WO2022185592A1 - ウィルス性粒子測定方法及びウィルス性粒子測定装置 - Google Patents

ウィルス性粒子測定方法及びウィルス性粒子測定装置 Download PDF

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哲也 森
秀喜 中山
大祐 入倉
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    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/63Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
    • G01N21/64Fluorescence; Phosphorescence

Definitions

  • the present invention relates to a viral particle measuring method and a viral particle measuring device.
  • the another fluorescent dye fluorescently stains the surface of the viral particles.
  • the viral particle measuring device 100 is provided with a cell installation section (not shown) in which the batch measurement cuvette cell 5 containing the sample is detachably installed.
  • the light irradiation unit 2 and the light detection unit 3 are provided so that the light irradiation direction of the light irradiation unit 2 and the light detection direction of the light detection unit 3 are orthogonal to each other, but the present invention is not limited to this.

Abstract

本発明は、ウィルス性粒子の粒子径分布を効率良く定量するものであり、ウィルス性粒子を含むサンプルに膜透過性蛍光色素を添加して、ウィルス性粒子の内容物を蛍光染色する染色工程と、染色工程の後に、膜透過性蛍光色素の発光を検出して、ウィルス性粒子の粒子径分布を測定する測定工程とを有する。

Description

ウィルス性粒子測定方法及びウィルス性粒子測定装置
 本発明は、ウィルス性粒子測定方法及びウィルス性粒子測定装置に関するものである。
 例えば空気中のウィルスを測定するものとしては、特許文献1に示すように、空気中を浮遊するウィルスを捕集し、当該空気中に含まれるウィルスの濃度を、表面増強ラマン散乱分光法により計測するものが考えられている。
 ここで、表面増強ラマン散乱分光法による定量を行う場合は、検出される表面増強ラマン散乱光の信号量と分析対象となるウィルス量との相関をとる必要がある。表面増強ラマン散乱光の信号量は、発生する電場増強領域と分析対象物質との立体的な位置関係に大きく依存しているので、定量性を担保するためには、表面増強ラマン散乱を発生させる基板上の貴金属微粒子と分析対象物質となるウィルスとの立体的な位置関係を制御する必要がある。
 しかしながら、実際にはこの立体的な位置関係の制御を行うことは難しく、表面増強ラマン散乱分光法で定量を行う技術は確立できていない。なお、特許文献1でも「ウイルス濃度を計測できる」や「ウイルス量に相当する信号を出力する」とは記載があるものの、上述の位置関係を制御する技術の記載は一切開示がない。また、定量性を示すデータも一切開示されていない。
特開2015-178993号公報
 そこで、本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、ウィルス性粒子を効率良く定量することをその主たる課題とするものである。
