JP2003169695A - 微生物計測方法及び装置 - Google Patents

微生物計測方法及び装置

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JP2003169695A
JP2003169695A JP2001375679A JP2001375679A JP2003169695A JP 2003169695 A JP2003169695 A JP 2003169695A JP 2001375679 A JP2001375679 A JP 2001375679A JP 2001375679 A JP2001375679 A JP 2001375679A JP 2003169695 A JP2003169695 A JP 2003169695A
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measuring
fungus
dead
light
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Yoshiyuki Tokuda
美幸 徳田
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NIPPON MIZUSHORI GIKEN KK
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  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生菌細胞と死菌細胞の数を高精度かつ安定的
に計測することができる微生物計測方法及び装置を提供
する。 【解決手段】 死菌細胞のみを蛍光発光させる蛍光試薬
で検体となる菌類全体を染色して、蛍光発光した死菌細
胞を計測する第1のステップと、前記検体となる菌類全
体に殺菌処理を施した上で、当該殺菌処理した菌類全体
を前記蛍光試薬で再度染色して、蛍光発光した死菌細胞
を計測する第2のステップと、を備え、前記第1ステッ
プで計測した数値と前記第2ステップで計測した数値と
を比較することにより、生菌細胞及び死菌細胞の数を計
測するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物の計測方法
及び装置に関し、特に、生菌細胞及び死菌細胞の数を高
精度にかつ安定的に計測することができる菌類の計測方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は特許第2979383号公
報において、菌類の生菌細胞及び死菌細胞の数を計測す
る方法を開示している。この計測方法は、菌類を蛍光発
光させる蛍光試薬として、フルオレセインディアセテー
ト(FDA)とプロピデュームイオダイド(PI)を用
い、検体から採取した菌類をこれらの蛍光試薬で二重染
色し、染色した菌類に対して励起光を照射することによ
り、生菌細胞が発する特定波長の蛍光発光と、死菌細胞
が発する特定波長の蛍光発光とを検出して、蛍光発光の
数から生菌細胞と死菌細胞の数を計測するものである。
【0003】具体的には、フルオレセインディアセテー
トは生菌細胞内に浸透して、細胞内にあるエステラーゼ
と反応して分散するので、生菌細胞は励起光を吸収して
中心波長520nmの緑色の蛍光発光を出す。一方、死
菌細胞内にフルオレセインディアセテートが取り込まれ
ても、死菌細胞内にはエステラーゼがないため、死菌細
胞が励起光を吸収しても蛍光発光しない。この性質を利
用して、生菌細胞が発した特定波長の蛍光発光を検出す
ることにより生菌細胞を計測する。
【0004】一方、プロピデュームイオダイドは、分子
量が大きいため生菌細胞膜を通過できず、生菌細胞を蛍
光発光させることはできないが、死菌細胞内には浸透し
て、その細胞内で分散する。従って、プロピデュームイ
オダイドが死菌細胞内に浸透すると、励起光を吸収して
中心波長625nmの赤色の蛍光発光を出す。この性質
を利用して、死菌細胞が発した蛍光発光を検出すること
により死菌細胞を計測する。従来はこのように2種類の
