう一方の表面の、上記マスク材からなる層に覆われていない部分に、誘電体からなるスペーサ層が形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のプラズモン励起センサ。
  6. 上記誘電体が、二酸化ケイ素〔SiO2〕、二酸化チタン〔TiO2〕または酸化アルミニウム〔Al23〕を含む請求項5に記載のプラズモン励起センサ。
  7. 上記金属薄膜が、金、銀、アルミニウム、銅および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属から形成されている請求項1〜6のいずれかに記載のプラズモン励起センサ。
  8. 上記金属が、金からなる請求項7に記載のプラズモン励起センサ。
  9. 下記工程(a)〜(d)を含むことを特徴とするアッセイ法;
    工程(a):請求項1〜8のいずれかに記載のプラズモン励起センサに、検体を接触させる工程、
    工程(b):該工程(a)を経て得られたプラズモン励起センサに、さらに、該プラズモン励起センサに含まれるリガンドとは同じであっても異なっていてもよいリガンドと蛍光色素とのコンジュゲートを反応させる工程、
    工程(c):該工程(b)を経て得られたプラズモン励起センサに、上記透明支持体の、上記金属薄膜を形成していないもう一方の表面から、プリズムを経由してレーザ光を照射し、励起された蛍光色素から発光された蛍光量を測定する工程、および
    工程(d):該工程(c)で得られた測定結果から、検体中に含有されるアナライト量を算出する工程。
  10. 上記アナライトに、上記コンジュゲートが結合する請求項9に記載のアッセイ法。
  11. 上記アナライトとは異なるアナライトであって、上記アナライトと競合するアナライトが、上記コンジュゲートと予め結合している請求項9に記載のアッセイ法。
  12. 上記アナライトが、腫瘍マーカーまたはがん胎児性抗原である請求項9〜11のいずれ
    かに記載のアッセイ法。
  13. 少なくとも、請求項1〜8のいずれかに記載のプラズモン励起センサを含み、請求項9〜12のいずれかに記載のアッセイ法に用いられることを特徴とする装置。
  14. 透明支持体と、該支持体の一方の表面に形成された金属薄膜と、該薄膜の、該支持体とは接していないもう一方の表面の周端部を覆う(ただし、該表面の全部を覆うことはない。)ように形成されたマスク材からなる層とからなり、請求項1〜8のいずれかに記載のプラズモン励起センサに用いられるプラズモン励起センサ用基板を、少なくとも含むことを特徴とするアッセイ用キット。
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