 すなわち、本発明に係るウィルス性粒子測定方法は、ウィルス性粒子を含むサンプルに膜透過性蛍光色素を添加して、前記ウィルス性粒子の内容物を蛍光染色する染色工程と、前記染色工程の後に、前記膜透過性蛍光色素の発光を検出して、前記ウィルス性粒子の粒子径分布を測定する測定工程とを有することを特徴とする。
 このウィルス性粒子測定方法であれば、ウィルス性粒子の内容物を膜透過性蛍光色素により染色し、当該膜透過性蛍光色素の発光を検出して粒子径分布を測定するので、内容物と粒子径との情報からウィルス性粒子を特定することができ、ウィルス性粒子を効率良く定量することができる。
 前記染色工程において、前記膜透過性蛍光色素により前記ウィルス性粒子の内容物を蛍光染色するとともに、前記膜透過性蛍光色素とは異なる別の蛍光色素により前記ウィルス性粒子を蛍光染色し、前記測定工程において、前記膜透過性蛍光色素及び前記別の蛍光色素それぞれに対応した励起波長の光を照射し、前記膜透過性蛍光色素及び前記別の蛍光色素それぞれの発光を検出して、前記ウィルス性粒子の粒子径分布を測定することが望ましい。
 この構成であれば、ウィルス性粒子の内容物を染色した膜透過性蛍光色素の発光だけでなく、別の蛍光色素の発光を検出するので、ウィルス性粒子の粒子径分布の測定精度を向上することができる。
 前記染色工程において、前記膜透過性蛍光色素により前記ウィルス性粒子の内容物を蛍光染色するとともに、前記膜透過性蛍光色素とは異なる別の蛍光色素により前記ウィルス性粒子を蛍光染色し、前記測定工程において、前記膜透過性蛍光色素又は前記別の蛍光色素の一方の励起波長の光を照射するとともに、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)による前記膜透過性蛍光色素又は前記別の蛍光色素の他方の発光を検出して、前記ウィルス性粒子の粒子径分布を測定することが望ましい。
 この構成であれば、ウィルス性粒子の内容物を染色した膜透過性蛍光色素の発光だけでなく、FRETによる別の蛍光色素の発光を検出するので、ウィルス性粒子の粒子径分布の測定精度を向上することができる。
 前記別の蛍光色素は、前記ウィルス性粒子の表面を蛍光染色するものであることが望ましい。
 本発明のウィルス性粒子測定方法は、空気中を浮遊しているウィルス性粒子を捕集する捕集工程をさらに備え、前記捕集工程は、前記空気を液体に通過させることにより前記ウィルス性粒子を前記液体に捕集するものであることが望ましい。
 また、本発明のウィルス性粒子測定装置は、ウィルス性粒子の内容物を膜透過性蛍光色素により蛍光染色したサンプルに対して、前記膜透過性蛍光色素の励起波長の光を照射する光照射部と、前記膜透過性蛍光色素の発光を検出する光検出部と、前記光検出部により得られた検出信号を用いて、前記ウィルス性粒子の粒子径分布を算出する粒子径分布算出部とを有することを特徴とする。
 以上に述べた本発明によれば、ウィルス性粒子を効率良く定量することができる。
本発明の一実施形態に係るウィルス性粒子測定装置の全体模式図である。 同実施形態に係るウィルス性粒子の粒子径分布の一例を示す図である。 同実施形態に係るウィルス性粒子測定方法のフロー図である。 変形実施形態に係るウィルス性粒子測定装置の全体模式図である。 変形実施形態に係る(a)標準セル及びセル設置部、及び(b)小型セル及びセル設置部の構成を模式的に示す図である。
100・・・ウィルス性粒子測定装置
2  ・・・光照射部
3  ・・・光検出部
4  ・・・粒子径分布算出部
 以下、本発明の一実施形態に係るウィルス性粒子測定装置及びウィルス性粒子測定方法について、図面を参照しながら説明する。
<ウィルス性粒子測定装置>
 本実施形態のウィルス性粒子測定装置100は、例えば空気中に浮遊するウィルス性粒子の粒子径分布と個数濃度を測定するものであり、詳細にはウィルス性粒子の内容物である核酸(DNA又はRNA)を膜透過性蛍光色素により蛍光染色したサンプルに光を照射し、膜透過性蛍光色素の発光を検出して、ウィルス性粒子の粒子径分布を測定するものである。なお、空気の採取場所としては、室内、トイレ、実験室、病院、工場、飲食店、店舗、ライブハウス、映画館、公共施設等が考えられる。
 本明細書において「ウィルス性粒子」とは、生体分子を内容物として保持しているものであり、例えば、ウィルス、ワクチン、ウィルス様物質(人工的に生体分子内に核酸を保持させたもの)を挙げることができる。
