JP2006262775A - 微生物細胞検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、微生物細胞を含有するか含有する可能性のある検体に対し蛍光指示薬を用いて微生物細胞を検出する方法であり、従来から知られている方法と比較して低コスト、かつ正確性を向上させた検出方法及び微生物細胞計数装置を提供すること。
【解決手段】蛍光指示薬と、輝度増感剤を微生物細胞試料に接触させ微生物細胞の発する蛍光強度を増加させることを特徴としたものであり、より小型で安価な光源3を使用し、シグナルの蛍光強度を増加させることで測定感度を向上させた微生物細胞検出方法、小型で低コストな微生物細胞計数装置1を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、微生物細胞を含有するか含有する可能性のある検体に対し蛍光指示薬を用いて微生物細胞を検出する方法であり、従来から知られている方法と比較して微生物細胞の発する信号を増加し、検出精度を増加させることができる方法および生菌計数装置に関する。
従来、蛍光指示薬を用いて微生物細胞を検出する方法の一例として核酸染色性蛍光指示薬が微生物細胞を検出するための試薬として有用であることは、当業者によく知られている事実である。核酸染色性蛍光指示薬は、微生物細胞に細胞膜を透過して細胞内に存在するDNA、RNAなどの核酸分子に結合し、発光機能が発現する。従って、微生物採取用フィルタ上に捕捉した微生物細胞に核酸染色性蛍光指示薬を接触させてから、または、核酸染色性蛍光指示薬を接触させた微生物細胞を微生物採取用フィルタ上に捕捉してから、フィルタ上に励起光を照射することで生じる光点を生菌と判定する方法が古くから知られている。
しかしながら、上記の方法では微生物細胞を正確に検出することができないという問題がある。
これは、微生物細胞を含む試料に同じく含有され、該微生物細胞を検出するための核酸染色性蛍光指示薬の蛍光発光波長に類似した自家蛍光発光を示す夾雑物によって、検出される微生物細胞数が、実際に含まれる個数に比較して見かけ上大きくなることにより、正確な微生物細胞数を検出することが困難になるという側面を有するからである。
従来、この種の微生物細胞検出方法においては、蛍光指示薬の励起光源として、紫外線よりも長波長のレーザー光を用いるといった方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
下記、特許文献1において、微生物細胞の検出において核酸染色指示薬であるアクリジンオレンジを封入したバクテリオファージを用いた方法が提案されている。この方法は、まず微生物細胞を含む液体試料中にあらかじめ決められた濃度となるようにアクリジンオレンジを溶解して微生物細胞と反応させる。次に、これによって蛍光標識された微生物細胞を400nmから500nmの波長をもつレーザーによって励起して蛍光を示したものの数を計数し、得られた数値を微生物細胞数と置き換えてその量を計数することができるというものである。励起光源にレーザー光を使用することにより、蛍光指示薬の吸収波長帯の励起光を効率的に照射することができ、自家蛍光や背景に比較して、蛍光指示薬のシグナル強度を増大させることができるというものである。
特開平11−318437号公報
しかしながら、上記特許文献1に提案されている微生物細胞検出方法は、光源のレーザーが高価であり、汎用的な微生物細胞検出方法として使用するためには、より安価なキセノン光源や発光ダイオードなどを使用することが要求され、蛍光指示薬の強度を増加させる手段が別途必要であった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、微生物細胞を含有するか含有する可能性のある検体から蛍光指示薬を用いて微生物細胞を検出する方法であって、従来から知られている方法と比較して、低コストな光源を使用し、かつ蛍光強度を増加させることができ、測定精度を向上させて微生物細胞の検出を行うことができる方法および微生物細胞計数装置を提供することを目的としている。
本発明の生菌検出方法は、上記目的を達成するために、請求項1記載の通り、微生物細胞検出手段として、微生物細胞を染色する為の蛍光指示薬と輝度増感剤を混合して使用することを特徴とするものであり、蛍光強度を増加させることで自家蛍光を示す夾雑物との差を拡大し、精度の高めた検出方法を実現することができる。
また、請求項2記載の微生物細胞検出方法は、請求項1記載の微生物細胞検出方法において、輝度増感剤として2価金属イオンを使用することを特徴としている。これにより、公知の試薬を使用することで、新たな高機能の増感剤を開発することなく、精度を向上させることができる。