試薬を用いて、生菌細胞と死菌細胞を蛍光発光により判
別して菌類細胞数を計測している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、上記計測
方法の代替技術として開発され、フルオレセインディア
セテートを用いることなく、高精度にかつ安定的に微生
物の数を計測することができる方法及び装置を提供する
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の微生物計測方法
は、死菌細胞のみを蛍光発光させる蛍光試薬で検体とな
る菌類全体を染色して、蛍光発光した死菌細胞数を計測
する第1のステップと、前記検体となる菌類全体に殺菌
処理を施した上で、当該殺菌処理した菌類全体を前記蛍
光試薬で再度染色して、蛍光発光した死菌細胞数を計測
する第2のステップと、を備え、前記第1ステップで計
測した数と前記第2ステップで計測した数とを比較する
ことにより、生菌細胞数及び死菌細胞数を計測すること
を特徴とする。
【0007】死菌細胞のみを蛍光発光させる試薬は、死
菌細胞の核酸と結合して分散するため、周囲の環境や条
件に左右されることなく死菌細胞を蛍光発光させる。こ
のため本発明の計測方法によれば、死菌細胞の数のみを
計測することにより生菌細胞数も計測するようにしてい
るので、条件に左右されずに微生物の数を高精度かつ安
定的に計測することができる。
【0008】また本発明の微生物計測方法は、前記菌類
全体の殺菌処理を、熱処理、紫外線処理、超音波処理、
薬品処理のいずれかの方法で行うことが好ましい。
【0009】また本発明の微生物計測方法は、前記第1
及び第2の各ステップで染色した菌類を、透光性を有す
るセルに注入し、当該セル内の菌類に励起光を照射して
前記菌類を蛍光発光させ、前記蛍光発光した菌類をフォ
トダイオード又は光電子増倍管で検知することにより、
死菌細胞数を計測することを特徴とする
【0010】このように本発明の計測方法では、フォト
ダイオード又は光電子増倍管で検知した画像により死菌
細胞数を計測するようにしているため、目視による計測
とに比較して極めて高精度に菌類細胞数を計測すること
ができる。
【0011】また本発明の微生物計測方法は、前記第1
及び第2の各ステップで染色した菌類を、光散乱加工が
施された透光板上に滴下し、励起光を前記透光板の前記
菌類に照射して当該菌類を蛍光発光させ、前記蛍光発光
した菌類を撮像手段で撮影して画像処理を行うことによ
り、死菌細胞数を計測することを特徴とする。
【0012】このように撮像手段で撮影した画像により
死菌細胞数を計測するようにしているため、目視による
計測とに比較して極めて高精度に菌類細胞数を計測する
ことができる。
【0013】本発明の微生物計測方法は、前記第1及び
第2の各ステップで染色した菌類を、透光性を有するマ
イクロチューブ内に通過させ、当該マイクロチューブ内
を通過中の菌類に励起光を照射して前記菌類を蛍光発光
させ、前記蛍光発光した菌類をフォトダイオード又は光
電子増倍管で検知することにより、死菌細胞数を計測す
ることを特徴とする。
【0014】菌類の計測に際してマイクロチューブを用
いているため、計測対象の菌類がマイクロチューブ内を
極めて少量ずつ通過することになる。このためチューブ
内を通過する菌類に励起光を照射して検知することによ
り、菌類の判別を一つ単位で行うこともでき、極めて高
精度に菌類の数を計測することができる。
【0015】また本発明の微生物計測装置は、生菌細胞
数及び死菌細胞数を計測する微生物計測装置において、
励起光を照射する光源と、菌類細胞を保持する透光性を
有するセルと、当該セルに対して前記光源の照射軸と直
交する位置にあり、前記セル内の菌類を検知するフォト
ダイオード又は光電子増倍管と、当該フォトダイオード
又は光電子増倍管で検知した画像から菌類細胞の数を計
測する計測手段と、を具えることを特徴とする。
【0016】本発明の微生物計測装置は、生菌細胞数及
び死菌細胞数を計測する微生物計測装置において、励起
光を照射する光源と、菌類細胞を保持する光散乱加工が
施された透光板と、当該透光板に対して前記光源と対向