 また、粒子径分布は、粒径に応じた個数濃度、または、頻度、もしくは存在確率である。これは単一の粒径における個数濃度(一般的に、単に「個数濃度」と表現されるもの)、又は、狭い範囲での粒子径分布における全個数濃度を含む概念である。
 ここで、膜透過性蛍光色素は、例えばDNAインターカレーター等の膜透過性核酸色素物質である。また、膜透過性蛍光色素は、疎水性のモノマーが望ましい。なお、ウィルスの膜は脂質からなるため、疎水性の膜透過性蛍光色素の方が親和性があり、膜を透過しやすい。DNAインターカレーターの具体例としては、例えば、DAPI、PI、エチジウムブロマイド、SYBR-green I、SYBR-green II、 pico green等のシアニン系色素、gelstar、アクリジンオレンジ、Hoechst33258、Hoechst33342等のヘキスト色素を挙げることができる。その他、膜透過性蛍光色素として、Calcein-AM、BCECF-AM、CFSE、CytoRed、FDA、Fura-2などの細胞染色用色素を用いることも考えられる。
 具体的にウィルス性粒子測定装置100は、図1に示すように、膜透過性蛍光色素に対応した励起波長λの光を照射する光照射部2と、膜透過性蛍光色素の発光(蛍光波長λ’)を検出する光検出部3と、光検出部3により得られた検出信号を用いて膜透過性蛍光色素が修飾されたウィルス性粒子の粒子径分布を測定する粒子径分布算出部4とを備える。
 また、ウィルス性粒子測定装置100は、前記サンプルが収容されたバッチ測定用のキュベットセル5が着脱可能に設置されるセル設置部(不図示)が設けられている。光照射部2及び光検出部3は、図1では、光照射部2の光照射方向と光検出部3の光検出方向とが互いに直交して設けられているが、これに限られない。
 光照射部2は、膜透過性蛍光色素に対応した励起波長λの光を照射する光源21を有している。光源21は、例えばレーザ光源である。光源21から射出された光は、反射ミラー241、242、集光レンズ243等の照射光学系24を介して、キュベットセル5に導光される。
 光検出部3は、前記キュベットセル5から出る膜透過性蛍光色素の発光を検出するものであり、本実施形態では、例えばCCDカメラ等の撮像カメラ31であり、検出信号として動画像データを出力する。また、光検出部3は、励起波長λの光を遮断して、蛍光波長λ’の光を透過するフィルタ32を有する。このフィルタ32により、膜透過性蛍光色素の発光を選択的に検出できるように構成してある。
 粒子径分布算出部4は、動画像データを用いて、膜透過性蛍光色素が修飾されたウィルス性粒子のブラウン運動を追跡し、その拡散速度からストークス-アインシュタイン(Stokes-Einstein)の式に基づいてウィルス性粒子の粒子径及び個数を算出する。そして、粒子径分布算出部4は、その算出結果から、膜透過性蛍光色素が修飾されたウィルス性粒子の粒子径分布を算出する(図2参照)。粒子径分布算出部4は、例えば、膜透過性蛍光色素の発光を撮像した動画像データを用いて、膜透過性蛍光色素が修飾されたウィルス性粒子の拡散速度を求め、その拡散速度から、当該ウィルス性粒子の粒子径分布を算出する。
<ウィルス性粒子測定方法>
 次に、本実施形態のウィルス性粒子測定方法について図3を参照して説明する。
(S1)捕集工程
 まず、空気中を浮遊するウィルス性粒子を捕集する。ここで、捕集方法としては、例えば液体サイクロン方式のエアサンプラ等を用いて、空気を純水等の液体(捕集液)に通過させることによりウィルス性粒子を液体中に捕集する方法が考えられる。その他、空気をフィルタ部材に通過させることにより、フィルタ部材上にウィルス性粒子を捕集し、当該フィルタ部材を液体に浸漬させることにより、液体中にウィルス性粒子を取り込んでも良い。なお、液体に通過させる前の空気は、予めバッグに捕集しておいても良いし、バッグに捕集することなく現場で液体に通過させても良い。
(S2)染色工程
 上記の捕集工程により作製されたサンプルに膜透過性蛍光色素を添加する。これにより、サンプルに含まれるウィルス性粒子の核酸(DNA又はRNA)が蛍光染色される。
(S3)測定工程
 染色工程により得られたサンプルをキュベットセル5に収容し、当該キュベットセル5をウィルス性粒子測定装置100のセル設置部に設置する。その後、ウィルス性粒子測定装置100において、キュベットセル5に膜透過性蛍光色素に対応した励起波長λの光を照射して、膜透過性蛍光色素の発光(蛍光波長λ’)を検出する。これにより、粒子径分布算出部4が、光検出部3により得られた検出信号(動画像データ)に基づいて、膜透過性蛍光色素が修飾されたウィルス性粒子の粒子径分布を算出する。算出されたウィルス性粒子の粒子径分布(図2参照)は、ウィルス性粒子測定装置100のディスプレイ等に表示される。