また、請求項3記載の微生物細胞検出方法は、請求項1、2記載の微生物細胞検出方法において、輝度増感剤としてマグネシウムイオンを使用することを特徴とする。これによって、マグネシウム塩の水溶液を使用することができ、より安価に検出精度を向上させることができるものである。
また、請求項4記載の微生物細胞検出方法は、請求項1、2、3のいずれかに記載の微生物細胞検出方法において、マグネシウムイオンの濃度を10〜100μmol/Lにて使用することを特徴とする。この範囲の濃度で使用することにより、異なる環境においても水溶液中での安定性に優れており、検出精度を高めることができるというものである。
また、請求項5記載の微生物細胞検出方法は、請求項1、2、3、4のいずれかに記載の微生物細胞検出方法において、蛍光指示薬と輝度増感剤に乾燥防止剤を混合して使用することを特徴とする。これにより、乾燥防止手段を与えることで、乾燥による蛍光指示薬の劣化にともなう蛍光強度低下を防止し、増強した蛍光強度を安定して検出精度を高めることができるというものである。
また、請求項6記載の微生物細胞検出方法は、請求項1、2、3、4、5のいずれかに記載の微生物細胞検出方法において、乾燥防止剤としてグリセロールを使用することを特徴とする。これにより、蛍光指示薬の分解や、励起光、蛍光の吸収による計測阻害を引き起こすことなく、かつ比較的安価で乾燥防止手段を与えることができ、乾燥による蛍光指示薬の劣化にともなう蛍光強度低下を防止し、安定して検出精度を高めることができるというものである。
また、請求項7記載の微生物細胞検出方法は、請求項1、2、3、4、5、6のいずれかに記載の微生物細胞検出方法において、グリセロールの終濃度を10〜60%にて使用することを特徴とする。この範囲の濃度で使用することにより、粘性の影響による蛍光指示薬の反応性への影響を抑え、蛍光指示薬の染色性能を維持し、染色操作のハンドリングを容易に行うことができ、安定して検出精度を高めることができるというものである。
また、請求項8記載の微生物細胞検出方法は、請求項1から7のいずれかに記載の微生物細胞検出方法において、蛍光指示薬として、蛍光性核酸染色剤を使用することを特徴とする。これにより、微生物細胞の生物活性などによる染色性の影響を比較的受け難くすることができ、検出精度を安定化させつつ、疑陰性へのリスクを低減させることができ、精度を高めることができるというものである。
また、請求項9記載の微生物細胞検出方法は、請求項8記載の微生物細胞検出方法において、蛍光性核酸染色剤として、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール、Hoechst33342、Hoechst34580、チアゾールオレンジ、オキサゾールイエロー、アクリジンオレンジ、アクリジン2量体、臭化エチジウム、エチジウム2量体、ヨウ化プロピジウム、ヨウ化ヘキシジウム、非対称シアニン色素のいずれかを使用することを特徴とする。これらの蛍光指示薬は水溶液中で安定して存在することから、水中の微生物細胞を安定して蛍光標識することができ、更に微生物細胞種が未知であっても染色性能に比較的差が見られないことから、これらの微生物細胞が含まれる恐れのある検体においても検出精度を得ることができるというものである。
また、請求項10記載の微生物細胞検出方法は、請求項1から9のいずれかに記載の微生物細胞検出方法として、蛍光指示薬の励起光源として、発光ダイオードを使用することを特徴とする。これにより、蛍光指示薬の励起光源を、他の種類の光源、例えば水銀ランプやレーザーに比べて、小型化し、低コスト化することができ、それによって、微生物細胞計測現場により近いところに効果的に普及できる微生物細胞数計測装置とすることができるようになる。
また、請求項11記載の微生物細胞検出方法は、請求項1から10のいずれかに記載の微生物細胞検出方法として、蛍光指示薬にて標識された微生物細胞を、2次元状に展開させ、レンズ、光学フィルタ、光電変換素子を用いて顕微蛍光画像を取得し、得られた画像中の発光点を微生物細胞数として計数することを特徴とする。これにより、平面に展開させて拡大し、直接微生物細胞数と生死を判別することができる機構とすることで、安定して高精度な計測を実現することができる装置を提供することができる。
また、請求項12記載の微生物細胞検出方法は、請求項1から11のいずれかに記載の微生物細胞検出方法として、メンブレンフィルタを用いて微生物細胞を捕集し、検出することを特徴とする。これにより、検体成分を除去しやすくなり、それに起因する計測誤差の発生を軽減することができ、安定して検出精度の高い計測方法を実現することができる。