する位置にあり、前記透光板上の菌類細胞を撮影する撮
像手段と、当該撮像手段で撮影した画像から菌類細胞の
数を計測する計測手段とを具えることを特徴とする。
【0017】また本発明の微生物計測装置は、生菌細胞
数及び死菌細胞数を計測する微生物計測装置であって、
励起光を照射する光源と、菌類細胞を通過させる透光性
を有するマイクロチューブと、当該マイクロチューブに
対して前記光源の照射軸と直交する位置にあり、前記マ
イクロチューブを通過する菌類を検知するフォトダイオ
ード又は光電子増倍管と、当該フォトダイオード又は光
電子増倍管で検知した画像から菌類細胞の数を計測する
計測手段と、を具えることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。本発明の微生物計測方法は、適宜手段で採取した
菌類を、死菌細胞のみを蛍光発光させる蛍光試薬により
染色して染色菌液を生成し、この菌液に励起光を照射す
ることにより蛍光発光した死菌細胞数を計測する。次い
で、計測後の染色菌液に殺菌処理を施し、殺菌処理後の
染色菌液を死菌細胞のみを蛍光発光させる蛍光試薬で再
度染色し、この菌液に励起光を照射することにより、蛍
光発光した死菌細胞数を計測する。
【0019】すなわち、最初に計測した死菌細胞数は、
検体内の菌類のうち死菌細胞の数を示す数値となる。ま
た2度目に計測した死菌細胞数は、検体内に存在した菌
類細胞の全量を示す数値となる。さらに、2度目に計測
した死菌細胞数から最初に計測した死菌細胞数を減算す
ることによって、検体内に存在した生菌細胞の数を計測
することができる。
【0020】本発明の微生物計測方法では、蛍光試薬と
してプロピディームイオダイド(PI)を使用する。こ
のプロピディームイオダイドは、分子量が大きいため生
菌細胞の細胞膜を通過できないが、死菌細胞内には浸透
することができ、死菌細胞の核酸と結合する。また、プ
ロピディームイオダイドは中心波長が488nm(±1
0nm)の励起光を照射すると、それを吸収して中心波
長が625nm(±10nm)の強い蛍光発光を出す。
従って、検体の菌類と反応させることによって、検体内
の菌類細胞のうち死菌細胞のみを蛍光発光させることが
できる。なお本実施形態ではプロピディームイオダイド
を用いたが、これ以外でも死菌細胞のみを蛍光発光させ
る蛍光試薬であればどのような試薬を用いてもよい。
【0021】以下に、本発明の微生物計測方法について
説明する。まず検体から細菌類や黴菌類などの菌類を適
宜手段で採取する。採取した菌類を上述したプロピディ
ームイオダイドを含む溶液で染色し、染色を施した菌液
に中心波長が488nmの励起光を照射する。この励起
光の照射により、染色菌液に含まれる菌類のうち死菌細
胞内に浸透したプロピディームイオダイドが、中心波長
625nmの蛍光波長を発し、死菌細胞を蛍光発光させ
る。この段階で、後述する計測装置により死菌細胞の数
を計測する(第1ステップ)。
【0022】第1ステップで死菌細胞を計測した後、同
じ染色菌液に対して殺菌処理を施す。殺菌方法として
は、熱処理、紫外線処理、超音波処理、薬品処理、その
他微生物を殺菌するなどの一般的な処理方法を用いる。
具体的には、煮沸又は高温蒸気による熱処理、紫外線を
照射する紫外線処理、超音波を照射する処理、アルコー
ルやフェノール、あるいは重金属などの化学物質により
処理する薬品処理である。その他の方法としては、高速
電子線を放射する処理などがある。
【0023】以上の処理により、検体から採取した段階
でまだ生菌であった菌を全て殺菌し、染色菌液内の菌類
細胞を全て死菌細胞の状態にする。この状態の染色菌液
に対して、再度プロピディームイオダイドで染色し、染
色菌液に中心波長が488nmの励起光を再度照射す
る。この励起光の照射により、染色菌液中の死菌細胞、
すなわち検体から採取した全ての菌類細胞内に浸透し
て、核酸と結合したプロピディームイオダイドが、中心
波長615nmの蛍光波長を発し、死菌細胞を蛍光発光
させる。この段階で、後述する計測装置により死菌細胞
の数を再度計測する(第2ステップ)。