<本実施形態の効果>
 このように構成した本実施形態のウィルス性粒子測定方法によれば、ウィルス性粒子の核酸を膜透過性蛍光色素により染色し、当該膜透過性蛍光色素の励起波長の光を照射して粒子径分布を測定するので、内容物と粒子径との情報からウィルス性粒子を特定することができ、ウィルス性粒子を効率良く定量することができる。
 なお、粒径分布測定装置を用いてサンプルを測定すると、ゴミなどの夾雑物によりSNが悪くなってしまうが、本実施形態では、特定の内容物を染色することにより、ウィルス性粒子だけを選択的に測定することができる。
<その他の変形実施形態>
 なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
 例えば、前記実施形態の染色工程において、膜透過性蛍光色素によりウィルス性粒子の内容物を蛍光染色するとともに、膜透過性蛍光色素とは異なる別の蛍光色素によりウィルス性粒子を蛍光染色しても良い。ここで、膜透過性蛍光色素とは異なる別の蛍光色素は、膜不透過性蛍光色素であり、ウィルス性粒子の表面の特定のタンパク質を蛍光染色するものである。そして、測定工程において、膜透過性蛍光色素及び別の蛍光色素それぞれに対応した励起波長の光を照射し、膜透過性蛍光色素及び別の蛍光色素それぞれの発光を検出して、ウィルス性粒子の粒子径分布を測定する。
 この測定方法に用いられるウィルス性粒子測定装置100の構成は、図4に示すものが考えられる。
 具体的には、光照射部2は、複数の蛍光色素それぞれに対応した励起波長の光を照射する複数の光源21、22を有している。光源21、22は、例えばレーザ光源である。なお、1つの光源において、2つの励起波長を含む光を照射するものであっても良い。
 第1の光源21は、膜透過性蛍光色素の励起波長λの光を照射するものであり、第2の光源22は、膜不透過性蛍光色素の励起波長λの光を照射するものである。ここで、励起波長λ、λは、2つの蛍光色素が発光して生じる蛍光波長λ’、λ’とは異なる。また、これら各光源21、22から射出された光は、反射ミラー241、242、ハーフミラー244、集光レンズ243等の照射光学系24を介して、キュベットセル5に導光される。
 これら光源21、22は、図示しない制御部によって、各蛍光色素に対応する励起波長λ、λの光を順番に照射するように制御される。なお、これら光源21、22は、同時に光を照射するように制御することもできる。
 光検出部3は、前記キュベットセル5から出る2つの蛍光色素それぞれの発光を検出するものであり、本実施形態では、例えばCCDカメラ等の撮像カメラ31であり、検出信号として動画像データを出力する。また、光検出部3は、励起波長λ、λの光を遮断して、蛍光波長λ’、λ’の光を透過するフィルタ32を有する。このフィルタ33により、各蛍光マーカの発光を選択的に検出できるように構成してある。
 また、2つの蛍光色素(膜透過性蛍光色素及び膜不透過性蛍光色素)を1種類の励起波長で励起させて2種類の蛍光を検出するように構成しても良い。さらに、2つの蛍光色素それぞれの蛍光を異なる光検出器(例えばCCDカメラ)で検出するように構成しても良い。
 粒子径分布算出部4は、動画像データを用いて、2つの蛍光色素が修飾されたウィルス性粒子のブラウン運動を追跡し、その拡散速度からストークス-アインシュタイン(Stokes-Einstein)の式に基づいてウィルス性粒子の粒子径及び個数を算出する。そして、粒子径分布算出部4は、その算出結果から、2つの蛍光色素が修飾されたウィルス性粒子の粒子径分布を算出する(図2参照)。
 ウィルス性粒子の核酸を修飾する膜透過性蛍光色素と、ウィルス性粒子表面の特定のタンパク質を修飾する膜不透過性蛍光色素を用いることにより、サンプルに対して「核酸及び特定のタンパク質の両方を有していない」、「核酸のみを有している」、「特定のタンパク質のみを有している」及び「核酸及び特定のタンパク質の両方を有している」の4通りを判定することができる。