また、請求項13記載の生菌検出方法は、請求項1から12のいずれかに記載の微生物細胞検出方法として、メンブレンフィルタ上の捕集した後、栄養源を供給して培養し、形成された微小なコロニーを、前記蛍光指示薬を用いて標識し、発光点として計数することを特徴とする。これにより、検体成分に含まれる、微生物細胞と同程度の大きさと自家蛍光波長をもつ夾雑物質と、微生物細胞とを大きさによって識別することができ、かつ非常に低濃度の微生物細胞を含むような試料であっても、高感度かつ高精度な計測方法、計測装置を実現することができる。
本発明の微生物細胞検出方法によれば、微生物細胞を標識するための蛍光指示薬に、輝度増感剤を混合して使用することで、従来から知られている方法と比較して簡便かつ低コストで微生物細胞検出の高感度化を行うことができ、小型で低コストな微生物細胞検出方法、微生物細胞検出装置を提供できる。
本発明の請求項1記載の発明は、微生物細胞検出手段として、微生物細胞を染色する為の蛍光指示薬と輝度増感剤を混合して使用することを特徴としたものであり、レーザーなどの特殊な光源を使用せずに、蛍光強度を増加させることができ、自家蛍光を示す夾雑物との差を拡大することで微生物細胞の検出精度を高めることができるという作用を有する。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の微生物細胞検出方法において、輝度増感剤として2価金属イオンを使用するものであり、水溶液中で安定して精度を向上させることができ、かつ新たな高機能の増感剤を開発するための開発コストを削減することができるという作用を有する。
また、請求項5記載の発明は、蛍光指示薬と輝度増感剤に乾燥防止剤を混合して使用するとしたものであり、乾燥防止手段を与えることで、乾燥による蛍光指示薬の劣化にともなう蛍光強度低下を防止し、輝度増感剤によって増強された蛍光強度を損なうことなく安定した計測を行い、検出精度を高めることができるという作用を有する。
また、請求項8記載の発明は、蛍光指示薬として蛍光性核酸染色剤を使用することとしたものであり、これにより、微生物細胞の生物活性などによる染色性の影響を比較的受け難くすることができ、検出精度を安定化させつつ、疑陰性へのリスクを低減させることができ、精度を高めることができるという作用を有する。
また、請求項10記載の発明は、蛍光指示薬の励起光源として、発光ダイオードを使用することとしたものであり、これにより、蛍光指示薬の励起光源を、他の種類の光源、例えば水銀ランプやレーザーに比べて、小型化し、低コスト化することができるという作用を有する。
また、請求項11記載の発明は、蛍光指示薬にて標識された微生物細胞を、2次元状に展開させ、レンズ、光学フィルタ、光電変換素子を用いて顕微蛍光画像を取得し、得られた画像中の発光点を微生物細胞数として計数することを特徴とするものであり、微生物細胞を含有する試料をサンプリングしたのち、2次元状に展開させて、レンズにより拡大することで、微生物細胞を1個ずつ検出することが可能となり、検出精度の向上を図ることができるという作用を有する。
また、請求項12記載の発明は、メンブレンフィルタを用いて微生物細胞を捕集し、検出することを特徴とするもので、微生物細胞を含む試料に含まれる他の成分による検出精度低下の要因(例えば、pH変化など)となる物質を、ろ過することで除去することができるため、検出精度が安定化するという作用を有する。また、液体試料中に含まれる微生物細胞を2次元状に集めることができるため、測定面積を限定させることができ、測定時間を短縮できるという作用を有する。
また、請求項13記載の発明は、メンブレンフィルタ上の捕集した後、栄養源を供給して培養し、形成された微小なコロニーを、前記蛍光指示薬を用いて標識し、発光点として計数することを特徴とするものである。測定対象とする試料に、微生物細胞と大きさが等しく、上記蛍光指示薬の蛍光波長と同じ波長を含む自家蛍光を発するような夾雑物質が含まれていた場合、微生物細胞として誤認識してしまい、検出精度が低下するため、微生物細胞をこれらの夾雑物質とは十分に差別化しうる程度の大きさのコロニーを形成するまで培養し、この微小コロニーを上記蛍光指示薬により標識し、検出することで、検出感度を向上させることができるという作用を有する。