【0024】次いで、第2ステップで計測した死菌細胞
数から、第1ステップで計測した死菌細胞数を減算し
て、検体から採取した全菌類細胞のうちの生菌細胞の数
を求める。ここで、第1ステップで計測した死菌細胞数
が、検体から採取した全菌類細胞のうち、死菌細胞数を
示す数値である。さらに第2ステップで計測した死菌細
胞数が、検体から採取した全菌類細胞数を示す数値に該
当する。
【0025】以上のように、本発明の微生物計測方法に
よれば、蛍光試薬として用いるプロピディームイオダイ
ドは周囲の環境条件に左右されずに死菌細胞内に浸透し
て核酸と結合するので、高精度にかつ安定的に微生物の
判別を行うことができる。
【0026】以下に、本発明の微生物計測方法を実施す
るための計測装置について説明する。図1は、本発明に
係る微生物計測装置の第1実施例の構成を示す平面図で
ある。第1実施例で使用する微生物計測装置1は、染色
菌液を注入するセル2と、当該セル2に対して中心波長
が488nm(±10nm)の励起光を照射する励起光
源3と、セル2からの蛍光発光を検知するフォトダイオ
ード又は光電子増倍管4と、をその内部を暗室状態にす
るケーシング7内に設けられている。
【0027】セル2は、透光性を有する素材で形成され
ており、通常は、ガラス若しくはアクリル樹脂等の素材
を用いるのが好ましい。セル2は、ケーシング7の上面
に設けた挿入口(図示せず)から挿入して、ケーシング
7に装着する。なおセル2は、励起光源3から照射され
た励起光及びフォトダイオード又は光電子増倍管4が受
光する死菌細胞からの蛍光発光がセル2表面で乱反射し
たり屈折しないように、その外形を角柱形状に形成する
のが好ましい。
【0028】励起光源3は、一方向が開口した電磁波シ
ールド管体3−1内に白色パルス光源3−2を設けた構
成である。この励起光源3は、中心波長が488nmの
励起光を照射させるようにするため、励起光源3にはス
トークス則により中心波長が488nmの特定波長を透
過するバンドパスフィルタ3−3を設けている。白色パ
ルス光源3−2としては通常、発光強度が極めて高いキ
セノンランプを用いることができる。このキセノンラン
プは光量の安定性があまり高くないため、発光強度は弱
いが安定性のあるLED(発光ダイオード)を複数用い
ることによって代用できる。
【0029】フォトダイオード又は光電子増倍管4は、
セル2内に注入された染色菌液内の死菌細胞が出す蛍光
発光に関する画像を検知し、それを電気信号に変換する
ものである。その検知レベルとしてはピコW程度の検知
感度のものが好ましい。なお、フォトダイオード又は光
電子増倍管4は励起光源3の照射軸と直交する方向に設
けられている。さらにこのダイオード4には、死菌細胞
からの蛍光発光のみを透過するバンドパスフィルタ5を
設けている。なお、フォトダイオード又は光電子増倍管
4は、検知した画像の電気的処理を行うための情報処理
装置6に接続されている。
【0030】情報処理装置6は、ダイオード又は増倍管
4で検出した電気信号の処理を行う情報処理装置であ
り、検出した細胞数の計測や加算処理、減算処理などを
行う制御部を具えている。また処理画像や計測結果を表
示するためのディスプレイや計数表示管も備えている
(図示せず)。一方、ケーシング7は、外部光線を遮断
でき、かつ耐久性に優れる素材で形成されており、例え
ば鉄板材やアルミ板材を用いることができる。
【0031】まず、検体中の死菌細胞のみをプロピディ
ームイオダイドで染色した染色菌液をセル2内に注入
し、セル2内の染色菌液に対して、励起光源3から中心
波長488nm(±10nm)の励起光を照射する。す
ると染色菌液内の死菌細胞のみが蛍光発光するので、そ
の蛍光発光をフォトダイオード又は光電子増倍管4で蛍
光画像として検知して、死菌細胞数を検出する(第1ス
テップ)。次いで、セル2内の染色菌液に対して殺菌処
理を行い、殺菌処理を行った染色菌液を再度プロピディ
ームイオダイドで染色する。そしてこの染色菌液をセル
2内に戻し、第1ステップと同様の方法で死菌細胞数を
検出する(第2ステップ)。最後に情報処理装置6を介
して、第2ステップの計測数から第1ステップの計測数