 さらに、前記実施形態の染色工程において、膜透過性蛍光色素により前記ウィルス性粒子の内容物を蛍光染色するとともに、前記膜透過性蛍光色素とは異なる別の蛍光色素により前記ウィルス性粒子を蛍光染色しても良い。ここで、膜透過性蛍光色素とは異なる別の蛍光色素は、膜不透過性蛍光色素でウィルス性粒子の表面の特定のタンパク質を蛍光染色するものであり、膜透過性蛍光色素の発光によって蛍光共鳴エネルギー移動が生じる蛍光染色するものである。そして、測定工程において、膜透過性蛍光色素の励起波長の光を照射するとともに、蛍光共鳴エネルギー移動による別の蛍光色素の発光を検出して、ウィルス性粒子の粒子径分布を測定する。また、測定工程において、別の蛍光色素の励起波長の光を照射するとともに、蛍光共鳴エネルギー移動による膜透過性蛍光色素の発光を検出して、ウィルス性粒子の粒子径分布を測定する。この測定方法において、ウィルス性粒子測定装置100は、別の蛍光色素の発光のみを検出する構成の他に、膜透過性蛍光色素の発光とともに別の蛍光色素の発光を検出する構成とすることが考えられる。
 捕集工程により作製されたサンプルに添加される膜透過性蛍光色素を含有する試薬としては、検出に最適な粒子濃度に合わせて蛍光色素濃度を調整してもよい。
 また、空気中を浮遊するウィルス性粒子を捕集する捕集液は、空気中のウィルス性粒子をトラップしやすいpHに調整してもよい。pHの調整のために、捕集液に酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液等の緩衝液を加えてもよい。
 前記捕集液に蛍光色素を加えておき、ウィルス性粒子の捕集と染色とを同時並行で行うようなキットを用いて測定してもよい。このようなものであれば、粒子を捕集した後、すぐに測定を行うことができる。
 捕集後に捕集液を攪拌や震盪させることで、捕集したウィルス性粒子が均一に染色されるように操作をしてもよい。
 また、前記実施形態のウィルス性粒子測定装置100は、パーティクルトラッキング法(PTA)を用いて粒子径分布を測定するものであったが、ウィルス性粒子のブラウン運動に伴う発光強度の揺らぎに基づいて粒子径分布を算出する動的散乱法を用いたものであっても良い。また、その他の光学分析方法についても適用することができる。
 前記実施形態のウィルス性粒子測定装置100の構成に加えて、図5に示すように、セル設置部6にバッチ測定用のキュベットセル5として、標準セル5A(図5(a)参照)だけでなく、小型セル5B(図5(b)参照)を設置できるように構成しても良い。
 小型セル5Bは、平面視において標準セル5Aを等分した形状をなしており、ここでは、標準セル5Aを縦横に二等分することによって四等分した形状をなしている。さらに、4等分された小型セル5Bを互いに接合して一体構成としても良いし、別体構成としても良い。ここで、複数の小型セル5Bは、熱伝導率が低い石英ガラスを用いて構成することが望ましい。これにより、セル内部の温度ムラを低減してウィルス性粒子のブラウン運動に与える影響を低減することができる。
 さらに、セル設置部6に対する光源21、22及び光検出部3の光学配置は同じであるため、小型セル5Bを設置する場合には、セル設置部6の底部に治具7を収容して、セル設置部6を底上げすることが望ましい。セル設置部6は例えば25度に温調されているので、治具7は、例えば銅等の熱伝導性の良い部材を用いることが望ましい。
 以上の構成により、例えば、標準セル5Aを用いた場合には、450μlのサンプルが必要であるところ、小型セル5Bを用いた場合には、90μlのサンプルで測定が可能となる。
 セル設置部6に小型セル5Bを設置する構成においては、セル設置部6内において測定する小型セル5Bを切り替えるように構成しても良い。例えば、セル設置部6内において複数の小型セル5Bを回転させることにより測定する小型セル5Bを切り替えるようにすることが考えられる。
 前記実施形態の光検出部3は、CCDカメラなどの撮像カメラであったが、光電子増倍管(PMT)を用いたものであっても良い。PMTを用いた場合には、CCDカメラを用いた場合に比べて感度を向上させることができ、少量の発光でも検出することができる。
 前記染色工程において、エレクトロポレーション(電気穿孔法)を用いても良い。これにより、ウィルス性粒子への染色を確実にすることができる。また、エレクトロポレーションにより、膜透過性蛍光色素が親水性のものやダイマーであっても、ウィルス性粒子への染色を行いやすくできる。