本発明において用いることができる蛍光指示薬として、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール、Hoechst33342、Hoechst34580、チアゾールオレンジ、オキサゾールイエロー、アクリジンオレンジ、アクリジン2量体、臭化エチジウム、エチジウム2量体、ヨウ化プロピジウム、ヨウ化ヘキシジウム、非対称シアニン色素などの公知の試薬が挙げられる。これらの試薬は、細胞質内に存在するデオキシリボ核酸(DNA)と結合し、蛍光を発することができる色素であり、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール、Hoechst33342、Hoechst34580、チアゾールオレンジ、オキサゾールイエロー、アクリジンオレンジ、アクリジン2量体、一部の非対称シアニン色素は、微生物細胞の生菌、死菌ともに細胞質内へ透過し、DNAと結合して蛍光を発することから、生菌および死菌検出指示薬として知られるものである。また臭化エチジウム、エチジウム2量体、ヨウ化プロピジウム、ヨウ化ヘキシジウム、一部の非対称シアニン色素は生菌の細胞質内には透過することができず、死菌の細胞質内に透過し、DNAと結合して蛍光を発する、死菌検出用指示薬として知られたものである。これらはそれぞれ微生物細胞の生、死によって選択的な透過性を有するものであり、生菌計測や、死菌計測などの目的によってその色素を選択して使用することができる。
以下、本発明の生菌検出方法について順を追って説明する。
(実施の形態1)
まず、微生物採取用フィルタの上方から液体試料を吸引してろ過し、メンブランフィルタ表面に微生物細胞を2次元的に捕捉して蛍光指示薬を接触させるか、または、蛍光指示薬を接触させた微生物細胞を微生物採取用フィルタ上に吸引によりろ過し、微生物細胞を2次元的に捕捉する。この操作自体は、公知の方法に準じて行えばよい。本発明において菌を含有するか含有する可能性のある検体は液状検体であるが、検査対象が飲料水などの液状サンプルの場合は、それ自体が液状検体となる。検査対象が野菜や肉をはじめとする食材などの固体サンプルの場合は、それをホモジナイズして液状検体としたり、その表面から綿棒などを用いて菌を採取し、これを生理食塩水などに遊離させて液状検体としたりする。また、まな板などの調理器具などが検査対象となる場合、その表面から綿棒などを用いて菌を採取し、これを生理食塩水などに遊離させて液状検体とする。こうした液状検体を微生物採取用フィルタで吸引濾過することでフィルタ上に菌を捕捉してから蛍光指示薬をフィルタの上方から滴下するか、または、液状検体に蛍光指示薬を混合した後、液状検体を微生物採取用フィルタで吸引ろ過することで、フィルタ上に蛍光標識された菌を捕捉する。
なお、蛍光指示薬は、微生物試料に対して、あらかじめ1から100μMとなるようを混合しておき、同時に作用させるか、もしくは別々に、時間を置かず、もしくは適当な時間間隔を開けて作用させる。このとき、微生物試料に対して蛍光指示薬を作用させる前、もしくは同時に輝度増感剤である塩化マグネシウム水溶液を1〜100mM程度に混合しておく。
また、微生物採取用フィルタ上に捕捉した菌を含む物質表面が、測定中に乾燥し輝度が変化することを防ぐための手段として蛍光試薬には10から60%w/vのグリセロールを混合させておく。
なお、微生物採取用フィルタとしては、例えば、孔径が0.1μm〜1μmの公知のものを用いることができる。
蛍光指示薬を接触させた後、微生物細胞が検出しうる十分な蛍光強度をもたせるため、一定の染色時間をとる。つづいて、蛍光標識された生菌が展開されているメンブレンフィルタに対し励起光を照射することで生じる光点を検出する。
この操作は、例えば、チアゾールオレンジは、波長が509nm付近の励起光を照射した場合、波長が533nm付近の蛍光を発し、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドールは、波長が370nm付近の励起光を照射した場合、波長が460nm付近の蛍光を発し、ヨウ化プロピジウムは、波長が536nm付近の励起光を照射した場合、波長が617する。そのため励起光源としての発光ダイオードは、チアゾールオレンジなどの波長帯の蛍光指示薬に対しては青色のもので、好ましくは480nmから510nm付近の波長を発することができるものを使用し、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドールと同様な波長帯をもつ蛍光指示薬の場合には、紫外線のもので、好ましくは360nm付近の波長を発することができるものを使用し、ヨウ化プロピジウムなどの波長帯の蛍光指示薬に対しては、緑色のもので、好ましくは530から570nm付近の波長を発することができるものを使用する。