を減算処理して、検体内に存在した生菌細胞の数を計測
する。
【0032】なお、フォトダイオード又は光電子増倍管
4では、バンドパスフィルタ5により死菌細胞からの蛍
光発光のみを検知し、検知した画像を電気信号に変換す
る。ここで、情報処理装置6を介することにより、変換
された電気信号から平均値を算出する処理、適宜倍率に
拡大する処理、フォトダイオード又は光電子増倍管4で
検知された電気信号を合成する処理を行うことができ
る。本例では電子信号に変換した画像により死菌細胞の
カウントを高精度にかつ安定的に行うことができる。
【0033】図2は、本発明に係る微生物計測装置の第
2実施例の構成を示す図である。第2の実施例で使用す
る微生物計測装置11は、染色菌液を滴下する透光板1
2と、当該透光板12の下側から中心波長が488nm
(±10nm)の励起光を照射する励起光源13と、透
光板12に対して励起光源13に対向する位置に設けた
CCDカメラ14と、このCCDカメラ14で撮影した
画像を処理する画像処理装置15と、透光板12上の菌
類を拡大するための拡大レンズ16とから構成されてい
る。なお、画像処理装置15以外は、その内部を暗室状
態に保持するケーシング17内に設けられている。
【0034】透光板12は、光散乱加工が施され、かつ
透光性を有する素材で形成されている。通常は、ガラス
若しくはアクリル樹脂等の素材が用いられ、例えば、光
散乱が5〜50倍程度のすりガラス板を用いるのが好ま
しい。励起光源3は、第1実施例と同様のものを用いる
ので、ここでの重複した説明は省略する。
【0035】CCDカメラ14は、拡大レンズ16で拡
大された状態の画像を撮影し、当該画像を画像処理装置
15により画像解析することが可能である。なお、画像
処理装置15は、CCDカメラ14にて撮影した画像の
処理を行う情報処理装置であり、検出した細胞数の計測
や加算処理、減算処理などを行う制御部を具えている。
また処理画像や計測結果を表示するためのディスプレイ
も備えている(図示せず)。拡大レンズ16は、透光板
12上の菌類を拡大するために用いるが、その倍率が2
00倍以上であることが好ましい。なお、この倍率は透
光板12の大きさや菌類に合わせて適宜変更可能であ
る。ケーシング7は、外部光線を遮断でき、かつ耐久性
に優れる素材で形成されており、例えば鉄板材やアルミ
板材を用いることができる。
【0036】まず、検体中の死菌細胞のみをプロピディ
ームイオダイドで染色した染色菌液を透光板12上に付
着させるかまたは滴下し、拡大レンズ16で拡大してC
CDカメラ14で撮影して画像処理を行うことによっ
て、本例では死菌細胞を検出する(第1ステップ)。そ
して、透光板12上の検体内の菌類細胞に対して上述し
た殺菌処理を行い、再度プロピディームイオダイドで染
色し、さらにCCDカメラ14で撮影して画像処理を行
うことによって、死菌細胞を再度検出する(第2ステッ
プ)。次いで、画像処理装置15で第2ステップの計測
数から第1ステップの計測数を減算処理することによ
り、検体内の生菌細胞の数を計測する。
【0037】このように本例では、死菌細胞が発する蛍
光発光をCCDカメラで撮影して画像処理することによ
って、極めて高精度に菌類細胞のカウントを行うことが
できる。なお、本例ではCCDカメラの画像処理により
死菌細胞を検出しているが、目視により微生物を検出す
るようにしてもよい。
【0038】図3(a)は、本発明の第3実施例に係る
計測装置の構成を示す図であり、図3(b)は、図3
(a)に示す計測装置を上から見た概略図である。図3
に示すように、微生物計測装置21は、染色処理を施し
た菌類を通過させるマイクロチューブ22と、当該マイ
クロチューブ22の側面から中心波長が488nm(±
10nm)の励起光を照射する励起光源23(図2
(b)参照)と、菌類の蛍光発光を電気信号に変換する
フォトダイオード又は光電子増倍管24とがケーシング
27内に設けられている。
【0039】マイクロチューブ22は、菌類の大きさに
合わせて、菌類が一つずつ通過できるように、その径が
1μm〜10μmの範囲で形成されている。なおこの径