 また、前記実施形態のウィルス性粒子測定装置100は、ウィルス性粒子の粒子径及び個数(濃度)の他に、ゼータ電位を測定する構成としても良い。この場合、膜透過性蛍光色素が修飾されたウィルス性粒子全体の平均的なゼータ電位が測定される。また、ウィルス性粒子測定装置100のディスプレイ等の表示装置には、ウィルス性粒子の粒子径、個数(濃度)及びゼータ電位を例えば3次元グラフ上に表示する等、一画面上に表示することが望ましい。
 ここで、ゼータ電位を測定する構成としては、前記キュベットセル5にゼータ電位測定用の電極を設ける構成が考えられる。また、キュベットセル5の他に、連続測定用のフローセルを用いても良い。そして、当該フローセルにゼータ電位測定用の電極を設ける構成とする。フローセルを用いる場合には、ゼータ電位を測定する際に、サンプルのセルへの流入及び流出を停止して行い、ゼータ電位の測定終了後にサンプルを流すようにする。
 前記実施形態では、空気中に浮遊するウィルス性粒子の粒子径分布を測定するものであったが、人体のウィルス性粒子の粒子径分布を測定するものであっても良い。この場合のウィルス性粒子の採取方法としては、呼気から採取する方法、唾液や粘膜から採取する方法などが考えられる。また、家畜や動物からも同様の方法でウィルス性粒子を採取することができる。さらに、物の表面に付着したウィルス性粒子の粒子径分布を測定する場合には、物の表面に付着したウィルス性粒子を採取シートで拭き取ることが考えられる。なお、空気清浄機等の捕集フィルタに捕集されたウィルス性粒子の粒子径分布を測定することもできる。その上、廃液、浄水、下水又は河川等からサンプルを採取して、当該サンプルに含まれるウィルス性粒子の粒子径分布を測定するものであっても良い。
 ウィルス性粒子の内容物としては、核酸以外の生体分子(例えば蛋白質、脂質、糖鎖等)であってもよい。
 前記実施形態のウィルス性粒子測定装置をウィルス量モニタとして用いることにより、感染状態の把握や、感染判定、又は、無菌状態の確認を行うことができる。
 その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や組み合わせを行っても構わない。
 本発明によれば、ウィルス性粒子の粒子径分布を効率良く定量することができる。

Claims (6)

  1.  ウィルス性粒子を含むサンプルに膜透過性蛍光色素を添加して、前記ウィルス性粒子の内容物を蛍光染色する染色工程と、
     前記染色工程の後に、前記膜透過性蛍光色素の発光を検出して、前記ウィルス性粒子の粒子径分布を測定する測定工程とを有する、ウィルス性粒子測定方法。
  2.  前記染色工程において、前記膜透過性蛍光色素により前記ウィルス性粒子の内容物を蛍光染色するとともに、前記膜透過性蛍光色素とは異なる別の蛍光色素により前記ウィルス性粒子を蛍光染色し、
     前記測定工程において、前記膜透過性蛍光色素及び前記別の蛍光色素それぞれに対応した励起波長の光を照射し、前記膜透過性蛍光色素及び前記別の蛍光色素それぞれの発光を検出して、前記ウィルス性粒子の粒子径分布を測定する、請求項1に記載のウィルス性粒子測定方法。
  3.  前記染色工程において、前記膜透過性蛍光色素により前記ウィルス性粒子の内容物を蛍光染色するとともに、前記膜透過性蛍光色素とは異なる別の蛍光色素により前記ウィルス性粒子を蛍光染色し、
     前記測定工程において、前記膜透過性蛍光色素又は前記別の蛍光色素の一方の励起波長の光を照射するとともに、蛍光共鳴エネルギー移動による前記膜透過性蛍光色素又は前記別の蛍光色素の他方の発光を検出して、前記ウィルス性粒子の粒子径分布を測定する、請求項1に記載のウィルス性粒子測定方法。
  4.  前記別の蛍光色素は、前記ウィルス性粒子の表面を蛍光染色するものである、請求項2又は3に記載のウィルス性粒子測定方法。
  5.  空気中を浮遊しているウィルス性粒子を捕集する捕集工程をさらに備え、
     前記捕集工程は、前記空気を液体に通過させることにより前記ウィルス性粒子を前記液体に捕集するものである、請求項1乃至4の何れか一項に記載のウィルス性粒子測定方法。
  6.  ウィルス性粒子の内容物を膜透過性蛍光色素により蛍光染色したサンプルに対して、前記膜透過性蛍光色素の励起波長の光を照射する光照射部と、
     前記膜透過性蛍光色素の発光を検出する光検出部と、
     前記光検出部により得られた検出信号を用いて、前記ウィルス性粒子の粒子径分布を算出する粒子径分布算出部とを有する、ウィルス性粒子測定装置。
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