また蛍光フィルタとしては、チアゾールオレンジなどの蛍光指示薬の場合には緑色のもので、好ましくは510nmから540nmまでの範囲に透過性能をもつものを使用し、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドールなどの蛍光指示薬の場合には青色のもので、好ましくは440nmから470nmまでの範囲に透過性能をもつものを使用し、ヨウ化プロピジウムなどの蛍光指示薬の場合には赤色のもので、好ましくは610nmから630nmまでの範囲に透過性能をもつものを使用する。当該蛍光は拡大レンズ系を通し、光電変換素子であるCCDカメラを用いて露光時間1秒から10秒程度の露光時間で画像撮影することにより取得される。
これらの操作により取得された蛍光画像は、生菌の蛍光由来による発光点を含むものであるが、これらの発光点は画像解析手段によって適切な閾値により抽出され、個数を計数することができる。これにより、もとの微生物試料に含まれていた微生物細胞数を計数することができるのである。
図1は、本発明の微生物細胞検出方法を好適に実施するための微生物細胞計数装置の一態様を示す概念図である。この微生物計数装置1は、光源3、光源集光手段としてのレンズ5受光部10を含む。光源3から発せられた励起光から目的の波長を取り出すために励起光分光フィルタ4で分光する。分光された励起光はダイクロイックミラー7を経て、光路を変化させられる。光路を変化させられた励起光はレンズ5を経て検査台6にセットされた微生物採取用フィルタ2(別途の操作によりフィルタ上に染色された微生物細胞を捕捉してあるもの)上に集光される。光源3から発せられた励起光は、レンズ5によって集光されるが、その際、レンズ5によって励起光を照射する範囲は微小な一定面積に集光される。ここで、微小な一定面積とは、微生物細胞の大きさに基づいて設定した場合、直径1mm程度の範囲を指し示す。励起光を照射する範囲(微小な一定面積)は、フィルタ上を移動手段により連続的にまたは断続的に移動させられる。励起光により微生物細胞が発する蛍光は、再びダイクロイックミラー7を透過する。その際、蛍光はダイクロイックミラー7をそのまま透過し、受光部10に到達する。一定の時間内に受光部10に到達した蛍光は、目的の蛍光のみを取り出すために蛍光分光フィルタ8を経て、受光部10に内蔵された光電変換素子9に到達し、信号化される。これにより得られた信号は画像化され、演算部11によって画像処理により生菌の発光を示す発光点を検出し、数を計数する。これにより、微生物細胞数を求めることができるのである。
(実施例1)
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の記載に何ら限定して解釈されるものではない。本発明の微生物細胞検出法の効果について。
1つの前培養した大腸菌をろ過滅菌蒸留水などに懸濁し、液体試料を調製した。液状検体を孔径が0.45μmの微生物採取用メンブレンフィルタに、マニホールドを用いて吸引濾過し、フィルタ上に大腸菌を捕捉した。
濃度10μMのチアゾールオレンジ、10mMの塩化マグネシウム、50%w/vグリセロールの混合水溶液をメンブレンフィルタ上に滴下し、室温にて10分間染色を行った。再びメンブレンフィルタ上の余分な試薬を吸引濾過してフィルタ上の液状成分を除去した。染色を行ったメンブレンフィルタ生菌計数装置1の検査台6に微生物採取用メンブレンフィルタ2をセットする。そして、演算器より生菌計数装置1に運転の指令を与えると微生物採取用フィルタ2をセットした検査台6は、レンズ5の下方に移動させられ、フィルタ上に励起光が照射され画像が撮影される。検査台はレンズ5の下方にて移動しながら微生物採取用メンブレンフィルタの表面を走査し、あらかじめ指定した一定の面積の画像を取得する。取得した画像は演算器にて画像処理され、発光点数を計数し、最終的な生菌数を求めることができる。
図2は、鮭精子由来のDNA水溶液1mg/mLに、チアゾールオレンジを10μM、さらに塩化マグネシウム水溶液を10mMとなるように混合して、30分間室温にて反応させた後、分光蛍光光度計にて490nmにて励起したときの蛍光スペクトルを測定したものである。これによると、マグネシウムイオンの濃度が10mMのときには、濃度0のときと比較して、極大蛍光強度がおよそ1.5倍程度まで増加していることが確認できる。