は、判別する菌類の大きさに合わせて適宜変更すること
ができる。チューブ22は透光性を有する素材から形成
されており、例えばガラスやアクリル樹脂等の素材であ
ることが好ましい。またこのチューブ22の流入口に
は、更に高精度の判別を可能にすべく、染色菌液内の微
細なゴミを取り除くフィルタ25を設けるようにする。
なお、励起光源23、フォトダイオード又は光電子増倍
管24、ケーシング27、および情報処理装置28につ
いては第1実施例と同様のものを用いることができるの
で、ここでの重複した説明は省略する。
【0040】まず、第1実施例と同じように検体内の死
菌細胞のみを染色した染色菌液をマイクロチューブ22
の流入口から流入させる。この際、フィルタ25によっ
て不要なゴミが取り除かれる。次いで図2(b)に示す
ように、マイクロチューブ22内を流れる染色菌液に対
して、励起光源23から中心波長488nm(±10n
m)の励起光を照射する。すると、染色菌液内の死菌細
胞のみが蛍光発光するので、その蛍光発光をフォトダイ
オード又は光電子増倍管24で検知して、死菌細胞数を
検出する(第1ステップ)。次いで、チューブ22から
流れ出た染色菌液に対して上述した殺菌処理を行い、殺
菌処理を行った染色菌液を再度プロピディームイオダイ
ドで染色する。次いでこの菌液をマイクロチューブ22
に通過させ、死菌細胞を検出する(第2ステップ)。次
いで、情報処理装置28で第2ステップの計測数から第
1ステップの計測数を減算処理して、検体内に存在した
生菌細胞の数を計測する。
【0041】なお、フォトダイオード又は光電子増倍管
24では、バンドパスフィルタ26により死菌細胞から
の蛍光発光のみを検知し、検知した画像を電気信号に変
換する。ここで、情報処理装置28を介することによ
り、変換された電気信号から平均値を算出する処理、適
宜倍率に拡大する処理、フォトダイオード又は光電子増
倍管24で検知された電気信号を合成する処理を行うこ
とができる。本例では電子信号に変換した画像により死
菌細胞のカウントを高精度にかつ安定的に行うことがで
きる。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の微生物計測方法及び装置によれば、蛍光試薬として用
いるプロピディームイオダイド(PI)が周囲の環境条
件に左右されずに死菌細胞内の核酸と結合して蛍光発光
するので、高精度にかつ安定的に菌類細胞数の計測を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例に係る微生物計測
装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の第2実施例に係る微生物計測
装置の構成を示す図である。
【図3】図3は、本発明の第3実施例に係る微生物計測
装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1、11、21 微生物計測装置 2 セル 12 透光板 22 マイクロチューブ 3、13、23 励起光源 3−1、13−1、23−1 電磁波シールド管体 3−2、13−2、23−2 白色パルス光源 3−3、13−3、23−3 バンドパスフィルタ 4、24 フォトダイオード又は光電子増倍管 14 CCDカメラ 5、26 バンドパスフィルタ 6、15、28 情報処理装置 7、17、27 ケーシング 16 拡大レンズ 22 マイクロチューブ 25 フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G043 AA04 BA17 CA04 DA01 EA01 FA01 FA02 GA01 GB01 HA01 HA08 JA02 KA02 KA05 KA08 LA02 LA03 NA01 4B029 AA07 BB01 CC01 FA04 4B063 QA20 QQ05 QR66 QS36 QS39 QX02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 死菌細胞のみを蛍光発光させる蛍光試薬
    で検体となる菌類全体を染色して、蛍光発光した死菌細
    胞数を計測する第1のステップと、前記検体となる菌類
    全体に殺菌処理を施した上で、当該殺菌処理した菌類全
    体を前記蛍光試薬で再度染色して、蛍光発光した死菌細
    胞数を計測する第2のステップと、を備え、前記第1ス
    テップで計測した数と前記第2ステップで計測した数と
    を比較することにより、生菌細胞数及び死菌細胞数を計
    測することを特徴とする微生物計測方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の微生物計測方法におい
    て、前記検体となる菌類全体の殺菌処理を、熱処理、紫
    外線処理、超音波処理、薬品処理のいずれかの方法で行
    うことを特徴とする微生物計測方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の微生物計測方法
    において、前記第1及び第2の各ステップで染色した菌
    類を、透光性を有するセルに注入し、当該セル内の菌類
    に励起光を照射して前記菌類を蛍光発光させ、前記蛍光
    発光した菌類をフォトダイオード又は光電子増倍管で検
    知することにより、死菌細胞数を計測することを特徴と
    する微生物計測方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の微生物計測方法
    において、前記第1及び第2の各ステップで染色した菌
    類を、光散乱加工が施された透光板上に滴下し、励起光
    を前記透光板の前記菌類に照射して当該菌類を蛍光発光
    させ、前記蛍光発光した菌類を撮像手段で撮影して画像
    処理を行うことにより、死菌細胞数を計測することを特
    徴とする微生物計測方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の微生物計測方法
    において、前記第1及び第2の各ステップで染色した菌
    類を、透光性を有するマイクロチューブ内に通過させ、
    当該マイクロチューブ内を通過中の菌類に励起光を照射
    して前記菌類を蛍光発光させ、前記蛍光発光した菌類を
    フォトダイオード又は光電子増倍管で検知することによ
    り、死菌細胞数を計測することを特徴とする微生物計測
    方法。
  6. 【請求項6】 生菌細胞数及び死菌細胞数を計測する微
    生物計測装置において、励起光を照射する光源と、菌類
    細胞を保持する透光性を有するセルと、当該セルに対し
    て前記光源の照射軸と直交する位置にあり、前記セル内
    の菌類を検知するフォトダイオード又は光電子増倍管
    と、当該フォトダイオード又は光電子増倍管で検知した
    画像から菌類細胞の数を計測する計測手段と、を具える
    ことを特徴とする微生物計測装置。
  7. 【請求項7】 生菌細胞数及び死菌細胞数を計測する微
    生物計測装置において、励起光を照射する光源と、菌類
    細胞を保持する光散乱加工が施された透光板と、当該透
    光板に対して前記光源と対向する位置にあり、前記透光
    板上の菌類細胞を撮影する撮像手段と、当該撮像手段で
    撮影した画像から菌類細胞の数を計測する計測手段と、
    を具えることを特徴とする微生物計測装置。
  8. 【請求項8】 生菌細胞数及び死菌細胞数を計測する微
    生物計測装置において、励起光を照射する光源と、菌類
    細胞を通過させる透光性を有するマイクロチューブと、
    当該マイクロチューブに対して前記光源の照射軸と直交
    する位置にあり、前記マイクロチューブを通過する菌類
    を検知するフォトダイオード又は光電子増倍管と、当該
    フォトダイオード又は光電子増倍管で検知した画像から
    菌類細胞の数を計測する計測手段と、を具えることを特
    徴とする微生物計測装置。
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