また、図3は、蒸留水に調製した大腸菌の懸濁液に、チアゾールオレンジを10μM、塩化マグネシウムを10mMとなるよう調製し、30分間室温で反応させたのち、メンブレンフィルタにろ過し、図1に示されるような微生物細胞検出装置にて画像を取得し、画像中の微生物細胞の発する蛍光発光強度をヒストグラムにしたものである。これによると、マグネシウムイオンの変わりに一価のカチオンであるナトリウムイオン(塩化ナトリウム水溶液)を加えたものに対して、輝度が高い側に検出される細胞が多くなることが確認できる。
本発明は、生菌を含んだ検体から蛍光指示薬によって微生物細胞を検出する方法であって、従来から知られている方法と比較してより正確性を持たせた微生物細胞の検出を行うことができる方法および微生物細胞計数装置を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
本発明の実施の形態1の生菌計測を効果的に実施する為の生菌計測装置を示す概念図 本発明の実施例1の蛍光指示薬と輝度増感剤をDNA水溶液と混合したときの蛍光スペクトル増加を示す図 本発明の実施例1の蛍光指示薬と輝度増感剤により標識した大腸菌の蛍光画像ヒストグラムを示す図
符号の説明
1 微生物細胞計数装置
2 微生物採取用フィルタ
3 光源
4 励起光分光フィルタ
5 レンズ
6 検査台
7 ダイクロイックミラー
8 蛍光分光フィルタ
9 光電変換素子
10 受光部
11 演算部
12 蛍光指示薬と輝度増感剤により蛍光標識されたDNA水溶液の蛍光スペクトル
13 蛍光指示薬と輝度増感剤により蛍光標識された大腸菌の蛍光画像ヒストグラム

Claims (13)

  1. 微生物細胞を染色する為の蛍光指示薬と輝度増感剤を混合して使用することを特徴とする微生物細胞検出方法。
  2. 前記輝度増感剤として2価金属イオンを使用することを特徴とする請求項1記載の微生物細胞検出方法。
  3. 前記輝度増感剤としてマグネシウムイオンを使用することを特徴とする請求項1、2記載の微生物細胞検出方法。
  4. マグネシウムイオンの濃度を10〜100μmol/Lにて使用することを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の微生物細胞検出方法。
  5. 前記蛍光指示薬と輝度増感剤に乾燥防止剤を混合して使用することを特徴とする請求項1、2、3、4のいずれかに記載の微生物細胞検出方法。
  6. 乾燥防止剤としてグリセロールを使用することを特徴とする請求項1、2,3,4および5のいずれかに記載の微生物細胞検出方法。
  7. グリセロールの終濃度を10〜60%にて使用することを特徴とする請求項1、2、3、4、5および6のいずれかに記載の微生物細胞検出方法。
  8. 前記蛍光指示薬として、蛍光性核酸染色剤を使用することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の微生物細胞検出方法。
  9. 前記蛍光性核酸染色剤として、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール、Hoechst33342、Hoechst34580、チアゾールオレンジ、オキサゾールイエロー、アクリジンオレンジ、アクリジン2量体、臭化エチジウム、エチジウム2量体、ヨウ化プロピジウム、ヨウ化ヘキシジウム、非対称シアニン色素のいずれかを使用することを特徴とする請求項8記載の微生物細胞検出方法。
  10. 前記蛍光指示薬の励起光源として、発光ダイオードを使用することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の微生物細胞検出方法
  11. 前記蛍光指示薬にて標識された微生物細胞を、2次元状に展開させ、レンズ、光学フィルタ、電荷結合素子を用いて顕微蛍光画像を取得し、得られた画像中の発光点を微生物細胞数として計数することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の微生物細胞検出方法。
  12. メンブレンフィルタを用いて微生物細胞を捕集し、検出することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の微生物細胞検出方法。
  13. メンブレンフィルタ上の捕集した後、栄養源を供給して培養し、形成された微小なコロニーを、前記蛍光指示薬を用いて標識し、発光点として計数することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の微生物細胞検出方法。
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